JP6852750B2 - スプリングバック量乖離要因部位特定方法および装置 - Google Patents

スプリングバック量乖離要因部位特定方法および装置 Download PDF

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Description

本発明は、実パネルのプレス成形品のスプリングバック量とCAE解析のスプリングバック量に乖離が生じる要因となる前記プレス成形品における部位を特定するスプリングバック量乖離要因部位特定方法および装置に関する。
金属板のプレス成型における成形品に対しては、高い形状精度が求められている。要求される形状精度を満足させるために、プレス成形後に金型から取り出した成形品が弾性変形することによって生じるスプリングバックを低減させることが重要である。
成形品の下死点における内部応力がスプリングバックの挙動に影響を及ぼすため、成形品のどの部位における応力がスプリングバックに対してどのような影響を与えるのかを把握することはスプリングバック対策を講じるのに有効である。
その手法として、特許文献1に開示されるプレス成形解析方法では、有限要素法を用いた解析によって解析を行っている。
特許文献1のプレス成形解析方法によれば、「プレス成形品である成形対象物のある領域についての残留応力分布を変更する前後において、スプリングバックに関するある定義された量がどのように変化するかを算出するので、この結果に基づいて、離型前の成形対象物のある領域の残留応力のスプリングバックへの影響を予測することができる」(発明の効果参照)としている。
特許文献1に開示されたような手法を用いることで、実際の金型を作成する前にスプリングバック対策を検討することができ、形状精度を確保するための金型調整作業を大幅に低減することができる。
その他のCAE解析を用いたスプリングバックの要因分析方法として、特許文献2では離型前の残留応力と離型後の残留応力からスプリングバック(SB)有効応力を算出し、該SB有効応力を用いて要因分析を行うことで、より適切な評価を行う方法が開示されている。
上述した方法はCAE解析におけるデータ設定から算出した応力状態よりスプリングバック解析を行っている。これに対し、特許文献3では、実際にプレス成形した成形品の表面形状を測定して作成した測定三次元形状をCAE解析に取り込み、該測定三次元形状を金型モデルによって成形下死点状態まで挟み込んだ状態の力学的解析を行って応力分布状態を取得し、該応力分布状態を用いて要因分析を行うことで、より正確な評価を行う方法が開示されている。
特開2007−229724号公報 特開2012−206158号公報 特開2013−71120号公報
しかしながら、CAE解析に基づいたスプリングバック対策を講じた金型を作製してプレス成形を行っても、実際のプレス成形品に講じた対策で期待された形状とは異なる形状となることがある。
これは、プレス成形に使用した金型の形状や種々の成形条件によって、金属板に対してCAE解析で想定した成形荷重がかからなかった場合や、CAE解析が離型前の応力状態を正確に再現することができなかった場合などに起きうるもので、そのような場合にはプレス成形に用いる金型や成形条件を調整したり、CAE解析上の設定や金型形状を見直したりする必要がある。
そのような調整作業においては、CAE解析によるスプリングバック解析結果と実際の成形品のスプリングバック量の乖離要因が、成形品のどの部位で発生しているのかを特定することが求められるが、特許文献1乃至3に開示されている方法はスプリングバックそのものの発生要因となる部位を特定するものであり、CAE解析と実スプリングバック量の乖離要因となる部位を特定するものではなかった。
また、CAE解析を用いたスプリングバック対策の有用性を担保するためには、スプリングバック解析の再現性を向上させて、実際の成形品のスプリングバックと乖離しないようにすることが求められる。そのためにも、成形品において乖離要因となる部位を特定することが必要である。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、実パネルのプレス成形品のスプリングバック量とCAE解析のスプリングバック量に乖離が生じる要因となる前記プレス成形品における部位を特定するスプリングバック量乖離要因部位特定方法および装置を提供することを目的とする。
(1)本発明に係るスプリングバック量乖離要因部位特定方法は、実パネルをプレス成形したプレス成品に生ずるスプリングバック量と、前記プレス成形品と同形状の解析モデルについてスプリングバック解析を行った際のスプリングバック量に乖離が生ずる場合において、該乖離が生ずる要因となる成形品形状における部位を特定するものであって、前記プレス成形品の離型後における表面形状を測定して取得した三次元形状測定データからプレス成形品モデルを作成し、該プレス成形品モデルを金型モデルによって下死点まで挟み込んだ状態の力学的解析を行い、成形下死点における応力分布を前記プレス成形品のスプリングバックに寄与した駆動応力分布として取得する成形品駆動応力分布取得ステップと、前記スプリングバック解析における下死点応力分布及び離型後の残留応力分布を取得し、該下死点応力分布と離型後の残留応力分布の差分をスプリングバック解析における駆動応力分布として取得する解析駆動応力分布取得ステップと、該解析駆動応力分布取得ステップで取得した解析駆動応力分布と前記成形品駆動応力分布取得ステップで取得した成形品駆動応力分布の差分から応力差分分布を取得して、前記スプリングバック解析における下死点の成形品形状に前記応力差分分布を設定する応力差分分布設定ステップと、該設定した応力差分分布に基づいてスプリングバック解析を行ってスプリングバック量を取得する応力差分スプリングバック量取得ステップと、前記応力差分分布設定ステップで設定した前記応力差分分布のうち、一部の領域の応力差分の値を変更して、該変更した応力差分分布に基づいてスプリングバック解析を行ってスプリングバック量を取得する変更応力差分スプリングバック量取得ステップと、該変更応力差分スプリングバック量取得ステップ及び前記応力差分スプリングバック量取得ステップで取得したスプリングバック量を比較して変化量を求め該変化量に基づいて前記プレス成形品と前記スプリングバック解析のスプリングバック量に乖離が生ずる要因となる成形品形状における部位を特定するスプリングバック量乖離要因部位特定ステップと、を備えていることを特徴とするものである。
(2)また、上記(1)に記載のものにおいて、前記変更応力差分スプリングバック量取得ステップにおける応力差分の値の変更は、前記応力差分分布に対して少なくとも1方向の成分を、消去する、定数倍する、定数を加算する、定数乗する、被加工材の板厚方向の平均値に置き換える、被加工材の板厚方向の中央値に置き換える、のいずれかであることを特徴とするものである。
(3)本発明に係るスプリングバック量乖離要因部位特定装置は、実パネルをプレス成形したプレス成品に生ずるスプリングバック量と、前記プレス成形品と同形状の解析モデルについてスプリングバック解析を行った際のスプリングバック量に乖離が生ずる場合において、該乖離が生ずる要因となる成形品形状における部位を特定するものであって、前記プレス成形品の離型後における表面形状を測定して取得した三次元形状測定データからプレス成形品モデルを作成し、該プレス成形品モデルを金型モデルによって下死点まで挟み込んだ状態の力学的解析を行い、成形下死点における応力分布を前記プレス成形品のスプリングバックに寄与した駆動応力分布として取得する成形品駆動応力分布取得手段と、前記スプリングバック解析における下死点応力分布及び離型後の残留応力分布を取得し、該下死点応力分布と離型後の残留応力分布の差分をスプリングバック解析における駆動応力分布として取得する解析駆動応力分布取得手段と、該解析駆動応力分布取得手段で取得した解析駆動応力分布と前記成形品駆動応力分布取得手段で取得した成形品駆動応力分布の差分から応力差分分布を取得して、前記スプリングバック解析における下死点の成形品形状に前記応力差分分布を設定する応力差分分布設定手段と、該設定した応力差分分布に基づいてスプリングバック解析を行ってスプリングバック量を取得する応力差分スプリングバック量取得手段と、前記応力差分分布設定手段で設定した前記応力差分分布のうち、一部の領域の応力差分の値を変更して、該変更した応力差分分布に基づいてスプリングバック解析を行ってスプリングバック量を取得する変更応力差分スプリングバック量取得手段と、該変更応力差分スプリングバック量取得手段及び前記応力差分スプリングバック量取得手段で取得したスプリングバック量を比較して変化量を求め該変化量に基づいて前記プレス成形品と前記スプリングバック解析のスプリングバック量に乖離が生ずる要因となる成形品形状における部位を特定するスプリングバック量乖離要因部位特定手段と、を備えていることを特徴とするものである。
(4)また、上記(3)に記載のものにおいて、前記変更応力差分スプリングバック量取得手段における応力差分の値の変更は、前記応力差分分布に対して少なくとも1方向の成分を、消去する、定数倍する、定数を加算する、定数乗する、被加工材の板厚方向の平均値に置き換える、被加工材の板厚方向の中央値に置き換える、のいずれかであることを特徴とするものである。
本発明によれば、CAE解析によるスプリングバック解析と実際の成形品に生じたスプリングバック量の乖離の要因となる部位を特定することができるので、実際のプレス成形金型や成形条件を調整する作業の負荷を低減し、CAE解析を用いたスプリングバック対策の有用性を向上させることができる。
本実施の形態1に係るスプリングバック量乖離要因部位特定方法の処理の流れを示すフロー図である。 本実施の形態1におけるプレス成形品を説明する図である。 本実施の形態1において、CAE解析における駆動応力分布を示す図である。 本実施の形態1において、実パネルにおける駆動応力分布を示す図である。 本実施の形態1において、CAE解析における駆動応力分布(a)と、実パネルにおける駆動応力分布(b)と、CAE解析と実パネルの駆動応力差分分布(c)を示す図である。 CAE解析と実パネルの駆動応力差分分布(a)と、該駆動応力差分分布に基づくスプリングバック解析により算出した変位(b)を示す図である。 本実施の形態1におけるスプリングバック解析における固定点と該スプリングバック解析により求めた変位の解析結果を示す図である。 本実施の形態1においてスプリングバック量である首振り量とはね量の算出方法を説明する図である。 本実施の形態1において、成形品の領域分割を説明する図である。 本実施の形態1において、応力差分を変更する領域(a)と、該領域の応力差分を変更してスプリングバック解析により算出した変位(b)を示す図である(その1)。 本実施の形態1において、応力差分を変更する領域(a)と、該領域の応力差分を変更してスプリングバック解析により算出した変位(b)を示す図である(その2)。 本実施の形態1において、応力差分を変更する領域(a)と、該領域の応力差分を変更してスプリングバック解析により算出した変位(b)を示す図である(その3)。 本実施の形態1において、応力差分を変更する領域(a)と、該領域の応力差分を変更してスプリングバック解析により算出した変位(b)を示す図である(その4)。 本実施の形態1において、応力差分を消去した領域と、該応力差分を消去したときのスプリングバックにより生じる首振り量の関係を示すグラフである。 本実施の形態1において、応力差分を消去した領域と、該応力差分を消去したときのスプリングバックにより生じるはね量の関係を示すグラフである。 CAE解析の成形下死点における応力分布を実パネルの応力分布に置き換える領域と、該応力分布を変更したときのCAE解析と実パネルの首振りの乖離量を示すグラフである。 CAE解析の成形下死点における応力分布を実パネルの応力分布に置き換える領域と、該応力分布を変更したときのCAE解析と実パネルのはねの乖離量を示すグラフである。 本実施の形態2に係るスプリングバック量乖離要因部位特定装置の構成を説明するためのブロック図である。
本発明の実施の形態に係るスプリングバック量乖離要因部位特定方法を説明する前に、まず本発明に至った経緯について説明する。
<本発明に至った経緯>
図2に一例として示すような成形品1のプレス成形においては、プレス成形前に行うスプリングバック解析(CAE解析ともいう)によって算出されたスプリングバック量と実際にプレス成形された成形品(実パネルともいう)のスプリングバック量に差(乖離)が生じる場合があった。そして、このようなCAE解析と実パネルにスプリングバック量の乖離が生じる要因となる部位は、スプリングバックそのものが発生する要因となる部位とは異なる場合がある。そのため、スプリングバックが発生する要因となる部位に何らかの対策を施してスプリングバックを低減したとしても、CAE解析と実パネルの間に生じるスプリングバック量の乖離を低減するには至らないという問題があった。
そこで発明者は、このような問題を解決するために鋭意検討した。その結果、スプリングバック量の乖離の要因が、CAE解析におけるスプリングバックに寄与した応力と、実パネルにおけるスプリングバックに寄与した応力の違いに起因するのではないかと着想するに至った。
そこで、この着想の妥当性を検証するために、図2に示すハット断面形状の成形品1について、CAE解析及び実パネルのそれぞれについてスプリングバックに寄与した応力(以降、駆動応力分布ともいう)を求め、CAE解析における駆動応力分布と実パネルにおける駆動応力分布の差分(以降、応力差分分布ともいう)を算出し、該応力差分分布をCAE解析の成形下死点における応力分布に置き換えてスプリングバック解析を行った(駆動応力算出方法については後述する実施の形態で詳しく説明する)。
スプリングバック量として、長手方向端部の板幅方向への変位量である首振り量と、成形ストローク方向への変位量であるはね量(図8参照)を算出し、CAE解析と実パネルのスプリングバック量の差(乖離量)と比較した結果を表1に示す。
Figure 0006852750
表1に示すように、CAE解析と実パネルのスプリングバック量の差と応力差分分布を設定したスプリングバック解析により得られたスプリングバック量とはほぼ同じ値になることが確認された。つまり、CAE解析と実パネルの駆動応力分布の違いである応力差分が、スプリングバック量の乖離の原因であると考えてよいという知見を得た。
本発明に係るスプリングバック量乖離要因部位特定方法は、上記の経緯により完成されたものであり、その具体的な方法を以下の実施の形態にて説明する。
[実施の形態1]
本発明の実施の形態1に係るスプリングバック量乖離要因部位特定方法は、実パネルをプレス成形したプレス成形品とスプリングバック解析のスプリングバック量に乖離が生じる場合において、該スプリングバック量に乖離が生じる要因となる成形品形状における部位を特定するものであって、図1に示すように、成形品駆動応力分布取得ステップS1と、解析駆動応力分布取得ステップS3と、応力差分分布設定ステップS5と、応力差分スプリングバック量取得ステップS7と、変更応力差分スプリングバック量取得ステップS9と、スプリングバック量乖離要因部位特定ステップS11とを備えたものである。
図2に示すようなハット断面形状の成形品1をプレス成形する場合を例とし、上記の各ステップを説明する。
本実施の形態におけるCAE解析では、図2に示すように、ダイ5とパンチ7からなる金型モデル3により被加工材(鋼板)であるブランクモデル9を挟むプレス成形解析を実施する。なお、プレス成形解析においては、図2に示すように位置決めピンにより成形過程においてブランクモデル9を固定するものとし、ブランクモデル9の要素サイズを約1mm、解析条件として、ブランクモデル9と金型モデル3との間の摩擦係数を0.15、成形下死点位置を上下金型のモデルのスキが1.45mmとなる位置とした。また、被加工材は、板厚1.4mmの980MPa級GA鋼板とした。
なお、本実施の形態における実パネルはCAE解析に設定した成形条件と同じ条件下でプレス成形を行って成形したものとする。
<成形品駆動応力分布取得ステップ>
成形品駆動応力分布取得ステップS1は、実パネルの駆動応力分布を取得するステップである。
具体的には、上述したようなCAE解析に設定した成形条件と同じ条件でプレス成形を行って実パネルを成形し、該実パネルの離型後における表面形状を測定して取得した三次元形状測定データからプレス成形品モデルを作成し、該プレス成形品モデルを図2に示した金型モデル3によって成形下死点まで挟み込んだ状態の力学的解析を行って図4に示したような応力分布を取得するものである。
上記力学的解析として弾性有限要素解析を行い、該弾性有限要素解析により得られた応力分布は実パネルのスプリングバックに寄与した応力、すなわち、実パネルの駆動応力に相当する。
ここで、実パネルの三次元形状の測定、プレス成形品モデルの作成および弾性有限要素解析の具体的な方法としては、例えば、特許文献3に記載されている方法を用いることができる。
<解析駆動応力分布取得ステップ>
解析駆動応力分布取得ステップS3は、CAE解析(スプリングバック解析)における下死点応力分布及び離型後の残留応力をそれぞれ取得して、その差分からCAE解析における駆動応力を取得するステップである。
プレス成形品の下死点における応力がスプリングバックの挙動に影響を及ぼすものではあるが、金型から離型した後のプレス成形品にも応力が残留している。すなわち、離型前の応力のすべてがスプリングバックに寄与するわけではなく、離型後のスプリングバックが生じたプレス成形品に残留する応力はスプリングバックに寄与しなかったものと考えられる。
成形品駆動応力分布取得ステップS1で取得した駆動応力(スプリングバックに寄与した応力)との正確な比較分析を行うためにはCAE解析における駆動応力を算出する必要がある。
そこで、解析駆動応力分布取得ステップS3では、図2に示した金型モデル3及びブランクモデル9を用いてCAE解析を行い、離型前(下死点)における成形品の応力及び離型後(スプリングバック後)における成形品の残留応力を取得し、下死点の応力から離型後の残留応力を差し引くことで図3に示したようなCAE解析における駆動応力分布(以降、単に応力分布ともいう)を算出するようにした。
なお、解析駆動応力分布取得ステップS3は、コンピュータがCAE解析を行うものであり、CAE解析には、例えば、有限要素法解析ソフトウェアを用いることができる。本実施の形態では、市販の有限要素法解析ソフトウェアであるLS−DYNA Ver.971をコンピュータ上で実行することにより解析を行い、ソルバーには動的陽解法を適用した。
また、本発明は、図2に示すような金型モデル3を用いるものや、ハット断面形状の成形品1を成形対象とするものに限らず、成形対象に応じて金型モデルや成形品などを適宜設定することができる。
さらに、離型後の残留応力がほぼ無視できるような小さな値であった場合には、解析下死点の応力分布の全てがスプリングバックに寄与するとみなし、下死点における応力分布を解析駆動応力分布としてもよい。
<応力差分分布設定ステップ>
応力差分分布設定ステップS5は、図5に示すように、解析駆動応力分布取得ステップS3で算出した応力分布(図3、図5(a))と成形品駆動応力分布取得ステップS1で算出した応力分布(図4、図5(b))との差分を応力差分分布として算出し(図5(c))、算出した応力差分分布を、CAE解析の下死点形状における応力分布に設定するステップである。
なお、図5に示す各応力分布は応力の大きさの違いが色の濃淡で示されているが、図5(c)は、図5(a)及び図5(b)よりも色表示のレンジ幅を小さく設定したものである。このようにすることで、応力差が大きい部分(黒または白に近い部分)と応力差が小さい部分(図中右側のグレースケール中間色に近い部分)をより区別しやすくしている。
<応力差分スプリングバック量取得ステップ>
応力差分スプリングバック量取得ステップS7は、応力差分分布設定ステップS5で設定した応力差分分布を用いてスプリングバック解析を行い、そこで生じるスプリングバック量を算出するステップである。
本実施の形態では、応力差分分布が設定された下死点形状の成形品1(図6(a))に対してスプリングバック解析を行い、該スプリングバック解析によりスプリングバック後の変位(図6(b))を算出する。スプリングバック解析においては、図7に示すように、成形品の一端側に設けた3箇所を固定点で固定し、スプリングバックによる変位を算出した。
次に、図8に示すように、スプリングバック解析により算出した変位に基づいて、首振り量(図8(a))およびはね量(図8(b))を算出した。本実施の形態において、首振り量は、図8(a)に示すように、成形品1の他端側に設けた2箇所の評価点どちらかのスプリングバックによる図中矢印方向への移動量(矢印の向きを正)とし、はね量は、図8(b)に示すように、2つの評価点の中点における成形ストローク方向の変位量(ダイ5から離れる向きを正)とした。
<変更応力差分スプリングバック量取得ステップ>
変更応力差分スプリングバック量取得ステップS9は、応力差分分布設定ステップS5で設定した応力差分分布のうち、成形品1における一部分のある部位の応力差分の値を変更し、変更した応力差分分布(変更応力差分分布)から、スプリングバック解析を行い、そこで生じるスプリングバック量を算出するステップである。
本実施の形態では、図9に示すように、成形品1を複数の領域に分割(長手方向にA〜Fの6分割、幅方向に1〜3の3分割)し、各領域における応力差分を消去、すなわち、応力差分の値をゼロにする。なお、応力差分を消去する領域は、必ずしも1領域である必要はなく、複数の領域の応力差分を消去するものでもよい。
ある領域の値を消去した後、スプリングバック解析を行って、スプリングバック量として図8に示した首振り量とはね量をそれぞれ算出する。
図10に、応力差分分布設定ステップS5で設定した応力差分分布から領域1(図10(a)参照)における応力差分を消去(応力差分の値をゼロ)し、スプリングバック解析を行って算出した変位(図10(b)参照)を示す。算出した変位に基づいてスプリングバック量(首振り量、はね量)を算出した。領域2、領域3についても同様にスプリングバック量を算出した(図示は省略)。
同様に、図11に、応力差分分布設定ステップS5で設定した応力差分分布から領域A(図11(a)参照)における応力差分を消去(応力差分の値をゼロ)し、スプリングバック解析を行って算出した変位(図11(b)参照)を示す。算出した変位に基づいてスプリングバック量(首振り量、はね量)を算出した。領域B〜Fについても同様にスプリングバック量を算出した(図示は省略)。
また、図12、図13に、応力差分分布設定ステップS5で設定した応力差分分布から領域A−1、領域A−3(図12(a)、図13(a)参照)における応力差分を消去(応力差分の値をゼロ)し、スプリングバック解析を行って算出した変位(図12(b)、図13(b)参照)を示す。算出した変位に基づいてスプリングバック量(首振り量、はね量)を算出した。領域A−1〜領域F−3についても同様にスプリングバック量を算出した(図示は省略)。
<スプリングバック量乖離要因部位特定ステップ>
スプリングバック量乖離要因部位特定ステップS11は、応力差分スプリングバック量取得ステップS7及び変更応力差分スプリングバック量取得ステップS9で算出したスプリングバック量に基づいて、CAE解析と実パネルでスプリングバック量に乖離が生じる要因となる部位を特定するステップである。
図14に、応力差分スプリングバック量取得ステップS7及び変更応力差分スプリングバック量取得ステップS9で算出した首振り量の結果を示す。図14において、baseは、応力消去を行っていない応力差分分布による首振り量であり、1〜3、A〜F、A−1〜F−3は、各領域の応力差分を消去した変更応力差分分布による首振り量である。
応力差分を変更しない場合の首振り量(base)は、-10.7mmである。これに対し、応力消去領域が領域1〜3の首振り量をみると、領域2のみ領域1、3に比べてbaseからの変化が大きいことがわかる。
同様に、応力消去領域が領域A〜Fの首振り量をみると、領域D及び領域Eが他の領域に比べてbaseからの変化が大きいことがわかる。
次に、さらに細分化した領域である領域A−1〜領域F−3を応力消去した場合の首振り量をみると、領域D−2及び領域E−2の首振り量が応力消去を行っていないbaseに比べて低減していることがわかる。このように、ある領域の応力差分を消去したことによって首振り量が低減するのは、当該領域が首振り量の乖離に大きく影響することを示している。
上述した領域2及び領域D、Eにおいても変化が大きかったことからもこれは妥当な結果であり、領域D−2及び領域E−2が、CAE解析と実パネルの首振り量に乖離を生じさせる部位であると特定することができる。
なお、領域D−2及び領域E−2以外の領域における首振り量は、応力差分を変更しない場合の首振り量(base)と同程度であることから、これらの領域は、CAE解析と実パネルの首振り量の乖離に対する影響が小さい部位であると判断される。
はね量に関しても同様に、算出した結果を図15に示す。
応力差分を変更しない場合のはね量(base)は、4.2mmである。これに対し、応力消去領域が領域1〜3のはね量をみると、領域2(-8.3mm)のみ領域1(4.8mm)、領域3(7.5mm)に比べてbaseからの変化が大きいことがわかる。
同様に、応力消去領域が領域A〜Fのはね量をみると、領域D(-2.9mm)及び領域F(-0.9mm)が他の領域に比べてbaseからの変化が大きいことがわかる。
次に、さらに細分化した領域である領域A−1〜領域F−3を応力消去した場合のはね量をみると、領域F−2のはね量(0.1mm)が応力消去を行っていないbaseに比べて大きく低減しており、はねがほとんど生じていないことがわかる。首振り量と同様、ある領域の応力差分を消去したことによってはね量が低減するのは、当該領域がはね量の乖離に大きく影響することを示している。
領域2及び領域Fにおいてもはね量の変化が大きかったことからもこれは妥当な結果であり、領域F−2が、CAE解析と実パネルのはね量に乖離を生じさせる部位であると特定することができる。
領域2及び領域Dもbaseからの変化が大きかったが、細分化した領域D−2の応力を消去した場合の結果をみるとはね量が-4.6mmとなっており、応力消去を行わなかったbaseのはね量4.2mmと比べると、はね方向が逆向きになり、かつ、はね量が増加している。
これは、領域D−2における応力差分を消去することで、当該領域がはね量をさらに乖離させやすい部位であることを示すものである。すなわち、領域D−2は応力差分があることによってはね量の乖離を抑制する部位であり、乖離を生じさせる部位ではないと判断される。
なお、本実施の形態では図14、図15に示すように、細分化した領域A−1〜F−3のすべてにおいて応力消去を行った場合のスプリングバック量を算出したが、前述したように領域1〜3、領域A〜Fの結果から、影響が大きいと想定される領域を絞ることができるため、その領域のみさらに細分化した場合の結果を求めるようにしてもよい。複雑な形状の成形品は分割領域を多くしてさらに細分化する必要があり、すべての細分化領域において結果を求めることは時間を要する。そのため、大きい領域分割から乖離に影響がありそうな部位を絞り込みながら分析を行うことで、乖離要因部位特定までの時間を短縮することができる。
次に、本実施の形態に係るスプリングバック量乖離要因部位特定方法により特定された部位が、CAE解析と実パネルのスプリングバック量に乖離が生じる要因となる部位であると判断することの妥当性について説明する。
上述のとおり、図2に示す成形品1を成形するにあたって、成形品1における領域D−2及び領域E−2が、CAE解析と実パネルの首振り量に乖離が生じる要因となる部位であると特定された。また、領域F−2が、はね量に乖離が生じる要因となる部位であると特定された。
そこで、CAE解析によって得られた駆動応力分布(図3参照)における、前記特定された各部位の駆動応力を、これに対応する実パネルの各部位の駆動応力分布に置換して、スプリングバック解析を行い、スプリングバック量の乖離が低減するかどうかについて検証した。
まず、CAE解析と実パネルの首振りの乖離量が低減するかどうかを検証した結果を図16に示す。
図16はCAE解析における首振り量から実パネルにおける首振り量を差し引いた結果(乖離量)をグラフにしたものであり、縦軸が乖離量を、横軸が応力置換領域をそれぞれ示している。横軸における「なし」は、応力置換領域が無い場合であり、この場合には、乖離量はCAE解析と実パネルの差である-11.6mmとなっている。また、「ALL」は、CAE解析の駆動応力分布の全ての領域を実パネルの駆動応力分布に置換した場合であり、この場合には、乖離量はほぼゼロとなる。
これらに対して、本実施の形態で特定された領域D−2または領域E−2のみに実パネルの応力分布を置き換えた場合は、図16の「D−2」「E−2」に示されるように、いずれにおいても実パネルとの首振り乖離量が減少した。
さらに、「D−2/E−2」に示されるように、領域D−2、E−2の両方に実パネルの応力分布を置き換えることで、実パネルとの首振り乖離量をより低減できることが示された。
同様に、CAE解析と実パネルのはねの乖離量が低減するかどうかを検証した結果を図17に示す。はね量の乖離についても、「F−2」に示されるように、成形下死点における領域F−2の応力分布を実パネルの応力分布に置き換えることで、実パネルとのはね乖離量が減少した。
この結果は、本実施の形態に係るスプリングバック量乖離要因部位特定方法により特定された部位が、CAE解析と実パネルのスプリングバック量乖離の要因となる部位として妥当であることを示すものである。
以上のように、本実施の形態に係る方法によれば、CAE解析と実パネルのスプリングバック量乖離の要因となる部位を精度良く特定できることが示された。
このようにスプリングバック量乖離の要因となる部位を特定することで、CAE解析と実パネルの離型後形状を近づけるために行っていた金型や成形条件などの調整作業を効率的に行うことができる。
また、特定した部位を中心にCAE解析上の設定や金型形状を見直すことで、スプリングバック解析の再現性を向上させることができ、CAE解析を用いたスプリングバック対策の有用性を担保することができる。
なお、本実施の形態で行う応力差分分布の変更は、少なくともある一部の領域の応力差分を消去(すべての成分をゼロに)するものであったが、応力差分分布を変更する方法はこれに限るものではなく、応力差分分布に対して少なくとも1方向の成分を、消去する、定数倍する、定数を加算する、定数乗する、被加工材の板厚方向の平均値に置き換える、被加工材の板厚方向の中央値に置き換える、のいずれかにより行えばよい。
[実施の形態2]
実施の形態1で説明したスプリングバック量乖離要因部位特定方法は、予め設定されたプログラムをPC(パーソナルコンピュータ)に実行させることで実現できる。そのような装置の一例を本実施の形態にて説明する。
本実施の形態に係るスプリングバック量乖離要因部位特定装置11は、図18に一例を示すような、表示装置13と、入力装置15と、主記憶装置17と、補助記憶装置19と、演算処理部21を有している。演算処理部21には、表示装置13、入力装置15、主記憶装置17及び補助記憶装置19が接続され、演算処理部21の指令によって各機能を行う。
表示装置13は実行結果の表示等に用いられ、液晶モニター等で構成される。入力装置15はオペレータからの入力等に用いられ、キーボードやマウス等で構成される。主記憶装置17は演算処理部21で使用するデータの一時保存や演算等に用いられRAM等で構成される。補助記憶装置19はデータの記憶等に用いられ、ハードディスク等で構成される。
補助記憶装置19には少なくとも、三次元形状測定データ23、金型モデル25等のCAE解析に必要な各種データが記憶されている。
演算処理部21はPCなどのCPU等によって構成されており、演算処理部21で予め設定されたプログラムが実行されることで、成形品駆動応力分布取得手段27と、解析駆動応力分布取得手段29と、応力差分分布設定手段31と、応力差分スプリングバック量取得手段33と、変更応力差分スプリングバック量取得手段35と、スプリングバック量乖離要因部位特定手段37とが実現される。
成形品駆動応力分布取得手段27は実施の形態1で説明した成形品駆動応力分布取得ステップS1と同様の処理を実現するものである。同様に、解析駆動応力分布取得手段29は解析駆動応力分布取得ステップS3を、応力差分分布設定手段31は応力差分分布設定ステップS5を、応力差分スプリングバック量取得手段33は応力差分スプリングバック量取得ステップS7を、変更応力差分スプリングバック量取得手段35は変更応力差分スプリングバック量取得ステップS9を、スプリングバック量乖離要因部位特定手段37はスプリングバック量乖離要因部位特定ステップS11をそれぞれ実現するものである。
上述したような本実施の形態によれば、実施の形態1と同様にCAE解析と実パネルのスプリングバック量乖離の要因となる部位を精度良く特定することができる。
よって、特定した部位に基づいてCAE解析と実パネルの離型後形状を近づけるための各種調整作業を効率的に行うことができ、さらにスプリングバック対策の有用性を担保することができる。
本発明は最終成形品(製品形状)に限らず、成形工程を分けて行うような成形品の場合には途中成形品にも適用可能である。また、上述した実施の形態では鋼板を被加工材とする例を説明したが、アルミにも適用可能である。
1 成形品
3 金型モデル
5 ダイ
7 パンチ
9 ブランクモデル
11 スプリングバック量乖離要因部位特定装置
13 表示装置
15 入力装置
17 主記憶装置
19 補助記憶装置
21 演算処理部
23 三次元形状測定データ
25 金型モデル
27 成形品駆動応力分布取得手段
29 解析駆動応力分布取得手段
31 応力差分分布設定手段
33 応力差分スプリングバック量取得手段
35 変更応力差分スプリングバック量取得手段
37 スプリングバック量乖離要因部位特定手段

Claims (6)

  1. 実パネルをプレス成形したプレス成品に生ずるスプリングバック量と、前記プレス成形品と同形状の解析モデルについてスプリングバック解析を行った際のスプリングバック量に乖離が生ずる場合において、該乖離が生ずる要因となる成形品形状における部位を特定するスプリングバック量乖離要因部位特定方法であって、
    前記プレス成形品の離型後における表面形状を測定して取得した三次元形状測定データからプレス成形品モデルを作成し、該プレス成形品モデルを金型モデルによって下死点まで挟み込んだ状態の力学的解析を行い、成形下死点における応力分布を前記プレス成形品のスプリングバックに寄与した駆動応力分布として取得する成形品駆動応力分布取得ステップと、
    前記スプリングバック解析における下死点応力分布及び離型後の残留応力分布を取得し、該下死点応力分布と離型後の残留応力分布の差分をスプリングバック解析における駆動応力分布として取得する解析駆動応力分布取得ステップと、
    該解析駆動応力分布取得ステップで取得した解析駆動応力分布と前記成形品駆動応力分布取得ステップで取得した成形品駆動応力分布の差分から応力差分分布を取得して、前記スプリングバック解析における下死点の成形品形状に前記応力差分分布を設定する応力差分分布設定ステップと、
    該設定した応力差分分布に基づいてスプリングバック解析を行ってスプリングバック量を取得する応力差分スプリングバック量取得ステップと、
    前記応力差分分布設定ステップで設定した前記応力差分分布のうち、一部の領域の応力差分の値を変更して、該変更した応力差分分布に基づいてスプリングバック解析を行ってスプリングバック量を取得する変更応力差分スプリングバック量取得ステップと、
    該変更応力差分スプリングバック量取得ステップ及び前記応力差分スプリングバック量取得ステップで取得したスプリングバック量を比較して変化量を求め該変化量に基づいて前記プレス成形品と前記スプリングバック解析のスプリングバック量に乖離が生ずる要因となる成形品形状における部位を特定するスプリングバック量乖離要因部位特定ステップと、を備えていることを特徴とするスプリングバック量乖離要因部位特定方法。
  2. 前記変更応力差分スプリングバック量取得ステップにおける応力差分の値の変更は、前記応力差分分布に対して少なくとも1方向の成分を、消去する、定数倍する、定数を加算する、定数乗する、被加工材の板厚方向の平均値に置き換える、被加工材の板厚方向の中央値に置き換える、のいずれかであることを特徴とする請求項1記載のスプリングバック量乖離要因部位特定方法。
  3. 実パネルをプレス成形したプレス成品に生ずるスプリングバック量と、前記プレス成形品と同形状の解析モデルについてスプリングバック解析を行った際のスプリングバック量に乖離が生ずる場合において、該乖離が生ずる要因となる成形品形状における部位を特定するスプリングバック量乖離要因部位特定装置であって、
    前記プレス成形品の離型後における表面形状を測定して取得した三次元形状測定データからプレス成形品モデルを作成し、該プレス成形品モデルを金型モデルによって下死点まで挟み込んだ状態の力学的解析を行い、成形下死点における応力分布を前記プレス成形品のスプリングバックに寄与した駆動応力分布として取得する成形品駆動応力分布取得手段と、
    前記スプリングバック解析における下死点応力分布及び離型後の残留応力分布を取得し、該下死点応力分布と離型後の残留応力分布の差分をスプリングバック解析における駆動応力分布として取得する解析駆動応力分布取得手段と、
    該解析駆動応力分布取得手段で取得した解析駆動応力分布と前記成形品駆動応力分布取得手段で取得した成形品駆動応力分布の差分から応力差分分布を取得して、前記スプリングバック解析における下死点の成形品形状に前記応力差分分布を設定する応力差分分布設定手段と、
    該設定した応力差分分布に基づいてスプリングバック解析を行ってスプリングバック量を取得する応力差分スプリングバック量取得手段と、
    前記応力差分分布設定手段で設定した前記応力差分分布のうち、一部の領域の応力差分の値を変更して、該変更した応力差分分布に基づいてスプリングバック解析を行ってスプリングバック量を取得する変更応力差分スプリングバック量取得手段と、
    該変更応力差分スプリングバック量取得手段及び前記応力差分スプリングバック量取得手段で取得したスプリングバック量を比較して変化量を求め該変化量に基づいて前記プレス成形品と前記スプリングバック解析のスプリングバック量に乖離が生ずる要因となる成形品形状における部位を特定するスプリングバック量乖離要因部位特定手段と、を備えていることを特徴とするスプリングバック量乖離要因部位特定装置。
  4. 前記変更応力差分スプリングバック量取得手段における応力差分の値の変更は、前記応力差分分布に対して少なくとも1方向の成分を、消去する、定数倍する、定数を加算する、定数乗する、被加工材の板厚方向の平均値に置き換える、被加工材の板厚方向の中央値に置き換える、のいずれかであることを特徴とする請求項3記載のスプリングバック量乖離要因部位特定装置。
  5. 実パネルをプレス成形したプレス成品に生ずるスプリングバック量と、前記プレス成形品と同形状の解析モデルについてスプリングバック解析を行った際のスプリングバック量に乖離が生ずる場合において、該乖離が生ずる要因となる成形品形状における部位を特定するスプリングバック量乖離要因部位特定プログラムであって、
    コンピュータの演算処理部で実行されることにより、
    前記プレス成形品の離型後における表面形状を測定して取得した三次元形状測定データからプレス成形品モデルを作成し、該プレス成形品モデルを金型モデルによって下死点まで挟み込んだ状態の力学的解析を行い、成形下死点における応力分布を前記プレス成形品のスプリングバックに寄与した駆動応力分布として取得する成形品駆動応力分布取得手段と、
    前記スプリングバック解析における下死点応力分布及び離型後の残留応力分布を取得し、該下死点応力分布と離型後の残留応力分布の差分をスプリングバック解析における駆動応力分布として取得する解析駆動応力分布取得手段と、
    該解析駆動応力分布取得手段で取得した解析駆動応力分布と前記成形品駆動応力分布取得手段で取得した成形品駆動応力分布の差分から応力差分分布を取得して、前記スプリングバック解析における下死点の成形品形状に前記応力差分分布を設定する応力差分分布設定手段と、
    該設定した応力差分分布に基づいてスプリングバック解析を行ってスプリングバック量を取得する応力差分スプリングバック量取得手段と、
    前記応力差分分布設定手段で設定した前記応力差分分布のうち、一部の領域の応力差分の値を変更して、該変更した応力差分分布に基づいてスプリングバック解析を行ってスプリングバック量を取得する変更応力差分スプリングバック量取得手段と、
    該変更応力差分スプリングバック量取得手段及び前記応力差分スプリングバック量取得手段で取得したスプリングバック量を比較して変化量を求め該変化量に基づいて前記プレス成形品と前記スプリングバック解析のスプリングバック量に乖離が生ずる要因となる成形品形状における部位を特定するスプリングバック量乖離要因部位特定手段と、を実現することを特徴とするスプリングバック量乖離要因部位特定プログラム。
  6. 前記変更応力差分スプリングバック量取得手段における応力差分の値の変更は、前記応力差分分布に対して少なくとも1方向の成分を、消去する、定数倍する、定数を加算する、定数乗する、被加工材の板厚方向の平均値に置き換える、被加工材の板厚方向の中央値に置き換える、のいずれかであることを特徴とする請求項5記載のスプリングバック量乖離要因部位特定プログラム。
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