JP2023151337A - 成形シミュレーション用の摩擦係数決定方法、成形シミュレーション方法、プレス部品の設計方法、金型の製造方法、プレス成形部品の製造方法、摩擦係数決定プログラム、及び成形シミュレーション用のプログラム - Google Patents
成形シミュレーション用の摩擦係数決定方法、成形シミュレーション方法、プレス部品の設計方法、金型の製造方法、プレス成形部品の製造方法、摩擦係数決定プログラム、及び成形シミュレーション用のプログラム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】薄鋼板等の金属板の絞り成形のシミュレーションにおいて、計算負荷を増加させず、かつ、摩擦係数算出のためのデータベースを要さない汎用的な手法で、成形部品の板厚減少率を精度良く予測可能な成形シミュレーション用の摩擦係数を求める。【解決手段】ダイ1A及びパンチ1Bを有する絞り成形用の金型を用いた、金属材料からなるブランクの絞り成形を、有限要素法によってシミュレーションを行う絞り成形シミュレーションに設定する摩擦係数の決定方法であって、上記ダイ1Aと上記ブランクとの間の摩擦係数μd、及び上記パンチ1Bと上記ブランクとの間の摩擦係数μpをそれぞれ、ダイ肩半径rdとパンチ肩半径rpの比(rd/rp)と、上記ブランクの単軸引張試験より得られた平均r値とに基づき算出する【選択図】 図5
Description
本発明は、例えば、薄鋼板等の材料(ブランク)のプレス成形に関し、特に絞り成形に好適な技術である、本発明は、例えば、簡易に且つ成形部品の板厚減少率を精度良く予測可能な成形シミュレーションに関する技術、そのシミュレーションを元にしたプレス成形部品の設計、プレス成形金型の設計、プレス成形部品の製造、及びそのプログラムに関する。本発明は、特に、引張強度が590MPa以下の薄鋼板を絞り成形する技術に効果を奏する。
自動車部品のプレス成形では、外板パネルを始め、多くの部品が絞り成形で製造される。通常、プレス金型製作前に、対象部品の成形シミュレーションを実行して、例えば割れなどの成形不良の発生を予測し、成形不良を抑えたプレス形状を求めるなどの対策が行われる。したがって、成形シミュレーションの予測精度は重要である。特に、成形部品の板厚減少率を精度良く予測することは重要である。
ここで、成形シミュレーションの予測精度を向上させる手法としては、応力-ひずみ関係や降伏局面などの材料モデルに高精度のモデルを採用する方法や、成形モーション、潤滑、金型形状などの成形条件をより現実に近づける方法がある。
また、プレス成形、特に絞り成形にとって成形シミュレーションの予測精度を向上させるために、潤滑は、特に重要な因子であり、潤滑の条件は、一般的には金型と材料間の摩擦係数として設定される。
また、プレス成形、特に絞り成形にとって成形シミュレーションの予測精度を向上させるために、潤滑は、特に重要な因子であり、潤滑の条件は、一般的には金型と材料間の摩擦係数として設定される。
通常の薄鋼板の成形シミュレーションでは、解析条件する際の摩擦係数として、一般に、クーロン摩擦に0.1~0.2程度から選択された一定値の摩擦係数が使用されることが多い。しかし、絞り成形の成形シミュレーションにおいては、一定値の摩擦係数を単純に設定した場合、現実の潤滑条件を再現できず、板厚減少率の予測精度を低下させる要因となっている。
この課題に対する従来技術として、例えば特許文献1~3に記載の対策がある。
特許文献1では、成形シミュレーションにおいて、プレス工具と材料間の接触圧に基づいて、解析開始時からの接触回数と、プレス工具との接触開始位置からの摺動距離に応じて摩擦係数を算出することが提案されている。
特許文献1では、成形シミュレーションにおいて、プレス工具と材料間の接触圧に基づいて、解析開始時からの接触回数と、プレス工具との接触開始位置からの摺動距離に応じて摩擦係数を算出することが提案されている。
特許文献2では、面圧と成形速度と温度に加えて金属板の曲率半径を変数として取り込み、摩擦係数の格子データを求めたうえで、格子点間の値を区分線形関数により補間して摩擦係数を求める手法が提案されている。
特許文献3では、面圧及び摩擦仕事量と、塑性ひずみを用いて多項式近似により求めた金属板の摩擦係数を用いて、有限要素法による成形シミュレーションを行う方法が提案されている。
特許文献3では、面圧及び摩擦仕事量と、塑性ひずみを用いて多項式近似により求めた金属板の摩擦係数を用いて、有限要素法による成形シミュレーションを行う方法が提案されている。
特許文献1~3のいずれの技術においても、成形シミュレーションにおける金型と材料間の摩擦係数として一定値を用いるのではなく、シミュレーションで用いる摩擦係数をプレス成形の状態に応じて変化すべきものであることが提案されている。
しかし、上記の特許文献に記載の方法では、例えば、成形シミュレーションから接触面圧、摺動距離、接触回数、温度、塑性ひずみなどの状態変数を、各要素、接点、積分点などから抽出し、その抽出した状態変数で摩擦係数を算出する作業を、解析ステップ毎に繰り返し計算する。このため、特許文献に記載の方法では、計算負荷が増加してしまうという課題がある。また、摩擦係数を算出するためのデータベースを作成する必要があり、煩雑な作業が発生するため、実用的ではない。
本発明は、上記のような課題に着目してなされたものであり、薄鋼板等の金属板(材料)をプレス成形する成形シミュレーションにおいて、計算負荷を増加させず、かつ、必ずしも摩擦係数算出のためのデータベースを要さない汎用的な手法で、成形部品の板厚減少率を精度良く予測可能な成形シミュレーションの方法、及びその成形シミュレーションの方法を適用した技術を提供することを目的としている。
本発明者は、絞り成形の成形シミュレーションに用いる摩擦係数について、計算負荷を増加させず、且つ成形部品の板厚減少率を精度良く予測可能な値の設定について鋭意検討したところ、ダイ肩半径rdとパンチ肩半径rpとの関係、及び材料の平均r値から摩擦係数を特定することで、簡易且つ成形部品の板厚減少率を精度良く予測可能になるとの知見を得た。
すなわち、本発明は、ダイ肩半径rd、パンチ肩半径rp、及び材料の平均r値という従来とは異なる変数から、成形シミュレーションで使用する摩擦係数を決定する。
すなわち、本発明は、ダイ肩半径rd、パンチ肩半径rp、及び材料の平均r値という従来とは異なる変数から、成形シミュレーションで使用する摩擦係数を決定する。
更に、ダイとブランクとの間の摩擦係数μd、及びパンチとブランクとの間の摩擦係数μpを、単純に同じ値に設定するよりも、それぞれ個別に求めて設定した方が、板厚減少率の算出精度が向上するとの知見を得た。これは、ダイとブランクとの間の摺動条件と、パンチとブランクとの間の摺動条件が異なることに起因すると想定される。
本発明は、以上のような知見に基づき成されたものである。
本発明は、以上のような知見に基づき成されたものである。
そして、本発明の一態様は、ダイ及びパンチを有する絞り成形用の金型を用いた、金属材料からなるブランクの絞り成形を、有限要素法によってシミュレーションを行う絞り成形シミュレーションに設定する摩擦係数の決定方法であって、上記ダイと上記ブランクとの間の摩擦係数μd、及び上記パンチと上記ブランクとの間の摩擦係数μpをそれぞれ、ダイ肩半径rdとパンチ肩半径rpの比(rd/rp)と、上記ブランクの単軸引張試験より得られた平均r値とに基づき決定する、ことを要旨とする。
また、本発明の態様は、上記算出した摩擦係数μd、及び摩擦係数μpを用いて成形シミュレーションを行う。
また、本発明の態様は、上記算出した摩擦係数μd、及び摩擦係数μpを用いて成形シミュレーションを行う。
本発明の態様によれば、薄鋼板等の金属板の絞り成形などのプレス成形において、簡易な手段で、プレス成形金型のうち、ダイ、パンチと材料間の適切な摩擦係数をそれぞれ算出できる。そして、本発明の態様によれば、算出した摩擦係数を設定して成形シミュレーションを実施することで成形部品の板厚減少率を精度良く予測することができる。
また、本発明の態様によれば、高精度にプレス成形部品のプレス成形時の割れ等の成形不良を予測することが可能となることで、プレス部品及びプレス成形金型の形状を設計する際のトライ&エラー回数が減る。このため、部品開発に要する金銭的・時間的コストを削減することができる。
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
以下の実施形態では、プレス成形として絞り成形を例に挙げて説明するが、本開示は、他の方式のプレス成形に対しても、以下に説明する思想に基づき適用可能である。もっとも、本開示は特に絞り成形に対して効果的である。
以下の実施形態では、プレス成形として絞り成形を例に挙げて説明するが、本開示は、他の方式のプレス成形に対しても、以下に説明する思想に基づき適用可能である。もっとも、本開示は特に絞り成形に対して効果的である。
(摩擦係数の決定方法について)
ダイ及びパンチを有する絞り成形用の金型を用いた、金属材料からなるブランクの絞り成形を、有限要素法によってシミュレーションを行う絞り成形シミュレーションに設定する摩擦係数の決定方法について説明する。
ダイ及びパンチを有する絞り成形用の金型を用いた、金属材料からなるブランクの絞り成形を、有限要素法によってシミュレーションを行う絞り成形シミュレーションに設定する摩擦係数の決定方法について説明する。
本開示では、ダイとブランク(材料)との間の摩擦係数μd(以下、ダイの摩擦係数μdとも呼ぶ)、及びパンチとブランク(材料)との間の摩擦係数μp(以下、パンチの摩擦係数μpとも呼ぶ)をそれぞれ個別に、ダイ肩半径rdと、パンチ肩半径rpと、材料の単軸引張試験より得られた平均r値とから求める。例えば、摩擦係数μd、摩擦係数μpについて、ダイ肩半径rd、パンチ肩半径rp、及び材料の平均r値との相関を求め、その相関に基づき、摩擦係数μd、摩擦係数μpについて、ダイ肩半径rd、パンチ肩半径rp、及び材料の平均r値を変数とした値とする。
具体的には、本実施形態では、ダイとブランク(材料)との間の摩擦係数μd(以下、ダイの摩擦係数とも呼ぶ)、及びパンチとブランク(材料)との間の摩擦係数μp(以下、パンチの摩擦係数とも呼ぶ)をそれぞれ個別に、ダイ肩半径rdとパンチ肩半径rpの比(rd/rp)と、上記ブランクの単軸引張試験より得られた平均r値とに基づき算出する。
より具体的には、次の通りとする。
すなわち、ダイの摩擦係数μdを、パンチの摩擦係数μpに対し、比(rd/rp)が小さいほど低い値となるように設定する。このように、本実施形態では、ダイの摩擦係数μdとパンチの摩擦係数μpとをそれぞれ個別に算出する。
また、パンチの摩擦係数μpを、比(rd/rp)が小さいほど高い値となるように設定する。更に、パンチの摩擦係数μpを、上記平均r値が大きいほど高い値となるように設定する。
すなわち、ダイの摩擦係数μdを、パンチの摩擦係数μpに対し、比(rd/rp)が小さいほど低い値となるように設定する。このように、本実施形態では、ダイの摩擦係数μdとパンチの摩擦係数μpとをそれぞれ個別に算出する。
また、パンチの摩擦係数μpを、比(rd/rp)が小さいほど高い値となるように設定する。更に、パンチの摩擦係数μpを、上記平均r値が大きいほど高い値となるように設定する。
例えば、パンチの摩擦係数μpを下記式(1)で算出する。
μp =A×(rd/rp)-B ・・・(1)
ただし、A、Bは、上記平均r値が大きいほど大きい値に設定される係数である。
μp =A×(rd/rp)-B ・・・(1)
ただし、A、Bは、上記平均r値が大きいほど大きい値に設定される係数である。
また、ダイの摩擦係数μpに対する摩擦係数μdを、下記式(2)で算出する。
μd/μp = 1/[1+exp{-C×((rd/rp)+D)}]+E
・・・(2)
ただし、C、D、Eは、上記平均r値が大きいほど大きい値に設定される係数である。
なお、本実施形態では、ブランクホルダーと材料との間の摩擦係数は、ダイの摩擦係数μpと同じ値に設定するとする。
μd/μp = 1/[1+exp{-C×((rd/rp)+D)}]+E
・・・(2)
ただし、C、D、Eは、上記平均r値が大きいほど大きい値に設定される係数である。
なお、本実施形態では、ブランクホルダーと材料との間の摩擦係数は、ダイの摩擦係数μpと同じ値に設定するとする。
更に、摩擦係数の決定について説明する。
対象材料として、単軸引張試験より取得した平均r値の大きく異なる2種類の金属材料からなるブランクを用いた。ここで、2種類のブランクを、材料A、材料Bと呼ぶ。また、対象材料としてのブランクを、材料とも呼ぶ。
材料Aは平均r値が1.0であり、材料Bは平均r値が2.16であった。また、各材料A,Bをそれぞれ100mm角の正方形に加工して金属板(ブランク)とした。
対象材料として、単軸引張試験より取得した平均r値の大きく異なる2種類の金属材料からなるブランクを用いた。ここで、2種類のブランクを、材料A、材料Bと呼ぶ。また、対象材料としてのブランクを、材料とも呼ぶ。
材料Aは平均r値が1.0であり、材料Bは平均r値が2.16であった。また、各材料A,Bをそれぞれ100mm角の正方形に加工して金属板(ブランク)とした。
まず、材料A、Bについて、図1に示す軸対称の絞り成形装置1を用いて、金属板の絞り成形を実施した。図1中、符号1Aはダイを、符号1Bは、パンチを、符号1Cはブランクホルダーを示している。そして、図1に示す絞り成形装置1は、ダイ1Aとブランクホルダー1Cで金属板2の外周全周を拘束した状態で、パンチ1Bをプレス方向(上方)にストロークすることで、金属板2を深絞り成形する構成となっている。
なお、本実施形態では、ブランクホルダー1Cと金属板2との間の摩擦係数は、ダイ1Aと金属板2との摩擦係数と同じ値に設定するとする。ブランクホルダー1Cと金属板2との間の摺動条件が、ダイ1Aと金属板2との摺動条件が同じ若しくは近似しているためである。
また、絞り成形のプレス条件として、しわ押え力を49kNとし、成形高さを15mmに設定した。ただし、金属板2が破断しなければ任意の成形条件で実行してもよい。
また、使用した絞り成形金型は表1に示した形状とした。ただし、パンチ1Bの肩部のパンチ肩半径rpだけ5、10、25mmと変更した、3条件で実験を行った。
また、絞り成形のプレス条件として、しわ押え力を49kNとし、成形高さを15mmに設定した。ただし、金属板2が破断しなければ任意の成形条件で実行してもよい。
また、使用した絞り成形金型は表1に示した形状とした。ただし、パンチ1Bの肩部のパンチ肩半径rpだけ5、10、25mmと変更した、3条件で実験を行った。
図2に、絞り成形後のプレス成形部品22の形状を示す。
プレス加工後の図2に示すプレス成形部品について、パンチ底頂点(プレス成形部品22の天板中央)から板端部にかけての断面(図2中、破線部分)に沿って、板厚測定を行い、各箇所での板厚減少率を求めた。
プレス加工後の図2に示すプレス成形部品について、パンチ底頂点(プレス成形部品22の天板中央)から板端部にかけての断面(図2中、破線部分)に沿って、板厚測定を行い、各箇所での板厚減少率を求めた。
次に、上記絞り成形と同様の条件で成形シミュレーションを行った。材料モデルは、対象材料の引張試験から求めた応力-ひずみ関係を与えた等方硬化則とし、降伏関数はvon Misesの降伏関数を用いた。また、ダイ1A、パンチ1B、ブランクホルダー1Cと材料間の摩擦係数には、0.01~0.50の範囲の摩擦係数から適宜異なる組合せで設定して、成形シミュレーションを複数回繰り返し実行した。そして、成形シミュレーション毎に、成形シミュレーション後、図2と同様の断面(図2中、破線部分)での板厚減少率を求めてみた。
そして、材料A及び材料Bについて、パンチ底中央部と、板厚減少率の最大部(パンチ1Bの肩部)の2か所を評価点とし、上記の実測と成形シミュレーションの演算結果との板厚減少率を比較した。パンチ1Bの肩部は、プレス成形部品22における、天板から縦壁に向かう稜線部に対応する。
そして、パンチ肩半径rpが5、10、20mm毎に、実測の板厚減少率に一番近似した板厚減少率となった成形シミュレーションの条件を求め、その成形シミュレーションで設定した摩擦係数(材料との間の、ダイ1A、パンチ1B、ブランクホルダー1Cの各設定した摩擦係数)を求めた。その結果を表2に示す。すなわち、表2に示す摩擦係数に設定することで、評価点の板厚減少率が精度良く予測出来ることが分かった。
そして、パンチ肩半径rpが5、10、20mm毎に、実測の板厚減少率に一番近似した板厚減少率となった成形シミュレーションの条件を求め、その成形シミュレーションで設定した摩擦係数(材料との間の、ダイ1A、パンチ1B、ブランクホルダー1Cの各設定した摩擦係数)を求めた。その結果を表2に示す。すなわち、表2に示す摩擦係数に設定することで、評価点の板厚減少率が精度良く予測出来ることが分かった。
そして、ダイ肩半径rdとパンチ肩半径rpの比を、肩半径比(rd/rp)としたとき、パンチ1Bの摩擦係数μpの適正値と肩半径比(rd/rp)との関係は、表2に基づき、図3で示されることが分かった。なお、肩半径比(rd/rp)を比(rd/rp)とも記載する。
図3から分かるように、パンチ1Bの摩擦係数μpの適正値は、金属材料の平均r値が増加するほど、低下する傾向にあることが分かった。また、パンチ1Bの摩擦係数μpの適正値は、肩半径比(rd/rp)が増加するほど、低下する傾向にあることが分かった。また、平均r値が高い金属材料ほどパンチ1Bの適正摩擦係数と肩半径比の関係の勾配が増加する傾向にあることも分かった。
図3から分かるように、パンチ1Bの摩擦係数μpの適正値と肩半径比とは線形の関係で規定できるため、図3から、適正なパンチ1Bの摩擦係数μpは、式(1)を用いて算出することができることが分かった。
μp =A×(rd/rp)-B ・・・(1)
ただし、A、Bは、上記平均r値が大きいほど大きい値に設定された係数である。
μp =A×(rd/rp)-B ・・・(1)
ただし、A、Bは、上記平均r値が大きいほど大きい値に設定された係数である。
そして、係数Aは勾配であり、-Bは切片である。
A、Bは具体的には、材料の平均r値rによって、次のように記述できる。
A =0.0592 × r - 0.1892・・・(3)
B =0.0895 × r - 0.5235・・・(4)
A、Bは具体的には、材料の平均r値rによって、次のように記述できる。
A =0.0592 × r - 0.1892・・・(3)
B =0.0895 × r - 0.5235・・・(4)
続いて、ダイ1Aの摩擦係数μdの適正値とパンチ1Bの摩擦係数μpの適正値との比を摩擦係数比(μd/μp)としたとき、適正な摩擦係数比と適正な肩半径比の関係は、表2から、図4のように示すことができる。
図4から分かるように、材料の平均r値が高いほど摩擦係数比が小さい傾向にあることが分かった。また、肩半径比が小さくなるほど、摩擦係数比は減少する傾向にあり、特に肩半径比が0.5を下回ると摩擦係数比が急減する傾向にあることも分かった。
図4から分かるように、材料の平均r値が高いほど摩擦係数比が小さい傾向にあることが分かった。また、肩半径比が小さくなるほど、摩擦係数比は減少する傾向にあり、特に肩半径比が0.5を下回ると摩擦係数比が急減する傾向にあることも分かった。
以上の傾向から、摩擦係数比(μd/μp)はシグモイド関数型の式(2)で近似計算できることが分かった。
μd/μp = 1/[1+exp{-C×((rd/rp)+D)}]+E
・・・(2)
ただし、C、D、Eは、上記平均r値が大きいほど大きい値に設定される係数である。
μd/μp = 1/[1+exp{-C×((rd/rp)+D)}]+E
・・・(2)
ただし、C、D、Eは、上記平均r値が大きいほど大きい値に設定される係数である。
具体的には、図4から、係数C、D、Eは、金属材料の平均r値rの関数としてそれぞれ式(5)~(7)から求めることができる。
C = 7.7883×r +0.5724・・・(5)
D = 0.1725×r -0.5724・・・(6)
E = 0.1725×r -0.3724・・・(7)
C = 7.7883×r +0.5724・・・(5)
D = 0.1725×r -0.5724・・・(6)
E = 0.1725×r -0.3724・・・(7)
以上から、パンチ1Bの適正な摩擦係数μpは、式(1)、(3)式、(4)式から算出することが出来る。更に、そのパンチ1Bの適正な摩擦係数μpと、式(2)、(5)~(7)式から、ダイ1Aの適正な摩擦係数μdを算出することができる。
なお、ブランクホルダー1Cと材料間の摩擦係数は、ダイ1Aと材料間の接触面圧や摺動速度などの摺動条件が比較的近い。このため、ブランクホルダー1Cと材料間の摩擦係数として、ダイ1Aの適正摩擦係数μdと同じ値を採用することが望ましいが、異なる値を設定してもよい。
なお、ブランクホルダー1Cと材料間の摩擦係数は、ダイ1Aと材料間の接触面圧や摺動速度などの摺動条件が比較的近い。このため、ブランクホルダー1Cと材料間の摩擦係数として、ダイ1Aの適正摩擦係数μdと同じ値を採用することが望ましいが、異なる値を設定してもよい。
(成形シミュレーション方法)
そして、上記のような本開示に基づく摩擦係数決定方法によって決定した摩擦係数を用いて、金属材料からなるブランクの絞り成形を、有限要素法によって成形シミュレーション(CAE解析)を行うことで、プレス成形部品の板厚減少率を精度良く予測することが出来る。
そして、上記のような本開示に基づく摩擦係数決定方法によって決定した摩擦係数を用いて、金属材料からなるブランクの絞り成形を、有限要素法によって成形シミュレーション(CAE解析)を行うことで、プレス成形部品の板厚減少率を精度良く予測することが出来る。
そして、本開示の成形シミュレーションで予測した板厚減少率が適正範囲でない部分がある場合には、公知の手段で、板厚減少率が小さくなる方向に、予め設定した基準の成形部品の形状を変更しつつ、成形シミュレーションを繰り返すことで、プレス成形による割れ等の成形不良を抑制したプレス成形部品の形状を設計する。
ここで、パンチ肩部など、板厚減少率が大きくなると推定される箇所を指標として形状の変更を実施すれがよい。
また、このプレス成形部品の形状を求める際に設定した最終の金型モデルの形状を、その設計したプレス成形部品の形状に基づく金型の形状とし、その設計した金型形状によって、金型を製造する。
そして、製造した金型を用いて、実際の絞り成形を実行して、プレス成形部品を製造すればよい。
ここで、パンチ肩部など、板厚減少率が大きくなると推定される箇所を指標として形状の変更を実施すれがよい。
また、このプレス成形部品の形状を求める際に設定した最終の金型モデルの形状を、その設計したプレス成形部品の形状に基づく金型の形状とし、その設計した金型形状によって、金型を製造する。
そして、製造した金型を用いて、実際の絞り成形を実行して、プレス成形部品を製造すればよい。
(成形シミュレーション用のソフトの例)
ダイ1A及びパンチ1Bを有する絞り成形用の金型を用いた、金属材料からなるブランクの絞り成形を、有限要素法によってシミュレーション(解析)を行う絞り成形シミュレーションに設定する摩擦係数を求める処理を、コンピュータに実行させるための摩擦係数決定プログラムを有する成形シミュレーション用のプログラムについて説明する。
ダイ1A及びパンチ1Bを有する絞り成形用の金型を用いた、金属材料からなるブランクの絞り成形を、有限要素法によってシミュレーション(解析)を行う絞り成形シミュレーションに設定する摩擦係数を求める処理を、コンピュータに実行させるための摩擦係数決定プログラムを有する成形シミュレーション用のプログラムについて説明する。
深絞り成形用の金型の設計は、コンピュータを使用したシミュレーション解析によって実行される。そのシミュレーション解析は、有限要素法(FEM)を用いたCAE解析である。従来の解析方法と同様に、ソフト(プログラム)として、例えば図5に示すように、CADソフト100及び解析ソフト110(プリプロセッサ110A、ソルバー110B及びポストプロセッサ110C)を備える。CADソフト100及び解析ソフト110の基本構成としては、公知のソフト構成を採用すればよい。また、解析ソフト110は、本開示のプログラムに相当する。
本実施形態の解析ソフトは、金属製のブランク(材料)を目的とするプレス成形部品の形状の製品に深絞り成形する際に使用される金型の成形面形状(金型形状)を求める処理を行うためのソフトである。また、板厚減少率から成形部品にプレス成形での割れその他の成形不良が発生すると判定した場合には、そのプレス成形部品の形状を変更すると共に金型形状(金型モデル)を変更して、成形解析を繰り返して、プレス成形部品の形状や金型を設計する処理を行うためのソフトである。
解析ソフトは、図6に示すように、部品・材料決定工程S1、解析工程設定工程S2、解析モデル作成工程S3、摩擦係数算出工程S4、有限要素解析工程S5、評価工程S6、モデル修正工程S7、及び結果出力工程S8を備える。
解析ソフトは、図6に示すように、部品・材料決定工程S1、解析工程設定工程S2、解析モデル作成工程S3、摩擦係数算出工程S4、有限要素解析工程S5、評価工程S6、モデル修正工程S7、及び結果出力工程S8を備える。
<部品・材料決定工程S1>
部品・材料決定工程S1は、CADデータその他からなる対象とするプレス成形部品に関する形状情報と、使用する材料に関する情報を入力して、製品形状のデータ等を決定する処理を実行する。
本例では、単軸引張試験より得られた材料の応力-ひずみ情報や平均r値などの、有限要素解析で使用するデータも取得する。
部品・材料決定工程S1は、CADデータその他からなる対象とするプレス成形部品に関する形状情報と、使用する材料に関する情報を入力して、製品形状のデータ等を決定する処理を実行する。
本例では、単軸引張試験より得られた材料の応力-ひずみ情報や平均r値などの、有限要素解析で使用するデータも取得する。
<解析工程設定工程S2>
解析工程設定工程S2は、プレス成形の絞り成形の成形条件を設定する処理を実行する。
解析工程設定工程S2は、プレス成形の絞り成形の成形条件を設定する処理を実行する。
<解析モデル作成工程S3>
解析モデル作成工程S3は、有限要素解析を実行するための金型及びブランクをモデル化し、有限要素を与えて解析モデルを作成する。
例えば、解析モデル作成工程S3は、図1に示すように、ダイ1A、ブランクホルダー1C、パンチ1Bからなる金型モデルを設計する。符号2は、成形される金属板のワークモデルである。
この工程で、生成した金型モデルの形状からダイ1Aの肩半径rdとパンチ1Bの肩半径rpが取得できる。
解析モデル作成工程S3は、有限要素解析を実行するための金型及びブランクをモデル化し、有限要素を与えて解析モデルを作成する。
例えば、解析モデル作成工程S3は、図1に示すように、ダイ1A、ブランクホルダー1C、パンチ1Bからなる金型モデルを設計する。符号2は、成形される金属板のワークモデルである。
この工程で、生成した金型モデルの形状からダイ1Aの肩半径rdとパンチ1Bの肩半径rpが取得できる。
<摩擦係数算出工程S4>
摩擦係数算出工程S4は、ダイ1Aの肩半径rdとパンチ1Bの肩半径rpと材料の平均r値とから、パンチ1Bの摩擦係数と、ダイ1Aの摩擦係数と、ブランクホルダー1Cの摩擦係数を算出する処理を実行する。
摩擦係数算出工程S4は、図7に示すように、第1の工程S10(第1の手順)と第2の工程S11(第2の手順)と第3の工程S12(第3の手順)とを備える。
摩擦係数算出工程S4は、ダイ1Aの肩半径rdとパンチ1Bの肩半径rpと材料の平均r値とから、パンチ1Bの摩擦係数と、ダイ1Aの摩擦係数と、ブランクホルダー1Cの摩擦係数を算出する処理を実行する。
摩擦係数算出工程S4は、図7に示すように、第1の工程S10(第1の手順)と第2の工程S11(第2の手順)と第3の工程S12(第3の手順)とを備える。
第1の工程S10は、ダイ肩半径rdとパンチ肩半径rpから比(rd/rp)を取得する。第2の工程S11は、材料(ブランク)の単軸引張試験より得られた平均r値を取得する。第3の工程S12は、取得した比(rd/rp)と平均r値から、ダイ1Aの摩擦係数μd、及びパンチ1Bの摩擦係数μpとをそれぞれ個別に算出する。
第3の工程S12は、例えば、摩擦係数μdを、摩擦係数μpに対し、比(rd/rp)が小さいほど低い値として算出する。また、第3の工程S12は、摩擦係数μpを、比(rd/rp)が小さいほど高い値として算出する。また、第3の工程S12は、摩擦係数μpを、上記平均r値が大きいほど高い値として算出する。
具体的には、本実施形態の第3の工程S12は、摩擦係数μpを下記(1)式で算出する。
μp =A×(rd/rp)+B ・・・(1)
ただし、A、Bは、上記平均r値が大きいほど大きい値に設定された係数である。
μp =A×(rd/rp)+B ・・・(1)
ただし、A、Bは、上記平均r値が大きいほど大きい値に設定された係数である。
また、本実施形態の第3の工程S12は、摩擦係数μpに対する摩擦係数μdを、下記(2)式から算出する。
μd/μp = 1/[1+exp{-C×((rd/rp)+D)}]+E
・・・(2)
ただし、C、D、Eは、上記平均r値が大きいほど大きい値に設定された係数である。
μd/μp = 1/[1+exp{-C×((rd/rp)+D)}]+E
・・・(2)
ただし、C、D、Eは、上記平均r値が大きいほど大きい値に設定された係数である。
<有限要素解析工程S5>
有限要素解析工程S5は、金型モデルを用いたワークのプレス成形を、公知の手法でシミュレーション解析する。
有限要素解析工程S5は、例えば、解析モデル(有限要素を与えたブランク、金型)、材料モデル(応力-ひずみ関係、降伏関数など)、境界条件(金型の動き、金型ー材料間の接触条件、摩擦係数)などの解析条件を入力ファイルとし、有限要素解析を実行する。
有限要素解析工程S5は、金型モデルを用いたワークのプレス成形を、公知の手法でシミュレーション解析する。
有限要素解析工程S5は、例えば、解析モデル(有限要素を与えたブランク、金型)、材料モデル(応力-ひずみ関係、降伏関数など)、境界条件(金型の動き、金型ー材料間の接触条件、摩擦係数)などの解析条件を入力ファイルとし、有限要素解析を実行する。
<評価工程S6>
評価工程S6では、有限要素解析工程S5での解析結果から部品の割れ有無を判定する。判定手法は成形限界線図(FLD)、板厚減少率、応力三軸度など公知の手法でよい。
判定によって、成形で割れが発生すると予測した場合には、モデル修正工程S7に移行する。
判定によって、割れが発生しないと判定した場合には、結果出力工程S8に移行する。
評価工程S6では、有限要素解析工程S5での解析結果から部品の割れ有無を判定する。判定手法は成形限界線図(FLD)、板厚減少率、応力三軸度など公知の手法でよい。
判定によって、成形で割れが発生すると予測した場合には、モデル修正工程S7に移行する。
判定によって、割れが発生しないと判定した場合には、結果出力工程S8に移行する。
<モデル修正工程S7>
モデル修正工程S7では、金型形状を修正(ダイ1Aやパンチ1Bの肩半径を拡大など)する。そして、シミュレーション処理を繰り返す。
モデル修正工程S7では、金型形状を修正(ダイ1Aやパンチ1Bの肩半径を拡大など)する。そして、シミュレーション処理を繰り返す。
<結果出力工程S8>
結果出力工程S8は、シミュレーション結果を出力して、処理を終了する。
シミュレーション結果は、例えば、シミュレーションで生成された最終的な金型モデルの成形面形状の情報や、割れ等が発生しない形状に修正されたプレス成形部品の形状の情報である。
この後、シミュレーションで求めた金型モデルの形状を踏襲して、実際のプレス金型を製作する。また、割れが抑制された最終のプレス成形部品の情報を出力する。
結果出力工程S8は、シミュレーション結果を出力して、処理を終了する。
シミュレーション結果は、例えば、シミュレーションで生成された最終的な金型モデルの成形面形状の情報や、割れ等が発生しない形状に修正されたプレス成形部品の形状の情報である。
この後、シミュレーションで求めた金型モデルの形状を踏襲して、実際のプレス金型を製作する。また、割れが抑制された最終のプレス成形部品の情報を出力する。
(動作その他)
本実施形態では、薄鋼板等の金属板2の絞り成形のシミュレーションにおいて、簡易な手段で、プレス成形金型のうち、ダイ1A、パンチ1Bと材料間の適切な摩擦係数μd、μpをそれぞれ算出できる。この結果、本実施形態によれば、算出した適正な摩擦係数μd、μpを設定して成形シミュレーションを実施することで、プレス成形部品の板厚減少率を精度良く予測することができる。
本実施形態では、薄鋼板等の金属板2の絞り成形のシミュレーションにおいて、簡易な手段で、プレス成形金型のうち、ダイ1A、パンチ1Bと材料間の適切な摩擦係数μd、μpをそれぞれ算出できる。この結果、本実施形態によれば、算出した適正な摩擦係数μd、μpを設定して成形シミュレーションを実施することで、プレス成形部品の板厚減少率を精度良く予測することができる。
また、本実施形態によれば、高精度にプレス成形部品のプレス成形時の割れ等の成形不良を予測することができることで、プレス部品及びプレス成形金型の形状を設計する際のトライ&エラー回数が減る。このため、部品開発に要する金銭的・時間的コストを削減することができる。
従来の成形シミュレーションでは、一般に、全ての金型と材料との間の摩擦係数を一定の値に設定して実行するため、シミュレーションでの予測精度が本開示よりも精度が悪かった。このため成形シミュレーションで求めた金型モデルで設計した金型を製造しても、実際にプレス成形を実行した際に、割れ等が発生する可能性が高かった。
(その他)
本開示は、次の構成も取り得る。
(1)ダイ及びパンチを有する絞り成形用の金型を用いた、金属材料からなるブランクの絞り成形を、有限要素法によってシミュレーションを行う絞り成形シミュレーションに設定する摩擦係数の決定方法であって、
上記ダイと上記ブランクとの間の摩擦係数μd、及び上記パンチと上記ブランクとの間の摩擦係数μpをそれぞれ、ダイ肩半径rdとパンチ肩半径rpの比(rd/rp)と、上記ブランクの単軸引張試験より得られた平均r値とに基づき決定する。
本開示は、次の構成も取り得る。
(1)ダイ及びパンチを有する絞り成形用の金型を用いた、金属材料からなるブランクの絞り成形を、有限要素法によってシミュレーションを行う絞り成形シミュレーションに設定する摩擦係数の決定方法であって、
上記ダイと上記ブランクとの間の摩擦係数μd、及び上記パンチと上記ブランクとの間の摩擦係数μpをそれぞれ、ダイ肩半径rdとパンチ肩半径rpの比(rd/rp)と、上記ブランクの単軸引張試験より得られた平均r値とに基づき決定する。
(2)上記摩擦係数μdを、上記摩擦係数μpに対し、上記比(rd/rp)が小さいほど低い値となるように設定する。
(3)上記摩擦係数μpを、上記比(rd/rp)が小さいほど高い値となるように設定する。
(4)上記摩擦係数μpを、上記平均r値が大きいほど高い値となるように設定する。
(5)上記摩擦係数μpを下記式(1)で算出する成形シミュレーション用の摩擦係数決定方法。
μp =A×(rd/rp)-B ・・・(1)
ただし、A、Bは、上記平均r値が大きいほど大きい値に設定される係数である。
(3)上記摩擦係数μpを、上記比(rd/rp)が小さいほど高い値となるように設定する。
(4)上記摩擦係数μpを、上記平均r値が大きいほど高い値となるように設定する。
(5)上記摩擦係数μpを下記式(1)で算出する成形シミュレーション用の摩擦係数決定方法。
μp =A×(rd/rp)-B ・・・(1)
ただし、A、Bは、上記平均r値が大きいほど大きい値に設定される係数である。
(6)摩擦係数μpに対する摩擦係数μdを、下記式(2)で算出する、成形シミュレーション用の摩擦係数決定方法。
μd/μp = 1/[1+exp{-C×((rd/rp)+D)}]+E
・・・(2)
ただし、C、D、Eは、上記平均r値が大きいほど大きい値に設定される係数である。
μd/μp = 1/[1+exp{-C×((rd/rp)+D)}]+E
・・・(2)
ただし、C、D、Eは、上記平均r値が大きいほど大きい値に設定される係数である。
(7)本開示のシミュレーション用の摩擦係数決定方法によって決定した摩擦係数を用いて、金属材料からなるブランクの絞り成形を、有限要素法によってシミュレーションを行う成形シミュレーション方法。
(8)本開示の成形シミュレーション方法による成形シミュレーションを行うことで、成形不良を抑制したプレス成形部品の形状を設計するプレス部品の設計方法。
(9)本開示の成形シミュレーション方法による成形シミュレーションを行うことで、成形不良を抑制したプレス成形部品を成形可能な金型を設計する金型の製造方法。
(10)本開示の金型の製造方法で設計された金型を用いてプレス成形部品を製造するプレス成形部品の製造方法。
(8)本開示の成形シミュレーション方法による成形シミュレーションを行うことで、成形不良を抑制したプレス成形部品の形状を設計するプレス部品の設計方法。
(9)本開示の成形シミュレーション方法による成形シミュレーションを行うことで、成形不良を抑制したプレス成形部品を成形可能な金型を設計する金型の製造方法。
(10)本開示の金型の製造方法で設計された金型を用いてプレス成形部品を製造するプレス成形部品の製造方法。
(11)ダイ及びパンチを有する絞り成形用の金型を用いた、金属材料からなるブランクの絞り成形を、有限要素法によってシミュレーションを行う絞り成形シミュレーションに設定する摩擦係数を求める処理を、コンピュータに実行させるための摩擦係数決定プログラムであって、
ダイ肩半径rdとパンチ肩半径rpから比(rd/rp)を求める第1の手順と、
上記ブランクの単軸引張試験より得られた平均r値を入力する第2の手順と、
上記比(rd/rp)と平均r値から、上記ダイと上記ブランクとの間の摩擦係数μd、及び上記パンチと上記ブランクとの間の摩擦係数μpとをそれぞれ個別に算出する第3の手順とを、備える。
ダイ肩半径rdとパンチ肩半径rpから比(rd/rp)を求める第1の手順と、
上記ブランクの単軸引張試験より得られた平均r値を入力する第2の手順と、
上記比(rd/rp)と平均r値から、上記ダイと上記ブランクとの間の摩擦係数μd、及び上記パンチと上記ブランクとの間の摩擦係数μpとをそれぞれ個別に算出する第3の手順とを、備える。
(12)上記第3の手順は、上記摩擦係数μdを、上記摩擦係数μpに対し、上記比(rd/rp)が小さいほど低い値として算出する。
(13)上記第3の手順は、上記摩擦係数μpを、上記比(rd/rp)が小さいほど高い値として算出する。
(14)上記第3の手順は、上記摩擦係数μpを、上記平均r値が大きいほど高い値として算出する。
(13)上記第3の手順は、上記摩擦係数μpを、上記比(rd/rp)が小さいほど高い値として算出する。
(14)上記第3の手順は、上記摩擦係数μpを、上記平均r値が大きいほど高い値として算出する。
(15)上記第3の手順は、上記摩擦係数μpを下記式(1)で算出する、摩擦係数決定プログラム。
μp =A×(rd/rp)+B ・・・(1)
ただし、A、Bは、上記平均r値が大きいほど大きい値に設定された係数である。
(16)上記第3の手順は、摩擦係数μpに対する摩擦係数μdを、下記式(2)から算出する、摩擦係数決定プログラム。
μd/μp = 1/[1+exp{-C×((rd/rp)+D)}]+E
・・・(2)
ただし、C、D、Eは、上記平均r値が大きいほど大きい値に設定された係数である。
μp =A×(rd/rp)+B ・・・(1)
ただし、A、Bは、上記平均r値が大きいほど大きい値に設定された係数である。
(16)上記第3の手順は、摩擦係数μpに対する摩擦係数μdを、下記式(2)から算出する、摩擦係数決定プログラム。
μd/μp = 1/[1+exp{-C×((rd/rp)+D)}]+E
・・・(2)
ただし、C、D、Eは、上記平均r値が大きいほど大きい値に設定された係数である。
(17)ダイ及びパンチを有する絞り成形用の金型を用いた、金属材料からなるブランクの絞り成形を、有限要素法によってシミュレーションを行う処理を、コンピュータに実行させるための成形シミュレーション用のプログラムであって、
本開示の摩擦係数決定プログラムを有する。
本開示の摩擦係数決定プログラムを有する。
(18)ダイ及びパンチを有する金型を用いた、金属材料からなるブランクのプレス成形を、有限要素法によってシミュレーションを行う成形シミュレーションに設定する摩擦係数の決定方法であって、
上記ダイと上記ブランクとの間の摩擦係数μd、及び上記パンチと上記ブランクとの間の摩擦係数μpをそれぞれ、ダイ肩半径rdとパンチ肩半径rpの比(rd/rp)と、上記ブランクの単軸引張試験より得られた平均r値とに基づき決定する。
上記ダイと上記ブランクとの間の摩擦係数μd、及び上記パンチと上記ブランクとの間の摩擦係数μpをそれぞれ、ダイ肩半径rdとパンチ肩半径rpの比(rd/rp)と、上記ブランクの単軸引張試験より得られた平均r値とに基づき決定する。
次に、本実施形態に基づく実施例を説明する。
使用した金属材料は引張強度270MPa級の冷延軟鋼板(板厚2.0mm)である。上記金属材料の単軸引張試験を行い、応力-ひずみ曲線の他、表3に示す機械的特性値及び平均r値を取得した。
使用した金属材料は引張強度270MPa級の冷延軟鋼板(板厚2.0mm)である。上記金属材料の単軸引張試験を行い、応力-ひずみ曲線の他、表3に示す機械的特性値及び平均r値を取得した。
本例では、平均r値が1.75であったため、式(3)及び式(4)から、係数A=-0.0856、係数B=-0.366875と計算できた。そして、式(1)に代入することで、パンチ1Bの適正摩擦係数μpと肩半径比rd/rpの関係は図8の破線のように表すことができた。
また、式(5)~(7)より、係数C=8.882725、係数D=-0.270525、係数E=-0.070525と計算できた。そして、式(2)に代入することで、摩擦係数比μd/μpと肩半径比rd/rpの関係は図9の破線のように表すことができた。
また、式(5)~(7)より、係数C=8.882725、係数D=-0.270525、係数E=-0.070525と計算できた。そして、式(2)に代入することで、摩擦係数比μd/μpと肩半径比rd/rpの関係は図9の破線のように表すことができた。
以上から、絞り成形の成形シミュレーションにおいて、ダイ1Aとパンチ1Bの肩半径(rd/rp)が分かれば、成形シミュレーション用の適正な摩擦係数を算出することが可能となることが分かった。
ここで、本開示の効果を検証するため、rp=10mmの円筒パンチを用いて、実際の絞り成形及び成形シミュレーションを実施した。
ダイ1Aの肩半径rdとして5mmのものを用いたため、肩半径比rd/rpは0.5である。肩半径比が0.5の場合のパンチ1Bの適正な摩擦係数μpは、式(1)より、μp=0.324075となった(図8のX参照)。また式(4)より、摩擦係数比μd/μpはμd/μp=0.817953と算出することができるため(図6のY参照)、ダイ1Aの適正摩擦係数μdはμd=0.2650781と計算された。
ダイ1Aの肩半径rdとして5mmのものを用いたため、肩半径比rd/rpは0.5である。肩半径比が0.5の場合のパンチ1Bの適正な摩擦係数μpは、式(1)より、μp=0.324075となった(図8のX参照)。また式(4)より、摩擦係数比μd/μpはμd/μp=0.817953と算出することができるため(図6のY参照)、ダイ1Aの適正摩擦係数μdはμd=0.2650781と計算された。
以上の計算結果から、パンチ1Bに0.32、ダイ1A及びブランクホルダー1Cに0.26の摩擦係数をそれぞれ設定して、成形シミュレーションを行った。
比較例として、一般的に冷延軟鋼板の摩擦係数として用いられる0.12を金型全てに対して設定して、同様に成形シミュレーションを行った。
また、上記対象の金属材料の絞り成形試験を実施した。そして、図2で示した断面(破線部分)について板厚減少率の実測結果と、各成形シミュレーションによる予測結果の比較を行った。
比較例として、一般的に冷延軟鋼板の摩擦係数として用いられる0.12を金型全てに対して設定して、同様に成形シミュレーションを行った。
また、上記対象の金属材料の絞り成形試験を実施した。そして、図2で示した断面(破線部分)について板厚減少率の実測結果と、各成形シミュレーションによる予測結果の比較を行った。
なお、実際の絞り成形試験では試験の再現性を確認するため、同じ条件で10回絞り成形を行い、ランダムに3枚抜き取った成形部品の板厚減少率を測定した。
実測値と成形シミュレーションの板厚減少率分布の比較を図10に示す。
プロットで示した板厚減少率の実測値に対して、実施例で計算した摩擦係数を設定して行った成形シミュレーションは精度良く予測できていることが分かった。
実測値と成形シミュレーションの板厚減少率分布の比較を図10に示す。
プロットで示した板厚減少率の実測値に対して、実施例で計算した摩擦係数を設定して行った成形シミュレーションは精度良く予測できていることが分かった。
一方で、摩擦係数を0.12と一定値として設定して行った成形シミュレーション(比較例)では板厚減少率のおおまかな分布は予測できているものの、例えば図10の符号Aで示したパンチ底中央部の板厚減少率は実際よりも1.7%高く予測し、図10の符号Bで示した最大部(パンチ肩部)での板厚減少率は実際よりも1.5%低く見積もられていた。
以上説明したように、本開示を採用することで、対象材料の引張試験から容易に取得することができる応力-ひずみ関係及び、平均r値から、絞り成形シミュレーションにおけるダイ1A、パンチ1B、ブランクホルダー1Cと材料間の適正な摩擦係数を算出することができ、上記摩擦係数を設定した成形シミュレーションによって、金型と材料間の摩擦係数を一定として設定していた従来の成形シミュレーション方法よりも高精度に板厚減少率を予測することができることが分かった。
1 絞り成形装置
1A ダイ
1B パンチ
1C ブランクホルダー
2 金属板(ブランク、材料)
22 プレス成形部品
110 解析ソフト
S1 部品・材料決定工程
S2 解析工程設定工程
S3 解析モデル作成工程
S4 摩擦係数算出工程
S5 有限要素解析工程
S6 評価工程
S7 モデル修正工程
S8 結果出力工程
S10 第1の工程(第1の手順)
S11 第2の工程(第2の手順)
S12 第3の工程(第3の手順)
r 平均r値
rd ダイ肩半径
rp パンチ肩半径
μd ダイの摩擦係数
μp パンチの摩擦係数
1A ダイ
1B パンチ
1C ブランクホルダー
2 金属板(ブランク、材料)
22 プレス成形部品
110 解析ソフト
S1 部品・材料決定工程
S2 解析工程設定工程
S3 解析モデル作成工程
S4 摩擦係数算出工程
S5 有限要素解析工程
S6 評価工程
S7 モデル修正工程
S8 結果出力工程
S10 第1の工程(第1の手順)
S11 第2の工程(第2の手順)
S12 第3の工程(第3の手順)
r 平均r値
rd ダイ肩半径
rp パンチ肩半径
μd ダイの摩擦係数
μp パンチの摩擦係数
Claims (18)
- ダイ及びパンチを有する絞り成形用の金型を用いた、金属材料からなるブランクの絞り成形を、有限要素法によってシミュレーションを行う絞り成形シミュレーションに設定する摩擦係数の決定方法であって、
上記ダイと上記ブランクとの間の摩擦係数μd、及び上記パンチと上記ブランクとの間の摩擦係数μpをそれぞれ、ダイ肩半径rdとパンチ肩半径rpの比(rd/rp)と、上記ブランクの単軸引張試験より得られた平均r値とに基づき決定する、
ことを特徴とする成形シミュレーション用の摩擦係数決定方法。 - 上記摩擦係数μdを、上記摩擦係数μpに対し、上記比(rd/rp)が小さいほど低い値となるように設定する、
ことを特徴とする請求項1に記載した成形シミュレーション用の摩擦係数決定方法。 - 上記摩擦係数μpを、上記比(rd/rp)が小さいほど高い値となるように設定する、
ことを特徴とする請求項2に記載した成形シミュレーション用の摩擦係数決定方法。 - 上記摩擦係数μpを、上記平均r値が大きいほど高い値となるように設定する、
ことを特徴とする請求項3に記載した成形シミュレーション用の摩擦係数決定方法。 - 上記摩擦係数μpを下記式(1)で算出する、ことを特徴とする請求項1に記載した成形シミュレーション用の摩擦係数決定方法。
μp =A×(rd/rp)-B ・・・(1)
ただし、A、Bは、上記平均r値が大きいほど大きい値に設定される係数である。 - 摩擦係数μpに対する摩擦係数μdを、下記式(2)で算出する、
ことを特徴とする請求項5に記載した成形シミュレーション用の摩擦係数決定方法。
μd/μp = 1/[1+exp{-C×((rd/rp)+D)}]+E
・・・(2)
ただし、C、D、Eは、上記平均r値が大きいほど大きい値に設定される係数である。 - 請求項1~請求項6のいずれか1項に記載した成形シミュレーション用の摩擦係数決定方法によって決定した摩擦係数を用いて、金属材料からなるブランクの絞り成形を、有限要素法によってシミュレーションを行う成形シミュレーション方法。
- 請求項7に記載の成形シミュレーション方法による成形シミュレーションを行うことで、成形不良を抑制したプレス成形部品の形状を設計するプレス部品の設計方法。
- 請求項7に記載の成形シミュレーション方法による成形シミュレーションを行うことで、成形不良を抑制したプレス成形部品を成形可能な金型を設計する金型の製造方法。
- 請求項9の金型の製造方法で設計された金型を用いてプレス成形部品を製造するプレス成形部品の製造方法。
- ダイ及びパンチを有する絞り成形用の金型を用いた、金属材料からなるブランクの絞り成形を、有限要素法によってシミュレーションを行う絞り成形シミュレーションに設定する摩擦係数を求める処理を、コンピュータに実行させるための摩擦係数決定プログラムであって、
ダイ肩半径rdとパンチ肩半径rpから比(rd/rp)を求める第1の手順と、
上記ブランクの単軸引張試験より得られた平均r値を入力する第2の手順と、
上記比(rd/rp)と平均r値から、上記ダイと上記ブランクとの間の摩擦係数μd、及び上記パンチと上記ブランクとの間の摩擦係数μpとをそれぞれ個別に算出する第3の手順とを、
備えることを特徴とする摩擦係数決定プログラム。 - 上記第3の手順は、上記摩擦係数μdを、上記摩擦係数μpに対し、上記比(rd/rp)が小さいほど低い値として算出する、
ことを特徴とする請求項11に記載した摩擦係数決定プログラム。 - 上記第3の手順は、上記摩擦係数μpを、上記比(rd/rp)が小さいほど高い値として算出する、
ことを特徴とする請求項12に記載した摩擦係数決定プログラム。 - 上記第3の手順は、上記摩擦係数μpを、上記平均r値が大きいほど高い値として算出する、
ことを特徴とする請求項13に記載した摩擦係数決定プログラム。 - 上記第3の手順は、上記摩擦係数μpを下記式(1)で算出する、ことを特徴とする請求項11に記載した摩擦係数決定プログラム。
μp =A×(rd/rp)+B ・・・(1)
ただし、A、Bは、上記平均r値が大きいほど大きい値に設定された係数である。 - 上記第3の手順は、摩擦係数μpに対する摩擦係数μdを、下記式(2)から算出する、
ことを特徴とする請求項15に記載した摩擦係数決定プログラム。
μd/μp = 1/[1+exp{-C×((rd/rp)+D)}]+E
・・・(2)
ただし、C、D、Eは、上記平均r値が大きいほど大きい値に設定された係数である。 - ダイ及びパンチを有する絞り成形用の金型を用いた、金属材料からなるブランクの絞り成形を、有限要素法によってシミュレーションを行う処理を、コンピュータに実行させるための成形シミュレーション用のプログラムであって、
請求項11~請求項16のいずれか1項に記載した摩擦係数決定プログラムを有する、成形シミュレーション用のプログラム。 - ダイ及びパンチを有する金型を用いた、金属材料からなるブランクのプレス成形を、有限要素法によってシミュレーションを行う成形シミュレーションに設定する摩擦係数の決定方法であって、
上記ダイと上記ブランクとの間の摩擦係数μd、及び上記パンチと上記ブランクとの間の摩擦係数μpをそれぞれ、ダイ肩半径rdとパンチ肩半径rpの比(rd/rp)と、上記ブランクの単軸引張試験より得られた平均r値とに基づき決定する、
ことを特徴とする成形シミュレーション用の摩擦係数決定方法。
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