JP3872700B2 - ライディングシミュレータの挙動計算装置および方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ライディングシミュレータの挙動計算装置および方法に関し、特に、直動型で一対のアクチュエータとリンク機構によって接続され、アクチュエータの変位に応じて、ロール軸およびピッチ軸の回りに揺動可能な疑似車体を備えたライディングシミュレータの挙動を計算する挙動計算装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近時、運転教育用としてライディングシミュレータが開発されている。ライディングシミュレータとして、一対の直動アクチュエータにより模擬車体をロール軸とピッチ軸の各軸回りに回動し得るように構成したパラレルリンク式のライディングシミュレータが提案されている(特開2001−92344号公報)。
【0003】
このライディングシミュレータは、ロール軸およびピッチ軸のそれぞれに直結させたモータ等の駆動源によって前記各軸を回動させることで模擬車体を揺動させる従来の装置に比較して、装置構成を大幅に簡素化することができ、これによって、任意の場所に設置することが可能になるとともに、廉価なライディングシミュレータを提供できるという利点を備えている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ライディングシミュレータの主たる目的は、乗車者にピッチ傾斜およびロール傾斜を体感させることであり、ピッチ軸およびロール軸の傾斜角を正確に制御することが要求される。
【0005】
ところで、上記のライディングシミュレータにおいては、直動型のアクチュエータはリンク構造を介してピッチ軸およびロール軸と連結されていることから、アクチュエータの動作とピッチ軸およびロール軸の傾斜角との関係は、リンク構造を考慮して計算することとなり、三角関数を用いた比較的複雑な計算が必要である。
【0006】
また、上記のライディングシミュレータにおいては、ロール軸およびピッチ軸の回転角に対応する各アクチュエータの変位が、模擬車体の形状やアクチュエータ配置およびアクチュエータ特性等によって変化しうる。例えば、模擬車体の揺動軸とシート配置とアクチュエータ配置との位置関係が変われば、模擬車体のロール角およびピッチ角に対する各アクチュエータの変位も変わることになる。
【0007】
これらの理由から、上記のライディングシミュレータを設計する際には、構造の検証および部品選定を行う作業が繁雑であり長時間を要する。また、ライディングシミュレータを製作する際には、試作したライディングシミュレータが要求仕様を満たさないこともあり、複数回の試作を繰り返すことがある。
【0008】
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、一対の直動型アクチュエータによってピッチ揺動およびロール揺動を発生させるライディングシミュレータを設計する際に、ピッチ角度、ロール角度およびリンク機構のパラメータに基づいて直動型アクチュエータの変位、動作速度、動作加速度を簡便に算出し、リンク機構のパラメータおよび直動型アクチュエータ仕様の適否を判断することを可能にするライディングシミュレータの挙動計算装置および方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るライディングシミュレータの挙動計算装置は、直動型で一対のアクチュエータを有し、前記一対のアクチュエータとリンク構造によって接続され、前記一対のアクチュエータの変位に伴って、ロール軸およびピッチ軸の回りに揺動可能な疑似車体を備えたライディングシミュレータの挙動を計算する挙動計算装置において、前記疑似車体の構造に対応したリンクモデルのパラメータを入力するリンクパラメータ入力部と、前記ロール軸の角度を示すロールデータと、前記ピッチ軸の角度を示すピッチデータとを入力する指令入力部と、前記リンクモデルに基づき設定される変換行列から、前記リンクモデルの前記アクチュエータの支点の座標値を算出する算出式が記憶部に設定されていて、前記リンクパラメータ入力部および前記指令入力部により入力された前記パラメータ、前記ロールデータおよび前記ピッチデータを前記算出式に入力して得られた前記支点の座標に基づいて、前記リンクモデルの前記アクチュエータの変位を求める変位算出部とを有することを特徴とする。
【0010】
このようにすることにより、ピッチ軸の角度、ロール軸の角度およびリンク機構のパラメータに基づいて直動型アクチュエータの変位、動作速度、動作加速度を簡便に算出し、リンク機構のパラメータおよび直動型アクチュエータ仕様の適否を判断することができる。
【0011】
この場合、前記ロールデータおよび前記ピッチデータは、定数値または時系列データであってもよい。
【0012】
前記ロールデータまたは前記ピッチデータの少なくとも一方は、時系列データであって、前記変位算出部は、前記アクチュエータの変位から速度および加速度を求めてもよい。
【0013】
本発明に係るライディングシミュレータの挙動計算方法は、直動型で一対のアクチュエータを有し、前記一対のアクチュエータとリンク構造によって接続され、前記一対のアクチュエータの変位に伴って、ロール軸およびピッチ軸の回りに揺動可能な疑似車体を備えたライディングシミュレータの挙動を計算する挙動計算方法において、リンクパラメータ入力部から前記疑似車体の構造に対応したリンクモデルのパラメータを入力するステップと、指令入力部から前記ロール軸の角度を示すロールデータと、前記ピッチ軸の角度を示すピッチデータとを入力するステップと、前記リンクモデルに基づき設定される変換行列から、前記リンクモデルの前記アクチュエータの支点の座標値を算出する算出式が記憶部に設定されていて、前記リンクパラメータ入力部および前記指令入力部により入力された前記パラメータ、前記ロールデータおよび前記ピッチデータを前記算出式に入力して得られた前記支点の座標に基づいて、変位算出部が前記アクチュエータの変位を求めるステップとを有することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るライディングシミュレータの挙動計算装置と、この挙動計算装置を用いてライディングシミュレータの挙動を計算する方法の実施の形態を、図1〜図15を参照しながら説明する。
【0015】
まず、本実施の形態において挙動を計算するライディングシミュレータ10について、図1〜図3を参照しながら説明する。
【0016】
図1〜図3はライディングシミュレータ10を示す。該ライディングシミュレータ10は、脚部11によって支持される基台12と、基台12上に後述する2軸の回転自由度をもって支持される模擬車体14とを備える。
【0017】
以下、説明の便宜のため、方向を特定する3次元座標を設定し、図1の矢印X、Zで示される方向をそれぞれX軸、Z軸とする。つまり、ライディングシミュレータ10の車長方向をX軸、高さ方向をZ軸とする。さらに、図2の矢印Yで示すように、ライディングシミュレータ10の横幅方向をY軸とする。
【0018】
基台12のほぼ中央には支持台16が固定されており、この支持台16上には模擬車体14のX軸方向に延在するロール軸18が一対の軸受20によって支持されている。さらに、図3に示すように、ロール軸18の上方には、これに直交するY軸方向に延在するピッチ軸22が一対の軸受24によって支持されている。前記軸受24は支持板26の裏面に固着され、該支持板26の表面にはメインフレーム28が固着されている。
【0019】
メインフレーム28の後方には、斜め上方に延びるリヤフレーム30が配設され、該リヤフレーム30上には乗車者が着座するためのシート31が設けられている。シート31には乗車者の体重移動の方向および移動量を検出する体重移動センサ99が設けられている。
【0020】
メインフレーム28の前方には、上方に延びるフロントコラム32が配設され、さらに、前記フロントコラム32と略平行にステアリング軸36が延在する。該ステアリング軸36の上端にはハンドル34が取り付けられている。前記ステアリング軸36は、その上端部よりやや下方において前記フロントコラム32に固設された軸受32aによって回転自在に支持されている。ステアリング軸36の下端部はステアリング制御部40に連結する。ステアリング制御部40はモータ42を含み、該モータ42の回転駆動軸は減速機構44を介してステアリング軸36に連結する。該ステアリング制御部40は、前記フロントコラム32の下端において前方に張り出す支持枠38に固定されている。
【0021】
以上の構成において、模擬車体14には、ロール軸18の回りとピッチ軸22の回りとの2軸の回転自由度が与えられる。また、ハンドル34には、前記ステアリング制御部40により運転状態に応じた操行負荷が与えられる。
【0022】
また、ライディングシミュレータ10には、ロール軸18の軸線方向(本実施の形態では前方)にオフセットした位置に、ロール軸18の軸線を含みピッチ軸22に直交する面に関して対称に左右一対のアクチュエータ50a、50bが配設される。
【0023】
一対のアクチュエータ50a、50bは、可動部60と螺子部70とを備え、可動部60はロータおよびステータからなるモータ62を含み、ロータの回転中心には螺子部70が螺合する。また、前記モータ62のロータにはエンコーダ64が接続されている。
【0024】
以上の構成において、各可動部60は、モータ62の回転作用下に各螺子部70に沿って変位する。
【0025】
各螺子部70の下端は第1自在継手80を介して基台12と連結し、可動部60は第2自在継手90を介して模擬車体14と連結する。第1自在継手80は、基台12に固定された下部ヨーク82と螺子部70に固定された上部ヨーク84とを十字状金具86を介して連結してなるフック形状の自在軸継手で構成されている。第2自在継手90は、フロントコラム32の下部両側に突設した各ブラケット32b上の軸受32cに前後方向の軸94を介して支持されるフォーク状金具92を備える。該フォーク状金具92の二股部間に可動部60を挿入した状態で、該フォーク状金具92を軸94に直交する軸96を介して可動部60に枢着している。
【0026】
したがって、螺子部70と基台12との連結部および可動部60と模擬車体14との連結部にそれぞれ2軸の回転自由度が与えられ、螺子部70と可動部60は基台12と模擬車体14に対し任意の方向に傾動可能となる。
【0027】
以上の構成によれば、一対のアクチュエータ50a、50bの可動部60をともに上動または下動させると、模擬車体14にピッチ軸22を支点とした前上がりまたは前下がりの回動、すなわち、ピッチ動作が与えられ、アクチュエータ50a、50bの可動部60を互いに上下反対方向に移動させると、模擬車体14のロール軸18を支点とした横方向の回動、すなわち、ロール動作が与えられる。従って、乗車者によるアクセル操作やブレーキ操作に応じてピッチ動作を与えるとともに、乗車者の体重移動に応じてロール動作を与えることにより、乗車者に実車走行時と同様の車体挙動を体感させることができる。
【0028】
ライディングシミュレータ10の基本構造は、図4に示すようなリンクによって表すことができる。すなわち、ライディングシミュレータ10は、原点Oを基準として、ロール軸18の回転中心点Tおよびピッチ軸22の回転中心点Sを中心としてロール運動およびピッチ運動をする。
【0029】
また、第1アクチュエータ50aの上部支点をA、下部支点をCとし、第2アクチュエータ50bの上部支点をB、下部支点をDとして表したとき、アクチュエータ50aの上部支点A〜下部支点C間の長さをL、アクチュエータ50bの上部支点B〜下部支点D間の長さをRとする。以下の説明では、長さLを変位L、長さRを変位Rとして記す。上部支点AおよびBの中点をEとする。
【0030】
ライディングシミュレータ10のリンクをより解析的に表すと、図5の6軸リンクモデル10aとして表すことができる。
【0031】
図5において、基準状態(ピッチ角度およびロール角度がともに0の状態)において回転中心点Sの上方で中点Eと同じ高さの点をQとする。原点Oより距離d1だけ上方の固定点をUとし、固定点Uより距離d2だけX軸方向に移動した固定点をVとする。
【0032】
θ2はロール軸18の角度、θ4はピッチ軸22の角度をそれぞれ示す。また、d2は原点Oから回転中心点TまでのX軸方向の距離である。d3は、固定点Vから回転中心点Sまでの距離であり、d5は、回転中心点Sから点Qまでの距離である。
【0033】
d6は、点Qから中点Eまでの距離である。a6Rおよびa6Lは、中点Eから上部支点AおよびBまでの距離である。xCおよびxDは、原点Oから下部支点CおよびDまでのX軸方向の距離である。yCおよびyDは、原点Oから下部支点CおよびDまでのY軸方向の距離である。
【0034】
なお、上記のライディングシミュレータ10では、距離d2は0として表される。
【0035】
次に、ライディングシミュレータ10の挙動を計算する計算装置100(ライディングシミュレータの挙動計算装置)および計算プログラム132(図7参照)と、計算装置100および計算プログラム132とを用いてライディングシミュレータ10の挙動を計算する方法について、図6〜図15を参照しながら説明する。
【0036】
図6に示すように、計算装置100は、パーソナルコンピュータによって実現されており、本体101と、モニタ108と、キーボード110と、マウス112とを有する。
【0037】
計算装置100は、バス102を介して計算装置100の全体の制御を行う制御手段としてのCPU104と、表示装置でありモニタ画面106(単に画面ともいう。)を有するモニタ108と、入力装置であるキーボード110およびマウス112と、モニタ108への出力制御を行う出力制御部114と、キーボード110とマウス112との入力制御を行う入力制御部116と、記憶部としてのROM119、メモリ(RAM)120と、プログラム等を格納するハードディスク122と、ハードディスク122に対してデータのアクセスを行うハードディスクドライブ(HDD)124と、記録媒体126(例えば、光ディスクや磁気ディスク等)を制御する記録媒体ドライブ128とを有する。
【0038】
なお、計算装置100は、ライディングシミュレータ10を設計する際に用いるものであって、ライディングシミュレータ10と接続されている必要はない。
【0039】
RAM120は、データを格納するデータ領域120aと、ハードディスク122に格納されているアプリケーションプログラム等をロードするプログラム領域120bとを有する。
【0040】
ハードディスク122には、OS130、計算プログラム132、6軸リンクモデル10aのパラメータを記録するパラメータファイル134、ロール軸18またはピッチ軸22の入力角度を記録した波形ファイル(時系列データ)136等が記録される。
【0041】
図7に示すように、計算プログラム132は、6軸リンクモデル10aのパラメータを入力するリンクパラメータ入力部140と、ロールデータおよびピッチデータとして、定数値、疑似サイン波形の設定値または波形ファイル136を入力する指令入力部142と、変位L、変位Rを求める変位算出部144とを有する。
【0042】
計算プログラム132は、1枚または複数枚の記録媒体126に記録されており、記録媒体ドライブ128を介してハードディスク122にインストールされる。計算プログラム132は、形式上複数の部分に分かれてハードディスク122に記録され、実行時に必要な部分だけがプログラム領域120bにロードされる形式であってもよい。
【0043】
計算プログラム132は、インターネット等の通信システムを経由して配布されるものであってもよい。
【0044】
次に、計算プログラム132によって、画面106上に表示される操作画面について、図8〜図11を参照しながら説明する。
【0045】
図8に示すリンクパラメータ確認画面200は、予めハードディスク122に記録されたパラメータファイル134の値を一覧形式で表示する画面であり、エラー表示領域202、パラメータ確認領域204を有する。
【0046】
エラー表示領域202は、計算プログラム132を実行するうえで障害となる各種のエラーをコメントとして表示する領域である。
【0047】
パラメータ確認領域204は、パラメータファイル134に記録されているパラメータが表示される領域であり、距離d1、d2、d3、d5、d6、a6L、a6R、xC、xD、yCおよびyDと、変位Lが許容される最大値LMAX、最小値LMINおよび変位Rが許容される最大値RMAX、最小値RMINが表示される。
【0048】
また、パラメータ確認領域204において、各パラメータの右側にはそのパラメータが所定の初期値である場合には「初期値」と表示され、初期値に対して修訂された値である場合には「設定値」と表示される。
【0049】
リンクパラメータ確認画面200においては、他の操作画面への移行手段としてキーボード110の「Y」キー、「M」キーまたは「N」キーの入力が受け付けられる。「N」キーが入力された場合は、リンクパラメータ設定画面250(図9参照)が表示され、「Y」キーが入力された場合は、リンク動作確認画面300(図10参照)が表示される。また、「M」キーが入力された場合は、動作解析画面350(図11参照)が表示される。
【0050】
図9に示すリンクパラメータ設定画面250は、パラメータファイル134から読み込んだパラメータを修正するための画面である。パラメータ値設定画面250には、6軸リンクモデル10a(図5参照)に関するパラメータと、最大値LMAX、最小値LMIN、最大値RMAXおよび最小値RMINの各数値が表示されており、修正するパラメータの数値が表示されている箇所にカーソルを合わせて、「0」から「9」のキー、所謂、テンキーを用いて数値を修正する。
【0051】
修正が終わった後、メニューバーの「ファイル」252をクリックして表示されるメニューバーの「上書き保存」254をさらにクリックすることにより、修正したパラメータをパラメータファイル134に上書き保存する。
【0052】
また、メニューバーの「ファイル」252をクリックして表示されるメニューバーの「終了」256をさらにクリックすることにより、リンクパラメータ設定画面250は終了し、リンクパラメータ確認画面200に戻る。
【0053】
図10に示すリンク動作確認画面300は、6軸リンクモデル10aをテンキー操作により模擬的に動作させた様子を表示させることのできる画面であり、リンク図領域302と、刻み幅入力領域304と、データ表示領域306と、エラー表示領域308とを有する。
【0054】
リンク図領域302には、6軸リンクモデル10aの背面図310と側面図312が表示され、テンキー操作に基づいてアニメーション表示される。
【0055】
つまり、テンキーのうち「2」キーおよび「8」キーが押されるとピッチがプラスおよびマイナス方向に動く。「4」キーおよび「6」キーが押されるとロールがプラスおよびマイナス方向に動く。「1」キーが押されると「2」キーと「4」キーが同時に押されたのと同じ状態となり、「3」キーが押されると「2」キーと「6」キーが同時に押されたのと同じ状態となる。「7」キーが押されると「4」キーと「8」キーが同時に押されたのと同じ状態となり、「9」キーが押されると「8」キーと「6」キーが同時に押されたのと同じ状態となる。
【0056】
これらのテンキー操作に応じて、リンク図領域302の背面図310と側面図312が変化して静的な動作を確認することができる。
【0057】
ロールデータおよびピッチデータに基づいて6軸リンクモデル10aの姿勢を算出する方法については後述する。
【0058】
また、背面図310および側面図312における各点(例えば、上部支点AおよびB)は、識別可能なようにそれぞれ異なる色で表示されている。
【0059】
刻み幅入力領域304には、テンキーに応じて6軸リンクモデル10aを動作させる際のロール角およびピッチ角の所定時間ごとの変化量を設定する設定部304a、304bが設けられている。
【0060】
データ表示領域306には、その時点における6軸リンクモデル10aに関する数値がリアルタイムで表示される。つまり、ロール軸18およびピッチ軸22の角度を示すロール角表示部306aおよびピッチ角表示部306bと、変位L、変位Rを示す左リンク値表示部306c、右リンク値表示部306dと、上部支点AおよびBの座標値を示すA点座標表示部306e、B点座標表示部306fとを有する。
【0061】
ロール角表示部306aおよびピッチ角表示部306bは、ロール軸18およびピッチ軸22の角度を[deg]単位で表示する。また、このロール角表示部306aおよびピッチ角表示部306bは、所定の操作によってキー入力することも可能である。すなわち、上記のテンキー操作の代わりに直接的にロール角およびピッチ角を入力することが可能である。
【0062】
左リンク値表示部306c、右リンク値表示部306dは、変位L、変位Rを[mm]単位で表示する。
【0063】
A点座標表示部306e、B点座標表示部306fには、上部支点AおよびBの座標をX、Y、Z軸方向のそれぞれの成分値で表示する。
【0064】
エラー表示領域308には、入力操作および計算結果に対する種々のエラーメッセージを表示する。
【0065】
このように、図10に示すリンク動作確認画面300では、ロール角およびピッチ角を任意の値に設定することが可能であり、計算装置100の操作者は設定したロール角およびピッチ角に対応する6軸リンクモデル10aの静的姿勢をリンク図領域302において感覚的に把握するとともに、データ表示領域306において数値的に確認することができる。
【0066】
図11に示す動作解析画面350は、ロール角またはピッチ角が経時変化する場合における6軸リンクモデル10aの動的挙動を表示する画面である。
【0067】
動作解析画面350は、入力値としての疑似サイン波形を設定する波形設定領域352と、種々のメッセージやエラー表示を行うメッセージ表示領域354とを有する。
【0068】
さらに、動作解析画面350は、入力値であるロール角およびピッチ角の経時変化を示す入力値表示領域356と、変位L、変位Rの経時変化を示すリンク長表示領域358と、アクチュエータ50a、50bの動作速度の経時変化を示すリンク速度表示領域360と、アクチュエータ50a、50bの動作加速度の経時変化を示すリンク加速度表示領域362とを有する。
【0069】
これらの、入力値表示領域356、リンク長表示領域358、リンク速度表示領域360およびリンク加速度表示領域362はそれぞれグラフ形式の表示領域であり、横軸に時間軸が設定されている。
【0070】
波形設定領域352の動作対象軸選択部352dは、ロール軸18またはピッチ軸22のいずれか一方に対して動作角度を疑似サイン波形として設定する領域であり、「↓」カーソルキーまたは「↑」カーソルキーにより「ロール」または「ピッチ」のいずれかを選択する。「ロール」または「ピッチ」のうち、選択された一方には「◎」マークが表示され、「ロール」が選択されたときにはロール軸18、「ピッチ」が選択されたときにはピッチ軸22に対して疑似サイン波形が適用される。また、選択されていない他方には、所定の操作により定数値の角度が入力可能となっている。
【0071】
図11の例では、ロール軸18の角度が定数値の10.000[deg]であり、ピッチ軸22に対して疑似サイン波形が設定される様子を示している。
【0072】
最大角度入力部352aには、疑似サイン波形の最大角度を入力する。例えば、最大角度入力部352aに5.000[deg]を入力すれば、疑似サイン波形は、0[deg]を中心とした±5.000[deg]の振幅波形として設定される。
【0073】
所用時間入力部352bには、疑似サイン波形の周期を[sec]単位として入力する。
【0074】
更新周期入力部352cには、疑似サイン波形に対する計算刻み幅を[msec]単位として入力する。例えば、所用時間入力部352bが20.000[sec]であり、更新周期入力部352cが10.000[msec](0.01[sec])であれば、計算回数は20÷0.01=2000[回]となる。
【0075】
最大角度入力部352a、所用時間入力部352bおよび更新周期入力部352cの各値を設定した後、「S」キーを押すことによって変位算出部144の計算処理が開始され、疑似サイン波形が入力値表示領域356に表示される。また、疑似サイン波形に対応して、変位L、変位Rの経時変化がリンク長表示領域358に表示される。
【0076】
リンク速度領域360には、アクチュエータ50a、50bの動作速度が変位L、変位Rをそれぞれ微分することによって求められて表示される。リンク加速度領域362には、アクチュエータ50a、50bの動作加速度が動作速度をそれぞれ微分することによって求められて表示される。
【0077】
リンク長表示領域358、リンク速度表示領域360およびリンク加速度表示領域362には、それぞれアクチュエータ50aとアクチュエータ50bに対する動作速度および加速度が異なる色によって表示され、重なる部分については一方が優先して表示される。
【0078】
また、入力値表示領域356、リンク長表示領域358、リンク速度表示領域360およびリンク加速度表示領域362に表示されるグラフは、一括したデータとしてハードディスク122に保存可能である。具体的には、キーボード110の「F5」ファンクションキーを押すことによりメッセージ表示領域354に「出力するファイル名を指定してください。」というメッセージが表示されるので、任意のファイル名称を入力して保存する。このとき出力するファイルは、CSV形式(データをカンマで区切って並べたファイル形式)または通常のテキスト形式で保存されるので、一般の表計算ソフトまたはテキストエディターなどで利用可能である。
【0079】
動作解析画面350においては、上記の疑似サイン波形の代替として任意の波形を入力波形として利用することが可能である。すなわち、キーボード110の「F4」ファンクションキーを押すことによりメッセージ表示領域354に「入力するファイル名を指定してください。」というメッセージが表示されるので、使用する波形ファイル136の名称を入力する。
【0080】
波形ファイル136は、図12に示すように、CSV形式またはテキスト形式で記録されているものを指定する。
【0081】
この後、「S」キーを押すことによって計算が開始され、波形ファイル136に記録された任意の波形が入力値表示領域356に表示されるとともに、この任意波形に対応したアクチュエータ50a、50bの変位、動作速度、動作加速度がそれぞれリンク長表示領域358、リンク速度表示領域360およびリンク加速度表示領域362に表示される。
【0082】
このとき、計算刻み幅は、更新周期入力部352cに設定されている値が用いられる。また、最大角度入力部352aおよび所用時間入力部352bの設定値は無視される。
【0083】
このように、動作解析画面350においては、ロール角およびピッチ角が経時変化する際のアクチュエータ50aおよび50bの挙動、すなわち変位、動作速度、動作加速度をグラフ形式で表示することができるので、アクチュエータ50a、50bの仕様検討に利用できる。また、入力値としては模擬サイン波形を簡易な手順により設定し利用することができるとともに、波形ファイル136を指定することにより任意波形を利用することもできる。波形ファイル136はCSV形式またはテキスト形式のファイルなので、一般の表計算ソフトやテキストエディターを利用して生成することができる。また、波形ファイル136は、実物の車輌を走行させる際に、該車輌に計測方向が直交する2つの傾斜計を搭載し、これらの傾斜計によって走行時の傾斜角を記録したデータを用いてもよい。
【0084】
次に、変位算出部144の機能により、ロールデータおよびピッチデータとして指定された角度から上部支点Aの座標値(XA、YA、ZA)を算出する方法について説明する。
【0085】
原点O、固定点U、固定点V、点Q、中点E、上部支点A(それぞれ図5参照)の各点における変換行列Ai(i=1〜6)は、式(1)〜式(6)となる。
【0086】
【数1】
【0087】
【数2】
【0088】
【数3】
【0089】
【数4】
【0090】
【数5】
【0091】
【数6】
【0092】
ここで、式(2)におけるθ2はロール軸18の角度であり、式(4)におけるθ4はピッチ軸22の角度である。これら角度θ2およびθ4には、実際の計算上は、それぞれロールデータおよびピッチデータとして、波形設定領域352で設定される定数値、疑似サイン波形、または、波形ファイル136で設定される時系列データが代入されて計算される。
【0093】
従って、上部支点Aの位置および姿勢を示す変換行列T6は下記の式(7)のようになる。
【0094】
【数7】
【0095】
式(7)の第4列第1行〜第3行が、上部支点Aの座標値(XA、YA、ZA)を示すので、上部支点Aの座標値(XA、YA、ZA)は、次の式(8)で表される。
【0096】
【数8】
【0097】
また、上部支点Bについては、式(8)における距離a6Lを距離a6Rで置き換え、さらに符号を反転させればよいから、上部支点Bの座標値(XB、YB、ZB)は次の式(9)で表される。
【0098】
【数9】
【0099】
さらに、固定点U、固定点V、点Q、中点Eの各座標値についても同様の手法により求めることができる。
【0100】
例えば、中点Eの座標値については、変換行列T5=A1A2A3A4A5を求め、この変換行列T5の第4列第1行〜第3行を抽出すればよい。
【0101】
式(8)により上部支点Aの座標値(XA、YA、ZA)を算出した後、変位L、変位Rを算出する。つまり、上部支点Aと下部支点Cとの距離が変位Lとなる。また、変位Rも上部支点Bと下部支点Dとの距離として算出することができる。
【0102】
このようにして算出された上部支点A、上部支点B、固定点U、固定点V、点Q、中点E、変位Lおよび変位Rは、リンク動作確認画面300および動作解析画面350において利用されまたは表示される。
【0103】
次に、このように構成される計算装置100および計算プログラム132を用いてライディングシミュレータ10の挙動を計算する方法を、図13〜図15を参照しながら説明する。
【0104】
まず、図13のステップS1において、計算装置100の操作者は、計算プログラム132を起動させる。具体的には、OS130の操作手順に従い、計算プログラム132に対して起動の指示を与える。OS130は、CPU104の制御下において、計算プログラム132をプログラム領域120bへロードして実行する。この手順により、表示画面にはリンクパラメータ確認画面200(図8参照)が表示される。
【0105】
リンクパラメータ確認画面200には、上記のとおりパラメータファイル134が読み込まれてパラメータ確認領域204に表示される。
【0106】
次に、ステップS2において、リンクパラメータ確認画面200において、パラメータ確認領域204で示されるパラメータファイル134のデータを確認して、修正する場合には「N」キーを押して次のステップS3へ移る。修正する必要がない場合であって、ライディングシミュレータ10の静的な動作確認を行う場合には、「Y」キーを押し、ステップS4へ移る。また、ライディングシミュレータ10の動的な動作確認を行う場合には、「M」キーを押し、ステップS5へ移る。
【0107】
ステップS3においては、リンクパラメータ設定画面250(図9参照)が表示されるので、パラメータファイル134のデータを設定する。
【0108】
設定が終了した後、メニューバーの「上書き保存」254をクリックすることにより修正したパラメータをパラメータファイル134に上書き保存し、さらに、メニューバーの「終了」256をクリックすることにより、リンクパラメータ設定画面250を終了し、リンクパラメータ確認画面200に戻る。すなわち、ステップS2に戻る。
【0109】
ステップS4においては、リンク動作確認画面300(図10参照)によりライディングシミュレータ10の静的な動作確認を行う。
【0110】
また、ステップS5においては、動作解析画面350(図11参照)によりライディングシミュレータ10の動的な動作確認を行う。
【0111】
次に、ステップS4のリンク動作確認画面300によりライディングシミュレータ10の静的な動作確認を行う手順について、図14を参照しながら説明する。
【0112】
図14のステップS101において、ロール角およびピッチ角の所定時間ごとの変化量を設定部304a、304bに設定する。
【0113】
次に、ステップS102において、「0」から「9」のテンキーを押してロール角およびピッチ角を変化させる。このとき、ロール角およびピッチ角は、設定部304a、304bで設定された値に基づいて所定時間毎に変化し、その変化した値はロール角表示部306aおよびピッチ角表示部306bに表示される。
【0114】
また、ロール角表示部306aおよびピッチ角表示部306bに表示される値に基づいて、変位算出部144(図7参照)が6軸リンクモデル10aの姿勢を算出する。変位算出部144により算出された各値は、左リンク値表示部306c、右リンク値表示部306d、A点座標表示部306e、B点座標表示部306fに表示されるとともにリンク図領域302の背面図310および側面図312に反映される。
【0115】
ステップS102における入力操作は、ロール角表示部306aおよびピッチ角表示部306bに、ロール角およびピッチ角の値を直接入力してもよい。
【0116】
次に、ステップS5の動作解析画面350によりライディングシミュレータ10の動的な動作確認を行う手順について、図15を参照しながら説明する。
【0117】
図15のステップS201において、「↓」カーソルキーまたは「↑」カーソルキーにより疑似サイン波形または波形ファイル136を適用する軸を「ロール」または「ピッチ」のいずれか一方から選択する。選択された一方には「◎」マークが表示される。
【0118】
また、選択されていない他方を0.00[deg]以外の角度で動作確認を行うときには、所定の操作により固定角度値を入力する。
【0119】
次に、ステップS202において、動作確認を行う手段として、疑似サイン波形を用いるかまたは波形ファイル136を用いるかを選択する。疑似サイン波形を用いるときはステップS203へ移り、波形ファイル136を用いるときにはステップS205へ移る。
【0120】
ステップS203においては、最大角度入力部352a、所用時間入力部352b、更新周期入力部352cの各値をそれぞれ入力する。
【0121】
次に、ステップS204において、「S」キーを押すことによって変位算出部144の計算処理を行う。
【0122】
変位算出部144は、波形設定領域352において設定した疑似サイン波形に基づいて6軸リンクモデル10aの姿勢を算出する。変位算出部144により算出された変位L、変位Rの経時変化をリンク長表示領域358に表示する。また、変位L、変位Rを1階微分および2階微分した値をリンク速度表示領域360およびリンク加速度表示領域362に表示する。波形設定領域352において設定した疑似サイン波形は、入力値表示領域356に表示される。
【0123】
変位算出部144における計算、および、入力値表示領域356、リンク長表示領域358、リンク速度表示領域360およびリンク加速度表示領域362の表示が終了した後、最後のステップS207に移る。
【0124】
ステップS205(波形ファイル136を用いて動作解析を行うとき)においては、「F4」ファンクションキーを押すことによりメッセージ表示領域354に「入力するファイル名を指定してください。」というメッセージが表示されるので、使用する波形ファイル136の名称を入力する。
【0125】
なお、このステップS205を実行する前に予め波形ファイル136が作成されているものとする。
【0126】
次に、ステップS206において、「S」キーを押すことによって変位算出部144の計算処理を行う。このステップS206は、前記ステップS204と類似の処理であり、変位算出部144は疑似サイン波形の代替として波形ファイル136に記録されたデータに基づいて計算を行う。
【0127】
また、入力値表示領域356には波形ファイル136によって表される波形が表示される。
【0128】
最後に、ステップS207において、「F5」ファンクションキーを押すことによりメッセージ表示領域354に「出力するファイル名を指定してください。」というメッセージが表示されるので任意のファイル名称を設定する。
【0129】
設定したファイル名で、入力値表示領域356、リンク長表示領域358、リンク速度表示領域360およびリンク加速度表示領域362に表示されたデータがテキスト形式またはCSV形式でハードディスク122に記録される。
【0130】
このように本実施の形態によれば、直動形式の一対のアクチュエータ50a、50bにより模擬車体を動作させるライディングシミュレータ10の静的および動的挙動をパーソナルコンピュータ、つまり計算装置100において確認することができる。具体的には、ピッチ軸22およびロール軸18の動作に対する変位L、変位R、動作速度、動作加速度を確認することができる。確認の手段としては、数値表示、グラフ表示およびアニメーション表示を用いることができるので数値的および感覚的に確認することができる。
【0131】
また、変位Lおよび変位Rの取りうる最大値および最小値が分かるので、パラメータファイル134に記録された最大値LMAX、RMAX、最小値LMIN、RMINと比較することにより、アクチュエータ50a、50bのストローク仕様を検証することができる。変位Lおよび変位Rが、これらの最大値LMAX、RMAX、最小値LMIN、RMINを超えるときには、エラー表示を行うようにするとよい。
【0132】
さらに、アクチュエータ50a、50bの動作速度、動作加速度が算出されるので、アクチュエータ50a、50bの動作速度仕様、駆動力仕様、出力仕様等を検証することができる。
【0133】
さらにまた、リンクパラメータ設定画面250においてライディングシミュレータ10の基本構造である6軸リンクモデル10aの各パラメータ、例えば、距離d1、d2等を簡便に修正し、その後動作確認を行うことができる。従って、適切な6軸リンクモデル10aの各パラメータとアクチュエータ50a、50bとの適合性を確認することができる。
【0134】
なお、上記の本実施の形態では、設計対象とするライディングシミュレータ10は、アクチュエータ50a、50bがハンドル付近に設定されており、ロール軸18、ピッチ軸22がシート31の下部に設定されている例を示したが、これに限ることなく、例えば、アクチュエータ50a、50bはシート31の後方部分に設けられていてもよい。
【0135】
この発明に係るライディングシミュレータの挙動計算装置および方法は、上述の実施の形態例に限らず、この発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【0136】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るライディングシミュレータの挙動計算装置および方法によれば、一対の直動型アクチュエータによってピッチ揺動およびロール揺動を発生させるライディングシミュレータを設計する際に、ピッチ角度、ロール角度およびリンク機構のパラメータに基づいて直動型アクチュエータの変位、動作速度、動作加速度を簡便に算出し、リンク機構のパラメータおよび直動型アクチュエータ仕様の適否を判断することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ライディングシミュレータの側面図である。
【図2】ライディングシミュレータの上面図である。
【図3】ライディングシミュレータの図1におけるΙΙΙ−ΙΙΙ線断面図である。
【図4】模擬車体のリンク構造を表す図である。
【図5】模擬車体のリンクモデルを表す図である。
【図6】本実施の形態に係るライディングシミュレータの挙動計算装置の概略ブロック図である。
【図7】本実施の形態に係るライディングシミュレータの挙動計算プログラムの概略ブロック図である。
【図8】リンクパラメータ確認画面を示す説明図である。
【図9】リンクパラメータ設定画面を示す説明図である。
【図10】リンク動作確認画面を示す説明図である。
【図11】動作解析画面を示す説明図である。
【図12】波形ファイルの内容を示したイメージ図である。
【図13】本実施の形態に係るライディングシミュレータの挙動計算方法の手順を示すフローチャートである。
【図14】ライディングシミュレータの静的挙動を確認する手順を示すフローチャートである。
【図15】ライディングシミュレータの動的挙動を確認する手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10…ライディングシミュレータ 10a…6軸リンクモデル
14…模擬車体 16…支持台
18…ロール軸 22…ピッチ軸
50a、50b…アクチュエータ 62…モータ
100…計算装置 122…ハードディスク
126…記録媒体 132…計算プログラム
134…パラメータファイル 136…波形ファイル
140…リンクパラメータ入力部 142…指令入力部
144…変位算出部 200…リンクパラメータ確認画面
250…リンクパラメータ設定画面 300…リンク動作確認画面
350…動作解析画面
Claims (4)
- 直動型で一対のアクチュエータを有し、前記一対のアクチュエータとリンク構造によって接続され、前記一対のアクチュエータの変位に伴って、ロール軸およびピッチ軸の回りに揺動可能な疑似車体を備えたライディングシミュレータの挙動を計算する挙動計算装置において、
前記疑似車体の構造に対応したリンクモデルのパラメータを入力するリンクパラメータ入力部と、
前記ロール軸の角度を示すロールデータと、前記ピッチ軸の角度を示すピッチデータとを入力する指令入力部と、
前記リンクモデルに基づき設定される変換行列から、前記リンクモデルの前記アクチュエータの支点の座標値を算出する算出式が記憶部に設定されていて、前記リンクパラメータ入力部および前記指令入力部により入力された前記パラメータ、前記ロールデータおよび前記ピッチデータを前記算出式に入力して得られた前記支点の座標に基づいて、前記リンクモデルの前記アクチュエータの変位を求める変位算出部と、
を有することを特徴とするライディングシミュレータの挙動計算装置。 - 請求項1記載の装置において、
前記ロールデータおよび前記ピッチデータは、定数値または時系列データであることを特徴とするライディングシミュレータの挙動計算装置。 - 請求項1記載の装置において、
前記ロールデータまたは前記ピッチデータの少なくとも一方は、時系列データであって、
前記変位算出部は、前記アクチュエータの変位から速度および加速度を求めることを特徴とするライディングシミュレータの挙動計算装置。 - 直動型で一対のアクチュエータを有し、前記一対のアクチュエータとリンク構造によって接続され、前記一対のアクチュエータの変位に伴って、ロール軸およびピッチ軸の回りに揺動可能な疑似車体を備えたライディングシミュレータの挙動を計算する挙動計算方法において、
リンクパラメータ入力部から前記疑似車体の構造に対応したリンクモデルのパラメータを入力するステップと、
指令入力部から前記ロール軸の角度を示すロールデータと、前記ピッチ軸の角度を示すピッチデータとを入力するステップと、
前記リンクモデルに基づき設定される変換行列から、前記リンクモデルの前記アクチュエータの支点の座標値を算出する算出式が記憶部に設定されていて、前記リンクパラメータ入力部および前記指令入力部により入力された前記パラメータ、前記ロールデータおよび前記ピッチデータを前記算出式に入力して得られた前記支点の座標に基づいて、変位算出部が前記リンクモデルの前記アクチュエータの変位を求めるステップと、
を有することを特徴とするライディングシミュレータの挙動計算方法。
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