JP4138546B2 - 移動台車及び移動台車の制御方法 - Google Patents

移動台車及び移動台車の制御方法 Download PDF

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  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
  • Control Of Position, Course, Altitude, Or Attitude Of Moving Bodies (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は移動台車に関し、詳しくは、その重心が車輪の回転軸より上方に位置する倒立振子型の移動台車の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
倒立振子型の移動台車の制御方法としては、例えば、特許文献1に記載の技術が知られている。
特許文献1には、一対の車輪と、車輪間に架設された車軸と、車軸上に回転可能に支持された車体とを備えた同軸二輪車が開示されている。車体の傾きは角度検出手段によって検出されるようになっている。この同軸二輪車では、車輪を駆動するための車輪駆動用モータを有し、車輪駆動用モータは制御コンピュータから出力される制御指令値(制御トルク値)に基づいて駆動される。制御コンピュータ内には、車体の傾斜角度を入力値とし、フィードバックゲイン(K)を係数として制御トルク値を算出するための制御入力算出式が予め設定されている。
かかる構成においては、角度検出手段により車体の傾きを短時間間隔にてサンプリングする。次いで、サンプリングされた傾斜角度を制御入力算出式に代入して演算し、車輪用駆動用モータの制御トルクを算出する。そして、算出された制御トルクに相当する電流指令値を車輪駆動用モータに出力する。これによって、車輪駆動用モータが回転し、車体の倒立が維持される。
【0003】
【特許文献1】
特開昭63−305082号
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述の特許文献1に開示された技術では、状態フィードバック制御を用いているため、制御対象をモデル化したときの数式モデルと実物とが厳密に一致する必要がある。しかしながら、台車が設置される設置面が傾斜していたり、台車に作用する荷重に変動等が生じると、数式モデルと実物との間に違いが生じる。これによって、制御が不安定化するという問題があった。
【0005】
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、台車設置面が傾いていたり荷重の変動等があっても、安定した倒立制御を行うことができる技術を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段と作用と効果】
上記課題を解決するために、本願の第1の移動台車は、同軸に配置された2つの車輪と、該車輪に、その回転軸に対して直交する方向に傾斜可能に支持される車体とを備え、その重心が車輪の回転軸より上方に位置する移動台車であって、2つの車輪の1つを駆動する第1駆動手段と、第1駆動手段で駆動されない他の車輪を駆動する第2駆動手段と、車体の傾斜角速度を検出する第1検出手段と、台車の略水平面内における位置、速度及び加速度の中の少なくとも1つを特定可能で、かつ、台車の略水平面内における車軸の中心を通る鉛直線回りの回転速度及び回転加速度の少なくとも1つを特定可能な物理量を検出する第2検出手段と、台車の略水平面内における並進方向に関する第1目標値と、台車の略水平面内における車軸の中心を通る鉛直線回りの回転方向に関する第2目標値を入力する目標値入力手段と、前記第1検出手段により検出された検出値と、前記目標値入力手段により入力された第1目標値と前記第2検出手段で検出された物理量から特定される第1目標値に対応する現在値との偏差のみを入力値として、その偏差を小さくすると共に車体が倒立を維持するように各駆動手段の制御指令値をそれぞれ算出する第1制御指令値算出手段と、前記目標値入力手段により入力された第2目標値と前記第2検出手段で検出された物理量から特定される第2目標値に対応する現在値との偏差を少なくとも1つの入力値として、その偏差を小さくするように各駆動手段の制御指令値をそれぞれ算出する第2制御指令値算出手段と、第1制御指令値算出手段で算出された制御指令値と、第2制御指令値算出手段で算出された制御指令値とを加算する手段と、を有する。そして、前記第1制御指令値算出手段が、外乱に対して安定倒立可能なようにロバスト性を有することを特徴とする。
この移動台車は、駆動手段を制御する第1制御指令値算出手段が外乱に対して安定倒立可能なようにロバスト性を有する。このため、台車設置面が傾斜していたり、荷重の変動が生じても、安定して車体の倒立を維持することができる。
【0007】
この移動台車では、車体の倒立を維持しながら、台車の略水平面内において台車の位置、速度又は加速度が所定の値(目標値)となるように台車を運動させることができる。
【0008】
上記第1の移動台車においては、前記第1検出手段はジャイロセンサであることが好ましい。
このような構成では、ジャイロセンサ(角速度計)の出力を積分せずに制御手段への入力値とするため、センサのドリフトが累積されず、精度の良い位置制御が可能となる。
【0009】
なお、台車が設置された設置面上で台車を所望の位置に移動させるためには、台車の略水平面内において台車の並進方向の運動制御と回転方向の運動制御の両者を行う必要がある。本願の第2の移動台車は、台車の並進方向の運動と回転方向の運動を安定して制御することを可能とする。
すなわち、本願の第2の移動台車は、同軸に配置されたの車輪と、該車輪に、その回転軸に対して直交する方向に傾斜可能に支持される車体とを備え、その重心が車輪の回転軸より上方に位置する移動台車であって、2の車輪の1つを駆動する第1駆動手段と、第1駆動手段で駆動されない他の車輪を駆動する第2駆動手段と、車体の傾斜角度及び傾斜角速度の中の少なくとも1つを検出する第1検出手段と、台車の略水平面内における位置、速度及び加速度の中の少なくとも1つを特定可能で、かつ、台車の略水平面内における車軸の中心を通る鉛直線回りの回転速度及び回転加速度の少なくとも1つを特定可能な物理量を検出する第2検出手段と、台車が移動する平面に設定された座標系において、台車の略水平面内における並進方向に関する第1目標値と、台車の略水平面内における車軸の中心を通る鉛直線回りの回転方向に関する第2目標値を入力する目標値入力手段と、前記第2検出手段で検出された物理量から第1目標値に対応する車体の現在値を前記座標系において特定する第1特定手段と、前記第2検出手段で検出された物理量から第2目標値に対応する車体の現在値を前記座標系において特定する第2特定手段と、前記第1検出手段により検出された検出値と、前記目標値入力手段により入力された第1目標値と前記第1特定手段で特定された現在値との偏差を入力値として、その偏差を小さくすると共に車体が倒立を維持するように各駆動手段のトルク指令値をそれぞれ算出する第1制御指令値算出手段と、前記目標値入力手段により入力された第2目標値と前記第2特定手段で特定された現在値との偏差を少なくとも1つの入力値として、その偏差を小さくするように各駆動手段のトルク指令値をそれぞれ算出する第2制御指令値算出手段と、第1制御指令値算出手段で算出されたトルク指令値と、第2制御指令値算出手段で算出されたトルク指令値とを加算する手段と、を有する。
この移動台車では、2の車輪を備え、これらの車輪を独立して駆動することで台車を回転(旋回)させる。また、台車の並進方向の制御と車体の倒立制御を同時に行うためのトルク指令値が算出され、また、台車の回転方向の制御を行うためのトルク指令値が算出される。そして、算出された各トルク指令値を加算して、各駆動手段がそれぞれ駆動される。
この移動台車では、車体倒立制御と、車体倒立制御に関連性の大きい台車の並進方向の運動制御とが組合わされて同時に行われるため、車体の倒立を維持しながら、台車を並進方向及び回転方向に運動させることができる。
【0010】
上記第2の移動台車においては、前記第1制御指令値算出手段は、外乱に対して安定倒立可能なようにロバスト性を有することが好ましい。
このような構成によると、車体の倒立制御を行う第1制御指令値算出手段が外乱に対するロバスト性を有するため、台車設置面が傾斜していたり、荷重の変動が生じても、安定して車体の倒立を維持することができる。
【0011】
また、上記第2の移動台車においては、前記の各車輪は同一の回転軸上に配置され、前記車体は前記回転軸に対して直交する方向に傾斜可能に支持されていることが好ましい。
このように構成すると、台車の回転方向の運動制御と車体の倒立制御との干渉が小さいため、台車の回転方向の制御を行っても車体の倒立を安定して維持することが容易になる。
【0012】
さらに、本発明は倒立振子型の移動台車を制御するための新たな制御方法を提供する。
すなわち、本発明の移動台車の制御方法は、同軸に配置されたの車輪と、該車輪に、その回転軸に対して直交する方向に傾斜可能に支持される車体と、2の車輪の1つを駆動する第1駆動手段と、第1駆動手段で駆動されない他の車輪を駆動する第2駆動手段と、第1駆動手段と第2駆動手段にトルク指令値を出力する制御コンピュータと、車体の傾斜角度及び傾斜角速度の中の少なくとも1つを検出する第1検出手段と、台車の略水平面内における位置、速度及び加速度の中の少なくとも1つを特定可能で、かつ、車軸の中心を通る鉛直線回りの回転速度及び回転加速度の少なくとも1つを特定可能な物理量を検出する第2検出手段とを備え、その重心が車輪の回転軸より上方に位置する移動台車の制御方法に関する。
この制御方法は、第1検出手段により検出される検出値を読込む工程、第2検出手段により検出される物理量を読込む工程、台車が移動する平面に設定された座標系において規定された台車の略水平面内における並進方向に関する第1目標値を読み込む工程、前記座標系において規定された台車の略水平面内における車軸の中心を通る鉛直線回りの回転方向に関する第2目標値を読み込む工程、読み込まれた物理量を第1目標値に対応する車体の現在値に前記座標系において特定する工程、読み込まれた物理量を第2目標値に対応する車体の現在値に前記座標系において特定する工程、読込まれた検出値と、読み込まれた第1目標値と特定された第1目標値に対応する現在値との偏差を入力値として、その偏差を小さくすると共に車体が倒立を維持するように各駆動手段のトルク指令値をそれぞれ算出する工程、読み込まれた第2目標値と特定された第2目標値に対応する現在値との偏差を少なくとも1つの入力値として、その偏差を小さくするように各駆動手段のトルク指令値をそれぞれ算出する工程、算出された各トルク指令値を加算したトルク指令値を各駆動手段に出力する工程、を有する。そして、上記の各工程が制御コンピュータによって繰返し実行されることで、移動台車が制御される。
この制御方法によっても、倒立を維持しながら、台車を並進方向及び回転方向に運動させることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
上述した本発明に係る移動台車は、下記に示す形態で好適に実施することができる。
(形態1) 移動台車では、倒立振子制御と並進方向制御と回転方向制御とが行われる。並進方向制御と倒立振子制御とは組合わされ、その組合わされた制御系に対してH∞制御理論を用いて設計する。移動台車の回転方向制御についてはPD制御を行う。
(形態2) 移動台車の回転方向の制御は、位置(x,y,φ)の偏差と速度(dx/dt,dy/dt,dφ/dt)の偏差にそれぞれ所定のゲインをかけ、ゲインにより得られた値を加算する。そして、加算された値と転置ヤコビ行列を用いて各車輪のトルク指令値を直接算出する。
【0014】
【実施例】
本発明を具現化した一実施例に係る移動台車について図面を参照して説明する。図1は本実施例に係る移動台車の概略構成を示す斜視図である。
図1に示すように、台車本体10の下部には左右の車輪12,13が配設されている。両車輪12,13は同一回転軸線上に配され、この回転軸線に対して直交する方向に台車本体10が傾動可能となっている。右車輪12にはモータ14が接続されており、左車輪13にはモータ15が接続されている。モータ14,15には、それぞれのモータの回転角度を検出するエンコーダ(図示省略)が取付けられている。図中の19は1軸ジャイロセンサであり、車軸とは直交する方向(すなわち、台車本体10の傾動方向)に配置されている。したがって、ジャイロセンサ19によって台車本体10の傾斜角速度が検出される。
台車本体10の収納部には、両モータ14,15を駆動するためのモータドライバ16、制御コンピュータ20およびバッテリ18が搭載されている。制御コンピュータ20は、ジャイロセンサ19の出力、モータ14,15のエンコーダ出力に基づいてモータ14,15のトルク指令値を算出し、この算出されたトルク指令値に基づいてモータ14,15が制御される。
また、台車本体10の上部10aには、たとえばロボットのボディー(図示省略)が載置される。
【0015】
次に、上述したように構成される移動台車の制御系について説明する。図2は、移動台車の制御系の構成を示す機能ブロック図である。
図2に示すように、移動台車の制御は制御コンピュータ20を中心に行われる。制御コンピュータ20は、CPU,ROM,RAM等により構成され、ROMに格納された制御プログラムを実行することで、台車並進方向に関する制御指令値を算出する台車並進方向制御指令値算出手段22(以下、単に第1制御指令値算出手段という)と、台車回転方向に関する制御指令値を算出する台車回転方向制御指令値算出手段26(以下、単に第2制御指令値算出手段という)と、両制御指令値算出手段22,26に目標値を入力する目標値入力手段24と、両制御指令値算出手段22,26で算出された制御指令値を加算する制御指令値加算手段28として機能する。制御コンピュータ20によって構成される各手段22,24,26,28については後で詳述する。
制御コンピュータ20には、ジャイロセンサ19が接続され、ジャイロセンサ19の出力(台車本体10の傾斜角速度)が入力するようになっている。また、制御コンピュータ20には、モータ駆動回路16a(モータドライバ16の一部)とモータ駆動回路16b(モータドライバ16の一部)が接続されている。モータ駆動回路16aは、モータ14と接続され、制御コンピュータ20からのトルク指令値に応じてモータ14を駆動する。同様に、モータ駆動回路16bは、モータ15と接続され、制御コンピュータ20からのトルク指令値に応じてモータ15を駆動する。各モータ14,15のエンコーダ14a,15aは、制御コンピュータ20に接続され、エンコーダ14a,15aからの出力(各モータ14,15の回転角度)が制御コンピュータ20に入力するようになっている。
【0016】
次に、第1制御指令値算出手段22について説明する。第1制御指令値算出手段22は、台車並進方向を制御するためのトルク指令値を算出する。詳しくは、ジャイロセンサ19の出力と、目標値入力手段24によって入力される台車並進方向に関する目標値とエンコーダ14a,15aの出力から決まる現在値との偏差を入力として、その偏差を小さくすると共に車体が倒立を維持するようにモータ14,15のトルク指令値を算出する。
なお、本実施例では、H∞制御理論を用いて第1制御指令値算出手段22を設計している。H∞制御理論を用いることで、第1制御指令値算出手段22は外乱に対して安定倒立可能なようにロバスト性を有することとなる。ただし、H∞制御理論以外の制御理論(例えば、H制御理論、μ−設計法等)を用いて第1制御指令値算出手段22を設計することもできる。なお、H∞制御理論以外の制御理論を用いて設計する場合にも、第1制御指令値算出手段22は外乱に対して安定倒立可能なようにロバスト性を有することが好ましい。
【0017】
第1制御指令値算出手段22の設計手順の一例を説明する。まず、移動台車を真横から見て、1輪の倒立振子としてモデル化する(図3参照)。図3中、m1は車体の質量、J1は車体の重心周りのイナーシャ、m2は車輪の質量、J2は車輪の軸周りのイナーシャとし、また、車軸から車体重心までの距離をlとする。これら各パラメータm1,j1,m2,j2,lは、計算または実測により求めることができる。また、鉛直方向からの車体の傾きをηとし、車輪の回転角度をθ1とする。
そして、図3に示す1輪の倒立振子に対し運動方程式を作成する。すなわち、この制御モデルに対してトルク指令値uが入力されるとして運動方程式を作成すると、その運動方程式は下記に示す式で表される。
【0018】
【数1】
Figure 0004138546
【0019】
次いで、上述した運動方程式中のηが小さいとして線形化し、行列表示を行うと次の式が導かれる。
【0020】
【数2】
Figure 0004138546
【0021】
したがって、上記の式から次の状態方程式が導出される。
【0022】
【数3】
Figure 0004138546
【0023】
ここで、上記制御系で観測される観測量yは、鉛直方向からの車体の傾きηの1階微分dη/dtと、車体に対する車輪の回転角度(θ1−η)と、この回転角度(θ1−η)の1階微分d(θ1−η)/dtとする。すなわち、観測量yは、次に示す式で表される。
【0024】
【数4】
Figure 0004138546
【0025】
上述した手順でモデル化された制御系の全体構成を図5に示す。図5に示すように、制御対象である倒立振子モデル30からは、観測量としてdη/dtと、(θ1−η)と、d(θ1−η)/dtとが観測される。観測された観測量には観測ノイズ32が加えられる。具体的には、観測量dη/dtには観測ノイズn2が、観測量(θ1−η)には観測ノイズn1が、観測量d(θ1−η)/dtには観測ノイズn3が加えられる。
観測ノイズ32が加えられた観測量と目標値34との偏差は、ロバストコントローラ36(すなわち、第1制御指令値算出手段22)に入力する。ここで、観測量dη/dtには目標値「0」が、観測量(θ1−η)には目標値「(θ1−η)」が、観測量d(θ1−η)/dtには目標値「d(θ1−η)/dt」が与えられる。dη/dt(すなわち、ジャイロセンサ19の出力)に目標値「0」が与えられるため(すなわち、車体の鉛直方向からの傾き角速度は0)、車体は倒立姿勢を保つこととなる。
ロバストコントローラ36からはトルク指令値uが出力される。そして、出力されたトルク指令値uと外乱wが倒立振子モデル30に入力されることとなる。
【0026】
ここで、かかる制御系を評価するための評価値としては、例えば、ロバストコントローラ36からの出力uや車輪の回転角θ1を用いることができる。出力uを評価するための重み関数Wと回転角θ1を評価する評価関数Qは、例えば、シミュレーション等によりある程度の絞り込みを行い、実験によって最終的に決定することができる。本実施例では、下記に示す関数W,Qを用いている。
【0027】
【数5】
Figure 0004138546
【0028】
なお、ロバストコントローラ36(すなわち、第1制御指令値算出手段22)の具体的な設計は、公知となっている種々の制御系設計ツールを用いることができる。
【0029】
次に、第2制御指令値算出手段26について説明する。第2制御指令値算出手段26は、台車回転方向を制御するためのトルク指令値を算出する。
ここで、台車回転方向に関しては、移動台車を真上から見て、2輪車としてモデル化している(図4参照)。図4中、φは移動台車の台車回転角を表し、dは両車輪12,13間の距離を表し、rは車輪の半径を表している。なお、図4に示す幾何学的関係から、左右の車輪速度(右車輪の速度dθ/dt,左車輪の速度dθ/dt)を直交座標系での移動台車の位置の速度(dx/dt,dy/dt)と台車回転方向の角速度(dφ/dt)に変換するためのヤコビ行列は下記に示すようになる。
【0030】
【数6】
Figure 0004138546
【0031】
図6に第2制御指令値算出手段26による制御系の全体構成を示している。図6から明らかなように、第2制御指令値算出手段26は、現在位置(x,y,φ)と目標位置(x,y,φ)の偏差に所定のゲイン50を乗じたものと、現在速度〔(dx/dt,dy/dt,dφ/dt)〕と目標速度〔(dx/dt,dy/dt,dφ/dt)〕の偏差に所定のゲイン52を乗じたものを加算し、その加算した値からモータ14,15を制御するためのトルク指令値T ,T を算出している(いわゆる、PD制御を行っている)。
なお、移動台車は、平面上の位置として2自由度、台車回転方向に1自由度の計3自由度を持つが、アクチュエータとしてはモータ14,15の計2個しか有さない。このため、上記した位置の偏差(詳しくは、位置の偏差にゲイン50が乗じられた値)と上記した速度の偏差(詳しくは、速度の偏差にゲイン52が乗じられた値)とを加算したものに転置ヤコビ行列J54を用いて、直接トルク指令値T ,T を算出している。
また、右車輪12の回転角速度dθ/dt(すなわち、右車輪速度)と左車輪13の回転角速度dθ/dt(すなわち、左車輪速度)にヤコビ行列56(数6に示す行列)をかけることで、現在速度〔(dx/dt,dy/dt,dφ/dt)〕を算出している。
なお、図6に示す制御系によっても移動台車の平面内での位置(x,y)とその速度(dx/dt,dy/dt)について制御することができる。しかしながら、これらについては第1制御指令値算出手段22によって制御を行うため、ゲイン50,52においては、位置成分(x,y)とその速度成分(dx/dt,dy/dt)に乗じるゲイン(係数)を「0」としている。したがって、移動台車の台車回転角φの偏差と台車回転角速度dφ/dtの偏差のみが、第2制御指令値算出手段26で使用される。
【0032】
以上説明したように、台車並進方向の制御(車軸と直行方向)には倒立振子制御と位置制御が同時に行われ、台車回転方向(車軸旋回方向)には位置制御のみが行われ、これらの制御は互いに干渉しないものとなっている。このため、モータ14,15への最終的な制御指令値は、第1制御指令値算出手段22で算出された制御指令値と第2制御指令値算出手段26で算出された制御指令値を足し合わせたものとなっている。すなわち、制御指令値加算手段28は、第1制御指令値算出手段22で算出された制御指令値と第2制御指令値算出手段26で算出された制御指令値とを加算し、加算した値をモータ駆動回路16a,16bに出力する。
なお、上述した第1制御指令値算出手段22と、第2制御指令値算出手段26と、制御指令値加算手段28とによって構成される制御系の構成を図7に示している。図7から明らかなように、本実施例の制御系は、台車回転方向の制御ループ内に台車並進方向の制御が組み込まれたものとなっている。
【0033】
次に、目標値入力手段24について説明する。図8には目標値入力手段24の構成を示すブロック図が示されている。図8に示すように目標値入力手段24は、目標軌道データ記憶手段60と、並進方向目標値算出手段62と、回転方向目標値算出手段64で構成される。
【0034】
目標軌道データ記憶手段60は、移動台車の軌道と、軌道上の各位置における移動台車の速度と加速度、並びに、移動台車の台車回転方向の角速度と角加速度を規定する目標軌道データを記憶する。本実施例では、移動台車の軌道を等加速度運動〔加速度0の場合(等速運動の場合)も等加速度運動としている〕を行っている区間に分割し、分割された各区間の(区間時間t,区間加速度a,区間初速度b,区間角加速度a’,区間角初速度b’)が目標軌道データとされる。すなわち、移動台車の並進方向の速度をv、移動台車の台車回転方向の速度をdφ/dt、制御開始からの経過時間をtとすると、これらの関係は次に示す式で表される。
【0035】
【数7】
Figure 0004138546
【0036】
図9には、移動台車を移動させる軌道の一部と、そのときの目標軌道データを示している。図9から明らかなように、移動台車を移動させる軌道上のA点からB点までは台車並進方向に等加速度aで等加速度運動を行い、台車回転方向の速度及び加速度は「0」である。B点からC点までは台車並進方向に等速度運動を行い、台車回転方向に等角加速度a’で等角加速度運動を行う。C点からD点までは台車並進方向に等速度運動を行い、台車回転方向にも等角速度運動を行う。
したがって、目標軌道データは、A点からB点までの運動を規定するデータと、B点からC点までの運動を規定するデータと、C点からD点までの運動を規定するデータにより構成される。すなわち、A点からB点までの運動を規定する目標軌道データは(t,a,0,0,0)となり、B点からC点までの運動を規定する目標軌道データは(t,0,a,a’,0)となり、C点からD点までの運動を規定する目標軌道データ(t,0,a,0,a’t)となる。
【0037】
並進方向目標値算出手段62は、目標軌道データ記憶手段60に記憶されている目標軌道データからX−Y平面内における移動台車の目標位置(x、y)と目標速度(dx/dt,dy/dt)を算出する。例えば、図9に示すA点を原点として運動を開始した場合において運動開始から時間t(ただし、0<t<t)を経過したときは、目標位置(x、y)=(a/2,0)となり、目標速度(dx/dt,dy/dt)=(at,0)となる。
回転方向目標値算出手段64は、目標軌道データ記憶手段60に記憶されている目標軌道データから移動台車の目標回転角(φ)と目標速度(dφ/dt)を算出する。ここで、目標回転角(φ)は移動台車の総回転角量を意味する。したがって、移動台車が同一姿勢(すなわち、同一台車角度)となっている場合でも、回転角量(旋回数)が異なる場合は目標回転角(φ)も異なることとなる。
並進方向目標値算出手段62と回転方向目標値算出手段64によって算出された目標位置(x,y,φ)と目標速度(dx/dt,dy/dt,dφ/dt)は、第1制御指令値算出手段22と第2制御指令値算出手段26の目標値として用いられる。すなわち、図7に示すように、第1制御指令値算出手段22(詳しくは、図7に示すロバストコントローラ36)には、上記の目標位置と目標速度が台車中心位置(θ1−η)と台車中心速度d(θ1−η)/dtに変換されて用いられる。また、第2制御指令値算出手段26には、上記の目標位置(x,y,φ)が用いられる(ただし、ゲイン50のうちx、yに関する係数は0であるため、実際にはφのみが用いられる)。
【0038】
次に、上述のように構成される制御コンピュータ20によって行われる処理について説明する。図10は制御コンピュータ20の処理手順を示すフローチャートである。
図10に示すように、制御コンピュータ20は、まず、各モータ14,15のエンコーダ14a,15aの値(すなわち、車輪12,13の回転角度θ,θ)を読込む(S10)。
次に、ステップS10で読込んだエンコーダ14a,15aの値から車輪速度(dθ/dt,dθ/dt)と、現在速度・現在方向速度(dx/dt,dy/dt,dφ/dt)を算出する(S12)。すなわち、エンコーダ14a,15aの値の時間的変化量から車輪12,13の車輪速度(dθ/dt,dθ/dt)を算出し、これら算出された車輪速度(dθ/dt,dθ/dt)とヤコビ行列56とから現在速度・現在方向速度(dx/dt,dy/dt,dφ/dt)を算出する(図7参照)。
ステップS14では、ジャイロセンサ19の出力値dη/dtを読込む。
ステップS16では、制御コンピュータ20が起動されてからの時間t(すなわち、移動台車の軌道制御開始時からの経過時間)と、目標軌道データ記憶手段60に記憶されている目標軌道データとから、目標位置(x,y,φ)と目標速度(dx/dt,dy/dt,dφ/dt)を算出する。
ステップS10からステップS16までの処理により移動台車の現在値と目標値が算出されるため、次に、台車並進方向に関するモータ14,15のトルク指令値TR1,TL1をそれぞれ算出し(S18)、台車回転方向に関するモータ14,15のトルク指令値TR2,TL2をそれぞれ算出する(S20)。すなわち、第1制御指令値算出手段22によってトルク指令値TR1,TL1を算出し、第2制御指令値算出手段26によってトルク指令値TR2,TL2を算出する。
ステップS22では、ステップS18で算出されたトルク指令値TR1,TL1と、ステップS20で算出されたトルク指令値TR2,TL2を加算し、これらの値をモータ駆動回路16a,16bに出力する。これによって、各車輪12,13が駆動されることとなる。ステップS22が終わるとステップ10に戻り、次の制御タイミングにおける処理が開始される。
なお、ステップS10〜ステップS22までの処理は、所定の時間間隔(例えば、10ms)で行われ、これによって移動台車は目標軌道データで規定された軌道を所定の速度・加速度・角速度・角加速度で運動することとなる。
【0039】
上述した説明から明らかなように、本実施例の移動台車ではH∞制御理論を用いて倒立振子制御系を設計しているため、設置面の斜度の変化や負荷の変動等の外乱に対して安定して倒立を維持することができる。また、H∞制御理論を用いることで、制御対象である移動台車の厳密なモデル化を不要としている。
また、ジャイロセンサの角速度出力を積分して用いないため(すなわち、車体の傾斜角を制御に用いていないため)、ジャイロセンサのドリフトが累積されず精度の良い位置制御が可能となる。
【0040】
以上、本発明の好適ないくつかの実施形態について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。
例えば、上述した実施例は駆動輪を2つ有していたが、本発明に係る技術はこのような例に限られず、例えば、駆動輪を1輪のみとし他の車輪を従輪としてもよい。
また、本実施例では、車体の傾斜角速度を測定するセンサにジャイロセンサを用いたが、このようなセンサに限られず、傾斜角や傾斜角速度の計測に用いることができる種々の計測器(例えば、重力加速度センサ、重り吊り下げ型傾斜角度計等)を用いることができる。
さらに、図10に示す制御フローは、制御コンピュータ20によって行われる処理の一例を示しており、例えば、ステップS10〜S12とステップS14の順序を逆にしてもよいし、ステップS18とステップS20の順序を逆にしてもよい。
なお、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数の目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施例に係る移動台車の斜視図。
【図2】 移動台車の制御系の構成を示す機能ブロック図。
【図3】 移動台車を並進方向に関してモデル化した図。
【図4】 移動台車を台車の回転方向に関してモデル化した図。
【図5】 移動台車の並進方向に関する制御系の構成を示す図。
【図6】 移動台車の台車回転方向に関する制御系の構成を示す図。
【図7】 移動台車の並進方向の制御系と台車回転方向の制御系とを組合せた状態を示す図。
【図8】 目標値入力手段の構成を示すブロック図。
【図9】 移動台車の目標軌道の一例と、その目標軌道を達成するための目標軌道データの一例を併せて示す図。
【図10】 本実施例の制御コンピュータにより行われる処理手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
10:台車本体
12:右車輪
13:左車輪
14,15:モータ
16:モータドライバ
18:バッテリ
19:ジャイロセンサ
20:制御コントローラ

Claims (6)

  1. 同軸に配置されたの車輪と、該車輪に、その回転軸に対して直交する方向に傾斜可能に支持される車体とを備え、その重心が車輪の回転軸より上方に位置する移動台車であって、
    の車輪の1つを駆動する第1駆動手段と、
    第1駆動手段で駆動されない他の車輪を駆動する第2駆動手段と、
    車体の傾斜角速度を検出する第1検出手段と、
    台車の略水平面内における位置、速度及び加速度の中の少なくとも1つを特定可能で、かつ、台車の略水平面内における車軸の中心を通る鉛直線回りの回転速度及び回転加速度の少なくとも1つを特定可能な物理量を検出する第2検出手段と、
    台車の略水平面内における並進方向に関する第1目標値と、台車の略水平面内における車軸の中心を通る鉛直線回りの回転方向に関する第2目標値を入力する目標値入力手段と、
    前記第1検出手段により検出された検出値と、前記目標値入力手段により入力された第1目標値と前記第2検出手段で検出された物理量から特定される第1目標値に対応する現在値との偏差のみを入力値として、その偏差を小さくすると共に車体が倒立を維持するように各駆動手段の制御指令値をそれぞれ算出する第1制御指令値算出手段と、
    前記目標値入力手段により入力された第2目標値と前記第2検出手段で検出された物理量から特定される第2目標値に対応する現在値との偏差を少なくとも1つの入力値として、その偏差を小さくするように各駆動手段の制御指令値をそれぞれ算出する第2制御指令値算出手段と、
    第1制御指令値算出手段で算出された制御指令値と、第2制御指令値算出手段で算出された制御指令値とを加算する手段と、を有しており、
    前記第1制御指令値算出手段は、外乱に対して安定倒立可能なようにロバスト性を有することを特徴とする移動台車。
  2. 同軸に配置されたの車輪と、該車輪に、その回転軸に対して直交する方向に傾斜可能に支持される車体とを備え、その重心が車輪の回転軸より上方に位置する移動台車であって、
    の車輪の1つを駆動する第1駆動手段と、
    第1駆動手段で駆動されない他の車輪を駆動する第2駆動手段と、
    車体の傾斜角度及び傾斜角速度の中の少なくとも1つを検出する第1検出手段と、
    台車の略水平面内における位置、速度及び加速度の中の少なくとも1つを特定可能で、かつ、台車の略水平面内における車軸の中心を通る鉛直線回りの回転速度及び回転加速度の少なくとも1つを特定可能な物理量を検出する第2検出手段と、
    台車が移動する平面に設定された座標系において、台車の略水平面内における並進方向に関する第1目標値と、台車の略水平面内における車軸の中心を通る鉛直線回りの回転方向に関する第2目標値を入力する目標値入力手段と、
    前記第2検出手段で検出された物理量から第1目標値に対応する車体の現在値を前記座標系において特定する第1特定手段と、
    前記第2検出手段で検出された物理量から第2目標値に対応する車体の現在値を前記座標系において特定する第2特定手段と、
    前記第1検出手段により検出された検出値と、前記目標値入力手段により入力された第1目標値と前記第1特定手段で特定された現在値との偏差を入力値として、その偏差を小さくすると共に車体が倒立を維持するように各駆動手段のトルク指令値をそれぞれ算出する第1制御指令値算出手段と、
    前記目標値入力手段により入力された第2目標値と前記第2特定手段で特定された現在値との偏差を少なくとも1つの入力値として、その偏差を小さくするように各駆動手段のトルク指令値をそれぞれ算出する第2制御指令値算出手段と、
    第1制御指令値算出手段で算出されたトルク指令値と、第2制御指令値算出手段で算出されたトルク指令値とを加算する手段と、を有することを特徴とする移動台車。
  3. 前記第2検出手段は、第1駆動手段で駆動される車輪の角度又は角速度を検出すると共に、第2駆動手段で駆動される車輪の角度又は角速度を検出することを特徴とする請求項に記載の移動台車。
  4. 前記第1検出手段は傾斜角速度を検出し、前記第1制御指令値算出手段は、第1検出手段で検出された傾斜角速度と、前記第1目標値と現在値との偏差のみを入力値としてトルク指令値を算出することを特徴とする請求項2又は3に記載の移動台車。
  5. 前記第1制御指令値算出手段は、外乱に対して安定倒立可能なようにロバスト性を有することを特徴とする請求項に記載の移動台車。
  6. 同軸に配置されたの車輪と、該車輪に、その回転軸に対して直交する方向に傾斜可能に支持される車体と、2の車輪の1つを駆動する第1駆動手段と、第1駆動手段で駆動されない他の車輪を駆動する第2駆動手段と、第1駆動手段と第2駆動手段にトルク指令値を出力する制御コンピュータと、車体の傾斜角度及び傾斜角速度の中の少なくとも1つを検出する第1検出手段と、台車の略水平面内における位置、速度及び加速度の中の少なくとも1つを特定可能で、かつ、台車の略水平面内における車軸の中心を通る鉛直線回りの回転速度及び回転加速度の少なくとも1つを特定可能な物理量を検出する第2検出手段とを備え、その重心が車輪の回転軸より上方に位置する移動台車の制御方法であって、
    第1検出手段により検出される検出値を読込む工程、
    第2検出手段により検出される物理量を読込む工程、
    台車が移動する平面に設定された座標系において規定された台車の略水平面内における並進方向に関する第1目標値を読み込む工程、
    前記座標系において規定された台車の略水平面内における車軸の中心を通る鉛直線回りの回転方向に関する第2目標値を読み込む工程、
    読み込まれた物理量を第1目標値に対応する車体の現在値に前記座標系において特定する工程、
    読み込まれた物理量を第2目標値に対応する車体の現在値に前記座標系において特定する工程、
    読込まれた検出値と、読み込まれた第1目標値と特定された第1目標値に対応する現在値との偏差を入力値として、その偏差を小さくすると共に車体が倒立を維持するように各駆動手段のトルク指令値をそれぞれ算出する工程、
    読み込まれた第2目標値と特定された第2目標値に対応する現在値との偏差を少なくとも1つの入力値として、その偏差を小さくするように各駆動手段のトルク指令値をそれぞれ算出する工程、
    算出された各トルク指令値を加算したトルク指令値を各駆動手段に出力する工程、を有し、
    上記各工程を制御コンピュータで繰返し実行することで移動台車を制御することを特徴とする移動台車の制御方法。
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