JP2015158390A - 制御対象モデル及び姿勢制御方法 - Google Patents

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Shigeto Ouchi
茂人 大内
斉之 小谷
Saiyuki Kotani
斉之 小谷
浩昭 角畑
Hiroaki Kadohata
浩昭 角畑
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Koichi Takahashi
孝一 高橋
覚 神崎
Satoru Kanzaki
覚 神崎
利広 山井
Toshihiro Yamai
利広 山井
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Abstract

【課題】2輪車等を始めとする各種対象物の姿勢を安定的に制御するようにした姿勢制御方法を提供する。
【解決手段】対象物及びジャイロアクチュエータを回転体にそれぞれ対応させた制御対象モデルにおいて、固定座標から見た対象物重心の位置,速度、及び、対象物重心を原点とする移動座標から見た対象物重心の角速度と、固定座標から見たジャイロ重心の位置,速度、及び、ジャイロ重心を原点とする移動座標から見たジャイロ重心の角速度と、を用いて、ジャイロアクチュエータのフライホイールの角速度が一定である時の車体の傾き角度とジャイロアクチュエータの傾転角度とに関する運動方程式であって、ジャイロアクチュエータに与える制御入力を生成するための制御則を作成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ジャイロスコープをアクチュエータとして利用することにより各種の対象物の姿勢を制御する際に、対象物の挙動を解析して制御系を構成するために用いる制御対象モデル、及び、この制御対象モデルに基づいた対象物の姿勢制御方法に関するものである。
ジャイロ効果の一つとして、高速回転するフライホイールの回転軸に外力が加わると、外力に直交する方向にジャイロトルク(ジャイロモーメント)が発生することが知られている。このトルクは、フライホイールの慣性モーメントと、回転角速度と、回転軸に直交する軸の方向の傾転角速度との積によって求められ、回転角速度に比例して大きくなる。
特許文献1〜3には、上記のジャイロトルクを利用して二輪車両の姿勢を制御し、自立走行を可能にした技術が開示されている。
例えば、特許文献1には、車両のフレームの向きや前輪の向き、少なくとも二つの垂直型ジャイロの各フライホイールの向き及び回転速度、車両速度等をセンサにより検出し、これらのセンサの出力に基づいてフライホイールの向きや回転速度を調整することにより、車両の姿勢を制御するようにしたジャイロ安定化車両が記載されている。
また、特許文献2には、ドライバにより操作された操舵方向及び操舵角度に応じてアクチュエータが垂直型ジャイロのアウタジンバル軸に回転トルクを与え、この回転トルクに応じたジャイロモーメント、遠心力によるモーメント、重力によるモーメント間のバランスを保ちながら、ドライバが体重を移動させずに車両を傾斜させて右折または左折可能とした自立型自動車両が記載されている。
更に、特許文献3には、水平型ジャイロのフライホイールの回転軸を制御してジャイロモーメントを発生させる姿勢制御システムにおいて、2輪車の運動を検出するセンサの出力に応じてヨー運動、ロール運動、ピッチ運動のうち一つ以上の運動を同時に制御することにより2輪車を自立制御する技術が記載されている。
国際公開WO2011/115699号 特開2004−82903号公報 特開2012−201254号号公報
特許文献1に記載された従来技術では、少なくとも二つの垂直型ジャイロが必須であるため、車両の重量が増加する。また、フライホイールの向きや回転速度を制御する方法が明確には開示されておらず、フライホールを駆動するモータを発電機にも利用可能として発電電力をキャパシタに貯蔵することを特徴の一つとしている。
特許文献2では、垂直型ジャイロの制御系の構成が明確に開示されていないと共に、特許文献3においては、2輪車のピッチ運動に対して2輪車を不安定にさせるジャイロモーメントが発生するのを防止するために、回転軸が2輪車のピッチ軸に平行な水平型ジャイロを備えた例しか開示されていない。
また、ジャイロスコープをアクチュエータとして利用することにより2輪車等の対象物の姿勢を制御する場合には、進行方向の左右に倒れる車体の運動方程式とジャイロスコープの運動方程式とを連立させる必要があるが、引用文献1〜3にはこのような着想は示されていない。
そこで、本発明の解決課題は、2輪車等を始めとした各種の対象物の姿勢を制御する制御系の構築に適用可能な制御対象モデルと、この制御対象モデルに基づく運動方程式を用いて対象物の姿勢を制御するようにした姿勢制御方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に係る制御対象モデルは、対象物に一体的に配置されたジャイロアクチュエータの動作により、姿勢が傾いた前記対象物にトルクを作用させて前記対象物の姿勢を安定状態に制御する制御系を構成するための制御対象モデルであって、前記対象物及びジャイロアクチュエータを回転体にそれぞれ対応させた制御対象モデルにおいて、
固定座標から見た前記対象物の重心(以下、対象物重心という)の位置,速度、及び、前記対象物重心を原点とする移動座標から見た前記対象物重心の角速度と、固定座標から見た前記ジャイロアクチュエータの重心(以下、ジャイロ重心という)の位置,速度、及び、前記ジャイロ重心を原点とする移動座標から見た前記ジャイロ重心の角速度と、を用いて、前記ジャイロアクチュエータのフライホイールの角速度が一定である時の前記車体の傾き角度と前記ジャイロアクチュエータの傾転角度とに関する運動方程式であって、前記ジャイロアクチュエータに与える制御入力を生成するための運動方程式を作成することを特徴とする。
請求項2に係る姿勢制御方法は、対象物に一体的に配置されたジャイロアクチュエータの動作により、姿勢が傾いた前記対象物にトルクを作用させて前記対象物の姿勢を安定状態に制御する姿勢制御方法において、
請求項1に記載した前記制御対象モデルに基づく前記運動方程式から導出した状態方程式と、前記車体の傾き角度及びその角速度と、前記ジャイロアクチュエータの傾転角度及びその角速度と、フィードバックゲインと、を用いてコントローラを構成し、前記コントローラの出力を制御入力として前記ジャイロアクチュエータに与えることにより、前記ジャイロアクチュエータのフライホイールの傾転角度を制御して前記対象物の姿勢を安定状態に制御することを特徴とする。
また、請求項3に係る姿勢制御方法は、請求項2に記載した姿勢制御方法において、前記対象物が2輪車の車体であり、この車体に前記ジャイロアクチュエータが載置されていることを特徴とする。
本発明によれば、姿勢を制御するべき対象物とジャイロアクチュエータとを回転体に見立てた制御対象モデルを構築し、各回転体の重心の位置,速度、及び角速度を用いることにより、ジャイロアクチュエータに対する制御入力を得るための制御則を導出することができる。また、上記制御則を用いて制御系を構成することにより、各種対象物の姿勢を安定状態に自動的に制御することができ、ジャイロアクチュエータの構造も垂直型、水平型を問わず適用可能である。
制御対象モデルの模式図である。 図1における1段目の回転体の動きを表わす数式モデルを作るための説明図である。 図1における2段目の回転体の動きを表わす数式モデルを作るための説明図である。 本発明の実施例に係る2輪車の姿勢制御装置の全体構成図である。 実施例1,2における2輪車の概念図である。 2輪車の数式モデルを作成するための説明図である。 実施例1における全体の制御ブロック図である。 実施例2における全体の制御ブロック図である。 無制御時における車体の傾き角度及びその角速度、フライホイールの傾転角度及びその角速度を示すグラフである。 実施例2による制御時の車体の傾き角度及びその角速度、フライホイールの傾転角度及びその角速度を示すグラフである。 実施例2における車体に働くジャイロモーメントを示すグラフである。 本発明の他の実施形態における2輪車の概念図である。 他の実施形態における全体の制御ブロック図である。 他の実施形態による制御時の車体の傾き角度及びその角速度、フライホイールの傾転角度及びその角速度を示すグラフである。 他の実施形態における車体に働くジャイロモーメント及び車体のトルクを示すグラフである。
以下、図に沿って本発明の実施形態を説明する。
まず、本発明では、アクチュエータとしてのジャイロスコープ(以下、ジャイロアクチュエータという)を含む被制御物体を複数の回転体を上下に連結した構造と考え、この連結構造のモデルを制御対象モデルとして構成する。
図1は、一例として、地表座標(x−y−z座標)内の始点P(x,y,z)上に1段目の回転体10が存在し、その上端部に2段目の回転体20が載置されている制御対象モデルの模式図であり、(a)はその概念図、(b)は数式モデルを作成するための座標の説明図である。図1(a)に示すように、ここでは、回転体10,20をコマに見立てて図示してある。
本発明では、例えば2輪車の姿勢制御装置を構成する場合、制御対象モデルにおける1段目の回転体10を2輪車の車体と見なし、2段目の回転体20をジャイロアクチュエータと見なして各回転体10,20の位置及び回転角速度を求め、これらの位置及び回転角速度に基づいて運動方程式を導出する。ここで、2輪車の車体は、請求項における「対象物」に相当する。
なお、図1(a),(b)において、Pは地表座標の原点、Pは回転体10が回転し始める始点、G1,G2はそれぞれ回転体10,20の重心位置(単に重心ともいう)、L1,L2はそれぞれ回転体10,20の上端部の位置である。
剛体の位置や姿勢の表現方法としてはオイラー角を用いる方法が知られており、その場合のx,y,z軸の取り方には12種類ある。ここでは、1段目の回転体10の位置に対して、z軸回りの回転→y軸回りの回転→x軸回りの回転(z−y−xと表現する)を用い、2段目の回転体20の位置に対して、z軸回りの回転→y軸回りの回転→z軸回りの回転(z−y−zと表現する)を用いるものとする。
図2は、1段目の回転体10の動きを表わす数式モデルを作るための説明図であり、地表座標(x−y−z座標)を基準として回転体10がz軸回りにφだけ回転し(図2(i))、次にy軸回りにθだけ回転し(図2(ii))、最後にx軸回りにψだけ回転する(図2(iii))ことによって各軸を任意の方向に向けることを示している。
図2に示した各回転後の座標は数式1のように表すことができ、回転前後の[x]と[x]との関係は数式2のようになる。
Figure 2015158390
Figure 2015158390
ここで、数式3の定義をおく。なお、数式3において、Ω(重心位置G1の回転角速度)については後述する。
Figure 2015158390
数式3により、数式2は数式4となる。
[数4]
ξ=Ψ・Θ・Φξ
次に、地表座標上での回転体10の重心位置G1について考察する。
図1において、回転体10の重心位置G1が並進位置P(ξ)を原点としてξa1で表される時、Pを原点とする地表座標(固定座標)から見た重心位置G1は、数式5のように求められる。
また、数式6のようにおくと、数式5は数式7となる。
Figure 2015158390
Figure 2015158390
[数7]
ξG1=ξ+Φ・Θ・Ψξa1
次いで、重心位置G1を原点とした座標(以下、G1重心座標ともいい、請求項における対象物座標に相当する)における重心位置G1の回転角速度について考察する。
まず、数式4を微分して数式8を得る。
Figure 2015158390
ここで、数式4に基づきξ=Φ・Θ・Ψξを数式8に代入すると、数式9となる。
Figure 2015158390
数式9に、Φ・Φ=I,Θ・Θ=I,Ψ・Ψ=Iという性質を適用すると、数式10を得る。
Figure 2015158390
数式10の右辺における括弧内は、数式11を経て数式12となる。
Figure 2015158390
Figure 2015158390
数式13を考慮すると、数式14が得られる。
Figure 2015158390
Figure 2015158390
数式14において、ω,ω,ωはそれぞれ回転体10の回転軸をz軸としたときのx,y,z軸方向の角速度であり、数式15に示すとおりである。
Figure 2015158390
数式15は、数式16のように表すことができる。この数式16において、数式17のように速度ベクトルv,v,vを定義すると、数式18が得られる。
Figure 2015158390
Figure 2015158390
Figure 2015158390
すなわち、z−y−xの回転である1段目の回転体10のG1重心座標における回転角速度Ωは、vベクトルをy軸回りにθだけ回転し、次にx軸回りにψだけ回転し、vベクトルをx軸回りにψだけ回転し、更にvベクトルをそのまま加えたものになる。
次に、図3は、2段目の回転体20の動きを表わす数式モデルを作るための説明図であり、1段目の回転体10の座標(x−y−z座標)を基準として、回転体20がz軸回りにφだけ回転し(図3(i))、次にy軸回りにθだけ回転し(図3(ii))、最後にz軸回りにψだけ回転する(図3(iii))ことによって各軸を任意の方向に向けることを示している。
図3に示した各回転後の座標は数式19のように表すことができ、回転前後の[x]と[x]との関係は数式20のようになる。
Figure 2015158390
Figure 2015158390
ここで、数式21の定義をおく。なお、数式21において、Λ(重心位置G2の回転角速度)については後述する。
Figure 2015158390
数式21により、数式20は数式22となる。
[数22]
ξ=Ψ・Θ・Φξ
次に、地表座標上での回転体20の重心位置G2について考察する。
図1において、回転体10の先端位置L1が並進位置P(ξ)を原点としてξl1で表され、かつ、回転体20の重心位置G2がL1を原点とする座標上でξa2として表されるとき、地表座標から見た重心位置G2は、数式23に、数式20の転置による数式24を代入することにより、数式25のように求められる。
Figure 2015158390
Figure 2015158390
Figure 2015158390
また、数式26のようにおくと、数式25は数式27となる。
Figure 2015158390
Figure 2015158390
次いで、重心位置G2を原点とした座標(以下、G2重心座標ともいい、請求項におけるジャイロ座標に相当する)における重心位置G2の回転角速度について考察する。
まず、数式22を微分して数式28を得る。
Figure 2015158390
ここで、数式22の転置をとった数式29を数式28に代入すると、数式30を得る。
Figure 2015158390
Figure 2015158390
また、数式29より、数式14は数式31となる。
Figure 2015158390
数式30に、Φ・Φ =I,Θ・Θ =I,Ψ・Ψ =Iという性質を適用すると、数式32を得る。
Figure 2015158390
数式32の右辺の括弧内は、数式33を経て数式34となる。
Figure 2015158390
Figure 2015158390
このため、数式14を考慮すると、数式32は数式35となる。ただし、数式35におけるλ10,λ20,λ30は数式36の通りである。
Figure 2015158390
Figure 2015158390
次に、数式35において、数式37を計算する。ただし、「:=」は「定義する」の意味である。
Figure 2015158390
ここで、数式38とおくと、数式37は数式39となる。
Figure 2015158390
Figure 2015158390
以上より、数式35は数式40となる。
Figure 2015158390
ここで、数式40におけるb,b,bは、数式41となり、数式40において数式42を得る。
Figure 2015158390
Figure 2015158390
以上より、数式43及び数式44を得る。ただし、数式44におけるλ10,λ20,λ30は前述した数式36のとおりである。
Figure 2015158390
Figure 2015158390
数式44を変形すると数式45となる。
Figure 2015158390
数式45において、数式46とおくと、数式47が得られる。
Figure 2015158390
Figure 2015158390
すなわち、z−y−zの回転である2段目の回転体20のG2重心座標における回転角速度Λは、vベクトルをy軸回りにθだけ回転し、z軸回りにψだけ回転し、vベクトルをz軸回りにψだけ回転し、更にvzzベクトルをそのまま加えたものに、回転角速度ΩをΨΘΦの順に回転したものを加えたものとなる。
一方、1段目の回転体10の質量をmとし、x,y,z方向の慣性モーメントをJ,J,Jとし、2段目の回転体20の質量をMとし、x,y,z方向の慣性モーメントをJ1g,J2g,J3gとするとき、回転体10に関する回転角速度の数式18と重心位置の数式7、及び、回転体20に関する回転角速度の数式47と重心位置の数式27より、図1における重心位置G1,G2に関して、数式48,数式49に示すエネルギーの式が得られる。
Figure 2015158390
Figure 2015158390
数式48,数式49より、対象物の全運動エネルギーは数式50、全位置エネルギーは数式51となり、ラグランジアンLは数式52となる。
Figure 2015158390
Figure 2015158390
Figure 2015158390
よって、ラングランジュの運動方程式は、入力項をuとする時、数式53によって表される。
Figure 2015158390
数式53において、入力項uを制御することによりラグランジアンLを安定化させることができ、本実施形態では、最適レギュレータ理論等に基づいて求めた制御入力uをジャイロアクチュエータに与えて傾転モータを駆動し、傾転角度θを制御することにより、対象物の姿勢を制御するようにした。
以下、本発明の実施例を説明する。
下記の実施例は、バイクや自転車等の2輪車の姿勢を制御するために、1段目の回転体10に対応する2輪車の車体に、2段目の回転体20に対応するジャイロアクチュエータを載置して車体の姿勢を制御する姿勢制御方法及び姿勢制御装置に関するものである。なお、ここでは2輪車が直進する場合について説明する。
図4は姿勢制御装置の全体的な構成図であり、300は車体及びジャイロアクチュエータを含む被制御物体としての2輪車、400はジャイロアクチュエータに与える入力uを生成するコントローラであり、コントローラ400内のf〜fは、被制御物体の数式モデルから計算された最適ゲイン(フィードバックゲイン)である。
図5は、本発明の実施例に係る2輪車の全体的な概念図であって、100は車体、200は、平常時にフライホイールの回転軸が地表面に対して垂直である垂直型のジャイロアクチュエータであり、(a)は車体100を後方から見た状態、(b)は車体100を側方から見た状態である。
これらの図において、Mはジャイロアクチュエータ(フライホイール)200の質量、mは車体100の質量、tはフライホイールの厚さ、rはフライホイールの半径、lは車体100の高さ、J,Jはそれぞれ車体100とフライホイールの慣性モーメント、G1は車体100の重心位置、G’1は車体100が傾いた時に側方から見た時の重心位置、G2はジャイロアクチュエータ200の重心位置、G’2はジャイロアクチュエータ200が傾いた時に後方から見た時の重心位置、aはジャイロアクチュエータ200の傾転軸から重心位置G2までの長さを示している。
また、図6(a),(b)は2輪車の運動方程式を作成するための説明図であり、それぞれ図5(a),(b)に対応している。なお、図6(a)において、lは地表面から重心位置G’2までの高さである。
まず、地表座標から見た車体100の重心位置及び重心速度、G1重心座標から見た車体100の回転角速度を求める。
図5より、車体100に関しては回転(ヨーイング)及び前後方向の揺れがないので、数式7においてφ=0,θ=0であり、また、直進のみであるからy=0,z=0とおくと、地表座標から見た車体100の重心位置及び重心速度はそれぞれ数式54,数式55により、G1重心座標から見た車体100の回転角速度は、数式18に基づいて数式56により求められる。
Figure 2015158390
Figure 2015158390
Figure 2015158390
一方、ジャイロアクチュエータ200は車体100に固定されているので、回転(ヨーイング)はなく、φ=0である。そこで、数式47において、φ=0,θ=0,φ=0,y=0,z=0とおくと、地表座標から見たジャイロアクチュエータ200の重心位置及び重心速度はそれぞれ数式57,数式58により求められ、G2重心座標から見たジャイロアクチュエータ200の回転角速度は、数式47に基づいて数式59により求められる。
Figure 2015158390
Figure 2015158390
Figure 2015158390
次に、ラグランジュの運動方程式より数式モデルを作成する。
数式48におけるG2の回転運動エネルギーTλにおいて、J:=J1g=J2g=J3gとおけるとき、数式50により数式60が得られる。
Figure 2015158390
また、数式51より、数式61を得る。
Figure 2015158390
よって、数式52より、ラグランジアンLは数式62となる。
Figure 2015158390
ここで、ψの速度の目標値をω(定数)とおいて数式63のラグランジュの運動方程式を計算すると、数式64を得る。
Figure 2015158390
Figure 2015158390
数式64の1番目の式における入力uは、特に制御を行わずに手動、モータ、エンジン等により直接与えることとすると、数式65を得る。
Figure 2015158390
ここで、数式65における入力uが数式66により与えられるとする。
Figure 2015158390
なお、数式66の中の時間関数を含むフィードバックゲインf〜fは、リアプノフ関数を用いて求めることができる。
この実施例では、最適レギュレータ理論等に基づいてコントローラ400が数式66により入力uを生成し、この入力uをジャイロアクチュエータ200に与えてフライホイールの傾転角度θを制御することによりジャイロモーメントを発生させ、このジャイロモーメントにより車体100が進行方向の左右に倒れるのを防止して2輪車300が直立状態になるようにその姿勢を制御して自立させるものである。
図7は、この実施例1における全体の制御ブロック図であり、コントローラ400は前述した数式66を演算して入力uを生成するように構成されている。なお、コントローラ400への入力情報は、車体100及びフライホイールの傾転軸等に角度センサ(図示せず)を配置してこの角度センサにより検出した車体100の傾き角度ψ及びフライホイールの傾転角度θ、並びにこれらの角速度、図5における質量M、距離a、x方向の加速度である。
また、図7における車体100及びジャイロアクチュエータ200のブロック内には、数式65における運動方程式の1番目、2番目の数式をそれぞれ変形して示してある。
数式65における運動方程式をψ=0,θ=0(よって、これらの角速度も0)の近傍で線形近似すると、数式67を得る。
Figure 2015158390
この数式67より、状態方程式は数式68のように表すことができる。
Figure 2015158390
数式68の右辺括弧内を入力項として数式69とおくと、数式69におけるFは数式70のようになる。なお、実施例2における全体の制御ブロック図は図8のようになる。
Figure 2015158390
Figure 2015158390
数式70におけるPは、数式71に示すリカッチ方程式の正定解である。
Figure 2015158390
次に、この実施例2による効果を図9〜図11に基づいて説明する。
図9は無制御時のものであり、(a)は車体100の傾き角度ψ及びその角速度、(b)はフライホイールの傾転角度θ及びその角速度を示している。また、図10は実施例2による制御時のものであり、(a)は車体100の傾き角度ψ及びその角速度、(b)はフライホイールの傾転角度θ及びその角速度を示している。更に、図11は、車体100に働くジャイロモーメントを示している。なお、無制御時、制御時共に、フライホイールの角速度は1000[rpm]である。
図9によれば、無制御時には車体100の安定性が保たれていない。
しかし、図10,図11に示す実施例2において、車体100が進行方向左側に約10度傾いて静止した状態から立ち上がり、約6秒後に前進を開始して約9秒後に進行方向左側から外力を加え、更に約11秒後に進行方向右側から外力を加えた場合でも、車体100が倒れることなく安定していることがわかる。
また、図10によれば、立ち上がり時と車体100に進行方向左側から外力を加えた時には、車体100は同じ方向に傾いているが、フライホイールの傾転角度θは逆になっている。これは、ジャイロモーメントが逆極性であることを示しているが、図11から、立ち上がり時には、ジャイロモーメントは車体100を起こす方向に働き、左側からの外力印加時には、ジャイロモーメントは車体100が倒れるのを防ぐ方向に働いている。更に、立ち上がり後から約13秒後に車体100の前進が停止した後は、車体100の傾き角度ψは約2度、ほぼ4秒周期で左右に振動しながら自立していることがわかる。
この時の制御系の応答は0.1秒であり、フィードバックゲインf〜fは、f=46.227,f=5.6421,f=0.49343,f=−0.73175である。
また、フィードバックゲインf〜fを求めるための数式71における重み行列Q,Rに関しては、Qの対角要素をQ=10,Q=1,Q=10,Q=1とし、また、R=5とした。
なお、実施例1,2では、垂直型のジャイロアクチュエータ200を用いた場合を説明したが、本発明は、平常時にフライホイールの回転軸が地表面に対して水平な水平型のジャイロアクチュエータを用いて姿勢制御を行う場合にも適用可能である。
図12は、水平型のジャイロアクチュエータを用いた他の実施形態に係る2輪車の全体的な概念図であって、110は車体、210は水平型のジャイロアクチュエータであり、(a)は車体110を後方から見た状態、(b)は車体110を側方から見た状態である。
なお、rはフライホイールの半径を示す。
図12において、地表座標から見た車体110の重心位置は数式72により、重心速度は数式73により、また、G1重心座標から見た車体110の回転角速度は、数式74により求められる。
Figure 2015158390
Figure 2015158390
Figure 2015158390
また、地表座標から見たジャイロアクチュエータ210の重心位置は数式75により、重心速度は数式76により、また、G2重心座標から見たジャイロアクチュエータ210の回転角速度は、数式77により求められる。
Figure 2015158390
Figure 2015158390
Figure 2015158390
ラグランジュの運動方程式を求めるに当たり、重心G1の並進運動エネルギーは数式78により、重心G2の並進運動エネルギーは数式79により、重心G1の回転運動エネルギーは数式80により、重心G2の回転運動エネルギーは数式81により、重心G1の位置エネルギーは数式82により、重心G2の位置エネルギーは数式83により、それぞれ表される。
Figure 2015158390
Figure 2015158390
Figure 2015158390
Figure 2015158390
Figure 2015158390
Figure 2015158390
よって、全運動エネルギーは数式84、全位置エネルギーは数式85となり、ラグランジアンLは数式86により表される。
Figure 2015158390
Figure 2015158390
Figure 2015158390
このため、ラグランジュの運動方程式は数式87となり、これを計算して数式88を得る。
Figure 2015158390
Figure 2015158390
数式88の1番目の式における入力uは、特に制御を行わずに手動、モータ、エンジン等により直接与えることとする。また、k=1のとき、J1g=J2g=J3g⇒Jとして数式89を得る。
Figure 2015158390
数式89をψ=0,φ=0の近傍で線形近似すると、数式90を得る。
Figure 2015158390
なお、uφは入力uをフィルタに通した値であり、uφ=uと考えてよい。
数式90より、状態方程式は数式91となる。
Figure 2015158390
図13は、この実施形態における制御ブロック図である。図13における車体110及びジャイロアクチュエータ210のブロック内には、数式90における運動方程式の1番目、2番目の数式をそれぞれ変形して示してある。ただし、図8の実施例1の制御ブロックとの比較を容易にするために、図中の「ω」⇒「−ω」とした。コントローラ410は、実施例1と同様に、数式71を用いて数式70のFを計算することにより与えられる。
図14,図15は、この実施形態において、車体110が旋回しながら前進・後退した場合の動作を示すグラフである。
図14(a)は車体110の傾き角度ψ及びその角速度、(b)はフライホイールの傾転角度θ及びその角速度を示し、図15の上段は車体110に働くジャイロモーメント(図11に相当)、図15の下段は車体110の起き上がりトルクを示している。なお、フライホイールの角速度は1750[rpm]である。
図14,図15によれば、車体110が左側に傾いて前進旋回する間は、ジャイロモーメントは車体110を起こす方向に働き、車体110の停止時には車体110の傾き角度ψがゼロになっている。その後、車体110が右側に傾いて後退旋回する間も、ジャイロモーメントは車体110を起こす方向に働き、車体110の傾き角度ψがほぼゼロの状態で停止している。
上述した実施形態は、本発明を2輪車の姿勢制御に適用した場合のものであるが、本発明の原理は、例えば、船舶の姿勢制御や建造物の制振制御等にも適用可能である。
10,20:回転体
100,110:車体
200,210:ジャイロアクチュエータ
300,310:2輪車
400,410:コントローラ

Claims (3)

  1. 対象物に一体的に配置されたジャイロアクチュエータの動作により、姿勢が傾いた前記対象物にトルクを作用させて前記対象物の姿勢を安定状態に制御する制御系を構成するための制御対象モデルであって、前記対象物及びジャイロアクチュエータを回転体にそれぞれ対応させた制御対象モデルにおいて、
    固定座標から見た前記対象物の重心(以下、対象物重心という)の位置,速度、及び、前記対象物重心を原点とする移動座標から見た前記対象物重心の角速度と、固定座標から見た前記ジャイロアクチュエータの重心(以下、ジャイロ重心という)の位置,速度、及び、前記ジャイロ重心を原点とする移動座標から見た前記ジャイロ重心の角速度と、を用いて、前記ジャイロアクチュエータのフライホイールの角速度が一定である時の前記車体の傾き角度と前記ジャイロアクチュエータの傾転角度とに関する運動方程式であって、前記ジャイロアクチュエータに与える制御入力を生成するための運動方程式を作成することを特徴とする制御対象モデル。
  2. 対象物に一体的に配置されたジャイロアクチュエータの動作により、姿勢が傾いた前記対象物にトルクを作用させて前記対象物の姿勢を安定状態に制御する姿勢制御方法において、
    請求項1における前記運動方程式から導出した状態方程式と、前記車体の傾き角度及びその角速度と、前記ジャイロアクチュエータの傾転角度及びその角速度と、フィードバックゲインと、を用いてコントローラを構成し、前記コントローラの出力を制御入力として前記ジャイロアクチュエータに与えることにより、前記ジャイロアクチュエータのフライホイールの傾転角度を制御して前記対象物の姿勢を安定状態に制御することを特徴とする姿勢制御方法。
  3. 請求項2に記載した姿勢制御方法において、
    前記対象物が2輪車の車体であり、この車体に前記ジャイロアクチュエータが載置されていることを特徴とする姿勢制御方法。
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