JP2004082903A - 自立型自動車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】車体に対し静態するドライバの要求に応じて車体の姿勢を制御しつつ自立走行可能な自立型自動車両を提供する。
【解決手段】本自動二輪車1が左折や右折をする場合、車体傾斜センサがその時の加速度に対応すべき車体傾斜量を逐次検出しており、この検出結果に応じた回転トルクをアクチュエータより発生せしめ、車体姿勢制御手段6に発生するジャイロモーメントで車体2を所定量傾斜させ、常に、車体2の傾斜方向を車体重心に作用する合力の方向と一致させるとともに、その時の遠心力に基づくモーメント、重力に基づくモーメント及び車体姿勢制御手段6からのジャイロモーメント間のバランスを維持しつつ左折することができ、ドライバは、体重の移動をさせることなく車体2に静態しているだけでよい。
【選択図】 図7
【解決手段】本自動二輪車1が左折や右折をする場合、車体傾斜センサがその時の加速度に対応すべき車体傾斜量を逐次検出しており、この検出結果に応じた回転トルクをアクチュエータより発生せしめ、車体姿勢制御手段6に発生するジャイロモーメントで車体2を所定量傾斜させ、常に、車体2の傾斜方向を車体重心に作用する合力の方向と一致させるとともに、その時の遠心力に基づくモーメント、重力に基づくモーメント及び車体姿勢制御手段6からのジャイロモーメント間のバランスを維持しつつ左折することができ、ドライバは、体重の移動をさせることなく車体2に静態しているだけでよい。
【選択図】 図7
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、ジャイロ機構によって車体の姿勢制御を行う自立型自動車両に関し、特に左折や右折の際には、ドライバのハンドル操作のみによって車体の姿勢を制御しつつ自立走行可能な自立型自動車両に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両のうち自転車や自動二輪車などのドライバは、ハンドル操作に加えドライバ自身が体重を移動させることにより、走行状態を維持することを強いられる。特に、自転車より重量の重い自動二輪車でカーブ路を高速走行する場合、ドライバには、ハンドル操作とドライバ自身の体重移動とを迅速、且つ的確に行うことを要求される。
また、交差点などでの信号待ちのために停車状態にあるとき、或いは、走行速度がある速度以下になり、ハンドル操作や体重移動だけでは現状の走行状態を維持することができなくなる場合に、ドライバは、車体が転倒するのを防ぐために、足を地面について車体を支えることを強いられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、すべてのドライバ、とりわけ、カーブ路を高速走行する自動二輪車のドライバに、迅速、且つ的確なハンドル操作と体重移動を行って走行することを要求することは、熟練度をも要し酷であり、しかも、このような行為には転倒などの危険が伴っている。
また、車体が転倒するのを防ぐために、足を地面について車体を支えることを強いられる場合には、重量の重い自動二輪車のドライバ、とりわけ、老人や女性にとっては極めて骨の折れる仕事となり酷である。
【0004】
本発明の目的は、車体に対し静態するドライバの要求に応じて車体の姿勢を制御しつつ自立走行可能な自立型自動車両を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に係る自立型自動車両は、ロータ軸に回動自在に支持されたロータと、ロータ軸を支持するインナジンバルと、このインナジンバルをロータ軸に垂直な軸廻りに回動自在に支持するアウタジンバルとを備えた車体姿勢制御手段と、左折や右折する際のハンドル操舵方向を検出する操舵方向検出手段と、車体の傾斜量を検出する車体傾斜量検出手段と、アウタジンバルのアウタジンバル軸の一端を車体に回動自在に支持する第1支持部材と、アウタジンバルのアウタジンバル軸の他端を車体に回動自在に支持する第2支持部材と、操舵方向検出手段及び車体傾斜量検出手段の検出信号に応じた回転トルクをアウタジンバル軸に付与するアクチュエータと、ロータに回転駆動力を供給する、例えば内燃機関や燃料電池等の動力源を備えた駆動部とを有する。
【0006】
本発明の請求項2は、このような自立型自動車両の車体姿勢制御手段としてより具体的な構成に係るものであり、車体の重心方向に平行なロータ軸に回動自在に支持されたロータと、ロータを囲繞するとともに、ロータ軸の両端部を支持し、ロータ軸に垂直な一対のインナジンバル軸を設けたインナジンバルと、インナジンバルを囲繞するとともに、インナジンバルを、そのインナジンバル軸を介して回動自在に支持するアウタジンバルとを備え、アウタジンバルの軸線が、ロータ軸に垂直で、且つインナジンバル軸に垂直をなすとともに、車体の進行方向と平行をなすようにしたものである。
【0007】
本自立型自動車両では、例えば、ある車速でもって左折するような場合、ドライバがハンドルを緩やかに、或いは急速に左に切ると、操舵方向検出手段がそのハンドル操舵方向及び操舵角度を検出し、この検出信号によりアクチュエータは、アウタジンバル軸に車体後方から見て右回転方向のトルクを付与する。すると、かかるトルクにより車体姿勢制御手段には歳差運動が生じてこの軸に左回転方向のトルク、即ちジャイロモーメントが発生するので、車体姿勢制御手段は、ハンドルを切る前の元の水平状態を維持し続ける一方、かかるモーメントにより、車体には第1支持部材及び第2支持部材を介して左回転方向のトルクが付与され、車体は左方向に傾斜する。このような車体の傾斜に伴い、車体には重力によって更にこれを左方向に傾斜させようとするモーメント、この更なる傾斜を阻止しようとする車体姿勢制御手段6からのジャイロモーメントが作用する一方、遠心加速度(車速が一定の場合)に基づく遠心力によって車体を右方向に傾斜させようとするモーメントが作用する。
ところで、車体傾斜量検出手段は、上記加速度に対応する車体傾斜量を逐次検出しており、この検出信号に応じた回転方向及び大きさのトルクをアクチュエータより車体姿勢制御手段に付与せしめ、かかる車体姿勢制御手段に発生するジャイロモーメントにより車体を上記加速度に対応する車体傾斜量まで傾斜させ、常に、車体の傾斜方向を車体重心に作用する合力(車速が一定の場合、重力と遠心力の和)の方向と一致させるようにしている。
【0008】
即ち、本自立型自動車両は、常に、車体の傾斜方向を車体重心に作用する合力の方向と一致させながら、その時の遠心力に基づくモーメント、重力に基づくモーメント、及びアクチュエータの回転に基づき車体姿勢制御手段に発生するジャイロモーメント間のバランスを維持しつつ左折することができる。
したがって、ハンドルを操作するドライバは、体重の移動をさせることなく車体に対し静態しているだけで左折することができる。
右折する場合にも左折する場合に準じ、車体に対し静態しているだけで右折することができる。
【0009】
また、直進しているときに何らかの原因で車体が左方向又は右方向に傾斜しようとした場合には、車体が傾斜しようとして第1支持部材及び第2支持部材を介して車体姿勢制御手段に左回転方向又は右回転方向のトルク(外力)を付与すると、車体姿勢制御手段は、このトルクに釣り合う右回転方向又は左回転方向のジャイロモーメント、即ち、車体を右方向又は左方向に傾斜させようとするトルクを発生するので、車体姿勢制御手段がジャイロモーメントを発生する条件の下では、車体の傾斜が防止されてバランスが維持された状態で直進できる。
【0010】
このような車体の姿勢制御においては、ロータ軸廻りのロータの慣性モーメントをJ、角速度をωとすると、車体姿勢制御手段に生ずる歳差運動の角速度Ωは、T/Jωで与えられ(Tは、外部から付与されるトルク)、慣性モーメントJが大きく、且つ角速度ωが大きい場合には、極めて小さいものとなる。したがって、車体姿勢制御手段には、この車体姿勢制御手段に外部から付与されるトルクTに対し、微小な歳差運動しか生じない。一方、このトルクT(=J*Δω/Δt)と釣り合うジャイロモーメントはJωΩとなる。したがって、慣性モーメントJや角速度ωを大きくすればジャイロモーメントも大きくなるので、容易に車体の姿勢制御を行うことができる。
【0011】
また、本発明の請求項3に係る自立型自動車両は、車体に生ずる偏荷重のために、及び/又は車体姿勢制御手段に生ずるメカニカルロス等のために、車体が傾斜した状態が残存するときに、この残存する当該車体の傾斜を取り除くべくこの車体の重心線上に備えられたバランスウエイトをこの車体の適宜位置に移動させるようにしたものであり、これにより、車体に傾斜量が残存するときに生ずる不具合、例えば、直進走行にもかかわらず車体が傾斜した状態のままになってしまう不具合、また、車体が傾斜した状態のままで右折走行するときと左折走行するときとで、速度差や旋回半径の差が生じてしまう不具合を解消するようにしたものである。
【0012】
また、本発明の請求項4に係る自立型自動車両は、当該自立型自動車両が自動二輪車のような車輪が二つの車両の場合、ロータの回転数を検出する回転数検出手段と、この回転数検出手段によって検出された回転数を所定の回転数と比較判定する比較判定手段と、この比較判定手段の判定結果に応じて、車体に配設された補助輪を車体内に後退させたり当該車体外に進出させたりする補助輪進退手段とを有する。
したがって、回転数検出手段がロータの回転数を検出し、比較判定手段が、検出された回転数を所定の回転数と比較して、所定の回転数より小さいと判定した場合には、補助輪進退手段により補助輪を車体外に進出させて車体の転倒を防止する。
判定の基準とする所定の回転数は、理論上、ロータの慣性モーメントの大きさや車体重量等を考慮して設定されるが、実際上は、安全性や信頼性等をも考慮して実車試験を繰り返すことにより設定されなければならない。
【0013】
ところで、通常の走行状態では補助輪は車体内に後退しているが、走行していない停止状態であってもロータの回転数が所定の回転数以上であれば、車体か何らかの原因で左方向又は右方向に傾斜しようとしても、直進走行で説明したのと同様に、車体姿勢制御手段には、この傾斜を防止するようなジャイロモーメントが発生するので、補助輪を車体内に後退させたままでも車体は転倒しない。したがって、ドライバは、車体に対し静態しているだけでよい。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態に係る自立型自動車両の一例を図面を参照して説明する。
本自立型自動車両は自立型自動二輪車を構成するものであり、本自立型自動二輪車1は、図1に示すように、車体2を前輪3と後輪4で支持し、この車体2内には、内燃機関や燃料電池等の動力源を備えた駆動部5と、車体2の略中央に配設され、駆動部5の直前に連設された車体姿勢制御手段6と、車体2の略中央で、且つ車体姿勢制御手段6の直上に配設され、ドライバ7を着座せしめる運転席8と、運転席8の前方に配設され、ドライバ7が左折や右折の際に操作するハンドル9と、ハンドル9の操舵方向を検出する操舵角センサ(操舵方向検出手段)10と、車体2の傾斜量を検出する車体傾斜センサ(車体傾斜量検出手段)11とが備えられている。
そして、駆動部5には、その動力をチェーン12を介して後輪4に伝達する駆動軸13が、また、一対の補助輪14aを車体2内に後退させたり当該車体2外に進出させたりする補助輪進退手段14が配設されている。
【0015】
上記車体姿勢制御手段6は、図2,3に示すように、車体2の重心方向に平行なロータ軸15aに回動自在に支持されたロータ15と、ロータ15を囲繞するとともに、ロータ軸15aの両端部を支持し、ロータ軸15aに垂直な一対のインナジンバル軸16a,16bを設けたインナジンバル16と、インナジンバル16を囲繞するとともに、インナジンバル16を、そのインナジンバル軸16a,16bを介して回動自在に支持するアウタジンバル17とを備え、アウタジンバル17の軸線が、ロータ軸15aに垂直で、且つインナジンバル軸16a,16bに垂直をなすとともに、車体2の進行方向と平行をなすように構成されている。
【0016】
この車体姿勢制御手段6は、所謂自由度2の垂直ジャイロと称されるものであり、車体2が傾斜していない状態、即ち路面に対し垂直状態にあるときに、予め車体2の重心軸方向に平行になるように、即ち路面に対し垂直になるようにロータ軸15aが調整されている。
このロータ軸15aに回転自在に支持されたロータ15は、駆動部5のバッテリ(図示せず)を駆動源として回転駆動され、固定子をなすロータ軸15aとこのロータ軸15aの外側に形成される回転子をなすロータ15とは、所謂アウタロータ型モータを構成する。
ところで、ロータ15を回転させるための駆動方法は、上述のような電気式のものに限ることなく、ベルトやチェーン駆動等の機械式のものであってもよい。
【0017】
また、図4に示すように、このロータ15の近傍には、コイル或いは磁気抵抗素子で構成される磁気センサ(回転数検出手段)18が、また、ロータ15の外周には等間隔で磁気媒体19が配設され、上記磁気センサ18は、コンパレータ(比較判定手段)20に接続されている。したがって、磁気センサ18がこのロータ15の回転に伴う磁束変化を検出することにより、ロータ15の回転数が検出され、コンパレータ20によって、検出された回転数を所定の回転数に対し比較判定することができる。かかる判定結果によって、補助輪進退手段14は、補助輪14aを車体2内に後退させたり、車体2外に進出させたりする。
尚、ロータ15の回転数を検出する手段には、上述の磁気式エンコーダに限ることなく、光学式エンコーダやロータリポテンショメータ、タコメータジェネレータなどであってもよいことはもちろんである。
【0018】
そして、図2,3に示すように、車体姿勢制御手段6は、アウタジンバル軸の一端17aが車体2に対し回動自在に第1支持部材21により支持されるとともに、本実施の形態では、アウタジンバル軸の他端17bが駆動部5のアクチュエータ22のロータに連設され、当該アクチュエータ22のステータが第2支持部材23により支持される。したがって、アウタジンバル軸の他端17bは、第2支持部材23によって車体2に対し回動自在に支持される態様をなす。ところで、第1支持部材21及び第2支持部材23は車体2に固着されている。
かかるアクチュエータ22は、操舵角センサ10や後に詳述する車体傾斜センサ11からの制御信号に基づく回転トルクをアウタジンバル軸に付与するものである。このアクチュエータ22は、アウタジンバル軸に回転トルクを付与し得るものであれば、電気方式のものに限らず油圧や空気圧方式のものであってもよいことはもちろんである。
ところで、本実施の形態では、車体姿勢制御手段6を駆動部5の直前に配設した場合について説明したが、これに限ることはなく、車両の操縦性・安定性や高速回転するロータ15のドライバ7に対する安全性等が確保されれば、いずれの位置に配設するようにしたものであってもよい。また、車体姿勢制御手段6を直列に複数個配列するようにしたものであってもよい。
【0019】
上記車体傾斜センサ11は、図5に示すように、筐体24の上面に揺動自在に吊着された振子25と、振子25の下部に固着されたコイル26と、筐体24の側面に固着されたヨーク27に、上記コイル26に対し磁気的に係合するように配設されたマグネット28とを備え、更に、振子25の最下端に磁気素子を互いに対向させて配設した変位検出器29と、変位検出器29にその入力側が接続するとともに、その出力側がコイル26に接続するサーボ増幅器30と、コイル26に流れる電流を出力電圧として取り出すための読み取り抵抗31とを備えている。
かかる車体傾斜センサ11においては、左折又は右折する際、車体2に同図中A又はB方向の加速度が加わると、振子25が慣性で逆向きに動こうとするので、この動きを変位検出器29で検出し、かかる検出信号で振子25を元の位置に戻すようにコイル26に電流を流して上記加速度による力とバランスさせ、この時の電流を読み取り抵抗31を介して出力電圧として取り出す。取り出された出力電圧は、加速度の大きさに比例しており、一方、振子25の傾斜量(=車体2の傾斜量)もまたこの加速度の大きさに比例しているので、かかる出力電圧によって、車体2を傾斜させるための加速度に対応する車体傾斜量を検出できる。
尚、車体傾斜センサ11は、本実施の形態では、振り子式の加速度センサを用いたが、シリコン半導体を用いたひずみゲージなどでもよいことは言うまでもない。
【0020】
ところで、上述した操舵角センサ10は、ドライバ7が左折や右折の際に操作するハンドル9の操舵方向及び操舵角度を検出することができるものであれば、電磁式や光電式センサのものでも、或いはホール素子等を用いた半導体センサのものであってもよい。
また、上述した補助輪進退手段14は、車体2に配設された一対の補助輪14aを車体2内に後退させたり車体2外に進出させたりすることができるものであればいかなる機構をなすものであってもよい。本実施の形態では、図1に示すように、駆動部5から延出したアーム14bに補助輪14aを取り付けたキャスタ14cを連結し、アーム14bを回転させることにより補助輪14aを車体2内に後退させたり車体2外に進出させたりするようにしたものである。
【0021】
次に、このような構成の自立型自動二輪車1の動作について、図6,7を参照して説明する。尚、自立型自動二輪車1は、従来の自動二輪車と同様の機能・性能で走行することができるが、ここでは、直進走行及び左折又は右折走行についてのみ説明する。
まず、本自動二輪車1が始動してから直進走行を経て停止するまでの動作について説明する。
停止状態にあるときには、本自動二輪車1は、図6(A)に示すように、車体2の転倒を防止するために、補助輪14aが車体2外に進出して路面に接地している。
そして、ドライバ7は、運転席8に着座しハンドル9を握るとともに、スタータなどで駆動部5を始動する。これに伴いロータ15が回転し始める。ロータ15の回転数が磁気センサ18で検出され、コンパレータ20により所定の回転数と比較されて所定の回転数より大きいと判定されると、補助輪進退手段14により補助輪14aが車体2内に後退し、本自動二輪車1は、所謂アイドリング状態を維持しつつ図6(B)の状態になる。
【0022】
しかるに、このようなアイドリング状態であってもロータ15の回転数が所定の回転数以上であれば、車体2が左方向又は右方向に傾斜しようとして、第1支持部材21及び第2支持部材23を介して車体姿勢制御手段6に左回転方向又は右回転方向のトルク(外力)が加わると、車体姿勢制御手段6には、このトルクに釣り合う右回転方向又は左回転方向のジャイロモーメント、即ち車体2を右方向又は左方向に傾斜させようとするトルクが発生するので、車体2の傾斜が防止され、補助輪14aを車体2内に後退させたままでも車体2は転倒しない。また、ドライバ7は運転席8に着座してハンドル9を握っているだけでよい。
ところで、車体傾斜センサ11は、車体傾斜量を逐次検出しており、外力に基づくモーメントと車体姿勢制御手段6からのジャイロモーメント(及び車体2に作用する重力に基づくモーメントも含む)間のバランスが失われるときには、アクチュエータ22に所定方向の回転指示を与え、車体姿勢制御手段6に発生するジャイロモーメントを増減して、車体2を左方向又は右方向に傾斜させないように、即ち路面に対し垂直状態が維持されるようにしていることはもちろんである。
【0023】
このような状態から、ドライバ7は、従来型自動二輪車と同様のクラッチ操作等をして直進走行させることができる。
ところで、直進しているときに車体2が左方向又は右方向に傾斜しても、上述したのと同様に、車体姿勢制御手段6には、車体2が左方向又は右方向に傾斜しようとするのを防止するジャイロモーメントが発生するので、ドライバ7は、体重の移動をすることなく車体2に対し静態しているだけでよい。この場合にも、車体傾斜センサ11は、車体傾斜量を逐次検出しており、上記モーメント間のバランスが失われるときには、上述のようにしてジャイロモーメントを増減し、車体2を路面に対し垂直状態に維持していることはもちろんである。
【0024】
次に、本自動二輪車1が左折又は右折する場合について、図7を参照して説明する。
尚、図7(A)は左折する場合、また、図7(B)は右折する場合を車体後方からそれぞれ見たものである。
本自動二輪車1が左折する場合、ドライバ7がハンドル9を緩やかに、場合により急速に左に切ると、操舵角センサ10がそのハンドル9の操舵方向及び操舵角度を検出し、この検出信号によりアクチュエータ22は、アウタジンバル軸の一端17a、他端17bに車体2の後方から見て右回転方向のトルクを付与する。すると、かかるトルクにより車体姿勢制御手段6には歳差運動が生じ、この軸に左回転方向のトルク、即ちジャイロモーメントが発生するので、車体姿勢制御手段6は、ハンドル9を切る前の元の水平状態を維持し続ける一方、かかるモーメントにより、車体2には第1支持部材21及び第2支持部材23を介して左回転方向のトルクが付与され、車体2は左方向に傾斜する。このような車体2の傾斜に伴い、車体2には重力によって更にこれを左方向に傾斜させようとするモーメント、この更なる傾斜を阻止しようとする車体姿勢制御手段6からのジャイロモーメントが作用する一方、遠心加速度(車速が一定の場合)に基づく遠心力によって車体を右方向に傾斜させようとするモーメント、即ち車体2の傾斜を阻止しようとするモーメントが作用する。
【0025】
しかるに、車体傾斜センサ11は、かかる加速度に対応する車体傾斜量を逐次検出し、この検出信号に応じた回転方向及び大きさのトルクをアクチュエータ22により発生せしめるようにしており、例えば、この時の加速度に対応する車体傾斜量が十分でない場合には、車体傾斜センサ11がアクチュエータ22に所定の回転指示を与えると、上述のようにして車体姿勢制御手段6に発生するジャイロモーメントに基づき、車体2には左回転方向のトルクが付与され、車体2は当該加速度に対応する車体傾斜量まで傾斜する。そして、本自動二輪車1は、その時の遠心力に基づくモーメント、重力に基づくモーメント及び車体姿勢制御手段6からのジャイロモーメント間のバランスを維持しつつ左折する(図7(A))。
【0026】
また、ドライバ7がハンドル9を更に左に切ると、上述したのと同様に、操舵角センサ10がこれを検出し、車体姿勢制御手段6にアクチュエータ22からの増分トルクに対応したジャイロモーメントが発生し、かかるモーメントに基づき車体2は左方向に更に傾斜する。しかるに、この時の加速度に対応する車体傾斜量が大き過ぎる場合には、アクチュエータ22からの減分トルクに対応したジャイロモーメントが発生し、かかるモーメントに基づき、車体2は、この時の加速度に対応するように右方向に回転して車体傾斜量が修正される。
【0027】
このように本自動二輪車1では、車体傾斜センサ11がその時の加速度に対応すべき車体傾斜量を逐次検出しており、この検出結果に応じた回転トルクをアクチュエータ22より発生せしめ、車体姿勢制御手段6に発生するジャイロモーメントで車体2を所定量傾斜させ、常に、車体2の傾斜方向を車体重心に作用する合力の方向と一致させるとともに、その時の遠心力に基づくモーメント、重力に基づくモーメント及び車体姿勢制御手段6からのジャイロモーメント間のバランスを維持しつつ左折することができ、したがって、ドライバ7は、体重の移動をさせることなく車体2に静態しているだけでよい。
尚、右折する場合にも左折する場合に準じ同様な車体姿勢制御がなされるので、車体2はその後方から見て右方向に傾斜するが(図7(B))、ドライバ7は、体重の移動をさせることなく車体2に静態しているだけでよい。
ここで、上述の車体重心に作用する合力とは、車速が一定の場合には、遠心加速度による遠心力と車体重心に作用する重力との合力であるが、車速が変化している場合やコリオリの加速度などをも考慮しなければならない場合には、車体傾斜量は、これらの加速度を考慮した合力に基づくものでなければならない。
【0028】
ところで、例えば車体2が直進しているときに、車体2が左方向又は右方向に傾斜しても、車体姿勢制御手段6がこれを防止するジャイロモーメントを発生するので、車体2を路面に対し垂直状態に維持させつつ直進走行できる、ことについては上述した。しかし、図8(A)のように車体2に偏荷重Wが作用し続ける場合、直進走行しているのに車体が傾斜した状態のままになる不具合が生じてしまう。そこで、このような不具合を解消する必要がある。このような不具合の解消方法の一例を、バランスウエイト41を備えた自立型自動二輪車40を用いて、図8(A)〜(C)を参照して説明する。尚、これらの図は、車体後方からそれぞれ見たものである。
【0029】
車体2が直進しているときに、図8(A)のように、例えば当該車体2の左端に偏荷重Wが作用して車体2が左方向に傾斜したとすると、車体姿勢制御手段6には、このトルクに釣り合う右回転方向のジャイロモーメント、即ち車体2を右方向に傾斜させるトルクが発生して、偏荷重Wに基づくモーメント(及び車体2に作用する重力に基づくモーメントも含む)によって生ずるアンバランスを相殺する。このとき、車体2は、上記アンバランスの相殺のために、図8(B)のように右方向に傾斜する状態となっている。しかし、このような右方向に傾斜した状態のままで直進することは、不自然である。そこで、車体2に傾斜量が残存するとき、本実施の形態では車体2が右方向に傾斜した状態のままになるときには、車体2を路面に対し垂直になるようにすべく図8(C)のように、車体2の重心線上に備えられたバランスウエイト41をボールネジ機構42により車体2の、例えば右端に移動させるとともに、車体姿勢制御手段6に車体2を左方向に傾斜させるトルクを発生せしめて車体2を路面に対し垂直状態に維持させ、直進走行しているのに車体2が傾斜した状態のままになる不具合を解消する。ところで、バランスウエイト41を移動させる手段としては、本実施の形態のようなボールネジ機構42に限ることなく、バランスウエイト41を振り子のように移動させるようにしたものであってもよい。
尚、移動する前のバランスウエイト41は、図8(A),(B)のように、車体2が路面に対し垂直状態にあるときの当該車体2の重心線上に位置している。
【0030】
また、上述したように、車体2が直進しているときに、車体2が左方向又は右方向に傾斜しても、車体姿勢制御手段6がこれを防止するジャイロモーメントを発生するので、車体2を路面に対し垂直状態に維持させつつ直進走行できるが、車体姿勢制御手段6に生ずるメカニカルロス等のために、車体2に傾斜量が残存したり、場合により傾斜量が漸増したりする不具合が生ずることがある。そこで、このような不具合を解消しなければならないが、その解消方法の一例として、上述したバランスウエイト41をボールネジ機構42により移動させる方法を採ることができる。
【0031】
即ち、車体2が左方向又は右方向に傾斜しようとして、車体姿勢制御手段6に左回転方向又は右回転方向のトルク(外力)が加わると、車体姿勢制御手段6には、このトルクに釣り合う右回転方向又は左回転方向のジャイロモーメント、即ち車体2を右方向又は左方向に傾斜させようとするトルクが発生する一方、車体傾斜センサ11は、車体傾斜量を逐次検出しており、これらトルク間のバランスが失われるときには、上述のように車体姿勢制御手段6で発生するジャイロモーメントが増減されるため車体2は路面に対し垂直状態に維持される。ところが、車体姿勢制御手段6のメカニカルロス等のために、車体傾斜が修正されずに傾斜量が残存したり、場合により傾斜量が一方向に漸増したりすると、例えば図8(B)のように車体2が傾斜した状態になってしまう。このような状態で直進することは、上述同様に不自然である。そこで、車体2を路面に対し垂直になるようにすべく車体2の重心線上に備えられたバランスウエイト41をボールネジ機構42により車体2の適宜位置に移動させて車体2を路面に対し垂直状態に維持させ、直進走行にもかかわらず車体2が傾斜した状態のままになる不具合を解消する。
【0032】
また、車体姿勢制御手段6は、上述したように、アクチュエータ22による回転トルク(Tとする)が付与されると、この回転トルクTに釣り合うジャイロモーメントを発生する。この場合、車体姿勢制御手段6に生ずる歳差運動の角速度Ωが、Ω=T/Jωで与えられるので(ロータ軸15a廻りのロータ15の慣性モーメントをJ、角速度をωとしている)、かかる角速度Ωは、慣性モーメントJが大きく、且つ角速度ωが大きい場合には、極めて小さいものとなり、このようなときには、車体姿勢制御手段6はほとんど傾斜せず、ロータ軸15aは、ほぼ路面に対し垂直状態を維持し続ける。しかも、ジャイロモーメントは、JωΩで与えられるので、極めて大きいものとなり、容易に車体2の姿勢制御を行える。
【0033】
また、従来の自動二輪車の車体には、通常、ドライバを風雨等から防護するためのサイドメンバやルーフ等は設けられていないが、図1に示すように、本自動二輪車1のように、サイドメンバ2aやルーフ2bを設けた車体構造にすると、ドライバ7にとって居住性が向上する。尚、本自動二輪車1は、従来の自動二輪車と同様に二人乗りすることも可能であることは言うまでもない。
また、本実施の形態では、本自立型自動車両が自立型自動二輪車を構成する場合について説明したが、例えば後輪が二つの自動三輪車を構成する場合であっても同様である。
【0034】
【発明の効果】
本発明の自立型自動車両によれば、車体に対し静態するドライバの要求に応じて車体の姿勢を制御しつつ自立走行可能となるので、運転が容易になる。
また、本発明の自立型自動車両によれば、車体に生ずる偏荷重のために、及び/又は車体姿勢制御手段に生ずるメカニカルロス等のために、車体が傾斜した状態が残存する不具合、例えば、直進走行にもかかわらず車体が傾斜した状態のままになってしまう不具合等が解消される。
また、本発明の自立型自動車両によれば、当該自立型自動車両が自動二輪車のような車輪が二つの車両の場合、車体に対し静態するドライバの要求に応じて自立走行可能で、車体の転倒防止のためにドライバが車体を支えるのを強いられることがないので、運転時の負担が軽減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る自立型自動二輪車の概略を示す斜視図である。
【図2】図1の車体姿勢制御を行う部位の一部断面を含む平面図である。
【図3】図2の一部断面を含む側面図である。
【図4】本自立型自動二輪車のロータの回転数に対する比較判定のための構成図である。
【図5】本自立型自動二輪車の車体傾斜センサの断面構成図である。
【図6】本自立型自動二輪車の直進走行及び停止状態の説明図である。
【図7】本自立型自動二輪車の左折又は右折走行の説明図である。
【図8】本実施の形態に係る他の自立型自動二輪車の動作説明図である。
【符号の説明】
1,40 自立型自動二輪車
2 車体
5 駆動部
6 車体姿勢制御手段
10 操舵角センサ(操舵方向検出手段)
11 車体傾斜センサ(車体傾斜量検出手段)
14 補助輪進退手段
15 ロータ
15a ロータ軸
16 インナジンバル
16a,16b インナジンバル軸
17 アウタジンバル
17a 一端(アウタジンバル軸の)
17b 他端(アウタジンバル軸の)
18 磁気センサ(回転数検出手段)
20 コンバレータ(比較判定手段)
21 第1支持部材
22 アクチュエータ
23 第2支持部材
41 バランスウエイト
【発明が属する技術分野】
本発明は、ジャイロ機構によって車体の姿勢制御を行う自立型自動車両に関し、特に左折や右折の際には、ドライバのハンドル操作のみによって車体の姿勢を制御しつつ自立走行可能な自立型自動車両に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両のうち自転車や自動二輪車などのドライバは、ハンドル操作に加えドライバ自身が体重を移動させることにより、走行状態を維持することを強いられる。特に、自転車より重量の重い自動二輪車でカーブ路を高速走行する場合、ドライバには、ハンドル操作とドライバ自身の体重移動とを迅速、且つ的確に行うことを要求される。
また、交差点などでの信号待ちのために停車状態にあるとき、或いは、走行速度がある速度以下になり、ハンドル操作や体重移動だけでは現状の走行状態を維持することができなくなる場合に、ドライバは、車体が転倒するのを防ぐために、足を地面について車体を支えることを強いられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、すべてのドライバ、とりわけ、カーブ路を高速走行する自動二輪車のドライバに、迅速、且つ的確なハンドル操作と体重移動を行って走行することを要求することは、熟練度をも要し酷であり、しかも、このような行為には転倒などの危険が伴っている。
また、車体が転倒するのを防ぐために、足を地面について車体を支えることを強いられる場合には、重量の重い自動二輪車のドライバ、とりわけ、老人や女性にとっては極めて骨の折れる仕事となり酷である。
【0004】
本発明の目的は、車体に対し静態するドライバの要求に応じて車体の姿勢を制御しつつ自立走行可能な自立型自動車両を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に係る自立型自動車両は、ロータ軸に回動自在に支持されたロータと、ロータ軸を支持するインナジンバルと、このインナジンバルをロータ軸に垂直な軸廻りに回動自在に支持するアウタジンバルとを備えた車体姿勢制御手段と、左折や右折する際のハンドル操舵方向を検出する操舵方向検出手段と、車体の傾斜量を検出する車体傾斜量検出手段と、アウタジンバルのアウタジンバル軸の一端を車体に回動自在に支持する第1支持部材と、アウタジンバルのアウタジンバル軸の他端を車体に回動自在に支持する第2支持部材と、操舵方向検出手段及び車体傾斜量検出手段の検出信号に応じた回転トルクをアウタジンバル軸に付与するアクチュエータと、ロータに回転駆動力を供給する、例えば内燃機関や燃料電池等の動力源を備えた駆動部とを有する。
【0006】
本発明の請求項2は、このような自立型自動車両の車体姿勢制御手段としてより具体的な構成に係るものであり、車体の重心方向に平行なロータ軸に回動自在に支持されたロータと、ロータを囲繞するとともに、ロータ軸の両端部を支持し、ロータ軸に垂直な一対のインナジンバル軸を設けたインナジンバルと、インナジンバルを囲繞するとともに、インナジンバルを、そのインナジンバル軸を介して回動自在に支持するアウタジンバルとを備え、アウタジンバルの軸線が、ロータ軸に垂直で、且つインナジンバル軸に垂直をなすとともに、車体の進行方向と平行をなすようにしたものである。
【0007】
本自立型自動車両では、例えば、ある車速でもって左折するような場合、ドライバがハンドルを緩やかに、或いは急速に左に切ると、操舵方向検出手段がそのハンドル操舵方向及び操舵角度を検出し、この検出信号によりアクチュエータは、アウタジンバル軸に車体後方から見て右回転方向のトルクを付与する。すると、かかるトルクにより車体姿勢制御手段には歳差運動が生じてこの軸に左回転方向のトルク、即ちジャイロモーメントが発生するので、車体姿勢制御手段は、ハンドルを切る前の元の水平状態を維持し続ける一方、かかるモーメントにより、車体には第1支持部材及び第2支持部材を介して左回転方向のトルクが付与され、車体は左方向に傾斜する。このような車体の傾斜に伴い、車体には重力によって更にこれを左方向に傾斜させようとするモーメント、この更なる傾斜を阻止しようとする車体姿勢制御手段6からのジャイロモーメントが作用する一方、遠心加速度(車速が一定の場合)に基づく遠心力によって車体を右方向に傾斜させようとするモーメントが作用する。
ところで、車体傾斜量検出手段は、上記加速度に対応する車体傾斜量を逐次検出しており、この検出信号に応じた回転方向及び大きさのトルクをアクチュエータより車体姿勢制御手段に付与せしめ、かかる車体姿勢制御手段に発生するジャイロモーメントにより車体を上記加速度に対応する車体傾斜量まで傾斜させ、常に、車体の傾斜方向を車体重心に作用する合力(車速が一定の場合、重力と遠心力の和)の方向と一致させるようにしている。
【0008】
即ち、本自立型自動車両は、常に、車体の傾斜方向を車体重心に作用する合力の方向と一致させながら、その時の遠心力に基づくモーメント、重力に基づくモーメント、及びアクチュエータの回転に基づき車体姿勢制御手段に発生するジャイロモーメント間のバランスを維持しつつ左折することができる。
したがって、ハンドルを操作するドライバは、体重の移動をさせることなく車体に対し静態しているだけで左折することができる。
右折する場合にも左折する場合に準じ、車体に対し静態しているだけで右折することができる。
【0009】
また、直進しているときに何らかの原因で車体が左方向又は右方向に傾斜しようとした場合には、車体が傾斜しようとして第1支持部材及び第2支持部材を介して車体姿勢制御手段に左回転方向又は右回転方向のトルク(外力)を付与すると、車体姿勢制御手段は、このトルクに釣り合う右回転方向又は左回転方向のジャイロモーメント、即ち、車体を右方向又は左方向に傾斜させようとするトルクを発生するので、車体姿勢制御手段がジャイロモーメントを発生する条件の下では、車体の傾斜が防止されてバランスが維持された状態で直進できる。
【0010】
このような車体の姿勢制御においては、ロータ軸廻りのロータの慣性モーメントをJ、角速度をωとすると、車体姿勢制御手段に生ずる歳差運動の角速度Ωは、T/Jωで与えられ(Tは、外部から付与されるトルク)、慣性モーメントJが大きく、且つ角速度ωが大きい場合には、極めて小さいものとなる。したがって、車体姿勢制御手段には、この車体姿勢制御手段に外部から付与されるトルクTに対し、微小な歳差運動しか生じない。一方、このトルクT(=J*Δω/Δt)と釣り合うジャイロモーメントはJωΩとなる。したがって、慣性モーメントJや角速度ωを大きくすればジャイロモーメントも大きくなるので、容易に車体の姿勢制御を行うことができる。
【0011】
また、本発明の請求項3に係る自立型自動車両は、車体に生ずる偏荷重のために、及び/又は車体姿勢制御手段に生ずるメカニカルロス等のために、車体が傾斜した状態が残存するときに、この残存する当該車体の傾斜を取り除くべくこの車体の重心線上に備えられたバランスウエイトをこの車体の適宜位置に移動させるようにしたものであり、これにより、車体に傾斜量が残存するときに生ずる不具合、例えば、直進走行にもかかわらず車体が傾斜した状態のままになってしまう不具合、また、車体が傾斜した状態のままで右折走行するときと左折走行するときとで、速度差や旋回半径の差が生じてしまう不具合を解消するようにしたものである。
【0012】
また、本発明の請求項4に係る自立型自動車両は、当該自立型自動車両が自動二輪車のような車輪が二つの車両の場合、ロータの回転数を検出する回転数検出手段と、この回転数検出手段によって検出された回転数を所定の回転数と比較判定する比較判定手段と、この比較判定手段の判定結果に応じて、車体に配設された補助輪を車体内に後退させたり当該車体外に進出させたりする補助輪進退手段とを有する。
したがって、回転数検出手段がロータの回転数を検出し、比較判定手段が、検出された回転数を所定の回転数と比較して、所定の回転数より小さいと判定した場合には、補助輪進退手段により補助輪を車体外に進出させて車体の転倒を防止する。
判定の基準とする所定の回転数は、理論上、ロータの慣性モーメントの大きさや車体重量等を考慮して設定されるが、実際上は、安全性や信頼性等をも考慮して実車試験を繰り返すことにより設定されなければならない。
【0013】
ところで、通常の走行状態では補助輪は車体内に後退しているが、走行していない停止状態であってもロータの回転数が所定の回転数以上であれば、車体か何らかの原因で左方向又は右方向に傾斜しようとしても、直進走行で説明したのと同様に、車体姿勢制御手段には、この傾斜を防止するようなジャイロモーメントが発生するので、補助輪を車体内に後退させたままでも車体は転倒しない。したがって、ドライバは、車体に対し静態しているだけでよい。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態に係る自立型自動車両の一例を図面を参照して説明する。
本自立型自動車両は自立型自動二輪車を構成するものであり、本自立型自動二輪車1は、図1に示すように、車体2を前輪3と後輪4で支持し、この車体2内には、内燃機関や燃料電池等の動力源を備えた駆動部5と、車体2の略中央に配設され、駆動部5の直前に連設された車体姿勢制御手段6と、車体2の略中央で、且つ車体姿勢制御手段6の直上に配設され、ドライバ7を着座せしめる運転席8と、運転席8の前方に配設され、ドライバ7が左折や右折の際に操作するハンドル9と、ハンドル9の操舵方向を検出する操舵角センサ(操舵方向検出手段)10と、車体2の傾斜量を検出する車体傾斜センサ(車体傾斜量検出手段)11とが備えられている。
そして、駆動部5には、その動力をチェーン12を介して後輪4に伝達する駆動軸13が、また、一対の補助輪14aを車体2内に後退させたり当該車体2外に進出させたりする補助輪進退手段14が配設されている。
【0015】
上記車体姿勢制御手段6は、図2,3に示すように、車体2の重心方向に平行なロータ軸15aに回動自在に支持されたロータ15と、ロータ15を囲繞するとともに、ロータ軸15aの両端部を支持し、ロータ軸15aに垂直な一対のインナジンバル軸16a,16bを設けたインナジンバル16と、インナジンバル16を囲繞するとともに、インナジンバル16を、そのインナジンバル軸16a,16bを介して回動自在に支持するアウタジンバル17とを備え、アウタジンバル17の軸線が、ロータ軸15aに垂直で、且つインナジンバル軸16a,16bに垂直をなすとともに、車体2の進行方向と平行をなすように構成されている。
【0016】
この車体姿勢制御手段6は、所謂自由度2の垂直ジャイロと称されるものであり、車体2が傾斜していない状態、即ち路面に対し垂直状態にあるときに、予め車体2の重心軸方向に平行になるように、即ち路面に対し垂直になるようにロータ軸15aが調整されている。
このロータ軸15aに回転自在に支持されたロータ15は、駆動部5のバッテリ(図示せず)を駆動源として回転駆動され、固定子をなすロータ軸15aとこのロータ軸15aの外側に形成される回転子をなすロータ15とは、所謂アウタロータ型モータを構成する。
ところで、ロータ15を回転させるための駆動方法は、上述のような電気式のものに限ることなく、ベルトやチェーン駆動等の機械式のものであってもよい。
【0017】
また、図4に示すように、このロータ15の近傍には、コイル或いは磁気抵抗素子で構成される磁気センサ(回転数検出手段)18が、また、ロータ15の外周には等間隔で磁気媒体19が配設され、上記磁気センサ18は、コンパレータ(比較判定手段)20に接続されている。したがって、磁気センサ18がこのロータ15の回転に伴う磁束変化を検出することにより、ロータ15の回転数が検出され、コンパレータ20によって、検出された回転数を所定の回転数に対し比較判定することができる。かかる判定結果によって、補助輪進退手段14は、補助輪14aを車体2内に後退させたり、車体2外に進出させたりする。
尚、ロータ15の回転数を検出する手段には、上述の磁気式エンコーダに限ることなく、光学式エンコーダやロータリポテンショメータ、タコメータジェネレータなどであってもよいことはもちろんである。
【0018】
そして、図2,3に示すように、車体姿勢制御手段6は、アウタジンバル軸の一端17aが車体2に対し回動自在に第1支持部材21により支持されるとともに、本実施の形態では、アウタジンバル軸の他端17bが駆動部5のアクチュエータ22のロータに連設され、当該アクチュエータ22のステータが第2支持部材23により支持される。したがって、アウタジンバル軸の他端17bは、第2支持部材23によって車体2に対し回動自在に支持される態様をなす。ところで、第1支持部材21及び第2支持部材23は車体2に固着されている。
かかるアクチュエータ22は、操舵角センサ10や後に詳述する車体傾斜センサ11からの制御信号に基づく回転トルクをアウタジンバル軸に付与するものである。このアクチュエータ22は、アウタジンバル軸に回転トルクを付与し得るものであれば、電気方式のものに限らず油圧や空気圧方式のものであってもよいことはもちろんである。
ところで、本実施の形態では、車体姿勢制御手段6を駆動部5の直前に配設した場合について説明したが、これに限ることはなく、車両の操縦性・安定性や高速回転するロータ15のドライバ7に対する安全性等が確保されれば、いずれの位置に配設するようにしたものであってもよい。また、車体姿勢制御手段6を直列に複数個配列するようにしたものであってもよい。
【0019】
上記車体傾斜センサ11は、図5に示すように、筐体24の上面に揺動自在に吊着された振子25と、振子25の下部に固着されたコイル26と、筐体24の側面に固着されたヨーク27に、上記コイル26に対し磁気的に係合するように配設されたマグネット28とを備え、更に、振子25の最下端に磁気素子を互いに対向させて配設した変位検出器29と、変位検出器29にその入力側が接続するとともに、その出力側がコイル26に接続するサーボ増幅器30と、コイル26に流れる電流を出力電圧として取り出すための読み取り抵抗31とを備えている。
かかる車体傾斜センサ11においては、左折又は右折する際、車体2に同図中A又はB方向の加速度が加わると、振子25が慣性で逆向きに動こうとするので、この動きを変位検出器29で検出し、かかる検出信号で振子25を元の位置に戻すようにコイル26に電流を流して上記加速度による力とバランスさせ、この時の電流を読み取り抵抗31を介して出力電圧として取り出す。取り出された出力電圧は、加速度の大きさに比例しており、一方、振子25の傾斜量(=車体2の傾斜量)もまたこの加速度の大きさに比例しているので、かかる出力電圧によって、車体2を傾斜させるための加速度に対応する車体傾斜量を検出できる。
尚、車体傾斜センサ11は、本実施の形態では、振り子式の加速度センサを用いたが、シリコン半導体を用いたひずみゲージなどでもよいことは言うまでもない。
【0020】
ところで、上述した操舵角センサ10は、ドライバ7が左折や右折の際に操作するハンドル9の操舵方向及び操舵角度を検出することができるものであれば、電磁式や光電式センサのものでも、或いはホール素子等を用いた半導体センサのものであってもよい。
また、上述した補助輪進退手段14は、車体2に配設された一対の補助輪14aを車体2内に後退させたり車体2外に進出させたりすることができるものであればいかなる機構をなすものであってもよい。本実施の形態では、図1に示すように、駆動部5から延出したアーム14bに補助輪14aを取り付けたキャスタ14cを連結し、アーム14bを回転させることにより補助輪14aを車体2内に後退させたり車体2外に進出させたりするようにしたものである。
【0021】
次に、このような構成の自立型自動二輪車1の動作について、図6,7を参照して説明する。尚、自立型自動二輪車1は、従来の自動二輪車と同様の機能・性能で走行することができるが、ここでは、直進走行及び左折又は右折走行についてのみ説明する。
まず、本自動二輪車1が始動してから直進走行を経て停止するまでの動作について説明する。
停止状態にあるときには、本自動二輪車1は、図6(A)に示すように、車体2の転倒を防止するために、補助輪14aが車体2外に進出して路面に接地している。
そして、ドライバ7は、運転席8に着座しハンドル9を握るとともに、スタータなどで駆動部5を始動する。これに伴いロータ15が回転し始める。ロータ15の回転数が磁気センサ18で検出され、コンパレータ20により所定の回転数と比較されて所定の回転数より大きいと判定されると、補助輪進退手段14により補助輪14aが車体2内に後退し、本自動二輪車1は、所謂アイドリング状態を維持しつつ図6(B)の状態になる。
【0022】
しかるに、このようなアイドリング状態であってもロータ15の回転数が所定の回転数以上であれば、車体2が左方向又は右方向に傾斜しようとして、第1支持部材21及び第2支持部材23を介して車体姿勢制御手段6に左回転方向又は右回転方向のトルク(外力)が加わると、車体姿勢制御手段6には、このトルクに釣り合う右回転方向又は左回転方向のジャイロモーメント、即ち車体2を右方向又は左方向に傾斜させようとするトルクが発生するので、車体2の傾斜が防止され、補助輪14aを車体2内に後退させたままでも車体2は転倒しない。また、ドライバ7は運転席8に着座してハンドル9を握っているだけでよい。
ところで、車体傾斜センサ11は、車体傾斜量を逐次検出しており、外力に基づくモーメントと車体姿勢制御手段6からのジャイロモーメント(及び車体2に作用する重力に基づくモーメントも含む)間のバランスが失われるときには、アクチュエータ22に所定方向の回転指示を与え、車体姿勢制御手段6に発生するジャイロモーメントを増減して、車体2を左方向又は右方向に傾斜させないように、即ち路面に対し垂直状態が維持されるようにしていることはもちろんである。
【0023】
このような状態から、ドライバ7は、従来型自動二輪車と同様のクラッチ操作等をして直進走行させることができる。
ところで、直進しているときに車体2が左方向又は右方向に傾斜しても、上述したのと同様に、車体姿勢制御手段6には、車体2が左方向又は右方向に傾斜しようとするのを防止するジャイロモーメントが発生するので、ドライバ7は、体重の移動をすることなく車体2に対し静態しているだけでよい。この場合にも、車体傾斜センサ11は、車体傾斜量を逐次検出しており、上記モーメント間のバランスが失われるときには、上述のようにしてジャイロモーメントを増減し、車体2を路面に対し垂直状態に維持していることはもちろんである。
【0024】
次に、本自動二輪車1が左折又は右折する場合について、図7を参照して説明する。
尚、図7(A)は左折する場合、また、図7(B)は右折する場合を車体後方からそれぞれ見たものである。
本自動二輪車1が左折する場合、ドライバ7がハンドル9を緩やかに、場合により急速に左に切ると、操舵角センサ10がそのハンドル9の操舵方向及び操舵角度を検出し、この検出信号によりアクチュエータ22は、アウタジンバル軸の一端17a、他端17bに車体2の後方から見て右回転方向のトルクを付与する。すると、かかるトルクにより車体姿勢制御手段6には歳差運動が生じ、この軸に左回転方向のトルク、即ちジャイロモーメントが発生するので、車体姿勢制御手段6は、ハンドル9を切る前の元の水平状態を維持し続ける一方、かかるモーメントにより、車体2には第1支持部材21及び第2支持部材23を介して左回転方向のトルクが付与され、車体2は左方向に傾斜する。このような車体2の傾斜に伴い、車体2には重力によって更にこれを左方向に傾斜させようとするモーメント、この更なる傾斜を阻止しようとする車体姿勢制御手段6からのジャイロモーメントが作用する一方、遠心加速度(車速が一定の場合)に基づく遠心力によって車体を右方向に傾斜させようとするモーメント、即ち車体2の傾斜を阻止しようとするモーメントが作用する。
【0025】
しかるに、車体傾斜センサ11は、かかる加速度に対応する車体傾斜量を逐次検出し、この検出信号に応じた回転方向及び大きさのトルクをアクチュエータ22により発生せしめるようにしており、例えば、この時の加速度に対応する車体傾斜量が十分でない場合には、車体傾斜センサ11がアクチュエータ22に所定の回転指示を与えると、上述のようにして車体姿勢制御手段6に発生するジャイロモーメントに基づき、車体2には左回転方向のトルクが付与され、車体2は当該加速度に対応する車体傾斜量まで傾斜する。そして、本自動二輪車1は、その時の遠心力に基づくモーメント、重力に基づくモーメント及び車体姿勢制御手段6からのジャイロモーメント間のバランスを維持しつつ左折する(図7(A))。
【0026】
また、ドライバ7がハンドル9を更に左に切ると、上述したのと同様に、操舵角センサ10がこれを検出し、車体姿勢制御手段6にアクチュエータ22からの増分トルクに対応したジャイロモーメントが発生し、かかるモーメントに基づき車体2は左方向に更に傾斜する。しかるに、この時の加速度に対応する車体傾斜量が大き過ぎる場合には、アクチュエータ22からの減分トルクに対応したジャイロモーメントが発生し、かかるモーメントに基づき、車体2は、この時の加速度に対応するように右方向に回転して車体傾斜量が修正される。
【0027】
このように本自動二輪車1では、車体傾斜センサ11がその時の加速度に対応すべき車体傾斜量を逐次検出しており、この検出結果に応じた回転トルクをアクチュエータ22より発生せしめ、車体姿勢制御手段6に発生するジャイロモーメントで車体2を所定量傾斜させ、常に、車体2の傾斜方向を車体重心に作用する合力の方向と一致させるとともに、その時の遠心力に基づくモーメント、重力に基づくモーメント及び車体姿勢制御手段6からのジャイロモーメント間のバランスを維持しつつ左折することができ、したがって、ドライバ7は、体重の移動をさせることなく車体2に静態しているだけでよい。
尚、右折する場合にも左折する場合に準じ同様な車体姿勢制御がなされるので、車体2はその後方から見て右方向に傾斜するが(図7(B))、ドライバ7は、体重の移動をさせることなく車体2に静態しているだけでよい。
ここで、上述の車体重心に作用する合力とは、車速が一定の場合には、遠心加速度による遠心力と車体重心に作用する重力との合力であるが、車速が変化している場合やコリオリの加速度などをも考慮しなければならない場合には、車体傾斜量は、これらの加速度を考慮した合力に基づくものでなければならない。
【0028】
ところで、例えば車体2が直進しているときに、車体2が左方向又は右方向に傾斜しても、車体姿勢制御手段6がこれを防止するジャイロモーメントを発生するので、車体2を路面に対し垂直状態に維持させつつ直進走行できる、ことについては上述した。しかし、図8(A)のように車体2に偏荷重Wが作用し続ける場合、直進走行しているのに車体が傾斜した状態のままになる不具合が生じてしまう。そこで、このような不具合を解消する必要がある。このような不具合の解消方法の一例を、バランスウエイト41を備えた自立型自動二輪車40を用いて、図8(A)〜(C)を参照して説明する。尚、これらの図は、車体後方からそれぞれ見たものである。
【0029】
車体2が直進しているときに、図8(A)のように、例えば当該車体2の左端に偏荷重Wが作用して車体2が左方向に傾斜したとすると、車体姿勢制御手段6には、このトルクに釣り合う右回転方向のジャイロモーメント、即ち車体2を右方向に傾斜させるトルクが発生して、偏荷重Wに基づくモーメント(及び車体2に作用する重力に基づくモーメントも含む)によって生ずるアンバランスを相殺する。このとき、車体2は、上記アンバランスの相殺のために、図8(B)のように右方向に傾斜する状態となっている。しかし、このような右方向に傾斜した状態のままで直進することは、不自然である。そこで、車体2に傾斜量が残存するとき、本実施の形態では車体2が右方向に傾斜した状態のままになるときには、車体2を路面に対し垂直になるようにすべく図8(C)のように、車体2の重心線上に備えられたバランスウエイト41をボールネジ機構42により車体2の、例えば右端に移動させるとともに、車体姿勢制御手段6に車体2を左方向に傾斜させるトルクを発生せしめて車体2を路面に対し垂直状態に維持させ、直進走行しているのに車体2が傾斜した状態のままになる不具合を解消する。ところで、バランスウエイト41を移動させる手段としては、本実施の形態のようなボールネジ機構42に限ることなく、バランスウエイト41を振り子のように移動させるようにしたものであってもよい。
尚、移動する前のバランスウエイト41は、図8(A),(B)のように、車体2が路面に対し垂直状態にあるときの当該車体2の重心線上に位置している。
【0030】
また、上述したように、車体2が直進しているときに、車体2が左方向又は右方向に傾斜しても、車体姿勢制御手段6がこれを防止するジャイロモーメントを発生するので、車体2を路面に対し垂直状態に維持させつつ直進走行できるが、車体姿勢制御手段6に生ずるメカニカルロス等のために、車体2に傾斜量が残存したり、場合により傾斜量が漸増したりする不具合が生ずることがある。そこで、このような不具合を解消しなければならないが、その解消方法の一例として、上述したバランスウエイト41をボールネジ機構42により移動させる方法を採ることができる。
【0031】
即ち、車体2が左方向又は右方向に傾斜しようとして、車体姿勢制御手段6に左回転方向又は右回転方向のトルク(外力)が加わると、車体姿勢制御手段6には、このトルクに釣り合う右回転方向又は左回転方向のジャイロモーメント、即ち車体2を右方向又は左方向に傾斜させようとするトルクが発生する一方、車体傾斜センサ11は、車体傾斜量を逐次検出しており、これらトルク間のバランスが失われるときには、上述のように車体姿勢制御手段6で発生するジャイロモーメントが増減されるため車体2は路面に対し垂直状態に維持される。ところが、車体姿勢制御手段6のメカニカルロス等のために、車体傾斜が修正されずに傾斜量が残存したり、場合により傾斜量が一方向に漸増したりすると、例えば図8(B)のように車体2が傾斜した状態になってしまう。このような状態で直進することは、上述同様に不自然である。そこで、車体2を路面に対し垂直になるようにすべく車体2の重心線上に備えられたバランスウエイト41をボールネジ機構42により車体2の適宜位置に移動させて車体2を路面に対し垂直状態に維持させ、直進走行にもかかわらず車体2が傾斜した状態のままになる不具合を解消する。
【0032】
また、車体姿勢制御手段6は、上述したように、アクチュエータ22による回転トルク(Tとする)が付与されると、この回転トルクTに釣り合うジャイロモーメントを発生する。この場合、車体姿勢制御手段6に生ずる歳差運動の角速度Ωが、Ω=T/Jωで与えられるので(ロータ軸15a廻りのロータ15の慣性モーメントをJ、角速度をωとしている)、かかる角速度Ωは、慣性モーメントJが大きく、且つ角速度ωが大きい場合には、極めて小さいものとなり、このようなときには、車体姿勢制御手段6はほとんど傾斜せず、ロータ軸15aは、ほぼ路面に対し垂直状態を維持し続ける。しかも、ジャイロモーメントは、JωΩで与えられるので、極めて大きいものとなり、容易に車体2の姿勢制御を行える。
【0033】
また、従来の自動二輪車の車体には、通常、ドライバを風雨等から防護するためのサイドメンバやルーフ等は設けられていないが、図1に示すように、本自動二輪車1のように、サイドメンバ2aやルーフ2bを設けた車体構造にすると、ドライバ7にとって居住性が向上する。尚、本自動二輪車1は、従来の自動二輪車と同様に二人乗りすることも可能であることは言うまでもない。
また、本実施の形態では、本自立型自動車両が自立型自動二輪車を構成する場合について説明したが、例えば後輪が二つの自動三輪車を構成する場合であっても同様である。
【0034】
【発明の効果】
本発明の自立型自動車両によれば、車体に対し静態するドライバの要求に応じて車体の姿勢を制御しつつ自立走行可能となるので、運転が容易になる。
また、本発明の自立型自動車両によれば、車体に生ずる偏荷重のために、及び/又は車体姿勢制御手段に生ずるメカニカルロス等のために、車体が傾斜した状態が残存する不具合、例えば、直進走行にもかかわらず車体が傾斜した状態のままになってしまう不具合等が解消される。
また、本発明の自立型自動車両によれば、当該自立型自動車両が自動二輪車のような車輪が二つの車両の場合、車体に対し静態するドライバの要求に応じて自立走行可能で、車体の転倒防止のためにドライバが車体を支えるのを強いられることがないので、運転時の負担が軽減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る自立型自動二輪車の概略を示す斜視図である。
【図2】図1の車体姿勢制御を行う部位の一部断面を含む平面図である。
【図3】図2の一部断面を含む側面図である。
【図4】本自立型自動二輪車のロータの回転数に対する比較判定のための構成図である。
【図5】本自立型自動二輪車の車体傾斜センサの断面構成図である。
【図6】本自立型自動二輪車の直進走行及び停止状態の説明図である。
【図7】本自立型自動二輪車の左折又は右折走行の説明図である。
【図8】本実施の形態に係る他の自立型自動二輪車の動作説明図である。
【符号の説明】
1,40 自立型自動二輪車
2 車体
5 駆動部
6 車体姿勢制御手段
10 操舵角センサ(操舵方向検出手段)
11 車体傾斜センサ(車体傾斜量検出手段)
14 補助輪進退手段
15 ロータ
15a ロータ軸
16 インナジンバル
16a,16b インナジンバル軸
17 アウタジンバル
17a 一端(アウタジンバル軸の)
17b 他端(アウタジンバル軸の)
18 磁気センサ(回転数検出手段)
20 コンバレータ(比較判定手段)
21 第1支持部材
22 アクチュエータ
23 第2支持部材
41 バランスウエイト
Claims (4)
- ロータ軸に回動自在に支持されたロータと、前記ロータ軸を支持するインナジンバルと、該インナジンバルを前記ロータ軸に垂直な軸廻りに回動自在に支持するアウタジンバルとを備えた車体姿勢制御手段と、
左折や右折する際のハンドル操舵方向を検出する操舵方向検出手段と、
車体の傾斜量を検出する車体傾斜量検出手段と、
前記アウタジンバルのアウタジンバル軸の一端を前記車体に回動自在に支持する第1支持部材と、
前記アウタジンバルのアウタジンバル軸の他端を前記車体に回動自在に支持する第2支持部材と、
前記操舵方向検出手段及び車体傾斜量検出手段の検出信号に応じた回転トルクを前記アウタジンバル軸に付与するアクチュエータと、
前記ロータに回転駆動力を供給する駆動部と
を有することを特徴とする自立型自動車両。 - 前記車体姿勢制御手段は、前記車体の重心方向に平行なロータ軸に回動自在に支持されたロータと、該ロータを囲繞するとともに、前記ロータ軸の両端部を支持し、該ロータ軸に垂直な一対のインナジンバル軸を設けたインナジンバルと、該インナジンバルを囲繞するとともに、前記インナジンバルを、そのインナジンバル軸を介して回動自在に支持するアウタジンバルとを備え、前記アウタジンバルの軸線は、前記ロータ軸に垂直で、且つ前記インナジンバル軸に垂直をなすとともに、前記車体の進行方向と平行をなすことを特徴とする請求項1に記載の自立型自動車両。
- 前記車体に生ずる偏荷重のために、及び/又は前記車体姿勢制御手段に生ずるメカニカルロス等のために、前記車体が傾斜した状態が残存するときに、この残存する当該車体の傾斜を取り除くべくこの車体の重心線上に備えられたバランスウエイトをこの車体の適宜位置に移動させるようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の自立型自動車両。
- 前記ロータの回転数を検出する回転数検出手段と、
該回転数検出手段によって検出された回転数を所定の回転数と比較判定する比較判定手段と、
該比較判定手段の判定結果に応じて、前記車体に配設された補助輪を前記車体内に後退させたり当該車体外に進出させたりする補助輪進退手段と
を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の自立型自動車両。
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