JP2007186184A - 車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】急激な加減速時など、安定な姿勢の維持が困難な走行状態にあっても、倒立振り子による姿勢制御を利用する従来の車両より高い走行安定性を付与できる車両を提供すること。
【解決手段】本発明の車両によれば、走行状態検出手段により検出された自車両の走行状態が予め定められた状態であると、走行状態判断手段によって判断された場合には、回転子制御手段によって、アームが回動されて回転子が路面に接地される。走行面に接地された回転子は、車両の移動(車輪の回転駆動)に伴って、路面との接触により生じる摩擦によって回転し、補助輪として機能する。その結果、安定な走行性を得るために必要とされる搭乗部の重心移動範囲を、車輪の中心と補助輪の中心との間にまで広げることができ、倒立振り子による姿勢姿勢制御のみでは得られない走行安定性を付与することができる。
【選択図】図4

Description

本発明は、倒立振り子による姿勢制御を利用する車両に関し、特に、急激な加減速時など、搭乗部の姿勢安定性の維持が困難な走行状態にあっても、倒立振り子による姿勢制御を利用する従来の車両より高い走行安定性を付与できる車両に関する。
近年、倒立振り子による姿勢制御を利用した車両(以下、単に「倒立振り子車両」と称する)が実用化されつつあり、この倒立振り子車両における姿勢制御に関する種々の技術が提案されている。
例えば、特開2004−276727号公報(特許文献1)には、同軸上に配置された2つの駆動輪を有し、運転者の重心移動による駆動輪の姿勢を感知して駆動する技術が提案されている。
また、特開2004−129435号公報(特許文献2)には、1個の車輪により移動する搬送装置において、筺体の角度に基づいてカウンタウェイトを移動させて重心移動を行うことによって、筺体の姿勢を保つ技術が開示されている。
これらの特許文献1に記載される人用移動機器や特許文献2に記載される搬送装置を始めとする倒立振り子車両は、運転者の重心移動量やリモコン操作量に応じた駆動力を発生させ、前後方向(進行方向とその逆方向)のバランス保持のための姿勢制御を行いながら走行するように構成されている。
特許文献1に記載される二輪車や特許文献1に記載される一輪車の場合には、乗員の傾き又は乗員が搭乗する搭乗部の傾斜によって車両の重心が移動するので、バランサの移動方向を、車両の重心移動方向と反対方向とすることによって姿勢の制御を行っている。
特開2004−276727号公報 特開2004−129435号公報
しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載されるような倒立振り子による姿勢制御は、バランサと車両重心との釣り合いによって成立するので、バランサ及び車両重心の移動可能範囲を超えて姿勢制御を行うことはできない。そのため、走行状態(加減速量、走行速度など)によっては、不十分な姿勢制御によって安定な姿勢の維持が困難となり、その結果として、走行不安定に陥り、危険が生じるという問題点があった。
例えば、急加減速時のように車両の重心移動量が大きくなる(即ち、乗員や搭乗部の傾斜が大きくなる)場合に、必要とされる重心移動量がバランサの移動可能範囲を超えてしまうと、姿勢制御を十分に行うことができず危険である。
また、このような急加減速のように走行状態が急激に変化する場合には、動作の遅れによって、姿勢制御が間に合わず、やはり危険であるという問題点もあった。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、急激な加減速時など、安定な姿勢の維持が困難な走行状態にあっても、倒立振り子による姿勢制御を利用する従来の車両より高い走行安定性を付与できる車両を提供することを目的としている。
この目的を達成するために、請求項1記載の車両は、乗員が乗車可能な搭乗部を含む車体と、前記車体に設けられる一対の車輪と、前記車体に設けられた回動軸を中心として回動するアームと、そのアームにおける前記回動軸とは異なる位置の端部に回転可能に設けられた回転子と、前記車体の傾斜量である車体傾斜量を検出する車体姿勢検出手段と、その車体姿勢検出手段により検出された車体傾斜量に応じて、前記アームを回動させ、前記車体の姿勢制御を行う第1の姿勢制御手段と、自車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、その走行状態検出手段により検出された走行状態が、予め定められた状態であるか否かを判断する走行状態判断手段と、その走行状態判断手段により、予め定められた状態であると判断された場合に、前記アームを回動させて前記回転子を路面に接地させる回転子制御手段とを備えている。
請求項2記載の車両は、請求項1記載の車両において、前記走行状態検出手段は、加速度を検出するものであり、前記走行状態判断手段は、前記走行状態検出手段によって検出された加速度の絶対値が閾値を超えた場合に、予め定められた状態であると判断する。
請求項3記載の車両は、請求項2記載の車両において、前記回転子制御手段は、前記走行状態検出手段によって検出された加速度の値が正の値である場合には、進行方向とは逆方向側の路面に前記回転子を接地させ、一方、負の値である場合には、前記進行方向側の路面に前記回転子を接地させる。
請求項4記載の車両は、請求項1から3のいずれかに記載の車両において、前記走行状態検出手段は、走行速度を検出するものであり、前記走行状態判断手段は、前記走行速度検出手段により検出された走行速度が閾値を超えた場合に、予め定められた走行状態であると判断する。
請求項5記載の車両は、請求項1から4のいずれかに記載の車両において、前記アームは、アクチュエータにより該アームの長さを伸縮する伸縮手段を備え、前記伸縮手段は、前記走行状態検出手段によって検出された走行状態に基づいて前記アームの長さを伸縮する。
請求項6記載の車両は、請求項1から5のいずれかに記載の車両において、前記回転子制御手段による路面への前記回転子の接地を行う場合に、前記走行状態検出手段により検出された走行状態に応じた前記車体傾斜量の目標値を取得する車体傾斜目標値取得手段と、前記車体傾斜目標値取得手段によって取得された目標値に基づいて、前記車体傾斜量を変化させる第2の姿勢制御手段を備えている。
請求項7記載の車両は、請求項6記載の車両において、前記回転子制御手段による路面への前記回転子の接地を行う場合に、前記車体姿勢検出手段により検出された車体傾斜量に応じて、前記車体に対する前記搭乗部の相対的な傾斜量である搭乗部傾斜量の目標値を取得する搭乗部傾斜目標値取得手段を備え、前記第2の姿勢制御手段は、前記車体傾斜目標値取得手段によって取得された目標値に基づいて、前記車体傾斜量を変化させると共に、前記搭乗部傾斜目標値取得手段によって取得された目標値に基づいて、前記搭乗部傾斜量を変化させる。
請求項8記載の車両は、請求項7記載の車両において、前記搭乗部傾斜量を検出する搭乗部姿勢検出手段と、その搭乗部姿勢検出手段により検出された搭乗部傾斜量と前記搭乗部傾斜目標取得手段により取得された搭乗部傾斜量の目標値とに基づいて、前記車体傾斜目標値取得手段により取得された車体傾斜量の目標値に対する修正値を取得する目標修正値取得手段とを備え、前記第2の姿勢制御手段による前記車体傾斜量の変化は、前記車体傾斜目標値取得手段によって取得された目標値と前記目標修正値取得手段により取得された修正値とに基づいて行われる。
請求項1記載の車両によれば、車体姿勢検出手段によって検出された車体の傾斜量である車体傾斜量に応じて、第1の姿勢制御手段により、車体に設けられたアームが回動軸を中心として回動され、該アームにおける回動軸とは異なる位置の端部に設けられている回転子の重量との釣り合いを取ることによって車体の姿勢が制御される。
その一方で、走行状態検出手段により検出された自車両の走行状態が予め定められた状態であると、走行状態判断手段によって判断された場合には、回転子制御手段によって、アームが回動されて回転子が路面に接地される。
ここで、回転子は、アームの先端に回転可能に設けられているので、回転子が路面に接地されると、該回転子は、車両の移動(車輪の回転駆動)に伴って、路面との接触により生じる摩擦によって回転される。その結果、回転子が補助輪として機能することになる。
よって、自車両の走行状態が予め定められた状態であると判断された場合に、路面に接地された回転子を補助輪として機能させることにより、安定な走行性を得るために必要とされる搭乗部の重心移動範囲を、車輪の中心と補助輪の中心との間にまで広げることができる。よって、二輪車に対して行われる姿勢制御(倒立振り子)ほどの制御の厳密性が緩和され、例えば、倒立振り子による姿勢制御が困難な走行状態を、走行状態判断手段により判断される「予め定められた状態」とすることにより、このような倒立振り子による姿勢制御が困難となり得る状態であっても、安定な走行が可能となるという効果がある。
また、アームの長さを短くした場合、スペース的には有利になるが、その分、倒立振り子による姿勢制御効果が小さくなる。しかし、そのような倒立振り子による姿勢制御効果の減少を、回転子を路面に接地させて補助輪として機能させることによって補うことができる。よって、アームや回転子などから構成される倒立振り子兼補助輪を、設置スペースとして有利な搭乗部(座席)の下などに設置できる程度にコンパクトな大きさとした場合であっても、倒立振り子による姿勢制御のみでは得られない十分な走行安定性を得ることができるという効果がある。
また、請求項1記載の車両よれば、一対の車輪を有する二輪車を、都合(走行状態)に応じて、回転子を補助輪とする三輪車として使い分けることができる。即ち、静止時には停車スペース的に有利であるが、その一方で、走行不安定を生じ易い二輪車を、走行状態に応じて三輪車に変態させることによって、高い走行安定性を付与することができるという効果がある。
また、都合(走行状態)に応じて、二輪車と三輪車とが使い分けられることによって、通常の三輪車に比べて燃費が向上するという効果がある。
また、回転子が、倒立振り子の錘としての役割と、補助輪としての役割とを兼ね備えるので、バランサと補助輪とを別々に設ける必要がなく、部品点数の低減による構造の簡素化を図ることができると共に、設置スペース的に有利である。その結果、部品コストや組立コストなどのコスト削減を図ることができると共に、軽量化及び小型化を図ることができるという効果がある。また、姿勢制御系統を一括化することができるので、制御の複雑化を防止できるという効果がある。
請求項2記載の車両によれば、請求項1記載の車両の奏する効果に加えて、走行状態検出手段により検出された加速度の絶対値が閾値を超えた場合に、走行状態判断手段により、予め定められた状態であると判断される。その結果、加速度の絶対値が大きい、即ち、急加減速が検出された場合に、回転子制御手段により回転子が路面に接地されて、該回転子が補助輪として機能することになる。よって、急加減速のように倒立振り子による姿勢制御が困難となり得る状態であっても、安定な走行が可能となるという効果がある。
なお、走行状態検出手段により検出される加速度は、乗員による加速度の入力指示量であってもよいし、センサなどによって検出された加速度であってもよい。特に、走行状態検出手段により検出される加速度が、乗員による入力指示量である場合には、乗員の加減速指示に連動して回転子制御手段が実行されるので、特に安全である。
請求項3記載の車両によれば、請求項2記載の車両の奏する効果に加えて、走行状態検出手段によって検出された加速度の値が正の値である場合には、進行方向とは逆方向側の路面に回転子が接地され、一方、負の値である場合には、進行方向側の路面に回転子が接地される。
よって、閾値を超える急加速である場合には、回転子が車体の進行方向とは逆方向側(例えば、前進中の場合には、車両の後方側)の路面に接地されるので、急加速によって搭乗部の重心が進行方向とは反対側に移動することがあっても、安定な姿勢が確実に保たれ、安定な走行が可能である。
一方で、閾値を超える急減速である場合には、回転子が車体の進行方向(例えば、前進中の場合には、車両の前方側)に接地されるので、急減速によって搭乗部の重心が進行方向移動することがあっても、安定な姿勢が確実に保たれ、安定な走行が可能である。
このように、急加減速時には、その加減速方向に応じて回転子の接地場所が決められるので、安定な走行が可能であるという効果がある。
請求項4記載の車両は、請求項1から3のいずれかに記載の車両の奏する効果に加えて、走行状態検出手段により検出された走行速度の絶対値が閾値を超えた場合に、走行状態判断手段により、予め定められた状態であると判断される。その結果、走行速度の絶対値が大きい、即ち、高速走行が検出された場合に、回転子制御手段により回転子が路面に接地されて、該回転子が補助輪として機能することになる。よって、高速走行のように倒立振り子による姿勢制御が困難となり得る状態であっても、安定な走行が可能となるという効果がある。
なお、走行状態検出手段により検出される走行速度は、乗員による走行速度の入力指示量であってもよいし、センサなどによって検出された量であってもよい。特に、走行状態検出手段により検出される走行速度が、乗員による入力指示量である場合には、乗員の走行速度指示に連動して回転子制御手段が実行されるので、特に安全である。
請求項5記載の車両によれば、請求項1から4のいずれかに記載の車両の奏する効果に加えて、走行状態検出手段によって検出された走行状態に基づいて、伸縮手段によって、アームの長さがアクチュエータにより伸縮される。
ここで、例えば、走行状態検出手段によって検出された走行状態が、回転子制御手段を実行する条件とされる予め定められた走行状態である場合に、伸縮手段により、アームの長さを伸長させることにより、安定な走行を得るために必要とされる搭乗部の重心移動範囲を、アーム伸長以前に比べてより拡張することができる。その結果として、アーム伸長以前の状態で回転子を路面に接地させた場合より確実な走行安定性を実現できるという効果がある。
一方で、例えば、走行状態検出手段によって検出された走行状態が、回転子制御手段を実行する条件とされる予め定められた走行状態でなく、姿勢制御手段による姿勢制御が行われる、即ち、自車両が二輪車として走行される場合に、伸縮手段により、アームの長さを収縮(短縮)させることにより、二輪走行の際には、アーム及び回転子を配置するための設置スペースを小さくすることができ、全体の小型化に寄与し得るという効果がある。
請求項6記載の車両によれば、請求項1から5のいずれかに記載の車両の奏する効果に加えて、回転子制御手段による路面への回転子の接地が行われる場合に、走行状態検出手段により検出された走行状態に応じた車体傾斜量の目標値が車体傾斜目標値取得手段によって取得される。そして、第2の姿勢制御手段によって、車体傾斜量が、車体傾斜目標値取得手段によって取得された目標値に基づいて変化(調整)される。よって、回転子が路面に接地され場合には、第2の姿勢制御手段によって車体傾斜量が走行状態に応じて調整されるので、路面への回転子の接地と車体傾斜量の調整とによって走行安定性が相乗的に向上するという効果がある。
例えば、車体傾斜目標値取得手段により取得される目標値を、走行状態としての加減速量及びその方向に応じて、車両全体の重心が回転子の中心と車輪の中心と間に位置する値とすることにより、第2の姿勢制御手段による車体傾斜量の調整の結果、車両全体の重心を、路面に接地された回転子の中心と車輪の中心との間、即ち、ホイールベース間に位置させることができる。そのため、走行安定性を有効に向上させることができる。なお、この場合、車体傾斜量の調整のみでは車両全体の重心がホイールベース間からは若干逸脱するが、車体傾斜量の調整に付随する他の量の調整(例えば、本体に対する搭乗部の傾斜量を変更すること)を行った結果として、最終的に、ホイールベース間に位置される値を、車体傾斜目標値取得手段により取得される目標値として含めてもよい。
あるいは、車体傾斜目標値取得手段により取得される目標値を、走行状態(例えば、加減速量や走行速度)に応じた平衡軸のなす角度(釣り合い角度)とすることにより、走行時の車両バランスが安定するので、走行安定性を有効に向上させることができる。
請求項7記載の車両によれば、請求項6記載の車両の奏する効果に加えて、回転子制御手段による路面への前記回転子の接地が行われる場合に、車体姿勢検出手段により検出された車体傾斜量に応じた搭乗部傾斜量(車体に対する搭乗部の相対的な傾斜量)の目標値が、搭乗部傾斜目標値取得手段によって取得される。そして、第2の姿勢制御手段によって、車体傾斜量が、車体傾斜目標値取得手段によって取得された目標値に基づいて変化(調整)されると共に、搭乗部傾斜量が、搭乗部傾斜目標値取得手段によって取得された目標値に基づいて変化(調整)される。
よって、回転子が路面に接地され場合には、第2の姿勢制御手段によって車体傾斜量が調整されると共に、車体に対する搭乗部の相対的な傾斜量である搭乗部傾斜量が、車体傾斜量に応じた値に調整される。そのため、路面への回転子の接地による走行安定性を向上させる際に、搭乗部に乗車する乗員の姿勢を車体傾斜量に応じて調整することができるという効果がある。
ここで、例えば、搭乗部傾斜目標値取得手段によって取得する目標値を、乗員の傾き(搭乗軸)を進行方向に対して略直行させる値とすることによって、第2の姿勢制御手段による搭乗部傾斜量の変更(調整)の結果、乗員の傾きが進行方向に対して常時略直交するように保たれることになる。そのため、乗員の視界を常時安定させることができ、乗員に安心感を与えることができる。
また、搭乗部傾斜目標値取得手段によって取得する目標値を、乗員の傾き(搭乗軸)と車両の平衡軸とを略平行にする値とすることによって、乗員に作用する慣性力がおよそ消失され、乗員による加速や減速の体感を鈍感にすることができる。さらに、搭乗部傾斜目標値取得手段によって取得する目標値に応じて、車両の平衡軸に対する乗員の傾きを調整できるので、乗員の体感する加速度を調整することもできる。
請求項8記載の車両によれば、請求項7記載の車両の奏する効果に加えて、搭乗部姿勢検出手段により検出された搭乗部傾斜量と搭乗部傾斜目標取得手段により取得された搭乗部傾斜量の目標値とに基づいて、車体傾斜目標値取得手段により取得された車体傾斜量の目標値に対する修正値が、目標修正値取得手段によって取得される。そして、そのように取得された修正値と車体傾斜目標値取得手段によって取得された目標値とに基づいて、第2の姿勢制御手段による車体傾斜量の変化が行われる。
よって、現状の搭乗部傾斜量から目標値まで搭乗部傾斜量を変更(調整)することに伴う重心移動が、車体傾斜目標値に考慮されるので、車体傾斜量の制御を精密に行うことができ、その結果、走行安定性をより確実に向上させることができるという効果がある。
以下、本発明の好ましい実施の形態について添付図面を参照して説明する。なお、添付図面における矢印U−D,L−R,F−Bは、それぞれ、車両1の上下方向、左右方向、前後方向を示している。
まず、図1〜図3を参照して、本発明の一実施形態における車両1の構成について説明する。図1(a)は、本発明の一実施形態における車両1の正面図であり、図1(b)は、車両1の側面図である。
図2は、バランサ16の構成を説明するための図であり、図2(a)は、図1(a)を簡略化した正面図であり、図2(b)は、図1(b)を簡略化した側面図である。
ここで、図2(a)では、図面の簡略化と後述するバランサ16全体を図示する目的で、フットレスト11cや、アクチュエータ180L、180Rなどの一部構成を省略している。さらに、図2(b)では、図2(a)において省略されている部分に加え、左車輪12Lや左側の支持部材14Lなどの車両1の左側(図2における矢印L側)の一部構成が省略されている。
また、図3は、座席傾斜角可変機構100(100L,100R)の構成を説明するための図であり、図3(a)は、車両1における左側の座席傾斜角可変機構100Lの拡大図であり、図3(b)は、車両1における右側の座席傾斜角可変機構100Rの拡大図である。ここで、図3では、図面を簡略化する目的で、ケース41の図示が省略されている。また、理解を容易にする目的で、図3(a)には左車輪12Lを、また、図3(b)には右車輪12Rを想像線で図示している。また、図1では、乗員Pが座席11aに着座した状態を示し、図2及び図3では乗員Pを省略している。
まず、車両1の概略構成について説明する。車両1は、図1に示すように、乗員Pが乗車する搭乗部11と、その搭乗部11の下方(図1下側)における同軸上に配置される左右(一対)の車輪12L,12Rと、それら左右の車輪12L,12Rに回転駆動力を付与する回転駆動装置52とを備え、回転駆動装置52による両車輪12L,12Rの駆動によって走行するものである。
また、車両1は、左右の車輪12L,12R間に配置されたバランサ駆動装置53と、そのバランサ駆動装置53により駆動されるバランサ16とを備えており、詳細は後述するが、車両1の走行状態(例えば、進行方向、走行速度、加速度量、減速度量(負の加速度量)、制動、停止など)に応じてバランサ16を適宜駆動することによって搭乗部11の姿勢制御を図り、その結果として、走行安定性を向上させることができるように構成されている。
また、車両1は、座席11aの裏面側(矢印U方向)における左右両側(矢印L側及び矢印R側)に座席傾斜角可変機構100(100L,100R)を備えている。この座席傾斜角可変機構100(100L,100R)は、車輪12(12L,12R)と搭乗部11とを連結する連結部を兼ねている。なお、この座席傾斜角可変機構100(100L,100R)の詳細な構成については、図3を参照しつつ後述する。
次いで、各部の詳細構成について説明する。搭乗部11は、図1に示すように、左右の回転駆動装置52(52L,52R)に固定された座席傾斜角可変機構100(100L,100R)により支持されており、座席11a、アームレスト11b、フットレスト11cを主に備えている。
座席11aは、車両1の走行中に乗員Pが着座するための部位であり、乗員Pの尻部を支持する座面部11a1と、乗員Pの背部を支持する背面部11a2とを主に備えて構成されている。
座席11aの左右両側(矢印L側及び矢印R側)には、図1に示すように、乗員Pの上腕部を支持するための一対のアームレスト11bが設けられている。アームレスト11bの一方(矢印R側)には、ジョイスティック装置51が取着されている。乗員Pは、ジョイスティック装置51を操作して、車両1の走行状態(例えば、走行速度、加速度量又は減速度量、制動又は停止、旋回方向、旋回半径、など)を指示する。なお、本実施形態では、車両1の進行方向は、ジョイスティック装置51の操作方向とは無関係に、図示されないスイッチにより指定されるものとする。
座席11aの前方側(矢印F側)下方には、図1に示すように、乗員Pの足部を支持するためのフットレスト11cが配設されている。また、座席11aの底面側(矢印D側)には、上記したように、座席傾斜角可変機構100(100L,100R)が左右両側(矢印L側及び矢印R側)に1つずつ配設されていると共に、これらの座席傾斜角可変機構100L,100Rの間にケース41が配設されている。このケース41は、制御装置70(図5参照)、ジャイロセンサ61(図5参照)などの各種センサ装置、インバータ装置(図示せず)、バッテリー装置(図示せず)などを収納するものである。ここで、図示しないバッテリー装置は、回転駆動装置52やバランサ駆動装置53の駆動源であると共に、制御装置70に制御用の低電圧電源を供給する装置である。なお、本実施形態では、制御装置70などを収納するケース41を、座席11aの底面側に配設するように構成したが、これらを収納するケースが座席11aの後方側(矢印B側)に設けられる構成であってもよい。
バランサ駆動装置53は、バランサモータ53aによる駆動力を用いてバランサ16を駆動する装置であり、右車輪12Rを駆動する回転駆動装置52(Rモータ52R)に固定された支持部材18により、間接的に搭乗部11に固定されている。また、このバランサ駆動装置53は、バランサ16のアーム16aの回動軸となる軸部材53bが、右車輪12Rの回転軸と同軸上に位置するように取り付けられている。
図2に示すように、バランサ16は、軸部材53bの先端に接続されたアーム16aと、そのアーム16における軸部材53bとは反対側の端部に、軸部材16c回りに自由回転可能に取り付けられたタイヤ状(円環状)又は円筒状のウェイト16bと、アーム16aを伸縮させるアクチュエータ16dとから構成されている。
詳細は後述するが、本実施形態のバランサ16におけるウェイト16bは、倒立振り子のウェイトとしての役割を果たすと共に、補助輪の車輪としての役割を果たすので、車輪として一般的に利用される材質(例えば、ゴム(ブタジエンゴム、ウレタンゴムなど)や、金属など)から構成されるものであることが好ましい。
また、このバランサ16におけるアクチュエータ16dは、伸縮式の電動アクチュエータ、即ち、ボールねじ機構(外周面に螺旋状のねじ溝を有するねじ軸と、そのねじ軸のねじ溝に対応する螺旋状のねじ溝を内周面に有しねじ軸に嵌合されるナットと、それらナットとねじ軸の両ねじ溝の間に転動可能に装填された多数の転動体と、ねじ軸又はナットを回転駆動する電動モータとを備え、ねじ軸又はナットが電動モータにより回転駆動されることで、ねじ軸がナットに対して相対移動する機構)を利用した伸縮可能な電動アクチュエータとして構成されている。
座席傾斜角可変機構100は、(100L,100R)は、車体軸(車体軸A(図6参照))に対する座面部11a1の傾斜角度、即ち、搭乗軸(搭乗軸A(図6参照))を変更(調整)して、乗員Pの傾きを調整するものであり、車両1の左側と右側とに、それぞれ、座席傾斜角可変機構100Lと座席傾斜角可変機構100Rとが配設されている。
左側の座席傾斜角可変機構100Lは、図3(a)に示すように、座席11aの裏面側(矢印U方向)に固定されている取り付けフレーム21Lと、取り付けフレーム21Lの略中央にジョイント30Lを介して連結されている支持部材14Lとを有しており、支持部材14Lの他端は、回転駆動装置52Lに固定されている。
取り付けフレーム21Lにおける前方側(矢印F側)の端部には、ジョイント31Laを介してLアクチュエータ180Lが連結されており、このLアクチュエータ180Lの他端はジョイント32Laを介して支持部材14Lの回転駆動装置52L側の端部に連結されている。
一方で、取り付けフレーム21Lにおける後方側(矢印B側)の端部には、ジョイント31Lbを介して左バネ181Lが連結されており、この左バネ181Laの他端はジョイント32Lbを介して支持部材14Lの回転駆動装置52L側の端部に連結されている。
右側の座席傾斜角可変機構100Rは、上記した左側の座席傾斜角可変機構100Lと同様の構成を有している(図3(b)参照)。即ち、座席傾斜角可変機構100Rは、座席11aの裏面側(矢印U方向)に固定されている取り付けフレーム21Rと、一端が取り付けフレーム21Lの略中央にジョイント30Rを介して連結されると共に、他端が回転駆動装置52Lに固定されている支持部材14Rと、一端が取り付けフレーム21Lにおける前方側(矢印F側)の端部にジョイント31Raを介して連結されると共に、他端がジョイント32Raを介して支持部材14Rの回転駆動装置52R側の端部に連結されているRアクチュエータ180Rと、一端が取り付けフレーム21Rにおける後方側(矢印B側)の端部にジョイント31Rbを介して連結されると共に、他端がジョイント32Rbを介して支持部材14Rの回転駆動装置52R側の端部に連結されている右バネ181Rとから構成されている。
なお、Lアクチュエータ180L及びRアクチュエータ180Rは、いずれも、上記したアクチュエータ16dと同様の伸縮式の電動アクチュエータとして構成されている。また、ジョイント30L,31La,31Lb,32La,32Lb,30R,31Ra,31Rb,32Ra,32Rbとしては、ユニバーサルジョイントなどのジョイントを使用することができる。
上記の構成を有する座席傾斜角可変機構100(100L,100R)は、Lアクチュエータ180L及びRアクチュエータ180Rを伸長又は収縮(短縮)することによって、座面部11a1(搭乗部11)の傾斜角度を適宜変更させることができる。例えば、Lアクチュエータ180L及びRアクチュエータ180Rを伸長させた場合には、アクチュエータ180L,180Rの伸長に伴って、ジョイント30L,30Rを中心として、支持部材14L,4Rに対する取り付けフレーム21L,21Rの角度が変化し、その結果として、座面部11a1(搭乗部11)を後傾させることができる。同様に、Lアクチュエータ180L及びRアクチュエータ180Rを収縮させた場合には、座面部11a1(搭乗部11)を前傾させることができる。
また、左バネ181L及び右バネ181Rが設けられているので、停止時や一定速度走行時における座面部11a1の姿勢保持を行う際のエネルギーが不要であると共に、アクチュエータ180L,180Rが故障した場合に座面部11a1が後方に転倒することを防止することができる。
次に、図4〜図6を参照しつつ、上記構成を有する車両1で行われる姿勢制御の概略について説明する。 図4(a)は、バランサ16が倒立振り子として機能する場合を示す側面図であり、一方で、図4(b)、図4(c)及び図5は、バランサ16のウェイト16bが補助輪として機能する場合を示す側面図である。また、図6は、座席傾斜角可変機構100の機能を説明するための側面図である。
ここで、図4〜図6では、上記説明した図2(b)と同様に、左車輪12Lや左側の支持部材14Lやアクチュエータ180Lや左バネ181Lなどの車両1の左側(矢印L側)の構成や、フットレスト11cやケース41など、構成を一部省略している。なお、図4及び図5では、さらに、Rアクチュエータ180Rや右バネ181Rもまた省略されている。また、4及び図5では乗員Pを省略し、図6では、乗員Pが座席11aに着座した状態を示している。
本実施形態の車両1に搭載されるバランサ16は、バランサモータ53a(図7参照)の駆動に起因する軸部材53の回転に伴いアーム16aが軸部材53bを中心として回動され、その回動によってウェイト16bを前後方向(矢印F−B方向)に振り、それによって搭乗部11の姿勢を制御するバランサ(倒立振り子)としての機能を果たす(図4(a)参照)。
また、バランサ16は、乗員Pによるジョイスティック装置51の操作によって急加速又は急減速が指示された場合には、アーム16aの回動によってウェイト16bを路面(走行面)に接地させ、ウェイト16bを軸部材16c回りに自由回転させることによって補助輪として機能させることができる(図4(b)、図4(c)及び図5参照)。なお、本実施形態では、急加速が指示された場合には、ウェイト16aは進行方向とは逆方向の路面に接地され、急減速が指示された場合には、ウェイト16aは進行方向の路面に接地される。
このように、バランサ16におけるウェイト16bを路面に接地させて補助輪として機能させることによって、重心移動の許容される範囲が車輪12(12L,12R)の中心と、補助輪(路面に接地されたウェイト16b)の中心との間にまで広がる。従って、車両1が急加速又は急減速される場合に、ウェイト16bを路面に接地させることによって、倒立振り子による姿勢制御より安定な姿勢制御を行い得、その結果、安定な走行性を提供することができる。
特に、乗員Pにより指示された急加速又は急減速の程度が予め規定されている閾値(例えば、0.3G)より高い場合には、図4に示すように、アクチュエータ16によりアーム16aの長さが伸長された上で、ウェイト16bが路面に接地される。
このように、アーム16aの長さを伸長させてウェイト16bを路面に接地させた場合、搭乗部11の重心移動範囲を、アーム16aの長さを伸長させない場合(初期状態)に比べてより拡張することができる。その結果、アーム16aの長さを伸長させない初期状態でウェイト16bを路面に接地させた場合より高度な走行安定性を実現することができる。
バランサ16を上記のようにバランサ(倒立振り子)として機能させる場合、及び補助輪として機能させる場合の具体的制御については、図8及び図11のフローチャートを参照しつつ後述する。
また、本実施形態の車両1は、急加速又は急減速があった場合に、上記のように、バランサ16を路面に接地させて補助輪として機能させて姿勢制御を行うと共に、車体の傾斜角度(車体軸A(図6参照)の傾き)と座面部11a1(搭乗部11)の傾斜角度とを変更(調整)することによって姿勢制御を行うように構成されている。
例えば、本実施形態の車両1は、乗員Pの操作によって負の加速度a(減速度a)が指示された場合には、上記したようにウェイト16bが進行方向の路面に接地されると共に、図6(a)に示すように、鉛直軸Aに対する車体軸Aの傾斜角度θ(車体傾斜量θ)を調整(変更)して、車両1の重心G(車両全体の銃身)を、車輪12(12L,12R)の中心とウェイト16bの中心との間であるΔWの範囲内に位置させる。
このように、車両1の重心G1を、ウェイト16bの接地によって三輪車となった車両1のホイールベース間に相当するΔWの範囲内に位置させることによって安定性が向上する。従って、本実施形態の車両1は、ウェイト16bの接地効果との相乗的作用によって、優れた走行安定性を提供することができるのである。
なお、車体軸Aは、車両1から車輪12を除く車体部分(搭乗部11及び座席傾斜角可変機構100(100L,100R))の軸である。また、この車体傾斜量θの変更は、車輪12(12L,12R)を駆動するモータ52L,52Rの軸上にそれぞれ設けられた回転アクチュエータであるアクチュエータ170L,170R(図7参照)の駆動によって座席傾斜角可変機構100(100L,100R)を、車輪12の駆動に対して相対的に変動させることによって行われる。
図6(a)に示すように、車両1の重心Gをホイールベース内(ΔWの範囲内)に位置させるために車体部分の傾き(車体傾斜量θ)を前傾させると、搭乗部11に着座(乗車)する乗員Pもまた前傾姿勢となるので、乗員Pの視界が変化する。このような視界の変化は乗員Pに不安感を与えるので、乗車快適性の低下を招く。特に、図6(a)に示すように、乗員Pが前傾姿勢であれば、乗員Pの視界は路面を眺めることになり、そのような視界に対して多くの乗員Pは恐怖感を生じる。一方で、車体軸Aの傾きの変化によって、乗員Pが後傾姿勢になった場合には、視界が上方を向き、それによって、後方への転倒の恐怖を感じる乗員Pは少なくない。
よって、本実施形態の車両1では、車体部分の傾き(車体傾斜量θ)を前傾させると共に、図6(b)及び図6(c)に示すように、座席傾斜角可変機構100(100L,100R)におけるアクチュエータ180L,180Rを伸長させることによって、座面部11a1の傾斜を後傾させる。即ち、アクチュエータ180L,180Rの伸長によって、車体軸Aに対する乗員Pの傾き(搭乗軸A)、即ち、傾斜角度θs(搭乗部傾斜量θs)の変更を行う。
特に、図6(c)に示すように、車体傾斜量θの値にかかわらず、乗員Pの傾き(搭乗軸A)が鉛直軸Aと略平行となるように、搭乗部傾斜量θsを調整することによって、乗員Pの視界を常時安定して正面に向けることができ、乗員Pに安心感を与えることができる。
なお、上記したような、急加速時又は急減即時における車体傾斜量θ及び搭乗部傾斜量θsの変更を行う具体的制御については、図9及び図10のフローチャートを参照しつつ後述する。
次いで、図7を参照して、上記構成を有する車両1の電気的構成について説明する。図7は、車両1の電気的構成を示すブロック図である。
制御装置70は、車両1の各部を制御するための制御装置であり、図7に示すように、CPU71、ROM72及びRAM73を備え、これらはバスライン74を介して入出力ポート75に接続されている。また、入出力ポート75には、ジョイスティック装置51等の複数の装置が接続されている。
CPU71は、バスライン74により接続された各部を制御する演算装置であり、ROM72は、CPU71により実行される制御プログラム(例えば、図8〜図11に示すフローチャート)や固定値データ等を格納した書き換え不能な不揮発性のメモリである。
また、RAM73は、制御プログラムの実行時に各種のワークデータやフラグ等を書き換え可能に記憶するためのメモリであり、バランサ接地フラグ73aとアクチュエータ伸長フラグ73bとを備えている。
バランサ接地フラグ73aは、バランサ16におけるウェイト16bが接地されているか否かを示すフラグであり、図8を参照しつつ後述するバランサ制御処理において、乗員Pによるジョイスティック装置51の操作によって急加速又は急減速が指示されたことが検出されたことに伴って、ウェイト16bが接地される際にオンされる。その後、乗員Pによるジョイスティック装置51の操作によって指示される加速量が規定の範囲内とされたことを契機としてオフされる。なお、制御装置70への電源投入時に、このバランサ接地フラグ73aはオフに初期設定される。
アクチュエータ伸長フラグ73bは、アクチュエータ16dによりアーム16aが伸長された状態にあるか否かを示すフラグであり、図8を参照しつつ後述するバランサ制御処理において、乗員Pにより規定の閾値を超える急加速又は急減速が指示されたことが検出されたことに伴って、アクチュエータ16dによりアーム16aが伸長される際にオンされる。その後、乗員Pによるジョイスティック装置51の操作によって指示される加速量が規定の範囲内とされたことを契機としてオフされる。なお、制御装置70への電源投入時に、このアクチュエータ伸長フラグ73bはオフに初期設定される。
この制御装置70に対し、ジョイスティック装置15、ジャイロセンサ61、及び、ジャイロセンサ62から、乗員Pにより指定される走行状態(正又は負の加速度量)に関する情報や、車体部分の傾斜状態に関する情報(即ち、車体傾斜量θ)や、車体部分に対する座面部11a1の傾斜状態に関する情報(即ち、鉛直軸Aに対する搭乗軸Aの角度)が供給される構成となっており、これらの情報に応じた制御信号が、回転駆動装置52、バランサ駆動装置53及びアクチュエータ16dへ出力され、その結果として、走行及び姿勢の制御が行われることとなる。
ジョイスティック装置51は、上述したように、車両1を運転する際に乗員Pが操作する装置であり、乗員Pにより操作される操作レバー(図1参照)と、その操作レバーの操作状態を検出するための前後センサ51a及び左右センサ(図示せず)と、前後センサ51a及び左右センサ(図示せず)の検出結果を処理してCPU71に出力する処理回路(図示せず)とを主に備えている。
前後センサ51aは、操作レバーの前後方向(図1における矢印F−B方向)への操作状態(位置及び前後操作量)を検出するためのセンサであり、CPU71は、前後センサ51aの検出結果(操作レバーの位置及び前後操作量)に基づいて、回転駆動装置52の駆動状態を制御する。これにより、車両1は、乗員Pによる操作レバーの前後操作量に応じた加速度量(加速度量a)で加速又は減速しつつ走行する。
具体的には、乗員Pがジョイスティック装置51を前方側(図1における矢印F側)へ操作し、加速を指示した場合には、その前方操作量によりCPU71において取得される加速度量aは正の値(a>0)で表され、その結果、車両1は加速される。一方で、乗員Pがジョイスティック装置51を後方側(図1における矢印B側)へ操作し、減速を指示した場合には、その後方操作量によりCPU71において取得される加速度量aは負の値(a<0)で表され、その結果、車両1は減速される。また、乗員Pによる操作レバーの前後操作量がゼロ、即ち、操作レバーの位置が基準位置にある場合には、CPU71において取得される加速度量aはゼロであり、その結果、車両1は等速で走行する。
一方で、図示されない左右センサは、操作レバーの左右方向(図1における矢印L−R方向)への操作状態(操作量)を検出するためのセンサであり、CPU71は、この左右センサの検出結果(操作レバーの左右操作量)に基づいて、回転駆動装置52の駆動状態を制御する。これにより、車両1は、乗員Pが指示した旋回半径で旋回される。
即ち、操作レバーが左右方向に操作されると、CPU71は、左右センサ51bの検出結果に基づいて、旋回方向と旋回半径とを判断し、旋回半径に応じて左右の車輪12L,12Rが差動されるように、回転駆動装置52を駆動制御する。なお、本実施形態では、左右の車輪12L,12Rの中心線は互いに平行に保持されており、左右に操舵されることはないが、操舵機構を設ける構成であってもよい。
回転駆動装置52は、上述したように、左右の車輪12L,12Rを回転駆動させるための駆動装置であり、左車輪12Lに回転駆動力を付与するホイールモータであるLモータ52Lと、右車輪12Rに回転駆動力を付与するホイールモータであるRモータ52Rと、それら各モータ52L,52RをCPU71から出力される駆動トルク、速度、回転向きなどの各種信号に基づいて駆動制御する駆動回路(図示せず)とを主に備えて構成されている。
バランサ制御装置53は、上述したように、バランサ16を駆動する装置であり、バランサ16の駆動源であるバランサモータ53aと、そのバランサモータ53aの回転力を軸部材53bに伝える減速機構(図示せず)と、バランサモータ53aをCPU71から出力される駆動トルク、速度、回転向きなどの各種信号に基づいて駆動制御する駆動回路(図示せず)とを主に備えて構成されている。
アクチュエータ装置160は、上述したように、バランサ16におけるアーム16aを伸縮するアクチュエータ16dを駆動するための装置であり、アクチュエータ16dと、CPU71からの駆動信号に基づいてアクチュエータ16dを駆動制御する駆動回路(図示せず)とを主に備えて構成されている。
車体傾斜アクチュエータ装置170は、上述したように、車体傾斜量θを調整するLアクチュエータ170L及びRアクチュエータ170Rを駆動するための装置であり、Lモータ52Lの軸上に設けられた回転アクチュエータ(モータ)であるLアクチュエータ170Lと、Rモータ52Rの軸上に設けられた回転アクチュエータ(モータ)であるRアクチュエータ170Rと、これらのアクチュエータ170L,170Rを駆動制御する駆動回路(図示せず)とを主に備えて構成されている。
座席傾斜アクチュエータ装置180は、上述したように、搭乗部傾斜量θsを調整する座席傾斜角可変機構100(100L,100R)におけるLアクチュエータ180L及びRアクチュエータ180Rを駆動するための装置であり、Lアクチュエータ180Lと、Rアクチュエータ180Rと、これらのアクチュエータ180L,180Rを駆動制御する駆動回路(図示せず)とを主に備えて構成されている。
車体用ジャイロセンサ61は、車体傾斜量θを検出する姿勢検出センサであり、車体部分の傾斜に基づく物理量として、車体部分の傾斜角度θ(車体傾斜量θ)及び角加速度θ’の値を検出し、その検出結果をCPU71へ出力する。
なお、車体用ジャイロセンサ61により検出される車体傾斜量θは、搭乗部11が車両1の前方側(図1における矢印F側)に傾斜する場合に正の値(θ>0)で表され、車両1の後方側(図1における矢印B側)に傾斜する場合に負の値(θ<0)で表される。
搭乗部用ジャイロセンサ62は、座面部11a1(搭乗部11)の傾斜に基づく物理量として、鉛直軸Aに対する搭乗軸Aの角度を検出する姿勢検出センサであり、その検出結果をCPU71へ出力するものである。CPU71は、この搭乗部用ジャイロセンサ62による検出結果である鉛直軸Aに対する搭乗軸Aの角度と、車体用ジャイロセンサ61による検出結果である車体傾斜量θとに基づいて、搭乗部傾斜量θsを算出する。
また、図7に示す他の入出力装置54としては、例えば、車両1の走行状態(走行速度や走行距離など)を検出する検出装置、その検出装置により検出された走行状態を表示して乗員Pに報知する表示装置(図示せず)、或いは、車両1に作用する加速度を検出する加速度センサなどが例示される。
次に、図8のフローチャートを参照して、上記のように構成される本実施形態の車両1における制御装置70による、走行状態に応じてバランサ16の駆動制御を行うための処理について説明する。図8は、車両1の制御装置70(CPU71)で実行されるバランサ制御処理を示すフローチャートである。なお、この図8に示すバランサ処理は、車両1が前進する場合に実行される処理である。
図8に示すバランサ制御処理は、制御装置10に電源が投入されている間、CPU71によって所定時間毎(例えば、0.1sec毎)に繰り返し実行される処理であり、まず、前後センサ51aから供給された検出結果に基づいて、加速度量aの値を取得し(S601)、取得された加速度量aの絶対値が第1閾値(例えば、0.2G)を超えるかを確認する(S602)。
S602において加速度量aと比較される第1閾値は、バランサ16の倒立振り子制御によってなされる搭乗部11の姿勢制御より安定度の高い姿勢制御を要するか否かを判断するための値である。換言すれば、加速又は減速の度合いが大きく、倒立振り子制御による姿勢制御より安定度の高い姿勢制御を行うために、バランサ16のウェイト16bを路面に接地させて補助輪として機能させるか否かを判断するための閾値である。
本実施形態では、S602において比較するための第1閾値を、一例として0.2Gとしたが、この閾値は、バランサ16全体の高さや重量、乗員部11における傾斜可能な角度など、車両1のスペックに依存する値であるので、車両1のスペックと、予想し得る乗員Pの高さ及び重量の最大値(例えば、座高100cm、体重90kg)とに基づいて決められた固定の第1閾値が、車両1毎に設定されている構成とすることができる。あるいは、S602において比較するための第1閾値は、乗員P自体の高さや重量にも依存するので、乗員P自体の高さや重さを手動にて設定又は乗車時に検出することにより、可変に設定されるような構成であってもよい。
S602の処理により確認した結果、取得された加速度量aの絶対値が第1閾値を超える場合には(S602:Yes)、バランサ接地フラグ13aがオンであるか、即ち、ウェイト16bの接地による姿勢制御が行われているか否かを確認する(S603)。
S603の処理により確認した結果、バランサ接地フラグ13aがオフであれば(S603:No)、取得された加速度量aの絶対値が、第2閾値を超えるかを確認する(S604)。なお、S604において加速度量aと比較される第2閾値としては、S602において加速度量aと比較した第1閾値より、さらに加速又は減速の度合いを示す値(例えば、0.3G)が規定される。
S604の処理により確認した結果、取得された加速度量aの絶対値が第2閾値を超える場合には(S604:Yes)、アクチュエータ16dを駆動し、アーム16aを伸長し(S605)、アクチュエータ伸長フラグ13bをオンし(S606)、S607へ移行する。
一方で、取得された加速度量aの絶対値が第2閾値以下である場合には(S604:No)、S605及びS606の処理をスキップして、S607の処理へ移行する。
S607では、加速度量aが正の値であるかの確認を行う。ここで、S607の処理により確認した結果、加速度量aが正の値である場合には(S607:Yes)、乗員Pによる閾値を超える加速の指示があったことを示すので、ウェイト16bが車両後方側に接地されるまで、バランサモータ53aを逆転駆動する(S608)。
S608の結果として、バランサモータ53aが逆転駆動し、アーム16aが軸部材53b回りに車両後方側(図4や図5における矢印B側)へ回動されて、ウェイト16bが車両後方側に接地される(図4(b)及び図5(バランサ16B)参照)。
よって、乗員Pが閾値を超える急加速を指示した場合には、ウェイト16bが車両後方側に接地され、接地されたウェイト16bが路面との接触により生じる摩擦によって軸部材16c回りに回転し、補助輪として機能することになる。ウェイト16bを補助輪として機能させることにより、搭乗部11の重心を、車輪12の中心から補助輪としてのウェイト16bの回転中心(軸部材53b)の中心までの範囲内に納めれば安定性を保つことができる。従って、急加速によって搭乗部11の重心が進行方向とは反対側である後方に移動することがあっても、安定な姿勢が確実に保たれ、安定な走行が可能となるのである。
一方で、S607の処理により確認した結果、加速度量aが負の値である場合には(S607:No)、乗員Pによる閾値を超える減速の指示があったことを示すので、ウェイト16bが車両前方側に接地されるまで、バランサモータ53aを正転駆動する(S610)。S610の結果として、バランサモータ53aが正転駆動し、アーム16aが軸部材53b回りに車両前方側(図4や図5における矢印F側)へ回動されて、ウェイト16bが車両前方側に接地される(図4(c)及び図5(バランサ16C)参照)。
よって、乗員Pが閾値を超える急減速を指示した場合には、ウェイト16bが車両前方側に接地され、接地されたウェイト16bが路面との接触により生じる摩擦によって軸部材16c回りに回転し、補助輪として機能することになる。ウェイト16bを補助輪として機能させることにより、搭乗部11の重心を車輪12と補助輪(ウェイト16b)との間に位置させれば姿勢の安定性を保つことができる。従って、急減速によって搭乗部の重心が進行方向である前方に移動することがあっても、安定な姿勢が確実に保たれ、安定な走行が可能となるのである。
S608又はS610の結果として、ウェイト16bが車両1の前方側又は後方側に接地されるが、このとき、加速度量aの絶対値が、第1閾値(例えば、0.2G)より大きい値である第2閾値(例えば、0.3G)を超える場合には、アーム16aが伸長された状態でウェイト16bが路面に接地される(図5におけるバランサ16B又はバランサ16Cの状態)。
即ち、乗員Pにより指示された加速度量aが、第1閾値より加速度合いの高い第2閾値を超える急加速又は急減速である場合には、アクチュエータ16dによりアーム16aの長さが伸長され、姿勢の安定性を維持可能とする搭乗部11の重心の位置の範囲(車輪12の中心から補助輪としてのウェイト16bの回転中心(軸部材53b)の中心までの範囲)を拡大する。その結果として、アーム16aが収縮されている場合より高度な走行安定性を実現できることになり、加速又は減速量が第2閾値を超えるほど大きい場合であっても、確実な走行安定性を付与することができるのである。
なお、S605におけるアーム16aの伸長量は、伸長可能な最大量に固定してもよいし、路面の傾斜状況(上り坂や下り坂)に応じて適宜調整する構成であってもよい。また、路面の状態(路面摩擦の高低など)を検出し、乗員Pの慣性力に応じて適宜調整する構成であってもよい。
また、S608又はS610において、バランサモータ53aの駆動量は、路面の傾斜状況に関する情報を取得可能な装置(例えば、傾斜センサ装置などのセンサ装置や車載カメラなどの撮像可能な装置など)を車両1に設け、これらの装置によって得られた情報によって取得される路面の傾斜状況に応じて、ウェイト16bを路面に接地させるために必要とされる量を計算することによって決定することができる。あるいは、ウェイト16bが走行面に接地したことを検出し得るレーダ装置や、センサ装置(赤外線センサ装置や、超音波センサ装置や、接地荷重センサ装置など)により、ウェイト16bの路面への接地が検出されるまで、バランサモータ53aを駆動する構成であってもよい。
S608又はS610の処理後、バランサ接地フラグ13aをオンし(S609)、このバランサ制御処理を終了する。
また、S602の処理により確認した結果、取得された加速度量aの絶対値が第1閾値(例えば、0.2G)以下である場合には(S602:No)、バランサ接地フラグ13aがオンであるかを確認する(S611)。このとき、バランサ接地フラグ13aがオンであれば(S611:Yes)、アクチュエータ伸長フラグ13bがオンであるかを確認する(S612)。
S612の処理により確認した結果、アクチュエータ伸長フラグ13bがオンであれば(S612:Yes)、アクチュエータ16dを駆動し、アーム16aを収縮し(S613)、バランサ接地フラグ13bをオフとし(S614)、バランサ接地フラグ13aをオフし(S615)、S616の処理へ移行する。
一方で、 S612の処理により確認した結果、アクチュエータ伸長フラグ13bがオフであれば(S612:No)、アーム16aは収縮された状態にあるので、S613及びS614の処理をスキップして、S615の処理へ移行する。
S616では、後述する倒立振り子制御処理を実行する(S616)。そして、この倒立振り子制御処理(S616)の実行によって、バランサ16を倒立振り子として機能させることにより搭乗部11の姿勢制御を行った上で、このバランサ制御処理を終了する。なお、この倒立振り子処理(S616)で実行される具体的処理については、図11を参照しつつ後述する。
一方で、S611の処理により確認した結果、バランサ接地フラグ13aがオフであれば(S611:No)、S612〜S615の処理をスキップして、倒立振り子制御処理を実行する(616)。
また、S603の処理により確認した結果、バランサ接地フラグ13aがオンであれば(S603:Yes)、ウェイト16bの接地による姿勢制御が行われているので、車体傾斜量θ及び搭乗部傾斜量θsの調整による姿勢制御を行うためのバランサ接地時姿勢制御処理を実行し(S617)、このバランサ制御処理を終了する。
次に、図9を参照して、このバランサ接地時姿勢制御処理(S617)について説明する。図9は、図8のバランサ制御処理の中で実行されるバランサ接地時姿勢制御処理(S617)を示すフローチャートである。
図9に示すように、このバランサ接地時姿勢制御処理(S617)では、まず、車体傾斜量θの目標値θaを算出する(S801)。本実施形態では、S601において取得した加速度量a(加速度の大きさ及び加速度方向)に応じて、車両1の重心G1がホイールベース間に相当するΔW(図6参照)の範囲内に位置させるような車体傾斜量θの目標値θaを算出する。
S801の処理後、車体用ジャイロセンサ61による検出結果である車体傾斜量θを取得し(S802)、取得された車体傾斜量θに基づいて搭乗部傾斜量θ1の調整を行う搭乗部傾斜量調整処理(S803)を実行する。
ここで、図10を参照して、この搭乗部傾斜量調整処理(S803)について説明する。図10は、図9のバランサ接地時姿勢制御処理(S617)の中で実行される座搭乗部傾斜量整処理(S803)を示すフローチャートである。
図10に示すように、この搭乗部傾斜量調整処理(S803)では、S802において取得された車体傾斜量θに基づいて、搭乗部傾斜量θsの目標値θbを算出する(S901)。本実施形態では、S802において取得された車体傾斜量θとS601において取得した加速度量a(加速度の大きさ及び加速度方向)とに応じて、乗員Pの傾き(搭乗軸A(図6参照))と鉛直軸A(図6参照)とが略平行となるような搭乗部傾斜量θsの目標値θbを算出する。
S901の処理後、車体用ジャイロセンサ61及び搭乗部用ジャイロセンサ62の検出結果に基づき、搭乗部傾斜量θsを取得する(S902)。次いで、搭乗部傾斜量θsを目標値θbに調整することに伴って生じる重心移動を考慮するために、S902において取得した搭乗部傾斜量θsとS901において得られた目標値θbとに基づいて、目標値θaの修正値である修正目標値θcを算出する(S903)。
S904の処理後、搭乗部傾斜量θsと目標値θbとが等しいかを確認する(S904)と共に、搭乗部傾斜量θsの時間変化率が等しいかを確認する(S905)。ここで、S904,S905の処理により確認した結果、搭乗部傾斜量θs=目標値θbであるか(S904:Yes)、あるいは、搭乗部傾斜量θsの時間変化率が等しければ(S905:Yes)、既に搭乗部傾斜量θsが目標値θbに到達した状態にあるか、搭乗部傾斜量θsが目標値θbへと順調に変更されつつあるかのいずれかであるので、何も行うことなく、この搭乗部傾斜量調整処理(S803)を終了する。
一方で、S904,S905の処理により確認した結果、搭乗部傾斜量θsと目標値θbとが等しくなく(S904:No)、搭乗部傾斜量θsの時間変化率が等しくもなければ(S905:No)、搭乗部傾斜量θsを、S901において得られた目標値θbとするために必要な座席傾斜アクチュエータ装置180の出力値を算出し(S906)、算出された出力値を座席傾斜アクチュエータ装置180へ出力し(S907)、この搭乗部傾斜量調整処理(S803)を終了する。
再度、図9に戻って説明する。上記した搭乗部傾斜量調整処理(S803)の終了後、S802において取得した車体傾斜量θとS903において得られた修正目標値θcとが等しいかを確認する(S804)と共に、車体傾斜量θの時間変化率が等しいかを確認する(S805)。ここで、S804,S805の処理により確認した結果、車体傾斜量θ=修正目標値θcであるか(S804:Yes)、あるいは、車体傾斜量θの時間変化率が等しければ(S805:Yes)、既に車体傾斜量θが修正目標値θcに到達した状態にあるか、車体傾斜量θが修正目標値θcへと順調に変更されつつあるかのいずれかであるので、何も行うことなく、バランサ接地時姿勢制御処理(S617)を終了する。
一方で、S804,S805の処理により確認した結果、車体傾斜量θと修正目標値θcとが等しくなく(S804:No)、車体傾斜量θの時間変化率が等しくもなければ(S805:No)、車体傾斜量θsを、S903において得られた修正目標値θcとするために必要な車体傾斜アクチュエータ装置170の出力値を算出し(S806)、算出された出力値を車体傾斜アクチュエータ装置170へ出力し(S807)、バランサ接地時姿勢制御処理(S617)を終了する。
S807の結果として、車体傾斜アクチュエータ装置170におけるLアクチュエータ170L及びRアクチュエータ170RがS806において算出された出力値で駆動され、車体傾斜量θが修正目標値θcへと調整される。それと共に、S907の結果として、座席傾斜アクチュエータ装置180におけるLアクチュエータ180L及びRアクチュエータ180RがS906において算出された出力値で駆動され、搭乗部傾斜量θsが目標値θbへと調整される。そして、車体傾斜量θ及び搭乗部傾斜量θsが、それぞれ、最終的に修正目標値θc及び目標値θbへ収束する。
上記したように、本実施形態では、修正目標値θc及び修正前の目標値θaは、車両1の重心G1がホイールベース間に相当するΔW(図6参照)の範囲内に位置させる値である。よって、バランサ接地時姿勢制御処理(S617)の実行結果として、車両1の重心G1が、ウェイト16bの接地によって三輪車となった車両1のホイールベース間に相当するΔWの範囲内に位置することとなり、ウェイト16bの接地効果との相乗的作用によって、優れた走行安定性を提供することができる。
また、本実施形態では、目標値θbは、乗員Pの傾き(搭乗軸A(図6参照))と鉛直軸A(図6参照)とが略平行となる値であるので、バランサ接地時姿勢制御処理(S617)の実行結果として、乗員Pの視界を常時安定して正面に向けることができ、乗員Pに安心感を与えることができる。
次に、図11を参照して、上記した倒立振り子制御処理(S616)について説明する。図11は、図8のバランサ制御処理の中で実行される倒立振り子制御処理(S616)を示すフローチャートである。
図11に示すように、この倒立振り子制御処理(S616)では、まず、車体用ジャイロセンサ61による検出結果に基づいて、車体傾斜量θと車体部分の角加速度θ’とを取得し(S701)、車体傾斜量θの値が正負反転したかを確認する(S702)。なお、S702では、車体傾斜量θの値がゼロ(安定状態)から、θ>0又はθ<0へ変化したことが検出された場合も、車体傾斜量θが反転したとみなすものとする。
S702の処理により確認した結果、車体傾斜量θの反転がなければ(S702:No)、この倒立振り子制御処理(S616)を終了する。
一方で、S702の処理により確認した結果、車体傾斜量θの反転があった場合には(S702:Yes)、S701において取得された角加速度θ’の値に基づいて、乗員P(搭乗部11)をこの角加速度θ’で移動させるためのトルクT1を計算する(S703)。S703の処理後、得られたトルクT1より大きいトルクT2をバランサモータ53aへ出力し(S704)、この倒立振り子制御処理(S616)を終了する。
S704の結果として、バランサ16が、軸部材53bを中心としてトルクT2のトルクで駆動されるので、乗員P(搭乗部11)にはトルクT2の反力(−T2)が作用する。このときトルクT2は、トルクT1より大きい値とされているので、その反力(−T2)によって乗員P(搭乗部11)が反対方向へ戻される。その結果、乗員P(搭乗部11)の姿勢制御が図られる。
ここで、図12を参照しつつ、上記した倒立振り子制御処理(S616)による姿勢制御の原理について説明する。図12は、倒立振り子制御処理(S616)による姿勢制御の原理を説明するための模式図である。
図12(図12(a)〜図12(d))において、乗員Pの重量をm1、バランサ16の重量をm2とし、乗員Pの移動(傾斜)におけるトルク中心である車輪12の中心(回転軸)から乗員Pの重心までの距離をr1、揺動(振り子運動)又は回動されるバランサ16のトルク中心である軸部材54(回動軸)からバランサ16の重心までの距離をr2とする。
なお、乗員Pの質量m1は、搭乗者が登場し、車輪12を固定した状態での回転部分の全重量Mからバランサ16の重量m2を減じた値である。また、バランサ16の重量m2は、バランサ16全体の重量、即ち、ウェイト16bだけでなく、そのウェイト16bと一体になって揺動又は回動されるアーム16a及び軸部材16cを含む重量である。
また、図12(図12(a)〜図12(d))において、鉛直線に対する乗員Pの傾斜角度及び乗員Pの移動(傾斜)の角加速度は、それぞれ、車体用ジャイロセンサ61により検出される車体傾斜量θ及び車体部分の角加速度θ’に相当する。図12(a)は、乗員Pの傾斜角度(車体傾斜量θ)が、鉛直線に対して傾斜していない状態(θ=0)、即ち、安定状態にある場合を示す図である。
図12(a)に示すように、乗員Pの傾斜角度が安定状態にある場合には、上記した姿勢安定制御処理(図11参照)におけるS702において車体傾斜量θの正負反転が確認されないため、バランサ16は駆動されず、バランサ16の重心(以下、「バランサ重心」と称する)m2と乗員Pの重心(以下、「乗員重心」と称する)m1との釣り合いが取られる。
図12(b)は、図12(a)に示した安定状態から、何らかの外力が加わったことにより、乗員重心m1が、前方に角加速度θ’1(θ’=θ’1)で傾斜角度θ1(θ=θ1)に傾斜した状態を示す図である。
図12(b)に示すように、乗員重心が前方に移動すると、その移動(車体部分の傾斜)は車体用ジャイロセンサ61により検出され、その結果として、上記した姿勢安定制御処理(図11参照)におけるS702においてθの値の正負反転が確認されることとなる。
その結果として、S703において乗員Pの移動(傾斜)に対するトルクT1が計算され、得られたトルクT1より大きなトルクT2がバランサモータ53aへ出力された結果として、図12(c)に示す状態が生じる。
この図12(c)は、図12(b)に示した状態に対して姿勢安定制御処理(図11参照)におけるS702においてθの値の正負反転が確認された結果として、バランサ重心m2が、前方に角加速度θ’2(θ’=θ’2)で移動された状態を示す図である。
ここで、図12(b)に示した状態に対して計算されるトルクT1は、下記式(1)に従って計算される。
T1=m1×r1×θ’1 …(1)
一方で、バランサ重心m2の移動に対するトルクT2は、下記式(2)に従って計算される。
T2=m2×r2×θ’2 …(2)
トルクT2>トルクT1であれば、バランサ16を動かすための反力によって、乗員Pを後方(当初の傾斜方向とは反対側の方向)に移動(傾斜)させることができる。よって、上記式(1)及び(2)から、バランサ16を動かす角加速度θ’2が、θ’2>K×θ’1(ただし、K=(m1×r1)/(m2×r2))を満たす値であれば、乗員Pは、後方(当初の傾斜方向とは反対側の方向)に移動されて、図12(c)に示すように、鉛直線を越えて傾斜角度θ3(θ=θ3)に傾斜される。
乗員Pの傾斜角度θが、θ1から、鉛直線を越えてθ3へ移動したことにより、姿勢安定制御処理(図11参照)におけるS702において、再度、θの値の正負反転が確認される、S703において乗員Pの移動(傾斜)に対するトルクT1が計算され、得られたトルクT1より大きなトルクT2がバランサモータ53aへ出力され、図12(d)に示す状態が生じる。即ち、θ’4>K×θ’3を満たす角加速度θ’4(θ’=θ’4)でバランサ16が後方へ移動される。なお、図12(d)は、図12(c)に示した状態に対し、バランサ重心m2が、後方に角加速度θ’4で移動された状態を示す図である。
θ’4>K×θ’3を満たす角加速度θ’4(θ’=θ’4)でバランサ16が後方へ移動された結果として、その反力によって、乗員Pは、前方に角加速度θ’5(θ’=θ’5)で傾斜角度θ5(θ=θ5)に移動される。
以後、姿勢安定制御処理(図11参照)が繰り返し実行される間、乗員Pの鉛直線に対する傾斜角度θの反転がおいて検出される毎に、その際の乗員Pの移動の角加速度θ’に対応するトルクT2がバランサモータ53aに出力される。その結果、乗員Pの傾斜方向へのバランサ16の移動によって生じる反力で、乗員Pが鉛直線方向に戻す動作が繰り返される。そして、最終的には、乗員Pの傾斜角度θが次第に0に収束されて、図12(a)に示す安定状態の姿勢に戻るのである。
なお、図12では、理解を容易にするために、乗員Pの傾斜角度θを大きく図示しているが、実際には、姿勢安定制御処理(図11参照)は、バランサ制御処理(図8参照)の起動間隔毎(例えば、0.1sec毎)に行われるので、乗員P傾斜角度θは乗員Pにとってはわずかな動きでしかない。
また、本実施形態では、アーム16aの回動軸(軸部材53b)と右車輪12Rの回転軸とが同軸上に配置されているので、図12に示したように、乗員重心の移動トルクの中心と、バランサ重心の移動トルクの中心とが一致する。このように、乗員重心の移動トルクの中心と、バランサ重心の移動トルクの中心とが一致することが、倒立振り子による姿勢制御が容易であるという点から好ましい。
以上、説明したように、本実施形態の車両1は、バランサ16を、車体傾斜量θに応じて倒立振り子として機能させることができると共に、乗員Pが急加速又は急減速を指示した場合に、ウェイト16bを路面に接地させて補助輪として機能させることができる。
バランサ16を補助輪として機能させた場合、重心移動を許容する範囲が広くなるので、倒立振り子による姿勢制御より高い安定性を得ることができる。よって、急加速や急減速などのように、倒立振り子による姿勢制御が困難となり得る状態であっても、安定な走行を行い得るのである。
また、アーム16aの長さを短くし、倒立振り子による姿勢制御効果を小さくしても、そのような姿勢制御効果の減少による走行不安定化を、ウェイト16bを路面に接地させて補助輪として機能させることによって補うことができる。よって、倒立振り子兼補助輪として機能するバランサ16を、設置スペースとして有利な搭乗部(座席)11の下などに設定することができる。その結果として、車両1の小型化を図ることが可能となる。
また、一対(左右)の車輪12(12L,12R)を有する車両1を、都合(加速度量などの走行状態)に応じて、ウェイト16bを補助輪とする三輪車として使い分けることができる。即ち、静止時には停車スペース的に有利であるが、姿勢制御が厳密であり走行不安定を生じ易い二輪車を、走行状態に応じて三輪車に変態させることによって、高い走行安定性を付与することができることになる。
また、このように、都合(加速度量などの走行状態)に応じて、二輪車と三輪車とが使い分けられることによって、通常の三輪車に比べて燃費が向上する。
本実施形態の車両1では、ウェイト16bが、倒立振り子の錘としての役割と、補助輪としての役割とを兼ね備えるので、倒立振り子用のバランサと補助輪とを別々に設ける必要がなく、部品点数の低減による構造の簡素化を図ることができると共に、設置スペース的に有利である。その結果、部品コストや組立コストなどのコスト削減を図ることができると共に、軽量化及び小型化を図ることが可能となる。また、姿勢制御系統を一括化することができるので、制御の複雑化を防止できる。
また、乗員Pにより入力された加減速量に基づいて、その加減速量が閾値を超えた場合に、ウェイト16bが路面に接地されて、バランサ16を補助輪として機能させるので、加速度量などの走行状態の変化に対する動作の遅れがなく安全に走行し得る。
このとき、特に、乗員Pにより入力された加速度量の絶対値が、第2閾値(>第1閾値)を超える急加速又は急減速である場合には、アクチュエータ16dによりアーム16aの長さが伸長され、その結果として、アーム16aが収縮されている場合より高度な走行安定性を実現できることになり、加速又は減速量が第2閾値を超えるほど大きい場合であっても、確実な走行安定性を付与することができる。
また、このように、バランサ16補助輪として機能させる場合に、アーム16aを伸長させることによってより高度な走行安定性を付与することができる一方で、バランサ16を倒立振り子として機能させる場合には、アーム16aが収縮された状態とされる。このように、アーム16aの長さがアクチュエータ16dによって伸縮されることにより、倒立振り子(バランサ16)を、搭乗部11の下方の設置スペースに納めることができるにも関わらず、補助輪として、都合(加速度量などの走行状態)に応じた高度な走行安定性を付与することができる。即ち、アーム16aの長さがアクチュエータ16dによって伸縮されることにより、都合に応じた走行安定性を維持しつつも、車両1の小型化に寄与することができる。
また、本実施形態の車両1は、バランサ16補助輪として機能させる場合に、車両1の加速度量a(加速度の大きさ及び加速度方向)に応じた車体傾斜量θの目標値θaが算出され、その目標値θaに基づいて車体傾斜量θの調整が行われる。よって、路面へのウェイト16bの接地と車体傾斜量θの調整とによって走行安定性が相乗的に向上させることができる。
特に、本実施形態では、車両1の重心G1がホイールベース間に相当するΔWの範囲内に位置させるように目標値θaが算出されるので、結果として、車両1全体の重心G1が、路面に接地されたウェイト16bの中心と車輪12(12L,12R)の中心との間、即ち、ホイールベース間に位置させることができる。そのため、走行安定性を有効に向上させることができる。
ここで、本実施形態の車両1では、搭乗部傾斜角θ1の調整に応じて生じる重心移動を考慮して、車体傾斜量θの移動目標とする値を修正目標値θcに修正する。よって、車体傾斜量θの制御を精密に行うことができ、その結果、走行安定性をより確実に向上させることができる。
また、本実施形態の車両1は、バランサ16補助輪として機能させる場合に、上記した車体傾斜量θの調整に加え、実測された車体傾斜量θに応じた目標値θbに基づいて搭乗部傾斜量θsの調整が行われる。よって、路面にウェイト16bが接地された場合には、車体傾斜量θが調整されると共に、搭乗部傾斜量θ1が、車体傾斜量θに応じた値に調整される。そのため、路面へのウェイト16bの接地による走行安定性を向上させる際に、搭乗部11に乗車する乗員Pの姿勢を車体傾斜量θに応じて調整することができる。
特に、本実施形態では、乗員Pの傾き(搭乗軸A)と鉛直軸Aとが略平行となるように目標値θbが算出されるので、結果として、乗員Pの視界を常時安定して正面に向けることができ、乗員Pに安心感を与えることができる。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記各実施形態で挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。
また、上記実施形態では、乗員Pにより操作されるジョイスティック装置51を、アームレスト11bに執着される構成としたが、ジョイスティック装置51に換えて、有線又は無線で制御装置70に接続されるリモコン装置として構成してもよい。
また、上記実施形態では、乗員Pによるジョイスティック装置51の操作によって指示された加減速の量(加速度量aにより表される)が閾値を超えた場合に、バランサ16を補助輪として機能させるように構成したが、加速度センサ装置により閾値を超える加速度が検出された場合に、バランサ16を、倒立振り子としての機能から補助輪としての機能に切り換える構成としてもよい。同様に、速度センサ装置によって車両速度が閾値を超えた場合や、車体用ジャイロセンサ61により検出された車体部分の傾斜角度が閾値を超えた場合に、バランサ16を、倒立振り子としての機能から補助輪としての機能に切り換える構成としてもよい。
しかし、上記実施形態のように、乗員Pによる操作(指示)に基づく量に応じて、バランサ16を、倒立振り子としての機能から補助輪としての機能に切り換える構成の方が、急加速又は急減速に対する姿勢制御の遅れが防止され、安全であるという点から好ましい。
また、上記実施形態では、乗員Pによるジョイスティック装置51の操作によって指示された加減速の量(加速度量aにより表される)が閾値を超えた場合に、バランサ16を補助輪として機能させるように構成したが、バランサ16を、倒立振り子としての機能から補助輪としての機能に切り換えるためのトリガは、加減速の量に限定されるものではない。
例えば、ジョイスティック装置51などの乗員Pからの指示を入力可能な装置により、車両1の走行速度を指定できる構成とした場合に、乗員Pが閾値以上の高速度を指定したことが検出された場合に、バランサ16を補助輪として機能させるように構成してもよい。高速走行時に、バランサ16を補助輪として機能させ、車両1を三輪車として走行させることにより、厳密な姿勢制御に依らずに安定度の高い走行を実現できる。
なお、上記実施形態では、バランサ16を、倒立振り子として機能させるか、補助輪として機能させるかを決定するための閾値は、絶対値が等しい、即ち、上限及び下限が正負の同じ値として構成したが、上限及び下限の絶対値が異なる構成であってもよい。
また、上記実施形態では、車体部分の姿勢を検出するセンサとして、車体用ジャイロセンサ61を使用し、車体用ジャイロセンサ61により検出される車体傾斜量θと角加速度θ’とをCPU71へ出力するように構成したが、角加速度θ’のみを検出し、その値をCPU71へ出力する構成であってもよい。なお、この場合、CPU71は、車体用ジャイロセンサ61から供給された角加速度θ’の値の蓄積によって角速度及び角度を算出し、その結果として車体傾斜量θを得るようにすればよい。
また、上記実施形態では、車体部分の姿勢を検出するセンサとして、車体用ジャイロセンサ61を用いる構成としたが、車体用ジャイロセンサ61に換えて、液体ロータ型角加速度計や、渦電流式の角加速度計など、種々の角加速度計を利用できる。
ここで、液体ロータ型角加速度計は、サーボ型加速度計の振り子の代わりに液体の動きを検出し、この液体の動きをサーボ機構によりバランスさせるときのフィードバック電流から角加速度を測定するものである。また、渦電流式の角加速度計は、永久磁石を用いて磁気回路を構成し、この回路内に円筒型のアルミニウム製ロータを配置し、このロータの回転速度の変化に応じて発声する磁気起電力に基づいて角加速度を測定するものである。
なお、搭乗部用ジャイロセンサ62についても、上記実施形態に示したものに限定されず、上記した車体用ジャイロセンサ61と同様に構成してもよい。
また、上記実施形態では、アクチュエータ16dや、アクチュエータ170L,170Rや、アクチュエータ180L,180Rとして、ボールねじ機構による伸縮式のアクチュエータとして構成される場合を説明したが、必ずしもこの形態に限られるものではなく、他の機構を利用することは当然可能である。
他の機構としては、例えば、クランク・スライダ機構(電動モータの回転運動をクランク機構により揺動運動に変換し、この揺動運動をスライダ機構により直線運動に変換することで、伸縮式のアクチュエータを得る機構)、ラック・ピニオン機構(電動モータによるピニオンの回転運動をラックに伝達し、ラックを直線運動させることにより、伸縮式のアクチュエータを得る構成)、或いは、カム機構(非円形のカムを電動モータで回転運動させ、その回転運動するカムが弾性ばね装置の力を受けながらすべり接触でリフタを直線運動させることにより、伸縮式のアクチュエータを得る機構)などが例示される。
また、上記実施形態では、アクチュエータ16d、アクチュエータ170L,170R、及び、アクチュエータ180L,180Rが電動アクチュエータにより構成される場合を説明したが、必ずしもこの形態に限られるものではなく、例えば、油圧を利用して油圧シリンダを伸縮させる油圧アクチュエータによりこれらのアクチュエータ16d,170L,170R,180L,180Rを構成することは当然可能である。
また、上記実施形態では、加速度量aが第2閾値を超えた場合に、アクチュエータ16dを駆動してアーム16aを伸長する構成としたが、乗員Pにより操作可能なスイッチを設け、そのスイッチがオンされた場合に、アクチュエータ16dによるアーム16aの伸長を行う構成としてもよい。
また、上記実施形態では、バランサ16がアクチュエータ16dを有する構成としたが、アクチュエータ16dを有さない構成、即ち、アーム16aの長さが固定である構成であってもよい。このように、アクチュエータ16dを有さないバランサ16に対してバランサ制御処理(図8参照)を行う場合には、S604〜S606,S612〜S614のを省略すればよい。
なお、上記実施形態におけるバランサ制御処理(図8参照)では、車両1が前進する場合のバランサ制御処理を示したが、車両1が後進する場合にもバランサ16を補助輪として機能させることは可能である。車両1が後進する場合にバランサ16を補助輪として機能させる場合には、S608におけるバランサモータ53aの駆動方向を正転方向とし、S610におけるバランサモータ53aの駆動方向を逆転方向とすればよい。
また、上記実施形態では、ウェイト16bは、軸部材16c回りには回転可能であるが、アーム16aの軸周りの回転については考慮されていない。このウェイト16bが、軸部材16c回りにはだけでなく、アーム16aの軸回りに回転可能なキャスター(脚車)として構成されていてもよい。
また、ウェイト16bを軸部材16c回りに回転駆動させるためのモータを有する構成であってもよい。
また、上記実施形態では、アーム16aの回動軸(軸部材53b)と右車輪12Rの回転軸とを同軸上に配置し、乗員重心の移動トルクの中心と、バランサ重心の移動トルクの中心とを一致させたが、アーム16aの回動軸の位置を車輪12(12L又は12R)の回転軸と一致させることに限定されるものではない。
また、上記実施形態では、ウェイト16bが路面に接地されると、車体傾斜量θ及び搭乗部傾斜量θsの調整が行われる構成としたが、ウェイト16bが路面に接地された場合に、車両1の加速度量aの絶対値が、予め規定されている第3閾値(例えば、第1閾値<第2閾値<第3閾値)を超えた場合に、車体傾斜量θ及び搭乗部傾斜量θsの調整を行う構成としてもよい。なお、この第3閾値は、第1閾値より大きい閾値であればよく、第2閾値との大小関係は問わない。
また、上記実施形態では、車体傾斜量θ及び搭乗部傾斜量θsを鉛直軸Aを基準とする傾きとしたが、基準軸は鉛直軸Aに限定されるものではない。例えば、水平軸(鉛直軸Aに直交する軸)や路面を基準とする傾きとしてもよい。
また、上記実施形態では、車体傾斜量θの目標値θaを、搭乗部傾斜量θ1の調整に伴う重心移動を考慮した修正目標値θcに修正し、車体傾斜量θを修正目標値θcとなるように変更(調整)したが、S801の処理において得られた目標値θaに対して修正を行うことなく、車体傾斜量θを目標値θaに変更する構成であってもよい。
また、上記実施形態におけるS801の処理において、車体傾斜量θの目標値θaを算出する場合に、車両1の重心G1がホイールベース間に相当するの範囲内に位置させるような値が得られるものとして構成したが、目標値θaを、このΔWの範囲からは若干逸脱するが、搭乗部傾斜量θsなどの他の量の調整の結果として、最終的に、ΔWの範囲内に収まる値とするように構成してもよい。この場合は、搭乗部傾斜量θsの目標値θbを算出する際に、乗員Pの傾き(搭乗軸A)と鉛直軸Aとが略平行となることに加えて、車両1の重心G1がΔWの範囲内に収まることを考慮して目標値θbを算出するように構成すればよい。または、最終的に、修正目標値θcがΔWの範囲内に収まる値とするように構成してもよい。
あるいは、上記実施形態におけるS801の処理において、車体傾斜量θの目標値θaを算出する場合に、目標値θaを、加速度量a(加速度の大きさ及び加速度方向)に応じた車両1全体の釣り合い角度(平衡軸の傾き)と略平行になるような値とするように構成してもよい。このように構成することによって、走行時の車両バランスが安定するので、走行安定性を有効に向上させることができる。
また、上記実施形態におけるS901の処理において、搭乗部傾斜量θsの目標値θbを算出する場合に、乗員Pの傾き(搭乗軸A(図6参照))と鉛直軸A(図6参照)とが略平行となるような値が得られるものとして構成したが、加速度量a(加速度の大きさ及び加速度方向)に応じて、乗員Pの傾き(搭乗軸A)が車両1全体の釣り合い角度(平衡軸の傾き)と略平行になるような値を得るように構成してもよい。このように構成することによって、乗員Pに作用する慣性力をおよそ消失させることができ、その結果、乗員Pには等速又は静止状態であるかのように感じさせることができる。同様に、搭乗部傾斜量θsの調整によって、乗員Pに作用する慣性力の大きさを適宜変更することができるので、実際の加速又は減速の大きさにかかわらず、乗員Pに体感させる加速度又は減速度を適宜調整することができる。
また、上記実施形態では、S802において実測された車体傾斜量θに応じて、S901において搭乗部傾斜量θsの目標値θbを算出するように構成したが、S801において算出した車体傾斜量θの目標値θaに基づいて、搭乗部傾斜量θsの目標値θbを算出するように構成してもよい。
また、上記実施形態では、路面へのウェイト16bの接地後に、車体傾斜量θ及び搭乗部傾斜量θsの調整による姿勢制御(バランサ接地時姿勢制御処理)を行う構成としたが、ウェイト16bを路面に接地することが決定された後であれば、路面へのウェイト16bの接地前や接地の実行中など、どのタイミングで実行してもよい。
また、上記実施形態におけるバランサ接地時姿勢制御処理では、搭乗部傾斜量θsの変更(S904〜S907)が先で、車体傾斜量θの変更(S804〜S807)が後となるように構成されているが、搭乗部傾斜量θsが目標値θbに変更され、かつ、車体傾斜量が修正目標値θc(又は目標値θa)に変更されるのであれば、搭乗部傾斜量θsの変更及び車体傾斜量θの変更の順序を問うものではない。
また、上記実施形態では、図3に示した左右の座席傾斜角可変機構100L,100Rを用いて、搭乗部傾斜量θsを可変とする構成としたが、搭乗部傾斜量θsを可変とするための機構は座席傾斜角可変機構100(100L,100R)に限定されるものではない。
ここで、図13及び図14を参照して、座席傾斜角可変機構の別例について説明する。図13は、別例の座席傾斜角可変機構101を備えた車両1を簡略化した側面図である。なお、図13では、乗員Pが座席11aに着座した状態を示しており、上記実施形態における図2(b)と同様に、左車輪12Lや左側の支持部材14Lやアクチュエータ180Lや左バネ181Lなどの車両1の左側(矢印L側)の構成や、フットレスト11cなど、構成を一部省略している。また、理解を容易にする目的で、座席傾斜角可変機構101については、左右方向(矢印L−R方向)の略中央を通る側断面を示している。
また、図14(a)は、この座席傾斜角可変装置101を拡大した側断面図であり、図14(b)は、座席傾斜角可変装置101の座席底面11d及び永久磁石270を取り払った状態における上面図である。なお、図13及び図14に示す車両1において、上記実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
この座席傾斜角可変機構101は、電磁力を利用して座席傾斜量θsを変更するものである。図13及び図14に示すように、座席傾斜角可変機構101は、搭乗部11の一部である球面状の座席底面11dと、その座席底面11dに取り付けられた永久磁石270と、球面状の座席底面11dの下方側(矢印D側)に空間を介して配置される球面状の上端面220aと、その上端面220aと座席底面11dとの間に介在される球体としての非磁性体のボール280と、上端面220aの下方側(矢印D側)に配置された球面状のコイル取り付け部220cと、そのコイル取り付け部220cと上端面220aとの間に配置される複数のコイル260と、コイル取り付け部220cを回転駆動装置52Rに固定されている支持部材140R(及び、図示されていないが、回転駆動装置52Lに固定されている支持部材140L)とを備えている。
また、この座席傾斜角可変機構101は、上端部220aの周縁を折り返して形成されている止め部220bと、座席底面11dの周縁から突出するバネ取り付け部11eとを備えると共に、そのバネ取り付け部11eと止め部220bとの間には、前後方向(矢印F−B方向)及び左右方向(矢印L−R方向)の径方向に設置された4つのバネ290とを備えている。
上記構成を有する座席傾斜角可変機構101は、複数のコイル260への電流配分を制御することによって生じる永久磁石270に作用する磁力の勾配を利用して、座席底面11dを上端面220aに対して前後方向に移動させ、その結果として、座面部11a1の傾斜角度、即ち、搭乗部傾斜量θsを変更(調整)することができる。
なお、座席傾斜角可変機構101の上端面220aには、周縁を折り返すことによって止め部220bが形成されているので、この上端面220aと座席底面11dとの間の空間からボール280が飛び出すことを防止できる。また、上端面220aと座席底面11dとの間の空間に非磁性体のボール280が介在されているので、座席底面11dを上端面220aに対して前後方向に移動させる際の摩擦を低くすることができる。さらに、バネ取り付け部11eと止め部220bとの間にバネ290が取り付けられているので、停止時や一定速度走行時における座面部11a1の姿勢保持を行う際のエネルギーが不要である。
次に、図15及び図16を参照して、座席傾斜角可変機構のさらに別の例について説明する。図15は、別例の座席傾斜角可変機構102を備えた車両1を簡略化した側面図である。なお、図15では、乗員Pが座席11aに着座した状態を示しており、フットレスト11cなど、構成を一部省略している。また、理解を容易にする目的で、座席傾斜角可変機構102については、左右方向(矢印L−R方向)の略中央を通る側断面を示している。
また、図16(a)は、この座席傾斜角可変装置102を拡大した側断面図であり、図16(b)は、座席傾斜角可変装置102の上面図である。なお、図15及び図16に示す車両1において、上記実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
この座席傾斜角可変機構102は、搭乗部11を上方から吊り下げ、ロッド型のアクチュエータを利用して搭乗部を前後に揺動させることによって座席傾斜量θsを変更するものである。図15及び図16に示すように、座席傾斜角可変機構102は、搭乗部11の上方(矢印U側)から、背面部11a2を迂回するように後方側(矢印B側)に湾曲する吊り下げ支持部320aと、その吊り下げ支持部320aの上端からジョイント370aを介して連結される2本の第1吊り下げ部320dL,320dRと、同様に、吊り下げ支持部320aの上端からジョイント370aを介して連結される2本の第2吊り下げ部320eL,320eRと、吊り下げ支持部320aの下端にジョイント370bを介して連結され、座面部11a1の右方側(矢印R側)から後方側(矢印B側)を経て左方側(矢印L側)へ伸び、該座面部11a1の外周より大きく湾曲する下枠部320bと、その下枠部320bを回転駆動装置52Lに固定されている支持部材140Lと、下枠部320bを回転駆動装置52Rに固定する支持部材140Rとを備えている。
なお、下枠部320bの両端は、それぞれ、ジョイント370cL及びジョイント370cRを介して第2吊り下げ部320eL,320eRに連結されている。また、吊り下げ支持部320aの下端と下枠部320bとの連結部(ジョイント370b)は、下枠部320の略中央である。また、吊り下げ支持部320aと第1吊り下げ部320dと第2吊り下げ部320eとの連結部(ジョイント370a)は、搭乗部11の回転中心である。
また、この座席傾斜角可変機構102は、ジョイント370bに連結されたアクチュエータ360aと、ジョイント370cL及びジョイント37cRにそれぞれ連結されたアクチュエータ360bL及びアクチュエータ360bRとを備えている。
上記構成を有する座席傾斜角可変機構102は、第1吊り下げ部320dLがジョイント370cLを介して背面部11a2の左上角部のジョイント370dLに連結され、第1吊り下げ部320dRがジョイント370cRを介して背面部11a2の右上角部のジョイント370dRに連結され、アクチュエータ360aの一端が座面部11a1の後方略中央にジョイント370eを介して連結され、アクチュエータ360bLの一端が、座面部11a1の左前角部のジョイント370fLに連結され、アクチュエータ360bRの一端が、座面部11a1の右前角部のジョイント370fRに連結されている。
上記のように搭乗部11に連結された座席傾斜角可変機構102において、アクチュエータ360a、アクチュエータ360bL、及びアクチュエータ360bRを適宜制御することによって、搭乗部11がジョイント370aを支点として前後に揺動され、その結果、座面部11a1の傾斜角度、即ち、搭乗部傾斜量θsを適宜変更(調整)することができる。
なお、請求項1記載の第1の姿勢制御手段としては、倒立振り子制御処理(S616)が該当し、請求項1記載の走行状態検出手段としては、S601の処理が該当し、請求項1記載の走行状態判断手段としては、S602の処理が該当し、請求項1記載の回転子制御手段としては、S608,S610の処理が該当する。また、請求項5記載の伸縮手段としては、S605,S613の処理が該当する。
また、請求項6記載の車体傾斜目標値取得手段としては、S801の処理が該当し、第2の姿勢制御手段としては、バランサ接地時姿勢制御処理(S617)が該当する。また、請求項7記載の搭乗部傾斜目標値取得手段としては、S901の処理が該当し、第2の姿勢制御手段としては、バランサ接地時姿勢制御処理(S617)が該当する。また、請求項8記載の目標修正値取得手段としては、S903の処理が該当し、第2の姿勢制御手段としては、バランサ接地時姿勢制御処理(S617)が該当する。
(a)は、本発明の一実施形態における車両の正面図であり、(b)は、車両の側面図である。 (a)は、図1(a)を簡略化した正面図であり、(b)は、図1(b)を簡略化した側面図である。 (a)は、車両における左側の座席傾斜角可変機構の拡大図であり、(b)は、車両における右側の座席傾斜角可変機構の拡大図である。 バランサの機能を説明するための側面図である。 バランサの機能を説明するための側面図である。 座席傾斜角可変機構の機能を説明するための側面図である。 車両の電気的構成を示すブロック図である。 車両の制御装置で実行されるバランサ制御処理を示すフローチャートである。 図8のバランサ制御処理の中で実行されるバランサ接地時姿勢制御処理を示すフローチャートである。 図9のバランサ接地時姿勢制御処理の中で実行される座搭乗部傾斜量整処理を示すフローチャートである。 図8のバランサ制御処理の中で実行される倒立振り子制御処理を示すフローチャートである。 倒立振り子制御処理による姿勢制御の原理を説明するための模式図である。 別例の座席傾斜角可変機構を備えた車両を簡略化した側面図である。 (a)は、図13に示す座席傾斜角可変装置を拡大した側断面図であり、(b)は、図13に示す座席傾斜角可変装置において一部を取り払った状態での上面図である。 さらに別例の座席傾斜角可変機構を備えた車両を簡略化した側面図である。 (a)は、図15に示す座席傾斜角可変装置を拡大した側断面図であり、(b)は、図15に示す座席傾斜角可変装置の上面図である。
符号の説明
11 搭乗部
12 車輪
12L 左車輪(車輪)
12R 右車輪(車輪)
16a アーム
16b ウェイト(回転子)
16d アクチュエータ
53b 軸部材(回動軸)
51 ジョイスティック装置
61 車体用ジャイロセンサ(車体姿勢検出手段、搭乗部姿勢検出手段の一部)
62 搭乗部用ジャイロセンサ(搭乗部姿勢検出手段の一部)

Claims (8)

  1. 乗員が乗車可能な搭乗部を含む車体と、
    前記車体に設けられる一対の車輪と、
    前記車体に設けられた回動軸を中心として回動するアームと、
    そのアームにおける前記回動軸とは異なる位置の端部に回転可能に設けられた回転子と、
    前記車体の傾斜量である車体傾斜量を検出する車体姿勢検出手段と、
    その車体姿勢検出手段により検出された車体傾斜量に応じて、前記アームを回動させ、前記車体の姿勢制御を行う第1の姿勢制御手段と、
    自車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、
    その走行状態検出手段により検出された走行状態が、予め定められた状態であるか否かを判断する走行状態判断手段と、
    その走行状態判断手段により、予め定められた状態であると判断された場合に、前記アームを回動させて前記回転子を路面に接地させる回転子制御手段とを備えていることを特徴とする車両。
  2. 前記走行状態検出手段は、加速度を検出するものであり、
    前記走行状態判断手段は、前記走行状態検出手段によって検出された加速度の絶対値が閾値を超えた場合に、予め定められた状態であると判断することを特徴とする請求項1記載の車両。
  3. 前記回転子制御手段は、前記走行状態検出手段によって検出された加速度の値が正の値である場合には、進行方向とは逆方向側の路面に前記回転子を接地させ、一方、負の値である場合には、前記進行方向側の路面に前記回転子を接地させることを特徴とする請求項2記載の車両。
  4. 前記走行状態検出手段は、走行速度を検出するものであり、
    前記走行状態判断手段は、前記走行速度検出手段により検出された走行速度が閾値を超えた場合に、予め定められた走行状態であると判断することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の車両。
  5. 前記アームは、アクチュエータにより該アームの長さを伸縮する伸縮手段を備え、
    前記伸縮手段は、前記走行状態検出手段によって検出された走行状態に基づいて前記アームの長さを伸縮することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の車両。
  6. 前記回転子制御手段による路面への前記回転子の接地を行う場合に、前記走行状態検出手段により検出された走行状態に応じた前記車体傾斜量の目標値を取得する車体傾斜目標値取得手段と、
    前記車体傾斜目標値取得手段によって取得された目標値に基づいて、前記車体傾斜量を変化させる第2の姿勢制御手段を備えていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の車両。
  7. 前記回転子制御手段による路面への前記回転子の接地を行う場合に、前記車体姿勢検出手段により検出された車体傾斜量に応じて、前記車体に対する前記搭乗部の相対的な傾斜量である搭乗部傾斜量の目標値を取得する搭乗部傾斜目標値取得手段を備え、
    前記第2の姿勢制御手段は、前記車体傾斜目標値取得手段によって取得された目標値に基づいて、前記車体傾斜量を変化させると共に、前記搭乗部傾斜目標値取得手段によって取得された目標値に基づいて、前記搭乗部傾斜量を変化させることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の車両。
  8. 前記搭乗部傾斜量を検出する搭乗部姿勢検出手段と、
    その搭乗部姿勢検出手段により検出された搭乗部傾斜量と前記搭乗部傾斜目標取得手段により取得された搭乗部傾斜量の目標値とに基づいて、前記車体傾斜目標値取得手段により取得された車体傾斜量の目標値に対する修正値を取得する目標修正値取得手段とを備え、
    前記第2の姿勢制御手段による前記車体傾斜量の変化は、前記車体傾斜目標値取得手段によって取得された目標値と前記目標修正値取得手段により取得された修正値とに基づいて行われることを特徴とする請求項7記載の車両。






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