JP5772373B2 - 倒立型移動体制御装置、及びその制御方法 - Google Patents

倒立型移動体制御装置、及びその制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、倒立状態を維持しつつ所望の走行を行う倒立型移動体を制御する倒立型移動体制御装置、及びその制御方法に関するものである。
プラットホーム上に搭乗者が搭乗し、その搭乗者の操作に応じて、倒立状態を維持しつつ所望の走行を行う倒立型移動体が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特表2003−502002号公報
上記特許文献1に示す倒立型移動体においては、例えば、高速走行中に、搭乗者が無理な加速操作を行った場合、その倒立状態の維持が困難となることがある。この場合、搭乗者に対して意図しない力が掛かり、倒立型移動体が急停車するなどの問題が生じている。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、倒立型移動体の安全性を向上させることができる倒立型移動体制御装置、及びその制御方法を提供することを主たる目的とする。
上記目的を達成するための本発明の一態様は、倒立型移動体の状態量を検出する状態検出手段と、前記倒立型移動体の車輪を駆動する駆動手段と、搭乗者の操作情報が入力され、該操作情報に応じた操作指令値を算出する指令入力手段と、前記状態検出手段により検出された前記倒立型移動体の状態量に基づいて、搭乗者の姿勢状態を推定する状態推定手段と、前記状態検出手段により検出された前記倒立型移動体の状態量と、前記駆動手段に対するトルク指令値と、に基づいて、前記倒立型移動体の走行状態を判定する判定手段と、前記状態推定手段により推定された前記搭乗者の姿勢状態と、前記判定手段により判定された前記倒立型移動体の走行状態と、に基づいて、該走行状態毎に、前記状態量、前記姿勢状態及び前記トルク指令値を調整する際の優先順位を設定し、該優先順位に応じて制御パラメータの重みを算出する重み演算手段と、前記判定手段により判定された前記倒立型移動体の走行状態と、前記指令入力手段により算出された操作指令値と、に基づいて、前記判定手段により判定された前記走行状態毎に、前記状態検出手段により検出される状態量の目標値となる指令値を算出する指令演算手段と、前記指令入力手段により算出された操作指令値と、前記指令演算手段により算出された前記指令値と、前記重み演算手段により算出された制御パラメータの重みと、に基づいて、前記トルク指令値を算出するトルク指令演算手段と、を備える、ことを特徴とする倒立型移動体制御装置である。この一態様によれば、倒立型移動体の安全性を向上させることができる。
この一態様において、前記状態量検出手段は、前記車輪の角度、角速度、角加速度、前記搭乗者が搭乗するプラットホームの姿勢角度、姿勢角速度、及び姿勢角加速度のうち少なくとも1つを検出してもよい。
この一態様において、前記状態推定手段は、前記状態検出手段により検出された前記車輪の角度と、搭乗者が搭乗するプラットホームの姿勢角度と、に基づいて、前記搭乗者の姿勢角度を推定してもよい。
この一態様において、前記判定手段は、前記倒立型移動体の走行状態を、前記状態検出手段により検出された前記車輪の速度の絶対値が所定速度以下となり、かつ、前記トルク指令値の絶対値が前記駆動手段の最大トルクより小さくなるケース1と、前記状態検出手段により検出された前記車輪の速度の絶対値が所定速度以下となり、かつ、前記トルク指令値の絶対値が前記駆動手段の最大トルクに等しくなるケース2と、前記状態検出手段により検出された前記車輪の速度の絶対値が所定速度より大きくなり、かつ、前記トルク指令値の絶対値が前記駆動手段の最大トルクより小さな値に設定された所定トルクよりも小さくなるケース3と、前記状態検出手段により検出された前記車輪の速度の絶対値が所定速度より大きくなり、かつ、前記トルク指令値の絶対値が前記所定トルク以上となるケース4と、に判定してもよい。これにより、倒立型移動体の走行状態を判定し、その走行状態に最適な動作制御を実施できる。
この一態様において、前記判定手段により前記倒立型移動体の走行状態が前記ケース1又はケース3と判定されたとき、前記重み演算手段及び前記指令演算手段は、前記トルク指令値が前記駆動手段の最大トルクを超えないことを第1優先とし、前記搭乗者の姿勢角度及び姿勢角速度の絶対値を減少させることを第2優先とし、前記搭乗者が搭乗するプラットホームの姿勢角度及び姿勢角速度の絶対値を減少させることを第3優先となるように、前記制御パラメータの重み及び前記指令値を夫々算出し、前記判定手段により前記倒立型移動体の走行状態が前記ケース2と判定されたとき、前記重み演算手段は、前記制御パラメータの重みを算出せず、前記トルク指令演算手段は前記トルク指令値を0に設定し、前記判定手段により前記倒立型移動体の走行状態が前記ケース4と判定されたとき、前記重み演算手段及び前記指令演算手段は、前記トルク指令値が前記駆動手段の最大トルクを超えないことを第1優先とし、前記搭乗者の姿勢角速度の絶対値を減少させることを第2優先とし、前記搭乗者の姿勢角度の絶対値を減少させることを第3優先とし、前記車輪の速度の絶対値を減少させることを第4優先とし、前記プラットホームの姿勢角度の絶対値を減少させることを第5優先となるように、前記制御パラメータの重み及び前記指令値を夫々算出してもよい。これにより、倒立型移動体の走行状態に最適な制御パラメータ及び指令値を設定できる。
この一態様において、前記判定手段により前記倒立型移動体の走行状態が前記ケース1乃至4と判定されたとき、前記重み演算手段は、下記(17)式乃至(19)式及び(22)式乃至(24)式を用いて前記制御パラメータの重みQ、R、Hを算出してもよい。これにより、倒立型移動体の走行状態に最適な制御パラメータを設定できる。
この一態様において、前記判定手段により前記倒立型移動体の走行状態が前記ケース1乃至4と判定されたとき、前記指令演算手段は、下記(20)式及び(25)式を用いて、前記指令値rを算出してもよい。これにより、倒立型移動体の走行状態に最適な指令値を設定できる。
この一態様において、前記トルク指令演算手段は、下記(14)式及び(15)式を用いて前記トルク指令値Tを算出してもよい。これにより、倒立型移動体の走行状態に最適なトルク指令値を設定できる。
他方、上記目的を達成するための本発明の一態様は、倒立型移動体の状態量を検出するステップと、搭乗者の操作情報が入力され、該操作情報に応じた操作指令値を算出するステップと、前記検出された倒立型移動体の状態量に基づいて、搭乗者の姿勢状態を推定するステップと、前記検出された倒立型移動体の状態量と、車輪を駆動する駆動手段に対するトルク指令値と、に基づいて、前記倒立型移動体の走行状態を判定するステップと、前記推定された搭乗者の姿勢状態と、前記判定された倒立型移動体の走行状態と、に基づいて、該走行状態毎に、前記状態量、前記姿勢状態及び前記トルク指令値を調整する際の優先順位を設定し、該優先順位に応じて制御パラメータの重みを算出するステップと、前記判定された倒立型移動体の走行状態と、前記算出された操作指令値と、に基づいて、前記判定された走行状態毎に、前記検出される状態量の目標値となる指令値を算出するステップと、前記算出された操作指令値と、前記算出された指令値と、前記算出された制御パラメータの重みと、に基づいて、前記トルク指令値を算出するステップと、を含む、ことを特徴とする倒立型移動体制御装置の制御方法であってもよい。この一態様によれば、倒立型移動体の安全性を向上させることができる。
また、上記目的を達成するための本発明の一態様は、搭乗者の操作情報が入力され、該操作情報に応じた操作指令値を算出する処理と、検出された倒立型移動体の状態量に基づいて、搭乗者の姿勢状態を推定する処理と、前記検出された倒立型移動体の状態量と、車輪を駆動する駆動手段に対するトルク指令値と、に基づいて、前記倒立型移動体の走行状態を判定する処理と、前記推定された搭乗者の姿勢状態と、前記判定された倒立型移動体の走行状態と、に基づいて、該走行状態毎に、前記状態量、前記姿勢状態及び前記トルク指令値を調整する際の優先順位を設定し、該優先順位に応じて制御パラメータの重みを算出する処理と、前記判定された倒立型移動体の走行状態と、前記算出された操作指令値と、に基づいて、前記判定された走行状態毎に、前記検出される状態量の目標値となる指令値を算出する処理と、前記算出された操作指令値と、前記算出された指令値と、前記算出された制御パラメータの重みと、に基づいて、前記トルク指令値を算出する処理と、をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラムであってもよい。この一態様によれば、倒立型移動体の安全性を向上させることができる。
本発明によれば、倒立型移動体の安全性を向上させることができる倒立型移動体制御装置、及びその制御方法を提供することができる。
本発明の一実施の形態に係る倒立型移動体制御装置の概略的なシステム構成を示すブロック図である。 本発明の一実施の形態に係る倒立型移動体制御装置のシミュレーションにおける搭乗者の姿勢角度の時間変化を示す図である。 本発明の一実施の形態に係る倒立型移動体制御装置のシミュレーションにおける搭乗者の姿勢角加速度の時間変化を示す図である。 本発明の一実施の形態に係る倒立型移動体の概略的構成を示す斜視図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
本発明の一実施の形態に係る倒立型移動体制御装置130は、図4に示すような倒立型移動体120の走行を制御する装置である。本実施の形態に係る倒立型移動体120は、搭乗者が搭乗するプラットホーム421と、プラットホーム421の両側に回転可能に設けられた一対の第1及び第2駆動車輪410と、プラットホーム421に前後左右方向へ揺動可能に設けられ搭乗者が把持し操作を行うハンドル422と、を備えている。倒立型移動体120は、搭乗者の走行操作(ハンドル422の操作、プラットホーム421上での体重移動、ハンドル422やプラットホーム421に設けられたスイッチ操作、など)に応じて倒立状態を維持しつつ、所望の走行を行うように構成されている。
図1は、本実施の形態に係る倒立型移動体制御装置の概略的なシステム構成を示すブロック図である。本実施の形態に係る倒立型移動体制御装置130は、第1及び第2駆動車輪410を駆動する一対の第1及び第2モータ121と、搭乗者により操作情報が入力される指令入力器122と、倒立型移動体120の状態量を状態検出値として検出する状態検出器123と、搭乗者の姿勢角度を推定する状態推定器131と、倒立型移動体120の走行状態を判定するケース判定器132と、制御パラメータの重みを算出する重み演算器133と、トルク指令演算器135に対する指令値を算出する指令演算器134と、第1及び第2モータ121に対するトルク指令値を算出するトルク指令演算器135と、を備えている。
なお、プラットホーム421には、一対の第1及び第2駆動車輪410が設けられる構成であるが、これに限らず、例えば、1つ或いは3つ以上の駆動車輪、さらに従動輪が組み合わされる構成であってもよい。
また、倒立型移動体制御装置130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、プログラマブル電子システムなどにより実現することもできる。
第1及び第2モータ121は、駆動手段の一具体例であり、プラットホーム421に内蔵され、減速機などを介して第1及び第2駆動車輪410の駆動軸に連結されている。第1及び第2モータ121は、トルク指令演算器135からのトルク指令値に応じて、第1及び第2駆動車輪410を独立して夫々回転駆動させ、倒立型移動体120の倒立状態を維持しつつ所望の進行方向及び速度で走行させる。
指令入力器122は、指令入力手段の一具体例であり、搭乗者によるプラットホーム421、ハンドル422、スイッチなどの操作を介して操作情報が入力される。指令入力器122は、入力された操作情報に応じた所望の走行を行うための操作指令値(第1及び第2駆動車輪410の角度指令値、プラットホーム421の姿勢角度の指令値、搭乗者の姿勢角度の指令値など)を算出する。指令入力器122は、算出した操作指令値を指令演算器134及びトルク指令演算器135に対して出力する。これにより、搭乗者は、例えば、ハンドル422などを操作することで、指令入力器122を介して、倒立型移動体120を所望の移動速度及び方向に走行させることができる。
状態検出器123は、状態検出手段の一具体例であり、倒立型移動体120に設けられた回転センサや姿勢センサなどの検出センサを用いて、倒立型移動体120の状態量を検出する。
例えば、状態検出器123は、プラットホーム421に設けられた姿勢センサ(ジャイロセンサ、加速度センサなど)を用いて、プラットホーム421の姿勢角度(傾斜角度)を検出する。また、状態検出器123は、第1及び第2駆動車輪410に設けられた回転センサ(ポテンショメータなど)を用いて、第1及び第2駆動車輪410の角度、角速度、及び角加速度を検出する。状態検出器123には状態推定器131及びケース判定器132が接続されており、状態検出器123は、検出した状態量を状態検出値として状態推定器131及びケース判定器132に対して出力する。
状態推定器131は、状態推定手段の一具体例であり、状態検出器123から出力された倒立型移動体120の状態検出値(第1及び第2駆動車輪410の角速度、プラットホーム421の姿勢角度など)に基づいて、搭乗者の姿勢角度(傾斜角度)などの状態量を推定し、状態推定値として出力する。状態推定器131には重み演算器133が接続されており、状態推定器131は、推定した状態量を重み演算器133に対して出力する。
ケース判定器132は、判定手段の一具体例であり、状態検出器123から出力された倒立型移動体120の状態検出値(第1及び第2駆動車輪410の角速度、プラットホーム421の姿勢角度など)と、トルク指令演算器135から出力されたトルク指令値と、に基づいて、倒立型移動体120の走行状態を判定する。なお、倒立型移動体120の走行状態は、例えば、第1及び第2駆動車輪410の角速度などの複数の条件の組合せにより分類されている。ケース判定器132には、重み演算器133及び指令演算器134が接続されており、ケース判定器132は判定結果を重み演算器133及び指令演算器134に対して出力する。
重み演算器133は、重み演算手段の一具体例であり、状態推定器131からの出力された状態推定値と、ケース判定器132からの判定結果と、に基づいて、ケース判定器132が出力するケース毎のトルク指令値を決定するための制御パラメータの重みを算出する。重み演算器133にはトルク指令演算器135が接続されており、重み演算器133は算出した重みをトルク指令演算器135に対して出力する。
指令演算器134は、指令演算手段の一具体例であり、ケース判定器132からの判定結果に基づいて、ケース判定器132が出力するケース毎に、状態検出器123により検出される状態量の目標値となる指令値を算出する。指令演算器134にはトルク指令演算器135が接続されており、指令演算器134は算出した指令値をトルク指令演算器135に対して出力する。
トルク指令演算器135は、トルク指令演算手段の一具体例であり、重み演算器133から出力される重みと、指令演算器134から出力される指令値と、に基づいて、第1及び第2モータ121が発生するモータトルクを決めるトルク指令値を算出する。トルク指令演算器135には、駆動回路136を介して第1及び第2モータ121が接続されており、トルク指令演算器135は、算出したトルク指令値を、駆動回路136を介して第1及び第2モータ121に対して出力する。
次に、倒立型移動体制御装置130の動作原理を導出し、その機能を詳細に説明する。
まず、倒立型移動体120の運動方程式は、下記(1)式乃至(3)式として導出できる。
Figure 0005772373
Figure 0005772373
Figure 0005772373
ただし、上記(1)式乃至(3)式において、各記号は以下の通りである。
:第1及び第2駆動車輪410の慣性モーメント[kg・m]、
:搭乗者の慣性モーメント[kg・m]、
θ:第1及び第2駆動車輪410の角度[rad]、
θ:プラットホーム421の姿勢角度(傾斜角度)[rad]、
θ:搭乗者の姿勢角度[rad]、
:第1及び第2駆動車輪410の質量[kg]、
:搭乗者の質量[kg]、
:第1及び第2駆動車輪410の半径[m]、
:搭乗者の足裏中心と重心の間の距離[m]、
:トルク指令演算器135により算出されるトルク指令値(モータトルク)[N・m]、
in:搭乗者が入力するトルク(搭乗者の走行操作に応じたトルク)[N・m]
倒立型移動体120の通常動作において、下記(4)式乃至(6)式が成立する。
Figure 0005772373
Figure 0005772373
Figure 0005772373
上記(4)式乃至(6)式を用いて、上記(1)式乃至(3)式は、下記(7)式乃至(9)式のように線形化される。
Figure 0005772373
Figure 0005772373
Figure 0005772373
ここで、状態検出器123により第1及び第2駆動車輪410の角度θとプラットホーム421の姿勢角度θとが検出されることを考慮して、上記(7)式乃至(9)式の状態空間表現は、下記(10)式及び(11)式として表わすことができる。
Figure 0005772373
Figure 0005772373
上記(10)式及び(11)式に対して、ローゼンブロック・ハウタス・ポポフテストを適用すると、可観測であることが分かるので、下記(12)式に示す状態推定器を設計できる。
Figure 0005772373
状態推定器131は、状態検出器123から出力された第1及び第2駆動車輪410の角度θと、プラットホーム421の姿勢角度θと、に基づいて、上記設計した(12)式を用いて、搭乗者の姿勢角度θを推定し、推定した搭乗者の姿勢角度θを重み演算器133に対して出力する。
ここで、上述のローゼンブロック・ハウタス・ポポフテストにより、上記(10)式は可制御であることが分かるので、以下、その制御設計について詳細に説明する。
まず、下記(13)式に示す評価関数を導入する。
Figure 0005772373
ただし、上記(13)式において、各記号は以下の通りである。
:所望の応答時間[s]、
Q:倒立型移動体120の状態量に対する重み行列、
R:トルク指令値Tに対する重み値、
H:所望の応答時間における状態量に対する重み行列
なお、上記重みQ、R、Hの設計方法については、詳細に後述する。
上記(13)式の評価関数を最小化するようなトルク指令値Tを導出するために、下記(14)式に示す微分リカッチ方程式を導入する。
Figure 0005772373
ただし、上記(14)式において、各記号は以下の通りである。
δ:安定度[rad/s]、
I:単位行列
A:倒立型移動体120の状態方程式のシステム行列
b:倒立型移動体120の状態方程式の入力行列
P:微分リカッチ方程式の解
上記(14)式の解Pを用いて、トルク指令値Tは下記(15)式として導出できる。
Figure 0005772373
ただし、上記(15)式において、各記号は以下の通りである。
r:指令演算器134から出力される指令値
θ1r:指令入力器122からの第1及び第2駆動車輪410の角度指令値(車輪角度の指令値)[rad]、
θ2r:指令入力器122からのプラットホーム421の姿勢角度の指令値[rad]、
θ3r:指令入力器122からの搭乗者の姿勢角度の指令値[rad]
k:制御ゲイン
上記(15)式を用いて、上記(10)式で定義される状態量xが少なくともδ[rad/s]以上の収束の速さで指令値rに収束する。トルク指令演算器135は、指令演算器134から出力された指令値rと、重み演算器133から出力された重みQ、R、Hと、指令入力器122から出力された操作指令値θ1r、θ2r、θ3rと、に基づいて、上記(15)式を用いて、トルク指令値Tを算出する。トルク指令演算器135は、算出したトルク指令値Tを第1及び第2モータ121とケース判定器132に対して出力する。
ケース判定器132は、状態検出器123から出力された第1及び第2駆動車輪410の角度θと、トルク指令演算器135から出力されたトルク指令値Tと、に基づいて、倒立型移動体120の走行状態が下記(16)式に示す4つのケース1〜4のうち、いずれに該当するかを判定する。ケース判定器132は、その判定結果(ケース1〜4)を重み演算器133及び指令演算器134に対して出力する。
Figure 0005772373
ただし、上記(16)式において、各記号は以下の通りである。
θ1sの1階時間微分値:安全車輪速度(所定速度)(搭乗者が安全にプラットホーム421から降りることができる第1及び第2駆動車輪410の速度)[rad/s]、
mlim:モータトルク上限値(第1及び第2モータ121が出力できる最大トルク)[N・m]、
:安全モータトルク(所定トルク)[N・m](モータトルク上限値Tmlimより小さな絶対値となるモータトルクである。また、安全車輪速度を超える第1及び第2駆動車輪410の速度で倒立型移動体120が移動中に、第1及び第2モータ121のモータトルクがこの値を超えると、搭乗者を安全に降車させるまたは倒立型移動体120を安全に減速停車させるためのモータトルクの閾値である。)
重み演算器133は、状態推定器131から出力される搭乗者の姿勢角度と、ケース判定器132から出力される判定結果(ケース1〜4)と、に基づいて、その判定結果に応じた制御パラメータの重みQ、R、Hを夫々算出する。同様に、指令演算器134は、指令入力器122から出力される操作指令値と、ケース判定器132から出力される判定結果と、に基づいて、その判定結果に応じた指令値rを夫々算出する。
(ケース1及びケース3の場合)
重み演算器133は、ケース判定器132から出力された判定結果が上記ケース1およびケース3である場合、重みQ、R、Hを、下記(17)式乃至(19)式を用いて算出し、算出した重みQ、R、Hをトルク指令演算器135に出力する。同様に、指令演算器134は、ケース判定器132から出力された判定結果が上記ケース1およびケース3である場合、指令値rを、下記(20)式を用いて算出し、算出した指令値rをトルク指令演算器135に対して出力する。
Figure 0005772373
Figure 0005772373
Figure 0005772373
Figure 0005772373
ただし、上記(17)式乃至(20)式における各記号の意味は以下の通りである。
θ2lim:プラットホーム421の姿勢角度の上限値[rad]、
θ3lim:搭乗者の姿勢角度の上限値[rad]
上述の如く、重み演算器133は、上記(17)式乃至(19)式に基づいて重みQ、R、Hを算出し、トルク指令演算器135は、その算出された重みQ、R、Hを用いて、トルク指令値Tを算出する。これにより、トルク指令値Tがモータトルク上限値Tmlimを超えないことを第1優先とし、搭乗者の姿勢角度θと搭乗者の姿勢角速度(θの1階時間微分値)の絶対値を減少させることを第2優先とし、プラットホーム421の姿勢角度θとプラットホーム421の姿勢角速度(θの1階時間微分値)の絶対値を減少させることを第3優先として設定される。この優先順位で、所望の応答時間Tまでの間、倒立型移動体120が制御される。
(ケース2の場合)
重み演算器133は、ケース判定器132から出力された判定結果がケース2の場合、重みQ、R、Hを算出しない。この場合、トルク指令演算器135は、下記(21)式に示すトルク指令値Tを、第1及び第2モータ121とケース判定器132に対して出力する。
Figure 0005772373
上記(21)式のトルク指令値Tによると、第1及び第2駆動車輪410の速度(θの1階時間微分値)の絶対値が、安全車輪速度(θ1sの1階時間微分値)の絶対値よりも小さく、且つトルク指令値Tがモータトルク上限値Tmlimに達すると、トルク指令値Tを0[N・m]とし、搭乗者を進行方向へ安全に降車させることができる。
(ケース4の場合)
重み演算器133は、ケース判定器132から出力された判定結果が上記ケース4である場合、重みQ、R、Hを、下記(22)式乃至(24)式を用いて算出し、算出した重みQ、R、Hをトルク指令演算器135に対して出力する。同様に、指令演算器134は、ケース判定器132から出力された判定結果が上記ケース4である場合、指令値rを、下記(25)式を用いて算出し、算出した指令値rをトルク指令演算器135に対して出力する。
Figure 0005772373
Figure 0005772373
Figure 0005772373
Figure 0005772373
ただし、上記(22)式乃至(25)式において、各記号は以下の通りである。
θ1limの1階時間微分値:車輪速度上限値(第1及び第2駆動車輪410の速度上限値)[rad/s]、
θ3sの2階時間微分値:安全搭乗者姿勢角加速度[rad/s](搭乗者が倒立型移動体120に安全に乗車し続けることができる搭乗者の姿勢角加速度の上限値)
T:制御周期[s]、
k:時間のインデックス
上述の如く、重み演算器133は、上記(22)式乃至(25)式に基づいて重みQ、R、Hを算出し、トルク指令演算器135は、その算出された重みQ、R、Hを用いてトルク指令値Tを算出する。これにより、トルク指令値Tがモータトルク上限値Tmlimを超えないことを最優先とし、搭乗者の姿勢角速度(θの1階時間微分値)の絶対値を減少させることを第2優先とし、搭乗者の姿勢角度θの絶対値を減少させることを第3優先とし、第1及び第2駆動車輪410の速度(θの1階時間微分値)の絶対値を減少させることを第4優先とし、プラットホーム421の姿勢角度θの絶対値を減少させることを第5優先として設定される。この優先順位で、搭乗者の姿勢角加速度(θの2階時間微分値)が安全搭乗者姿勢角加速度(θ3sの2階時間微分値)を超えないように、所望の応答時間Tまでの間、倒立型移動体120は制御される。
上述のように制御することで、倒立型移動体120で高速で走行する際に、搭乗者が無理な加速を強いた場合でも、安全に走行を継続できる範囲を超えた力が搭乗者に掛かることを防ぎ、且つ倒立型移動体120を安全な速度まで減速させることができる。
次に、本実施の形態に係る倒立型移動体制御装置130において行ったシミュレーション結果について、詳細に説明する。なお、本シミュレーションにおいて、各パラメータの値は、例えば、以下のように設定されている。
=5[kg]、m=70[kg]、J=0.025[kg・m]、J=25.2[kg・m]、r=0.1[m]、l=0.8[m]、g=9.8[m/s]、θ2lim=π/16[rad]、θ3lim=π/16[rad]、θ1limの1階時間微分値=27.7[rad/s]、θ2limの1階時間微分値=0.1[rad/s]、θ3limの1階時間微分値=0.1[rad/s]、θ1sの1階時間微分値=22.2[rad/s]、θ3sの2階時間微分値=98[rad/s]、Tmlim=0.637[N・m]、T=0.7・Tmlim[N・m]、T=1×10−3[s]、c12=0.5、c13=1、c42=0.25、c43=0.75、c44=0.5、c46=1、δ=1×10−5[rad/s]、Tin=Tmlim/2[N・m]、θ1ic(第1及び第2駆動車輪410の角度の初期値)=0[rad]、θ2ic(プラットホーム421の姿勢角度の初期値)=θ2lim[rad]、θ3ic(搭乗者の姿勢角度の初期値)=θ3lim[rad]、θ1icの1階時間微分値=θ1sの1階時間微分値[rad/s]、θ2icの1階時間微分値=θ2limの1階時間微分値[rad/s]、θ3icの1階時間微分値=θ3limの1階時間微分値[rad/s]
本シミュレーションにおいて、車輪速度上限値(θ1limの1階時間微分値)は、一般人がジョギングするときの速度で倒立型移動体120が走行させた場合の車輪速度である。また、プラットホーム421の姿勢角速度の上限値(θ2limの1階時間微分値)、及び、搭乗者速度上限値(θ3limの1階時間微分値)は、倒立型移動体120の通常動作中において起こりうる速度の上限値である。さらに、安全車輪速度(θ1sの1階時間微分値)は、一般人が早歩きするときの速度で倒立型移動体120を走行させた場合の車輪速度である。安全搭乗者加速度(θ3sの2階時間微分値)は、本シミュレーションで想定している搭乗者が受けても倒立型移動体120に搭乗し続けることができる加速度の上限値である。
本シミュレーションにおいて、搭乗者がモータトルク上限値Tmlimの半分にあたる大きなトルクを加え続けながら走行を続けた場合に、ケース判定器132が倒立型移動体120の走行状態を上述のケース4と判定した場合を想定している。
図2は、本シミュレーションにおける搭乗者の姿勢角度の時間変化を示す図である。図2において、実線(1)は、従来に係る倒立型移動体制御装置が最適制御を行った場合における搭乗者の姿勢角度の時間変化を示している。また、点線(2)は、本実施の形態に係る倒立型移動体制御装置130における搭乗者の姿勢角度の時間変化を示している。さらに、点線(3)は、搭乗者が転倒した場合の搭乗者の姿勢角度(約0.8[rad])を示している。すなわち、点線(3)より大きな搭乗者の姿勢角度は、搭乗者が転倒していることを表わしている。
図2に示すように、従来に係る倒立型移動体制御装置によると、0.1[s]において搭乗者は転倒しているのに対し、本実施の形態に係る倒立型移動体制御装置130によると、搭乗者は転倒することなく継続して安全に搭乗していることが分かる。
図3は、本シミュレーションにおける搭乗者の姿勢角加速度の時間変化を示す図である。図3において、実線(1)は従来に係る倒立型移動体制御装置が最適制御を行った場合における搭乗者の姿勢角加速度の時間変化を示している。また、点線(2)は、本実施の形態に係る倒立型移動体制御装置130における搭乗者の姿勢角加速度の時間変化を示している。さらに、点線(3)は、安全搭乗者姿勢角加速度(θ3sの2階時間微分値)を示している。
図3に示すように、従来に係る倒立型移動体制御装置によると安全搭乗者姿勢加速度を超える加速度が搭乗者にかかっているのに対し、本実施の形態に係る倒立型移動体制御装置130によると安全搭乗者姿勢加速度を下回った加速度しか搭乗者にかかっていないことが分かる。すなわち、本実施の形態に係る倒立型移動体制御装置130によれば、安全に走行を継続できる範囲を超えた力が搭乗者に掛からないことが分かる。さらに、0.1[s]において、第1及び第2駆動車輪410の速度は安全車輪速度(θ1sの1階微分値)まで減速されている。
以上、本実施の形態に係る倒立型移動体制御装置130によれば、倒立型移動体120が高速で走行する際に、搭乗者が無理な加速を強いた場合でも、安全に走行を継続できる範囲を超えた力が搭乗者に掛かることを防ぎ、且つ、倒立型移動体120を安全な速度まで減速させることができる。すなわち、倒立型移動体120の安全性を向上させることができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
また、上記一実施の形態では、本発明をハードウェアの構成として説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明は、上記指令入力器122、状態推定器131、ケース判定器132、重み演算器133、指令演算器134、及びトルク指令演算器135、が行なう処理を、CPUにコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。
プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。
また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
本発明は、例えば、単数又は複数の車輪を備え、人が搭乗して倒立状態を維持しつつ所望の走行を行う、電動車椅子やサービスロボットなどに広く適用できる。
120 倒立型移動体
121 第1及び第2モータ
122 指令入力器
123 状態検出器
130 倒立型移動体制御装置
131 状態推定器
132 ケース判定器
133 重み演算器
134 指令演算器
135 トルク指令演算器
410 第1及び第2駆動車輪
421 プラットホーム
422 ハンドル

Claims (10)

  1. 倒立型移動体の状態量を検出する状態検出手段と、
    前記倒立型移動体の車輪を駆動する駆動手段と、
    搭乗者の操作情報が入力され、該操作情報に応じた操作指令値を算出する指令入力手段と、
    前記状態検出手段により検出された前記倒立型移動体の状態量に基づいて、搭乗者の姿勢状態を推定する状態推定手段と、
    前記状態検出手段により検出された前記倒立型移動体の状態量と、前記駆動手段に対するトルク指令値と、に基づいて、前記倒立型移動体の走行状態を判定する判定手段と、
    前記状態推定手段により推定された前記搭乗者の姿勢状態と、前記判定手段により判定された前記倒立型移動体の走行状態と、に基づいて、該走行状態毎に、前記状態量、前記姿勢状態及び前記トルク指令値を調整する際の制御パラメータの重みを算出する重み演算手段と、
    前記判定手段により判定された前記倒立型移動体の走行状態と、前記指令入力手段により算出された操作指令値と、に基づいて、前記判定手段により判定された前記走行状態毎に、前記状態検出手段により検出される状態量の目標値となる指令値を算出する指令演算手段と、
    前記指令入力手段により算出された操作指令値と、前記指令演算手段により算出された前記指令値と、前記重み演算手段により算出された制御パラメータの重みと、に基づいて、前記トルク指令値を算出するトルク指令演算手段と、
    を備える、ことを特徴とする倒立型移動体制御装置。
  2. 請求項1記載の倒立型移動体制御装置であって、
    前記状態量検出手段は、前記車輪の角度、角速度、角加速度、前記搭乗者が搭乗するプラットホームの姿勢角度、姿勢角速度、及び姿勢角加速度のうち少なくとも1つを検出する、ことを特徴とする倒立型移動体制御装置。
  3. 請求項1又は2記載の倒立型移動体制御装置であって、
    前記状態推定手段は、前記状態検出手段により検出された前記車輪の角度と、搭乗者が搭乗するプラットホームの姿勢角度と、に基づいて、前記搭乗者の姿勢角度を推定する、ことを特徴とする倒立型移動体制御装置。
  4. 請求項1乃至3のうちいずれか1項記載の倒立型移動体制御装置であって、
    前記判定手段は、前記倒立型移動体の走行状態を、
    前記状態検出手段により検出された前記車輪の速度の絶対値が所定速度以下となり、かつ、前記トルク指令値の絶対値が前記駆動手段の最大トルクより小さくなるケース1と、
    前記状態検出手段により検出された前記車輪の速度の絶対値が所定速度以下となり、かつ、前記トルク指令値の絶対値が前記駆動手段の最大トルクに等しくなるケース2と、
    前記状態検出手段により検出された前記車輪の速度の絶対値が所定速度より大きくなり、かつ、前記トルク指令値の絶対値が前記駆動手段の最大トルクより小さな値に設定された所定トルクよりも小さくなるケース3と、
    前記状態検出手段により検出された前記車輪の速度の絶対値が所定速度より大きくなり、かつ、前記トルク指令値の絶対値が前記所定トルク以上となるケース4と、
    に判定する、ことを特徴とする倒立型移動体制御装置。
  5. 請求項4記載の倒立型移動体制御装置であって、
    前記判定手段により前記倒立型移動体の走行状態が前記ケース1又はケース3と判定されたとき、前記重み演算手段及び前記指令演算手段は、前記トルク指令値が前記駆動手段の最大トルクを超えないことを第1優先とし、前記搭乗者の姿勢角度及び姿勢角速度の絶対値を減少させることを第2優先とし、前記搭乗者が搭乗するプラットホームの姿勢角度及び姿勢角速度の絶対値を減少させることを第3優先となるように、前記制御パラメータの重み及び前記指令値を夫々算出し、
    前記判定手段により前記倒立型移動体の走行状態が前記ケース2と判定されたとき、前記重み演算手段は、前記制御パラメータの重みを算出せず、前記トルク指令演算手段は前記トルク指令値を0に設定し、
    前記判定手段により前記倒立型移動体の走行状態が前記ケース4と判定されたとき、前記重み演算手段及び前記指令演算手段は、前記トルク指令値が前記駆動手段の最大トルクを超えないことを第1優先とし、前記搭乗者の姿勢角速度の絶対値を減少させることを第2優先とし、前記搭乗者の姿勢角度の絶対値を減少させることを第3優先とし、前記車輪の速度の絶対値を減少させることを第4優先とし、前記プラットホームの姿勢角度の絶対値を減少させることを第5優先となるように、前記制御パラメータの重み及び前記指令値を夫々算出する、
    ことを特徴とする倒立型移動体制御装置。
  6. 請求項5記載の倒立型移動体制御装置であって、
    前記判定手段により前記倒立型移動体の走行状態が前記ケース1、3、及び4のうちのいずれかに判定されたとき、前記重み演算手段は、下記式を用いて前記制御パラメータの重みQ、R、Hを算出する、ことを特徴とする倒立型移動体制御装置。
    ケース1及び3の場合:
    Figure 0005772373
    Figure 0005772373
    Figure 0005772373
    ケース4の場合:
    Figure 0005772373
    Figure 0005772373
    Figure 0005772373
    但し、上記式において、θ1limを前記車輪の速度の上限値、θ2limを前記プラットホームの姿勢角度の上限値、θ3limを搭乗者の姿勢角度の上限値、Tを前記トルク指令値、Tmlimを前記駆動手段のトルク上限値とする。
  7. 請求項5又は6記載の倒立型移動体制御装置であって、
    前記判定手段により前記倒立型移動体の走行状態が前記ケース1、3、及び4のうちのいずれかに判定されたとき、前記指令演算手段は、下記式を用いて、前記指令値rを算出する、ことを特徴とする倒立型移動体制御装置。
    ケース1及び3の場合:
    Figure 0005772373
    ケース4の場合:
    Figure 0005772373
    但し、上記式において、θ1rを前記車輪角度の指令値、θ3rを搭乗者の姿勢角度の指令値、θ3sを搭乗者が前記倒立型移動体に安全に乗車し続けることができる搭乗者の姿勢角加速度の上限値、Tを制御周期、kを時間のインデックス、とする。
  8. 請求項1乃至7のうちいずれか1項記載の倒立型移動体制御装置であって、
    前記トルク指令演算手段は、下記式を用いて前記トルク指令値Tを算出する、ことを特徴とする倒立型移動体制御装置。
    Figure 0005772373
    但し、上記式において、Aを前記倒立型移動体の状態方程式のシステム行列、bを前記倒立型移動体の状態方程式の入力行列、Pを微分リカッチ方程式の解、δを安定度、Iを単位行列、kを制御ゲイン、rを前記指令演算手段により算出される指令値、θ1rを前記指令入力手段からの車輪角度の指令値、θ2rを前記指令入力手段からのプラットホームの角度指令値、θ3rを前記指令入力手段からの搭乗者の姿勢角度の指令値、Q、R及びHを前記重み演算手段により算出される重み、Tを制御周期、とする。
  9. 倒立型移動体の状態量を検出するステップと、
    搭乗者の操作情報が入力され、該操作情報に応じた操作指令値を算出するステップと、
    前記検出された倒立型移動体の状態量に基づいて、搭乗者の姿勢状態を推定するステップと、
    前記検出された倒立型移動体の状態量と、車輪を駆動する駆動手段に対するトルク指令値と、に基づいて、前記倒立型移動体の走行状態を判定するステップと、
    前記推定された搭乗者の姿勢状態と、前記判定された倒立型移動体の走行状態と、に基づいて、該走行状態毎に、前記状態量、前記姿勢状態及び前記トルク指令値を調整する際の制御パラメータの重みを算出するステップと、
    前記判定された倒立型移動体の走行状態と、前記算出された操作指令値と、に基づいて、前記判定された走行状態毎に、前記検出される状態量の目標値となる指令値を算出するステップと、
    前記算出された操作指令値と、前記算出された指令値と、前記算出された制御パラメータの重みと、に基づいて、前記トルク指令値を算出するステップと、
    を含む、ことを特徴とする倒立型移動体制御装置の制御方法。
  10. 搭乗者の操作情報が入力され、該操作情報に応じた操作指令値を算出する処理と、
    検出された倒立型移動体の状態量に基づいて、搭乗者の姿勢状態を推定する処理と、
    前記検出された倒立型移動体の状態量と、車輪を駆動する駆動手段に対するトルク指令値と、に基づいて、前記倒立型移動体の走行状態を判定する処理と、
    前記推定された搭乗者の姿勢状態と、前記判定された倒立型移動体の走行状態と、に基づいて、該走行状態毎に、前記状態量、前記姿勢状態及び前記トルク指令値を調整する際の制御パラメータの重みを算出する処理と、
    前記判定された倒立型移動体の走行状態と、前記算出された操作指令値と、に基づいて、前記判定された走行状態毎に、前記検出される状態量の目標値となる指令値を算出する処理と、
    前記算出された操作指令値と、前記算出された指令値と、前記算出された制御パラメータの重みと、に基づいて、前記トルク指令値を算出する処理と、
    をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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