JP6233265B2 - 倒立二輪型移動体システム - Google Patents

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本発明は倒立二輪型移動体システムに関する。
ユーザが搭乗して操作することが可能な倒立二輪型移動体(以下、単に移動体と記載)が提案されている。
例えば、特許文献1には、移動体の姿勢センサが検出した自己の姿勢情報に基づいて走行を制御する移動体が開示されている。具体的に、この移動体は、訓練モードにおいて搭乗者が重心を移動させた際、その姿勢センサが自己のピッチ角度及びロール角度を検出する。移動体の制御部は、検出されたピッチ角度及びロール角度に基づいて、車輪の駆動を制御する。このようにして、特許文献1にかかる移動体は、訓練モードにおいて、搭乗者の身体機能やバランス機能の改善を図ることができる。
特開2011−031669号公報
身体が不自由な人が移動体に搭乗して身体のリハビリを行うような場合、移動体が物体に接触しそうな場合に、搭乗者は移動体を即時に操作できない可能性がある。従って、移動体の周辺に物体があるような場合に、搭乗者や周辺の安全を確保するための何らかの措置が必要となる。しかしながら、安全性を考慮して移動体を動作できないような状態にしてしまうと、搭乗者にできるだけ移動体の動作をさせるというリハビリの目的と相反してしまうという問題があった。特許文献1に記載の移動体は、物体が移動体近傍にある場合の安全性を考慮した技術ではないため、この問題を解決することができなかった。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、周囲に物体がある場合でも、搭乗者や周辺の安全を確保しつつできる限り動作可能な倒立二輪型移動体システムを提供することを目的とする。
本発明の一態様にかかる倒立二輪型移動体システムは、倒立制御により倒立状態を維持しつつ、車輪をモータによって駆動する倒立二輪型移動体と、前記倒立二輪型移動体の周辺の物体を検出する物体検出センサと、を備える。前記倒立二輪型移動体は、前記モータの駆動を制御する制御部と、前記モータの駆動状態を検出する駆動状態検出センサと、遊び量調節可能に前記倒立二輪型移動体に連結された操作ハンドルと、を有する。前記制御部は、検出された前記駆動状態に基づいて、前記倒立二輪型移動体の搭乗者の乗車状態を推定し、推定した前記乗車状態に基づいて、前記倒立二輪型移動体の周辺に所定の範囲を設定し、前記物体検出センサが検出した前記所定の範囲内にある前記物体について、前記倒立二輪型移動体との距離が所定の距離未満であるか否かを判定し、前記距離が前記所定の距離未満である場合に前記操作ハンドルの前記遊び量を増加させる。
この倒立二輪型移動体システムにおいて、制御部は、倒立二輪型移動体と物体との距離が所定の距離未満である場合に操作ハンドルの遊び量を増加している。そのため、倒立二輪型移動体のすぐ近くに物体があるような場合に、操作ハンドルの遊び量を増加させて、搭乗者が操作ハンドルを大きく動かさないと倒立二輪型移動体が動かないようにすることができる。つまり、搭乗者が倒立二輪型移動体を動かしにくくなる。その結果、搭乗者や周辺の安全を確保することができる。また、倒立二輪型移動体と物体との距離が所定の距離以上離れている場合には、搭乗者は操作ハンドルを大きく動かさなくとも倒立二輪型移動体を動かすことができる。つまり、倒立二輪型移動体の移動(動作)が制限されない。
本発明により、周囲に物体がある場合でも、搭乗者や周辺の安全を確保しつつできる限り動作可能な倒立二輪型移動体システムを提供することができる。
実施の形態に係る倒立二輪型移動体システムを示す図である。 実施の形態に係る倒立二輪型移動体の概略的なシステム構成を示すブロック図である。 実施の形態に係る制御部の概略的なシステム構成を示すブロック図である。 実施の形態に係る記憶部に格納されるモータ出力のマップ情報の一例を示すグラフである。 実施の形態に係る制御部の制御を示すフローチャートである。 実施の形態において、倒立二輪型移動体と物体との距離が所定の距離未満である場合の、搭乗者の操作を示した図である。 実施の形態において、倒立二輪型移動体と物体との距離が所定の距離以上である場合の、搭乗者の操作を示した図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1に示すように、倒立二輪型移動体システム1は、倒立二輪型移動体2(以下、移動体2と記載)とカメラ3を備える。移動体2は、倒立制御により倒立状態を維持しつつ、車輪をモータによって駆動することができる二輪車である。
移動体2は、車両本体10と操作ハンドル11とステップ部12R及び12Lと車輪13R及び13Lを備える。操作ハンドル11は、車両本体10に遊び量調節可能に連結されたハンドルであり、搭乗者Pが操作ハンドル11を操作することにより、移動体2を移動させることができる。例えば、搭乗者Pが操作ハンドル11を前後方向に傾けることによって、移動体2の前進又は後退操作が実行され、ロール方向(左右方向)へ傾けることによって、移動体2の旋回操作を実行することができる。車両本体10は、操作ハンドル11をロール方向へ回転自在に支持する。
車両本体10の上面かつ操作ハンドル11の左右両側には、一対のステップ部12R、12Lが設けられている。各ステップ部12R、12Lは、搭乗者Pが片足ずつ乗せて搭乗するステップである。
車輪13Rは、移動体2の右下方に回転自在に支持されており、車輪13Lは、移動体2の左下方に回転自在に支持されている。一対の車輪13R、13Lは、車両本体10の走行方向と直交する方向の両側において同軸上に配置されている。
カメラ3は、移動体2の周囲(図1に示す領域AP)を撮影することにより、移動体2とその周囲の物体を検出することができる検出センサとして機能する。
図2は、倒立二輪型移動体システム1の概略的なシステム構成を示すブロック図である。倒立二輪型移動体システム1は、カメラ3と姿勢センサ14と角度検出センサ15と回転センサ16R及び16Lと制御部17と駆動回路18R及び18Lと車輪駆動ユニット19R及び19Lとハンドル固定部20とバッテリ21を備える。カメラ3を除く各部は、移動体2の車両本体10に備えられている。以下、カメラ3を除く各部について説明する。
姿勢センサ14は、移動体2や操作ハンドル11等の姿勢を検出し、検出結果を制御部17に出力する。例えば、姿勢センサ14は、ジャイロセンサ、加速度センサ等から構成され、移動体2の傾斜角度、傾斜角速度、傾斜角加速度等の姿勢情報を検出することができる。姿勢センサ14が測定可能な傾斜方向は、例えばピッチ方向やロール方向である。
角度検出センサ15は、操作ハンドル11の操作量(例えば回動量)を検出するセンサであり、例えば、ポテンショメータやバリコン構造のセンサ等を適用することができる。
回転センサ16R、16Lは、それぞれ駆動モータ19a、19cの回転情報(駆動状態)を検出し、検出した回転情報を制御部17に出力する。回転情報は、例えば各駆動モータ19a、19cの回転数、回転角速度、回転角加速度等の情報である。
制御部17は、例えばCPU(Central Processing Unit)等の演算回路17aと、各種制御プログラムやデータなどが格納されたRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等の記憶部17bを備えている。制御部17は、姿勢センサ14の検出結果と、角度検出センサ15の検出結果と、各回転センサ16R及び16Lからの回転情報に基づいて所定の演算処理を実行し、駆動回路18R及び18Lに必要なトルク情報を生成する。制御部17は、生成したトルク情報をトルク指令信号として駆動回路18R及び18Lに出力する。このトルク指令信号により制御部17が駆動モータ19a及び19cの駆動を制御することで、移動体2は倒立状態を維持しつつ所望の走行を行う。
例えば、搭乗者Pが操作ハンドル11を前方または後方に傾けた際に、各ステップ部12R、12Lは同方向に傾くことになり、姿勢センサ14は、かかる傾斜に対応した傾斜情報を検出する。制御部17は、検出された傾斜情報に応じて、操作ハンドル11の傾斜方向に移動体2が移動するように、車輪駆動ユニット19R、19Lを駆動制御する。このように搭乗者Pは、その重心移動により各ステップ部12R、12Lを傾斜させることで、移動体2を前進又は後進させることができる。
図3は、制御部17の概略的なシステム構成を示すブロック図である。図3に示すように、制御部17は、図2に示した記憶部17bに加え、倒立制御部31と乗車状態推定部32と許容移動範囲設定部33と物体判定部34と遊び量調整部35を有している。なお、図3では、演算回路17aは省略されている。
倒立制御部31は、移動体2が倒立状態を維持しつつ所望の走行を行うため、車輪駆動ユニット19R、19Lに対するトルク情報を生成する。
乗車状態推定部32は、倒立制御部31が生成したトルク情報と、回転センサ16R及び16Lが検出した回転情報と、記憶部17bに格納されたマップ情報を読み込む。乗車状態推定部32は、以上の情報に基づいて、搭乗者Pの乗車状態を推定する。
許容移動範囲設定部33は、乗車状態推定部32が推定した乗車状態に基づいて、搭乗者Pの許容移動範囲(所定の範囲)を設定する。この許容移動範囲は、搭乗者Pが移動可能と考えられる範囲であり、例えば、移動体2を中心とした円として設定される。なお、図1において、許容移動範囲は領域ADで示されている。
ここで、乗車状態推定部32及び許容移動範囲設定部33の動作についてより具体的に説明する。図4は、記憶部17bに格納されるモータ出力のマップ情報の一例を示すグラフである。図4の横軸はモータの回転数、縦軸はモータのトルクを示している。すなわち、モータ出力は回転数とトルクとにより規定される。図4のマップ情報では、領域Aと、領域Aの外側にある領域Bと、領域Bの外側にある領域Cが設定されている。即ち、領域Bは領域Aに比較してトルク又は回転数の少なくともいずれかが大きく、領域Cは領域Bに比較してトルク又は回転数の少なくともいずれかが大きい。
図4に示すように、領域Aと領域Bの境界aと、領域Bと領域Cの境界bと、領域Cの外側における境界cでは、回転数とトルクとは反比例の関係にある。すなわち、回転数が高い場合には、トルクを低くする必要があり、トルクが高い場合には、回転数を低くする必要がある。他方、領域A、B、Cは、それぞれ回転数が所定の上限値N1、N2、N3を超えないように、またトルクが所定の上限値T1、T2、T3を超えないように設定されている。なお、この境界a、b、cは適宜変更が可能である。
図3に示す乗車状態推定部32は、回転センサ16Rから出力される回転数と、車輪駆動ユニット19Rに対するトルク指令信号に基づいて、図4に示したマップ情報における座標(回転数、トルク)の時間経過に伴う軌跡を推定する。この軌跡は、駆動モータ19aにおけるモータ出力に相当する。そして、乗車状態推定部32は、推定した軌跡が領域A、B、Cのいずれの領域内にあるか否かを判定する。駆動モータ19cにおけるモータ出力についても同様に判定する。
乗車状態推定部32は、駆動モータ19a、19cのモータ出力が両方とも領域Aにある場合には、搭乗者Pの乗車状態が良好であると判定し、その判定結果を許容移動範囲設定部33に出力する。許容移動範囲設定部33は、その判定結果に基づき、許容移動範囲を、移動体2を中心とした半径r1の許容移動範囲Aに設定する。
乗車状態推定部32は、駆動モータ19a、19cのモータ出力のうち、一方が領域Bにあり、他方が領域A又はBにある場合には、搭乗者Pの乗車状態が普通であると判定し、その判定結果を許容移動範囲設定部33に出力する。許容移動範囲設定部33は、その判定結果に基づき、許容移動範囲を、移動体2を中心とした半径r2(<r1)の許容移動範囲Bに設定する。
乗車状態推定部32は、駆動モータ19a、19cのモータ出力のうち、一方が領域Cにあり、他方が領域A〜Cのいずれかにある場合には、搭乗者Pの乗車状態が不良であると判定し、その判定結果を許容移動範囲設定部33に出力する。許容移動範囲設定部33は、その判定結果に基づき、許容移動範囲を、移動体2を中心とした半径r3(<r2)の許容移動範囲Cに設定する。
搭乗者Pの乗車状態が良い場合、搭乗者Pは移動体2を比較的安定して動かすことが可能であるため、移動体2を遠くまで動かすことができると考えられる。そのため、許容移動範囲設定部33は、許容移動範囲を広く設定する。なお、身体機能又はバランス機能のリハビリを搭乗者Pが実行している場合、搭乗者Pの乗車状態が良い状態とは、搭乗者Pがバランスを維持して移動体2に搭乗できており、訓練改善度が高まっている状態とも定義できる。
これに対し、搭乗者Pの乗車状態が良くない場合、搭乗者Pは移動体2を長く安定に動かすことができないため、移動体2を近くまでしか動かすことができないと考えられる。そのため、許容移動範囲設定部33は、搭乗者Pの乗車状態が良くない場合、搭乗者Pの乗車状態が良い場合と比較して、許容移動範囲を狭く設定する。なお、身体機能又はバランス機能のリハビリを搭乗者Pが実行している場合、搭乗者Pの乗車状態が良くない状態とは、搭乗者Pがバランスを崩しており、訓練改善度が低い状態とも定義できる。
すなわち、乗車状態推定部32及び許容移動範囲設定部33の処理においては、訓練改善度が低い搭乗者Pに対しては自動的に許容移動範囲を狭く設定し、改善度が高まるにつれて自動的に許容移動範囲を広くしていくことが期待できる。
許容移動範囲設定部33は、設定した許容移動範囲の情報をカメラ3に出力する。カメラ3は取得した許容移動範囲の情報に基づき、許容移動範囲を含む領域を撮影する。図1において、カメラ3は、許容移動範囲の領域ADを含むような領域APを撮影している。
物体判定部34は、カメラ3から、撮影したデータを取得する。また、許容移動範囲設定部33から、許容移動範囲のデータを取得する。物体判定部34は、カメラ3からの撮影データと許容移動範囲のデータを比較し、許容移動範囲内に移動体2以外の物体が含まれているか否かを判定する。そして、許容移動範囲内に移動体2以外の物体が含まれている場合に、物体判定部34は、その物体と移動体2との距離を推定し、その距離が所定の距離以上であるか否かを判定する。この所定の距離は、例えば記憶部17bに格納されている。所定の距離は、許容移動範囲の広さに応じて変更されてもよい。この判定結果に応じて、物体判定部34は、遊び量調整部35に対して遊び量を変更させる遊び量変更信号を出力する。
遊び量調整部35は、物体判定部34から出力された遊び量変更信号に応じて、ハンドル固定部20の車両本体10に対する固定度を変更する。これにより、操作ハンドル11の遊び量が変更される。
図2に戻り、倒立二輪型移動体システム1のシステム構成について改めて説明する。各駆動回路18R、18Lは、制御部17からのトルク指令信号に基づいて、各車輪駆動ユニット19R、19Lを駆動する駆動電流を出力する。各駆動回路18R、18Lは、各車輪13R、13Lの回転速度や回転方向等を独立して制御するものであり、これらに各車輪駆動ユニット19R、19Lが個別に接続されている。
各車輪駆動ユニット19R、19Lは、各車輪13R、13Lを独立して回転駆動することができる。各車輪駆動ユニット19R、19Lは、例えば、各駆動モータ19a、19cと、その各駆動モータ19a、19cの回転軸に動力伝達可能に連結された各減速ギア19b、19dによって構成することができる。
ハンドル固定部20は、例えば操作ハンドル11の根元に設けられており、操作ハンドル11を車両本体10に対して遊び量調整可能に連結するものである。ハンドル固定部20は、制御部17によって車両本体10に対する固定度が調整される。ハンドル固定部20を電磁石等で構成することにより、固定度をリニアに変更してもよい。固定度が小さくなり遊び量が大きくなると、搭乗者Pが操作ハンドル11を小さく動かすだけでは、移動体2は動かない。この場合、搭乗者Pが重心を大きく移動して操作ハンドル11を大きく動かすことにより、移動体2は初めて動く。一方、固定度が大きくなり遊び量が小さくなると、搭乗者Pが操作ハンドル11を小さく動かすだけで移動体2は動く。つまり、搭乗者Pが重心を小さく移動するだけで、移動体2は動く。このように、ハンドル固定部20によって、操作ハンドル11の遊び量が自動的に変更される。なお、当然のことながら、搭乗者Pや訓練監督者の操作に応じて操作ハンドル11の遊び量を変更することもできる。
バッテリ21は、制御部17、各車輪駆動ユニット19R、19L、その他の電子機器、電気装置等に対して電力を供給する。バッテリ21としては、例えばリチウムイオンバッテリが用いられる。
次に、移動体2の走行時における制御部17の具体的な制御について、図5を参照して説明する。図5には、移動体2が走行する際に、制御部17がループして実行する移動体2の制御方法が示されている。なお、既に説明した箇所については、以下の記載で詳細な説明を省略する。
まず、制御部17において、操作ハンドル11の遊び量の初期値が設定される(ステップS1)。この例では、遊び量は最も低く設定されている。つまり、操作ハンドル11の固定度は最も強く、搭乗者Pは、操作ハンドル11を小さく動かすだけで、移動体2を動かすことができる。操作ハンドル11の遊び量の初期値は、例えば制御部17内の記憶部17bに格納される。なお、この初期値は、制御部17が自動的に設定してもよいし、搭乗者P等が手動で設定してもよい。
次に、制御部17は、駆動モータ19a、19cの回転数及びトルクを監視する(ステップS2)。具体的に、制御部17は、回転センサ16R及び16Lにより取得した回転情報を監視するとともに、倒立制御部31が生成した車輪駆動ユニット19R及び19Lに対するトルク情報を監視する。
乗車状態推定部32は、回転センサ16R及び16Lにより取得した回転情報と、倒立制御部31が生成した車輪駆動ユニット19R及び19Lに対するトルク情報に基づいて、搭乗者Pの乗車状態を推定する(ステップS3)。具体的に、乗車状態推定部32は、回転センサ16Rから出力される回転数と、車輪駆動ユニット19Rに対するトルク指令信号に基づいて、上述のマップ情報における座標(回転数、トルク)の時間経過に伴う軌跡を推定する。そして、乗車状態推定部32は、推定した軌跡がマップ領域のどこにあるかを判定することによって、搭乗者Pの乗車状態を推定する。この詳細は上述の通りである。
なお、身体機能又はバランス機能のリハビリのために搭乗者Pが移動体2に搭乗しているような場合には、制御部17は、搭乗者Pの乗車状態として、身体機能の改善度をステップS3で推定してもよい。
許容移動範囲設定部33は、乗車状態推定部32が推定した乗車状態に基づいて、搭乗者Pの許容移動範囲を設定する(ステップS4)。許容移動範囲設定部33は、乗車状態推定部32が推定した乗車状態が良好であるほど、許容移動範囲を広く設定する。
カメラ3は、許容移動範囲設定部33が設定した許容移動範囲を含む領域を撮影する。これにより、カメラ3は、移動体2周辺の物体を検出する(ステップS5)。
物体判定部34は、カメラ3から、撮影したデータを取得する。また、許容移動範囲設定部33から、許容移動範囲のデータを取得する。物体判定部34は、カメラ3からの撮影データと許容移動範囲のデータを比較し、許容移動範囲内に移動体2以外の物体が含まれているか否かを判定する(ステップS6)。
許容移動範囲内に移動体2以外の物体がない場合(ステップS6のNo)、制御部17は操作ハンドル11の遊び量を変更する処理を実行しない。
許容移動範囲内に移動体2以外の物体がある場合(ステップS6のYes)、物体判定部34は、その物体と移動体2との距離を推定し、その距離が所定の距離以上であるか否かを判定する(ステップS7)。
物体と移動体2との距離が所定の距離以上である場合(ステップS7のYes)、物体判定部34は、遊び量調整部35に対して遊び量をやや増加させる遊び量変更信号を出力する。遊び量調整部35は、この遊び量変更信号に応じて、操作ハンドル11の遊び量をやや増加させる。つまり、ハンドル固定部20の車両本体10に対する固定度を、「強」から「中」に設定する(ステップS8)。
物体と移動体2との距離が所定の距離未満である場合(ステップS7のNo)、物体判定部34は、遊び量調整部35に対して遊び量を大きく増加させる遊び量変更信号を出力する。遊び量調整部35は、この遊び量変更信号に応じて、操作ハンドル11の遊び量を大きく増加させる。つまり、ハンドル固定部20の車両本体10に対する固定度を、「強」から「弱い」に設定する(ステップS9)。この設定では、ステップS8の設定と比較して、ハンドル固定部20の車両本体10に対する固定度はより弱くなっている。
このように、本発明にかかる倒立二輪型移動体システム1では、移動体2における搭乗者Pの乗車状態が良い場合(改善度が良い場合)、許容移動範囲を広く設定する。これに対し、搭乗者Pの乗車状態が良くない場合(改善度が良くない場合)、許容移動範囲は狭く設定される。このように、倒立二輪型移動体システム1は、搭乗者Pの状態に応じた広さの許容移動範囲が設定されるように制御することができる。また、搭乗者Pの乗車状態が良くない場合、不必要な領域までカメラ3が監視する必要がなくなり、効率的なカメラ3の運用が可能となる。
また、遊び量調整部35は、移動体2と物体との距離が所定の距離未満である場合、操作ハンドル11の遊び量を大きく増加させる。そのため、搭乗者Pは操作ハンドル11を大きく動かすことで、初めて移動体2を動かすことができる。図示すると、図6(a)に示す搭乗者Pが直立した状態から、図6(b)に示す搭乗者Pが重心を大きく移動した状態に変化すると、移動体2は前方に移動を開始する。なお、図6(b)における破線は、操作ハンドル11の遊び量が増加しない場合に、搭乗者Pが移動体2を前方に動かすことが可能な操作ハンドル11の位置である。この場合には、破線で示した操作ハンドル11の位置よりも大きく動かさない限り、搭乗者Pは移動体2を前方に動かすことができない。このように、移動体2の近傍に物体が存在する場合には、移動体2を動かしにくくなるため、搭乗者Pや周辺の安全を確保することができる。
これに対し、遊び量調整部35は、移動体2と物体との距離が所定の距離以上である場合、操作ハンドル11の遊び量を大きくは増加させない。そのため、搭乗者Pは操作ハンドル11を大きく動かさなくとも移動体2を動かすことができる。図示すると、図7(a)に示す搭乗者Pが直立した状態から、図7(b)に示す搭乗者Pが重心を小さく移動した状態に変化すると、移動体2は前方に移動を開始する。このように、移動体2の近傍に物体が存在しない場合には、移動体2を動かしやすくなるため、移動体2を可能な範囲で動作させることができる。
また、遊び量調整部35は、物体が許容移動範囲内にない場合には操作ハンドル11の遊び量を変更しないため、搭乗者Pは操作ハンドル11を小さく動かすだけで移動体2を動かすことができる。つまり、倒立二輪型移動体の移動(動作)は制限されない。
以上の効果を奏するため、移動体2は、例えば、安全性を確保しつつ、搭乗者をできるだけ動かすことができるというリハビリの用途に適用可能である。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、記憶部17bに格納されるモータ出力のマップ情報は、3つの領域ではなく、2つの領域に区分されていてもよいし、4つ以上の領域に区分されていてもよい。乗車状態推定部32は、駆動モータ19a、19cのモータ出力がいずれの領域にあるかを判定して、搭乗者Pの乗車状態を判定し、その判定結果を許容移動範囲設定部33に出力する。許容移動範囲設定部33は、その判定結果に基づき、許容移動範囲を設定する。この許容移動範囲の設定可能な数も、マップ情報の区分領域の数に対応して、2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。
上記実施の形態では、移動体2とその周囲の物体との距離を検出することができる距離検出センサとしてカメラ3を用いたが、赤外線センサ、超音波センサ等を代わりに用いてもよい。
上記実施の形態では、モータ出力のマップ情報において、駆動モータ19a及び19cの回転数を回転情報として用いているが、回転情報はこれに限定されない。例えば、駆動モータ19a及び19cの回転角速度が、マップ情報における回転情報として用いられてもよい。また、マップ情報におけるトルク情報は、倒立制御部31から各駆動回路18R、18Lに出力されるトルク指令信号に限定されない。例えば、トルク指令信号に応じて各駆動回路18R、18Lから各車輪駆動ユニット19R、19Lに出力される駆動電流が、トルク情報として用いられてもよい。さらに、駆動モータ19a及び19cに駆動トルクを検出するトルクセンサを設け、このトルクセンサにより検出されたトルク値がトルク情報として用いられてもよい。
図5のステップS7において、物体と移動体2との距離が所定の距離以上である場合(ステップS7のYes)、制御部17は、操作ハンドル11の遊び量を変更する処理を必ずしも実行しなくてもよい。
制御部17が実行する処理は、CPUにコンピュータプログラムを実行させることにより実現させることも可能である。
1 倒立二輪型移動体システム
2 倒立二輪型移動体
3 カメラ
10 車両本体
11 操作ハンドル
12R、12L ステップ部
13R、13L 車輪
14 姿勢センサ
15 角度検出センサ
16R、16L 回転センサ
17 制御部
17a 演算回路
17b 記憶部
18R、18L 駆動回路
19R、19L 車輪駆動ユニット
19a、19c 駆動モータ
19b、19d 減速ギア
20 ハンドル固定部
21 バッテリ
31 倒立制御部
32 乗車状態推定部
33 許容移動範囲設定部
34 物体判定部
35 遊び量調整部

Claims (1)

  1. 倒立制御により倒立状態を維持しつつ、車輪をモータによって駆動する倒立二輪型移動体と、
    前記倒立二輪型移動体の周辺の物体を検出する物体検出センサと、を備え、
    前記倒立二輪型移動体は、
    前記モータの駆動を制御する制御部と、
    前記モータの駆動状態を検出する駆動状態検出センサと、
    遊び量調節可能に前記倒立二輪型移動体に連結された操作ハンドルと、を有し、
    前記制御部は、
    検出された前記駆動状態に基づいて、前記倒立二輪型移動体の搭乗者の乗車状態を推定し、
    推定した前記乗車状態に基づいて、前記倒立二輪型移動体の周辺に所定の範囲を設定し、
    前記物体検出センサが検出した前記所定の範囲内にある前記物体について、前記倒立二輪型移動体との距離が所定の距離未満であるか否かを判定し、前記距離が前記所定の距離未満である場合に前記操作ハンドルの前記遊び量を増加させる、
    倒立二輪型移動体システム。
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