JP4646640B2 - 移動台車及び移動台車の制御方法 - Google Patents

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本発明は倒立振子型の移動台車に関し、詳しくは、台車進行方向に移動可能な慣性体(制御アーム等)を備えた移動台車に関する。
倒立振子型の移動台車は、台車全体の重心が車軸より上方に位置するため、そのままでは倒立状態を維持することができない。このため、台車が倒立状態を維持するよう倒立制御が行われる。かかる移動台車では、台車が停止した状態から移動を開始する場合や、台車が運動している状態から停止する場合には(すなわち、台車が加減速する場合には)、台車に慣性力が作用し、車体を車軸周りに回転させようとする。このため、台車が倒立状態を維持するためには、この慣性力を補償する補償トルクを発生させる必要がある。
移動台車を高速で移動させるためには移動台車の加減速度を大きくする必要があるが、移動台車の加減速度が大きくなると台車に作用する慣性力も大きくなる。台車に作用する慣性力が大きくなると、台車の加減速に同期して補償トルクを迅速に発生させることができず、倒立状態を維持することが困難となる。そこで、台車の高速移動を可能とするために、台車に台車進行方向に移動可能な慣性体(アーム)を設け、この慣性体によって加減速時の慣性力を補償することが提案されている(例えば、非特許文献1等)。
非特許文献1の移動台車では、車体に車軸が回転可能に取付けられ、この車軸の両端にそれぞれ車輪が固定されている。車体には台車進行方向に回動可能な制御アームが取付けられている。制御アームはモータによって駆動され、制御アームの位置はエンコーダによって検出される。この移動台車では、台車の加減速に同期して制御アームが駆動される。このため、慣性力に応じた補償トルクが速やかに発生し、台車の高速移動化が図られている。
平林、山藤、「可変構造型移動ロボットの制御に関する研究」、日本機械学会論文集(C編)58巻552号(1992−8)p.2501−2506
しかしながら、非特許文献1に開示された移動台車では、移動台車の運動方程式を厳密に導出し、この運動方程式に基づいて制御アームの制御を行っている。このため、制御アームの目標値(目標傾斜角度)が、車輪の加減速に応じた目標値や、車体の傾斜角度に応じた目標値や、制御アームの回転角度に基づく目標値等の和として与えられる。従って、多くのゲインが必要となり、それらゲインの調整が面倒であるといった欠点を有していた。また、制御アームの回転角度に基づいて制御アームの目標値を算出しているため、制御アームが振動すると、その振動がなかなか減衰せず、制御が不安定になるという問題も有していた。
本発明は上述した実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、台車進行方向に移動可能に設けた慣性体の制御を単純な制御構成によって行うことを可能とし、これによりゲイン調整を容易に行うことができ、かつ、慣性体に振動が生じても速やかに減衰し、安定して倒立姿勢を維持できる技術を提供することである。
上記課題を解決するために、本願の移動台車は、車軸と、車軸上に配置された2以上の車輪と、車軸に対し回動可能に支持された車体を備える倒立振子型の移動台車である。この移動台車は、車体に対して少なくとも台車進行方向に移動可能に取付けられた慣性体と、車輪を駆動する第1アクチュエータと、慣性体を駆動する第2アクチュエータと、車輪の位置、速度及び加速度の少なくとも1つを検出する第1検出手段と、車体の傾斜角度及び傾斜角速度の少なくとも1つを検出する第2検出手段と、車体に対する慣性体の位置、速度及び加速度の少なくとも1つを検出する第3検出手段を有する。そして、車輪の位置、速度及び加速度の少なくとも1つに関して目標値を入力する入力手段と、車輪の位置、速度及び加速度の少なくとも1つが入力された目標値となり、かつ、車体が倒立状態を維持するように、入力された目標値と第1及び第2検出手段により検出された検出値とに基づいて、第1アクチュエータの制御指令値を算出する第1コントローラを備える。さらに、入力された車輪の目標値のみに基づいて、車体に対する慣性体の位置、速度及び加速度の少なくとも1つに関して目標値を算出する手段と、算出された目標値と第3検出手段により検出された検出値とに基づいて第2アクチュエータの制御指令値を算出する第2コントローラを備える。
この移動台車では、慣性体の目標値が車輪の目標値(すなわち、車輪の目標位置、目標速度又は目標加速度)のみに基づいて算出される。従って、従来と比較してゲインの数が少なくなり、ゲイン調整を容易に行うことができる。また、慣性体の目標値が慣性体及び台車の現在の状態(慣性体の位置、速度又は加速度、並びに車体の傾き角度、傾き角速度)に基づいて算出されないため、慣性体及び車体が振動しても、その振動の影響を受けることはなく、安定した制御を行うことができる。
前記目標値算出手段は、入力手段によって入力された目標値から決定される車輪の目標加減速度に基づく加速トルクが慣性体の重力トルクと釣り合うように慣性体の目標位置を算出することが好ましい。
このような構成によると、(1)車輪の目標加減速度に基づく加速トルクと(2)慣性体に作用する重力トルクが釣り合うように慣性体が駆動されるため、車輪の加減速中に車体が傾くことが抑制され、倒立状態を安定して保つことができる。
前記第1アクチュエータは、(1)第1コントローラによって算出される制御指令値と、(2)入力手段によって入力された目標値から決定される車輪の加減速度を補償する加減速補償値との和に基づいて駆動されることが好ましい。
このような構成によると、第1コントローラによって算出される制御指令値に車輪の加減速度を補償する加減速補償値が加えられ、その制御指令値に基づいて第1アクチュエータが車輪を駆動する。このため、車輪の加減速に必要なトルクがフィードフォワード補償されて車輪に加えられるため、車輪は速やかに加減速し、より遅れの小さい動作が可能となる。
前記第1コントローラは、車体に対して慣性体が所定の位置で固定されていると仮定して導出した運動方程式に基づいて設計することができる。慣性体が車体に固定されていると仮定することで、第1コントローラの設計を簡易に行うことができる。
この場合において第1コントローラは、外乱に対して安定倒立可能なようにロバスト性を有することが好ましい。第1コントローラにロバスト性を付与することで、慣性体が車体に固定されていると仮定して第1コントローラを設計しても、車体は安定して倒立した状態を保つことができる。
また、本願は倒立振子型の移動台車を制御するための新たな制御方法を提供する。
すなわち、本願の移動台車の制御方法は、車軸と、車軸上に配置された2以上の車輪と、車軸に対し回動可能に支持された車体と、車体に対して少なくとも台車進行方向に移動可能に取付けられた慣性体と、車輪を駆動する第1アクチュエータと、慣性体を駆動する第2アクチュエータと、第1アクチュエータと第2アクチュエータに制御指令値を出力する制御コンピュータと、車輪の位置、速度及び加速度の少なくとも1つを検出する第1検出手段と、車体の傾斜角度及び傾斜角速度の少なくとも1つを検出する第2検出手段と、車体に対する慣性体の位置、速度及び加速度の少なくとも1つを検出する第3検出手段とを備える倒立振子型の移動台車の制御方法に関する。
この制御方法は、(1)第1、第2及び第3検出手段で検出される検出値を読込む工程と、(2)車輪の位置、速度及び加速度の少なくとも1つに関して目標値を読込む工程と、(3)車輪の位置、速度及び加速度の少なくとも1つが読込んだ目標値となり、かつ、車体が倒立状態を維持するように、読込んだ目標値と、第1及び第2検出手段より読込んだ検出値とに基づいて、第1アクチュエータの制御指令値を算出する工程と、(4)読込んだ目標値のみに基づいて、車体に対する慣性体の位置、速度及び加速度の少なくとも1つに関して目標値を算出する工程と、(5)算出された目標値と第3検出手段より読込んだ検出値とに基づいて第2アクチュエータの制御指令値を算出する工程と、(6)算出された各制御指令値を第1及び第2アクチュエータのそれぞれに出力する工程と、を有する。そして、上記各工程を制御コンピュータで繰返し実行することで移動台車を制御することを特徴としている。
本発明を具現化した一実施形態に係る移動台車について図面を参照して説明する。図1は本実施形態の移動台車の全体構成を模式的に示す図である。
図1に示すように本実施形態の移動台車は、台車本体10(質量m)と、台車本体10に組み付けられた制御アーム11(質量m)を備えている。台車本体10にはスライド軸11aが配設されている。スライド軸11aは、車輪12,13の回転軸線に対して略垂直に配されている。制御アーム11は、スライド軸11aに案内され、台車進行方向(台車並進方向)にスライド移動可能となっている。具体的には、スライド軸11aがモータ31(図3に図示)によって回転駆動されると、制御アーム11がスライド軸11a上を台車進行方向にスライド移動するようになっている。スライド軸11aの回転量は、モータ31に取付けられたエンコーダ31a(図3に図示)によって検出される。従って、エンコーダ31aの出力から、台車本体10に対する制御アーム11の位置(スライド量)が検出される。なお、本実施形態において制御アーム11の位置は、車輪12,13の回転軸中心Cと台車本体10の重心Gとを結ぶ直線Aと直交する方向で、その直線Aからのスライド量sによって表すものとする。
図2は台車本体10の概略構成を示す斜視図である。なお、図2ではスライド軸11a及び制御アーム11等の図示を省略している。
図2に示すように、台車本体10の下部には車輪12,13が配設されている。両車輪12,13は同一回転軸線上に配され、この回転軸線に対して直交する方向に台車本体10が傾動可能となっている。右車輪12にはモータ14が接続されており、左車輪13にはモータ15が接続されている。モータ14,15には、それぞれのモータの回転角度を検出するエンコーダ14a,15a(図3に図示)が取付けられている。図中の19は1軸ジャイロセンサであり、車軸とは直交する方向(すなわち、台車本体10の傾動方向)に配置されている。従って、ジャイロセンサ19によって台車本体10の傾斜角速度が検出される。
台車本体10の収納部には、両モータ14,15を駆動するためのモータドライバ16、制御コンピュータ20およびバッテリ18が搭載されている。制御コンピュータ20は、ジャイロセンサ19の出力、モータ14,15のエンコーダ出力等に基づいてモータ14,15のトルク指令値を算出する。モータ14,15は、制御コンピュータ20で算出されたトルク指令値に基づいて駆動される。
台車本体10の上部10aにはスライド軸11aが配設され、このスライド軸11aに制御アーム11が取付けられる。また、台車本体10の上部10aには、モータ31を回転駆動するモータドライバ17(図3に図示)等も配設されている。
次に、本実施形態に係る移動台車の制御系について説明する。図3は、移動台車の制御系の構成を示すブロック図である。
図3に示すように、移動台車の制御は制御コンピュータ20を中心に行われる。制御コンピュータ20は、CPU,ROM,RAM等によって構成される。制御コンピュータ20は、ROMに格納された制御プログラムを実行することで、台車並進方向に関する制御指令値を算出する台車並進方向制御指令値算出手段22(以下、単に第1制御指令値算出手段という)と、台車回転方向に関する制御指令値を算出する台車回転方向制御指令値算出手段26(以下、単に第2制御指令値算出手段という)と、両制御指令値算出手段22,26等に目標値を入力する目標値入力手段24と、両制御指令値算出手段22,26で算出された制御指令値を加算する制御指令値加算手段28と、制御アーム11の制御目標値を算出する制御目標値算出手段27と、制御アーム11に関する制御指令値を算出する制御指令値算出手段29(以下、第3制御指令値算出手段という)として機能する。制御コンピュータ20によって構成される各手段22,24,26,28,27,29については後で詳述する。
制御コンピュータ20にはジャイロセンサ19が接続され、ジャイロセンサ19の出力(台車本体10の傾斜角速度)が入力するようになっている。また、制御コンピュータ20には、モータ駆動回路16a(モータドライバ16の一部)、モータ駆動回路16b(モータドライバ16の一部)及びモータ駆動回路17が接続されている。モータ駆動回路16aはモータ14と接続され、制御コンピュータ20からのトルク指令値に基づいてモータ14を駆動する。モータ駆動回路16bはモータ15と接続され、制御コンピュータ20からのトルク指令値に基づいてモータ15を駆動する。同様に、モータ駆動回路17はモータ31と接続され、制御コンピュータ20からのトルク指令値に基づいてモータ31を駆動する。モータ14,15,31の各エンコーダ14a,15a,31aは制御コンピュータ20に接続され、エンコーダ14a,15a,31aからの出力(モータ14,15,31の各回転角度)が制御コンピュータ20に入力するようになっている。
次に、第1制御指令値算出手段22について説明する。第1制御指令値算出手段22は、台車並進方向に関する制御を行うためのトルク指令値を算出する。詳しくは、ジャイロセンサ19の出力と、目標値入力手段24によって入力される台車並進方向に関する目標値とエンコーダ14a,15aの出力から決まる台車の現在値との偏差を入力として、その偏差を小さくすると共に台車本体10が倒立を維持するようにモータ14,15のトルク指令値を算出する。
本実施形態では、H∞制御理論を用いて第1制御指令値算出手段22を設計している。H∞制御理論を用いることで、第1制御指令値算出手段22は外乱に対して安定倒立可能なロバスト性を有することとなる。なお、本実施形態ではH∞制御理論を用いたが、H∞制御理論以外の制御理論(例えば、H制御理論、μ−設計法、PID制御等)を用いて第1制御指令値算出手段22を設計することもできる。また、第1制御指令値算出手段22はロバスト性を有しないものでもよく、例えば、現代制御理論等の制御理論を用いて設計することもできる。
第1制御指令値算出手段22の設計手順の一例を説明する。まず、移動台車を真横から見て、1輪の倒立振子としてモデル化する(図4参照)。本設計例では、台車本体10と制御アーム11を1質点系としてモデル化している。すなわち、制御アーム11は台車本体10に対して所定の位置(図1においてs=0)で固定されているものと仮定し、台車本体10と制御アーム11の合成重心に、台車本体10と制御アーム11の全質量が存在するものとしてモデル化している。図4中、m1は台車本体10と制御アーム11の合成質量、J1は台車本体10と制御アーム11の合成重心周りのイナーシャ、m2は車輪の質量、J2は車輪の軸周りのイナーシャである。また、車軸から合成重心までの距離をlとしている。これら各パラメータm1,J1,m2,J2,lは、計算または実測により求めることができる。また、鉛直方向からの傾きをηとし、車輪の回転角度をθ1とする。
そして、図4に示す1輪の倒立振子に対し運動方程式を作成する。すなわち、この制御モデルに対してトルク指令値uが入力されるとして運動方程式を作成すると、その運動方程式は下記に示す式で表される。
Figure 0004646640
次いで、上述した運動方程式中のηが小さいとして線形化し、行列表示を行うと次の式が導かれる。
Figure 0004646640
したがって、上記の式から次の状態方程式が導出される。
Figure 0004646640
ここで、上記制御系で観測される観測量yは、鉛直方向からの車体の傾きηの1階微分dη/dtと、車体に対する車輪の回転角度(θ1−η)と、この回転角度(θ1−η)の1階微分d(θ1−η)/dtとする。すなわち、観測量yは、次に示す式で表される。
Figure 0004646640
上述した手順でモデル化された制御系の全体構成を図6に示す。図6に示すように、制御対象である倒立振子モデル30からは、観測量としてdη/dtと、(θ1−η)と、d(θ1−η)/dtが観測される。観測された観測量には観測ノイズ32が加えられる。具体的には、観測量dη/dtには観測ノイズn2が、観測量(θ1−η)には観測ノイズn1が、観測量d(θ1−η)/dtには観測ノイズn3が加えられる。
観測ノイズ32が加えられた観測量と目標値34との偏差は、ロバストコントローラ36(すなわち、第1制御指令値算出手段22)に入力する。ここで、観測量dη/dtには目標値「0」が、観測量(θ1−η)には目標値「(θ1−η)」が、観測量d(θ1−η)/dtには目標値「d(θ1−η)/dt」が与えられる。dη/dt(すなわち、ジャイロセンサ19の出力)に目標値「0」を与えることで、車体の鉛直方向からの傾斜角の角速度は0となり、車体は倒立姿勢を保つこととなる。
ロバストコントローラ36からはトルク指令値uが出力される。そして、その出力されたトルク指令値uと外乱wが倒立振子モデル30に入力されることとなる。
ここで、かかる制御系を評価するための評価値としては、例えば、ロバストコントローラ36からの出力uや車輪の回転角θ1を用いることができる。出力uを評価するための重み関数Wと回転角θ1を評価する評価関数Qは、例えば、シミュレーション等によりある程度の絞り込みを行い、実験によって最終的に決定することができる。本実施形態では、下記に示す関数W,Qを用いている。
Figure 0004646640
なお、ロバストコントローラ36(すなわち、第1制御指令値算出手段22)の具体的な設計は、公知となっている種々の制御系設計ツールを用いることができる。
次に、第2制御指令値算出手段26について説明する。第2制御指令値算出手段26は、台車回転方向を制御するためのトルク指令値を算出する。
ここで、台車回転方向に関しては、移動台車を真上から見て、2輪車としてモデル化する(図5参照)。図5中、φは移動台車の台車回転角を表し、dは両車輪12,13間の距離を表し、rは車輪の半径を表している。なお、図5に示す幾何学的関係から、左右の車輪速度(右車輪の速度dθ/dt,左車輪の速度dθ/dt)を直交座標系での移動台車の位置の速度(dx/dt,dy/dt)と台車回転方向の角速度(dφ/dt)に変換するためのヤコビ行列は下記に示すようになる。
Figure 0004646640
図7に第2制御指令値算出手段26による制御系の全体構成を示している。図7から明らかなように、第2制御指令値算出手段26は、現在位置(x,y,φ)と目標位置(x,y,φ)の偏差に所定のゲイン50を乗じたものと、現在速度〔(dx/dt,dy/dt,dφ/dt)〕と目標速度〔(dx/dt,dy/dt,dφ/dt)〕の偏差に所定のゲイン52を乗じたものを加算し、その加算した値からモータ14,15を制御するためのトルク指令値T ,T を算出している(いわゆる、PD制御を行っている)。
なお、移動台車は、平面上の位置として2自由度、台車回転方向に1自由度の計3自由度を持つが、アクチュエータとしてはモータ14,15の2個しか有さない。このため、上記した位置の偏差(詳しくは、位置の偏差にゲイン50が乗じられた値)と上記した速度の偏差(詳しくは、速度の偏差にゲイン52が乗じられた値)とを加算したものに、転置ヤコビ行列J54を用いて、直接トルク指令値T ,T を算出している。
また、右車輪12の回転角速度dθ/dt(すなわち、右車輪速度)と左車輪13の回転角速度dθ/dt(すなわち、左車輪速度)にヤコビ行列56(数6に示す行列)をかけることで、現在速度〔(dx/dt,dy/dt,dφ/dt)〕を算出している。
なお、図7に示す制御系によっても移動台車の平面内での位置(x,y)と、その速度(dx/dt,dy/dt)について制御することができるが、本実施形態では移動台車の平面内での位置及び速度は第1制御指令値算出手段22によって制御するため、ゲイン50,52において、位置成分(x,y)とその速度成分(dx/dt,dy/dt)に乗じるゲイン(係数)は「0」としている。したがって、移動台車の台車回転角φの偏差と台車回転角速度dφ/dtの偏差のみが、第2制御指令値算出手段26で使用される。
次に、制御アーム11を制御する制御系(すなわち、図3に示す制御目標値算出手段27と第3制御指令値算出手段29)について説明する。
制御目標値算出手段27は、制御アーム11に作用する重力トルクが台車の加減速による加速トルクと釣り合うように制御アーム11の目標スライド量sを算出する。すなわち、図9に示すように、車体(台車本体10と制御アーム11)に作用する重力による重力方向ベクトル(mg)と、車体に作用する加速度の反対方向の反加速度方向ベクトル(mα)の合成ベクトルが車軸Cを通るとき、車体は安定して倒立状態を維持する。ここで、車体の重心高さをl、車体の全重量をm、車体のスライド量sとし、また、台車本体10の傾斜角度ηは小さく、cosη=1とする。図9に示す幾何学的関係より、次の式が成立する。
Figure 0004646640
このスライド量sは車体(台車本体10と制御アーム11)の全質量mがスライドした場合の移動量である。従って、移動する質量が制御アーム11(質量m)だけの場合は、制御アーム11をさらに大きく移動させる必要がある。すなわち、制御アーム11のスライド移動のみによって、車体の全質量mがスライド量sだけスライドしたときと同様の重力トルクを発生させる必要がある。このための制御アーム11のスライド量をsとすると、スライド量sとスライド量sとの間には次の関係が成立する(図10参照)。
Figure 0004646640
したがって、台車が加速度αで移動する際の加速度トルクと釣り合う重力トルクを発生するためには、制御アーム11のスライド量sを−(m/m)・(α/g)・lとすればよい。ここで、m,m,g,lは実測等によって特定することができる。従って、台車の加速度αを特定できれば、制御アーム11のスライド量sを特定することができる。本実施形態では、台車の加速度αを台車の目標車輪角度θ[θ=(θ−η)(図1、図4参照)]を2回微分したものから求めることとしている。
上述した方法によって、制御アーム11の目標スライド量s(=s)を算出すると、第3制御指令値算出手段29はその目標スライド量sを用いてモータ31のトルク指令値を算出する。具体的には、エンコーダ31aによって検出される制御アーム11の現在位置(スライド量s)と、制御目標値算出手段27によって算出された制御アーム11の目標スライド量sの偏差を入力とし、この入力された偏差が「0」となるようにモータ31のトルク指令値を算出する。
上述した制御アーム11の制御系の全体構成が図8に示されている。図8に示すように、制御目標値算出手段27は、車輪角度目標値θを2回微分して車輪加速度目標値を算出する手段27aと、算出された車輪加速度目標値に所定のゲインを乗じて目標スライド量sを算出する「加速度−アーム位置」変換ゲイン27bによって構成されている。第3制御指令値算出手段29には、制御目標値算出手段27から出力される目標スライド量sとエンコーダ31aの検出値から求まる現在のアームスライド量sとの偏差が入力され、第3制御指令値算出手段29はその偏差にゲイン(−KPG)を乗じた値をモータ31に出力する。なお、ゲインKPGに(−)が付加されているのは、制御アーム11は台車の反加速度方向に移動するためである。
ここで、上記の車輪角度目標値θは、目標値入力手段24によって入力される台車の目標値から算出することができる。例えば、台車の目標値がXY座標系の座標位置(X,Y)で与えられた場合、この目標位置(X,Y)を車輪12,13の台車並進方向の車輪角度目標値θに変換する。すなわち、台車の目標位置(X,Y)から台車の移動距離を算出し、その移動距離から車輪の回転角(車輪角度目標値θ)を算出する。
また、図8から明らかなように、算出手段27aで算出された車輪加速度目標値は加減速度補償手段33(図3においては図示を省略)に入力される。加減速度補償手段33は、入力された車輪加減速目標値にゲインKATを乗じて加減速補償値TATを算出する。算出された加減速補償値TATは、上述した第1制御指令値算出手段22によって算出されたトルク指令値と第2制御指令値算出手段26によって算出されたトルク指令値との和に加算され、モータ14,15に出力される。台車の加減速度を補償するトルクをモータ14,15に出力することで、目標値入力手段24によって入力される台車の目標値に対し、より遅れの小さい移動動作が可能となる。
なお、上記ゲインKATは、台車並進方向に関する台車全体の慣性の値(大きさ)に設定される。この値は実測あるいは、設計データ等から得ることができる。
以上説明したように、台車並進方向の制御(車軸と直行方向)では倒立振子制御と位置制御が同時に行われ、台車回転方向(車軸旋回方向)では位置制御のみが行われ、これらの制御は互いに干渉しないものとなっている。このため、モータ14,15への最終的な制御指令値は、第1制御指令値算出手段22で算出された制御指令値と第2制御指令値算出手段26で算出された制御指令値を足し合わせたものとなっている。
また、制御アーム11の制御は、これら台車並進方向の制御や台車回転方向の制御とは独立して行われる。すなわち、制御アーム11の目標スライド量sが車輪12,13の車輪角度目標値θからのみ算出される。したがって、台車の制御が不安定となっても制御アーム11の制御には影響せず、台車のノイズなどの影響を受けることなく安定した制御を行うことができる。
なお、上述した台車本体10の制御系と、制御アーム11の制御系の両者を図11に併せて示す。
次に、目標値入力手段24について説明する。図12には目標値入力手段24の構成を示すブロック図が示されている。図12に示すように目標値入力手段24は、目標軌道データ記憶手段60と、並進方向目標値算出手段62と、回転方向目標値算出手段64で構成されている。
目標軌道データ記憶手段60は、移動台車の軌道と、軌道上の各位置における移動台車の速度と加速度、並びに、移動台車の台車回転方向の角速度と角加速度を規定する目標軌道データを記憶する。本実施形態では、移動台車の軌道を等加速度運動〔加速度0の場合(等速運動の場合)も等加速度運動として取扱っている〕を行っている区間に分割し、分割された各区間の(区間時間t,区間加速度a,区間初速度b,区間角加速度a’,区間角初速度b’)が目標軌道データとされる。すなわち、移動台車の並進方向の速度をv、移動台車の台車回転方向の速度をdφ/dt、制御開始からの経過時間をtとすると、これらの関係は次に示す式で表される。
Figure 0004646640
図13には、移動台車を移動させる軌道の一部と、そのときの目標軌道データを示している。図13から明らかなように、移動台車を移動させる軌道上のA点からB点までは台車並進方向に等加速度aで等加速度運動を行い、台車回転方向の速度及び加速度は「0」である。B点からC点までは台車並進方向に等速度運動を行い、台車回転方向に等角加速度a’で等角加速度運動を行う。C点からD点までは台車並進方向に等速度運動を行い、台車回転方向にも等角速度運動を行う。
したがって、目標軌道データは、A点からB点までの運動を規定するデータと、B点からC点までの運動を規定するデータと、C点からD点までの運動を規定するデータにより構成される。すなわち、A点からB点までの運動を規定する目標軌道データは(t,a,0,0,0)となり、B点からC点までの運動を規定する目標軌道データは(t,0,a,a’,0)となり、C点からD点までの運動を規定する目標軌道データ(t,0,a,0,a’t)となる。
並進方向目標値算出手段62は、目標軌道データ記憶手段60に記憶されている目標軌道データからX−Y平面内における移動台車の目標位置(x、y)と目標速度(dx/dt,dy/dt)を算出する。例えば、図13に示すA点を原点として運動を開始した場合において運動開始から時間t(ただし、0<t<t)を経過したときは、目標位置(x、y)=(a/2,0)となり、目標速度(dx/dt,dy/dt)=(at,0)となる。
回転方向目標値算出手段64は、目標軌道データ記憶手段60に記憶されている目標軌道データから移動台車の目標回転角(φ)と目標速度(dφ/dt)を算出する。ここで、目標回転角(φ)は移動台車の総回転角量を意味する。したがって、移動台車が同一姿勢(すなわち、同一台車角度)となっている場合でも、回転角量(旋回数)が異なる場合は目標回転角(φ)も異なることとなる。
並進方向目標値算出手段62と回転方向目標値算出手段64によって算出された目標位置(x,y,φ)と目標速度(dx/dt,dy/dt,dφ/dt)は、第1制御指令値算出手段22と第2制御指令値算出手段26の目標値として用いられる。すなわち、図6,7に示すように、第1制御指令値算出手段22(詳しくは、図6に示すロバストコントローラ36)には、上記の目標位置と目標速度が台車中心位置(θ1−η)と台車中心速度d(θ1−η)/dtに変換されて用いられる。また、第2制御指令値算出手段26には、上記の目標位置(x,y,φ)が用いられる(ただし、ゲイン50のうちx、yに関する係数は0であるため、実際にはφのみが用いられる)。
また、並進方向目標値算出手段62で算出された目標位置(x,y,φ)は、制御目標値算出手段27によって目標スライド量sを算出するために用いられる。
次に、上述のように構成される制御コンピュータ20において行われる処理について説明する。図14は制御コンピュータ20の処理手順を示すフローチャートである。
図14に示すように、制御コンピュータ20は、まず、各モータ14,15,31のエンコーダ14a,15a,31aの値(すなわち、車輪12,13の回転角度θ,θと制御アーム11のスライド量s)を読込む(S10)。
次に、ステップS10で読込んだエンコーダ14a,15aの値から車輪速度(dθ/dt,dθ/dt)と、現在速度・現在方向速度(dx/dt,dy/dt,dφ/dt)を算出する(S12)。すなわち、エンコーダ14a,15aの値の時間的変化量から車輪12,13の車輪速度(dθ/dt,dθ/dt)を算出し、これら算出された車輪速度(dθ/dt,dθ/dt)とヤコビ行列56とから現在速度・現在方向速度(dx/dt,dy/dt,dφ/dt)を算出する。
ステップS14では、ジャイロセンサ19の出力値dη/dtを読込む。
ステップS16では、制御コンピュータ20が起動されてからの時間t(すなわち、移動台車の軌道制御開始時からの経過時間)と、目標軌道データ記憶手段60に記憶されている目標軌道データとから、目標位置(x,y,φ)と目標速度(dx/dt,dy/dt,dφ/dt)を算出する。また、その算出した目標位置(x,y,φ)から目標車輪角度θを算出し、その目標車輪角度から制御アーム11の目標スライド量sを算出する。
ステップS10からステップS16までの処理により移動台車の現在値と目標値が算出されるため、次に、台車並進方向に関するモータ14,15のトルク指令値TR1,TL1をそれぞれ算出し(S18)、台車回転方向に関するモータ14,15のトルク指令値TR2,TL2をそれぞれ算出し(S20)、さらに、移動台車の加速度を補償するトルク指令値TR3,TL3を算出する(S22)。すなわち、第1制御指令値算出手段22によってトルク指令値TR1,TL1を算出し、第2制御指令値算出手段26によってトルク指令値TR2,TL2を算出し、加減速度補償手段33によってトルク指令値TR3,TL3を算出する。
ステップS24では、ステップS16で算出した制御アーム11の目標スライド量sとステップS10で読込んだ制御アーム11の現在のスライド量sに基づいて、制御アーム11を駆動するモータ31のトルク指令値Tを算出する。算出されたトルク指令値Tはモータ駆動回路17に出力される。モータ駆動回路17は、入力するトルク指令値Tに基づいてモータ31を駆動する。これによって制御アーム11が所定の目標位置までスライドする。
ステップS26では、ステップS18で算出されたトルク指令値TR1,TL1と、ステップS20で算出されたトルク指令値TR2,TL2と、ステップS22で算出されたトルク指令値TR3,TL3を加算し、これらの値をモータ駆動回路16a,16bに出力する。これによって、各車輪12,13が駆動されることとなる。ステップS26が終わるとステップ10に戻り、次の制御タイミングにおける処理が開始される。
なお、ステップS10〜ステップS26までの処理は、所定の時間間隔(例えば、10ms)で行われ、これによって移動台車は目標軌道データで規定された軌道を所定の速度・加速度・角速度・角加速度で運動することとなる。
上述した説明から明らかなように、本実施形態の移動台車ではH∞制御理論を用いて倒立振子制御系を設計している。このため、設置面の斜度の変化や負荷の変動等の外乱に対して安定して倒立を維持することができる。また、H∞制御理論を用いることで、制御対象である移動台車の厳密なモデル化を不要としている。すなわち、H∞制御理論を用いているため、制御アーム11が中立位置(スライド量s=0)で固定されていると仮定してモデル化しても、台車本体10は安定して倒立を維持することができる。
また、制御アーム11の目標スライド量sは台車の車輪角度目標値θのみに基づいて算出される。このため、制御アーム11の制御系を簡易に構成することができる。また、ゲイン数も少なくなるため、その調整を容易に行うことができる。さらに、制御アーム11の状態量を用いて目標スライド量sが算出されないため、制御アーム11は安定して制御することができる。
また、本実施形態の移動台車では、台車の加減速に同期して制御アーム11が駆動され、台車の加速トルクを制御アーム11の重力トルクが補償する。このため、加速時や減速時の台車本体10の傾斜角度を小さくすることができる。このため、台車本体11上に搬送物を載置して運搬する場合等には、その搬送物を安定して運搬することができる。また、台車の底面が接地面に接触しにくくなるため、走行の安定性を増すことができ、あるいは、台車底面が接地面に接触するまでの余裕度が増すため、設計の自由度を増大することができる。さらに、加速時や減速時の台車本体10の傾きや遅れが小さくなるため、台車の加速度、減速度を大きくすることができる。従って、台車の最高速度を上げることができ、台車を高速で移動させることができる。
さらに、本実施形態の移動台車では、台車の加速又は減速に必要な加減速補償トルクが車輪12,13に加えられる。このため、目標値が出てから実際に台車が動き出すまで、あるいは、停止するまでの時間遅れを小さくすることができる。したがって、発進、停止動作を繰り返し与えても時間遅れが小さいので、軌跡ずれを小さくすることができる。
以上、本発明の好適ないくつかの実施形態について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。
例えば、上述した実施形態では台車本体10に対して制御アーム11がスライド移動する構成であったが、本発明はこのような形態に限られない。例えば、図15に示すように台車本体100に制御アーム102が回転可能に取付けられているものであってもよい。このような構成によっても、制御アーム102を回転駆動することで、台車の加速トルクを補償することができる。図16に示す場合は、制御アーム102の目標スライド量s(制御アーム102の重心位置のスライド量)はlsinσとなり、制御アーム102の目標回転角σはsin−1(s/l)となる。ここで、lは制御アーム102の基端部(台車本体100への取付位置)から制御アーム102の重心位置までの距離であり、設計データ等から得ることができる。また、sは上述の実施形態と同様に台車の目標車輪角度から得ることができる。lとsが決まれば、これらの値を用いて制御アーム102の目標回転角σを求めることができる。
また、上述した実施形態は駆動輪を2つ有していたが、本発明に係る技術はこのような例に限られず、例えば、駆動輪を1輪のみとし他の車輪を従輪としてもよい。また、上述した実施形態では、車体の傾斜角速度を測定するセンサにジャイロセンサを用いたが、このようなセンサに限られず、傾斜角や傾斜角速度の計測に用いることができる種々の計測器(例えば、重力加速度センサ、重り吊り下げ型傾斜角度計等)を用いることもできる。さらに、図14に示す制御フローは、制御コンピュータ20によって行われる処理の一例であり、これらのステップの順序を変えて種々に実施することもできる。
なお、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
本実施形態に係る移動台車の構成を模式的に示す図。 本実施形態に係る移動台車の台車本体の斜視図。 移動台車の制御系の構成を示す機能ブロック図。 移動台車を並進方向に関してモデル化した図。 移動台車を台車の回転方向に関してモデル化した図。 移動台車の並進方向に関する制御系の構成を示す図。 移動台車の台車回転方向に関する制御系の構成を示す図。 制御アームに関する制御系の構成を示す図。 制御アームの目標スライド量を決定する方法を説明するための図。 制御アームの目標スライド量を決定する手順を説明するための図。 移動台車の並進方向の制御系と台車回転方向の制御系と制御アームの制御系を組合せた状態を示す図。 目標値入力手段の構成を示すブロック図。 移動台車の目標軌道の一例と、その目標軌道を達成するための目標軌道データの一例を併せて示す図。 制御コンピュータにより行われる処理手順の一例を示すフローチャート。 本実施形態に係る移動台車の変形例を模式的に示す図。 図15に示す移動台車において制御アームの目標回転角を決定する方法を説明するための図。
符号の説明
10:台車本体
12:右車輪
13:左車輪
14,15,31:モータ
16:モータドライバ
18:バッテリ
19:ジャイロセンサ
20:制御コントローラ

Claims (6)

  1. 車軸と、車軸上に配置された2以上の車輪と、車軸に対し回動可能に支持された車体を備える倒立振子型の移動台車であり、
    車体に対して少なくとも台車進行方向に移動可能に取付けられた慣性体と、
    車輪を駆動する第1アクチュエータと、
    慣性体を駆動する第2アクチュエータと、
    車輪の位置、速度及び加速度の少なくとも1つを検出する第1検出手段と、
    車体の傾斜角度及び傾斜角速度の少なくとも1つを検出する第2検出手段と、
    車体に対する慣性体の位置、速度及び加速度の少なくとも1つを検出する第3検出手段と、
    車輪の位置、速度及び加速度の少なくとも1つに関して目標値を入力する入力手段と、
    車輪の位置、速度及び加速度の少なくとも1つが入力された目標値となり、かつ、車体が倒立状態を維持するように、入力された目標値と第1及び第2検出手段により検出された検出値とに基づいて、第1アクチュエータの制御指令値を算出する第1コントローラと、
    入力された車輪の目標値のみに基づいて、車体に対する慣性体の位置、速度及び加速度の少なくとも1つに関して目標値を算出する手段と、
    算出された目標値と第3検出手段により検出された検出値とに基づいて第2アクチュエータの制御指令値を算出する第2コントローラと、を有する移動台車。
  2. 前記目標値算出手段は、前記入力手段によって入力された目標値から決定される車輪の目標加速度に基づく加速トルクが慣性体の重力トルクと釣り合うように慣性体の目標位置を算出することを特徴とする請求項1に記載の移動台車。
  3. 前記第1アクチュエータは、(1)第1コントローラによって算出される制御指令値と、(2)前記入力手段によって入力された目標値から決定される車輪の加減速度を補償する加減速補償値との和に基づいて駆動されることを特徴とする請求項1又は2に記載の移動台車。
  4. 前記第1コントローラは、車体に対して慣性体が所定の位置で固定されていると仮定して導出した運動方程式に基づいて設計されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の移動台車。
  5. 前記第1コントローラは、外乱に対して安定倒立可能なようにロバスト性を有することを特徴とする請求項4に記載の移動台車。
  6. 車軸と、車軸上に配置された2以上の車輪と、車軸に対し回動可能に支持された車体と、車体に対して少なくとも台車進行方向に移動可能に取付けられた慣性体と、車輪を駆動する第1アクチュエータと、慣性体を駆動する第2アクチュエータと、第1アクチュエータと第2アクチュエータに制御指令値を出力する制御コンピュータと、車輪の位置、速度及び加速度の少なくとも1つを検出する第1検出手段と、車体の傾斜角度及び傾斜角速度の少なくとも1つを検出する第2検出手段と、車体に対する慣性体の位置、速度及び加速度の少なくとも1つを検出する第3検出手段とを備える倒立振子型の移動台車の制御方法であり、
    第1、第2及び第3検出手段で検出される検出値を読込む工程と、
    車輪の位置、速度及び加速度の少なくとも1つに関して目標値を読込む工程と、
    車輪の位置、速度及び加速度の少なくとも1つが読込んだ目標値となり、かつ、車体が倒立状態を維持するように、読み込んだ目標値と、第1及び第2検出手段より読込んだ検出値とに基づいて、第1アクチュエータの制御指令値を算出する工程と、
    読込んだ目標値のみに基づいて、車体に対する慣性体の位置、速度及び加速度の少なくとも1つに関して目標値を算出する工程と、
    算出された目標値と第3検出手段より読込んだ検出値とに基づいて第2アクチュエータの制御指令値を算出する工程と、
    算出された各制御指令値を第1及び第2アクチュエータのそれぞれに出力する工程と、を有し、
    上記各工程を制御コンピュータで繰返し実行することで移動台車を制御することを特徴とする移動台車の制御方法。
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