JP2014080107A - 移動体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 車体の重量、車体の慣性モーメント、車体の重心高さが変化しても、車体の傾斜角を精度良く推定することを可能とする。
【解決手段】 移動体は、回転軸の周りに回転可能とされる車体と、車体に取付けられており、回転軸周りの車体の傾斜角速度を検出する傾斜角速度検出手段と、車体に取付けられており、回転軸に直交すると共に車体の軸線と直交する方向の車体の加速度を検出する第1加速度検出手段と、回転軸に直交すると共に路面と平行な方向の移動体の加速度を検出する第2加速度検出手段と、傾斜角速度検出手段で検出される傾斜角速度と、その傾斜角速度を微分した傾斜角加速度と、第2加速度検出手段で検出される加速度を入力とし、第1加速度検出手段で検出される加速度を観測値とする状態方程式を用いて、傾斜角速度検出手段で検出される傾斜角速度の誤差を推定する傾斜角速度誤差推定手段を有する。
【選択図】図8

Description

本明細書は、回転軸周りに回転可能な車体を有する移動体に関する。
この種の移動体において、回転軸周りの車体の傾斜角を制御するためには、車体の傾斜角を検出(推定)する必要がある。例えば、特許文献1には、倒立2輪型の移動体が開示されている。この移動体は、2軸方向の加速度を検出する加速度センサと、車体の角速度を検出するジャイロセンサを備えている。そして、加速度センサの検出した加速度に基づいて推定された傾斜角と、ジャイロセンサの検出した角速度に基づいて、移動体の線形モデル式をオブザーバとして車体の傾斜角を推定している。
特開2008−89531号公報
上述した特許文献1の技術では、倒立2輪の運動モデルに基づいてオブザーバを設計している。このため、車体の重量、車体の慣性モーメント、車体の重心高さが変化すると、傾斜角の推定精度が劣化してしまう。本明細書は、車体の重量、車体の慣性モーメント、車体の重心高さが変化しても、車体の傾斜角を精度良く推定することを可能とする技術を開示する。
本明細書に開示する移動体は、路面を移動する移動体である。この移動体は、回転軸の周りに回転可能とされる車体と、車体に取付けられており、回転軸周りの車体の傾斜角速度を検出する傾斜角速度検出手段と、車体に取付けられており、回転軸に直交すると共に車体の軸線と直交する方向の車体の加速度を検出する第1加速度検出手段と、回転軸に直交すると共に路面と平行な方向の移動体の加速度を検出する第2加速度検出手段と、傾斜角速度検出手段で検出される傾斜角速度と、その傾斜角速度を微分した傾斜角加速度と、第2加速度検出手段で検出される加速度を入力とし、第1加速度検出手段で検出される加速度を観測値とする状態方程式を用いて、傾斜角速度検出手段で検出される傾斜角速度の誤差を推定する傾斜角速度誤差推定手段を有する。
上記の移動体は、傾斜角速度と傾斜角加速度と移動体の加速度を入力とし、第1加速度検出手段で検出される加速度を観測値とする状態方程式を用いて、傾斜角速度の誤差を推定する。後述するように、上記の状態方程式には車体の慣性パラメータが含まれない。このため、車体の重量、車体の慣性モーメント、車体の重心高さが変化しても、傾斜角速度誤差を精度良く推定することができる。その結果、検出された車体の傾斜角速度を推定された傾斜角速度誤差で補正することで、車体の傾斜角速度を精度良く推定することができる。
実施例に係る車両の構成を模式的に示す正面図。 図1に示す車両の側面図。 実施例に係る制御系の構成を示すブロック図。 車輪駆動に係る制御系の構成を示すブロック図。 旋回時の車両の状態を示す正面図。 加速時の車両の状態を示す側面図。 オブザーバーモデルのブロック線図。 実施例に係る制御系の一例のブロック図。 比較例に係る制御系の一例のブロック図。 実施例に係る車両と比較例に係る車両のピッチ姿勢角の数値シミュレーションの一例を示す図。 実施例に係る車両と比較例に係る車両のピッチ姿勢角の数値シミュレーションの他の例を示す図。
以下に説明する実施例の主要な特徴を列記しておく。なお、以下に記載する技術要素は、それぞれ独立した技術要素であって、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。
(特徴1) 本明細書に開示する移動体は、車体に回転可能に支持され、回転軸と平行な車軸周りに回転する1又は複数の車輪と、車輪を駆動する駆動手段をさらに有していてもよい。そして、駆動手段が車輪を駆動することで移動体が路面を走行してもよい。車輪型の移動体では、車体がピッチ軸周りに回転し、あるいは、車体がロール軸周りに回転することがある。このため、本明細書の技術によってピッチ角速度又はロール角速度を推定することで、車体の姿勢(傾斜角)を精度良く制御することができる。
(特徴2) 本明細書に開示する移動体では、第2加速度検出手段は、車輪の回転角を検出するエンコーダと、エンコーダの出力から移動体の加速度を算出する加速度算出部と、を有していてもよい。このような構成によると、車輪の回転角を検出するエンコーダの出力から移動体の加速度を取得することができる。
(特徴3) 本明細書に開示する移動体は、車体の重心が車軸よりも高い位置にある倒立振子型の移動体であり、回転軸が車体のピッチ軸であってもよい。駆動手段は、傾斜角速度検出手段で検出される傾斜角速度を、傾斜角速度誤差推定手段で推定された傾斜角速度誤差により補正した値を用いて車輪を駆動することで、車体のピッチ軸周りの傾斜角を制御してもよい。このような構成によると、正しい車体のピッチ角速度に基づいて車体のピッチ角が制御されるため、車体のピッチ角(姿勢)を精度良く制御することができる。
(特徴4) 本明細書に開示する移動体では、傾斜角速度検出手段は車体に取付けられたジャイロセンサであってもよい。ジャイロセンサはオフセット誤差を有するため、本明細書に開示の技術を用いることで、車体の傾斜角速度を精度良く推定することができる。
本実施例について、図面を参照しながら説明する。本実施例では、本明細書に開示する技術を車体のピッチ軸周りのピッチ角制御に適用した例であり、ピッチ角制御に関係のない構成については、従来技術と同様としている。このため、以下の説明では、ピッチ角制御に関係する構成を主に説明し、それ以外の構成については適宜説明を省略する。図1,2に示すように、車両100は、倒立2輪型の移動体であり、左右の車輪12a,12bと、車輪12a,12bが取付けられた車体10を備えている。
車輪12a,12bは、車体10の側面に回転可能に取付けられている。具体的には、車輪12a,12bは、車軸13の両端に取付けられている。車軸13は、車体10の車幅方向と平行に伸びており、車体10に回転可能に支持されている。各車輪12a,12bは、モータ14a,14bにより独立して駆動される。車輪12a,12bを駆動することで、車両10は走行面Rを走行する。各車輪12a,12bの回転角は、エンコーダ15a,15b(図3に図示)によって検出される。エンコーダ15a,15bで検出された各車輪12a,12bの回転角は、制御装置20(図3に図示)に入力される。
車体10は、上述したように車軸13に対して回転可能となっている。すなわち、車軸13はピッチ軸であり、車体10は車軸13(ピッチ軸)周りに回転可能となっている。車体10の重心Gは車軸13より高い位置にあり、車両100は倒立2輪型の移動体となっている。また、車体10は、ロール軸周りに回転可能となっている。ロール軸は、車軸13に直交しており、車軸13の車幅方向の略中央を通過している。車体10には、車体10のピッチ角速度を検出するジャイロセンサ16と、車体10の加速度を検出する加速度センサ17と、車体10のロール角度を制御するためのアクチュエータ18と、モータ14a,14b及びアクチュエータ18を制御する制御装置20(図3に図示)を備えている。
ジャイロセンサ16は、車体10の車軸(ピッチ軸)13周りの角速度(ピッチ角速度)を検出する1軸のジャイロセンサである。図3に示すように、ジャイロセンサ16は、制御装置20に電気的に接続されている。ジャイロセンサ16から出力されるピッチ角速度信号は、制御装置20に入力される。
加速度センサ17は、車体10の加速度を検出する1軸の加速度センサである。具体的には、加速度センサ17は、車軸13(ピッチ軸)に直交すると共に車体10の軸線26(車軸13と重心Gとを結ぶ鉛直線)と直交する方向の加速度を検出する。このため、例えば、図6に示すように車体10がピッチ角θだけ傾斜しているときは、加速度センサ17はX’軸方向の加速度を検出する。図3に示すように、加速度センサ17は、制御装置20に電気的に接続されている。加速度センサ17から出力される加速度信号は、制御装置20に入力される。加速度センサ17は、車軸13から高さhだけ高い位置に配置されている。
アクチュエータ18は、車体10のロール角度を調整するための装置である。アクチュエータ18は、車体10に対してロール軸周りのトルクτを付与する。図3に示すように、アクチュエータ18は、制御装置20に電気的に接続されている。制御装置20から出力される制御指令値に基づいてアクチュエータ18は、ロール軸周りにトルクτを発生する。アクチュエータ18には、例えば、ギア付きサーボモータを用いることができる。なお、アクチュエータ18の出力軸の回転角は、図示しないエンコーダによって検出され、制御装置20に入力される。制御装置は、入力されるアクチュエータ18の出力軸の回転角に応じてアクチュエータを制御することで、車体10のロール角を制御する。これによって、旋回時の走行安定性の向上が図られている。なお、車体10のロール角制御は、従来公知の方法で実施できるため、ここではその詳細な説明は省略する。
制御装置20は、CPU,ROM,RAM等を備えたコンピュータによって構成されている。制御装置20は、車体10に設置されている。制御装置20は、ジャイロセンサ16と加速度センサ17とアクチュエータ18とモータ14a,14bとエンコーダ15a,15bに電気的に接続されている。制御装置20がモータ14a,14bを駆動することで、車体10のピッチ軸周りの姿勢角(ピッチ角)が制御される。以下、制御装置20について詳細に説明する。
図4に示すように、制御装置20は、ジャイロセンサ16から入力されるピッチ角速度と、エンコーダ15a,15bから入力される車輪12a,12bの回転角と、加速度センサ17から入力される加速度に基づいてピッチ角速度誤差を推定し、その推定したピッチ角速度誤差を用いてジャイロセンサ16から入力されるピッチ角速度を補正する傾斜角速度推定部22と、補正したピッチ角速度に基づいてモータ14a,14bを駆動する車輪駆動部24を有している。
傾斜角度推定部22は、車体10のピッチ角を推定するために、まず、ジャイロセンサ16に生じる角速度誤差をオブザーバにより推定する。オブザーバの構成を説明する前に、まず、車体10のロール方向の姿勢変化に起因してジャイロセンサ16に角速度誤差が生じることを説明する。ジャイロセンサ16がオフセット誤差を生じることは知られているが、ジャイロセンサ16の出力には車体10のロール方向の姿勢変化に起因して誤差が生じる。すなわち、図5に示すように、車体10がロール軸周りにθrollだけ傾斜すると、車体10に取付けられたジャイロセンサ16が検出する角速度dθps/dtの方向もY’軸周りの角速度となる。したがって、ジャイロセンサ16が検出するY’軸周りの角速度dθps/dtは、次の式(1)で表される。ここで、dθ/dtは車体10のY軸周りの角速度であり、dθ/dtは車体10のZ軸周りの角速度である。
Figure 2014080107
ロール角θrollが充分に小さいと仮定すると、sinθroll=θrollとなり、cosθroll=1となり、上記の式(1)は線形化されて下記の式(2)となる。
Figure 2014080107
上記の式(2)から明らかなように、ジャイロセンサ16で検出される角速度dθps/dtには、Z軸周りのヨー角速度dθ/dtの成分が含まれる。また、車体10のロール角θrollが大きくなると、ジャイロセンサ16で検出される角速度dθps/dtに含まれるヨー角速度成分θroll・dθ/dtも大きくなる。このように、ジャイロセンサ16が検出するピッチ角速度は、車体10のロール方向の姿勢変化に起因して誤差が生じる。本実施例では、ジャイロセンサ16で検出される角速度dθps/dtに含まれる誤差成分をdθerror/dtとし、この誤差成分dθerror/dtをオブザーバにより推定する。
次に、ジャイロセンサ16の角速度誤差dθerror/dtを推定するオブザーバについて説明する。このオブザーバは、制御装置20の傾斜角速度推定部22(図4に図示)の内部に構築される。まず、角速度誤差dθerror/dtを推定するオブザーバのための数式モデルについて説明する。次の式(3)に示すように、ジャイロセンサ16の検出値(角速度)dθps/dtは、角速度誤差dθerror/dtと真値dθ/dtの和となる。
Figure 2014080107
一方、図6に示すように、車体10の加速度センサ17が設けられた位置には、重力による加速度と、車両100のX軸方向の加速度と、車体10のロール角運動による加速度が作用する。したがって、加速度センサ17の検出値aは、次の式(4)により表される。ここで、gは重力加速度であり、aは車両100のx軸方向の加速度である
Figure 2014080107
車体10のピッチ角θが充分に小さいと仮定すると、sinθ=θとなり、cosθ=1となり、上記の式(4)は線形化されて下記の式(5)となる。
Figure 2014080107
ここで、角速度dθps/dtは角速度誤差dθerror/dtを含むが、角速度誤差dθerror/dtが定常的な誤差であると仮定すると、dθ/dt=dθps/dtとみなすことができる。また、車両100のX軸方向の加速度aは、車輪12a,12bの回転角を検出するエンコーダ15a,15bの検出値θ、θを2階微分して車輪半径rを掛け合わせることで、下記の式(6)に示すように算出することができる。
Figure 2014080107
ただし、本実施例では、車両100が倒立2輪型の移動体であるため、車体10のピッチ角加速度を考慮して、車両100のX軸方向の加速度aは、次の式(7)で表される。
Figure 2014080107
以上の各式から、次の状態方程式が導かれる(下記の式(8))。なお、この状態方程式を、ブロック図で表現すると、図7に示すようになる。ここで、A,B,C,Dは状態行列、x(t)は状態量であり、u(t)は入力である。
Figure 2014080107
次に、上記の式(8)の状態方程式から、状態量x(t)を推定するオブザーバを設計する。このために、まず、式(8)の状態方程式を離散化する。上記の式(8)を離散化すると、次の式(9)となる。式(9)において、A、B,C,Dは、離散化後の状態行列を表し、kはステップ数を表している。
Figure 2014080107
次に、上記の式(9)に基づいてオブザーバを設計すると、次の式(10)となる。
Figure 2014080107
さらに、上記の式(10)を展開して整理すると、次の式(11)となる。
Figure 2014080107
ここで、x^[k]はkステップ目に推定した状態量であり、Kはオブザーバゲインである。固有値(A−K・C)の大きさが1以内となるように、オブザーバゲインKを設定することで、安定なオブザーバを構成することができる。なお、上記の式(8)に示す状態方程式から明らかなように、本実施例のオブザーバは、車体10の質量、慣性モーメント及び車体10の重心位置に依存しない。このため、車体10に人が搭乗し、あるいは、車体10に荷物を搭載する等して車体10の質量が変化しても、オブザーバのための数式モデルは変化しない。したがって、本実施例のオブザーバによると、ジャイロセンサ16の角速度誤差dθerror/dtを精度良く推定することができる。具体的には、サンプリング周期毎に式(11)を計算することで、状態量(すなわち、ジャイロセンサ16の角速度誤差dθerror/dt)を推定することができる。
上述のようにジャイロセンサ16の角速度誤差dθerror/dtが推定されると、傾斜角度推定部22は、ジャイロセンサ16で検出された角速度dθps/dtから角速度誤差dθerror/dtを減算することで、車体10のピッチ角速度dθ/dtを算出する。上述したように、オブザーバによって推定される角速度誤差dθerror/dtは、車体10の慣性パラメータが含まれていない。このため、角速度誤差dθerror/dtを精度よく推定でき、車体10のピッチ角速度dθ/dtを精度よく推定することができる。
車輪駆動部24は、傾斜角度推定部22が推定した車体10のピッチ角速度dθ/dt(ジャイロセンサ16の検出値dθps/dtを角速度誤差dθerror/dtで補正した値)に基づいてモータ14a,14bを駆動する。具体的には、車体10のピッチ角度(ピッチ角速度dθ/dtを積分した値)と、車体10のピッチ角速度dθ/dtと、車輪12の回転角度(エンコーダ15の検出値)と、車輪12の回転角速度(エンコーダ15の検出値の微分値)をフィードバックすることで、車体10のピッチ角を制御して車体10の倒立状態を維持する(いわゆる、倒立2輪制御を行う)。また、車輪12の回転速度指令を与えることで、車両100のX軸方向の速度を制御する。なお、倒立2輪制御及び車両100の速度制御については、従来公知の方法(例えば、PID制御、状態フィードバック制御、H∞制御等)で行うことができるため、ここでは、その詳細な説明を省略する。
図8は、上述した制御装置20の倒立2輪制御用の構成の一例を示すブロック図である。図8に示す例では、ジャイロセンサ16の検出値dθps/dtと、エンコーダ15の検出値の微分値dθ/dt(=(dθ/dt+dθ/dt)/2)をフィードバックする制御構成が採られている。すなわち、ジャイロセンサ16の検出値dθps/dtと、その検出値dθps/dtを微分した微分値dθps/dt(符号46を参照)が、オブザーバ44に入力される。また、車輪12の回転角速度dθ/dtを微分した値は車輪12の半径rが乗算され、その乗算された値がオブザーバ44に入力される。オブザーバ44は、ジャイロセンサ16で検出される角速度の誤差dθerror/dtを出力し、その角速度誤差dθerror/dtでジャイロセンサ16の検出値dθps/dtが補正され、その補正された値がフィードバック補償器38に入力される。フィードバック補償器38には、車輪12の回転角速度dθ/dtが入力され、また、車輪12の目標回転角速度dθwref/dtが入力される。フィードバック補償器38は、車輪12が目標回転角速度dθwref/dtとなるように、車輪12を駆動するモータ14に駆動トルクτを出力する。これによって、車体10はピッチ角を所望の角度としながら、走路面Rを走行することができる。なお、符号40は、車輪12へのトルクτの入力からジャイロセンサ16の検出値dθps/dt及びエンコーダ15の検出値の微分値dθ/dtまでの車両100の特性を表している。
次に、上述した制御装置20によるピッチ角制御をシミュレーションした結果について説明する。シミュレーションでは、倒立状態を維持している状態で車輪12に回転角速度指令dθwref/dtを与えて車両100の走行を開始させ、車両100が走行している状態で角速度誤差dθerror/dtを与えた。比較例として、図9に示す制御構成(すなわち、オブザーバによる補正が無い場合)についても、同様のシミュレーションを行った。
図10,11において、上段は車輪12の回転角速度dθ/dtであり、中段が車体10のピッチ角dθ/dtであり、下段はジャイロセンサ16の角速度誤差dθerror/dtである。上段中の破線は目標値(指令値)であり、点線は比較例についての車輪の回転角速度dθ/dtである。また、中段、下段の実線はオブザーバで推定した結果であり、破線は真値を表している。また、図10は、固有値(A−C・K)が2・π・0.3となるようにオブザーバゲインKを設定したときのシミュレーション結果であり、図11は、固有値(A−C・K)が2・π・1.0となるようにオブザーバゲインKを設定したときのシミュレーション結果である。図10,11に示すように、本実施例では、角速度誤差dθerror/dtが良好に推定され、その結果、概ね良好なピッチ角制御が実現されている。一方、比較例においては、車輪12の回転角速度が目標値(指令値)から大きくずれる結果となった。
上述した説明から明らかなように、本実施例の車両100では、車体10の慣性パラメータが含まれていないオブザーバによりジャイロセンサ16の角速度誤差dθerror/dtを推定する。その結果、車体10のピッチ角速度を良好に推定することができ、車体10のピッチ角(姿勢角)を良好に制御することができる。
なお、本実施例の制御技術は、ショートホイールベース及びショートトレッド幅の小型移動体に好適に適用することができる。すなわち、この種の小型移動体では、走行状態に応じて車体の傾斜角を変化させ、車体の姿勢を安定化することが要求される。例えば、車両の旋回時には車体をロール軸周りに傾斜させ、車両の加減速時には車体をピッチ軸周りに傾斜させる。このような車両において車体の姿勢角を良好に制御するためには、車体の姿勢角を精度良く推定する必要がある。本実施例の制御技術を用いると、車体の姿勢角を精度良く推定することができるため、車体の姿勢角を良好に制御することができる。これによって、小型移動体の走行安定性を向上することができる。
最後に、上述した実施例と請求項との対応関係を説明しておく。車体10のピッチ軸が請求項でいう「回転軸」の一例であり、ジャイロセンサ16が「傾斜角速度検出手段」の一例であり、加速度センサ17が「第1加速度検出手段」の一例であり、エンコーダ15a,15bと制御装置20が「第2加速度検出手段」の一例であり、傾斜角速度推定部22の一部の機能が「傾斜角速度誤差推定手段」の一例である。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例をさまざまに変形、変更したものが含まれる。
例えば、上述した実施例は、本明細書に開示する技術を車体のピッチ角制御に適用した例であったが、本明細書に開示する技術は、車体のピッチ角制御以外にも適用でき、例えば、車体のロール角制御に適用することができる。本明細書に開示する技術を車体のロール角制御に適用する場合は、車体のロール角を検出するジャイロセンサと、ロール角方向に対応する方向の車体の加速度を検出する加速度センサを装備すればよい。
また、上述した実施例は、倒立2輪型の移動体であったが、ホイールベースを有する3輪又は4輪以上の車輪を有する移動体であってもよい。このような場合、オブザーバ用の数式モデルに用いる高さhは、ピッチ軸から加速度センサを設置する位置までの高さとすればよい。また、上述した実施例では、ロール角を制御するアクチュエータ18を備えているが、ロール角を制御するアクチュエータ18を備えていなくてもよい。さらに、ピッチ軸から加速度センサを設置した位置までの高さhが充分に小さい場合は、高さhを0としてもよい。この場合は、式(5)の右辺の第3項が0となり、状態方程式を簡略化することができる。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
10 車体
12a,12b 車輪
13 車軸
14a,14b モータ
15a,15b エンコーダ
16 ジャイロセンサ
17 加速度センサ
18 アクチュエータ
20 制御装置

Claims (5)

  1. 路面を移動する移動体であって、
    回転軸の周りに回転可能とされる車体と、
    車体に取付けられており、回転軸周りの車体の傾斜角速度を検出する傾斜角速度検出手段と、
    車体に取付けられており、回転軸に直交すると共に車体の軸線と直交する方向の車体の加速度を検出する第1加速度検出手段と、
    回転軸に直交すると共に路面と平行な方向の移動体の加速度を検出する第2加速度検出手段と、
    傾斜角速度検出手段で検出される傾斜角速度と、その傾斜角速度を微分した傾斜角加速度と、第2加速度検出手段で検出される加速度を入力とし、第1加速度検出手段で検出される加速度を観測値とする状態方程式を用いて、傾斜角速度検出手段で検出される傾斜角速度の誤差を推定する傾斜角速度誤差推定手段と、を有する移動体。
  2. 車体に回転可能に支持され、回転軸と平行な車軸周りに回転する1又は複数の車輪と、
    車輪を駆動する駆動手段と、を有しており
    駆動手段が車輪を駆動することで移動体が路面を走行する、請求項1に記載の移動体。
  3. 第2加速度検出手段は、車輪の回転角を検出するエンコーダと、エンコーダの出力から移動体の加速度を算出する加速度算出部と、を有している、請求項2に記載の移動体。
  4. 移動体は、車体の重心が車軸よりも高い位置にある倒立振子型の移動体であり、
    回転軸は、車体のピッチ軸であり、
    駆動手段は、傾斜角速度検出手段で検出される傾斜角速度を、傾斜角速度誤差推定手段で推定された傾斜角速度誤差により補正した値を用いて車輪を駆動することで、車体のピッチ軸周りの傾斜角を制御する、請求項2又は3に記載の移動体。
  5. 傾斜角速度検出手段は、車体に取付けられたジャイロセンサである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の移動体。
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