JP2007215656A - 作製支援装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】歯科用補綴物を適用する支台歯の模型Tの三次元形状データを記憶するRAM15と、模型Tにおける基準軸Zを含む面において、接点を規定する線LTについての当該基準軸Zに対する角度の指定を受け付ける受付部13aと、三次元形状データに基づいて、模型Tにおける基準軸Zを含む面において、当該基準軸Zに対して指定された角度をなす線LTとの接点の三次元位置情報を検出する接点検出部13cと、接点の座標に基づいて、模型Tにおけるマージンラインの三次元位置情報を決定するマージンライン決定部13dとを有するように構成する。
【選択図】図2
Description
マージンラインを設定する場合には、まず、歯科用補綴物を適用する支台歯を含む石膏模型を作製しておく。次いで、石膏模型からマージン部分が明確にされた三次元形状計測用の模型を作製する。すなわち、マージン部分には歯肉内にあることが多いので、石膏模型から歯肉に相当する余分な部分を削除することにより、マージン部分を明確にした三次元形状計測用の模型を作製する。
そして、計測用の模型から三次元形状データを取得して、三次元形状データを利用してマージンラインを設定することが行われる。マージンラインを設定する方法としては、三次元形状データを用いて最大外形部をマージン部分としたり、外郭線の最大変曲点をマージン部分としたり(例えば、特許文献1参照)、歯牙を照明することにより生ずる陰影を利用してマージン部分としたりする(例えば、特許文献2参照)方法が知られている。
この技術によると、歯等の原型体の縦断面図を画面上に表示させ、オペレータが当該断面図上においてマージン部を指定するということを、原型体の複数の縦断面図において行い、それらをつなぎ合わせることによりマージンラインを設定している。
また、各断面図においてマージン部分を設定する際には、マウス等の入力装置により正確にマージン部分を示す必要があり、繊細な作業が必要であり、オペレータの技量が必要り、負荷がかかる問題が生じる。
係る構成によると、指定した検出範囲において、指定された角度の線に対する接点を検出し、マージンラインを決定することができる。
係る構成によると、オペレータは立体的に表示された模型を確認しつつ、検出範囲を指定することができ、容易且つ適切にマージンラインの決定をすることができる。
係る構成によると、基準軸方向の検出範囲内についてのみ接点を検出する処理を行えばよく、処理量を低減することができる。
係る構成によると、基準軸方向の検出範囲内の複数の点についてのみ接点か否かを判定する処理を行えばよく、処理量を低減することができる。
係る構成によると、複数の点と、計算用線との距離を算出するという処理により接点を検出することができ、処理量を低減することができる。
係る構成によると、基準軸の周囲方向の検出範囲内について、指定された線との接点を検出することができる。
係る構成によると、基準軸の周囲方向の複数の検出範囲において、各検出範囲における接点を規定する線の角度を異ならせて指定することができ、それらの接点に基づいてマージンラインを決定することができる。これにより、基準軸の周囲方向において、オペレータが所望するマージンラインを容易に決定することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る歯科用補綴物作製システムの構成図である。
歯科用補綴物作製システム1は、三次元計測装置2と、作製支援装置3と、切削加工装置4とを有する。三次元計測装置2と作製支援装置3とは、例えば、USB(Universal Serial Bus)ケーブル等のケーブル5により接続され、両者間でデータ送受信が可能となっている。また、作製支援装置3と切削加工装置4とは、例えば、USB(Universal Serial Bus)ケーブル等のケーブル6により接続され、両者間でデータ送受信が可能となっている。
作製支援装置3は、例えば、PC(Personal Computer)等によって構成されており、三次元計測装置2から送信された三次元形状データを利用し、オペレータからの指示入力に応じて、支台歯に適合する歯科用補綴物を作製するための作製用データを生成する処理を行い、生成した作製用データを切削加工装置4に送信する。
切削加工装置4は、作製支援装置3から送信された作製用データに従って、例えば、セラミック等の素材を切削して歯科用補綴物を作製する。
図2は、本発明の一実施形態に係る作製支援装置の構成図である。
作製支援装置3は、装置本体10と、表示装置11と、入力装置12とを有する。
表示装置11は、例えば、液晶ディスプレイや、CRTディスプレイ等の画像を表示する装置である。入力装置12は、例えば、マウス、キーボード等の作製支援装置3のオペレータからの入力を受け付けるための装置である。装置本体10において、CPU(Central Processing Unit)13と、ROM(Read Only Memory)14と、RAM(Random Access Memory)15と、ハードディスクドライブ16と、表示処理部17と、入力インターフェース18と、コンボドライブ19と、外部インターフェース20、21とがバス22を介して接続されている。
RAM15は、プログラムやデータを記憶する領域として、或いは、CPU13による処理に使用しているデータを格納する作業領域として利用される。本実施形態では、RAM15は、形状データ記憶手段の一例であり、処理対象の支台歯模型の三次元形状データを記憶する。また、本実施形態では、RAM15は、マージンライン記憶手段の一例であり、処理によって設定されたマージンラインの三次元位置情報を記憶する。
表示処理部17は、CPU13の制御により、表示装置11に画像を表示させるための表示用データを生成し、表示装置11に出力する。
ハードディスクドライブ16は、OS(オペレーティングシステム)や、各種プログラムや、各種データベースを読み出し可能に記憶する。本実施形態では、ハードディスクドライブ16は、歯科用補綴物の作製を支援する作製支援プログラム、複数の支台歯模型の三次元形状データを記憶する。
外部インターフェース20は、外部の装置とのデータのやりとりの仲介を行う。本実施形態では、外部インターフェース20は、ケーブル5を介して接続された三次元計測装置2との間でデータのやりとりを行う。
外部インターフェース21は、外部の装置とのデータのやりとりの仲介を行う。本実施形態では、外部インターフェース21は、ケーブル6を介して接続された切削加工装置4との間でデータのやりとりを行う。
本実施形態では、受付部13aは、メインウインドウ31(図3参照)、マージンライン設定ウインドウ51(図4参照)、作成確認ウインドウ57(図5参照)、内面設定ウインドウ61(図6参照)、外形設定ウインドウ71(図8参照)に対する、オペレータの入力装置12を利用しての操作に応じて各種指示を受け付ける。
メインウインドウ31には、計測データ登録ボタン32と、マージンライン設定ボタン33と、内面設定ボタン34と、外形設定ボタン35と、加工設定ボタン36と、画像表示領域37と、画像移動ボタン38と、画像表示方向ボタン39と、移動量ボタン40と、閉じるボタン41とが表示される。
マージンライン設定ボタン33は、マージンライン設定処理を開始する指示を受け付けるボタンである。
内面設定ボタン34は、内面作成処理を開始する指示を受け付けるボタンである。
外形設定ボタン35は、外形作成処理を開始する指示を受け付けるボタンである。
加工設定ボタン36は、加工設定処理を開始する指示を受け付けるボタンである。
画像表示領域37は、データ登録処理により登録された支台歯の模型及び当該模型に関する画像を表示する領域である。なお、同図においては、既に、処理対象の支台歯の模型が登録されている場合を示しており、当該支台歯の模型Tが立体的な画像として表示されている。
上移動ボタン38aは、模型の画像を上方向に移動させる指示を受け付けるボタンである。下移動ボタン38bは、模型の画像を下方向に移動させる指示を受け付けるボタンである。左移動ボタン38cは、模型の画像を左方向に移動させる指示を受け付けるボタンである。右移動ボタン38dは、模型の画像を右方向に移動させる指示を受け付けるボタンである。
唇側・頬側ボタン39aは、模型を唇側・頬側を正面として表示させる指示を受け付けるボタンである。舌側ボタン39bは、模型を舌側を正面として表示させる指示を受け付けるボタンである。近心側ボタン39cは、模型を近心側を正面として表示させる指示を受け付けるボタンである。遠心側ボタン39dは、模型を遠心側を正面として表示させる指示を受け付けるボタンである。咬合側ボタン39eは、模型を咬合側を正面として表示させる指示を受け付けるボタンである。拡大ボタン39fは、模型を拡大して表示させる指示を受け付けるボタンである。縮小ボタン39gは、模型を縮小して表示させる指示を受け付けるボタンである。
移動量ボタン40は、0.1単位ボタン40aと、0.5単位ボタン40bと、1.0単位ボタン40cと、5.0単位ボタン40dとを有する。0.1単位ボタン40aは、画像移動ボタン38及び画像表示方向ボタン39に対する指示時において、0.1単位とすることを受け付けるボタンである。0.5単位ボタン40bは、画像移動ボタン38及び画像表示方向ボタン39に対する指示時において、0.5単位とすることを受け付けるボタンである。1.0ボタン単位40cは、画像移動ボタン38及び画像表示方向ボタン39に対する指示時において、1.0単位とすることを受け付けるボタンである。5.0ボタン単位40dは、画像移動ボタン38及び画像表示方向ボタン39に対する指示時において、5.0単位とすることを受け付けるボタンである。
マージンライン設定ウインドウ51には、スライドバー52と、歯軸調整ボタン54と、マージン設定ボタン55と、閉じるボタン56とが表示される。
スライドバー52は、スライド可能なバー53を有し、当該バー53の位置により、マージンラインを設定する際における接点を規定する線(接線)の基準軸Zに対する角度の指定を受け付ける。
歯軸調整ボタン54は、処理対象の模型における基準軸Zの調整の指示を受け付けるボタンである。
マージン設定ボタン55は、スライドバー52に角度が指定されている接線により規定される接点によってマージンラインを設定する指示を受け付けるボタンである。
閉じるボタン56は、マージンライン設定処理を終了する指示を受け付けるボタンである。閉じるボタン56が押下されると、表示制御部13bによりマージンライン設定ウインドウ51が閉じられる。
作成確認ウインドウ57は、マージンライン設定ウインドウ51において、マージン設定ボタン55が押下された場合に表示されるウインドウであり、新規ボタン58と、修正ボタン59とを有する。
新規ボタン58は、新たにマージンラインを設定するとの指示を受け付けるボタンである。
修正ボタン59は、既に設定しているマージンラインを修正するとの指示を受け付けるボタンである。
作成確認ウインドウ57においては、マウスによってマウスカーソルMを移動させて、マウスに設けられた左ボタンをオペレータがクリックすることにより、受付部13aは、各種ボタン58、59の押下を受け付ける。
内面設定ウインドウ61には、セメントスペースの厚みCST(図7参照)の入力を受け付ける厚み入力領域62と、セメントスペースCS(図7参照)の開始高さCSH(図7参照)の入力を受け付ける開始高さ入力領域63と、制御点CP(図7参照)までの距離CDを入力する制御点距離入力領域64と、セメントスペースCSを含むコーピングCのボリュームの拡大率を入力する拡大率入力領域65と、基準軸Zに垂直な所定の基準面からの基準軸方向への歯牙高さ(模型の高さ)を表示する歯牙高さ表示領域66と、基準軸Zに垂直な所定の基準面から基準軸方向へのマージンラインの最大高さを表示する最大高さ表示領域67と、内面作成ボタン68と、閉じるボタン69とが表示される。本実施形態では、セメントスペース開始高さ入力領域63と、制御点距離入力領域64には、歯牙高さとマージンラインの最大高さとの差よりも小さい値のみ設定可能になっている。
閉じるボタン69は、内面作成処理を終了する指示を受け付けるボタンである。閉じるボタン69が押下されると、表示制御部13bにより内面設定ウインドウ61が閉じられる。
内面設定ウインドウ61においては、マウスによってマウスカーソルMを移動させて、マウスに設けられた左ボタンをオペレータがクリックすることにより、受付部13aは、各種ボタン68、69の押下を受け付ける。また、マウスカーソルMを入力領域62〜65上に移動させて、オペレータがクリックを行った後において、入力装置12の一例であるキーボードにおけるキー押下があった場合には、受付部13aは該当する入力領域に対しての文字入力を受け付ける。
図7は、本発明の一実施形態に係る内面設定における設定条件等を説明する図である。
セメントスペースCSの厚みCSTとは、図7に示すように、支台歯模型Tと、コーピング内面CIとの間の領域CS(実際の場面においては、支台歯に対してコーピングを接着する際のセメントが入り込むための領域(セメントスペース))における最大の厚みのことをいう。また、セメントスペースCSの開始高さCSHは、図7に示すように、マージンラインMLからセメントスペースCSの始まる位置CISまでの基準軸Z方向の高さのことをいう。また、制御点CPとは、図7に示すように、セメントスペースCSが厚みCSTとなる点のことをいう。また、制御点距離CDとは、図7に示すように、セメントスペースCSの始まる位置CISから制御点CPまでの、基準軸Z方向の高さのことをいう。
外形設定ウインドウ71には、マージンラインMLからの高さCOH(図9参照)の入力を受け付ける高さ入力領域72と、コーピングCの厚みCTの入力を受け付けるコーピング厚み入力領域73と、設定ボタン74と、閉じるボタン75とが表示される。
設定ボタン74は、外形設定ウインドウ71で設定された条件により外形を作成する指示を受け付けるボタンである。
閉じるボタン75は、外形作成処理を終了する指示を受け付けるボタンである。閉じるボタン75が押下されると、表示制御部13bにより外形設定ウインドウ71が閉じられる。
図9は、本発明の一実施形態に係る外形設定における設定条件等を説明する図である。
マージンラインMLからの高さCOHは、図9に示すように、コーピングの外面COの端点DのマージンラインMLからの基準軸Z方向の高さのことをいう。
コーピングCの厚みCTは、図9に示すように、コーピングの内面と外面との間の厚さのことをいう。
ここで、マージンラインML近傍における模型Tをなす面上の線SLとの所定の角度βは、上記した60度に限られず、コーピングCとなる素材や、切削加工装置4における作製時の振動の影響等に応じて、任意に設定してもよい。なお、切削加工装置4での作製後における歯科技工士によるコーピングCの調整作業の作業量を削減することを考慮すると、鋭角であることが望ましい。
マージンライン決定部13dは、接点検出部13cによって検出された接点に基づいて、マージンラインを決定する。本実施形態では、検出された複数の接点を所定のアルゴリズムで滑らかに繋いだ線をマージンラインと決定し、当該マージンラインの三次元位置データを生成する。
加工設定処理部13fは、コーピングCの形状と、受付部13aにより受け付けたオペレータの指定とに基づいて、コーピングCを切削加工装置4で作製するための作製用データを生成するとともに、生成した作製用データを、通信処理部13gにより切削加工装置4に送信させる。
通信処理部13gは、外部インターフェース20を介して、三次元計測装置2から支台歯の模型の三次元形状データを受信し、ハードディスクドライブ16に格納する。
また、通信処理部13gは、外部インターフェース21を介して、生成された作製用データを切削加工装置4に送信する。
図10は、本発明の一実施形態に係るメイン処理のフローチャートである。
このメイン処理は、オペレータが入力装置12によって作製支援プログラムの起動を指示した場合に開始される。
メイン処理が開始されると、表示制御部13bがメインウインドウ31を、表示処理部17によって表示装置11に表示させ(ステップS1)、後述する表示関連処理(図11参照)を開始する(ステップS2)。
次いで、受付部13aが、メインウインドウ31に対して所定の作業ボタンが押下されたか否かを判定し(ステップS3)、押下されていない場合には、ステップS3を繰り返し実行する一方、押下された場合には、押下された作業ボタンに応じて処理開始する。
また、受付部13aが内面設定ボタン34が押下されたことを検出した場合には、後述する内面作成処理(図16参照)を開始する(ステップS6)。
また、受付部13aが外形設定ボタン35が押下されたことを検出した場合には、後述する外形作成処理(図17参照)を開始する(ステップS7)。
図11は、本発明の一実施形態に係る表示関連処理のフローチャートである。
表示関連処理において、表示制御部13bは、受付部13aによって画像移動ボタン38のいずれかのボタンの押下が受け付けられたか否かを判定し(ステップS11)、受け付けられた場合には、押下されたボタンに応じて、画像表示領域37に表示されている模型Tの画像を移動させて表示させる(ステップS12)一方、受け付けられていない場合には何もしない。
次いで、表示制御部13bは、受付部13aによって画像表示方向ボタン39のいずれかのボタンの押下が受け付けられたか否かを判定し(ステップS13)、受け付けられた場合には、押下されたボタンに応じて、画像表示領域37に表示されている模型Tの画像の正面を変えて、或いは表示されている画像を拡大又は縮小して表示させる(ステップS14)一方、受け付けられていない場合には何もしない。
その後、表示制御部13bは、受付部13aによって終了指示が受け付けられたか否か、すなわち、閉じるボタン41が押下されたか否かを判定し(ステップS17)、終了指示があった場合には、表示関連処理を終了する一方、終了指示がない場合にはステップS11からのステップを繰り返し実行する。
図12は、本発明の一実施形態に係るマージンライン設定処理のフローチャートである。
マージンライン設定処理は、既に計測用データ登録処理が実行され、処理対象の模型の三次元形状データがRAM15に読み出され、画像表示領域37に該当する模型Tの画像が表示されている状態において実行される。
マージンライン設定処理が開始されると、表示制御部13bがマージンライン設定ウインドウ51を、表示処理部17によって表示装置11に表示させる(ステップS21)。
次いで、接点検出部13cは、受付部13aによって歯軸調整ボタン54の押下が受け付けられたか否かを判定し(ステップS22)、受け付けられた場合には、受付部13aにより、オペレータからの入力装置12による基準軸(歯軸)の調整操作を受け付ける(ステップS23)。ここで、歯軸の調整操作としては、例えば、マウスを使っての画像表示領域37に表示された模型Tの画像の回転操作等がある。
次いで、接点検出部13cが、調整操作に応じて歯軸の調整処理を行う(ステップS24)。具体的には、例えば、操作によって指定された基準軸を新たな基準軸とし、三次元形状データを新たな基準軸における座標系に調整する。
次いで、接点検出部13cは、受付部13aによってマージン設定ボタン55の押下が受け付けられたか否かを判定する(ステップS28)。受け付けられていない場合には、ステップS39に進む。一方、受け付けられた場合には、表示制御部13bは、表示装置11に作成確認ウインドウ57を表示する(ステップS29)。
次いで、接点検出部13cは、受付部13aによって新規ボタン58、又は修正ボタン59のいずれの押下が受け付けられたか否かを判定し(ステップS30)、新規ボタン58の押下が受け付けられた場合には、RAM15に記憶しているマージンラインの三次元形状データを削除する(ステップS31)一方、修正ボタン59の押下が受け付けられた場合には、既に得たマージンラインの三次元形状データをそのまま残しておく。
次いで、これら複数の点の中から、接点を検出する処理(接点検出処理)を行い(ステップS34)、当該断面における接点についての三次元座標(三次元位置情報)を、新たに検出した座標としてRAM15に書き込む(ステップS35)。これによって、マージンラインの修正時点においては、修正前の接点の座標が、新たに指定されている角度の線に対する対応する断面における接点の座標に更新される。
一方、全断面について処理を行った場合(ステップS36のYES)には、RAM15に記憶されている複数の接点の座標に基づいて、当該模型におけるマージンラインの三次元形状データ(三次元位置情報)を決定する(ステップS37)。ここで、マージンラインは、例えば、複数の接点を滑らかに繋ぐような三次元形状データとして決定される。
その後、マージンライン決定部13dは、受付部13aによって終了指示が受け付けられたか否か、すなわち、閉じるボタン56が押下されたか否かを判定し(ステップS39)、終了指示があった場合には、マージンライン設定処理を終了する一方、終了指示がない場合には、ステップS22からのステップを繰り返し実行する。
図13は、本発明の一実施形態に係るマージンラインの検出範囲の指定を説明する図である。図13(1)は、検出範囲の指定時におけるメインウインドウ31の画像表示領域37の表示例を使っての説明図であり、図13(2)は、図13(1)に示す場合における検出範囲を説明する図である。
図13(1)に示すように、メインウインドウ31の画像表示領域37には、支台歯の模型Tが立体的に表示されている。検出範囲を指定する際においては、マウスカーソルMは、図13(1)に示すように円形となっている。
本実施形態では、入力装置12の一例であるマウスの左ボタンを押下した状態でマウスカーソルMを移動させる操作(ドラッグ操作)によって、受付部13aが接点を検出すべき検出範囲の指定を受け付けるようになっている。
また、ドラッグ操作を行った際の基準軸Zの周囲方向の範囲、例えば、図13(1)の位置Aから位置Bの範囲bが接点を検出すべき基準軸Zの周囲方向の範囲を示している。
図13(1)の位置Aから位置Bの範囲が指定された場合には、図13(2)に示すように、模型Tの位置Aが示す外周部分から位置Bが示す外周部分に至るまでの範囲bにおける、基準軸Zを含む各断面について接点を検出すべきことを意味している。
図14は、本発明の一実施形態に係るマージンラインの接点検出処理を説明する図である。図14は、基準軸Zの周囲方向の検出範囲内における、基準軸Zを含む断面の一例を示している。
接点検出処理においては、接点検出部13cは、基準軸Zに対して指定されている角度(図では、角度α)の線LTと接する模型Tの外周部分の接点MPを検出する。
本実施形態では、接点検出部13cは、まず、基準軸Z方向の検出範囲aに属する外周部分よりも模型Tの内側に位置し、基準軸Zと指定角度αをなす計算用線LCを検出する。計算用線LCは、例えば、Z軸と指定角度αをなし、基準軸方向の検出範囲aの最も下のZ軸座標よりも低い位置を切片とするものを使用することができる。
次いで、接点検出部13cは、検出範囲aに属する模型Tの外周部分の複数の点を取得し、これら各点と計算用線LCとの距離を算出する。そして、接点検出部13cは、最も距離の遠い点を接点として決定する。
本実施形態では、基準軸方向の限られた検出範囲に属する点のみを接点を検出する対象としているので、少ない処理量で接点を検出することができる。また、計算用線LCとの距離のみを算出することにより、接点を検出することができるので、複雑な計算処理を行う必要がない。
図15は、本発明の一実施形態に係る検出されたマージンラインを説明する図である。
例えば、マージンライン設定ウインドウ51によって1つの接線角度を指定し、マージン設定ボタン55を押下した後、マウスのドラッグ操作により、模型Tのマージンラインが存在する範囲の全周に対して、マウスカーソルMを移動させると、図15(1)に示すように、基準軸Zの周囲方向における各断面における接点が検出され、各接点を滑らかに繋いだマージンラインML1がメインウインドウ31の画像表示領域37に表示された模型Tの画像に重ねあわされて表示される。
このように、模型Tにおける基準軸Zの周囲方向において、複数の異なる角度の線に対する接点を結んだマージンラインを容易に設定することができる。このため、立体的な模型Tの画像におけるマージンラインMLを確認して、マージンラインとして好ましくない周囲方向の一部の範囲についてのみ、新たな角度の線により接点を検出させるようにして、マージンラインを容易に設定し直すことができる。
図16は、本発明の一実施形態に係る内面作成処理のフローチャートである。
内面作成処理は、既にマージンライン設定処理が実行され、模型Tのマージンラインの三次元形状データが作成されている状態において実行される。
内面作成処理が開始されると、表示制御部13bが内面設定ウインドウ61を、表示処理部17によって表示装置11に表示させる(ステップS41)。なお、内面設定ウインドウ61の各入力領域には、例えば、デフォルトの設定値が表示されている。
次いで、コーピング処理部13eは、受付部13aによって、セメントスペース厚み、セメントスペース開始高さ、制御点までの距離等の内面に関する設定条件の入力が受け付けられたか否かを判定し(ステップS42)、受け付けられた場合には、表示制御部13bにより内面設定ウインドウ61に設定条件を表示させる(ステップS43)とともに、当該設定内容をRAM15に記憶させる(ステップS44)。一方、受け付けられていない場合には何もしない。
次いで、コーピング処理部13eは、受付部13aによって終了指示が受け付けられたか否か、すなわち、閉じるボタン69が押下されたか否かを判定し(ステップS49)、終了指示があった場合には、内面作成処理を終了する一方、終了指示がない場合には、ステップS42からのステップを繰り返し実行する。
図17は、本発明の一実施形態に係る外形作成処理のフローチャートである。
外形作成処理は、既に内面作成処理が実行され、模型Tのマージンラインの三次元形状データが作成されているとともに、コーピングの内面の座標が作成されている状態において実行される。
外形作成処理が開始されると、表示制御部13bが外形設定ウインドウ71を、表示処理部17によって表示装置11に表示させる(ステップS51)。なお、外形設定ウインドウ71の一方の入力領域には、例えば、デフォルトの設定値が表示されている。
次いで、コーピング処理部13eは、受付部13aによって、マージンラインからの高さ、又はコーピングの厚みのいずれかの設定条件の入力が受け付けられたか否かを判定し(ステップS52)、受け付けられた場合には、表示制御部13bにより外形設定ウインドウ71に設定条件を表示させる(ステップS53)とともに、当該設定内容をRAM15に記憶させる(ステップS54)。一方、受け付けられていない場合には何もしない。
次いで、表示制御部13bがコーピング外形の形状を模型Tの画像に合わせて、メインウインドウ31の画像表示領域37に表示させる(ステップS58)。なお、設定ボタン74の押下が受け付けられていない場合(ステップS55のNO)には、次のステップS59に進む。
上記したように本実施形態では、コーピングCの側面CE上の線CELが、マージンラインML近傍における模型Tの面と所定の角度βとなるように側面の形状の三次元座標を検出しているので、切削加工装置4で加工された実際のコーピングCの内面と側面とのなす角が所定の角度になることとなる。このため、切削加工装置4における加工途中において、コーピングCが切削時の振動等により破損することを適切に防止することができる。また、切削加工装置4で作製したコーピングCの側面CEを歯科技工士が削る際において、切削すべき切削量を低減することができる。更に、コーピングCの内面CIと側面CEとのなす角が所定の角度であるので、歯科技工士が削るべき部分を当該角度を参考にして容易に把握することができる。
例えば、上記実施形態では、計算用線LCを決定し、当該計算用線LCとの距離により模型Tの外周部分の点が接点か否かを判定していたが、本発明はこれに限られず、例えば、外周部分の線の関数を求め、指定された角度の直線の関数において基準軸における切片を逐次変えつつ、それらの関数同士の関係に基づいて接点を検出するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、模型Tの検出範囲部分より内部に計算用の線を用いて接点を検出するようにしていたが、本発明はこれに限られず、例えば、模型Tの検出範囲部分よりも外側の計算用の線を用いて接点を検出するようにしてもよい。なお、この場合には、直線との距離が最小となる点を接点とするようにすればよい。
Claims (10)
- 歯科用補綴物を適用する支台歯の模型の三次元形状データを記憶する形状データ記憶手段と、
前記模型における所定の基準軸を含む面において、接点を規定する線についての当該基準軸に対する角度の指定を受け付ける角度受付手段と、
前記三次元形状データに基づいて、前記模型における前記基準軸を含む面において、当該基準軸に対して指定された前記角度をなす線との接点の三次元位置情報を検出する接点検出手段と、
前記接点の三次元位置情報に基づいて、前記支台歯の模型におけるマージンラインの三次元位置情報を決定するマージンライン決定手段と、
を有する作製支援装置。 - 前記支台歯の模型における指定された前記角度の前記線に対する前記接点を検出する検出範囲の指定を受け付ける検出範囲受付手段
を更に有することを特徴とする請求項1に記載の作製支援装置。 - 前記三次元形状データに基づいて、表示装置に前記模型を立体的に表示する表示手段を更に備え、
前記検出範囲受付手段は、前記立体的に表示された前記模型に対するマークによる指示により前記検出範囲の指定を受け付けることを特徴とする請求項2に記載の作製支援装置。 - 前記検出範囲受付手段は、前記基準軸方向の検出範囲を受け付けることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の作製支援装置。
- 前記接点検出手段は、前記基準軸を含む面における前記基準軸方向の検出範囲に属する前記模型の複数の点について、前記角度の接線との接点であるか否かを判定することにより接点を検出することを特徴とする請求項4に記載の作製支援装置。
- 前記接点検出手段は、前記基準軸方向における検出範囲に属する前記模型の複数の点の中で、前記複数の点よりも前記模型の内部側に存在し、且つ前記基準軸と前記角度をなす計算用線を決定し、当該計算用線との距離が最長となる点を、前記接点として検出することを特徴とする請求項5に記載の作製支援装置。
- 前記検出範囲受付手段は、前記基準軸の周囲方向の検出範囲を受け付けることを特徴とする請求項2乃至請求項6のいずれか一項に記載の作製支援装置。
- 前記角度受付手段は、前記角度の指定を複数受け付け、
前記検出範囲受付手段は、指定された前記各角度の線との接点を検出する前記基準軸の周囲方向の各検出範囲を受け付け、
前記接点検出手段は、前記各検出範囲において、指定された前記各角度の線との接点を検出し、
前記マージンライン決定手段は、前記各検出範囲において検出された接点に基づいて、前記支台歯の模型におけるマージンラインの三次元位置情報を決定する
ことを特徴とする請求項7に記載の作製支援装置。 - 歯科用補綴物の作製を支援する作製支援装置における作製支援方法であって、
前記作製支援装置は、前記歯科用補綴物を適用する支台歯の模型の三次元形状データを記憶する形状データ記憶手段を有しており、
前記模型における所定の基準軸を含む面において、接点を規定する線についての当該基準軸に対する角度の指定を受け付ける角度受付ステップと、
前記三次元形状データに基づいて、前記模型における前記基準軸を含む面において、当該基準軸に対して指定された前記角度をなす線との接点の三次元位置情報を検出する接点検出ステップと、
前記接点の三次元位置情報に基づいて、前記支台歯の模型におけるマージンラインの三次元位置情報を決定するマージンライン決定ステップと
を有する作製支援方法。 - 歯科用補綴物の作製を支援する作製支援装置を構成するコンピュータに実行させるための作製支援プログラムであって、
前記作製支援装置は、前記歯科用補綴物を適用する支台歯の模型の三次元形状データを記憶する形状データ記憶手段を有しており、
前記コンピュータを、
前記模型における所定の基準軸を含む面において、接点を規定する線についての当該基準軸に対する角度の指定を受け付ける角度受付手段と
前記三次元形状データに基づいて、前記模型における前記基準軸を含む面において、当該基準軸に対して指定された前記角度をなす線との接点の三次元位置情報を検出する接点検出手段と、
前記接点の三次元位置情報に基づいて、前記支台歯の模型におけるマージンラインの三次元位置情報を決定するマージンライン決定手段と
して機能させる作製支援プログラム。
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