JP2013176929A - 成形品そり変形予測装置、成形品そり変形予測方法及び成形品そり変形予測プログラム - Google Patents
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Abstract
【構成】そり変形解析プロセスによるそり変形解析結果である第4の座標データと、第1の座標データである解析モデルとを計算モード2のフローによって検証する。それによって各逆算比率に応じた元モデルに対する逆ぞり変形モードのそり変形量データが得られる。第4の座標データは第2の座標データより掴めたそり変形の移動量を盛り込んでいる第3の座標データである解析モデルを用いているので、この第4の座標データは第1の座標データである解析モデルに近づく。各逆算比率に対応した第4の座標データの中で第1の座標データである解析モデルと比較して最も差異のないものを選択することができる。
【選択図】 図1
Description
一般的な射出成形における金型製作プロセスを図6に示す。
射出成形における製作開始情報は製品の3Dモデルと成形仕様及び製品仕様(製品図など)である。
製品の3Dモデルには収縮を見込み、さらに必要に応じて補正を入れて金型モデルを作成する。縮むことを見込んでいるため、大きなモデルとなる。次に金型モデルから金型を製作し射出成形を行うことによって成形品が得られる。その場合に、収縮と補正が妥当であれば成形品と製品モデルとはほぼ同じになる。得られた成形品と製品の3Dモデルとを検証することによってどの程度の収縮を見込み、補正を入れて金型モデルを作成する必要があるかを明らかにする。
このような射出成形品のそり変形量を予測するソフトウエアとして、Moldflow Plastics Insight(登録商標)、3DTIMON(登録商標)、Moldex3D(登録商標)、等の樹脂流動解析ソフトウエアがあった。
X=X0 −δx*Rx
Y=Y0 −δy*Ry
Z=Z0 −δz*Rz
X0、Y0、Z0:第1の座標データ
δx、δy、δz:第2の座標データ
Rx、Ry、Rz:x、y、z方向の比率
図1において、成形品そり変形予測装置1は各種演算、計算、記録機能を備えたコンピュータ11に、解析モデルである第1の座標データ入力部2、第2の座標データが収納される第2の座標データ収納部3、変形メッシュデータ生成部4、コントロールデータ部5、第3の座標データ(<逆ぞり変形モード>解析モデル)収納部6、第4の座標データ(<逆ぞり変形モードでのそり変形>)収納部7、逆ぞり変形モードでのそり変形の元モデルに対する変形計算部(すなわち第4の座標データと第1の座標データとを比較して差異量を算出する変形計算部)8、元モデルに対する逆ぞり変形モードのそり変形量データ収納部(第4の座標データと第1の座標データとの差異量データ収納部)9を有してなる。これら各部で用いられるデータ、数値は、コンピュータ11に読み込まれ、その処理機能により演算処理が行われる。
そのデータを用いて第1の座標データに逆ぞり変形を与えるために計算モード1のフローによって逆そり変形解析プロセスを行う。
ここで逆算する比率とは計算されたそり変形量を元モデルのメッシュデータから減じて逆ぞり変形モードのメッシュデータを生成する際にそり変形量に乗じる比率であり、逆ぞり変形モードのメッシュデータの節点座標(X、Y、Z)はこの比率を用いて次式によって計算する。
X=X0 −δx*Rx
Y=Y0 −δy*Ry
Z=Z0 −δz*Rz
X0、Y0、Z0:元モデルのメッシュの節点座標(第1の座標データファイルのデータ)
δx、δy、δz:x、y、z方向のそり変形量(第2の座標データファイルのデータ)
Rx、Ry、Rz:x、y、z方向の比率
計算モード1では、このようにして計算された節点座標(X、Y、Z)のメッシュデータが第3の座標データ収納部6に出力される。
元モデルに対するそり変形(ΔX、ΔY、ΔZ)は、逆ぞり変形モードのメッシュデータで計算されたそり変形形状(XW、YW、ZW)と元モデルの形状(X0、Y0、Z0)を用い次式で計算する。
ΔX=XW −X0
ΔY=YW −Y0
ΔZ=ZW−Z0
計算された(ΔX、ΔY、ΔZ)はそり変形解析プロセスの計算結果ファイルの書式に従い、そり変形量として元モデルに対する逆ぞり変形モードのそり変形量データ9に出力される。
先ず3Dモデルを解析可能なデータとするために点と点同士の関係を表現したメッシュモデルとして解析モデルである第1の座標データが得られる。
次にその解析モデル及び製品の成形仕様や製品仕様(製品図)などの射出成形における製作開始情報を用いた成形シュミレーションを行う。成形シュミレーションは流動解析プロセスとそり変形解析プロセスによって行われ、そり変形解析結果が得られる。そり変形解析結果は第1の座標データにおける各点の座標データに移動量が加えられた第2の座標データとなる。
次にそり変形解析プロセスによるそり変形解析結果と、解析モデルとを検証すると、収縮によってそり変形解析結果は元の解析モデルより小さくなり、変形もする。
その逆算する比率は、例えば(x、y、z)=(1、1、1)の移動量が(0.1、0.15、0.09)の場合、100%なら(x、y、z)=1−0.1、1−0.15、1−0.09)、80%なら(x、y、z)=1−0.08、1−0.12、1−0.072となる。
その結果第2の座標データより掴めたそり変形の移動量を盛り込んで逆ぞり変形が与えられた第3の座標データである解析モデルが得られる。
次にその第3の座標データである解析モデルを用いた成形シュミレーションを行う。この場合、第1の座標データの解析モデルを用いた成形シュミレーションで既に流動解析プロセスは行っているので、その流動解析結果を用いることによって、流動解析プロセスを省略し、時間短縮を図ることができる。この第3の座標データである解析モデルを用いた成形シュミレーションでそり変形解析プロセスによってそり変形解析結果が得られる。そり変形解析結果は第3の座標データにおける各点の座標データに移動量が加えられた第4の座標データとなる。
先ず成形品形状、樹脂物性データ、成形条件(樹脂温度、金型温度、射出時間、保圧、保圧時間、冷却時間等)を入力することによって、流動解析を行う。この流動解析は射出成形過程における樹脂充填段階と保圧冷却段階における樹脂の流動解析である。その出力は樹脂流動パターン、型締力、製品重量、温度分布、圧力分布、流速、残留応力等である。これらの流動解析プロセスにおける出力を入力してそり変形解析を行う。このそり変形解析は射出成形過程における自然放冷段階における変化の解析であり、その出力はそり変形量、熱応力である。これによって製品のそり変形解析結果が得られる。
図示するように、逆そり変形解析プロセスにおける逆そり変形解析<計算モード1>において、第2の座標データより掴めたそり変形の移動量を逆算するにあたって、そり変形の移動量にそれぞれ0.2、0.4、0.6、0.8倍して逆算することによって、各第3の座標データである逆ぞり変形モードの解析モデルが得られる。
それによって、逆そり変形解析プロセスにおける逆そり変形解析<計算モード1>において、第2の座標データより掴めたそり変形の移動量を0.2倍して逆算するのが適正であると評価することができる。
なおこの評価結果は成形対象となる3Dモデルの形状その他によって異なり、異なる成形条件毎にそり変形の移動量を見込む逆そりの係数を設定することができる。
先ずファイルデータや逆ぞり変形比率などのコントロールデータを読込み、そのコントロールデータに基づいて計算モードの選択が行われる。計算モード1ではRDMESHステップにおいて元モデルのメッシュデータである第1の座標データの読込が行われる。次にRDDISPステップにおいて、元モデルのそり変形を示す第2の座標データの読込みを行う。次にCLREVMステップにおいて逆ぞり変形比率に基づく逆ぞり変形モードのメッシュデータである第3の座標データである解析モデルの計算を行う。それによって得られた計算結果をFOMESHステップにおいて逆ぞり変形モードのメッシュデータである第3の座標データの書出しを行う。
3・・・第2の座標データ収納部
4・・・変形メッシュデータ生成部
5・・・コントロールデータ部
6・・・第3の座標データ収納部
7・・・第4の座標データ収納部
8・・・逆ぞり変形モードでのそり変形の元モデルに対する変形計算部
9・・・元モデルに対する逆ぞり変形モードのそり変形量データ
Claims (9)
- そり変形解析で得られたそり変形量を元モデルのメッシュデータから比率を乗じて減じることにより逆ぞり変形モードのメッシュデータを生成する手段と、逆ぞり変形モードのメッシュデータを用いて計算されたそり変形形状と元モデルの形状との差異を計算して出力する手段とを有することを特徴とする成形品そり変形予測装置。
- 成形品の解析モデルである形状データが入力される第1の座標データ入力部と、第1の座標データにそり変形移動量が加えられた第2の座標データが収納される第2の座標データ収納部と、第2の座標データの各点の移動量の逆算が行われる変形メッシュデータ生成部と、変形メッシュデータ生成部で得られる逆ぞり変形モードの解析モデルである第3の座標データ収納部と、逆ぞり変形モードの解析モデルである第3の座標データにそり変形の移動量が加えられた第4の座標データ収納部と、この第4の座標データと前記第1の座標データとを比較して差異量を算出する変形計算部と、この第4の座標データと前記第1の座標データとの差異量データ収納部とを有してなることを特徴とする成形品そり変形予測装置。
- 前記第2の座標データ収納部には、前記第1の座標データを対象とした流動解析とそり変形解析とよりなる成形シュミレーションによって得られたそり変形解析結果が入力される請求項2記載の成形品そり変形予測装置。
- 前記変形メッシュデータ生成部で行われる逆算は第2の座標データのxyz軸方向のそれぞれについて2種類以上の比率を用いて行われる請求項2又は請求項3記載の成形品そり変形予測装置。
- 変形メッシュデータ生成部では下式によって逆ぞり変形モードのメッシュデータの節点座標(X、Y、Z)を計算する請求項2〜請求項4のいずれか一に記載の成形品そり変形予測装置。
X=X0 −δx*Rx
Y=Y0 −δy*Ry
Z=Z0 −δz*Rz
X0、Y0、Z0:第1の座標データ
δx、δy、δz:第2の座標データ
Rx、Ry、Rz:x、y、z方向の比率 - 前記第4の座標データは、第1の座標データを対象とした流動解析結果を用い、第3の座標データを用いてそり変形解析を行うことによって得られる請求項3〜請求項5のいずれか一に記載の成形品そり変形予測装置。
- 製品の3Dモデルをメッシュモデルとして第1の座標データである解析モデルとし、その解析モデルを用いた成形シュミレーションを行って得られるそり変形解析結果を第1の座標データにおける各点の座標データに移動量が加えられた第2の座標データとして表現し、その第2の座標データにおける各点の移動量を所定の比率を用いて逆算して第3の座標データである解析モデルとし、次にその第3の座標データである解析モデルを用いたそり変形解析によって第3の座標データにおける各点の座標データに移動量が加えられた第4の座標データとし、その第4の座標データと、第1の座標データとを比較することを特徴とする成形品そり変形予測方法。
- 元モデルのメッシュデータのそり変形を示すメッシュデータに基づき、所定の逆ぞり変形比率に基づく逆ぞり変形モードのメッシュデータを取得し、逆ぞり変形モードのメッシュデータの各点の座標データにそり変形による移動量が加えられたメッシュデータと元モデルのメッシュデータとを比較する処理をコンピュータに行わせることを特徴とする成形品そり変形予測プログラム。
- 元モデルのメッシュデータである第1の座標データの読込が行われるステップと、元モデルのそり変形を示す第2の座標データのそり変形データに基づき、逆ぞり変形比率に基づく逆ぞり変形モードのメッシュデータである第3の座標データである解析モデルの計算を行うステップと、第3の座標データにおける各点の座標データに移動量が加えられた逆ぞり変形モードでのそり変形である第4の座標データと前記第1の座標データとを比較して差異を算出するステップをコンピュータに行わせることを特徴とする成形品そり変形予測プログラム。
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