JP2007070598A - 多官能フェニレンエーテルオリゴマー体、エポキシ樹脂、及び樹脂組成物 - Google Patents
多官能フェニレンエーテルオリゴマー体、エポキシ樹脂、及び樹脂組成物 Download PDFInfo
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Abstract
低誘電特性と耐熱性に優れ、さらに反応性の向上した多官能エポキシ樹脂の提供を主目的に、その原料となる多官能フェニレンエーテルオリゴマー体や、該エポキシ樹脂を含有する樹脂組成物およびその硬化物を提供する。
【解決手段】
分子内に3個以上9個未満のフェノール性水酸基を有し、その内の少なくとも1個のフェノール性水酸基の2,6位にアルキル基を有する多価フェノール化合物と一価のフェノール化合物を反応させて得られる、分子内に3個以上9個未満のフェノール性水酸基を有する多官能フェニレンエーテルオリゴマー体のフェノール性水酸基をグリシジル化した多官能エポキシ樹脂。
【選択図】
なし
Description
(1)分子量
数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により求めた。試料のGPC曲線と分子量校正曲線よりデータ処理を行った。分子量校正曲線は、標準ポリスチレンの分子量と溶出時間の関係を次の式に近似して分子量校正曲線を得た。
LogM = A0X3+ A1X2 + A2X + A3 + A4/X2
(ここで、M:分子量、X:溶出時間−19(分)、A:係数。)
(2)水酸基当量
固体サンプル(Sg)に無水酢酸:ピリジンの体積比が1:9の溶液を加え、95℃で1時間加熱して水酸基をアセチル化する。冷却後にトルエン:純水:メチルエチルケトンの体積比が1:2:2の溶液で希釈する。指示薬としてフェノールフタレインを加え、過剰の酢酸を0.25N水酸化ナトリウム水溶液で適定を行う(AmL)。固体サンプルなしの空試験を行う(BmL)。次式から固体の水酸基当量を算出する。
水酸基当量 = S × 1000 / (B - A) / 0.25 / f
(ここで、f:0.25N水酸化ナトリウム水溶液の力価)
(3)エポキシ当量
1mLのクレゾールレッド指示薬を100mL無水エタノールに溶解させ、0.1N 水酸化ナトリウム水溶液で中性にした溶液を調整する(調製液)。固体サンプル(Sg)に0.2N塩酸ジオキサン溶液を加え、室温で15分間放置する。これに調製液を加えて、過剰の塩酸を0.1N水酸化ナトリウム水溶液で適定を行う(AmL)。固体サンプルなしの空試験を行う(BmL)。次式から固体のエポキシ当量を算出する。
エポキシ当量 = S × 1000 / (B - A) / 0.1 / f
(ここで、f:0.1N水酸化ナトリウム水溶液の力価)
(4)破断強度
オートグラフを用いてかご型曲げ試験冶具を使用して測定を行った。サンプルサイズは10mm×40mm×約1mmで、測定条件は三点曲げ試験、スパン20mm、ストローク1mm/minで測定した。
(5)ゲルタイム
ゲル化試験機を用いて160℃の条件でゲル化するまでの時間を測定した。測定サンプルはエポキシ樹脂と硬化剤をメチルエチルケトンに溶解し、樹脂含有量50wt%のワニスで行った。
(6)ガラス転移温度
動的粘弾性測定を行い、損失弾性率(E”)のピークトップより求めた。サンプルサイズは10mm×55mm×約1mmで測定条件は両もちばり曲げ、チャック間20mm、周波数10Hz、振幅10μm、5℃/min昇温で測定した。
(7)比誘電率、誘電正接
空洞共振器摂動法により求めた。
撹拌装置、温度計、空気導入管、じゃま板のついた12Lの縦長反応器にCuBr2 1.54g(6.88mmol)、ジ-tert-ブチルエチレンジアミン0.506g(2.94mmol)、ブチルジメチルアミン 15.4g(152mmol)、トリオクチルメチルアンモニウムクロリド 0.7g(1.73mmol)とトルエン2600gを仕込み、反応温度41℃にて撹拌を行い、あらかじめ1730gのメタノールに溶解させた4,4’-[(4-ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス(2,6-ジメチルフェノール)120g(0.344mol)、2,6-ジメチルフェノール210g(1.72 mol)、CuBr2 1.26g(5.65mmol)、ジ-tert-ブチルエチレンジアミン0.414g(2.40mmol)、ブチルジメチルアミン 12.6g(125mmol)の混合溶液(3価のフェノールと1価のフェノールのモル比率1:5)を50℃に加熱して、2.1 L/minの空気と3.2 L/minの窒素の混合気体(酸素濃度8.0%)のバブリングを行いながら230分かけて1020rpmで攪拌しながら滴下した。滴下終了後、気体のバブリングを停止して、これに1350gの純水にエチレンジアミン四酢酸四ナトリウム17.0g(37.5mmol)を溶かした水溶液を加え、600rpmで30分間攪拌して反応を停止した。その後、純水で1回洗浄を行った。得られた溶液をエバポレーターで濃縮して、固形分52wt%のトルエン溶液 650gを得た。得られた溶液をゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法で測定した結果、数平均分子量(Mn)は1098、重量平均分子量(Mw)は1751であった。NMRおよびFDMSの分析によって多官能フェニレンエーテルオリゴマー体(イ)の生成を確認した。また、固体の水酸基当量は308g/eqであった。
撹拌装置、温度計、空気導入管、じゃま板のついた12Lの縦長反応器にCuBr2 1.54g(6.88mmol)、ジ-tert-ブチルエチレンジアミン0.506g(2.94mmol)、ブチルジメチルアミン 15.4g(152mmol)、トリオクチルメチルアンモニウムクロリド 0.7g(1.73mmol)とトルエン2600gを仕込み、反応温度41℃にて撹拌を行い、あらかじめ1730gのメタノールに溶解させた4,4’-[(3-ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス(2,6-ジメチルフェノール)120g(0.344mol)、2,6-ジメチルフェノール210g(1.72 mol)、CuBr2 1.26g(5.65mmol)、ジ-tert-ブチルエチレンジアミン0.414g(2.40mmol)、ブチルジメチルアミン 12.6g(125mmol)の混合溶液(3価のフェノールと1価のフェノールのモル比率1:5)を50℃に加熱して、2.1 L/minの空気と3.2 L/minの窒素の混合気体(酸素濃度8.0%)のバブリングを行いながら220分かけて1020rpmで攪拌しながら滴下した。滴下終了後、気体のバブリングを停止して、これに1350gの純水にエチレンジアミン四酢酸四ナトリウム17.0g(37.5mmol)を溶かした水溶液を加え、600rpmで30分間攪拌して反応を停止した。その後、純水で1回洗浄を行った。得られた溶液をエバポレーターで濃縮して、固形分60wt%のトルエン溶液 520gを得た。得られた溶液をゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法で測定した結果、数平均分子量(Mn)は1054、重量平均分子量(Mw)は1649であった。NMRおよびFDMSの分析によって多官能フェニレンエーテルオリゴマー体(ロ)の生成を確認した。また、固体の水酸基当量は323g/eqであった。
撹拌装置、温度計、空気導入管、じゃま板のついた12Lの縦長反応器にCuBr2 1.42g(6.37mmol)、ジ-tert-ブチルエチレンジアミン0.462g(2.68mmol)、ブチルジメチルアミン 14.2g(141mmol)、トリオクチルメチルアンモニウムクロリド 0.7g(1.73mmol)とトルエン2600gを仕込み、反応温度41℃にて撹拌を行い、あらかじめ1650gのメタノールに溶解させた4,4’-[(4-ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス(2,3,6-トリメチルフェノール)120g(0.319mol)、2,6-ジメチルフェノール194g(1.59 mol)、CuBr2 1.16g(5.23mmol)、ジ-tert-ブチルエチレンジアミン0.378g(2.19mmol)、ブチルジメチルアミン 11.6g(115mmol)の混合溶液(3価のフェノールと1価のフェノールのモル比率1:5)を50℃に加熱して、2.1 L/minの空気と3.2 L/minの窒素の混合気体(酸素濃度8.0%)のバブリングを行いながら230分かけて1020rpmで攪拌しながら滴下した。滴下終了後、気体のバブリングを停止して、これに1330gの純水にエチレンジアミン四酢酸四ナトリウム15.7g(34.7mmol)を溶かした水溶液を加え、600rpmで30分間攪拌して反応を停止した。その後、純水で1回洗浄を行った。得られた溶液をエバポレーターで濃縮して、固形分62wt%のトルエン溶液 500gを得た。得られた溶液をゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法で測定した結果、数平均分子量(Mn)は1143、重量平均分子量(Mw)は1621であった。NMRおよびFDMSの分析によって多官能フェニレンエーテルオリゴマー体(ハ)の生成を確認した。また、固体の水酸基当量は336g/eqであった。
撹拌装置、温度計、空気導入管、じゃま板のついた12Lの縦長反応器にCuBr2 1.42g(6.37mmol)、ジ-tert-ブチルエチレンジアミン0.462g(2.68mmol)、ブチルジメチルアミン 14.2g(141mmol)、トリオクチルメチルアンモニウムクロリド 0.7g(1.73mmol)とトルエン2600gを仕込み、反応温度41℃にて撹拌を行い、あらかじめ1650gのメタノールに溶解させた4,4’-[(3-ヒドロキシフェニル)メチレン]ビス(2,3,6-トリメチルフェノール)120g(0.319mol)、2,6-ジメチルフェノール194g(1.59 mol)、CuBr2 1.16g(5.23mmol)、ジ-tert-ブチルエチレンジアミン0.378g(2.19mmol)、ブチルジメチルアミン 11.6g(115mmol)の混合溶液(3価のフェノールと1価のフェノールのモル比率1:5)を50℃に加熱して、2.1 L/minの空気と3.2 L/minの窒素の混合気体(酸素濃度8.0%)のバブリングを行いながら240分かけて1020rpmで攪拌しながら滴下した。滴下終了後、気体のバブリングを停止して、これに1330gの純水にエチレンジアミン四酢酸四ナトリウム15.7g(34.7mmol)を溶かした水溶液を加え、600rpmで30分間攪拌して反応を停止した。その後、純水で1回洗浄を行った。得られた溶液をエバポレーターで濃縮して、固形分62wt%のトルエン溶液 500gを得た。得られた溶液をゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法で測定した結果、数平均分子量(Mn)は1065、重量平均分子量(Mw)は1517であった。NMRおよびFDMSの分析によって多官能フェニレンエーテルオリゴマー体(ニ)の生成を確認した。また、固体の水酸基当量は325g/eqであった。
撹拌装置、温度計、空気導入管、じゃま板のついた12Lの縦長反応器にCuBr2 2.26g(10.1mmol)、ジ-tert-ブチルエチレンジアミン0.737g(4.28mmol)、ブチルジメチルアミン 22.7g(224mmol)、トリオクチルメチルアンモニウムクロリド 0.7g(1.73mmol)、トルエン1441gとメタノール1241gを仕込み、反応温度41℃にて撹拌を行い、あらかじめ1244gのトルエンと1071gのメタノールに溶解させた4,4’,4”,4”’-(1,4-フェニレンジメチリデン)テトラキス(2,6-ジメチルフェノール)149g(0.253mol)、2,6-ジメチルフェノール309g(2.53 mol)、CuBr2 1.85g(8.28mmol)、ジ-tert-ブチルエチレンジアミン0.603g(3.50mmol)、ブチルジメチルアミン 18.5g(183mmol)の混合溶液(4価のフェノールと1価のフェノールのモル比率1:10)を50℃に加熱して、2.1 L/minの空気と3.2 L/minの窒素の混合気体(酸素濃度8.0%)のバブリングを行いながら220分かけて1020rpmで攪拌しながら滴下した。滴下終了後、気体のバブリングを停止して、これに1561gの純水にエチレンジアミン四酢酸四ナトリウム25.0g(55.2mmol)を溶かした水溶液を加え、600rpmで30分間攪拌して反応を停止した。その後、純水で1回洗浄を行った。得られた溶液をエバポレイタ−で濃縮して、固形分60wt%のトルエン溶液 767gを得た。得られた溶液をゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法で測定した結果、数平均分子量(Mn)は2127、重量平均分子量(Mw)は3092であった。NMRおよびFDMSの分析によって多官能フェニレンエーテルオリゴマー体(ホ)の生成を確認した。また、固体の水酸基当量は561g/eqであった。
撹拌装置、温度計、空気導入管、じゃま板のついた12Lの縦長反応器にCuBr2 2.14g(9.58mmol)、ジ-tert-ブチルエチレンジアミン0.699g(4.05mmol)、ブチルジメチルアミン 21.4g(211mmol)、トリオクチルメチルアンモニウムクロリド 0.7g(1.73mmol)とトルエン2600gを仕込み、反応温度41℃にて撹拌を行い、あらかじめ2250gのメタノールに溶解させた2,2’, 3,3’, 5,5’ヘキサメチル-4,4‘-ビフェノール130g(0.480mol)、2,6-ジメチルフェノール291g(2.39 mol)、CuBr2 1.75g(7.85mmol)、ジ-tert-ブチルエチレンジアミン0.572g(3.32mmol)、ブチルジメチルアミン 17.5g(173mmol)の混合溶液(2価のフェノールと1価のフェノールのモル比率1:5)を50℃に加熱して、2.1 L/minの空気と3.2 L/minの窒素の混合気体(酸素濃度8.0%)のバブリングを行いながら230分かけて1020rpmで攪拌しながら滴下した。滴下終了後、気体のバブリングを停止して、これに1500gの純水にエチレンジアミン四酢酸四ナトリウム23.7g(52.3mmol)を溶かした水溶液を加え、600rpmで30分間攪拌して反応を停止した。その後、純水で1回洗浄を行った。得られた溶液をエバポレイタ−で濃縮して、固形分65wt%のトルエン溶液 630gを得た。得られた溶液をゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法で測定した結果、数平均分子量(Mn)は1115、重量平均分子量(Mw)は1717であった。NMRおよびFDMSの分析によって2官能フェニレンエーテルオリゴマー体(ヘ)の生成を確認した。また、固体の水酸基当量は491g/eqであった。
磁気攪拌子、ジムロート冷却管、温度計をセットした2Lの丸型反応器に実施例1で得た多官能フェニレンエーテルオリゴマー体(イ)のトルエン溶液160g(水酸基0.258mol)とエピクロルヒドリン639g(6.91mol)を加え、系内を窒素置換後、反応温度85℃にて攪拌を行った。滴下ロートに20wt%のナトリウムエトキシドのエタノール溶液 105g(0.310mol)を量り取り、反応器に60分かけて攪拌しながら滴下した。滴下終了後、85℃で240分攪拌して反応させ、反応終了後60℃に下がるまで放置し、反応溶液に50℃の純水250gを加えて分液操作を水相のpHが7になるまで繰り返し(4回)、有機相をエバポレーターで、195gになるまで濃縮した。得られた濃縮溶液に対して40gのメタノールを加えて希釈し、1000gのメタノールと1000gの純水の混合溶媒に対して攪拌しながら滴下して再沈固形化を行い、得られた固体をヌッチェを用いてろ過をした。固体を100gのメタノールと100gの純水の混合溶媒で5分間攪拌して洗浄し、同様の条件でろ過した。二回洗浄後、固体を真空乾燥機を用いて乾燥して多官能エポキシ樹脂(ト)65gを得た。得られた多官能エポキシ樹脂(ト)をゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法で測定した結果、数平均分子量(Mn)は1061、重量平均分子量(Mw)は1617であった。IRの分析によりフェノール性水酸基の吸収ピーク(3600cm-1)の消滅と、さらにNMRの分析によりグリシジルエーテル由来のピークの発現から官能基変換を確認した。また、エポキシ当量は425g/eqであった。
磁気攪拌子、ジムロート冷却管、温度計をセットした2Lの丸型反応器に実施例2で得た多官能フェニレンエーテルオリゴマー体(ロ)のトルエン溶液133.3g(水酸基0.248mol)、トルエン26.7gとエピクロルヒドリン615g(6.65mol)を加え、系内を窒素置換後、反応温度85℃にて攪拌を行った。滴下ロートに20wt%のナトリウムエトキシドのエタノール溶液101g(0.298mol)を量り取り、反応器に60分かけて攪拌しながら滴下した。滴下終了後、85℃で240分攪拌して反応させ、反応終了後60℃に下がるまで放置し、反応溶液に50℃の純水250gを加えて分液操作を水相のpHが7になるまで繰り返し(4回)、有機相をエバポレーターで、190gになるまで濃縮した。得られた濃縮溶液に対して40gのメタノールを加えて希釈し、1000gのメタノールと1000gの純水の混合溶媒に対して攪拌しながら滴下して再沈固形化を行い、得られた固体をヌッチェを用いてろ過をした。固体を100gのメタノールと100gの純水の混合溶媒で5分間攪拌して洗浄し、同様の条件でろ過した。二回洗浄後、固体を真空乾燥機を用いて乾燥して多官能エポキシ樹脂(チ)57gを得た。得られた多官能エポキシ樹脂(チ)をゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法で測定した結果、数平均分子量(Mn)は1003、重量平均分子量(Mw)は1598であった。IRの分析によりフェノール性水酸基の吸収ピーク(3600cm-1)の消滅と、さらにNMRの分析によりグリシジルエーテル由来のピークの発現から官能基変換を確認した。また、エポキシ当量は418g/eqであった。
磁気攪拌子、ジムロート冷却管、温度計をセットした2Lの丸型反応器に実施例3で得た多官能フェニレンエーテルオリゴマー体(ハ)のトルエン溶液129.0g(水酸基0.239mol)、トルエン31.0gとエピクロルヒドリン592g(6.40mol)を加え、系内を窒素置換後、反応温度85℃にて攪拌を行った。滴下ロートに20wt%のナトリウムエトキシドのエタノール溶液97.6g(0.287mol)を量り取り、反応器に60分かけて攪拌しながら滴下した。滴下終了後、85℃で240分攪拌して反応させ、反応終了後60℃に下がるまで放置し、反応溶液に50℃の純水250gを加えて分液操作を水相のpHが7になるまで繰り返し(4回)、有機相をエバポレーターで、190gになるまで濃縮した。得られた濃縮溶液に対して40gのメタノールを加えて希釈し、1000gのメタノールと1000gの純水の混合溶媒に対して攪拌しながら滴下して再沈固形化を行い、得られた固体をヌッチェを用いてろ過をした。固体を100gのメタノールと100gの純水の混合溶媒で5分間攪拌して洗浄し、同様の条件でろ過した。二回洗浄後、固体を真空乾燥機を用いて乾燥して多官能エポキシ樹脂(リ)66gを得た。得られた多官能エポキシ樹脂(リ)をゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法で測定した結果、数平均分子量(Mn)は1096、重量平均分子量(Mw)は1573であった。IRの分析によりフェノール性水酸基の吸収ピーク(3600cm-1)の消滅と、さらにNMRの分析によりグリシジルエーテル由来のピークの発現から官能基変換を確認した。また、エポキシ当量は430g/eqであった。
磁気攪拌子、ジムロート冷却管、温度計をセットした2Lの丸型反応器に実施例4で得た多官能フェニレンエーテルオリゴマー体(ニ)トルエン溶液129.0g(水酸基0.239mol)、トルエン31.0gとエピクロルヒドリン608g(6.57mol)を加え、系内を窒素置換後、反応温度85℃にて攪拌を行った。滴下ロートに20wt%のナトリウムエトキシドのエタノール溶液100g(0.294mol)を量り取り、反応器に60分かけて攪拌しながら滴下した。滴下終了後、85℃で240分攪拌して反応させ、反応終了後60℃に下がるまで放置し、反応溶液に50℃の純水250gを加えて分液操作を水相のpHが7になるまで繰り返し(4回)、有機相をエバポレーターで、190gになるまで濃縮した。得られた濃縮溶液に対して40gのメタノールを加えて希釈し、1000gのメタノールと1000gの純水の混合溶媒に対して攪拌しながら滴下して再沈固形化を行い、得られた固体をヌッチェを用いてろ過をした。固体を100gのメタノールと100gの純水の混合溶媒で5分間攪拌して洗浄し、同様の条件でろ過した。二回洗浄後、固体を真空乾燥機を用いて乾燥して多官能エポキシ樹脂(ヌ)53gを得た。得られた多官能エポキシ樹脂(ヌ)をゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法で測定した結果、数平均分子量(Mn)は1068、重量平均分子量(Mw)は1540であった。IRの分析によりフェノール性水酸基の吸収ピーク(3600cm-1)の消滅と、さらにNMRの分析によりグリシジルエーテル由来のピークの発現から官能基変換を確認した。また、エポキシ当量は435g/eqであった。
磁気攪拌子、ジムロート冷却管、温度計をセットした2Lの丸型反応器に実施例5で得た多官能フェニレンエーテルオリゴマー体(ホ)トルエン溶液200.0g(水酸基0.242mol)とエピクロルヒドリン600g(6.48mol)を加え、系内を窒素置換後、反応温度85℃にて攪拌を行った。滴下ロートに20wt%のナトリウムエトキシドのエタノール溶液99g(0.290mol)を量り取り、反応器に60分かけて攪拌しながら滴下した。滴下終了後、85℃で240分攪拌して反応させ、反応終了後60℃に下がるまで放置し、反応溶液に50℃の純水250gを加えて分液操作を水相のpHが7になるまで繰り返し(4回)、有機相をエバポレーターで、220gになるまで濃縮した。得られた濃縮溶液に対して40gのメタノールを加えて希釈し、1000gのメタノールと1000gの純水の混合溶媒に対して攪拌しながら滴下して再沈固形化を行い、得られた固体をヌッチェを用いてろ過をした。固体を100gのメタノールと100gの純水の混合溶媒で5分間攪拌して洗浄し、同様の条件でろ過した。二回洗浄後、固体を真空乾燥機を用いて乾燥して多官能エポキシ樹脂(ル)103gを得た。得られた多官能エポキシ樹脂(ル)をゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法で測定した結果、数平均分子量(Mn)は2097、重量平均分子量(Mw)は2969であった。IRの分析によりフェノール性水酸基の吸収ピーク(3600cm-1)の消滅と、さらにNMRの分析によりグリシジルエーテル由来のピークの発現から官能基変換を確認した。また、エポキシ当量は505g/eqであった。
磁気攪拌子、ジムロート冷却管、温度計をセットした2Lの丸型反応器に合成例6で得た2官能フェニレンエーテルオリゴマー体(ヘ)トルエン溶液(65%)123.1g(水酸基0.163mol)、トルエン26.9gとエピクロルヒドリン404g(4.37mol)を加え、系内を窒素置換後、反応温度85℃攪拌を行った。滴下ロートに20wt%のナトリウムエトキシドのエタノール溶液66.6g(0.196mol)を量り取り、反応器に60分かけて攪拌しながら滴下した。滴下終了後、85℃で240分攪拌して反応させ、反応終了後60℃に下がるまで放置し、反応溶液に50℃の純水250gを加えて分液操作を水相のpHが7になるまで繰り返し(5回)、有機相をエバポレーターで、180gになるまで濃縮した。得られた濃縮溶液に対して40gのメタノールを加えて希釈し、1000gのメタノールと1000gの純水の混合溶媒に対して攪拌しながら滴下して再沈固形化を行い、得られた固体をヌッチェを用いてろ過をした。固体を100gのメタノールと100gの純水の混合溶媒で5分間攪拌して洗浄し、同様の条件でろ過した。二回洗浄後、固体を真空乾燥機を用いて乾燥して2官能エポキシ樹脂(ヲ)85gを得た。得られた2官能エポキシ樹脂(ヲ)をゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法で測定した結果、数平均分子量(Mn)は1122、重量平均分子量(Mw)は2020であった。IRの分析によりフェノール性水酸基の吸収ピーク(3600cm-1)の消滅と、さらにNMRの分析によりグリシジルエーテル由来のピークの発現から官能基変換を確認した。また、エポキシ当量は575g/eqであった。
実施例6〜10、比較合成例2で得られた多官能エポキシ樹脂(ト)、(チ)、(リ)、(ヌ)、(ル)と、2官能エポキシ樹脂(ヲ)と硬化剤としてフェノールノボラック樹脂(TD2131 大日本インキ化学工業(株))、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン(試薬 東京化成工業(株))を表1の重量割合で配合して、メチルエチルケトンに溶解し、樹脂含有量50wt%のワニスを調製した。このワニスをカプトンフィルム(カプトン200H 東レ・デュポン(株)製)上にバーコーターを用いて塗布して、120℃の送風乾燥機にて3分間処理した後に掻き出して粉状にしたものを、30℃の真空乾燥機で20時間乾燥後、SUS製金型を用いて、真空プレス機で3℃/min昇温、2MPaの条件で180℃まで昇温後180℃で1時間のプレスを行い樹脂硬化物を作成した。また、同時に180℃で1時間のプレス後、さらに180℃で9時間アフターキュアした樹脂硬化物も作成した。
実施例6〜10、比較合成例2で得られた多官能エポキシ樹脂(ト)、(チ)、(リ)、(ヌ)、(ル)と、2官能エポキシ樹脂(ヲ)と硬化剤として2-エチル-4-メチルイミダゾール(2E4MZ 四国化成工業(株))を用いて、表2の重量割合で配合し、ゲルタイムを測定して反応性の違いを確認した。
実施例6〜10、比較合成例2で得られた多官能エポキシ樹脂(ト)、(チ)、(リ)、(ヌ)、(ル)と、2官能エポキシ樹脂(ヲ)ならびにフェノールノボラック型エポキシ樹脂(N770 大日本インキ化学工業(株))、ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂(HP7200H 大日本インキ化学工業(株))と硬化剤としてフェノールノボラック樹脂(TD2131)、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン(試薬)を表3の重量割合で配合して、メチルエチルケトンに溶解し、樹脂含有量50wt%のワニスを調製した。このワニスをカプトンフィルム(カプトン200H)上にバーコーターを用いて塗布して、120℃の送風乾燥機にて3分間処理した後に掻き出して粉状にしたものを、30℃の真空乾燥機で20時間乾燥後、SUS製金型を用いて、真空プレス機で3℃/min昇温、2MPaの条件で180℃まで昇温後180℃で1時間のプレスを行い、さらに180℃で9時間アフターキュアした後にガラス転移温度と誘電特性を測定して比誘電率、誘電正接、耐熱性の違いを確認した。
実施例6〜9で得られた多官能エポキシ樹脂(ト)、(チ)、(リ)、(ヌ)ならびにフェノールノボラック型エポキシ樹脂(N770)、ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂(HP7200H)と硬化剤としてフェニルフェノールアラルキル樹脂(XLC-LL 三井化学(株))、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン(試薬)を表4の重量割合で配合して、メチルエチルケトンに溶解し、樹脂含有量50wt%のワニスを調製した。このワニスをカプトンフィルム(カプトン200H)上にバーコーターを用いて塗布して、120℃の送風乾燥機にて3分間処理した後に掻き出して粉状にしたものを、30℃の真空乾燥機で20時間乾燥後、SUS製金型を用いて、真空プレス機で3℃/min昇温、2MPaの条件で180℃まで昇温後180℃で1時間のプレスを行い、さらに180℃で9時間アフターキュアした後にガラス転移温度と誘電特性を測定して比誘電率、誘電正接、耐熱性の違いを確認した。
Claims (6)
- 数平均分子量が700〜3,000である請求項1記載の多官能フェニレンエーテルオリゴマー体。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の多官能フェニレンエーテルオリゴマー体のフェノール性水酸基をグリシジル化した多官能エポキシ樹脂。
- 請求項4記載の多官能エポキシ樹脂を含有する樹脂組成物。
- 請求項5記載の樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
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