JPH10265554A - 新規多価ヒドロキシ化合物、新規エポキシ樹脂、それらの製造方法、それらを用いたエポキシ樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents
新規多価ヒドロキシ化合物、新規エポキシ樹脂、それらの製造方法、それらを用いたエポキシ樹脂組成物及びその硬化物Info
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- JPH10265554A JPH10265554A JP7015597A JP7015597A JPH10265554A JP H10265554 A JPH10265554 A JP H10265554A JP 7015597 A JP7015597 A JP 7015597A JP 7015597 A JP7015597 A JP 7015597A JP H10265554 A JPH10265554 A JP H10265554A
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Abstract
して有用な新規多価ヒドロキシ樹脂、それらの製造方法
並びにそれらを用いたエポキシ樹脂組成物及びその硬化
物を提供する。 【解決手段】 下記一般式(1)で表される新規多価ヒ
ドロキシ化合物。 下記一般式(a)又は(b)で表されるフェノール性化
合物と下記一般式(2)で表される縮合剤とを反応させ
る上記多価ヒドロキシ化合物の製造方法。 下記一般式(3)で表される新規エポキシ樹脂。 なお、上記一般式において、Aはベンゼン環又はナフタ
レン環を示し、R1 〜R3 は水素原子又は炭素数1〜6
のアルキル基を示し、R4 は炭素数1〜6の炭化水素基
を示し、Gはグリシジル基を示し、nは0〜15の数、
mは1又は2、pは0〜3の整数を示す。上記多価ヒド
ロキシ化合物とエピクロルヒドリンを反応させる上記エ
ポキシ樹脂の製造方法及びこれを硬化させてなる硬化
物。
Description
耐衝撃性等の機械的強度に優れた硬化物を与えるエポキ
シ樹脂及びエポキシ樹脂硬化剤として有用な多価ヒドロ
キシ化合物、それらの製造方法、さらにはそれらを用い
たエポキシ樹脂組成物並びにその硬化物に関し、これら
は半導体封止用などの電気・電子分野の成形材料等に好
適に使用されるものである。
より高性能なベースレジンの開発が求められている。例
えば、半導体封止の分野においては、近年の高密度実装
化に対応したパッケージの薄形化、大面積化、さらには
表面実装方式の普及により、パッケージクラックの問題
が深刻化しており、これらのベース樹脂としては、耐湿
性、耐熱性、耐衝撃性等の向上が強く求められている。
また、航空宇宙産業に利用される複合材マトリックス樹
脂としてのエポキシ樹脂については、よりいっそうの高
耐熱性、耐湿性が強く要請されている。
キシ樹脂には、これらの要求を満足するものは未だ知ら
れていない。例えば、周知のビスフェノール型エポキシ
樹脂は常温で液状であり、作業性に優れていることや、
硬化剤、添加剤等との混合が容易であることから広く使
用されているが、耐熱性、耐湿性の点で問題がある。ま
た、耐熱性を改良したものとして、フェノールノボラッ
ク型エポキシ樹脂が知られているが、耐湿性や耐衝撃性
に問題がある。
報には、耐湿性、耐衝撃性を向上させる目的でフェノー
ルアラルキル樹脂のエポキシ化合物が提案されている
が、耐熱性の点で十分でない。また、特開昭64−7
9,215号公報には、耐熱性を向上させる目的で2価
フェノールアラルキル樹脂のエポキシ化合物が提案され
ているが、耐湿性の点で十分ではない。
目的は、耐湿性、耐熱性に優れ、かつ耐衝撃性等の機械
的特性に優れた性能を有し、積層、成形、注型、接着等
の用途に有用な新規エポキシ樹脂及びエポキシ樹脂硬化
剤として有用な新規多価ヒドロキシ化合物、さらにはそ
れらの製造方法、並びにそれらを用いたエポキシ樹脂組
成物及びその硬化物を提供することにある。
記一般式(1)で表される新規多価ヒドロキシ化合物で
ある。
(b)で表されるフェノール性化合物と下記一般式
(2)で表される縮合剤とを反応させることを特徴とす
る新規多価ヒドロキシ化合物の製造方法である。
される新規エポキシ樹脂である。
(b)、(2)及び(3)において、Aは炭素数1〜6
の炭化水素基で置換されていてもよいベンゼン環又はナ
フタレン環を示し、R1 〜R3 は同一又は異なってもよ
い水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を示し、R4
は炭素数1〜6の炭化水素基を示し、Gはグリシジル基
を示し、nは0〜15の数、mは1又は2、pは0〜3
の整数を示す。
価ヒドロキシ化合物とエピクロルヒドリンとを反応させ
ることを特徴とする新規エポキシ樹脂の製造方法であ
る。
硬化剤よりなるエポキシ樹脂組成物において、上記エポ
キシ樹脂又は上記多価ヒドロキシ化合物の少なくともい
ずれか一方を必須成分として配合してなるエポキシ樹脂
組成物であり、またこのエポキシ樹脂組成物を硬化して
なる硬化物である。
発明の一般式(1)で表される新規多価ヒドロキシ化合
物は、特定のフェノール性化合物と特定の縮合剤を反応
させることにより得ることができる。一般式(1)にお
いて、Aはベンゼン環又はナフタレン環を示し、これら
の環は炭素数1〜6の炭化水素基で置換されていてもよ
い。好ましくは、Aは無置換若しくはメチル基で置換さ
れたベンゼン環又はナフタレン環である。R1 及びR2
は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を示すが、好
ましくは水素原子又はメチル基であり、これらは同一又
は異なってもよい。mは1又は2であるが、好ましくは
1である。nは平均の繰り返し数を示し、1〜15であ
るが、好ましくは1.5〜5である。このような新規多
価ヒドロキシ化合物は、一般式(a)又は(b)で表さ
れるフェノール性化合物と一般式(2)で表される縮合
剤とを反応させることにより得られる。一般式(a)又
は(b)において、Rは炭素数1〜6の炭化水素基であ
るが、好ましくはアルキル基であり、より好ましくはメ
チル基である。pは0〜3の整数であるが、好ましくは
1である。
一般式(b)で表されるナフトール類としては、例えば
フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−ク
レゾール、エチルフェノール類、イソプロピルフェノー
ル類、ターシャリーブチルフェノール類、アリルフェノ
ール類、フェニルフェノール類、2,6−キシレノー
ル、2,6−ジエチルフェノール、ハイドロキノン、レ
ゾルシン、カテコール、1−ナフトール、2−ナフトー
ル、1,5−ナフタレンジオール、1,6−ナフタレン
ジオール、1,7−ナフタレンジオール、2,6−ナフ
タレンジオール、2,7−ナフタレンジオールなどが挙
げられる。これらのフェノール類又はナフトール類は単
独でもよいし、2種以上を併用してもよい。
原子又は炭素数1〜6のアルキル基であり、好ましくは
水素原子又はメチル基である。一般式(2)で表される
縮合剤として、ジフェニルエーテルのジメチロール化合
物又はそのジアルキルエーテル類が使用できる。このよ
うな縮合剤としては、例えば4,4’−ジヒドロキシメ
チルジフェニルエーテル、2,4’−ジヒドロキシメチ
ルジフェニルエーテル、2,2’−ジヒドロキシメチル
ジフェニルエーテル、4,4’−ジメトキシメチルジフ
ェニルエーテル、2,4’−ジメトキシメチルジフェニ
ルエーテル、2,2’−ジメトキシメチルジフェニルエ
ーテル、4,4’−ジイソプロポキシメチルジフェニル
エーテル、2,4’−ジイソプロポキシメチルジフェニ
ルエーテル、2,2’−ジイソプロポキシメチルジフェ
ニルエーテル、4,4’−ジブトキシメチルジフェニル
エーテル、2,4’−ジブトキシメチルジフェニルエー
テル、2,2’−ジブトキシメチルジフェニルエーテル
などが挙げられる。
のジフェニルエーテルに対する置換位置は、4,4’−
位、2,4’−位、2,2’−位のいずれでもよいが、
縮合剤として望ましい化合物は4,4’−体であり、全
縮合剤中に4,4’−体が50重量%以上含まれるもの
が特に好ましい。これより少ないと合成された樹脂を硬
化させる際の硬化速度が低下したり、得られた硬化物が
もろくなるなどの欠点がある。
ては、縮合剤に対して過剰量のフェノール性化合物を使
用することが好ましい。縮合剤の使用量は、フェノール
性化合物1モルに対し0.1〜0.9モル、好ましくは
0.2〜0.7モルである。これより多いと樹脂の軟化
点が高くなり、成形作業性に支障をきたす。また、これ
より少ないと反応終了後、過剰のフェノール性化合物の
除く量が多くなり、工業的に好ましくない。
がよく、この酸触媒として、周知の無機酸又は有機酸か
ら適宜選択することができる。このような酸触媒として
は、例えば塩酸、硫酸、燐酸等の鉱酸や、ギ酸、シュウ
酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸等の有
機酸や、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、塩化鉄、三フッ
化ホウ素等のルイス酸や、活性白土、シリカ−アルミ
ナ、ゼオライト等の固体酸などが挙げられる。
〜20時間行う。さらに、反応溶媒として、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレン
グリコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等の
アルコール類や、ベンゼン、トルエン、クロロベンゼ
ン、ジクロロベンゼン等の芳香族化合物などを使用する
ことができる。
(1)で表される新規多価ヒドロキシ化合物とエピクロ
ルヒドリンとを反応させることにより得られる。この反
応は通常のエポキシ化反応と同様に行うことができる。
例えば、一般式(1)で表される多価ヒドロキシ化合物
を過剰のエピクロルヒドリンに溶解した後、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物の存
在下に、50〜150℃、好ましくは60〜120℃で
1〜10時間反応させる方法が挙げられる。このアルカ
リ金属水酸化物の使用量は、多価ヒドロキシ化合物中の
水酸基1モルに対し0.8〜1.2モル、好ましくは
0.9〜1.0モルである。また、エピクロルヒドリン
は多価ヒドロキシ化合物中の水酸基に対して過剰に用い
られるが、通常、多価ヒドロキシ化合物中の水酸基1モ
ルに対し1.5〜15モル、好ましくは2〜8モルであ
る。反応終了後、過剰のエピクロルヒドリンを留去し、
残留物をトルエン、メチルイソブチルケトン等の溶剤に
溶解し、濾過し、水洗して無機塩を除去し、次いで溶剤
を留去することにより目的のエポキシ樹脂を得ることが
できる。このエポキシ樹脂は一般式(3)で表されるも
のを主成分とするが、当然のことながらエポキシ基がエ
ーテル結合してオリゴマー化したものも含まれる。
樹脂及び硬化剤よりなり、エポキシ樹脂成分として一般
式(3)で表される新規エポキシ樹脂、又は硬化剤成分
として一般式(1)で表される新規多価ヒドロキシ化合
物の少なくともいずれか一方を必須成分として配合した
ものである。
を必須成分とする場合のエポキシ樹脂組成物において
は、一般式(3)で表される新規エポキシ樹脂以外のエ
ポキシ樹脂を配合することもできる。このようなエポキ
シ樹脂としては、分子中にエポキシ基を2個以上有する
通常のエポキシ樹脂であれば全て使用できるが、具体的
に例示すれば、ビスフェノールA、ビスフェノールS、
フルオレンビスフェノール、4,4’−ビフェノール、
2,2’−ビフェノール、ハイドロキノン、レゾルシン
等の2価のフェノール類や、トリス−(4−ヒドロキシ
フェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−
ヒドロキシフェニル)エタン、フェノールノボラック、
o−クレゾールノボラック等の3価以上のフェノール類
や、テトラブロモビスフェノールA等のハロゲン化ビス
フェノール類から誘導されるグリシジルエーテル化物な
どが挙げられる。これらのエポキシ樹脂は単独でもよい
し、2種以上を併用してもよい。そして、一般式(3)
で表される新規エポキシ樹脂の配合量は、エポキシ樹脂
全体に対し5〜100%、好ましくは50〜100%で
ある。
を必須成分とする場合の硬化剤としては、一般にエポキ
シ樹脂の硬化剤として知られているものは全て使用でき
る。例えば、ジシアンジアミド、多価フェノール類、酸
無水物類、芳香族又は脂肪族アミン類などがある。具体
的に例示すれば、多価フェノール類としては、例えばビ
スフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノール
S、フルオレンビスフェノール、4,4’−ビフェノー
ル、2,2’−ビフェノール、ハイドロキノン、レゾル
シン、ナフタレンジオール等の2価のフェノール類や、
トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,
2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタ
ン、フェノールノボラック、o−クレゾールノボラッ
ク、ナフトールノボラック、ポリビニルフェノール等に
代表される3価以上のフェノール類や、さらにフェノー
ル類、ナフトール類又はビスフェノールA、ビスフェノ
ールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノー
ル、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノー
ル、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール
等の2価のフェノール類のホルムアルデヒド、アセトア
ルデヒド、ベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズア
ルデヒド、p−キシリレングリコール等の縮合剤により
合成される多価フェノール性化合物などが挙げられる。
また、酸無水物としては、例えば無水フタル酸、テトラ
ヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル
酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無
水フタル酸、メチル無水ハイミック酸、無水ナジック
酸、無水トリメリット酸などが挙げられる。また、アミ
ン類としては、例えば4,4’−ジアミノジフェニルメ
タン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,
4’−ジアミノジフェニルスルホン、m−フェニレンジ
アミン、p−キシリレンジアミン等の芳香族アミン類
や、例えばエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミ
ン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等
の脂肪族アミン類、あるいは一般式(1)で表される新
規多価ヒドロキシ化合物などが挙げられる。本発明のエ
ポキシ樹脂組成物には、これらの硬化剤を単独で配合し
てもよいし、2種以上を併用してもよい。通常、これら
の硬化剤は、エポキシ樹脂中のエポキシ基1モルに対し
硬化剤中の官能基が0.5〜2.0モルとなるように配
合することがよい。
ドロキシ化合物を必須成分とする場合のエポキシ樹脂組
成物においては、一般式(1)で表される多価ヒドロキ
シ化合物以外の硬化剤を配合することもできる。このよ
うな硬化剤としては、エポキシ樹脂の硬化剤として知ら
れている上記例示の硬化剤が全て使用できる。これらの
硬化剤は単独でもよいし、2種以上を併用してもよい。
そして、一般式(1)で表される新規多価ヒドロキシ化
合物の配合量は、硬化剤全体に対し5〜100%、好ま
しくは50〜100%である。
シ化合物を必須成分とする場合のエポキシ樹脂として
は、分子中にエポキシ基を2個以上有する通常のエポキ
シ樹脂が全て使用できる。このようなエポキシ樹脂とし
ては、上記例示のエポキシ樹脂及び一般式(3)で表さ
れる新規エポキシ樹脂などが挙げられる。これらのエポ
キシ樹脂は単独でもよいし、2種以上を併用してもよ
い。通常、これらのエポキシ樹脂は、硬化剤中の官能基
1モルに対しエポキシ樹脂中のエポキシ基が0.5〜
2.0モルとなるように配合することがよい。
シ樹脂又は一般式(1)で表される新規多価ヒドロキシ
樹脂のいずれか一方を必須成分とする本発明のエポキシ
樹脂組成物には、必要に応じてポリエステル、ポリアミ
ド、ポリイミド、ポリエーテル、ポリウレタン、石油樹
脂、インデンクマロン樹脂、フェノキシ樹脂等のオリゴ
マー又は高分子化合物を適宜配合してもよいし、無機充
填剤、顔料、難然剤、揺変性付与剤、カップリング剤、
流動性向上剤等の添加剤を配合してもよい。無機充填剤
としては、例えば球状又は破砕状の溶融シリカ、結晶シ
リカ等のシリカ粉末、アルミナ粉末、ガラス粉末、又は
マイカ、タルク、炭酸カルシウム、アルミナ、水和アル
ミナなどが挙げられ、顔料としては、例えば有機系又は
無機系の体質顔料、鱗片状顔料などが挙げられる。揺変
性付与剤としては、例えばシリコン系、ヒマシ油系、脂
肪族アマイドワックス、酸化ポリエチレンワックス、有
機ベントナイト系などが挙げられる。さらに必要に応じ
て、従来より公知の硬化促進剤、例えばアミン類、イミ
ダゾール類、有機ホスフィン類、ルイス酸などを使用し
てもよい。その配合量としては、通常、エポキシ樹脂1
00重量部に対し0.2〜5重量部である。またさらに
必要に応じて、本発明の樹脂組成物には、例えばカルナ
バワックス、OPワックス等の離型剤、例えばγ−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン等のカップリング
剤、例えばカーボンブラック等の着色剤、例えば三酸化
アンチモン等の難燃剤、例えばシリコンオイル等の低応
力化剤、例えばステアリン酸カルシウム等の滑剤などを
配合してもよい。
成物を例えば注型、圧縮成形、トランスファー成形等の
成型方法により成形加工することで得ることができる。
その成型温度は120〜220℃程度である。
具体的に説明する。 実施例1 500mlの4口フラスコに、フェノール性化合物成分
としてフェノール131.6g(1.4モル)、縮合剤
として4,4’−ジメトキシメチルジフェニルエーテル
144.5g(0.56モル)及び触媒としてp−トル
エンスルホン酸0.3gを仕込み、窒素気流下に攪拌し
ながら120℃で3時間反応させた。反応後、炭酸ナト
リウムにて中和し、さらに過剰のフェノールを減圧留去
し、淡褐色状樹脂(多価ヒドロキシ化合物)176.9
gを得た。その軟化点は62℃、ICIコーンプレート
法に基づく150℃での溶融粘度は0.4ポイズ、水酸
基当量は218であった。この多価ヒドロキシ化合物の
GPCチャートを図1、H−NMRスペクトルを図2、
赤外吸収スペクトルを図3に示す。なお、GPC測定
は、装置:HLC−82A(東ソー(株)製)及びカラ
ム:TSK−GEL2000×3本及びTSK−GEL
4000×1本(いずれも東ソー(株)製)を用い、溶
媒:テトラヒドロフラン、流速:1.0ml/分、温
度:38℃、検出器:RIの条件で行った。
(1.5モル)、縮合剤として実施例1と同じ4,4’
−ジメトキシメチルジフェニルエーテル64.8g
(0.45モル)を用い、実施例1と同様にして反応さ
せ、褐色状樹脂(多価ヒドロキシ化合物)144.6g
を得た。その軟化点は76℃、ICIコーンプレート法
に基づく150℃での溶融粘度は0.7ポイズ、水酸基
当量は234であった。
をエピクロルヒドリン700gに溶解し、減圧下(約1
50mmHg)、70℃で48%水酸化ナトリウム水溶
液37.5gを3.5時間かけて滴下した。この間に生
成する水はエピクロルヒドリンとの共沸により系外に除
き、留出したエピクロルヒドリンは系内にもどした。滴
下終了後、さらに30分間反応を継続した。その後、濾
過により生成した塩を除き、さらに水洗したのちエピク
ロルヒドリンを留去し、エポキシ樹脂124gを得た。
このエポキシ樹脂の軟化点は51℃、溶融粘度は0.2
ポイズ、エポキシ当量は296であった。このエポキシ
樹脂のGPCチャートを図4、H−MNRスペクトルを
図5、赤外吸収スペクトルを図6に示す。
g、48%水酸化ナトリウム水溶液34.9gを用い、
実施例3と同様にして反応を行い、エポキシ樹脂121
gを得た。このエポキシ樹脂の軟化点は68℃、150
℃での溶融粘度は0.4ポイズ、エポキシ当量は314
であった。
ゾールノボラック型エポキシ樹脂(ECN)、軟化点6
8℃のフェノールノボラック(PN)及び軟化点68℃
のフェノールアラルキル樹脂(三井東圧製XL−225
−3L(PA))を用い、表1に示す配合(硬化促進
剤:トリフェニルホスフィン)で樹脂組成物を調製した
後、成形(150℃、3分)して硬化試験片を得た。試
験片は180℃で12時間ポストキュアを行った後、種
々の物性試験に供した。なお、ガラス転移点及び線膨張
係数の測定は、熱機械測定装置を用いて7℃/分の昇温
速度で測定した。また、吸水率は、不飽和型プレッシャ
ークッカー装置を用いて、133℃、3気圧の条件で9
6時間吸湿させて測定した。さらに、破壊靭性はA.F.Ye
e, R.A.Pearson, Journal of Materials Science, 21,
2462(1986)に記載の方法に従って測定した。物性試験の
結果を表2に示す。
ヒドロキシ化合物の少なくともいずれか一方を必須成分
として配合してなるエポキシ樹脂組成物を硬化して得ら
れる硬化物は、耐湿性、耐熱性に優れ、かつ耐衝撃性等
の機械的特性に優れた性能を有し、積層、成形、注型、
接着などの用途に好適に使用することができる。
PCチャートである。
−NMRスペクトルである。
外吸収スペクトルである。
ートである。
スペクトルである。
ペクトルである。
Claims (7)
- 【請求項1】 下記一般式(1)で表される新規多価ヒ
ドロキシ化合物。 【化1】 (式中、Aは炭素数1〜6の炭化水素基で置換されてい
てもよいベンゼン環又はナフタレン環を示し、R1 、R
2 は同一又は異なってもよい水素原子又は炭素数1〜6
のアルキル基を示し、nは1〜15の数、mは1〜2の
整数を示す) - 【請求項2】 下記一般式(a)又は(b)で表される
フェノール性化合物と下記一般式(2)で表される縮合
剤とを反応させることを特徴とする新規多価ヒドロキシ
化合物の製造方法。 【化2】 【化3】 (式中、R4 は炭素数1〜6の炭化水素基を示し、pは
0〜3の整数、mは1〜2の整数を示す) 【化4】 (式中、R1 、R2 、R3 は同一又は異なってもよい水
素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を示す) - 【請求項3】 フェノール性化合物1モルに対し、0.
1〜0.9モルの縮合剤を反応させることを特徴とする
請求項2記載の新規多価ヒドロキシ化合物の製造方法。 - 【請求項4】 下記一般式(3)で表される新規エポキ
シ樹脂。 【化5】 (式中、Aは炭素数1〜6の炭化水素基で置換されてい
てもよいベンゼン環又はナフタレン環を示し、R1 、R
2 は同一又は異なってもよい水素原子又は炭素数1〜6
のアルキル基を示し、Gはグリシジル基を示し、nは0
〜15の数、mは1又は2の整数を示す) - 【請求項5】 請求項1記載の新規多価ヒドロキシ化合
物とエピクロルヒドリンとを反応させることを特徴とす
る新規エポキシ樹脂の製造方法。 - 【請求項6】 エポキシ樹脂及び硬化剤よりなるエポキ
シ樹脂組成物において、請求項4記載の新規エポキシ樹
脂又は請求項1記載の新規多価ヒドロキシ化合物の少な
くともいずれか一方を必須成分として配合してなるエポ
キシ樹脂組成物。 - 【請求項7】 請求項6記載のエポキシ樹脂組成物を硬
化してなる硬化物。
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---|---|---|---|
JP07015597A JP3806217B2 (ja) | 1997-03-24 | 1997-03-24 | 新規多価ヒドロキシ化合物、新規エポキシ樹脂、それらの製造方法、それらを用いたエポキシ樹脂組成物及びその硬化物 |
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JPH10265554A true JPH10265554A (ja) | 1998-10-06 |
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