JP4678455B2 - 多価ヒドロキシ化合物とその製造方法、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐熱性、耐湿性、電気特性、難燃性に優れた硬化物を与えるエポキシ樹脂硬化剤として有用な多価ヒドロキシ樹脂及びその製造方法、さらにはそれを用いたエポキシ樹脂組成物並びにその硬化物に関し、半導体封止材、積層板、コーティング材料及び複合材料などに好適に使用されるものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、特に先端材料分野の進歩に伴い、より高性能な有機材料が要求されている。例えば、プリント回路基板の分野においては、高多層化や高密度実装化や表面実装化などに対応できる特性をもったエポキシ樹脂或いは硬化剤が求められている。特に優れた耐熱性、耐湿性、電気特性への要求が強い。また近年の環境問題によって、難燃の分野からはノンハロゲン化が強く叫ばれるようになってきた。
【0003】
そこで塩素や臭素を含まない難燃材料への期待が大きい。燐原子を用いたノンハロゲン難燃剤は多く提案されているが、毒性や耐湿信頼性の見地からみると、それらは現在ある問題を十分解決したものとは言えず、ハロゲン、燐原子の両方を含有しない難燃材料が要求されている。
【0004】
しかしながら、従来から知られているエポキシ樹脂、或いは硬化剤には、これらの要求を十分満足するものは未だ知られていない。硬化剤の分野においては、例えば、現在あるフェノール系硬化剤やアミン系硬化剤は、耐熱性、耐湿性、電気特性の全てにおいて、十分満足できる特性を有していない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は、耐熱性、耐湿性、電気特性に優れ、かつ難燃性に優れた性能を有し、積層、成形、注型、接着等の用途に有用なエポキシ樹脂硬化剤として有用な多価ヒドロキシ樹脂とその製造方法、それらを用いたエポキシ樹脂組成物及びその硬化物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題の解決手段を鋭意検討した結果、トリアジン骨格とナフタレン骨格を含有する樹枝状の繰り返し単位を持つことを特徴とする多価ヒドロキシ化合物を硬化剤として用いるエポキシ樹脂組成物が、ハロゲン含有の有無にかかわらず上記の課題を満たすものであることを見いだし、本発明を完成させるに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、
1.一般式(1)で示される多価ヒドロキシ化合物、
【化5】
(式中、Rはそれぞれ独立に、水素、炭素数1〜10のアルキル基、フェニル基、またはハロゲン基を示し、mは0〜2に整数を示し、またnは0〜4の整数を示す。)
2.一般式(1)中のRが水素原子または炭素数1〜3のアルキル基である前記1記載の多価ヒドロキシ化合物、
3.一般式(1)中のRが水素原子である前記1記載の多価ヒドロキシ化合物、
4.前記1記載の一般式(1)で表わされる多価ヒドロキシ化合物を製造する方法であって、ハロゲン化シアヌル類(A)と1分子中にヒドロキシルを2個以上含有したナフタレン骨格含有化合物(B)とを脱ハロゲン化水素縮合反応させることを特徴とする多価ヒドロキシ化合物の製造方法、
5.ハロゲン化シアヌル類(A)と1分子中にヒドロキシルを2個以上含有したナフタレン骨格含有化合物(B)とを、モル比(A)/(B)=1/1.5〜1/5となる割合で反応させることを特徴とする前記4記載の多価ヒドロキシ化合物の製造方法、
6.ハロゲン化水素捕捉剤を反応系内に存在させることを特徴とする前記4または5記載の多価ヒドロキシ化合物の製造方法、
7.ヒドロキシル基を1分子中に2個以上含有したナフタレン骨格含有化合物(B)がビナフトール類(b)であることを特徴とする前記4、5または6記載の多価ヒドロキシ化合物の製造方法、
8.前記ビナフトール類(b)が1,1’−ビ−2−ナフトールであることを特徴とする前記7記載の多価ヒドロキシ化合物の製造方法、
9.エポキシ樹脂及び硬化剤よりなるエポキシ樹脂組成物において、前記1〜3いずれか一つに記載の多価ヒドロキシ化合物を必須成分として配合してなることを特徴とするエポキシ樹脂組成物、
10.エポキシ樹脂及び硬化剤よりなるエポキシ樹脂組成物において、前記4〜8のいずれか一つに記載の製造方法で得られた多価ヒドロキシ化合物を必須成分とすることを特徴とするエポキシ樹脂組成物、
11.前記9または10記載のエポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物、
を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明に係る多価ヒドロキシ化合物とは、一般式(1)で示されるトリアジン骨格とナフタレン骨格を含有する化合物、及び、該一般式(1)で示される多価ヒドロキシ化合物と、一般式(1)で示される多価ヒドロキシ化合物残基を中心骨格として有する誘導体を中心骨格として有し、一般式(3)で示されるトリアジン骨格とナフタレン骨格を含有する樹枝状の繰り返し単位を持ち、かつ一般式(1)を20〜70重量%含有することを特徴とする化合物である。
【0009】
上述の一般式(1)で示される多価ヒドロキシ化合物の誘導体を中心骨格として有し、一般式(3)で示されるトリアジン骨格とナフタレン骨格を含有する樹枝状の繰り返し単位を持つ化合物とは、例えば下記の一般式(2)で示される構造を有する化合物を表す。
【化9】
【0010】
(式中、Rはそれぞれ独立に、水素、炭素数1〜10のアルキル基、フェニル基、またはハロゲン基を示し、mは0〜2に整数を示し、nは0〜4の整数を示し、Tは下記一般式(3)の構造または水素原子を示す)
【0011】
また、上述の一般式(2)において、下記式(3)で示される構造が上述の繰り返し構造である。
【化10】
【0012】
(式中、Rはそれぞれ独立に、水素、炭素数1〜10のアルキル基、フェニル基、またはハロゲン基を示し、mは0〜2に整数を示し、nは0〜4の整数を示し、またTは一般式(3)もしくは水素原子を示す。)
【0013】
本発明に係る多価ヒドロキシ化合物として、一般式(1)、(2)、(3)において、Rが水素原子である場合が前述の課題を解決するのに最も好ましい。
【0014】
該多価ヒドロキシ化合物は、ハロゲン化シアヌル類(A)と1分子中にヒドロキシルを2個以上含有したナフタレン骨格含有化合物(B)とを脱ハロゲン化水素縮合反応させることによって得られる。このハロゲン化シアヌル類としては、例えば、塩化シアヌル、臭化シアヌル、沃化シアヌル等が挙げられる。中でも、塩化シアヌルが反応性の制御のしやすさ、コストの面でより好ましい。1分子中にヒドロキシルを2個以上含有したナフタレン骨格含有化合物(B)としては、1,1’−ビ−2−ナフトールなどのナフトール類が直接結合によって2量化した構造をもつビナフトール類、1,1’−ビス(2−ヒドロキシナフチル)メタン、1,1’−ビス(2−ヒドロキシナフチル)エタン,1,1’−ビス(2−ヒドロキシナフチル)プロパン、1,1’−ビス(2−ヒドロキシナフチル)ブタン,1,1’−ビス(2−ヒドロキシナフチル)−フェニル−メタン、2,2’−(1,1’−ビス(2−ヒドロキシナフチル))プロパンなどのアルキレン基架橋ビスナフトール類,1,4−ナフタレンジオール,1,5−ナフタレンジオール、1,6−ナフタレンジオール、1,7−ナフタレンジオール,2,6−ナフタレンジオール、2,7−ナフタレンジオール,2,3−ナフタレンジオールなどのジヒドロキシナフタレン類、1,3,6−トリヒドロキシナフタレン、1,3,7−トリヒドロキシナフタレン、2,3,6−トリヒドロキシナフタレンなどのトリヒドロキシナフタレン類、1−ナフトール或いは2−ナフトール或いはジヒドロキシナフタレン類とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド,ベンズアルデヒドなどのアルデヒド類との重縮合反応化合物(いわゆるナフトールノボラック樹脂)、1−ナフトール或いは2−ナフトール或いはジヒドロキシナフタレン類とキシレンジハライド,キシレンジヒドロキサイド,キシレンジメトキサイドなどのとの重縮合反応物(いわゆるナフトールアラルキル樹脂)などが挙げあれるが、中でも1,1’−ビス(2−ヒドロキシナフチル)メタン、1,1’−ビ−2−ナフトール(b)がとくに好ましい。
【0015】
またハロゲン化シアヌル類(A)と1分子中にヒドロキシルを2個以上含有したナフタレン骨格含有化合物(B)との反応割合は特に限定されるものではないが、モル比(A)/(B)=1/1.2〜1/8、好ましくはモル比(A)/(B)=1/1.5〜1/5の割合で反応させることをによって、式(1)の構造の化合物を20〜70重量%含有することができ、流動性、硬化性、耐熱性、難燃性の優れた特性を得ることができる。
【0016】
また該反応には、ハロゲン化水素捕捉剤を反応系内に存在させることをによって、すみやかに反応をすすめさせることができる。ハロゲン化水素捕捉剤としては、公知の化合物を使用することができるが、例えば、トリエチルアミンやトリメチルアミン等の3級アミン類、また水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物などの塩基性物質が使用できる。ハロゲン化水素補足剤の使用量としては、ハロゲン原子1モルに対して、1.0〜3.0モル、好ましくは1.0〜1.5モルである。ハロゲン化捕捉剤は0.5〜3時間要して添加する。
【0017】
上記反応においては、有機溶媒存在下で反応することが好ましい。その際使用する有機溶媒としては特に限定されるものではないが、疎水性溶媒が好ましい。疎水性溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒やメチルエチルケトンやメチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒が使用できる。
【0018】
上記の有機溶媒の使用量は、ハロゲン化シアヌル類(A)と1分子中にヒドロキシルを2個以上含有したナフタレン骨格含有化合物(B)の合計100重量部に対して、通常30〜500重量部、好ましくは50〜300重量部である。反応温度は通常20〜150℃、反応時間は1〜20時間である。
【0019】
このような系でハロゲン化捕捉剤を加えて反応をおこなった後に、反応液に適量の水を加えて生成塩を溶解する。その後、水洗を繰り返して系内の生成塩を除去した後に、脱水や濾別でさらに精製して、有機溶媒を蒸留で除去して目的の化合物を得ることができる。
【0020】
以下、本発明のエポキシ樹脂組成物について説明する。該多価ヒドロキシ化合物は本発明のエポキシ樹脂組成物においてエポキシ樹脂の硬化剤として作用し、この該多価ヒドロキシ化合物を単独でまたは他の硬化剤と併用することが出来る。併用する場合、本発明の多価ヒドロキシ化合物の全硬化剤中に占める割合は30重量%以上が好ましく、特に40重量%以上が好ましい。
【0021】
本発明の多価ヒドロキシ化合物と併用され得る他の硬化剤としては、一般にエポキシ樹脂の硬化剤として知られているものであれば全て使用できる。このような硬化剤としては、例えばジシアンジアミド、多価フェノール類、酸無水物類、芳香族及び脂肪族アミン類などが挙げられる。具体的に例示すれば、多価フェノール類としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール等の2価のフェノール類;トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、フェノールノボラック、o−クレゾールノボラック、ナフトールノボラック、ポリビニルフェノール等に代表される3価以上のフェノール類;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、ハイドロキノン、レゾルシン、ナフタレンジオール等の2価フェノール類やナフトール類のホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−キシリレングリコール等の縮合剤により合成される多価フェノール性化合物などが挙げられる。また、酸無水物としては、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチル無水ハイミック酸、無水ナジック酸、無水トリメリット酸などが挙げられる。また、アミン類としては、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、m−フェニレンジアミン、p−キシリレンジアミン等の芳香族アミン類、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等の脂肪族アミン類などが挙げられる。
【0022】
本発明に係る多価ヒドロキシ化合物を必須成分とするエポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂成分としては、分子中にエポキシ基を2個以上有する通常のエポキシ樹脂であれば全て使用できる。具体的に例示すれば、ビスフェノールA、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール、ハイドロキノン、レゾルシン等の2価のフェノール類、あるいはトリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、フェノールノボラック、o−クレゾールノボラック等の3価以上のフェノール類又はテトラブロモビスフェノールA等のハロゲン化ビスフェノール類から誘導されるグルシジルエーテル化物、あるいは本発明に係る多価ヒドロキシ化合物から誘導されるエポキシ樹脂などが挙げられる。本発明のエポキシ樹脂組成物には、これらのエポキシ樹脂を単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
【0023】
本発明のエポキシ樹脂組成物において使用する本発明に係る多価ヒドロキシ化合物を含む硬化剤の使用量は、良好な硬化物が得られる点から、エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対して水酸基が0.5〜2.0当量になる量が好ましい。さらに、本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じてシリカ、アルミナ、タルク等の充填材やシランカップリング剤、離型剤、顔料等の種々の配合剤を添加することができる。
【0024】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、各成分を均一に混合することにより得られる。本発明のエポキシ樹脂、硬化剤更に必要により硬化促進剤の配合された本発明のエポキシ樹脂組成物は従来知られている方法と同様の方法で容易に硬化物とすることができる。例えばエポキシ樹脂と硬化剤、充填剤等の配合剤とを必要に応じて押出機、ニ−ダ、ロ−ル等を用いて均一になるまで充分に混合してエポキシ樹脂組成物を得、そのエポキシ樹脂組成物を溶融後注型あるいはトランスファ−成形機などを用いて成形し、さらに80〜200℃で2〜10時間に加熱することにより硬化物を得ることができる。
【0025】
また本発明のエポキシ樹脂組成物をトルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の溶剤に溶解させ、ガラス繊維、カ−ボン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アルミナ繊維、紙などの基材に含浸させ加熱乾燥して得たプリプレグを熱プレス成形して硬化物を得ることなどもできる。この際の溶剤は、本発明のエポキシ樹脂組成物と該溶剤の混合物の全量100重量部に対して通常10〜70重量部、好ましくは15〜65重量部を占める量を用いる。
【0026】
【実施例】
次に本発明を実施例、比較例により具体的に説明するが、以下において部は特に断わりのない限り重量部である。
実施例1
温度計、滴下ロート、冷却管、撹拌器を取り付けた4つ口フラスコに、塩化シアヌル(a)92部、1,1’−ビ−2−ナフトール(b)429部[モル比;(a)/(b)=1/3]、溶媒としてメチルエチルケトン700部を仕込み、撹拌して溶解した.次いで50℃から70℃に昇温しながら60分間要してハロゲン化水素補足剤としてトリエチルアミン154部[モル比;仕込んだ塩化シアヌル中の塩素/トリエチルアミン=1/1.02]を滴下した。滴下終了後、さらに70℃で5時間撹拌を続けた。次いで水200部を添加してトリエチルアミン塩酸塩を溶解して分液で棄却した。さらに同量の水で2回水洗した後にメチルエチルケトンを蒸留で回収して目的の多価ヒドロキシ化合物(I)441部を得た。その化合物(I)に関して、13C核磁気共鳴吸収スペクトル、マススペクトル、赤外吸収スペクトルを測定して構造が、1分子中に少なくとも3個のヒドロキシ基をもつ繰り返し構造型樹枝状化合物であって、その放射中心に式(4)で示されるような構造を有し、繰り返し単位の成分が式(5)である多価ヒドロキシ化合物であることを確認した。またGPCからは式(6)の構造をもつ成分を38.5重量%含有していることを確認した。水酸基当量は310g/eq.であった。13C-NMR、MS、IR、GPCチャートを図1〜4に示す。
【化11】
(式中、Tは水素原子または式(5)を示す。)
【化12】
(式中、Tは水素原子または式(5)を示す。)
【化13】
【0027】
実施例2及び比較例1
第1表で示される配合の組成物を110℃で2本ロールを用いて10分間混練した。それを冷却後に粉砕し、180℃×10分間の条件でプレス成形した後に、さらに180℃で8時間後硬化して厚み1.3mmに試験片を得た。これを用いて、ガラス転移温度、吸湿率、線膨張係数、誘電率、難燃性を試験した。
【表1】
【0028】
【発明の効果】
本発明の多価ヒドロキシ化合物とこれを必須成分として配合してなるエポキシ樹脂組成物を硬化して得られる硬化物は、耐熱性、耐湿性、電気特性、耐ヒートサイクル性、電気特性、難燃性に優れ、プリント配線基板などの積層板材料、半導体封止材料、接着剤、構造材、注型材料、塗料材料の用途に好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で得られた本発明に係る化合物の13C核磁気共鳴吸収スペクトルである。
【図2】 実施例1で得られた本発明に係る化合物のマススペクトルある。
【図3】 実施例1で得られた本発明に係る化合物の赤外吸収スペクトルである。
【図4】 実施例1で得られた本発明に係る化合物が、式(6)の構造をもつ成分を38.5重量%含有していることを示すGPCチャートである。
Claims (11)
- 一般式(1)中のRが水素原子または炭素数1〜3のアルキル基である請求項1記載の多価ヒドロキシ化合物。
- 一般式(1)中のRが水素原子である請求項1記載の多価ヒドロキシ化合物。
- 請求項1記載の一般式(1)で表わされる多価ヒドロキシ化合物を製造する方法であって、ハロゲン化シアヌル類(A)と1分子中にヒドロキシルを2個以上含有したナフタレン骨格含有化合物(B)とを脱ハロゲン化水素縮合反応させることを特徴とする多価ヒドロキシ化合物の製造方法。
- ハロゲン化シアヌル類(A)と1分子中にヒドロキシルを2個以上含有したナフタレン骨格含有化合物(B)とを、モル比(A)/(B)=1/1.5〜1/5となる割合で反応させることを特徴とする請求項4記載の多価ヒドロキシ化合物の製造方法。
- ハロゲン化水素捕捉剤を反応系内に存在させることを特徴とする請求項4または5記載の多価ヒドロキシ化合物の製造方法。
- ヒドロキシル基を1分子中に2個以上含有したナフタレン骨格含有化合物(B)がビナフトール類(b)であることを特徴とする請求項4、5または6記載の多価ヒドロキシ化合物の製造方法。
- 前記ビナフトール類(b)が1,1’−ビ−2−ナフトールであることを特徴とする請求項7記載の多価ヒドロキシ化合物の製造方法。
- エポキシ樹脂及び硬化剤よりなるエポキシ樹脂組成物において、請求項1〜3いずれか一つに記載の多価ヒドロキシ化合物を必須成分として配合してなることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
- エポキシ樹脂及び硬化剤よりなるエポキシ樹脂組成物において、請求項4〜8のいずれか一つに記載の製造方法で得られた多価ヒドロキシ化合物を必須成分とすることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
- 請求項9または10記載のエポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
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