JP5850228B2 - 硬化性樹脂組成物、その硬化物、シアン酸エステル樹脂、半導体封止材料、プリプレグ、回路基板、及び、ビルドアップフィルム - Google Patents

硬化性樹脂組成物、その硬化物、シアン酸エステル樹脂、半導体封止材料、プリプレグ、回路基板、及び、ビルドアップフィルム Download PDF

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本発明は得られる硬化物の難燃性、耐熱性、低誘電率、低誘電正接に優れ、プリント配線基板、半導体封止材、塗料、注型用途等に好適に用いる事が出来る硬化性樹脂組成物、その硬化物、シアン酸エステル樹脂、半導体封止材料、プリプレグ、回路基板、及び、ビルドアップフィルムに関する。
近年、電子工業や通信、コンピューターなどの分野において使用される周波数はギガヘルツ帯のような高周波領域に移行しつつあり、このような高周波領域で用いられる電気用積層板などの絶縁層に用いられる樹脂材料は低誘電率、低誘電正接の材料が求められている。
このような特性を有する樹脂材料として、シアン酸エステル樹脂は、熱硬化時に生じるトリアジン環によって、硬化物に高い耐熱性と優れた誘電特性を付与できることから、近年半導体封止材やプリント回路基板等の電子部品、電子部品分野、複合材料用マトリックスなどに広く用いられてきている。
特に、電気回路プリント配線基板の用途では、近年使用される周波数はギガヘルツ帯のような高周波領域に移行しつつあるのに加え、近年、環境問題に対する法規制等により、鉛を使用しない高融点はんだが主流となっており、この鉛フリーはんだは従来の共晶はんだよりも使用温度が約20〜40℃高くなることから、これまでにも増して耐熱性と誘電特性の一層の向上が求められている。
また、プリント配線板材料の分野では、火災に対する安全性の確保の見地から、難燃性を付与する必要があり、従来臭素等のハロゲン系難燃剤やアンチモン化合物が併用されてきた。しかしながら、近年の環境・安全への取り組みのなかで、ダイオキシン発生が懸念されるハロゲン系難燃剤を用いず、且つ発ガン性が疑われているアンチモン化合物を用いない環境・安全対応型の難燃化方法の開発が強く要求されている。
そこで、高度な難燃性、誘電特性及び耐熱性を兼備したシアン酸エステル系材料として、フェノールノボラック型シアン酸エステル樹脂と、ビスフェノールAシアン酸エステル樹脂と、非ハロゲン系エポキシ樹脂とを配合してなる樹脂組成物が知られている(下記、特許文献1参照)。
しかしながら、前記特許文献1記載の組成物は、硬化物における耐熱性と誘電特性はある程度改善されるものの、特に耐熱性について近年要求されている水準には及ばず、基板材料や半導体封止材料などの電子部品用途では耐湿耐半田性に乏しいものであった。また、硬化物の難燃性はやはり充分でなく非ハロゲン系の難燃材料として利用できるものでないのが現状であった。
特開2004−182850号公報
従って、本発明が解決しようとする課題は、その硬化物において優れた難燃性、耐熱性、誘電特性、及び耐湿耐半田性を兼備した硬化性樹脂組成物、その硬化物、シアン酸エステル樹脂、並びに、これらの性能を兼備した、半導体封止材料、プリプレグ、回路基板、及び、ビルドアップフィルムを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、ポリアリーレンエーテル構造を主骨格として有し、かつ、その末端にシアナト基を有するシアン酸エステル樹脂が、その硬化物において、低誘電率、低誘電正接を有しつつ、かつ、優れた耐熱性と難燃性と耐湿耐半田性を兼備させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、ポリアリーレンエーテル構造(I)と該構造(I)の芳香核にシアナト基を有する樹脂構造を持つシアン酸エステル樹脂(A)、及び硬化促進剤(B)を必須成分とすることを特徴とする硬化性樹脂組成物に関する。
本発明は、更に、前記硬化性樹脂組成物を硬化反応させてなることを特徴とする硬化物に関する。
本発明は、更に、ポリアリーレンエーテル構造(I)と該構造(I)の芳香核にシアナト基を有する樹脂構造を持つことを特徴とするシアン酸エステル樹脂に関する。
本発明は、更に、前記硬化性樹脂組成物におけるシアン酸エステル樹脂(A)、及び硬化促進剤(B)に加え、更に無機質充填材(C)を組成物中70〜95質量%となる割合で含有する熱硬化性樹脂組成物からなることを特徴とする半導体封止材料に関する。
本発明は、更に、前記熱硬化性樹脂組成物を有機溶剤に希釈したものを補強基材に含浸し、得られる含浸基材を半硬化させることによって得られるプリプレグに関する。
本発明は、更に、前記熱硬化性樹脂組成物を有機溶剤に希釈したワニスを得、これを板状に賦形したものと銅箔とを加熱加圧成型することにより得られる回路基板に関する。
本発明は、更に、前記熱硬化性樹脂組成物を有機溶剤に希釈したものを基材フィルム上に塗布し、乾燥させることを特徴とするビルドアップフィルムに関する。
本発明によれば、その硬化物において優れた難燃性、耐熱性、誘電特性、及び耐湿耐半田性を兼備した硬化性樹脂組成物、その硬化物、並びに、これらの性能を兼備した、半導体封止材料、プリプレグ、回路基板、及び、ビルドアップフィルムを提供できる。
図1は、合成例1で得られたフェノール性水酸基含有樹脂(A−1)のGPCチャート図である。 図2は、合成例1で得られたフェノール性水酸基含有樹脂(A−1)のFD−MSのスペクトルである。 図3は、合成例1で得られたフェノール樹脂(A−1)のトリメチルシリル化法によるFD−MSのスペクトルである。 図4は、合成例2で得られたフェノール性水酸基含有樹脂(A−2)のGPCチャート図である。 図5は、合成例2で得られたフェノール性水酸基含有樹脂(A−2)のFT−IRのスペクトル図である。 図6は、合成例2で得られたフェノール性水酸基含有樹脂(A−2)のFD−MSのスペクトル図である。 図7は、合成例2で得られたフェノール性水酸基含有樹脂(A−2)のトリメチルシリル化法によるFD−MSのスペクトル図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いるシアン酸エステル樹脂(A)は、前記した通り、ポリアリーレンエーテル構造(I)と該構造(I)の芳香核にシアナト基を有する樹脂構造を持つものである。
本発明では、分子主骨格にポリアリーレンエーテル構造(I)を有することから、優れた耐熱性及び難燃性を硬化物に付与できると共に、硬化物に低誘電率、低誘電正接といった優れた誘電特性を兼備させることができる。
ここで、シアン酸エステル樹脂(A) の主骨格を構成するポリアリーレンエーテル構造(I)は、具体的には、ポリナフチレンエーテル構造、及び炭素原子数1〜4のアルキル基で置換されたポリナフチレンエーテル構造などのナフチレンエーテル系構造、並びに、ポリフェニレンエーテル構造、及び炭素原子数1〜4のアルキル基で置換されたポリフェニレンエーテル構造などのフェニレンエーテル系構造が挙げられる。
かかるシアン酸エステル樹脂(A) は、具体的には、下記構造式1
Figure 0005850228

[式中、R及びRは各々独立して、メチル基又は水素原子であり、Arは、フェニレン基、炭素原子数1〜4のアルキル基の1〜3つで核置換されたフェニレン基、ナフチレン基、炭素原子数1〜4のアルキル基の1〜3つで核置換されたナフチレン基、nは1又は2の整数である。]で表される構造部位(α)を芳香核上の置換基が結合した分子構造を有するポリアリーレンエーテル構造(I)と、該構造(I)の芳香核にシアナト基を有し、かつ、その軟化点が70〜200℃の範囲にあるもの(以下、これを「シアン酸エステル樹脂(a1) 」と略記する。)、又は、
下記構造式2
Figure 0005850228

(式中、Xは水素原子、又はオキシナフチル基を表す。nは0〜2の整数である。)
で表されるナフチレンエーテル構造部位(α)を前記構造(I)として有し、かつ、その両末端にシアナト基を有するもの(以下、これを「シアン酸エステル樹脂(a2) 」と略記する。)であることが、硬化物における難燃性、耐熱性、及び誘電特性に優れたものとなる点から好ましい。
ここで、前記シアン酸エステル樹脂(a1) について詳述するに、該シアン酸エステル樹脂(a1) の分子構造中に存在するポリアリーレンエーテル構造は、ポリフェニレンオキシ構造、又はポリナフチレンオキシ構造等を基本骨格としており、その芳香核上の置換基として下記構造式1
Figure 0005850228

[構造式1中、R及びRは各々独立して、メチル基又は水素原子であり、Arは、フェニレン基、炭素原子数1〜4のアルキル基の1〜3つで核置換されたフェニレン基、ナフチレン基、炭素原子数1〜4のアルキル基の1〜3つで核置換されたナフチレン基、nは1又は2の整数である。]で表される構造部位を有するものが挙げられる。ここで、構造式2で表される構造部位は、具体的には、ベンジル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルプロピル基、及びこれらの芳香核にメチル基、エチル基、プロピル基、又はt−ブチル基が結合した構造部位が挙げられる。これらの中でも特に耐熱性の点からベンジル基であることが好ましい。
また、前記シアン酸エステル樹脂(a1) は、前記した通り、その分子末端には、シアナト基を有するものとなる。
このようなシアン酸エステル樹脂(a1) は、ポリアリーレンエーテル構造を主骨格とするフェノール性水酸基含有樹脂であって、その芳香核上の置換基として下記構造式1
Figure 0005850228

[構造式1中、R及びRは各々独立して、メチル基又は水素原子であり、Arは、フェニレン基、炭素原子数1〜4のアルキル基の1〜3つで核置換されたフェニレン基、ナフチレン基、炭素原子数1〜4のアルキル基の1〜3つで核置換されたナフチレン基、nは1又は2の整数である。]で表される構造部位(α)が結合した分子構造を有するフェノール性水酸基含有樹脂(a1−1)を、ハロゲン化シアンとを反応させることにより得ることができる。
ここで用いるフェノール性水酸基含有樹脂(a1−1)は、具体的には、ポリアリーレンエーテル構造を構成する芳香核1モルあたりの前記分子構造(α)を構成する芳香核の存在割合が0.1〜1.0モルとなる範囲であり、かつ、その軟化点が70〜200℃の範囲であることが好ましい。即ち、前記ポリアリーレンエーテル構造を構成する芳香核1モルあたりの前記分子構造(α)を構成する芳香核の存在割合が1.0以下とすることにより、硬化物の耐熱性が飛躍的に向上する他、難燃性も高くなる。一方、0.1以上とすることにより硬化物の難燃性が良好なものとなる他、硬化物の誘電正接も低いものとなる。なお、フェノール性水酸基含有樹脂(a1−1)における、前記ポリアリーレンエーテル構造を構成する芳香核1モルあたりの前記分子構造(α)を構成する芳香核の存在割合とは、フェノール性水酸基含有樹脂(a1−1)を製造する際のジヒドロキシ芳香族化合物(a1)1モルに対するアラルキル化剤のモル数に相当する。
また、フェノール性水酸基含有樹脂(a1−1)は、その軟化点が70〜200℃の範囲とすることにより、最終的に得られるシアン酸エステル樹脂(a1) の有機溶剤への溶解性が高くなり、回路基板用ワニスに適した材料となる他、ポリアリーレンエーテル構造の主鎖が比較的長いものとなり、従来にない難燃性能を発現させることができる。
このようにフェノール性水酸基含有樹脂(a1−1)は、軟化点が高く、また、その割に前記分子構造(α)を構成する芳香核の存在割合が低いことを特徴としている。ポリアリーレンエーテル構造の主鎖が比較的長くなり、優れた溶剤溶解性を発現すると共に、回路基板用途における高度な難燃性能にも対応することが可能となる。
前記フェノール性水酸基含有樹脂(a1−1)は、シアン酸エステル樹脂(a1)とした際の硬化後の誘電特性や耐湿性の改善効果に優れ、かつ、流動性に優れる点から、前記フェノール性水酸基含有樹脂(a1−1)の水酸基当量が100〜220g/eq.の範囲、特に120〜220g/eq.の範囲にあるものが好ましい。
上記したフェノール性水酸基含有樹脂(a1−1)は、前記した通り、ポリナフチレンエーテル構造を前記ポリアリーレンエーテル構造(I)として有するものが優れた難燃効果を発現し、また、誘電正接も低くなる点から好ましく、具体的には、下記一般式(1’)
Figure 0005850228
で表される構造単位(I’)を繰り返し単位とし、その両末端にフェノール性水酸基を有する軟化点70〜200℃のフェノール性水酸基含有樹脂であることが有機溶剤への溶解性に優れ、かつ、難燃性及び耐熱性に優れた硬化物を与えることができる点から好ましい。
ここで上記一般式(1’)中、Xは水素原子又は下記一般式(1”)
Figure 0005850228

で表される構造部位であり、かつ、前記一般式(1’)及び一般式(1”)中のRは下記一般式(2’)
Figure 0005850228
で表される構造部位(α’)であり、一般式(2’)中のnは1又は2であり、また、一般式(1”)中のpの値は0〜3の整数である。但し、前記フェノール性水酸基含有樹脂(a1−1)は、その分子構造中、前記構造部位(α’)をナフタレン環1個あたり0.1〜1.0個となる割合で有するものである。
なお、上記一般式(1’)においてナフタレン骨格への結合位置はナフタレン環を構成する2つの環の何れであってもよい。また、フェノール性水酸基含有樹脂(a1−1)中、前記構造部位(α’)の存在割合がナフタレン骨格1個に対して1.0個以下とすることにより、硬化物の耐熱性が飛躍的に向上する他、難燃性も高くなる。一方、0.1以上とすることにより硬化物の難燃性が良好なものとなる他、硬化物の誘電正接も低いものとなる。ここで、ナフタレン骨格に対する構造部位(α’)の存在割合は、前述した通り、その製造方法におけるジヒドロキシナフタレン1モルに対するアラルキル化剤のモル数に相当する。
フェノール性水酸基含有樹脂(a1−1)は、ジヒドロキシ芳香族化合物と、アラルキル化剤とを、酸触媒の存在下に反応させる方法により製造することができる。
具体的には、ジヒドロキシ芳香族化合物と、前記アラルキル化剤とを酸触媒の存在に反応させることにより、ポリアリーレン構造を主骨格としてその両末端にフェノール性水酸基を有し、かつ、該ポリアリーレン構造の芳香核上にアラルキル基がペンダント状に結合した構造のフェノール性水酸基含有樹脂(a1−1)を得ることができる。
ここで、前記ジヒドロキシ芳香族化合物と、前記アラルキル化剤との反応割合は、モル基準で、反応割合(ジヒドロキシ芳香族化合物/アラルキル化剤)が1/0.1〜1/1.0となる範囲であることが最終的に得られるシアン酸エステル樹脂(a1)の難燃性と耐熱性とのバランスが良好なものとなる点から好ましい。
ここで使用し得るジヒドロキシ芳香族化合物は、例えば、カテコール、レゾルシノール、及びハイドロキノン等の2価フェノール、並びに、1,2−ジヒドロキシナフタレン、1,3−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、1,8−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン等のジヒドロキシナフタレンが挙げられる。これらの中でも最終的に得られるシアン酸エステル樹脂(A) の硬化物の難燃性が一層良好なものとなり、また、該硬化物の誘電正接も低くなって誘電特性が良好になる点からジヒドロキシナフタレン、中でも1,6−ジヒドロキシナフタレン又は2,7−ジヒドロキシナフタレンが好ましく、特に2,7−ジヒドロキシナフタレンが好ましい。
次に、前記アラルキル化剤は、ベンジルクロライド、ベンジルブロマイド、ベンジルアイオダイト、o−メチルベンジルクロライド、m−メチルベンジルクロライド、p−メチルベンジルクロライド、p−エチルベンジルクロライド、p−イソプロピルベンジルクロライド、p−tert−ブチルベンジルクロライド、p−フェニルベンジルクロライド、5−クロロメチルアセナフチレン、2−ナフチルメチルクロライド、1−クロロメチル−2−ナフタレン及びこれらの核置換異性体、α−メチルベンジルクロライド、並びにα,α−ジメチルベンジルクロライド等;ベンジルメチルエーテル、o−メチルベンジルメチルエーテル、m−メチルベンジルメチルエーテル、p−メチルベンジルメチルエーテル、p−エチルベンジルメチルエーテル及びこれらの核置換異性体、ベンジルエチルエーテル、ベンジルプロピルエーテル、ベンジルイソブチルエーテル、ベンジルn−ブチルエーテル、p−メチルベンジルメチルエーテル及びその核置換異性体等;ベンジルアルコール、o−メチルベンジルアルコール、m−メチルベンジルアルコール、p−メチルベンジルアルコール、p−エチルベンジルアルコール、p−イソプロピルベンジルアルコール、p−tert−ブチルベンジルアルコール、p−フェニルベンジルアルコール、α−ナフチルカルビノール及びこれらの核置換異性体、α−メチルベンジルアルコール、及びα,α−ジメチルベンジルアルコール等;スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン等が挙げられる。
これらの中でも、特にベンジルクロライド、ベンジルブロマイド、及びベンジルアルコールが、最終的に得られるシアン酸エステル樹脂の硬化物において難燃効果が一層顕著なものとなる点から好ましい。
ここで、ジヒドロキシ芳香族化合物とアラルキル化剤との反応において使用し得る酸触媒は、例えばリン酸、硫酸、塩酸などの無機酸、シュウ酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、フルオロメタンスルホン酸等の有機酸、塩化アルミニウム、塩化亜鉛、塩化第2錫、塩化第2鉄、ジエチル硫酸などのフリーデルクラフツ触媒が挙げられる。
また、上記した酸触媒の使用量は、目標とする変性率などにより適宜選択することができるが、例えば無機酸や有機酸の場合はジヒドロキシ芳香族化合物100質量部に対し、0.001〜5.0質量部、好ましくは0.01〜3.0質量部なる範囲であり、フリーデルクラフツ触媒の場合はジヒドロキシ芳香族化合物1モルに対し、0.2〜3.0モル、好ましくは0.5〜2.0モルとなる範囲であることが好ましい。
前記ジヒドロキシ芳香族化合物とアラルキル化剤との反応は、分子量が高くなり軟化点の調整が容易となる点から有機溶媒を使用することが好ましい。
また、前記反応は、具体的には、有機溶媒存在下にジヒドロキシ芳香族化合物、アラルキル化剤、及び前記酸触媒を溶解させ、まず、100〜140℃の温度条件で全反応時間の1/2〜2/3となる時間反応させた後、次いで、140〜180℃に昇温させて反応させる方法が得られるフェノール性水酸基含有樹脂(a1−1)の軟化点が高くなる点から好ましい。
次いで、得られたフェノール性水酸基含有樹脂(a1−1)とハロゲン化シアンとを反応させることにより、目的とするシアン酸エステル樹脂(a1)を得ることができる。具体的には、例えばフェノール性水酸基含有樹脂(a1−1)中のフェノール性水酸基の1モルに対し、ハロゲン化シアンを1.05モル〜1.5モルとなる割合で用い、反応させることによって得ることができる。
ここで、ハロゲン化シアンとしては、塩化シアン、臭化シアン等が挙げられる。また、上記反応は、塩基性触媒の存在下を行うことが、反応性が良好となる点から好ましく、ここで用いる塩基性触媒としては、トリエチルアミンやトリメチルアミン等の3級アミン類;水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;などの塩基性物質が挙げられる。
上記反応においては、有機溶媒存在下で反応することが好ましい。その際使用する有機溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒やメチルエチルケトンやメチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒が挙げられる。
上記条件にて反応を行った後に、反応液に適量の水を加えて生成塩を溶解する。その後、水洗を繰り返して系内の生成塩を除去した後に、脱水や濾別でさらに精製して、有機溶媒を蒸留で除去して目的とするシアン酸エステル樹脂(A)を得ることができる。
このようにして得られるシアン酸エステル樹脂(a1)は、該シアン酸エステル樹脂(A)中のシアナト基当量は110〜300g/eq.の範囲であることが耐熱性、低誘電率、低誘電正接が良好となる点から好ましく、特に120〜250g/eq.の範囲であることが好ましい。
更に、前記シアン酸エステル樹脂(a1) は、その前駆体であるフェノール性水酸基含有樹脂(a1−1)がポリアリーレンエーテル構造を形成しているものであり、よって、フェノール性水酸基は直鎖状分子構造の両末端に出現することとなる。よって、前記シアン酸エステル樹脂(a1) は、主に2官能性のシアン酸エステル樹脂として得られる。然し乍ら、該樹脂成分中には、部分的にポリナフチレンエーテル構造中のナフタレン環に、他のヒドロキシナフタレン環が直接結合によって結合した分子構造を持つ多官能フェノール性水酸基含有樹脂をシアン酸エステル化したものも含まれ得る。よって、この場合、前記シアン酸エステル樹脂(a1) は、多官能性のシアン酸エステル樹脂として得られる。ここで、前記シアン酸エステル樹脂(a1) を回路基板用途へ適用する際には該シアン酸エステル樹脂(a1)中の官能基濃度をより一層低くして硬化後の誘電特性や耐湿性の改善を図ることが好ましく、その一方で、前記シアン酸エステル樹脂(a1) の分子量が小さい場合には、有機溶剤への溶解性に劣り回路基板用ワニスへの適用が困難なものとなる点から、前記シアン酸エステル樹脂(a1) は、シアナト基の当量数が、120〜250g/eq.の範囲であることが好ましい。
次に、シアン酸エステル樹脂(a2) は、前記した通り、下記構造式2
Figure 0005850228

で表されるナフチレンエーテル構造部位(α)を前記構造(I)として有し、かつ、その両末端にシアナト基を有する樹脂構造を有するものである。ここで、構造式2中、Xは水素原子、又は下記構造式2’
Figure 0005850228

で表されるオキシナフチル基を表し、nは1〜3の整数である。
ここで、上記構造式2で表されるナフチレンエーテル構造部位(α)は、具体的には、ナフタレン構造中のオキシ基との結合位置が1,6位、2,7位のものが好ましい。従って、前記シアン酸エステル樹脂(a2) のうち好ましいものとしては、例えば、下記の構造式A−1〜A−5で表されるシアン酸エステル樹脂が挙げられる。
Figure 0005850228

以上詳述したシアン酸エステル樹脂(a2) は、例えば、ジヒドロキシナフタレンを酸触媒の存在下に反応させたのち、低分子量体を有機溶媒で繰り返し抽出する方法(以下、「方法2−1」と略記する。)、又は、ジヒドロキシナフタレンを塩基性触媒の存在下に反応させる方法(以下、「方法2−2」と略記する。)により製造することができる。本発明では、これらのなかでも後者の方法が生産性に優れる点から好ましい。
フェノール性水酸基含有樹脂(a2−1)の製造に用いられるジヒドロキシナフタレンは、例えば、1,3−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、1,8−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、及び2,7−ジヒドロキシナフタレンが挙げられる。これらのなかでも1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレンが好ましく、とりわけ2,7−ジヒドロキシナフタレンが最終的に得られるシアン酸エステル樹脂(a2) の硬化性と、その硬化物の難燃性に優れる点から好ましい。
フェノール性水酸基含有樹脂(a2−1)を方法2−2によって製造する際に用いられる塩基性触媒は、具体的には水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩、トリフェニルホスフィンなどのリン系化合物が挙げられる。これらの塩基性触媒は単独または2種以上を併用して用いることもできる。
次いで、得られたフェノール性水酸基含有樹脂(a2−1)とハロゲン化シアンとを反応させることにより、目的とするシアン酸エステル樹脂(a2)を得ることができる。具体的には、例えばフェノール性水酸基含有樹脂(a2−1)中のフェノール性水酸基の1モルに対し、ハロゲン化シアンを1.05モル〜1.5モルとなる割合で用い、反応させることによって得ることができる。
ここで、ハロゲン化シアンとしては、前記したシアン酸エステル樹脂(a1)を製造する場合と同様に、塩化シアン、臭化シアン等が挙げられる。また、上記反応は、塩基性触媒の存在下を行うことが、反応性が良好となる点から好ましく、ここで用いる塩基性触媒としては、トリエチルアミンやトリメチルアミン等の3級アミン類;水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物などの塩基性物質が挙げられる。
上記反応においては、有機溶媒存在下で反応することが好ましい。その際使用する有機溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒やメチルエチルケトンやメチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒が挙げられる。
上記条件にて反応を行った後に、反応液に適量の水を加えて生成塩を溶解する。その後、水洗を繰り返して系内の生成塩を除去した後に、脱水や濾別でさらに精製して、有機溶媒を蒸留で除去して目的とするシアン酸エステル樹脂(a2)を得ることができる。
このようにして得られるシアン酸エステル樹脂(a2)は、該シアン酸エステル樹脂(A)中のシアナト基当量は110〜300g/eq.の範囲であることが耐熱性、低誘電率、低誘電正接が良好となる点から好ましく、特に120〜250g/eq.の範囲であることが好ましい。
このようにして得られるシアン酸エステル樹脂(a2) は、その軟化点が100〜200℃であることが、有機溶剤への溶解性が高くなり、回路基板用ワニスに適した材料となる他、ポリアリーレンエーテル構造の主鎖が比較的長いものとなり、従来になり難燃性能を発現させることができる点から好ましい。
前記したシアン酸エステル樹脂(a2) は、特に、硬化物の耐熱性に優れる点から、その軟化点が70〜200℃範囲、特に100〜200℃範囲にあるものが好ましい。
次に、本発明で用いる硬化触媒(B)は、具体的には、フェノール類、アミン類、ルイス酸類、3級スルホニウム塩、4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩、エポキシ基含有化合物などが挙げられる。これらの中でも、ノニルフェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、ベンジルジメチルアミン、銅、鉛、スズ、マンガン、ニッケル、鉄、亜鉛、コバルト等のカルボン酸塩、チタンテトラ-n-ブトキシドとそのポリマー、銅、ニッケル、コバルト等のペンタジオナート塩、臭化テトラブチルアンモニウム、塩化テトラブチルホスホニウム、オクチル酸亜鉛が、反応時にシアン酸エステル樹脂(A)との相溶性が高く、反応が円滑に進行する上で好ましい。また、反応速度が早く進行する面からは、エポキシ化合物が特に好ましい。
前記硬化触媒(B)の使用量は、例えば、シアン酸エステル樹脂(A)100質量部あたり0.001〜1.00質量部であることが好ましい。
前記シアン酸エステル樹脂(A)及び前記硬化促進剤(B)に加え、更にビスマレイミド(C)を含む請求項1記載の硬化性樹脂組成物。
本発明の熱硬化性樹脂(C)の好適な態様であるマレイミド(C)とは、1分子中に2個以上のマレイミド基を有する化合物であれば、特に限定されるものではない。その具体的な例としては、N−シクロヘキシルマレイミド、N−メチルマレイミド、N−n−ブチルマレイミド、N−ヘキシルマレイミド、N−tert−ブチルマレイミド等のN−脂肪族マレイミド;N−フェニルマレイミド、N−(P−メチルフェニル)マレイミド、N−ベンジルマレイミド等のN−芳香族マレイミド;4,4’―ジフェニルメタンビスマレイミド、4,4’―ジフェニルスルホンビスマレイミド、m―フェニレンビスマレイミド、
ビス(3−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、ビス(3−エチル−4−マレイミドフェニル)メタン、ビス(3、5−ジメチル−4−マレイミドフェニル)メタン、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、ビス(3,5−ジエチル−4−マレイミドフェニル)メタン等のビスマレイミド類が挙げられる。
これらの中でも特に硬化物の耐熱性が良好なものとなる点からビスマレイミド類が好ましく、特に4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、ビス(3,5−ジメチル−4−マレイミドフェニル)メタン、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、ビス(3、5−ジエチル−4−マレイミドフェニル)メタンが好ましい。
上記マレイミド(C)を用いる場合、必要に応じて、硬化促進剤を用いることができる。ここで使用できる硬化促進剤としては、アミン化合物、フェノール化合物、酸無水物、イミダゾール類、有機金属塩などが挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物において、前記シアン酸エステル樹脂(A)及び前記硬化触媒(B)に加え、或いは、前記シアン酸エステル樹脂(A)、前記硬化触媒(B)、及びマレイミド(C)に加え、更にエポキシ樹脂(D)を併用することが好ましい。
ここで用いるエポキシ樹脂(D)は、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール付加反応型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール樹脂型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。
これらのなかでもフェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂や、ナフタレン骨格を含有するナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック型エポキシ樹脂や、結晶性のビフェニル型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂、キサンテン型エポキシ樹脂や、アルコキシ基含有芳香環変性ノボラック型エポキシ樹脂(ホルムアルデヒドでグリシジル基含有芳香環及びアルコキシ基含有芳香環が連結された化合物)等が耐熱性に優れる硬化物が得られる点から特に好ましい。
また、エポキシ樹脂(D)を用いる場合、エポキシ樹脂用硬化剤を併用してもよい。ここで用いるエポキシ樹脂用硬化剤は、具体的には、アミン系化合物としてはジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、イミダゾ−ル、BF−アミン錯体、グアニジン誘導体等が挙げられ、アミド系化合物としては、ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンとより合成されるポリアミド樹脂等が挙げられ、酸無水物系化合物としては、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等が挙げられ、フェノール系化合物としては、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール付加型樹脂、フェノールアラルキル樹脂(ザイロック樹脂)、ナフトールアラルキル樹脂、トリメチロールメタン樹脂、テトラフェニロールエタン樹脂、ナフトールノボラック樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック樹脂、ビフェニル変性フェノール樹脂(ビスメチレン基でフェノール核が連結された多価フェノール化合物)、ビフェニル変性ナフトール樹脂(ビスメチレン基でフェノール核が連結された多価ナフトール化合物)、アミノトリアジン変性フェノール樹脂(メラミン、ベンゾグアナミンなどでフェノール核が連結された多価フェノール化合物)やアルコキシ基含有芳香環変性ノボラック樹脂(ホルムアルデヒドでフェノール核及びアルコキシ基含有芳香環が連結された多価フェノール化合物)等の多価フェノール化合物が挙げられる。
エポキシ樹脂(D)を用いる場合、必要に応じて本発明の硬化性樹脂組成物に硬化促進剤を適宜併用することもできる。前記硬化促進剤としては種々のものが使用できるが、例えば、リン系化合物、第3級アミン、イミダゾール、有機酸金属塩、ルイス酸、アミン錯塩等が挙げられる。特に半導体封止材料用途として使用する場合には、硬化性、耐熱性、電気特性、耐湿信頼性等に優れる点から、リン系化合物ではトリフェニルフォスフィン、第3級アミンでは1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−ウンデセン(DBU)が好ましい。
以上詳述した本発明の硬化性樹脂組成物は、特にプリント配線基板用ワニスにする場合、上記各成分の他に有機溶剤(E)を配合することが好ましい。ここで使用し得る前記有機溶剤(E)としては、メチルエチルケトン、アセトン、ジメチルホルムアミド、メチルイソブチルケトン、メトキシプロパノール、シクロヘキサノン、メチルセロソルブ、エチルジグリコールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられ、その選択や適正な使用量は用途によって適宜選択し得るが、例えば、プリント配線板用途では、メチルエチルケトン、アセトン、ジメチルホルムアミド等の沸点が160℃以下の極性溶剤であることが好ましく、また、不揮発分40〜80質量%となる割合で使用することが好ましい。一方、ビルドアップ用接着フィルム用途では、有機溶剤(E)として、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート等の酢酸エステル類、セロソルブ、ブチルカルビトール等のカルビトール類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等を用いることが好ましく、また、不揮発分30〜60質量%となる割合で使用することが好ましい。
また、上記熱硬化性樹脂組成物は、難燃性を発揮させるために、例えばプリント配線板の分野においては、信頼性を低下させない範囲で、実質的にハロゲン原子を含有しない非ハロゲン系難燃剤を配合してもよい。
前記非ハロゲン系難燃剤としては、例えば、リン系難燃剤、窒素系難燃剤、シリコーン系難燃剤、無機系難燃剤、有機金属塩系難燃剤等が挙げられ、それらの使用に際しても何等制限されるものではなく、単独で使用しても、同一系の難燃剤を複数用いても良く、また、異なる系の難燃剤を組み合わせて用いることも可能である。
前記リン系難燃剤としては、無機系、有機系のいずれも使用することができる。無機系化合物としては、例えば、赤リン、リン酸一アンモニウム、リン酸二アンモニウム、リン酸三アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム等のリン酸アンモニウム類、リン酸アミド等の無機系含窒素リン化合物が挙げられる。
また、前記赤リンは、加水分解等の防止を目的として表面処理が施されていることが好ましく、表面処理方法としては、例えば、(i)水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン、酸化ビスマス、水酸化ビスマス、硝酸ビスマス又はこれらの混合物等の無機化合物で被覆処理する方法、(ii)水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン等の無機化合物、及びフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂の混合物で被覆処理する方法、(iii)水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン等の無機化合物の被膜の上にフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂で二重に被覆処理する方法等が挙げられる。
前記有機リン系化合物としては、例えば、リン酸エステル化合物、ホスホン酸化合物、ホスフィン酸化合物、ホスフィンオキシド化合物、ホスホラン化合物、有機系含窒素リン化合物等の汎用有機リン系化合物の他、9,10−ジヒドロ−9−オキサー10−ホスファフェナントレン=10−オキシド、10−(2,5―ジヒドロオキシフェニル)―10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン=10−オキシド、10―(2,7−ジヒドロオキシナフチル)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン=10−オキシド等の環状有機リン化合物、及びそれをエポキシ樹脂やフェノール樹脂等の化合物と反応させた誘導体等が挙げられる。
それらの配合量としては、リン系難燃剤の種類、硬化性樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、非ハロゲン系難燃剤及びその他の充填材や添加剤等全てを配合した硬化性樹脂組成物100質量部中、赤リンを非ハロゲン系難燃剤として使用する場合は0.1〜2.0質量部の範囲で配合することが好ましく、有機リン化合物を使用する場合は同様に0.1〜10.0質量部の範囲で配合することが好ましく、特に0.5〜6.0質量部の範囲で配合することが好ましい。
また前記リン系難燃剤を使用する場合、該リン系難燃剤にハイドロタルサイト、水酸化マグネシウム、ホウ化合物、酸化ジルコニウム、黒色染料、炭酸カルシウム、ゼオライト、モリブデン酸亜鉛、活性炭等を併用してもよい。
前記窒素系難燃剤としては、例えば、トリアジン化合物、シアヌル酸化合物、イソシアヌル酸化合物、フェノチアジン等が挙げられ、トリアジン化合物、シアヌル酸化合物、イソシアヌル酸化合物が好ましい。
前記トリアジン化合物としては、例えば、メラミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、メロン、メラム、サクシノグアナミン、エチレンジメラミン、ポリリン酸メラミン、トリグアナミン等の他、例えば、(i)硫酸グアニルメラミン、硫酸メレム、硫酸メラムなどの硫酸アミノトリアジン化合物、(ii)フェノール、クレゾール、キシレノール、ブチルフェノール、ノニルフェノール等のフェノール類と、メラミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、ホルムグアナミン等のメラミン類およびホルムアルデヒドとの共縮合物、(iii)前記(ii)の共縮合物とフェノールホルムアルデヒド縮合物等のフェノール樹脂類との混合物、(iv)前記(ii)、(iii)を更に桐油、異性化アマニ油等で変性したもの等が挙げられる。
前記シアヌル酸化合物の具体例としては、例えば、シアヌル酸、シアヌル酸メラミン等を挙げることができる。
前記窒素系難燃剤の配合量としては、窒素系難燃剤の種類、硬化性樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、非ハロゲン系難燃剤及びその他の充填材や添加剤等全てを配合した硬化性樹脂組成物100質量部中、0.05〜10質量部の範囲で配合することが好ましく、特に0.1〜5質量部の範囲で配合することが好ましい。
また前記窒素系難燃剤を使用する際、金属水酸化物、モリブデン化合物等を併用してもよい。
前記シリコーン系難燃剤としては、ケイ素原子を含有する有機化合物であれば特に制限がなく使用でき、例えば、シリコーンオイル、シリコーンゴム、シリコーン樹脂等が挙げられる。
前記シリコーン系難燃剤の配合量としては、シリコーン系難燃剤の種類、硬化性樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、非ハロゲン系難燃剤及びその他の充填材や添加剤等全てを配合した硬化性樹脂組成物100質量部中、0.05〜20質量部の範囲で配合することが好ましい。また前記シリコーン系難燃剤を使用する際、モリブデン化合物、アルミナ等を併用してもよい。
前記無機系難燃剤としては、例えば、金属水酸化物、金属酸化物、金属炭酸塩化合物、金属粉、ホウ素化合物、低融点ガラス等が挙げられる。
前記金属水酸化物の具体例としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ドロマイト、ハイドロタルサイト、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化ジルコニウム等を挙げることができる。
前記金属酸化物の具体例としては、例えば、モリブデン酸亜鉛、三酸化モリブデン、スズ酸亜鉛、酸化スズ、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化チタン、酸化マンガン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化モリブデン、酸化コバルト、酸化ビスマス、酸化クロム、酸化ニッケル、酸化銅、酸化タングステン等を挙げることができる。
前記金属炭酸塩化合物の具体例としては、例えば、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸アルミニウム、炭酸鉄、炭酸コバルト、炭酸チタン等を挙げることができる。
前記金属粉の具体例としては、例えば、アルミニウム、鉄、チタン、マンガン、亜鉛、モリブデン、コバルト、ビスマス、クロム、ニッケル、銅、タングステン、スズ等を挙げることができる。
前記ホウ素化合物の具体例としては、例えば、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸、ホウ砂等を挙げることができる。
前記低融点ガラスの具体例としては、例えば、シープリー(ボクスイ・ブラウン社)、水和ガラスSiO−MgO−HO、PbO−B系、ZnO−P−MgO系、P−B−PbO−MgO系、P−Sn−O−F系、PbO−V−TeO系、Al−HO系、ホウ珪酸鉛系等のガラス状化合物を挙げることができる。
前記無機系難燃剤の配合量としては、無機系難燃剤の種類、硬化性樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、非ハロゲン系難燃剤及びその他の充填材や添加剤等全てを配合した硬化性樹脂組成物100質量部中、0.05〜20質量部の範囲で配合することが好ましく、特に0.5〜15質量部の範囲で配合することが好ましい。
前記有機金属塩系難燃剤としては、例えば、フェロセン、アセチルアセトナート金属錯体、有機金属カルボニル化合物、有機コバルト塩化合物、有機スルホン酸金属塩、金属原子と芳香族化合物又は複素環化合物がイオン結合又は配位結合した化合物等が挙げられる。
前記有機金属塩系難燃剤の配合量としては、有機金属塩系難燃剤の種類、硬化性樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、非ハロゲン系難燃剤及びその他の充填材や添加剤等全てを配合した硬化性樹脂組成物100質量部中、0.005〜10質量部の範囲で配合することが好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物には、必要に応じて無機質充填材を配合することができる。前記無機質充填材としては、例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、窒化珪素、水酸化アルミ等が挙げられる。前記無機充填材の配合量を特に大きくする場合は溶融シリカを用いることが好ましい。前記溶融シリカは破砕状、球状のいずれでも使用可能であるが、溶融シリカの配合量を高め且つ成形材料の溶融粘度の上昇を抑制するためには、球状のものを主に用いる方が好ましい。更に球状シリカの配合量を高めるためには、球状シリカの粒度分布を適当に調整することが好ましい。その充填率は難燃性を考慮して、高い方が好ましく、硬化性樹脂組成物の全体量に対して20質量%以上が特に好ましい。また導電ペーストなどの用途に使用する場合は、銀粉や銅粉等の導電性充填剤を用いることができる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、シランカップリング剤、離型剤、顔料、乳化剤等の種々の配合剤を添加することができる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、上記した各成分を均一に混合することにより得られる。本発明のエポキシ樹脂、硬化剤、更に必要により硬化促進剤の配合された本発明の硬化性樹脂組成物は従来知られている方法と同様の方法で容易に硬化物とすることができる。該硬化物としては積層物、注型物、接着層、塗膜、フィルム等の成形硬化物が挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物が用いられる用途としては、半導体封止材料、プリント配線板材料、樹脂注型材料、接着剤、ビルドアップ基板用層間絶縁材料、ビルドアップ用接着フィルム等が挙げられる。また、これら各種用途のうち、プリント配線板や電子回路基板用絶縁材料、ビルドアップ用接着フィルム用途では、コンデンサ等の受動部品やICチップ等の能動部品を基板内に埋め込んだ所謂電子部品内蔵用基板用の絶縁材料として用いることができる。これらの中でも、高耐熱性、低熱膨張性、及び溶剤溶解性といった特性からプリント配線板材料やビルドアップ用接着フィルムに用いることが好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物から半導体封止材料を調整するには、前記シアン酸エステル樹脂(A)、及び硬化促進剤(B)、及び無機充填剤等の配合剤とを必要に応じて押出機、ニ−ダ、ロ−ル等を用いて均一になるまで充分に溶融混合して得ることができる。その際、無機充填剤としては、通常、溶融シリカが用いられるが、パワートランジスタ、パワーIC用高熱伝導半導体封止材としては、溶融シリカよりも熱伝導率の高い結晶シリカ,アルミナ,窒化ケイ素などの高充填化、または溶融シリカ、結晶性シリカ、アルミナ、窒化ケイ素などが挙げられる。その充填率は硬化性樹脂組成物100質量部当たり、無機充填剤を30〜95質量%の範囲が用いることが好ましく、中でも、難燃性や耐湿性や耐ハンダクラック性の向上、線膨張係数の低下を図るためには、70質量部以上が特に好ましく、それらの効果を格段に上げるためには、80質量部以上が一層その効果を高めることができる。半導体パッケージ成形としては、該組成物を注型、或いはトランスファー成形機、射出成形機などを用いて成形し、さらに50〜200℃で2〜10時間に加熱することにより成形物である半導体装置を得る方法が挙げられる。
ここで、本発明の硬化性樹脂組成物からプリント回路基板を製造するには、前記有機溶剤(E)を含むワニス状の硬化性樹脂組成物を、更に有機溶剤(E)を配合してワニス化した樹脂組成物を、補強基材に含浸し銅箔を重ねて加熱圧着させる方法が挙げられる。ここで使用し得る補強基材は、紙、ガラス布、ガラス不織布、アラミド紙、アラミド布、ガラスマット、ガラスロービング布などが挙げられる。かかる方法を更に詳述すれば、先ず、前記したワニス状の硬化性樹脂組成物を、用いた溶剤種に応じた加熱温度、好ましくは50〜170℃で加熱することによって、硬化物であるプリプレグを得る。この時用いる樹脂組成物と補強基材の質量割合としては、特に限定されないが、通常、プリプレグ中の樹脂分が20〜60質量%となるように調製することが好ましい。次いで、上記のようにして得られたプリプレグを、常法により積層し、適宜銅箔を重ねて、1〜10MPaの加圧下に170〜300℃で10分〜3時間、加熱圧着させることにより、目的とするプリント回路基板を得ることができる。
本発明の硬化性樹脂組成物を導電ペーストとして使用する場合には、例えば、微細導電性粒子を該硬化性樹脂組成物中に分散させ異方性導電膜用組成物とする方法、室温で液状である回路接続用ペースト樹脂組成物や異方性導電接着剤とする方法が挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物からビルドアップ基板用層間絶縁材料を得る方法としては例えば、ゴム、フィラーなどを適宜配合した当該硬化性樹脂組成物を、回路を形成した配線基板にスプレーコーティング法、カーテンコーティング法等を用いて塗布した後、硬化させる。その後、必要に応じて所定のスルーホール部等の穴あけを行った後、粗化剤により処理し、その表面を湯洗することによって、凹凸を形成させ、銅などの金属をめっき処理する。前記めっき方法としては、無電解めっき、電解めっき処理が好ましく、また前記粗化剤としては酸化剤、アルカリ、有機溶剤等が挙げられる。このような操作を所望に応じて順次繰り返し、樹脂絶縁層及び所定の回路パターンの導体層を交互にビルドアップして形成することにより、ビルドアップ基盤を得ることができる。但し、スルーホール部の穴あけは、最外層の樹脂絶縁層の形成後に行う。また、銅箔上で当該樹脂組成物を半硬化させた樹脂付き銅箔を、回路を形成した配線基板上に、170〜300℃で加熱圧着することで、粗化面を形成、メッキ処理の工程を省き、ビルドアップ基板を作製することも可能である。
本発明の硬化性樹脂組成物からビルドアップフィルムを製造する方法は、例えば、本発明の硬化性樹脂組成物を、支持フィルム上に塗布し樹脂組成物層を形成させて多層プリント配線板用のビルドアップフィルムとする方法が挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物をビルドアップフィルムに用いる場合、該フィルムは、真空ラミネート法におけるラミネートの温度条件(通常70℃〜140℃)で軟化し、回路基板のラミネートと同時に、回路基板に存在するビアホール或いはスルーホール内の樹脂充填が可能な流動性(樹脂流れ)を示すことが肝要であり、このような特性を発現するよう上記各成分を配合することが好ましい。
ここで、多層プリント配線板のスルーホールの直径は通常0.1〜0.5mm、深さは通常0.1〜1.2mmであり、通常この範囲で樹脂充填を可能とするのが好ましい。なお回路基板の両面をラミネートする場合はスルーホールの1/2程度充填されることが望ましい。
上記した接着フィルムを製造する方法は、具体的には、ワニス状の本発明の硬化性樹脂組成物を調製した後、支持フィルム(Y)の表面に、このワニス状の組成物を塗布し、更に加熱、あるいは熱風吹きつけ等により有機溶剤を乾燥させて硬化性樹脂組成物の層(X)を形成させることにより製造することができる。
形成される層(X)の厚さは、通常、導体層の厚さ以上とする。回路基板が有する導体層の厚さは通常5〜70μmの範囲であるので、樹脂組成物層の厚さは10〜100μmの厚みを有するのが好ましい。
なお、本発明における層(X)は、後述する保護フィルムで保護されていてもよい。保護フィルムで保護することにより、樹脂組成物層表面へのゴミ等の付着やキズを防止することができる。
前記した支持フィルム及び保護フィルムは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」と略称することがある。)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、更には離型紙や銅箔、アルミニウム箔等の金属箔などを挙げることができる。なお、支持フィルム及び保護フィルムはマッド処理、コロナ処理の他、離型処理を施してあってもよい。
支持フィルムの厚さは特に限定されないが、通常10〜150μmであり、好ましくは25〜50μmの範囲で用いられる。また保護フィルムの厚さは1〜40μmとするのが好ましい。
上記した支持フィルム(Y)は、回路基板にラミネートした後に、或いは加熱硬化することにより絶縁層を形成した後に、剥離される。接着フィルムを加熱硬化した後に支持フィルム(Y)を剥離すれば、硬化工程でのゴミ等の付着を防ぐことができる。硬化後に剥離する場合、通常、支持フィルムには予め離型処理が施される。
次に、上記のようして得られた接着フィルムを用いて多層プリント配線板を製造する方法は、例えば、層(X)が保護フィルムで保護されている場合はこれらを剥離した後、層(X)を回路基板に直接接するように、回路基板の片面又は両面に、例えば真空ラミネート法によりラミネートする。ラミネートの方法はバッチ式であってもロールでの連続式であってもよい。またラミネートを行う前に接着フィルム及び回路基板を必要により加熱(プレヒート)しておいてもよい。
ラミネートの条件は、圧着温度(ラミネート温度)を好ましくは70〜140℃、圧着圧力を好ましくは1〜11kgf/cm2(9.8×104〜107.9×104N/m2)とし、空気圧20mmHg(26.7hPa)以下の減圧下でラミネートすることが好ましい。
本発明の硬化物を得る方法としては、一般的な硬化性樹脂組成物の硬化方法に準拠すればよいが、例えば加熱温度条件は、組み合わせる硬化剤の種類や用途等によって、適宜選択すればよいが、上記方法によって得られた組成物を、20〜300℃程度の温度範囲で加熱すればよい。
次に本発明を実施例、比較例により具体的に説明するが、以下において「部」及び「%」は特に断わりのない限り質量基準である。尚、150℃における溶融粘度及びGPC、NMR、MSスペクトルは以下の条件にて測定した。
実施例、比較例により具体的に説明する。尚、180℃における溶融粘度、軟化点、リン含有量、GPC測定、NMR、MSスペクトルは以下の条件にて測定した。
1)180℃における溶融粘度:ASTM D4287に準拠
2)軟化点測定法:JIS K7234
3)GPC:測定条件は以下の通り。
測定装置 :東ソー株式会社製「HLC−8220 GPC」、
カラム:東ソー株式会社製ガードカラム「HXL−L」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G2000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G2000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G3000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G4000HXL」
検出器: RI(示差屈折径)
データ処理:東ソー株式会社製「GPC−8020モデルIIバージョン4.10」
測定条件: カラム温度 40℃
展開溶媒 テトラヒドロフラン
流速 1.0ml/分
標準 : 前記「GPC−8020モデルIIバージョン4.10」の測定マニュアルに準拠して、分子量が既知の下記の単分散ポリスチレンを用いた。
(使用ポリスチレン)
東ソー株式会社製「A−500」
東ソー株式会社製「A−1000」
東ソー株式会社製「A−2500」
東ソー株式会社製「A−5000」
東ソー株式会社製「F−1」
東ソー株式会社製「F−2」
東ソー株式会社製「F−4」
東ソー株式会社製「F−10」
東ソー株式会社製「F−20」
東ソー株式会社製「F−40」
東ソー株式会社製「F−80」
東ソー株式会社製「F−128」
試料 : 樹脂固形分換算で1.0質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(50μl)。
4)NMR:日本電子製JNM―ECA500型核磁気共鳴装置
磁場強度:500MHz
パルス幅:3.25μsec
積算回数:8000回
溶媒:DMSO−d6
試料濃度:30質量%
5)MS :島津バイオテック製 AXIMA―TOF2
測定モード:linear
積算回数:50回
試料組成:sample/DHBA/NaTFA/THF=9.4mg/104.7mg/6.3mg/1ml
n=2以上の成分比率は、GPCチャートの36.0分未満のピーク面積を基に算出した。
合成例1
温度計、滴下ロート、冷却管、分留管、撹拌器を取り付けたフラスコに、2,7−ジヒドロキシナフタレンを160g(1.0モル)、ベンジルアルコール25g(0.25モル)、キシレン160g、パラトルエンスルホン酸・1水和物2gを仕込み、室温下、窒素を吹き込みながら撹拌した。その後、140℃に昇温し、生成する水を系外に留去しながら4時間攪拌した(同時に留去するキシレンは系内に戻す)。その後、150℃に昇温し、生成する水とキシレンを系外に留去しながら3時間攪拌した。反応終了後、20%水酸化ナトリウム水溶液2gを添加して中和した後、水分およびキシレンを減圧下除去してフェノール性水酸基含有樹脂(A−1)を178g得た。得られたフェノール性水酸基含有樹脂(A−1)は褐色固体であり、水酸基当量は178グラム/当量、軟化点は130℃であった。
得られたフェノール性水酸基含有樹脂(A−1)のGPCチャートを図1に示す。
フェノール性水酸基含有樹脂(A−1)のMS(図2)及び13C−NMRによる構造解析を行うと共に、更に、トリメチルシリル化法によるMS(図3)の測定に用いるため、フェノール性水酸基含有樹脂(A−1)をトリメチルシリル化し、次いで、MSより以下のa.〜f.のピークを確認した。
a.2,7−ジヒドロキシナフタレン(Mw:160)にベンジル基(分子量Mw:90)が1個付加したピーク(M=250)、更にベンジル基(分子量Mw:90)が2個付加したピーク(M=340)。
従って2,7−ジヒドロキシナフタレン1モルにベンジル基が1モル結合した構造の化合物および2モル結合した構造の化合物であることを確認した。
b.2,7−ジヒドロキシナフタレン2量体のピーク(M=302)、更に、これにトリメチルシリル基(分子量Mw:72)が2個付加したピーク(M=446)。
従って、b.は、2,7−ジヒドロキシナフタレン2量体エーテル化合物であることを確認した。
c.2,7−ジヒドロキシナフタレン3量体のピーク(M=444)、更に、これにトリメチルシリル基(分子量Mw:72)が2個付加したピーク(M=588)及び3個付加したピーク(M=660)。
従って、c.は、2,7−ジヒドロキシナフタレン3量体エーテル化合物および2,7−ジヒドロキシナフタレン2量体エーテルの1モルに2,7−ジヒドロキシナフタレンが1モル核脱水して生成した構造の3量体化合物であることを確認した。
d.2,7−ジヒドロキシナフタレン4量体のピーク(M=586)、更に、これにトリメチルシリル基(分子量Mw:72)が2個付加したピーク(M=730)及び3個付加したピーク(M=802)。
従って、d.は、2,7−ジヒドロキシナフタレン4量体エーテル化合物および2,7−ジヒドロキシナフタレン3量体エーテルの1モルに2,7−ジヒドロキシナフタレンが1モル核脱水して生成した構造の4量体化合物であることを確認した。
e .2,7−ジヒドロキシナフタレン5量体のピーク(M=729)、更に、これにトリメチルシリル基(分子量Mw:72)が2個付加したピーク(M=873)及び3個付加したピーク(M=944)及び4個付加したピーク(M=1016)。
従って、e.は、2,7−ジヒドロキシナフタレン5量体エーテル化合物および2,7−ジヒドロキシナフタレン4量体エーテルの1モルに2,7−ジヒドロキシナフタレンが1モル核脱水して生成した構造の5量体化合物および2,7−ジヒドロキシナフタレン3量体エーテルの1モルに2,7−ジヒドロキシナフタレンが2モル核脱水して生成した構造の5量体化合物であることを確認した。
f .b〜eのそれぞれにベンジル基(分子量Mw:90)が1個付加したピーク、更にベンジル基(分子量Mw:90)が2個付加したピーク。
従ってb〜eのそれぞれに1モルにベンジル基が1モル結合した構造の化合物および2モル結合した構造の化合物であることを確認した。
合成例2
温度計、滴下ロート、冷却管、分留管、撹拌器を取り付けたフラスコに、2,7−ジヒドロキシナフタレン160g(1.0モル)を仕込み、窒素を吹き込みつつ攪拌しながら200℃に加熱し、溶融させた。溶融後、48%水酸化カリウム水溶液23g(0.2モル)を添加した。その後、分留管を用いて48%水酸化カリウム水溶液由来の水および生成する水を抜き出した後、更に5時間反応させた。反応終了後、更にメチルイソブチルケトン1000gを加え、溶解後、分液ロートに移した。次いで洗浄水が中性を示すまで水洗後、有機層から溶媒を加熱減圧下に除去し、フェノール性水酸基含有樹脂(A−2)150gを得た。得られたフェノール性水酸基含有樹脂(A−2)は褐色固体であり、水酸基当量は120g/eq、融点は179℃であった。図4のGPCチャートより未反応の原料(2,7−ジヒドロキシナフタレン)の残存率はGPCによる面積比で64%であることを確認した。
図5に示すFT−IRチャートの結果より、原料(2,7−ジヒドロキシナフタレン)と比較して芳香族エーテル由来の吸収(1250cm−1)が新たに生成したことが確認され、水酸基同士が脱水エーテル化反応したことが推定された。
図6に示すMSチャートの結果より、2,7−ジヒドキシナフタレンが3分子間脱水して生成した2,7−ジヒドロキシナフタレン3量体構造(Mw:444)および5分子間脱水して生成した2,7−ジヒドロキシナフタレン5量体構造(Mw:728)を確認した。
更に図7に示すトリメチルシリル化法によるMSより2,7−ジヒドロキシナフタレン3量構造(Mw:444)に、トリメチルシリル基分の分子量(Mw:72)が2個(M+=588)、3個(M+=660)付いたピークを確認した。
更に2,7−ジヒドキシナフタレンが5分子間脱水して生成した2,7−ジヒドロキシナフタレン5量構造(Mw:728)に、トリメチルシリル基分の分子量(Mw:72)が3個(M+=945)、4個(M+=1018)付いたピークを確認した。
以上より、フェノール性水酸基含有樹脂(A−2)は、原料の2,7−ジヒドロキシナフタレンの含有率がGPCによる面積比で全体の64%であり、その他は、下記構造式
Figure 0005850228
で表される2,7−ジヒドロキシナフタレン3量体エーテル化合物、
下記構造式
Figure 0005850228
で表される2,7−ジヒドロキシナフタレン2量体エーテルに2,7−ジヒドロキシナフタレンが1分子核脱水して生成した3量体化合物、及び下記構造式
Figure 0005850228
で表される2,7−ジヒドロキシナフタレン3量体エーテルに2,7−ジヒドロキシナフタレンが2分子核脱水して生成した5量体化合物となっていることが解析された。
実施例1 シアン酸エステル樹脂(B−1)の合成
滴下ロート、温度計、攪拌装置、加熱装置、冷却還流管を取り付けた4つ口フラスコに窒素ガスを流しながら、臭化シアン106g(1.0モル)と合成例1で合成したフェノール性水酸基含有樹脂(A−1)89.0g(0.5モル)を仕込みアセトン1000gに溶解させた後、−3℃に冷却した。次に、トリエチルアミン111g(1.1モル)を滴下ロートに仕込み、攪拌しながらフラスコ内温が10℃以上にならない様な速度で滴下した。滴下終了後、2時間10℃以下の温度下で攪拌し、生じた沈澱を濾過により除いた。その後、アセトンを除去、塩化メチレン1000gを加え、水洗することにより樹脂を得た。IRスペクトルは2260cm−1(シアナト基)の吸収を示し、かつ水酸基の吸収は示さず、またマススペクトルはM=300、494、519などのピークを示したことから、目的のシアン酸エステル樹脂(B−1)であることが確認された。シアナト基当量は203グラム/当量、軟化点は100℃であった。
実施例2 シアン酸エステル樹脂(B−2)の合成
実施例1のフェノール性水酸基含有樹脂(A−1)89.0g(0.5モル)をフェノール性水酸基含有樹脂(A−2)60.0g(0.5モル)に変更する以外は、実施例1と同様の操作で、シアン酸エステル樹脂(B−2)を得た。IRスペクトルは2260cm−1(シアナト基)の吸収を示し、かつ水酸基の吸収は示さず、またマススペクトルはM=210,494、519などのピークを示したことから、目的のシアン酸エステル樹脂(B−2)であることを確認した。シアナト基当量は145グラム/当量、軟化点は150℃であった。
実施例3、4 組成物及び成形物の作成
実施例1、2で得られたシアン酸エステル樹脂(B−1)、(B−2)、エポキシ樹脂としてクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製「EPICLON N−680」)、水酸化アルミニウム(住友化学株式会社製 「CL303」)、溶融シリカ(電気化学株式会社製 「FB3SDC」)、ジメチルベンジルアミン、オクチル酸亜鉛を表1に示したとおりに混合し、プレスで200℃の温度で10分間成型した後、250℃の温度で5時間後硬化して厚さ0.8mmの硬化物を得た。得られた硬化物の物性評価結果を表1に示す。
比較例1 組成物及び成形物の作成
比較用にシアン酸エステル樹脂としてフェノールノボラック型シアン酸エステル樹脂(ロンザ製「PT−30」)、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)プロパン(三菱ガス化学株式会社製「BT2070」)、エポキシ樹脂としてクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製 EPICLON N−680、表中「N−680」と表記する)、水酸化アルミニウム(住友化学株式会社製 「CL303」)、溶融シリカ(電気化学株式会社製 「FB3SDC」)、ジメチルベンジルアミン、オクチル酸亜鉛を表1に示したとおりに混合して、プレスで200℃の温度で10分間成型した後、250℃の温度で5時間後硬化して厚さ0.8mmの硬化物を得た。得られた硬化物の物性評価結果を表1に示す。
<ガラス転移温度>
厚さ0.8mmの硬化物を幅5mm、長さ54mmのサイズに切り出し、これを試験片1とした。この試験片1を粘弾性測定装置(DMA:レオメトリック社製固体粘弾性測定装置「RSAII」、レクタンギュラーテンション法:周波数1Hz、昇温速度3℃/分)を用いて、弾性率変化が最大となる(tanδ変化率が最も大きい)温度をガラス転移温度として評価した。
<誘電正接の測定>
JIS−C−6481に準拠し、アジレント・テクノロジー株式会社製インピーダンス・マテリアル・アナライザ「HP4291B」により、絶乾後23℃、湿度50%の室内に24時間保管した後の試験片1の1GHzでの誘電正接を測定した。
<耐吸湿性>
厚さ0.8mmの硬化物を幅25mm、長さ75mmのサイズに切り出し、試験片2とした。この試験片2を用いて85℃/85%RHの雰囲気下168時間放置し、処理前後の重量変化を測定した
<ハンダリフロー性>
試験片2を10個作成した後、85℃/85%RHの雰囲気下168時間放置し、吸湿処理を行った後、これを260℃のハンダ浴に10秒間浸漬させた際、クラックの発生した試験片の数を数えた。
<難燃性>
厚さ0.8mmの硬化物を幅12.7mm、長さ127mmに切り出し、試験片3とした。この試験片3を用いてUL−94試験法に準拠し、試験片5本を用いて、燃焼試験を行った。
*1:試験片5本の合計燃焼時間(秒)
*2:1回の接炎における最大燃焼時間(秒)
Figure 0005850228

表1の脚注:
B−1:実施例1で得られたシアン酸エステル樹脂(B−1)
B−2:実施例2で得られたシアン酸エステル樹脂(B−2)
N−680:クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製「EPICLON N−680」、軟化点87℃)
BT−2070:2,2−ビス(4−シアナトフェニル)プロパン(三菱ガス化学株式会社製「BT2070」)
PT−30:フェノールノボラック型シアン酸エステル樹脂(ロンザ製「PT−30」)
CL303:水酸化アルミニウム(住友化学株式会社製 「CL303」)
FB3SDC:溶融シリカ(電気化学株式会社製 「FB3SDC」)

Claims (19)

  1. ポリアリーレンエーテル構造(I)と該構造(I)の芳香核にシアナト基を有する樹脂構造を持つシアン酸エステル樹脂(A)、及び硬化促進剤(B)を必須成分とし、
    前記シアン酸エステル樹脂(A)が、ナフチレンオキシ構造をポリアリーレンエーテル構造(I)として有することを特徴とする硬化性樹脂組成物。
  2. 前記シアン酸エステル樹脂(A)が、その軟化点が70〜200℃の範囲にあるものである請求項1記載の硬化性樹脂組成物。
  3. 前記シアン酸エステル樹脂(A)が、下記構造式1
    Figure 0005850228
    [式中、R及びRは各々独立して、メチル基又は水素原子であり、Arは、フェニレン基、炭素原子数1〜4のアルキル基の1〜3つで核置換されたフェニレン基、ナフチレン基、炭素原子数1〜4のアルキル基の1〜3つで核置換されたナフチレン基、nは1又は2の整数である。]で表される構造部位(α)を前記ポリアリーレンエーテル構造(I)の芳香核上の置換基として持つものである請求項1記載の硬化性樹脂組成物。
  4. 前記シアン酸エステル樹脂(A)が、下記構造式2
    Figure 0005850228
    (式中、Xは水素原子、又はオキシナフチル基を表す。nは2〜5の整数である。)
    で表されるナフチレンエーテル構造部位(α)を有し、かつ、その両末端にシアナト基を有するものである請求項1記載の硬化性樹脂組成物。
  5. 前記シアン酸エステル樹脂(A)が、シアナト基当量110〜300g/eq.の範囲にあるものである請求項1記載の硬化性樹脂組成物。
  6. 前記シアン酸エステル樹脂(A)及び前記硬化促進剤(B)に加え、更にビスマレイミド(C)を含む請求項1記載の硬化性樹脂組成物。
  7. 前記シアン酸エステル樹脂(A)及び前記硬化促進剤(B)に加え、更にエポキシ樹脂(D)を含む請求項1記載の硬化性樹脂組成物。
  8. ポリアリーレンエーテル構造(I)と該構造(I)の芳香核にシアナト基を有する樹脂構造を持つシアン酸エステル樹脂(A)であり、
    前記シアン酸エステル樹脂(A)が、ナフチレンオキシ構造をポリアリーレンエーテル構造(I)として有することを特徴とするシアン酸エステル樹脂。
  9. 下記構造式1
    Figure 0005850228
    [式中、R1及びR2は各々独立して、メチル基又は水素原子であり、Arは、フェニレン基、炭素原子数1〜4のアルキル基の1〜3つで核置換されたフェニレン基、ナフチレン基、炭素原子数1〜4のアルキル基の1〜3つで核置換されたナフチレン基、nは1又は2の整数である。]で表される構造部位(α)を前記ポリアリーレンエーテル構造(I)の芳香核上の置換基として持つものである請求項8記載のシアン酸エステル樹脂。
  10. 前記シアン酸エステル樹脂(A)が、下記構造式2
    Figure 0005850228
    (式中、Xは水素原子、又はオキシナフチル基を表す。nは2〜5の整数である。)
    で表されるナフチレンエーテル構造部位(α)を有し、かつ、その両末端にシアナト基を有するものである請求項8記載のシアン酸エステル樹脂。
  11. 前記シアン酸エステル樹脂(A)が、シアナト基当量110〜300g/eq.の範囲にあるものである請求項8記載のシアン酸エステル樹脂。
  12. 請求項1〜7の何れか1つに記載の硬化性樹脂組成物を硬化反応させてなることを特徴とする硬化物。
  13. 請求項1〜5の何れか1つに記載の硬化性樹脂組成物におけるシアン酸エステル樹脂(A)、及び硬化促進剤(B)に加え、更に無機質充填剤を組成物中70〜95質量%となる割合で含有する硬化性樹脂組成物からなることを特徴とする半導体封止材料。
  14. 請求項1〜7の何れか1つに記載の硬化性樹脂組成物と補強基材を有する含浸基材の半硬化物であるプリプレグ。
  15. 請求項1〜7の何れか1つに記載の硬化性樹脂組成物の板状賦形物と銅箔とからなる回路基板。
  16. 請求項1〜7の何れか1つに記載の硬化性樹脂組成物の硬化物と基材フィルムとからなるビルドアップフィルム。
  17. 請求項1〜7の何れか1つに記載の硬化性樹脂組成物を有機溶剤に希釈したものを補強基材に含浸し、得られる含浸基材を半硬化させるプリプレグの製造方法
  18. 請求項1〜7の何れか1つに記載の硬化性樹脂組成物を有機溶剤に希釈したワニスを得、これを板状に賦形したものと銅箔とを加熱加圧成型する回路基板の製造方法
  19. 請求項1〜7の何れか1つに記載の硬化性樹脂組成物を有機溶剤に希釈したものを基材フィルム上に塗布し、乾燥させるビルドアップフィルムの製造方法
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