JPH09104753A - 成形品の製造方法 - Google Patents

成形品の製造方法

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JPH09104753A
JPH09104753A JP28780495A JP28780495A JPH09104753A JP H09104753 A JPH09104753 A JP H09104753A JP 28780495 A JP28780495 A JP 28780495A JP 28780495 A JP28780495 A JP 28780495A JP H09104753 A JPH09104753 A JP H09104753A
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JP
Japan
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group
cyanate ester
cyanate
resin
substituted
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Pending
Application number
JP28780495A
Other languages
English (en)
Inventor
Kiyoyuki Minamimura
清之 南村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP28780495A priority Critical patent/JPH09104753A/ja
Publication of JPH09104753A publication Critical patent/JPH09104753A/ja
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  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 シアン酸エステル樹脂または樹脂組成物酸の
成形品の生産性のすぐれた製造方法を提供する。 【構成】 シアン酸エステル樹脂または樹脂組成物を事
実上常温下で圧縮成形したのち焼結する成形品の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形性が優れたシアン
酸エステル樹脂および樹脂組成物の成形品の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子工業や通信、コンピューター
などの分野において使用される周波数はメガ、ギカヘル
ツ帯のような高周波領域になりつつある。このような高
周波領域で用いられる電気用積層板などの絶縁層には低
誘電率、低誘電正接の材料が求められている。
【0003】このため各種の低誘電率、低誘電正接樹脂
が開発されてきた。中でもシアン酸エステル樹脂系は熱
硬化性樹脂のなかでは誘電率、誘電正接が優れている。
例えば、ビスフェノールAのジシアン酸エステルは積層
板用のマトリックス樹脂にすでに使用されている。ま
た、特開昭63−250359にはフッソ含有ジシアン
酸エステルが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のシアン酸エステ
ル樹脂は、一般的な熱硬化型の成形方法のように圧縮加
熱成形や注型成形が一般的である。しかし、シアン酸エ
ステルはその特徴から例えばエポキシ樹脂等と比べて、
成形温度が高いために金型温度が高くなり、成形品の収
縮が多くなったり、金型の劣化が激しい等の問題点があ
った。また、シアン酸エステル樹脂は金属などとの接着
性が高いため、金型の離型性が悪い等の問題点があっ
た。また、樹脂成形時には樹脂が流れるためばりが発生
するという問題点も有していた。
【0005】そこで本発明は、これら従来の成形法がも
つ問題点を解決し、成形性の優れたシアン酸エステル樹
脂および樹脂組成物の成形品の製造方法を提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる課題
を鑑み鋭意検討の結果、圧縮成形を実質的に常温でおこ
ない成形品を作製した後焼結する事により金型の加熱を
行わず、かつ離型性に問題なくバリもできない生産性の
非常に高い成形方法を見いだした。
【0007】すなわち本発明はシアン酸エステル樹脂ま
たは樹脂組成物を圧縮成形したのち焼結することを特徴
とする成形品の製造方法に関する。さらには、シアン酸
エステル樹脂または樹脂組成物の転化率が60%〜98
%、さらに好ましくは75%〜95%であることを特徴
とする成形品の製造方法に関する。又さらにはシアン酸
エステル樹脂または樹脂組成物にフッ素樹脂またはシリ
コーン0.01〜5重量%を添加してなることを特徴と
する成形品の製造方法に関する。また、シアン酸エステ
ル樹脂または組成物が(a)、(b)、(c)または
(d)に示されるような成形品の製造方法に関する。 (a)下記の一般式Iで表される芳香族ジシアン酸エス
テルおよび/または該ジアン酸エステルの混合物
【0008】
【化6】
【0009】(R1、R2、R3およびR4は同一でも
異なってもよく、水素、アルキル基、パーフルオロアル
キル基、アリール基またはハロゲンであり、Aは単結
合、未置換メチレン基、水素原子の1つまたは2つをア
ルキル基、パーフルオロアルキル基、および/またはア
リール基で置換した置換メチレン基、5員もしくは6員
の環状脂肪族基、スルホン基、2価の硫黄、酸素、2価
のカルボニル基、メチレン基が置換又は未置換のキシリ
レン基またはフェニレン基である。) (b)下記一般式IIで表される芳香族単官能シアン酸エ
ステル2〜45モル%および下記一般式III で表される
2官能シアン酸エステルあるいは該2官能シアン酸エス
テルプレポリマーの55〜98モル%(2官能シアン酸
エステルモノマーに換算した値)の混合物。
【0010】
【化7】
【0011】(Ra、RbおよびRcは同一でも異なっ
ていてもよく、水素、アルキル基、アリール基、ハロゲ
ンであり、Ra、Rb、Rcのうち少なくとも1つ以上
がハロゲンである。)
【0012】
【化8】
【0013】(R5とR6は同一でも異なってもよく、
水素、アルキル基、パーフルオロアルキル基、アリール
基であり、Bは単結合、未置換メチレン基、水素原子の
1つまたは2つをアルキル基、パーフルオロアルキル
基、および/またはアリール基で置換した置換メチレン
基、5員もしくは6員の環状脂肪族基、スルホン基、2
価の硫黄、酸素、2価のカルボニル基、テトラメチルキ
シリデン基またはフェニレン基である。) (c)下記一般式IVで表される芳香族単官能シアン酸エ
ステル2〜45モル%および下記一般式Vで表される2
官能シアン酸エステルあるいは該2官能シアン酸エステ
ルプレポリマーの55〜98モル%(2官能シアン酸エ
ステルモノマーに換算した値)の混合物。
【0014】
【化9】
【0015】(Rd、Re、Rf、Rgは同一でも異な
っていてもよく、Rdは水素、アルキル基、アリール基
であり、Re、RfおよびRgは水素、アルキル基、ア
リール基、クミル基、1−メチルベンジル基である。)
【0016】
【化10】
【0017】(R7とR8は同一でも異なってもよく、
水素、アルキル基、パーフルオロアルキル基、アリール
基であり、Cは単結合、未置換メチレン基、水素原子の
1つまたは2つをアルキル基、パーフルオロアルキル
基、および/またはアリール基で置換した置換メチレン
基、5員もしくは6員の環状脂肪族基、スルホン基、2
価の硫黄、酸素、2価のカルボニル基、メチレン基が置
換または未置換のキシリレン基またはフェニレン基であ
る。) (d)(i)2,2’−ジシアナトフェニルメタン(i
i)2,4’−ジシアナトジフェニルメタン、または(i
ii )2,2’−ジシアナトフェニルメタンと、2,
4’−ジシアナトジフェニルメタンの混合物のいずれか
のシアン酸エステル成分をシアン酸エステルモノマーに
換算してモル百分率で50%以上含むもの。本発明で用
いられるシアン酸エステル樹脂または組成物は特に制限
はないが例えば、1,3−又は1,4−ジシアノベンゼ
ン、2−テトラブチル−1,4−ジシアノベンゼン、
2,4−ジメチル−1,3−ジシアノベンゼン、2,5
−ジ−テトラブチル−1,4−ジシアノベンゼン、4−
クロロ−1,3−ジシアノベンゼン、1,3,5−トリ
シアノベンゼン、2,2’−又は4,4’−ジシアノビ
フェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,
4’−ジシアノビフェニル1,3−、1,4−、1,5
−、1,6−、1,8−、2,6−又は2,7−ジシア
ナトナフタレン、1,3,6−トリシアナトナフタレ
ン、4,4’−ジシアナトジフェニルメタン、ビス(3
−メチル−4−シアナトフェニル)メタン、ビス(3,
5−ジメチル−4−シアナトフェニル)メタン、ビス
(3,5−ジブロモ−4−シアナトフェニルメタン、ビ
ス(3,5−ジクロロ−4−シアナトフェニル)メタ
ン、ビス(4−シアナトフェニル)エタン、2,2−ビ
ス(4−シアナトフェニル)プロパン、2,2−ビス
(3,5−ジメチル−4−シアナトフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(3−メチル−4−シアナトフェニ
ル)プロパン、4,4’−ジシアナトジフェニルチオエ
ーテル、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)パーフ
ルオロプロパン、1,1−ビス(4−シアナトフェニ
ル)エタン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−シ
アナトフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジ
ブロモ−4−シアナトフェニル)プロパン、ビス(4−
シアントフェニル)ケトン、ビス(4−シアントフェニ
ル)スルホン、トリス(4−シアナトフェニル)ホスフ
ァイトおよびトリス(4−シアントフェニル)ホスフェ
ートなどがある。
【0018】さらに特開平4−221355に開示され
ているような4,4’−〔1,3−フェニレンビス(1
−メチルエチリデン)〕ビスフェニルシアネートなど、
また、特表昭61−500434に開示されているよう
な式VIで表されるような多環脂肪族基を含有するポリ芳
香族シアネート、
【0019】
【化11】
【0020】特表平2−503003に開示されている
ようなジシクロペンタジエンとフェノールの重合体のシ
アン酸エステルと各オルト位がメチル基で置換された単
官能フェノールのシアン酸エステルのブレンド硬化物、
登録1012181に開示されているビフェニル型ポリ
カーボネートオリゴマーから誘導されるシアン化ビフェ
ニル型ポリカーボネートオリゴマー、特開昭63−22
821に開示されているようなトリス(シアナトフェニ
ル)アルカンとビス(シアナトフェニル)アルカンとの
ブレンド物、特開平3−66653に開示されているよ
うなフェノールノボラック系シアネートエステルなども
有用である。
【0021】なかでも誘電特性が良いと言う意味で特開
平5−301852、特開平6−49205、特開平6
−73177、特開平6−122763等に記載されて
いるシアン酸エステル樹脂および組成物が好ましい。本
発明ではシアン酸エステル樹脂または樹脂組成物
(a)、(b)、(c)または(d)で示される。
【0022】例えば本発明の(a)は以下の一般式Iで
表される芳香族ジシアン酸エステルおよび/または該ジ
アン酸エステルの混合物である。
【0023】
【化12】
【0024】ジシアン酸エステルのR1,R2,R3,
R4は同一でも異なっても良い。R1,R2及びR3,
R4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−
プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチ
ル基、tert−ブチル基及び異性体ペンチル基などを
用いることができる。なかでもC1〜C4のアルキル基
が好ましい。さらに好ましくは、メチル基、エチル基、
イソプロピル基、tert−ブチル基である。
【0025】パーフルオロアルキル基としてはパーフル
オロメチル基、パーフルオロエチル基等を用いることが
出来る。なかでも、C1〜C4のパーフルオロアルキル
基が好ましい。R3及びR4は水素である場合も重要で
ある。
【0026】アリール基としては、フェニル基、p−メ
チルフェニル基、o−メチルフェニル基、m−メチルフ
ェニル基やC2〜C4のアルキル基でモノ置換したフェ
ニル基や1−ナフチル基、2−ナフチル基、C1〜C4
のアルキル基で置換されたナフチル基などを用いること
ができる。なかでもフェニル基、C1〜C4のアルキル
基でモノ置換したフェニル基及びC1〜C2のアルキル
基でジ置換したフェニル基が好ましい。さらに好ましく
はフェニル基及びメチル基でモノ置換したフェニル基で
ある。
【0027】Aとしては単結合、未置換メチレン基を用
いることが出来る。水素原子の1つまたは2つをアルキ
ル基、パーフルオロアルキル基、および/またはアリー
ル基で置換した置換メチレン基の例としては、ジメチル
置換メチレン基(イソプロピリデン基)、モノメチル置
換メチレン基(メチルメチレン基)、ジフェニル置換メ
チレン基(ジフェニルメチレン基)、モノフェニル置換
メチレン基(フェニルメチレン基)、フェニルメチルメ
チレン基、エチルメチレン基、ジエチルメチレン基、フ
ェニル(メチル)メチレン基、フェニル(エチル)メチ
レン基やパーフルオロプロピリデン基等を用いることが
出来る。5員もしくは6員の環上脂肪族基としてはシク
ロペンチレン基、シクロヘキレシ基などを用いることが
できる。また、スルホン基、2価の硫黄、2価の酸素、
2価のカルボニル基、メチレン基が置換または未置換の
キシリレン基やフェニレン基も用いることができる。キ
シリレン基とは、2個のメチレン基で置換されたベンゼ
ンのことであり、テトラメチルキシリレン基とは、置換
キシリレン基の1つの例であって2個のイソプロピリデ
ン基で置換されたベンゼンのことである。この中で、好
ましくは未置換メチレン基、イソプロピリデン基、酸
素、硫黄、二価のカルボニル基やテトラメチルキシリレ
ン基、特に好ましくは、未置換メチレン基、酸素、2価
のカルボニル基やテトラメチルキシリレン基である。
【0028】本発明の(b)および(c)の芳香族2官
能シアン酸エステルは一般式III およびVの構造のもの
が好ましい。すなわち、4,4’−ジシアナートフェニ
ルタイプのものが好ましい。2,2’−ジシアナートフ
ェニルタイプのシアン酸エステルの硬化物がギガヘルツ
帯での誘電正接が非常に小さいことについては、本出願
人の特願平4−75148に記載されている。しかし、
このような構造の2官能シアン酸エステルは、単独硬化
させても十分に誘電正接が小さく、単官能シアン酸エス
テルをブレンド硬化させるとかえって誘電正接を大きく
してしまう。ところが、一般式III に示したような4,
4’−ジシアナートフェニルタイプのシアン酸エステル
は、一般式IIに示した構造の単官能シアン酸エステルを
ブレンドすることによって、単独硬化物に比べて大幅に
誘電正接を下げることができる。このような構造のシア
ン酸エステルの原料である4,4’−ジヒドロキシフェ
ニルタイプのジフェノールは比較的容易にかつ安価に入
手できる原料であり、コスト的にも有利である。この芳
香族2官能シアン酸エステルR5およびR6は同一でも
異なってもよい。R5およびR6のアルキル基として
は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基及び
異性体ペンチル基などを用いることができる。なかでも
C1〜C4のアルキル基が好ましい。更に好ましくは、
メチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基で
ある。R1およびR2が水素である場合、あるいはR2
が水素である場合も重要である。アリール基としては、
フェニル基、p−メチルフェニル基、o−メチルフェニ
ル基、m−メチルフェニル基やC2〜C4のアルキル基
でモノ置換したフェニル基またはC1〜C2のアルキル
基で2置換したフェニル基や1−ナフチル基、2−ナフ
チル基、C1〜C4のアルキル基で置換されたナフチル
基などを用いることができる。なかでもフェニル基、C
1〜C4のアルキル基でモノ置換したフェニル基および
C1〜C4のアルキル基でジ置換したフェニル基が好ま
しい。さらに好ましくはフェニル基およびメチル基でモ
ノ置換したフェニル基である。ハロゲンとしては、フッ
素、塩素、臭素、よう素を用いることができるが、中で
も塩素、臭素が好ましい。中でもR5、R6としては水
素、アルキル基、ハロゲンが好ましく、特に水素、アル
キル基、ハロゲンが好ましい。
【0029】Bとしては単結合、未置換メチレン基のほ
かメチレン基の1つまたは2つの水素原子をアルキル基
および/またはアリール基で置換したメチレン基とし
て、イソプロピリデン基、炭素数2〜10のアルキリデ
ン基、ジフェニルメチレン基、フェニル(メチル)メチ
レン基、フェニル(エチル)メチレン基、1,1−エチ
レン基、1,1−プロピレン基、フェニルメチレン基等
を用いることができる。2価の5員もしくは6員の環状
脂肪族基として1,1−シクロペンチレン基、1,1−
シクロヘキシレン基等を用いることができる。また、ス
ルホン酸、2価の硫黄、2価の酸素、2価のカルボニル
基、テトラメチルキシリデン基やフェニレン基も好まし
い。テトラメチルキシリデン基とは2個のイソプロピリ
デン基で置換されたベンゼンのことである。この中で、
好ましくは未置換メチレン基、イソプロピリデン基、酸
素、硫黄、2価のカルボニル基、テトラメチルキシリデ
ン基、特に好ましくは、未置換メチレン基、イソプロピ
リデン基、酸素である。入手の容易さやコスト面から考
えるとビスフェノールAのジシアン酸エステルやテトラ
メチルビスフェノールFのジシアン酸エステル、ビスフ
ェノールCのジシアン酸エステル等が特に好ましい。
【0030】また、本発明の(b)の硬化性樹脂組成物
の一般式IIの単官能芳香族シアン酸エステルのRa,R
bおよびRcは同一でも異なっていてもよく、水素、ア
ルキル基、アリール基が用いられる。Ra,Rbおよび
Rcは同一でも異なっていてもよく、水素、アルキル
基、アリール基、ハロゲンであり、Ra,Rb,Rcの
うち少なくとも1つ以上がハロゲンである。Ra,R
b,Rcとしては特に水素、アルキル基、ハロゲンが好
ましい。これらのアルキル基としては、メチル基、エチ
ル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル
基、イソブチル基、tert−ブチル基及び異性体ペン
チル基などを用いることができる。なかでもC1〜C4
のアルキル基が好ましい。さらに好ましくは、メチル
基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基である。
アリール基としては、フェニル基、p−メチルフェニル
基、o−メチルフェニル基、m−メチルフェニル基やC
2〜C4のアルキル基でモノ置換したフェニル基または
C1〜C2のアルキル基で2置換したフェニル基や1−
ナフチル基、2−ナフチル基、C1〜C4のアルキル基
で置換されたナフチル基などを用いることができる。な
かでもフェニル基、C1〜C4のアルキル基でモノ置換
したフェニル基及びC1〜C4のアルキル基でジ置換し
たフェニル基が好ましい。さらに好ましくはフェニル基
およびメチル基でモノ置換したフェニル基である。ハロ
ゲンとしては、特に臭素、塩素が好ましい。
【0031】この単官能シアン酸エステルの置換基R
a,Rb,Rcのうち少なくとも1つはハロゲンである
ことが必要である。2個以上がハロゲンであることが難
燃性に関してより好ましい。また、これらの混合物も用
いることができる。最も好ましい実施態様としては、
2,4−ジブロモフェノールのシアン酸エステル、2,
6−ジブロモフェノールのシアン酸エステル、2,4,
6−トリブロモフェノールのシアン酸エステル、2,4
−ジブロモ−6−メチルフェノールのシアン酸エステ
ル、2,6−ジブロモ−4−メチルフェノールのシアン
酸エステルおよびオルトもしくはパラブロムフェノール
のシアン酸エステル等が例示され、これらの単独または
混合物を用いることができる。
【0032】また、本発明の(c)の硬化性樹脂組成物
の一般式IVの単官能芳香族シアン酸エステルのRd,R
e,RfおよびRgは同一でも異なっていてもよく、R
aとしては水素、アルキル基、アリール基が用いられ
る。特に水素、アルキル基が好ましい。
【0033】アルキル基としては、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
イソブチル基、t−ブチル基及び異性体ペンチル基など
を用いることができる。なかでもC1〜C4のアルキル
基が好ましい。さらに好ましくは、メチル基、エチル
基、イソプロピル基、t−ブチル基である。
【0034】アリールとしては、フェニル基、p−メチ
ルフェニル基、o−メチルフェニル基、m−メチルフェ
ニル基やC2〜C4のアルキル基でモノ置換したフェニ
ル基またはC1〜C2のアルキル基で2置換したフェニ
ル基や1−ナフチル基、2−ナフチル基、C1〜C4の
アルキル基で置換されたナフチル基などを用いることが
できる。なかでもフェニル基、C1〜C4のアルキル基
でモノ置換したフェニル基及びC1〜C4のアルキル基
でジ置換したフェニル基が好ましい。さらに好ましくは
フェニル基及びメチル基でモノ置換したフェニル基であ
る。
【0035】Re,RfおよびRgとしては、水素、ア
ルキル基、アリール基の他にクミル基、1−メチルベン
ジル基を用いることができる。Re,Rf,Rgのいず
れかがメチル基、フェニル基、クミル基または1−メチ
ルベンジル基で他の置換基が水素の場合は特に好まし
い。
【0036】本発明の(d)は(i)2,2’−ジシア
ナトフェニルメタン(ii)2,4’−ジシアナトジフェ
ニルメタン、または、(iii )2,2’−ジシアナトフ
ェニルメタンと2,4’−ジシアナトジフェニルメタン
の混合物のいずれかのシアン酸エステル成分をシアン酸
エステルモノマーに換算してモル百分率で50%以上が
よい。好ましくは60%以上がよい。さらに好ましくは
80%以上がよい。
【0037】50%未満のシアン酸エステルは一般式II
I またはVで示されるタイプのものが好ましい。
【0038】この樹脂または組成物粉末に使用する芳香
族シアン酸エステルは、多官能フェノールまたは単官能
フェノールとハロゲン化シアンをトリエチルアミン等の
存在下で反応させて合成することができ、例えば米国特
許3553244に記載されている方法を用いることが
できる。すなわち、1例をあげるとアセトン溶媒中でポ
リフェノールと臭化シアンの当量混合物の中に0℃〜1
0℃で臭化シアンと当量のトリエチルアミンを加える。
この際に生じたトリエチルアミンの臭化水素酸塩を除去
した後、溶媒を留去して得られた粗生成物を再結晶など
の方法で精製して得られる。
【0039】また、市販のモノマーまたはオリゴマーを
使用しても良い。例えば、三菱瓦斯化学社製のスカイレ
ックス CA200、チバガイギ社製のオリゴマーAR
OCY、B−30、M−30、T−30、F−30、L
−30、ダウケミカル社製XU71787.00L等が
ある。
【0040】このモノマーまたはオリゴマーを樹脂粉体
にするのはどのような方法でも良い。例えば、溶媒中に
モノマーまたはオリゴマーを溶かし、攪拌しながら加熱
する方法がある。この時、反応時間を短縮するために硬
化触媒場合により硬化促進剤を使用することが好まし
い。また、得られた粉末は十分に乾燥し溶媒が残らない
ようにするのが好ましい。もし、溶媒が多量に残ってい
た場合、焼結時に気化し外観、強度等に問題がでるとき
がある。また、溶媒を使用せずに硬化させた後、粉砕し
ても良い。
【0041】硬化触媒としてはイミダゾール類、第3級
アミン、有機金属化合物等が用いられる。有機金属化合
物が好ましく、オクチル酸コバルト、オクチル酸亜鉛、
ナフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛等が用いられる。
また、非イオン性の金属キレート化合物の亜鉛、コバル
ト、銅、マンガン、鉄のアセチルアセトナート等も好ま
しい。硬化促進剤としては不揮発性のフェノール類を使
用することが好ましく、ビスフェノールA、ビスフェノ
ールF、ビスフェノールS等の各種ビスフェノール類や
ノニルフェノール等が例示される。
【0042】ここで用いる溶媒としては、例えばアセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の
ケトン類やトルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、ジオ
キサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノ
メチルエーテル等のエーテル類、エタノール、メタノー
ル、i−プロピルアルコール等のアルコール類、N,N
−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
ド等の単独あるいは混合溶媒を用いることができる。こ
の時、溶媒の誘電率が低いものが好ましい。溶媒の誘電
率が高いものを使用した場合、成形品の誘電特性が悪く
なる場合がある。誘電率が低い好ましい例としてはトル
エン、キシレン、ジオキサン、テトラヒドロフラン等が
あり、なかでもトルエン、キシレンが好ましい。
【0043】シアン酸エステル樹脂または組成物の転化
率は60〜98%、さらに好ましくは75〜97%、最
も好ましくは80〜96%である。転化率があまり低い
と粉末状にならずに高粘度液状等になり金型に充填しに
くい場合がある。また、焼結時に樹脂が流れ成形品の形
状が変化してしまう場合がある。また、転化率が高いと
焼結時に粉体同士が強く合着せず焼結後の強度が十分に
でない場合がある。尚、焼結時に樹脂が流れない程度に
転化率が低いものを焼結することにより強度がより良好
となる傾向もあるようである。更に転化率の高いもの
(例100%)と低いもの(例75%)のものをブレン
ドすることにより見掛け上の転化率を希望する値に適宜
コントロールすることもできる。
【0044】転化率の測定はどのようにおこなっても良
いが、例えばFT−IRのスペクトルから次の計算式で
算出する方法が簡便で好ましい。 転化率(%)={(モノマーのシアナート基の吸収強度
−樹脂のシアナート基の吸収強度)/モノマーのシアナ
ート基の吸収強度}×100 またはオリゴマーの場合にはその転化率を換算して適用
する。
【0045】フッ素樹脂をシアン酸エステル樹脂または
樹脂組成物に添加することは成形性を良くする意味で好
ましい。本発明で用いられるフッ素樹脂としては、具体
的には、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロ
エチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラ
フルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテ
ル共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフ
ッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニール、エチレン/テト
ラフルオロエチレン共重合体、エチレン/クロロトリフ
ルオロエチレン共重合体などが挙げられる。また、これ
らのフッ素樹脂の分子量は特に制約はなく、例えば、分
子量400程度の低分子量フッ素樹脂から分子量100
0万程度の高分子量フッ素樹脂を用いることができる。
本発明におけるシアン酸エステル樹脂または樹脂組成物
100重量部に対するフッ素樹脂の添加量は、0.01
〜10重量部好ましくは0.01〜5重量%、特に好ま
しくは、0.01〜2重量%である。シアン酸エステル
樹脂または樹脂組成物に対するフッ素樹脂の添加量が
0.01%未満では、成形性の改善効果が不十分となる
傾向がある。一方、10重量%を越えると成形体の機械
的特性や摺動特性などが変化するので好ましくない場合
がある。シアン酸エステル樹脂または樹脂組成物のこの
フッ素樹脂への添加方法としては、何ら制約を受けるも
のではなく、例えば、ホモジナイザー、ヘンシェルミキ
サー等により直接混合する方法あるいはシアン酸エステ
ル樹脂または樹脂組成物とフッ素樹脂の一方又は両方を
適当な溶媒に分散させて混合する方法等が挙げられる
が、シアン酸エステル樹脂を重合する際に添加しておい
ても何ら差し支えない。
【0046】また、フッ素樹脂を塗布した金型を用いる
などして、外部添加することもできる。例えば、ポリテ
トラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂粉末を成形し
て金型にフッ素樹脂を付着させた後、シアン酸エステル
樹脂粉末を成形することでも、成形性を改善することが
できる。
【0047】シリコーンをシアン酸エステル樹脂または
樹脂組成物に添加することは成形性を良くする意味で好
ましい。本発明で用いられるシリコーンとしては、シリ
コーンゴム、シリコーン樹脂、シリコーンオイルなどが
挙げられ、シリコーンゴム、シリコーン樹脂としては、
液体状、粉末状のものが挙げられる。またシリコーンの
組成としては、一般的に、上市されている、オルガノポ
リシロキサン、もしくはこれらの変性体などを主成分と
するものが挙げられる。シアン酸エステル樹脂または樹
脂組成物に添加するシリコーンとしては、上記のシリコ
ーンゴム、シリコーン樹脂、シリコーンオイルの単体、
もしくはこれら2種以上の混合物、また、これらシリコ
ーンの助剤としてのシリカとの混合物などが挙げられ
る。これらシリコーンのうち、本発明で特に好適なもの
としてシリコーンゴム粉末が使用される。
【0048】本発明におけるに対するシリコーンの添加
量は、シアン酸エステル樹脂または樹脂組成物100重
量部に対して、好ましくは0.01〜10重量%、特に
好ましくは、0.1〜5重量%、さらに好ましくは0.
5〜5重量%である。シアン酸エステル樹脂または樹脂
組成物に対するシリコーンの添加量が0.01%未満で
は、成形性の改善効果が不十分となる場合がある。一
方、10重量%を越えると成形体が本来有する機械的特
性や摺動特性などが変化し好ましくない場合がある。
【0049】このシリコーンのシアン酸エステル樹脂ま
たは樹脂組成物への添加方法としては、何ら制約を受け
るものではなく、例えば、ホモジナイザー、ヘンシェル
ミキサー等により直接混合する方法あるいはシアン酸エ
ステル樹脂または樹脂組成物とシリコーンの一方又は両
方を適当な溶媒に分散させて混合する方法等が挙げられ
るが、シアン酸エステル樹脂を重合する際に添加してお
いても何ら差し支えない。
【0050】また、シリコーンを塗布した金型を用いる
などして、外部添加することもできる。例えば、シリコ
ーンゴム粉末を成形して金型にシリコーンを付着させた
後、シアン酸エステル樹脂粉末を成形することでも、成
形性を改善することができる。
【0051】更にシアン酸エステル樹脂または樹脂組成
物には、必要に応じて充填材を配合することで成形品体
の諸特性、例えば、機械特性、摺動特性、電気特性、耐
薬品性等を改良することができる。充填剤の具体的な例
としては、黒鉛、二硫化モリブデン、窒化ホウ素、ポリ
テトラフルオロエチレン、ガラス繊維、炭素繊維、アラ
ミド繊維、チタン酸カリウム繊維、アルミニウム、鉛、
各種金属酸化物等が挙げられる。
【0052】また、本発明で用いるシアン酸エステル樹
脂または樹脂組成物は平均粒径200μm以下、好まし
くは平均粒径100μm以下、さらに好ましくは平均粒
径50μm以下の微粉末であることが成形品の外観、金
型への充填性から好ましい。また、繊維(あるいはパル
プ)状のものを用いることも可能である。
【0053】本発明に係る成形方法は、例えば、室温に
て、金型内に充填した該樹脂組成物を1000〜100
00kg/cm2 の圧力で圧縮成形し、次に不活性ガス
雰囲気下、成形するシアン酸エステル樹脂または樹脂組
成物のガラス転移温度Tg±100℃の温度、好ましく
はTg±50℃にて焼結する。前記圧縮成形の圧力が1
000kg/cm2 未満では圧縮不十分で、最終的に十
分な機械特性の成形体が得られないため好ましくない。
又、10000kg/cm2 を越える加圧は実用的では
ない。焼結成形の焼結の温度は、Tg−100℃以下で
は合着が不十分となり、Tg+100℃を越えると樹脂
が劣化し、最終的に十分な機械特性の成形体が得られな
いため好ましくない場合がある。尚、焼結の際に、実質
的に常圧下で行うと、装置が簡単となりコスト的に有効
で好ましい。又、焼結を真空下で実施し酸素の影響を避
ける手法も取ることが出来る。
【0054】圧縮成形する際の事実上常温とは、金型な
どを加熱圧縮成形や注型成形のように加熱しないことを
意味し、通常は成形場所の室温と同程度の温度で−10
〜50℃である。
【0055】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。
【0056】モノマーの合成 合成例1 2,4−ジブロモフェニルシアナート(DBP−CY)
の合成 滴下ロート、温度計、攪拌プロペラを取り付けた3つ口
フラスコに臭化シアン58.3gを仕込みイソプロピル
アルコール200mlに溶解させた後、窒素置換して−
5℃〜3℃に冷却した。次に、2,4−ジブロモフェノ
ール126gをイソプロピルアルコール300mlに溶
解させた後、トリエチルアミン53.1gを加えて充分
に攪拌した溶液を滴下ロートに仕込み、攪拌しながらフ
ラスコ内温が10℃以上にならないような速度で滴下し
た。滴下終了後、2時間10℃以下の温度下で攪拌し、
生じた白色沈澱を濾過により取り出し、大量の水で十分
に水洗した後、減圧乾燥して白色固体83.1gを得
た。この化合物は2270cm-1にシアナート基(OC
N)の吸収を持ち、また、NMRスペクトルより、目的
のシアン酸エステルである2,4−ジブロモフェニルシ
アナート(DBP−CY)であることが確認できた。収
率は60%であった。
【0057】合成例2 ジブロモクレゾールシアナート(DBC−CY)の合成 ジブロモクレゾール(マナック株式会社製DBC)を原
料フェノールとして用い、合成例1と同様の合成方法で
目的のシアン酸エステルすなわちジブロモクレゾールシ
アナート(DBC−CY)を合成した。減圧乾燥後の収
率は60%で白色固体であった。このもののIRスペク
トルは2260cm-1にシアナート基(OCN)の吸収
があり、原料の水酸基の吸収は見られず、NMRスペク
トルの結果と合わせて目的物であることが確認された。
【0058】合成例3 4−ブロモフェニルシアナート(PBP−CY)の合成 パラブロモフェノールを原料フェノールとして用い、合
成例1と同様の合成方法で目的のシアン酸エステルすな
わち4−ブロモフェニルシアナート(PBP−CY)を
合成した。減圧乾燥後の収率は63%で白色固体であっ
た。このもののIRスペクトルは2260cm-1にシア
ナート基(OCN)の吸収があり、原料の水酸基の吸収
は見られず、NMRスペクトルの結果と合わせて目的物
であることが確認された。
【0059】合成例4 2,4,6−トリブロモフェニルシアナート(TBP−
CY)の合成 滴下ロート、温度計、攪拌プロペラを取り付けた3つ口
フラスコに臭化シアン58.3gを仕込みイソプロピル
アルコール200mlに溶解させた後、窒素置換して−
5℃〜3℃に冷却した。次に、2,4,6−トリブロモ
フェノール165gをイソプロピルアルコール300m
lに溶解させた後、トリエチルアミン53.1gを加え
て充分に攪拌した溶液を滴下ロートに仕込み、攪拌しな
がらフラスコ内温が10℃以上にならないような速度で
滴下した。滴下終了後、2時間10℃以下の温度下で攪
拌し、生じた白色沈澱を濾過により取り出し、大量の水
で十分に水洗した後、減圧乾燥して白色固体を得た。こ
れをシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製
し、白色の結晶を得た。この化合物は2270cm-1
シアナート基(OCN)の吸収を持ち、また、NMRス
ペクトル、元素分析結果より、目的のシアン酸エステル
である2,4,6−トリブロモフェニルシアナート(T
BP−CY)であることが確認できた。収率は60%で
あった。
【0060】合成例5 4−メチルシアナトベンゼン(PC−CY)の合成 4−メチルフェノールを54gを原料フェノールとして
用い、合成例1と同様の合成方法でシアン酸エステルす
なわち4−メチルシアナトベンゼンを合成した。このも
ののIRスペクトル、NMRスペクトルの結果と合わせ
て目的物であることが確認された。
【0061】合成例6 4−クミルシアナトベンゼン(PCP−CY)の合成 4−クミルフェノール106gを原料フェノールとして
用い、合成例1と同様の合成方法でシアン酸エステルす
なわち4−クミルシアナトベンゼンを合成した。このも
ののIRスペクトル、NMRスペクトルの結果と合わせ
て目的物であることが確認された。
【0062】合成例7 2,2−ビス(4−シアナートフェニル)プロパン(ビ
スA−CY)の合成 滴下ロート、温度計、攪拌プロペラを取り付けた3つ口
フラスコに臭化シアン46.6gと2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパン45.7gを加え、アセ
トン300mlに溶解させた後、−5℃〜3℃に冷却し
た。次に、トリエチルアミン43.5gを滴下ロートに
仕込み、攪拌しながらフラスコ内温が10℃以上になら
ないような速度で滴下した。滴下終了後、2時間10℃
の温度にて攪拌し、生じた白色沈澱を濾過により除いた
後、大量の水にあけると白色固体が得られた。これをエ
タノールで再結晶して白色結晶43.2gを得た。この
ものは、IRスペクトルで2260cm-1にシアナート
基(OCN)の吸収を持ち、また、NMRスペクトルよ
り、2,2−ビス(4−シアナートフェニル)プロパン
であることが確認できた。再結晶後の収率は78%であ
った。
【0063】合成例8 4,4’−ジシアナトジフェニルメタン(ビスF−C
Y)の合成 4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン40gを原料
ジフェノールとして用い、合成例7と同様の方法で対応
するジシアン酸エステルを合成した。生じた沈澱を十分
に水洗して白色固体が得られた。このものは、IRおよ
びNMRスペクトルの結果から目的物である4,4’−
ジシアナトジフェニルメタンであることが確認された。
【0064】合成例9 2,2’−ジシアナトジフェニルメタン(22ビスF−
CY)の合成 2,2’−ジヒドロキシジフェニルメタン40gを原料
ジフェノールとして用い、合成例8と同様の方法で対応
するジシアン酸エステルを合成した。生じた沈澱を十分
に水洗して白色固体が得られた。このものは、IRおよ
びNMRスペクトルの結果から目的物である2,2’−
ジシアナトジフェニルメタンであることが確認された。
【0065】合成例10 2,4’−ジシアナトジフェニルメタン(24ビスF−
CY)の合成 2,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン40gを原料
ジフェノールとして用い、合成例と同様の方法で対応す
るジシアン酸エステルを合成した。生じた沈澱を十分に
水洗して白色固体が得られた。このものは、IRおよび
NMRスペクトルの結果から目的物である2,4’−ジ
シアナトジフェニルメタンであることが確認された。
【0066】合成例11 2,2−ビス(4−シアナート−3−i−プロピルフェ
ニル)プロパンの合成 滴下ロート、温度計、攪拌プロペラを取り付けた3つ口
フラスコに臭化シアン44.5gと2,2−ビス(4−
ヒドロキシ−3−i−プロピルフェニル)プロパン6
2.5gを仕込みアセトン300mlに溶解させた後、
−5℃〜3℃に冷却した。なお、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシ−3−i−プロピルフェニル)プロパンはo−
iso−プロピルフェノールとアセトンを常法により酸
触媒で縮合させて合成し、精製したものを用いた。次
に、トリエチルアミン41.5gを滴下ロートに仕込
み、攪拌しながらフラスコ内温が10℃以上にならない
ような速度で滴下した。滴下終了後、2時間10℃の温
度にて攪拌し、生じた白色沈澱を濾過により除いた後、
大量の水にあけると淡黄色オイルが得られた。これを塩
化メチレンで抽出し、水洗することにより淡黄色オイル
62.5gを得た。これを、カラムクロマトにより精製
したものは、無色透明の粘度の高い液体であり、IRス
ペクトルで2260cm-1にシアナート基(OCN)の
吸収を持ち、また、NMRスペクトルより、目的の2,
2−ビス(4−シアナート−3−i−プロピルフェニ
ル)プロパンであることが確認できた。カラム精製後の
収率は60%であった。
【0067】合成例12 2,2−ビス(4−シアナート−3−メチルフェニル)
プロパンの合成 2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)
プロパン51.3gを原料ジフェノールとして用い、溶
媒にはイソプロピルアルコール400mlを用いて合成
例11と同様の方法で対応するジシアン酸エステルを合
成した。この場合は、目的生成物も白色沈澱として得ら
れ、これを十分に水洗することにより2,2−ビス(4
−シアナート−3−メチルフェニル)プロパンが58.
3g得られた。このものも、IRスペクトルで2276
cm-1および2251cm-1にシアナート基(OCN)
の吸収を持ち、かつ、フェノール性水酸基の吸収が消滅
していることと、NMRスペクトルの結果から目的物で
あることが確認された。また、このものの融点は71℃
であった。
【0068】合成例13 2,2−ビス(4−シアナート−3−フルオロフェニ
ル)プロパンの合成 2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−フルオロフェニ
ル)プロパン52.9gを原料ジフェノールとして用
い、溶媒にはイソプロピルアルコール300mlを用い
て合成例11と同様の方法で対応するジシアン酸エステ
ルを合成した。十分に水洗することにより白色固体が4
5.2g得られた。このものはIRおよびNMRスペク
トルの結果から目的物である2,2−ビス(4−シアナ
ート−3−フルオロフェニル)プロパンであることが確
認された。また、このものの融点は52℃であった。
【0069】合成例14 ビス(4−シアナート−3−メチルフェニル)メタンの
合成 ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン4
5.7gを原料ジフェノールとして用い、合成例11と
同様の方法で対応するジシアン酸エステルを合成した。
生じた沈澱を十分に水洗して38.2gの白色固体が得
られた。このものは、IRおよびNMRスペクトルの結
果から目的物であるビス(4−シアナート−3−メチル
フェニル)メタンであることが確認され、融点は、11
1−112℃であった。
【0070】合成例15 4,4’−ジシアナート−3,3’−ジメチルジフェニ
ルエーテルの合成 4,4’−ジヒドロキシート−3,3’−ジメチルジフ
ェニルエーテル46.0gを原料ジフェノールとして用
い、溶媒にイソプロピルアルコール300mlを用いて
合成例11と同様の方法で対応するジシアン酸エステル
を合成した。生じた沈澱を十分に水洗して43.5gの
白色固体が得られた。このものは、IRおよびNMRス
ペクトルの結果から目的物である4,4’−ジシアナー
ト−3,3’−ジメチルジフェニルエーテルであること
が確認された。
【0071】合成例16 ビス(2−シアナート−5−メチルフェニル)メタンの
合成 臭化シアン46.6gとビス(2−ヒドロキシ−5−メ
チルフェニル)メタン45.7gを原料ジフェノールと
して用い、溶媒にイソプロピルアルコール150mlを
用いて合成例11と同様の方法で対応するジシアン酸エ
ステルを合成した。生じた沈澱を十分に水洗して36g
の白色結晶が得られた。このものは、IRスペクトルで
2272cm-1および2242cm-1にシアナート基
(OCN)の吸収を持ち、また、フェノール性水酸基の
吸収が消滅していることと、NMRスペクトルの結果か
ら目的物であるビス(2−シアナート−5−メチルフェ
ニル)メタンであることが確認された。融点は109〜
110℃であった。
【0072】合成例17 ビス(2−シアナート−3,5−ジメチルフェニル)メ
タンの合成 ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メ
タンを原料ジフェノールとして用い、溶媒にイソプロピ
ルアルコール150mlを用いて合成例13と同様の方
法で対応するジシアン酸エステルすなわち、ビス(2−
シアナート−3,5−ジメチルフェニル)メタンを合成
した。このものは、IRスペクトルで2271cm-1
よび2240cm-1にシアナート基(OCN)の吸収を
持ち、また、NMRスペクトルの結果から目的物である
が確認された。
【0073】樹脂粉末の作成 還流管、温度計、攪拌プロペラを取り付けた3つ口フラ
スコに、チバガイギ社製AROCY B−30(ビスA
−CY、転化率約30%)を20g、トルエン100
g、オクチル酸亜鉛0.12gを仕込みトルエン還流下
で6時間還流しシアナート基の反応を進めた。この間、
不溶化し、粉末として析出してきた。放冷後、粉末を濾
過し、ヘキサンで洗浄、濾過した。この粉末を100℃
で減圧乾燥し、粉末A−1を得た。IRで測定したとこ
ろ転化率は92%であった。
【0074】2時間還流したこと以外A−1と同様に粉
末A−2を得た。IRで測定したところ転化率は55%
であった。
【0075】4時間還流したこと以外はA−1と同様に
粉末A−3を得た。IRで測定したところ85%であっ
た。
【0076】12時間還流したこと以外はA−1と同様
に粉末A−4を得た。IRで測定したところ転化率は約
100%であった。
【0077】合成例7の2,2−ビス(4−シアナート
フェニル)プロパンを20g使用し、還流を8時間おこ
なったこと以外はA−1と同様に粉末A−5を得た。I
Rで測定したところ転化率は約90%であった。粉末A
−2(転化率55%)を30%、粉末A−4(転化率1
00%)を70%でブレンドし見掛けの転化率を86.
5%とした粉末A−6を得た。
【0078】還流管、温度計、攪拌プロペラを取り付け
た3つ口フラスコに、チバガイギ社製AROCY M−
30(ビス(4−シアナート−3,5−ジメチルフェニ
ル)メタン、転化率約30%)20gトルエン100
g、オクチル酸亜鉛0.12gをトルエン還流下で6時
間還流しシアナート基の反応を進めた。この間、不溶化
し、粉末として析出してきた。放冷後、粉末を濾過し、
ヘキサンで洗浄、濾過した。この粉末を100℃で減圧
乾燥し、粉末B−1を得た。IRで測定したところ転化
率は93%であった。
【0079】チバガイギ社製AROCY T−30(ビ
ス(4−シアナート−3,5−ジメチルフェニル)メタ
ン、転化率約30%)を使用すること以外はB−1と同
様に粉末B−2を得た。IRで測定したところ転化率は
93%であった。
【0080】チバガイギ社製AROCY F−30
(2,2’−ビス(4−シアナトフェニル)ヘキサフル
オロプロパン、転化率約30%)を使用すること以外は
B−1と同様に粉末B−3を得た。IRで測定したとこ
ろ転化率は91%であった。
【0081】チバガイギ社製AROCY L−30(ビ
ス(4−シアナトフェニル)エタン転化率30%)を使
用すること以外はB−1と同様に粉末B−4を得た。。
IRで測定したところ転化率は93%であった。
【0082】チバガイギ社製AROCY B−30(ビ
スA−CY,転化率30%)を18g、合成例1の2,
4−ジブロモシアナートベンゼン(以下DBP−CYと
略す)2gを反応させること以外はA−1と同様に粉末
C−1を得た。IRで測定したところ転化率は92%で
あった。
【0083】チバガイギ社製AROCY B−30を1
4g、合成例1の2,4−ジブロモシアナートベンゼン
6gを反応させること以外はC−1と同様に粉末C−2
を得た。IRで測定したところ転化率は92%であっ
た。
【0084】チバガイギ社製AROCY B−30を1
4g、合成例2のジブロモクレゾールシアナート6gを
反応させること以外はC−1と同様に粉末C−3を得
た。IRで測定したところ転化率は92%であった。
【0085】チバガイギ社製AROCY B−30を1
4g、合成例3の4−ブロモフェニルシアナート6gを
反応させること以外はC−1と同様に粉末C−4を得
た。IRで測定したところ転化率は92%であった。
【0086】チバガイギ社製AROCY B−30を1
4g、合成例4の2,4,6−トリブロモフェニルシア
ナート6gを反応させること以外はC−1と同様に粉末
C−5を得た。IRで測定したところ転化率は95%で
あった。
【0087】チバガイギ社製AROCY B−30を1
6g、合成例5の4−メチルシアナトベンゼン4gを反
応させること以外はC−1と同様に粉末C−6を得た。
IRで測定したところ転化率は92%であった。
【0088】チバガイギ社製AROCY B−30を1
6g、合成例6の4−クミルシアナトベンゼン4gを反
応させること以外はC−1と同様に粉末C−7を得た。
IRで測定したところ転化率は92%であった。
【0089】還流管、温度計、攪拌プロペラを取り付け
た3つ口フラスコに、合成例9の2,2’−ジシアナト
ジフェニルメタン(22ビスF−CY)20g、トルエ
ン100g、オクチル酸亜鉛0.12gをトルエン還流
下で8時間還流しシアナート基の反応を進めた。この
間、不溶化し、粉末として析出してきた。放冷後、粉末
を濾過し、ヘキサンで洗浄、濾過した。この粉末を10
0℃で減圧乾燥し、粉末D−1を得た。IRで測定した
ところ転化率は90%であった。
【0090】合成例10の2,4’−ジシアナトジフェ
ニルメタン(24ビスF−CY)を使用すること以外は
D−1と同様に粉末D−2を得た。IRで測定したとこ
ろ転化率は93%であった。
【0091】合成例8の4,4’−ジシアナトジフェニ
ルメタン(ビスF−CY)を使用すること以外はD−1
と同様に粉末D−3を得た。IRで測定したところ転化
率は89%であった。
【0092】22ビスF−CY10gとビスF−CY1
0gを使用すること以外はD−1と同様に粉末D−4を
得た。IRで測定したところ転化率は89%であった。
【0093】22ビスF−CY5gと24ビスF−CY
5gとビスF−CYを10gを使用すること以外はD−
1と同様に粉末D−5を得た。IRで測定したところ転
化率は89%であった。
【0094】還流管、温度計、攪拌プロペラを取り付け
た3つ口フラスコに、合成例11の2,2−ビス(4−
シアナート−3−i−プロピルフェニル)プロパン20
g、トルエン100g、オクチル酸亜鉛0.12gをト
ルエン還流下で8時間還流しシアナート基の反応を進め
た。この間、不溶化し、粉末として析出してきた。放冷
後、粉末を濾過し、ヘキサンで洗浄、濾過した。この粉
末を100℃で減圧乾燥し、粉末E−1を得た。IRで
測定したところ転化率は92%であった。
【0095】合成例12の2,2−ビス(4−シアナー
ト−3−メチルフェニル)プロパンを使用すること以外
はE−1と同様に粉末E−2を得た。IRで測定したと
ころ転化率は93%であった。
【0096】合成例13の2,2−ビス(4−シアナー
ト−3−フルオロフェニル)プロパンを使用すること以
外はE−1と同様に粉末E−3を得た。IRで測定した
ところ転化率は93%であった。
【0097】合成例14のビス(4−シアナート−3−
メチルフェニル)メタンを使用すること以外はE−1と
同様に粉末E−4を得た。IRで測定したところ転化率
は93%であった。
【0098】合成例15の4,4’−ジシアナート−
3,3’−ジメチルジフェニルエーテルを使用すること
以外はE−1と同様に粉末E−5を得た。IRで測定し
たところ転化率は93%であった。
【0099】合成例16のビス(2−シアナート−5−
メチルフェニル)メタンを使用すること以外はE−1と
同様に粉末E−6を得た。IRで測定したところ転化率
は93%であった。
【0100】合成例17のビス(2−シアナート−3,
5−ジメチルフェニル)メタンを使用すること以外はE
−1と同様に粉末E−7を得た。IRで測定したところ
転化率は93%であった。
【0101】成形品の作成 実施例A−1 シアン酸エステル樹脂粉末A−1を、室温にて口径4×
80mmの金型に充填し、加圧力5000kg/cm2
で圧縮成形し、約4×4×80mmの圧縮成形体を得
た。これに窒素雰囲気下240℃で5時間焼結処理し成
形体を得た。
【0102】実施例A−2〜A−6 シアン酸エステル樹脂粉末A−2〜A−6を実施例A−
1と同様に成形体を得た。
【0103】比較例A−1 シアン酸エステル樹脂粉末A−1を、室温にて口径4×
80mmの金型に充填し、加圧力5000kg/cm2
で圧縮成形し、約4×4×80mmの圧縮成形体を得
た。この成形体は焼結処理をおこなわなかった。
【0104】実施例B−1〜B−4 シアン酸エステル樹脂粉末B−1〜B−4を室温にて口
径4×80mmの金型に充填し、加圧力5000kg/
cm2 で圧縮成形し、約4×4×80mmの圧縮成形体
を得た。これを窒素雰囲気下B−1は230℃、B−2
は255℃、B−3は250℃、B−4は245℃で5
時間焼結処理し成形体を得た。
【0105】比較例B−1 シアン酸エステル樹脂粉末B−1を、室温にて口径4×
80mmの金型に充填し、加圧力5000kg/cm2
で圧縮成形し、約4×4×80mmの圧縮成形体を得
た。この成形体は焼結処理をおこなわなかった。
【0106】実施例C−1〜C−7 シアン酸エステル樹脂粉末C−1〜C−7を室温にて口
径4×80mmの金型に充填し、加圧力5000kg/
cm2 で圧縮成形し、約4×4×80mmの圧縮成形体
を得た。これを窒素雰囲気下C−1は225℃、C−2
は205℃、C−3は210℃、C−4は190℃、C
−5は210℃、C−6は215℃、C−7は215℃
で5時間焼結処理し成形体を得た。また別途同様の方法
で難燃性試験UL94用の成形体を作製した。
【0107】比較例C−1 シアン酸エステル樹脂粉末C−1を、室温にて口径4×
80mmの金型に充填し、加圧力5000kg/cm2
で圧縮成形し、約4×4×80mmの圧縮成形体を得
た。この成形体は焼結処理をおこなわなかった。
【0108】実施例D−1〜D−5 シアン酸エステル樹脂粉末D−1〜D−5を室温にて口
径4×80mmの金型に充填し、加圧力5000kg/
cm2 で圧縮成形し、約4×4×80mmの圧縮成形体
を得た。これを窒素雰囲気下は230℃で5時間焼結処
理し成形体を得た。
【0109】比較例D−1 シアン酸エステル樹脂粉末D−1を、室温にて口径4×
80mmの金型に充填し、加圧力5000kg/cm2
で圧縮成形し、約4×4×80mmの圧縮成形体を得
た。この成形体は焼結処理をおこなわなかった。
【0110】実施例E−1〜E−7 シアン酸エステル樹脂粉末E−1〜E−7を室温にて口
径4×80mmの金型に充填し、加圧力5000kg/
cm2 で圧縮成形し、約4×4×80mmの圧縮成形体
を得た。これを窒素雰囲気下は230℃で5時間焼結処
理し成形体を得た。
【0111】比較例E−1 シアン酸エステル樹脂粉末E−1を、室温にて口径4×
80mmの金型に充填し、加圧力5000kg/cm2
で圧縮成形し、約4×4×80mmの圧縮成形体を得
た。この成形体は焼結処理をおこなわなかった。
【0112】実施例A1−1 シアン酸エステル樹脂粉末A−1と同様の粉末を、室温
にて口径2×2mmの金型に充填し、加圧力5000k
g/cm2 で圧縮成形し、約2×2×5mmの圧縮成形
体を得た。この操作を連続して繰り返し、圧縮成形体を
200個得るのに、1時間をようした。200個とも顕
著なバリは見られなかった。これを窒素雰囲気下240
℃で5時間焼結処理し成形体200個を得た。
【0113】実施例A1−2 シアン酸エステル樹脂粉末A−1と同様に作製した粉末
を100gにポリテトラフルオロエチレン0.5部をヘ
ンシャルミキサーを用いて混合した。この粉末を室温に
て口径2×2mmの金型に充填し、加圧力5000kg
/cm2 で圧縮成形し、約2×2×5mmの圧縮成形体
を得た。この操作を連続して繰り返し、圧縮成形体を2
00個得るのに、1時間をようした。200個とも顕著
なバリは見られなかった。これを窒素雰囲気下240℃
で5時間焼結処理し成形体200個を得た。
【0114】実施例A1−3 シアン酸エステル樹脂粉末A−1と同様に作製した粉末
を100gに信越化学社製KMP−594シリコーンゴ
ム粉末0.5部をヘンシャルミキサーを用いて混合し
た。この粉末を室温にて口径2×2mmの金型に充填
し、加圧力5000kg/cm2 で圧縮成形し、約2×
2×5mmの圧縮成形体を得た。この操作を連続して繰
り返し、圧縮成形体を200個得るのに、1時間をよう
した。200個とも顕著なバリは見られなかった。これ
を窒素雰囲気下240℃で5時間焼結処理し成形体20
0個を得た。
【0115】比較例A1−1 チバガイギ社製AROCY B−30(ビスA−CY、
転化率約30%)を100gオクチル酸亜鉛0.6gを
100℃にて溶解させたあと2×2×5mmのステンレ
ス製の金型に流し込んで250℃で30分硬化させた。
樹脂が金型に接着し成形体を離型させることが無理だっ
た。
【0116】比較例A1−2 チバガイギ社製AROCY B−30を100gオクチ
ル酸亜鉛0.6gを100℃にて溶解させたあと2×2
×5mmのテフロンの型に流し込んで250℃で30分
硬化させた。樹脂がテフロンに密着し離型性が悪く成形
体にかけがおよびバリが発生した。同様の操作を10回
繰り返すとテフロン型が変形し注型できなくなった。1
0個を作製するのに離型、バリとりを含めて6時間よう
した。
【0117】表1に実施例A−1〜A5、比較例A−1
の誘電特性、Tg、強さ、焼結前後の形態変化を示す。
比較例A−1に示すように焼結成形しないものは強さが
満足されない。また、Tgも実施例に比べて低い。転化
率が好ましい範囲からずれるためA−4では強さが他の
実施例にくらべ少しおとり、A−2では焼結前後で形態
変化が少しおとる。
【0118】表2に実施例B−1〜B−4、比較例B−
1の誘電特性、Tg、強さを示す。焼結成形しないもの
は強さが満足されない。また、Tgも実施例に比べて低
い。
【0119】表3に実施例C−1〜C−7、比較例C−
1の誘電特性、Tg、強さ、難燃性を示す。比較例C−
1焼結成形しないものは強さが満足されない。また、T
gも実施例に比べて低い。実施例C−1〜C−7は実施
例A−1〜A−5、B−1〜B−4に比べて誘電正接が
低く、電子部品等には好ましい形態であり、特にC−1
〜C−5は難燃性も付与されていてより好ましい。
【0120】表4に実施例D−1〜D−5、比較例D−
1の誘電特性、強さを示す。比較例D−1焼結成形しな
いものは強さが満足されない。実施例D−1、D−2、
D−4、D−5は実施例D−3に比べて誘電正接が低
く、電子部品等には好ましい形態である。
【0121】表4に実施例E−1〜E−7、比較例E−
1の誘電特性、強さを示す。比較例E−1焼結成形しな
いものは強さが満足されない。実施例E−1〜E−7に
実施例A−1〜A−5、B−1〜B−4、D−3に比べ
て誘電正接が低く、電子部品等には好ましい形態であ
る。
【0122】表5に実施例A1−1〜A1−3、比較例
A1−1、A1−2の成形品数、不良品数、良品率、1
個あたりの成形時間、強さを示す。比較例A1−1、A
1−2ともに金型、テフロン型との離型性が悪く、われ
かけが発生し易く良品率が低い。また、1個あたりの成
形時間も長く、実施例に比べて生産性が低いことがわか
る。実施例A1−2、A1−3はテフロンやシリコーン
の混合により圧縮成形時の成形性が良くなっており好ま
しい形態である。
【0123】
【表1】
【0124】
【表2】
【0125】
【表3】
【0126】
【表4】
【0127】
【表5】
【0128】誘電特性の測定 矩型空洞共振器摂動法により測定した。共振周波数は約
2.5GHzの島田理化製矩型共振器に用いて、ネット
ワークアナライザー(HP8410B)を用いて測定し
た。 Tgの測定 昇温速度10℃/minで測定したTMAの屈曲点を求
めTgとした。 強さの測定 成形サンプルを指で曲げることにより判断した。 ○:破壊するのがきわめて困難である。 △:破壊できるが容易ではない。 ×:破壊が容易にできる。 焼結前後の変形 焼結前の形状と焼結後の形状を目視で確認した。 ○:形状の変化なし(収縮を除く) △:角が少し丸みをおびた。 転化率の測定 FT−IRスペクトルの吸収強度から算出した。 転化率(%)={(モノマーのシアナート基の吸収強度
−樹脂のシアナート基の吸収強度)/モノマーのシアナ
ート基の吸収強度}×100 難燃性 UL94に準じて測定した。 不良品数 成形体の外観を検査し割れ、かけ等があるものの個数を
記した。 良品率 良品率(%)=(成形品数−不良品率)/成形品数×1
00 1個あたりの成形時間 成形にようした時間/成形品個数 圧縮焼結成形(実施例A1−1〜A1−3)の場合 成形にようした時間=圧縮成形に要した時間+焼結時間 注型成形の場合(比較例A1−2) 成形に要した時間=注型成形に要した時間+離型、バリ
とりに要した時間
【0129】
【発明の効果】実施例および比較例から明らかなよう
に、本発明の製造方法は生産性が高くシアン酸エステル
樹脂成形品を製造するのに優れている。こうして得られ
た成形品は誘電特性にすぐれ、電気.電子部品のほか自
動車部品、事務機器部品などに有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 83/04 LRY C08L 83/04 LRY // B29K 79:00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シアン酸エステル樹脂または樹脂組成物を
    圧縮成形したのち焼結することを特徴とする成形品の製
    造方法。
  2. 【請求項2】シアン酸エステル樹脂または樹脂組成物の
    転化率が75%〜95%であることを特徴とする請求項
    1記載の成形品の製造方法。
  3. 【請求項3】シアン酸エステル樹脂または樹脂組成物に
    フッ素樹脂及び/又はシリコーン0.01〜10重量%
    を添加してなることを特徴とする請求項1、2記載の成
    形品の製造方法。
  4. 【請求項4】シアン酸エステル樹脂または樹脂組成物が
    (a)下記一般式I(R1、R2、R3およびR4は同
    一でも異なってもよく、水素、アルキル基、パーフルオ
    ロアルキル基、アリール基またはハロゲンであり、Aは
    単結合、未置換メチレン基、水素原子の1つまたは2つ
    をアルキル基、パーフルオロアルキル基、および/また
    はアリール基で置換した置換メチレン基、5員もしくは
    6員の環状脂肪族基、スルホン基、2価の硫黄、酸素、
    2価のカルボニル基、メチレン基が置換又は未置換のキ
    シリレン基またはフェニレン基である。)で表される芳
    香族ジシアン酸エステルおよび/または該ジアン酸エス
    テルの混合物であることを特徴とする請求項1、2、3
    記載の成形品の製造方法。 【化1】
  5. 【請求項5】シアン酸エステル樹脂または樹脂組成物が
    (b)下記一般式II(Ra、RbおよびRcは同一でも
    異なっていてもよく、水素、アルキル基、アリール基、
    ハロゲンであり、Ra、Rb、Rcのうち少なくとも1
    つ以上がハロゲンである。)で表される芳香族単官能シ
    アン酸エステル2〜45モル%および下記一般式III
    (R5とR6は同一でも異なってもよく、水素、アルキ
    ル基、パーフルオロアルキル基、アリール基であり、B
    は単結合、未置換メチレン基、水素原子の1つまたは2
    つをアルキル基、パーフルオロアルキル基、および/ま
    たはアリール基で置換した置換メチレン基、5員もしく
    は6員の環状脂肪族基、スルホン基、2価の硫黄、酸
    素、2価のカルボニル基、テトラメチルキシリデン基ま
    たはフェニレン基である。)で表される2官能シアン酸
    エステルあるいは該2官能シアン酸エステルプレポリマ
    ーの55〜98モル%(2官能シアン酸エステルモノマ
    ーに換算した値)の混合物であることを特徴とする請求
    項1、2、3、4記載の成形品の製造方法。 【化2】 【化3】
  6. 【請求項6】シアン酸エステル樹脂または樹脂組成物が
    (c)下記一般式IV(Rd、Re、Rf、Rgは同一で
    も異なっていてもよく、Rdは水素、アルキル基、アリ
    ール基であり、Re、RfおよびRgは水素、アルキル
    基、アリール基、クミル基、1−メチルベンジル基であ
    る。)で表される芳香族単官能シアン酸エステル2〜4
    5モル%および下記一般式V(R7とR8は同一でも異
    なっていてもよく、水素、アルキル基、パーフルオロア
    ルキル基、アリール基であり、Cは単結合、未置換メチ
    レン基、水素原子の1つまたは2つをアルキル基、パー
    フルオロアルキル基、および/またはアリール基で置換
    した置換メチレン基、5員もしくは6員の環状脂肪族
    基、スルホン基、2価の硫黄、酸素、2価のカルボニル
    基、メチレン基が置換または未置換のキシリレン基また
    はフェニレン基である。)で表される2官能シアン酸エ
    ステルあるいは該2官能シアン酸エステルプレポリマー
    の55〜98モル%(2官能シアン酸エステルモノマー
    に換算した値)の混合物であることを特徴とする請求項
    1、2、3、4、5記載の成形品の製造方法。 【化4】 【化5】
  7. 【請求項7】シアン酸エステル樹脂または樹脂組成物が
    (d)(i)2,2’−ジシアナトフェニルメタン(i
    i)2,4’−ジシアナトジフェニルメタン、または、
    (iii)2,2’−ジシアナトフェニルメタンと2,
    4’−ジシアナトジフェニルメタンの混合物のいずれか
    のシアン酸エステル成分をシアン酸エステルモノマーに
    換算してモル百分率で50%以上含むことを特徴とする
    請求項1、2、3、4、5記載の成形品の製造方法。
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