JPH0551418A - 封止用樹脂組成物 - Google Patents

封止用樹脂組成物

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JPH0551418A
JPH0551418A JP3236795A JP23679591A JPH0551418A JP H0551418 A JPH0551418 A JP H0551418A JP 3236795 A JP3236795 A JP 3236795A JP 23679591 A JP23679591 A JP 23679591A JP H0551418 A JPH0551418 A JP H0551418A
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Japan
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component
resin composition
weight ratio
compound
propenyl
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JP3236795A
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Inventor
Kaoru Kanayama
薫 金山
Shuji Ichikawa
修治 市川
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Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 (A)ポリ不飽和ジカルボン酸イミド化合
物、(B)1分子中に少なくとも2個の1−プロペニル
オキシ基を有する1−プロペニルエーテル化芳香族系化
合物、(C)重合触媒、及び(D)無機充填剤を含有す
る封止用樹脂組成物である。そして、その各成分の含有
割合は、(A)成分/(B)成分重量比で0.05〜2
0.0、好ましくは0.25〜5.0であり、(C)成
分/〔(A)成分+(B)成分〕重量比で0.001〜
0.1、好ましくは0.005〜0.05であり、
〔(A)成分+(B)成分+(C)成分〕/(D)成分
重量比で0.1〜10である。また、(A)成分として
好ましいのはポリマレイミド化合物である。(B)成分
の1−プロペニルエーテル化芳香族系化合物は、対応す
るアリルエーテル化芳香族系化合物を、2価のパラジウ
ム化合物の存在下で処理して、アリルエーテル基の末端
二重結合を内部二重結合に異性化することにより容易に
得られる。 【効果】 この樹脂組成物は、成形加工性に優れ、その
硬化物が吸水性が少なく、耐熱性も良好であるので、特
に半導体封止用に優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は封止用樹脂組成物、特に
半導体封止用として有用な、成形加工性に優れ、しかも
耐熱性に優れかつ吸水性の少ない硬化物を与える封止用
樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ダイオード、トランジスター、集
積回路等の電子部品は熱硬化性樹脂を用いて封止されて
いる。かかる樹脂封止は、ガラス、金属、セラミックス
などを用いたハーメチックシールと較べて、経済的その
他多くの点で有利であるので、広く実用化されている。
【0003】この種の樹脂封止用の樹脂組成物として
は、多くの熱硬化性樹脂の中でも、信頼性及び価格等の
点でエポキシ樹脂組成物が主として用いられてきた。し
かし近年、封止電子部品の使用条件が次第に厳しくなる
傾向にあり、特に封止樹脂材料の耐熱性に対する要求が
厳しくなってきた。
【0004】また従来、高耐熱性樹脂として、芳香族ジ
アミンを含有するビスマレイミド樹脂(ヨーロッパ特許
第1770867号明細書)、2個の芳香族核を有する
アリルフエノールとビスマレイミドとからなる樹脂(特
公昭55−39242号公報)などの熱硬化性のポリマ
レイミド樹脂組成物が知られているが、これらは成形加
工時に長時間の高温加熱を必要とするし、樹脂硬化物の
吸水率が大きい欠点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、成形加工性
に優れ、しかも耐熱性に優れかつ吸水率の低い硬化樹脂
を与えることのできる封止用樹脂組成物を提供しようと
するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の封止用樹脂組成
物は、 (A)成分:1分子中に少なくとも2個の不飽和ジカル
ボン酸イミド基を有するポリ不飽和ジカルボン酸イミド
化合物、 (B)成分:1分子中に少なくとも2個の1−プロペニ
ルオキシ基を有する1−プロペニルエーテル化芳香族系
化合物、 (C)成分:重合触媒、及び (D)成分:無機充填剤 の各成分を含有してなり、(A)成分/(B)成分重量
比が0.05〜20.0、(C)成分/〔(A)成分+
(B)成分〕重量比が0.001〜0.1、〔(A)成
分+(B)成分+(C)成分〕/(D)成分重量比が
0.1〜10であることを特徴とする組成物である。
【0007】本発明において(A)成分として用いられ
るポリ不飽和ジカルボン酸イミド化合物としては、下記
の〜に記載の化合物があげられる。 N,N′−エチレンビスマレイミド、N,N′−ヘ
キサメチレンビスマレイミド、N,N′−m−フエニレ
ンビスマレイミド、N,N′−p−フエニレンビスマレ
イミド、N,N′−4,4′−ジフエニルメタンビスマ
レイミド、N,N′−3,3′−ジメチル−5,5′−
ジエチル−ジフエニルメタンビスマレイミド、N,N′
−4,4′−ジフエニルエーテルビスマレイミド、N,
N′−メチレンビス(3−クロロ−p−フエニレン)ビ
スマレイミド、N,N′−4,4′−ジフエニルスルホ
ンビスマレイミド、N,N′−4,4′−ジシクロヘキ
シルメタンビスマレイミド、N,N′−α,α′−4,
4′−ジメチレンシクロヘキサンビスマレイミド、N,
N′−m−キシレンビスマレイミド、N,N′−4,
4′−ジフエニルシクロヘキサンビスマレイミド、N,
N′−4,4′−トリフエニル−1,1−プロパンビス
マレイミド、N,N′−4,4′−トリフエニル−1,
1,1−エタンビスマレイミド、N,N′−4,4′−
トリフエニルメタンビスマレイミド、N,N′−3,5
−トリアゾール−1,2,4−ビスマレイミド、2,2
−ビス〔4−(4−マレイミドフエノキシ)−フエニ
ル〕プロパン、ビス〔4−(マレイミドフエノキシ)フ
エニル〕スルホンなどのビスマレイミド。
【0008】 下記の一般式(1)で表わされるポリ
マレイミド。
【0009】
【化1】
【0010】この式中、Xは水素原子、ハロゲン原子、
又は炭素数1〜4のアルキル基若しくは同アルコキシ
基、mは0〜4の整数である。
【0011】 下記の一般式(2)で表わされるポリ
マレイミド(詳しくは特開昭59−12931号公報参
照)。
【0012】
【化2】
【0013】この式中、Xは水素原子、ハロゲン原子、
又は炭素数1〜4のアルキル基若しくは同アルコキシ基
である。
【0014】 前記の一般式(1)で表わされるポリ
マレイミドと、前記の一般式(2)で表わされるポリマ
レイミドとの混合物(特開昭60−26032号公報参
照)。
【0015】 N,N′−m−フエニレン−ビス−シ
トラコンイミド、N,N′−4,4′−ジフエニルメタ
ン−ビス−シトラコンイミド、N,N′−4,4′−ジ
フエニルメタン−ビス−イタコンイミド、N,N′−p
−フエニレン−ビス−イタコンイミド、N,N′−4,
4′−ジフエニルメタン−ビス−ジメチルマレイミド、
N,N′−4,4′−2,2′−ジフエニルプロパン−
ビス−ジメチルマレイミド、N,N′−ヘキサメチレン
−ビス−ジメチルマレイミド、N,N′−4,4′−
(ジフエニルエーテル)−ビス−ジメチルマレイミド、
及びN,N′−4,4′−ジフエニルスルホン−ビス−
ジメチルマレイミドなど。
【0016】本発明においては、これらのポリ不飽和ジ
カルボン酸イミド基を有するポリ不飽和ジカルボン酸イ
ミドは、2種以上を併用することも可能である。
【0017】本発明において(B)成分として用いられ
る1−プロペニルエーテル化芳香族系化合物は、対応す
るアリルエーテル化芳香族系化合物を、2価のパラジウ
ム化合物触媒の存在下で処理して、アリルエーテル基の
末端二重結合を内部二重結合に異性化することにより、
容易に製造することができる。
【0018】その原料のアリルエーテル化芳香族系化合
物は、少なくとも2個のフエノール性水酸基を有する芳
香族系化合物とアリルハライド(たとえばアリルクロラ
イド、アリルブロマイドなど)とを、炭酸ナトリウムな
どの塩基、及び有機溶媒の存在下で反応させることによ
り、容易に製造することができる〔たとえば、ジヤーナ
ル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサエテイ、第62
巻第1863頁(1940年)参照〕。
【0019】さらに、そのアリルエーテル化芳香族系化
合物を製造するための原料となる少なくとも2個のフエ
ノール性水酸基を有する芳香族系化合物としては、カテ
コール、ハイドロキノン、ビフエノール、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフエニル)プロパン〔すなわちビスフ
エノールA〕、ビス(4−ヒドロキシフエニル)メタン
〔すなわちビスフエノールF〕、4,4−ジヒドロキシ
ベンゾフエノン、4,4′−ジヒドロキシフエニルスル
ホン、3,9−ビス(2−ヒドロキシフエニル)2,
4,8,10−テトラオキサスピロ〔5・5〕−ウンデ
カン、3,9−ビス(4−ヒドロキシフエニル)−2,
4,8,10−テトラオキサスピロ〔5・5〕−ウンデ
カン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,
2−ビス(p−ヒドロキシフエニル)プロパン〔すなわ
ちヘキサフルオロビスフエノールA〕などの二価フエノ
ール類、フエノールノボラック、クレゾールノボラッ
ク、サリチルアルデヒドとフエノール又はクレゾールと
を酸触媒下で反応させて得られるポリフエノール類、p
−ヒドロキシベンズアルデヒドとフエノール又はクレゾ
ールを酸触媒下で反応させて得られるポリフエノール
類、テレフタルアルデヒドとフエノール又はクレゾール
又はブロムフエノールを酸触媒下で反応させて得られる
ポリフエノール類などの多価フエノール類があげられ
る。
【0020】本発明においては、以上のようにして製造
される1−プロペニルエーテル化芳香族系化合物は、1
種類を(B)成分として用いてもよいし、2種以上を併
用して(B)成分とすることも可能である。
【0021】本発明におけるポリ不飽和ジカルボン酸イ
ミド化合物(A)と、1−プロペニルエーテル化芳香族
系化合物(B)との配合割合は、(A)成分/(B)成
分重量比で0.05〜20.0、好ましくは0.25〜
5.0である。(A)成分の配合割合が多すぎると、硬
化物が脆くなる傾向となるし、(A)成分の割合が少な
すぎると、硬化物の耐熱性が低くなる傾向となり、いず
れも好ましくない。
【0022】本発明における(C)成分の重合触媒とし
ては、有機過酸化物、アゾ化合物等のラジカル重合開始
剤が挙げられる。そのラジカル重合開始剤を例示する
と、ベンゾイルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキ
シド、ジクミルパーオキシド、ラウロイルパーオキシ
ド、アセチルパーオキシド、メチルエチルケトンパーオ
キシド、シクロヘキサノンパーオキシド、t−ブチルハ
イドロパーオキシド、アゾビスイソブチロニトリル、
1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニト
リル)、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)
ジヒドロクロライド、2,2′−アゾビス〔2−(2−
イミダゾリイン−2−イル)プロパン〕、2,2′−ア
ゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等があげら
れる。硬化速度は用いる重合触媒の種類、添加量により
調整することができる。ジクミルパーオキシド、アゾビ
スイソブチロニトリル、1,1′−アゾビス(シクロヘ
キサン−1−カルボニトリル)等は、本発明の樹脂組成
物の利用分野である封止材料の最も実用的である成形条
件、すなわち(A)成分+(B)成分の合計重量に対し
て0.1〜5重量%の添加で、約175℃程度の温度下
1〜5分間の加熱で成形硬化が可能となるので、特に好
ましい。
【0023】本発明における(C)成分、すなわち重合
触媒の配合割合は、(C)成分/〔(A)成分+(B)
成分〕重量比で0.001〜0.1、好ましくは0.0
05〜0.05である。(C)成分の割合が少なすぎる
と成形加工時の硬化が不充分となるし、その割合が多す
ぎると硬化物の電気特性等が劣化するので、いずれも好
ましくない。
【0024】本発明における無機充填剤(D)として
は、たとえば微粉末シリカ、溶融シリカ、結晶性シリ
カ、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化マグ
ネシウム、マイカ、タルク、チタンホワイト、炭酸カル
シウム、ガラス繊維等があげられる。これらは単独で若
しくは2種以上の混合系として用いられる。これらのな
かでも粉末状シリカ、溶融シリカ及び結晶性シリカが特
に好ましい。
【0025】本発明における(D)成分の配合割合は、
〔(A)成分+(B)成分+(C)成分〕/(D)成分
重量比で0.1〜10の範囲である。(D)成分の割合
が多くなりすぎると、樹脂の流動性が無くなり成形加工
性が悪くなるし、また少なすぎると、硬化物の高温時の
機械特性が低下するので、いずれの場合も好ましくな
い。
【0026】本発明の樹脂組成物には必要に応じて(任
意成分として)難燃剤、着色剤及び顔料等を添加するこ
とができる。その難燃剤としては赤りん等の無機りん、
トリフエニルフオスフエートなどの有機りん等があげら
れる。その着色剤ないし顔料としては、たとえば二酸化
チタン、黄鉛、カーボンブラック、鉄黒、モリブデン赤
等があげられる。これら任意成分の配合割合は、本発明
の樹脂組成物の本来の性質を損なわない範囲の量、すな
わち全樹脂の50重量%未満が好ましい。
【0027】また、本発明の樹脂組成物には、必要に応
じてフエノール性水酸基と反応して架橋構造を与えるエ
ポキシ樹脂等を添加することも可能である。
【0028】本発明の樹脂組成物の調整は、(A)〜
(D)の各成分、及びさらに必要に応じて配合すること
のできる任意成分を適宜混合することにより、すなわち
加熱溶融混合、ロール、ニーダー等を用いる混練、適当
な有機溶媒を用いる混合、乾式混合等の手段によってな
るべく均一に混合することにより行なわれる。
【0029】
【実施例】以下に、1−プロペニルエーテル化芳香族系
化合物の合成例(以下これを単に「合成例」という)実
施例及び比較例をあげて詳述する。これらの例に記載の
「部」は重量部を意味する。
【0030】合成例1 (アリルエーテル化工程)温度計、攪拌機、冷却管及び
滴下ロートを付設した容量2000mlの四つ口フラス
コに、ビスフエノールA(228g)、NaOH(2
8.5g)及びn−プロパノール1000mlを仕込
み、加熱還流下で、内容物を溶解させた。完全に溶解し
たのち、塩化アリル200mlを徐々に滴下したとこ
ろ、全量滴下完了後は反応系が中性となった。引続き還
流下で3時間加熱して反応させたのち、冷却し、生成し
たNaClの沈澱を濾別してから、n−プロパノールを
留去した。
【0031】得られた粗ビスフエノールAのジアリルエ
ーテル化物308gを、塩化メチレンに溶解し、水洗
し、水層を分離した後の油層より塩化メチレンを留去し
た。得られた精製ビスフエノールAジアリルエーテルの
構造は、液体クロマトグラフ分析、核磁気共鳴分析及び
赤外吸収分光分析により同定された。
【0032】(1−プロペニルエーテル化工程)前記の
工程で得られた精製ビスフエノールAジアリルエーテル
103g(0.33モル)、四塩化炭素200g、及び
ジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム(II)
7.76g(0.02モル)を、攪拌装置、冷却管、温
度計及び気体導入管を付設した四つ口フラスコに仕込
み、窒素雰囲気下で、油浴により50℃に加温しながら
8時間攪拌して1−プロペニルエーテル化の異性化反応
を行なわせた。
【0033】反応生成液をエバポレーターに移し、減圧
下に加温して四塩化炭素を留去(回収)してから、残留
物に石油エーテル40mlを加えて攪拌し、ジクロロビ
ス(アセトニトリル)パラジウム(II)の橙色沈澱を
減圧濾過により除去(回収)した。その濾液を減圧下の
加温で留去(回収)して、無色透明粘稠状液体100g
を得た。この液体は、液体クロマトグラフイー、ゲル濾
過クロマトグラフイー、核磁気共鳴及び赤外分光の各分
析により、ビスフエノールAジ(1−プロペニル)エー
テルと同定された。その異性化率は100%であった。
【0034】合成例2 (ポリフエノール合成工程)温度計、攪拌機及び冷却管
を付設した容量2000mlの三つ口フラスコに、フエ
ノール940g、サリチルアルデヒド122g、及び硫
酸0.2gを仕込み、内温を110℃まで昇温したの
ち、さらに4時間同温度に保持して反応させた。反応終
了後、分液ロートを用いてメチルイソブチルケトン(以
下、「MIBK」と略称する)1000mlを加えて希
釈し、600mlの蒸留水で3回洗浄して硫酸を除去し
た。得られた溶液をロータリーエバポレータに移し、M
IBK及び過剰のフエノールを減圧下で留去し、赤褐色
ガラス状のポリフエノールを得た。このポリフエノール
は、融点111℃、平均分子量353であった。
【0035】(アリルエーテル化工程)温度計、攪拌
機、冷却器及び滴下ロートを付設した容量2000ml
の四つ口フラスコに、n−プロピルアルコール1000
ml及びNaOH180gを仕込み、均一になるまで攪
拌したのち、上記の工程で得られたポリフエノール45
0gを添加し、さらに1時間攪拌した。次いで、これに
塩化アリル298gを10分間かけて滴下したのち、そ
の反応液を100℃まで昇温し、同温度で3時間攪拌し
て反応させた。
【0036】反応生成物を濾別して副生した食塩を除去
したのち、n−プロピルアルコールを減圧下で留去(回
収)し、赤褐色の粘稠な液体反応生成物560gを得
た。この反応生成物は、核磁気共鳴及びゲルパーミエー
シヨンクロマトグラフの各分析を行なったところ、ポリ
フエノールのアリルエーテル化物のみであった。
【0037】(1−プロペニルエーテル化工程)前記の
工程で得られたポリフエノールアリルエーテル560g
(4.0モル)、クロロホルム1490g(1000m
l)、及びジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム
(II)2.86g(11ミリモル)を、合成例1にお
けると同様な四つ口フラスコに仕込み、46℃に加温
し、この温度で6時間攪拌して1−プロペニルエーテル
化の異性化反応を行なわせた。
【0038】この反応生成液を、合成例1と同様の方法
で処理して赤褐色透明粘稠状液体550gを得た。この
生成液体を合成例1と同様の方法で分析したところ、ポ
リフエノールの1−プロペニルエーテル化物であり、そ
のアリルエーテルからの異性化率は100%であった。
【0039】合成例3〜5 表1に示す原材料及び反応条件を用い、そのほかは合成
例1に記載の方法及び反応条件を用いてアリルエーテル
化し、得られたアリルエーテル化物を異性化して1−プ
ロペニルエーテル化させた。得られた1−プロペニルエ
ーテル化物の名称、収量及び異性化率は表1に示すとお
りであった。
【0040】
【表1】
【0041】表1の注: *1・・・1−プロペニルエーテル化工程の原料アリル
エーテル化物は、それぞれの例のアリルエーテル化工程
で得られたものを使用した。
【0042】実施例1 市販のジアミノジフエニルメタンビスマレイミド(三菱
油化株式会社商品名MB−3000)57部、合成例1
で合成した1−プロペニルエーテル化物43部、重合触
媒としてジクミルパーオキサイド(DCPO)1.0
部、及び溶融シリカ233部を混合したものを、100
〜130℃に加熱した6インチロールを用いて10分間
溶融混練してから、冷却後粉砕して成形用パウダーを得
た。この成形用パウダーの175℃におけるゲルタイム
は48秒であった。以上の要点を、後記の表2に摘記し
た。
【0043】次いで、得られた成形用パウダーを175
℃×70Kg/cm2 ×2分間の条件を用いてトランス
フアー成形したのち、200℃に5時間加熱した後硬化
させた。後記する表3に、そのトランスフアー成形条
件、硬化物物性、成形用パウダーのスパイラルフロー値
を摘記した。
【0044】実施例2〜7 比較例1〜2 表2に示す樹脂組成を用い、そのほかは実施例1に準じ
て種々の成形用樹脂組成物パウダーを調製した。得られ
た各樹脂各パウダーの175℃におけるゲルタイムは表
2に示すとおりであった。
【0045】
【表2】
【0046】表2の注: *1・・・ 三菱油化株式会社商品名 MB−3000 *2・・・ ジクミルパーオキサイドの略称 *3・・・ 1,1'- アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボ
ニトリル)の略称 *4・・・ 三菱油化株式会社商品名 MB−8000 *5・・・ アゾビスイソブチロニトリルの略称
【0047】また、上記実施例2〜7、及び比較例1〜
2で得られた各成形パウダーについて実施例1におけめ
と同様のスパイラルフロー値を測定し、また表3に示す
トランスフアー成形条件を用いて成形した後、200℃
で5時間加熱して後硬化させた硬化物の各種の物性値を
測定した。その結果は表3に示すとおりであった。
【0048】比較例3 市販のオルソクレゾールノボラック系エポキシ樹脂(油
化シエルエポキシ株式会社商品名 エピコート180
H)を200部、フエノールノボラック(群栄化学株式
会社商品名 PSF−4261)を96部、トリフエニ
ルホスフインを2部、及び溶融シリカを690部用い、
そのほかは実施例1の方法に準じて成形パウダーを製造
し、得られたパウダーを表3に示すトランスフアー成形
条件で成形し、200℃×5時間の硬化条件で後硬化さ
せた。その成形パウダーのスパイラルフロー値、及び硬
化物の各種の物性は表3に示すとおりであった。また、
この成形用パウダーの175℃におけるゲルタイムは3
2秒であった。
【0049】
【表3】
【0050】表3の注: *1・・・ ガラス転移点。TMA法によりN2 気流中で2
℃/minの昇温速度で測定。 *2・・・ 線膨張係数。ガラス転移点以下での値。 *3・・・ JIS K−6911による。 *4・・・ TGA法によりN2 気流中で10℃/minの
昇温速度で測定。 *5・・・ プレツシヤー・クツカー・テスト、121℃/
100RH/100hrs。
【0051】表2及び表3から明らかなように、各実施
例の樹脂組成物は、汎用のエポキシ樹脂組成物(比較例
3のオルソクレゾールノボラック系エポキシ樹脂組成
物)に較べて、硬化物の耐熱性及び機械特性に著しく優
れている。また、共重合成分として、ジアリルビスフエ
ノールA(比較例1)や、ビスフエノールAジアリルエ
ーテル(比較例2)と較べて、成形のための加熱温度が
低く、成形時間が短く、成形性が良好であり、かつ硬化
物の吸水性が少ない。
【0052】
【発明の効果】本発明の封止用樹脂組成物は、成形加工
性に優れ、その硬化物は吸水性が少なく、耐熱性も良好
である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)成分:1分子中に少なくとも2個
    の不飽和ジカルボン酸イミド基を有するポリ不飽和ジカ
    ルボン酸イミド化合物、 (B)成分:1分子中に少なくとも2個の1−プロペニ
    ルオキシ基を有する1−プロペニルエーテル化芳香族系
    化合物、 (C)成分:重合触媒、及び (D)成分:無機充填剤 の各成分を含有してなり、(A)成分/(B)成分重量
    比が0.05〜20.0、(C)成分/〔(A)成分+
    (B)成分〕重量比が0.001〜0.1、〔(A)成
    分+(B)成分+(C)成分〕/(D)成分重量比が
    0.1〜10であることを特徴とする封止用樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 (A)成分のポリ不飽和ジカルボン酸イ
    ミド化合物が、ポリマレイン酸イミド化合物である請求
    項1に記載の封止用樹脂組成物。
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