JP6111776B2 - シアン酸エステル樹脂、硬化性樹脂組成物、その硬化物、プリプレグ、回路基板、半導体封止材料、及びビルドアップフィルム - Google Patents

シアン酸エステル樹脂、硬化性樹脂組成物、その硬化物、プリプレグ、回路基板、半導体封止材料、及びビルドアップフィルム Download PDF

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本発明は、硬化物において優れた耐熱性と誘電特性とを兼備する硬化性樹脂組成物、その硬化物、プリプレグ、回路基板、半導体封止材料、ビルドアップフィルム、及びこれらの性能を与えるシアン酸エステル樹脂に関する。
近年、電子工業や通信、コンピューターなどの分野において、使用される周波数の高周波領域へのシフトが進んでおり、ギガヘルツ帯のような高周波領域での使用に耐え得る絶縁材料、具体的には、誘電率及び誘電正接のより低い絶縁材料の開発が求められている。種々の樹脂材料のうち、シアン酸エステル化合物は硬化物における誘電率及び誘電正接が比較的低い特徴を有し、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンの誘導体であるビスフェノールA型シアン酸エステル化合物が知られている(下記特許文献1参照)。
特許文献1に記載のビスフェノールA型シアン酸エステル化合物等、従来のシアン酸エステル化合物を用いてなる樹脂組成物は、前述の通り、一般的なエポキシ樹脂組成物やポリイミド樹脂組成物と比較して高周波領域における誘電特性に優れるものであるが、昨今益々高まる要求レベルを満たすものではなく、より一層高い誘電特性を発現し得る樹脂材料の開発が求められている。
加えて、近年環境問題に対する法規制等により、鉛を使用しない高融点はんだが主流となり、従来の共晶はんだと比較して使用温度が20〜40℃高くなっているが、従来のシアン酸エステル樹脂組成物はこれに対応し得る十分な耐熱性を有するものではなく、従って、より高い誘電特性と耐熱性とを兼備し得る樹脂材料の開発が求められている。
特開2002−69256号公報
従って、本発明が解決しようとする課題は、硬化物において優れた耐熱性と誘電特性とを兼備する硬化性樹脂組成物、その硬化物、プリプレグ、回路基板、半導体封止材料、ビルドアップフィルム、及びこれらの性能を与えるシアン酸エステル樹脂を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、特定構造の多官能化合物を含有するシアン酸エステル樹脂が、その硬化物において優れた耐熱性と誘電特性とを兼備することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記構造式(1)
Figure 0006111776
(式中、R及びRは、それぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基を示す。また、nは1又は2、mは0〜2の整数である。)
で表される多官能化合物(x)を含有することを特徴とするシアン酸エステル樹脂に関する。
本発明は、更に、前記したシアン酸エステル樹脂、及び硬化促進剤を必須成分とする硬化性樹脂組成物に関する。
本発明は、更に、前記したシアン酸エステル樹脂、硬化促進剤、及びエポキシ樹脂を必須成分とする硬化性樹脂組成物に関する。
本発明は、更に、前記硬化性樹脂組成物を硬化反応させてなる硬化物に関する。
本発明は、更に、前記硬化性樹脂組成物を有機溶剤に希釈したものを補強基材に含浸させ、得られる含浸基材を半硬化させることにより得られるプリプレグに関する。
本発明は、更に、前記硬化性樹脂組成物を有機溶剤に希釈してワニスを得、これを板状に賦形したものと銅箔とを加熱加圧成型することにより得られる回路基板に関する。
本発明は、更に、前記硬化性樹脂組成物に、更に無機質充填材を組成物中の含有率が70〜95質量%の範囲となる割合で添加して得られる半導体封止材料に関する。
本発明は、更に、前記硬化性樹脂組成物を有機溶剤に希釈したものを基材フィルム上に塗布し、乾燥させて得られるビルドアップフィルムに関する。
本発明によれば、硬化物において優れた耐熱性と誘電特性とを兼備する硬化性樹脂組成物、その硬化物、プリプレグ、回路基板、半導体封止材料、ビルドアップフィルム、及びこれらの性能を与えるシアン酸エステル樹脂を提供できる。
図1は、実施例1で得られたビフェノール−ナフトール樹脂(a−1)のGPCチャートである。 図2は、実施例2で得られたビフェノール−ナフトール樹脂(a−2)のGPCチャートである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のシアン酸エステル樹脂は、下記構造式(1)
Figure 0006111776
(式中、R及びRは、それぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基を示す。また、nは1又は2、mは0〜2の整数である。)
で表される多官能化合物(x)を含有することを特徴としている。
本発明のシアン酸エステル樹脂は、具体的には4,4’−ビフェノール、β−ナフトール化合物、及びホルムアルデヒドの反応生成物であるビフェノール−ナフトール樹脂をシアナト化して得られる樹脂であって、種々の樹脂構造のものを含む混合物の中に、前記多官能化合物(x)を含有するものが挙げられる。本発明のシアン酸エステル樹脂が必須の成分として含有する前記多官能化合物(x)は、一般的なノボラック樹脂の様な長鎖の樹脂と比較して分子レベルでの配向性が高く、その硬化物における誘電正接を低く抑えることができる。また、このようなオリゴマー化合物は長鎖のノボラック樹脂と比較して反応性も高く、その硬化物はより高密度に架橋されたものとなることから、耐熱性の高い硬化物を得ることができる。
本発明のシアン酸エステル樹脂は、より耐熱性に優れる硬化物が得られることから、前記一般式(1)で表される多官能化合物(x)をGPC測定における面積比率で30%以上含有することが好ましく、50%以上含有することがより好ましい。
多官能化合物(x)を表す前記一般式(1)において、nは1又は2、mは0〜2の整数である。即ち、前記多官能化合物(x)は分子構造中にフェノール性水酸基を3〜6個有する。中でも、硬化性に優れ、硬化物における誘電特性及び耐熱性に優れるシアン酸エステル樹脂となることから、nとmとが共に2である6官能体(x6)を含有することが好ましい。
このときの前記6官能体(x6)の含有率は、配向性に優れ、硬化物における誘電正接がより低くなることから、GPC測定における面積比率で5%以上であることが好ましく、20%以上であることがより好ましい。
斯かる6官能体(x6)は、具体的には、下記構造式(1−1)〜(1−6)
Figure 0006111776
で表される化合物が挙げられる。これらのなかでも特に前記構造式1−1で表されるもの、即ち、前記構造式(1)におけるR及びRが、全て水素原子であるものが、耐熱性に優れる硬化物が得られることから好ましい。
本発明のシアン酸エステル樹脂は、硬化物における誘電正接がより低いものとなることから、前記3官能化合物(x)に加え、更に4,4’−ジシアナトビフェニルを含有することが好ましい。
このとき、シアン酸エステル樹脂中の前記多官能化合物(x)の含有率と、4,4’−ジシアナトビフェニルの含有率は、溶剤溶解性が高く、硬化物における耐熱性と誘電特性とに優れる樹脂材料となることから、前記多官能化合物(x)の含有率がGPC測定における面積比率で30〜95%の範囲であり、4,4’−ジシアナトビフェニルの含有率がGPC測定における面積比率で1〜25%の範囲であることが好ましい。
本発明における前記多官能化合物(x)、6官能体(x6)、及び4,4’−ジシアナトビフェニルのシアン酸エステル樹脂中の含有率とは、下記の条件によるGPC測定によって計算される、本発明のシアン酸エステル樹脂の全ピーク面積に対する、前記各構造体のピーク面積の存在割合である。
<GPC測定条件>
測定装置 :東ソー株式会社製「HLC−8220 GPC」、
カラム:東ソー株式会社製ガードカラム「HXL−L」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G2000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G2000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G3000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G4000HXL」
検出器: RI(示差屈折計)
データ処理:東ソー株式会社製「GPC−8020モデルIIバージョン4.10」
測定条件: カラム温度 40℃
展開溶媒 テトラヒドロフラン
流速 1.0ml/分
標準 : 前記「GPC−8020モデルIIバージョン4.10」の測定マニュアルに準拠して、分子量が既知の下記の単分散ポリスチレンを用いた。
(使用ポリスチレン)
東ソー株式会社製「A−500」
東ソー株式会社製「A−1000」
東ソー株式会社製「A−2500」
東ソー株式会社製「A−5000」
東ソー株式会社製「F−1」
東ソー株式会社製「F−2」
東ソー株式会社製「F−4」
東ソー株式会社製「F−10」
東ソー株式会社製「F−20」
東ソー株式会社製「F−40」
東ソー株式会社製「F−80」
東ソー株式会社製「F−128」
試料 : 樹脂固形分換算で1.0質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(50μl)。
前述の通り、本発明のシアン酸エステル樹脂は、例えば、4,4’−ビフェノール、β−ナフトール化合物、及びホルムアルデヒドの反応生成物であるビフェノール−ナフトール樹脂をシアナト化して得られるものが挙げられる。このとき、シアン酸エステル樹脂(の前駆体であるビフェノール−ナフトール樹脂における前記多官能化合物(x)の前駆体の含有量、即ち、下記構造式(1’)
Figure 0006111776
(式中、R及びRは、それぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基を示す。また、nは1又は2、mは0〜2の整数である。)
で表される多官能化合物(x’)の含有量は、得られるシアン酸エステル樹脂の硬化物における耐熱性に優れることから、GPC測定における面積比率が30%以上であることが好ましく、50%の範囲であることが特に好ましい。
また、前記6官能体(x6)の前駆体である6官能体(x6’)の含有量は、得られるシアン酸エステル樹脂が配向性に優れ、硬化物における誘電正接がより低いものとなることから、GPC測定における面積比率で5%以上であることが好ましく、20%以上であることがより好ましい。
更に、前記シアン酸エステル樹脂が4,4’−ジシアナトビフェニルを含有する場合、ビフェノール−ナフトール樹脂における前記多官能化合物(x’)と4,4’−ビフェノールとの含有量は、得られるシアン酸エステル樹脂が溶剤溶解性に優れ、硬化物における耐熱性と誘電特性とを兼備するものとなることから、前記多官能化合物(x’)の含有率がGPC測定における面積比率で30〜95%の範囲であり、4,4’−ビフェノールの含有率がGPC測定における面積比率で1〜25%の範囲であることが好ましい。
ここで、ビフェノール−ナフトール樹脂中の前記多官能化合物(x’)、6官能体(x6’)及び4,4’−ビフェノール前記2量体(x2’)の含有率は、前記したシアン酸エステル樹脂中の各成分の含有量測定と同様の方法により測定される値である。
このような本発明のシアン酸エステル樹脂は、そのシアナト基当量が140〜180g/eqの範囲であることが、硬化性に優れる樹脂となり、耐熱性のより高い硬化物が得られることから好ましい。
本発明のシアン酸エステル樹脂は、例えば、下記方法1又は方法2によって製造することができる。
方法1:有機溶剤及びアルカリ触媒の存在下、β−ナフトール化合物とホルムアルデヒドとを反応させ、次いで、ホルムアルデヒドの存在下、4,4’−ビフェノールを加え反応させて、ビフェノール−ナフトール樹脂を得(工程1)、次いで、得られたビフェノール−ナフトール樹脂とハロゲン化シアンとを反応させて、目的とするシアン酸エステル樹脂を得る方法。
方法2:有機溶剤及びアルカリ触媒の存在下、4,4’−ビフェノール、β−ナフトール化合物、及びホルムアルデヒドを反応させて、ビフェノール−ナフトール樹脂を得(工程1)、次いで、得られたビフェノール−ナフトール樹脂とハロゲン化シアンとを反応させて、目的とするシアン酸エステル樹脂を得る方法。
本発明では、上記方法1又は2の工程1において、反応触媒として、アルカリ触媒を用いること、及び、有機溶剤を原料成分に対して少なく使用することにより、前記多官能化合物(x’)及び前記6量体(x6’)のビフェノール−ナフトール樹脂中の存在割合を所望の範囲に調整することができる。
ここで用いるアルカリ触媒は、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、金属ナトリウム、金属リチウム、水素化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無機アルカリ類などが挙げられる。その使用量は、原料成分である4,4’−ビフェノール及びβ−ナフトール化合物のフェノール性水酸基の総数に対して、モル基準で0.01〜2.0倍量となる範囲であることが好ましい。
また、有機溶剤は、メチルセロソルブ、イソプロピルアルコール、エチルセロソルブ、トルエン、キシレン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。これらのなかでもとりわけ前記多官能化合物(x’)の生成が促進されることからイソプロピルアルコールが好ましい。本発明における有機溶剤の使用量は、原料成分である4,4’−ビフェノール及びβ−ナフトール化合物の総質量100質量部あたり、5〜70質量部の範囲であることが、前記多官能化合物(x’)及び前記6量体(x6’)のビフェノール−ナフトール樹脂中の存在割合を所望の範囲に調整し易い点から好ましい。
本発明では必須の原料成分として4,4’−ビフェノールを用いる。ビフェノールの中でも、4,4’−型のものを用いることにより、前記6官能体(x6’)を効率的に得られ、最終物であるシアン酸エステル樹脂の硬化物における誘電正接を低減させることが出来る。
本発明のもう一つの原料成分であるβ−ナフトール化合物は、β−ナフトール及びこれらにメチル基、エチル基、プロピル基、t−ブチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基が核置換した化合物等が挙げられる。これらのなかでも置換基を有しないβ−ナフトールが、最終的に得られるシアン酸エステル樹脂の硬化物における耐熱性が向上することから好ましい。
本発明で用いるホルムアルデヒドは、水溶液の状態であるホルマリン溶液でも、固形状態であるパラホルムアルデヒドでもよい。
前記方法1又は方法2の工程1における4,4’−ビフェノールと、β−ナフトール化合物との使用割合は、モル比(4,4’−ビフェノール/β−ナフトール化合物)が[1/0.5]〜[1/8]となる範囲であることが最終的に得られるシアン酸エステル樹脂中の各成分比率の調整が容易であることが好ましい。
ホルムアルデヒドの反応仕込み比率は、4,4’−ビフェノール及びβ−ナフトール化合物の総モル数に対して、ホルムアルデヒドが、モル基準で0.6〜2.0倍量となる割合であること、特に、耐熱性に優れる点から、0.6〜1.5倍量となる割合であることが好ましい。
前記方法1の工程1では、反応容器に、所定量のβ−ナフトール化合物、ホルムアルデヒド、有機溶剤、及びアルカリ触媒と仕込み、40〜100℃にて反応させ、反応終了後、4,4’−ビフェノール(必要に応じて、更にホルムアルデヒド)を加え、40〜100℃の温度条件下に反応させることにより、前駆体であるビフェノール−ナフトール樹脂を得ることができる。
工程1の反応終了後は、反応混合物のpH値が4〜7になるまで中和あるいは水洗処理を行う。中和処理や水洗処理は常法にしたがって行えばよく、例えば酢酸、燐酸、燐酸ナトリウム等の酸性物質を中和剤として用いることができる。中和あるいは水洗処理を行った後、減圧加熱下で有機溶剤を留去させることにより、前駆体であるビフェノール−ナフトール樹脂が得られる。
前記方法2の工程1では、反応容器に、所定量のβ−ナフトール化合物、4,4’−ビフェノール、ホルムアルデヒド、有機溶剤、及びアルカリ触媒を仕込み、40〜100℃にて反応させることにより、前駆体であるビフェノール−ナフトール樹脂を得ることが出来る。
工程1の反応終了後は、反応混合物のpH値が4〜7になるまで中和あるいは水洗処理を行う。中和処理や水洗処理は常法にしたがって行えばよく、例えば酢酸、燐酸、燐酸ナトリウム等の酸性物質を中和剤として用いることができる。中和あるいは水洗処理を行った後、減圧加熱下で有機溶剤を留去させることにより、前駆体であるビフェノール−ナフトール樹脂(A)が得られる。
次いで、前記方法1又は方法2の工程2では、工程1で得られたビフェノール−ナフトール樹脂をハロゲン化シアンと反応させてシアナト化することにより、目的とするシアン酸エステル樹脂を得ることが出来る。工程2では、シアナト化を効率的に進めるため、クビフェノール−ナフトール樹脂が含有する水酸基に対しハロゲン化シアンが過剰となる条件で反応させることが好ましく、具体的にはビフェノール−ナフトール樹脂が含有する水酸基1モルに対し、ハロゲン化シアンが1.05〜2.5モルとなる割合で反応させることがこのましい。
ここで用いるハロゲン化シアンは塩化シアンや臭化シアン等が挙げられる。また、工程2の反応は塩基性触媒条件下で行うことにより反応が促進されることから好ましく、ここで用いる塩基性触媒は、例えば、トリエチルアミンやトリメチルアミン等の3級アミン、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物等が挙げられる。
また、前記工程2の反応は有機溶媒中で行うことが好ましく、ここで用いる有機溶媒は例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族化合物溶媒や、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン溶媒等が挙げられる。
工程2の終了後は、反応液に適量の水を加えて生成塩を溶解し、水洗を繰り返して系内の生成塩を除去する。次いで、脱水や濾別によりさらに精製し、有機溶媒を蒸留で除去することにより、目的とするシアン酸エステル樹脂を得ることが出来る。
本発明の硬化性樹脂組成物は、以上詳述したシアン酸エステル樹脂と硬化促進剤とを必須成分とするものである。
ここで用いる硬化促進剤は、具体的には、フェノール化合物、アミン化合物、ルイス酸、3級スルホニウム塩、4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩、エポキシ基含有化合物などが挙げられる。これらの中でも、シアン酸エステル樹脂との相溶性が高く、反応が円滑に進行する点からは、ノニルフェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、ベンジルジメチルアミン、銅、鉛、スズ、マンガン、ニッケル、鉄、亜鉛、コバルト等のカルボン酸塩、チタンテトラ-n-ブトキシドとそのポリマー、銅、ニッケル、コバルト等のペンタジオナート塩、臭化テトラブチルアンモニウム、塩化テトラブチルホスホニウム、オクチル酸亜鉛が好ましい。また、反応速度がより高まることからはエポキシ基含有化合物が特に好ましい。
前記硬化促進剤の使用量は、硬化促進能が十分に発揮されることから、例えば、シアン酸エステル樹脂100質量部に対し、0.001〜1質量部の範囲であることが好ましい。
また、本発明の硬化性樹脂組成物は、前記硬化促進剤に加え、更に、エポキシ樹脂を含有することにより、有機溶剤への溶解性や成形性がより良好なものとなることから好ましい。
ここで用いるエポキシ樹脂は、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂等のビフェニル型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、フェノール化合物とフェノール性水酸基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物のエポキシ化物、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;トリフェニルメタン型エポキシ樹脂;テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン−フェノール付加反応型エポキシ樹脂;フェノールアラルキル型エポキシ樹脂;ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、ジグリシジルオキシナフタレン、1,1−ビス(2,7−ジグリシジルオキシ−1−ナフチル)アルカン等の分子構造中にナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂;リン原子含有エポキシ樹脂等が挙げられる。
これらの中でも、より耐熱性の高い硬化物が得られることから、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂や、ナフタレン骨格を含有するナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック型エポキシ樹脂や、結晶性のビフェニル型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂、キサンテン型エポキシ樹脂や、アルコキシ基含有芳香環変性ノボラック型エポキシ樹脂(ホルムアルデヒドでグリシジル基含有芳香環及びアルコキシ基含有芳香環が連結された化合物)等が好ましい。
前記エポキシ樹脂を用いる場合、その使用量は、本発明の硬化性樹脂組成物中、10〜50質量%の範囲であることが好ましい。
前記エポキシ樹脂を用いる場合、更にエポキシ樹脂用硬化剤を併用しても良い。ここで用いるエポキシ樹脂用硬化剤は、例えば、アミン系化合物としてはジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、イミダゾ−ル、BF3−アミン錯体、グアニジン誘導体等のアミン化合物;ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンとより合成されるポリアミド樹脂等のアミド化合物;無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等の酸無水物;フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール付加型樹脂、フェノールアラルキル樹脂(ザイロック樹脂)、ナフトールアラルキル樹脂、トリメチロールメタン樹脂、テトラフェニロールエタン樹脂、ナフトールノボラック樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック樹脂、ビフェニル変性フェノール樹脂(ビスメチレン基でフェノール核が連結された多価フェノール化合物)、ビフェニル変性ナフトール樹脂(ビスメチレン基でフェノール核が連結された多価ナフトール化合物)、アミノトリアジン変性フェノール樹脂(メラミン、ベンゾグアナミンなどでフェノール核が連結された多価フェノール化合物)やアルコキシ基含有芳香環変性ノボラック樹脂(ホルムアルデヒドでフェノール核及びアルコキシ基含有芳香環が連結された多価フェノール化合物)等の多価フェノール化合物などが挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。
また、前記エポキシ樹脂を併用する場合、必要に応じてエポキシ樹脂用硬化促進剤を適宜併用しても良い。硬化促進剤としては種々のものが使用できるが、例えば、リン系化合物、第3級アミン、イミダゾール、有機酸金属塩、ルイス酸、アミン錯塩等が挙げられる。特に半導体封止材料用途として使用する場合には、硬化性、耐熱性、電気特性、耐湿信頼性等に優れる点から、リン系化合物ではトリフェニルフォスフィン、第3級アミンでは1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−ウンデセン(DBU)が好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、本発明のシアン酸エステル樹脂及び前記硬化促進剤に加え、更にビスマレイミド化合物を含有していても良い。ここで用いるビスマレイミド化合物は、1分子中に2個以上のマレイミド基を有する化合物であれば特に限定されるものではなく、具体的には、N−シクロヘキシルマレイミド、N−メチルマレイミド、N−n−ブチルマレイミド、N−ヘキシルマレイミド、N−tert−ブチルマレイミド等のN−脂肪族マレイミド;N−フェニルマレイミド、N−(P−メチルフェニル)マレイミド、N−ベンジルマレイミド等のN−芳香族マレイミド;4,4’―ジフェニルメタンビスマレイミド、4,4’―ジフェニルスルホンビスマレイミド、m―フェニレンビスマレイミド、ビス(3−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、ビス(3−エチル−4−マレイミドフェニル)メタン、ビス(3、5−ジメチル−4−マレイミドフェニル)メタン、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、ビス(3,5−ジエチル−4−マレイミドフェニル)メタン等のビスマレイミド化合物が挙げられる。
これらの中でも、特に硬化物の耐熱性が良好なものとなることから、4,4’−ジフェニルメタンビスマレイミド、ビス(3,5−ジメチル−4−マレイミドフェニル)メタン、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、ビス(3、5−ジエチル−4−マレイミドフェニル)メタンが好ましい。
前記ビスマレイミド化合物を併用する場合、必要に応じて硬化促進剤を適宜併用しても良い。ここで用いる硬化促進剤は、例えば、アミン化合物、フェノール化合物、酸無水物、イミダゾール化合物、有機金属塩などが挙げられる。
以上詳述した本発明の硬化性樹脂組成物は、特にプリント配線基板用ワニスにする場合、上記各成分の他に有機溶剤を配合することが好ましい。ここで用いる有機溶剤は、メチルエチルケトン、アセトン、ジメチルホルムアミド、メチルイソブチルケトン、メトキシプロパノール、シクロヘキサノン、メチルセロソルブ、エチルジグリコールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられる。有機溶剤の種類や適正な使用量は用途によって適宜選択し得るが、例えば、プリント配線板用途では、メチルエチルケトン、アセトン、ジメチルホルムアミド等の沸点が160℃以下の極性溶剤であることが好ましく、また、不揮発分40〜80質量%となる割合で使用することが好ましい。一方、ビルドアップ用接着フィルム用途では、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート等の酢酸エステル溶媒、セロソルブ、ブチルカルビトール等のカルビトール溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等を用いることが好ましく、不揮発分30〜60質量%となる割合で使用することが好ましい。
また、上記硬化性樹脂組成物は、難燃性を発揮させるために、例えばプリント配線板の分野においては、信頼性を低下させない範囲で、実質的にハロゲン原子を含有しない非ハロゲン系難燃剤を配合してもよい。
前記非ハロゲン系難燃剤としては、例えば、リン系難燃剤、窒素系難燃剤、シリコーン系難燃剤、無機系難燃剤、有機金属塩系難燃剤等が挙げられ、それらの使用に際しても何等制限されるものではなく、単独で使用しても、同一系の難燃剤を複数用いても良く、また、異なる系の難燃剤を組み合わせて用いることも可能である。
前記リン系難燃剤としては、無機系、有機系のいずれも使用することができる。無機系化合物としては、例えば、赤リン、リン酸一アンモニウム、リン酸二アンモニウム、リン酸三アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム等のリン酸アンモニウム類、リン酸アミド等の無機系含窒素リン化合物が挙げられる。
また、前記赤リンは、加水分解等の防止を目的として表面処理が施されていることが好ましく、表面処理方法としては、例えば、(i)水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン、酸化ビスマス、水酸化ビスマス、硝酸ビスマス又はこれらの混合物等の無機化合物で被覆処理する方法、(ii)水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン等の無機化合物、及びフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂の混合物で被覆処理する方法、(iii)水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン等の無機化合物の被膜の上にフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂で二重に被覆処理する方法等が挙げられる。
前記有機リン系化合物としては、例えば、リン酸エステル化合物、ホスホン酸化合物、ホスフィン酸化合物、ホスフィンオキシド化合物、ホスホラン化合物、有機系含窒素リン化合物等の汎用有機リン系化合物の他、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド、10−(2,5―ジヒドロオキシフェニル)―10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド、10―(2,7−ジヒドロオキシナフチル)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド等の環状有機リン化合物、及びそれをエポキシ樹脂やフェノール樹脂等の化合物と反応させた誘導体等が挙げられる。
それらの配合量としては、リン系難燃剤の種類、硬化性樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、非ハロゲン系難燃剤及びその他の充填材や添加剤等全てを配合した硬化性樹脂組成物100質量部中、赤リンを非ハロゲン系難燃剤として使用する場合は0.1〜2.0質量部の範囲で配合することが好ましく、有機リン化合物を使用する場合は同様に0.1〜10.0質量部の範囲で配合することが好ましく、特に0.5〜6.0質量部の範囲で配合することが好ましい。
また前記リン系難燃剤を使用する場合、該リン系難燃剤にハイドロタルサイト、水酸化マグネシウム、ホウ化合物、酸化ジルコニウム、黒色染料、炭酸カルシウム、ゼオライト、モリブデン酸亜鉛、活性炭等を併用してもよい。
前記窒素系難燃剤としては、例えば、トリアジン化合物、シアヌル酸化合物、イソシアヌル酸化合物、フェノチアジン等が挙げられ、トリアジン化合物、シアヌル酸化合物、イソシアヌル酸化合物が好ましい。
前記トリアジン化合物としては、例えば、メラミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、メロン、メラム、サクシノグアナミン、エチレンジメラミン、ポリリン酸メラミン、トリグアナミン等の他、例えば、(i)硫酸グアニルメラミン、硫酸メレム、硫酸メラムなどの硫酸アミノトリアジン化合物、(ii)フェノール、クレゾール、キシレノール、ブチルフェノール、ノニルフェノール等のフェノール類と、メラミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、ホルムグアナミン等のメラミン類およびホルムアルデヒドとの共縮合物、(iii)前記(ii)の共縮合物とフェノールホルムアルデヒド縮合物等のフェノール樹脂類との混合物、(iv)前記(ii)、(iii)を更に桐油、異性化アマニ油等で変性したもの等が挙げられる。
前記シアヌル酸化合物の具体例としては、例えば、シアヌル酸、シアヌル酸メラミン等を挙げることができる。
前記窒素系難燃剤の配合量としては、窒素系難燃剤の種類、硬化性樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、非ハロゲン系難燃剤及びその他の充填材や添加剤等全てを配合した硬化性樹脂組成物100質量部中、0.05〜10質量部の範囲で配合することが好ましく、特に0.1〜5質量部の範囲で配合することが好ましい。
また前記窒素系難燃剤を使用する際、金属水酸化物、モリブデン化合物等を併用してもよい。
前記シリコーン系難燃剤としては、ケイ素原子を含有する有機化合物であれば特に制限がなく使用でき、例えば、シリコーンオイル、シリコーンゴム、シリコーン樹脂等が挙げられる。
前記シリコーン系難燃剤の配合量としては、シリコーン系難燃剤の種類、硬化性樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、非ハロゲン系難燃剤及びその他の充填材や添加剤等全てを配合した硬化性樹脂組成物100質量部中、0.05〜20質量部の範囲で配合することが好ましい。また前記シリコーン系難燃剤を使用する際、モリブデン化合物、アルミナ等を併用してもよい。
前記無機系難燃剤としては、例えば、金属水酸化物、金属酸化物、金属炭酸塩化合物、金属粉、ホウ素化合物、低融点ガラス等が挙げられる。
前記金属水酸化物の具体例としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ドロマイト、ハイドロタルサイト、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化ジルコニウム等を挙げることができる。
前記金属酸化物の具体例としては、例えば、モリブデン酸亜鉛、三酸化モリブデン、スズ酸亜鉛、酸化スズ、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化チタン、酸化マンガン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化モリブデン、酸化コバルト、酸化ビスマス、酸化クロム、酸化ニッケル、酸化銅、酸化タングステン等を挙げることができる。
前記金属炭酸塩化合物の具体例としては、例えば、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸アルミニウム、炭酸鉄、炭酸コバルト、炭酸チタン等を挙げることができる。
前記金属粉の具体例としては、例えば、アルミニウム、鉄、チタン、マンガン、亜鉛、モリブデン、コバルト、ビスマス、クロム、ニッケル、銅、タングステン、スズ等を挙げることができる。
前記ホウ素化合物の具体例としては、例えば、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸、ホウ砂等を挙げることができる。
前記低融点ガラスの具体例としては、例えば、シープリー(ボクスイ・ブラウン社)、水和ガラスSiO−MgO−HO、PbO−B系、ZnO−P−MgO系、P−B−PbO−MgO系、P−Sn−O−F系、PbO−V−TeO系、Al−HO系、ホウ珪酸鉛系等のガラス状化合物を挙げることができる。
前記無機系難燃剤の配合量としては、無機系難燃剤の種類、硬化性樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、非ハロゲン系難燃剤及びその他の充填材や添加剤等全てを配合した硬化性樹脂組成物100質量部中、0.05〜20質量部の範囲で配合することが好ましく、特に0.5〜15質量部の範囲で配合することが好ましい。
前記有機金属塩系難燃剤としては、例えば、フェロセン、アセチルアセトナート金属錯体、有機金属カルボニル化合物、有機コバルト塩化合物、有機スルホン酸金属塩、金属原子と芳香族化合物又は複素環化合物がイオン結合又は配位結合した化合物等が挙げられる。
前記有機金属塩系難燃剤の配合量としては、有機金属塩系難燃剤の種類、硬化性樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、非ハロゲン系難燃剤及びその他の充填材や添加剤等全てを配合した硬化性樹脂組成物100質量部中、0.005〜10質量部の範囲で配合することが好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物には、必要に応じて無機質充填材を配合することができる。前記無機質充填材としては、例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、窒化珪素、水酸化アルミ等が挙げられる。前記無機充填材の配合量を特に大きくする場合は溶融シリカを用いることが好ましい。前記溶融シリカは破砕状、球状のいずれでも使用可能であるが、溶融シリカの配合量を高め且つ成形材料の溶融粘度の上昇を抑制するためには、球状のものを主に用いる方が好ましい。更に球状シリカの配合量を高めるためには、球状シリカの粒度分布を適当に調整することが好ましい。その充填率は難燃性を考慮して、高い方が好ましく、硬化性樹脂組成物の全体量に対して20質量%以上が特に好ましい。また導電ペーストなどの用途に使用する場合は、銀粉や銅粉等の導電性充填剤を用いることができる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、シランカップリング剤、離型剤、顔料、乳化剤等の種々の配合剤を添加することができる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、上記した各成分を均一に混合することにより得られる。本発明のエポキシ樹脂、硬化剤、更に必要により硬化促進剤の配合された本発明の硬化性樹脂組成物は従来知られている方法と同様の方法で容易に硬化物とすることができる。該硬化物としては積層物、注型物、接着層、塗膜、フィルム等の成形硬化物が挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物が用いられる用途としては、半導体封止材料、プリント配線板材料、樹脂注型材料、接着剤、ビルドアップ基板用層間絶縁材料、ビルドアップ用接着フィルム等が挙げられる。また、これら各種用途のうち、プリント配線板や電子回路基板用絶縁材料、ビルドアップ用接着フィルム用途では、コンデンサ等の受動部品やICチップ等の能動部品を基板内に埋め込んだ所謂電子部品内蔵用基板用の絶縁材料として用いることができる。これらの中でも、高耐熱性、低熱膨張性、及び溶剤溶解性といった特性からプリント配線板材料やビルドアップ用接着フィルムに用いることが好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物から半導体封止材料を調整するには、前記シアン酸エステル樹脂、硬化促進剤、及び無機充填剤等の配合剤を、必要に応じて押出機、ニ−ダ、ロ−ル等を用いて均一になるまで充分に溶融混合して得ることができる。その際、無機充填剤は通常溶融シリカが用いられるが、パワートランジスタ、パワーIC用高熱伝導半導体封止材としては、溶融シリカよりも熱伝導率の高い結晶シリカ、アルミナ,窒化ケイ素などの高充填化、または溶融シリカ、結晶性シリカ、アルミナ、窒化ケイ素などが挙げられる。その充填率は硬化性樹脂組成物100質量部当たり、無機充填剤を30〜95質量%の範囲で用いることが好ましい。中でも、難燃性や耐湿性や耐ハンダクラック性の向上、線膨張係数の低下を図るためには、70質量部以上がよりに好ましく、それらの効果を格段に上げるためには、80質量部以上であることが特に好ましい。半導体パッケージの成形方法は、例えば、該組成物を注型、或いはトランスファー成形機、射出成形機などを用いて成形し、さらに50〜200℃で2〜10時間に加熱することにより成形物である半導体装置を得る方法が挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物からプリント回路基板を製造するには、前記有機溶剤を含むワニス状の硬化性樹脂組成物を補強基材に含浸させ、銅箔を重ねて加熱圧着させる方法が挙げられる。ここで使用し得る補強基材は、紙、ガラス布、ガラス不織布、アラミド紙、アラミド布、ガラスマット、ガラスロービング布などが挙げられる。かかる方法を更に詳述すれば、先ず、前記したワニス状の硬化性樹脂組成物を、用いた溶剤種に応じた加熱温度、好ましくは50〜170℃で加熱することによって、硬化物であるプリプレグを得る。この時用いる樹脂組成物と補強基材の質量割合としては、特に限定されないが、通常、プリプレグ中の樹脂分が20〜60質量%となるように調製することが好ましい。次いで、上記のようにして得られたプリプレグを、常法により積層し、適宜銅箔を重ねて、1〜10MPaの加圧下に170〜300℃で10分〜3時間、加熱圧着させることにより、目的とするプリント回路基板を得ることができる。
本発明の硬化性樹脂組成物を導電ペーストとして使用する場合には、例えば、微細導電性粒子を該硬化性樹脂組成物中に分散させ異方性導電膜用組成物とする方法、室温で液状である回路接続用ペースト樹脂組成物や異方性導電接着剤とする方法が挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物からビルドアップ基板用層間絶縁材料を得る方法としては例えば、ゴム、フィラーなどを適宜配合した当該硬化性樹脂組成物を、回路を形成した配線基板にスプレーコーティング法、カーテンコーティング法等を用いて塗布した後、硬化させる。その後、必要に応じて所定のスルーホール部等の穴あけを行った後、粗化剤により処理し、その表面を湯洗することによって、凹凸を形成させ、銅などの金属をめっき処理する。前記めっき方法としては、無電解めっき、電解めっき処理が好ましく、また前記粗化剤としては酸化剤、アルカリ、有機溶剤等が挙げられる。このような操作を所望に応じて順次繰り返し、樹脂絶縁層及び所定の回路パターンの導体層を交互にビルドアップして形成することにより、ビルドアップ基盤を得ることができる。但し、スルーホール部の穴あけは、最外層の樹脂絶縁層の形成後に行う。また、銅箔上で当該樹脂組成物を半硬化させた樹脂付き銅箔を、回路を形成した配線基板上に、170〜300℃で加熱圧着することで、粗化面を形成、メッキ処理の工程を省き、ビルドアップ基板を作製することも可能である。
本発明の硬化性樹脂組成物からビルドアップフィルムを製造する方法は、例えば、本発明の硬化性樹脂組成物を、支持フィルム上に塗布し樹脂組成物層を形成させて多層プリント配線板用の接着フィルムとする方法が挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物をビルドアップフィルムに用いる場合、該フィルムは、真空ラミネート法におけるラミネートの温度条件(通常70℃〜140℃)で軟化し、回路基板のラミネートと同時に、回路基板に存在するビアホール或いはスルーホール内の樹脂充填が可能な流動性(樹脂流れ)を示すことが肝要であり、このような特性を発現するよう上記各成分を配合することが好ましい。
ここで、多層プリント配線板のスルーホールの直径は通常0.1〜0.5mm、深さは通常0.1〜1.2mmであり、通常この範囲で樹脂充填を可能とするのが好ましい。なお回路基板の両面をラミネートする場合はスルーホールの1/2程度充填されることが望ましい。
上記した接着フィルムを製造する方法は、具体的には、ワニス状の本発明の硬化性樹脂組成物を調製した後、支持フィルム(Y)の表面に、このワニス状の組成物を塗布し、更に加熱、あるいは熱風吹きつけ等により有機溶剤を乾燥させて硬化性樹脂組成物の層(X)を形成させることにより製造することができる。
形成される層(X)の厚さは、通常、導体層の厚さ以上とする。回路基板が有する導体層の厚さは通常5〜70μmの範囲であるので、樹脂組成物層の厚さは10〜100μmの厚みを有するのが好ましい。
なお、本発明における層(X)は、後述する保護フィルムで保護されていてもよい。保護フィルムで保護することにより、樹脂組成物層表面へのゴミ等の付着やキズを防止することができる。
前記した支持フィルム及び保護フィルムは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」と略称することがある。)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、更には離型紙や銅箔、アルミニウム箔等の金属箔などを挙げることができる。なお、支持フィルム及び保護フィルムはマッド処理、コロナ処理の他、離型処理を施してあってもよい。
支持フィルムの厚さは特に限定されないが、通常10〜150μmであり、好ましくは25〜50μmの範囲で用いられる。また保護フィルムの厚さは1〜40μmとするのが好ましい。
上記した支持フィルム(Y)は、回路基板にラミネートした後に、或いは加熱硬化することにより絶縁層を形成した後に、剥離される。接着フィルムを加熱硬化した後に支持フィルム(Y)を剥離すれば、硬化工程でのゴミ等の付着を防ぐことができる。硬化後に剥離する場合、通常、支持フィルムには予め離型処理が施される。
次に、上記のようして得られた接着フィルムを用いて多層プリント配線板を製造する方法は、例えば、層(X)が保護フィルムで保護されている場合はこれらを剥離した後、層(X)を回路基板に直接接するように、回路基板の片面又は両面に、例えば真空ラミネート法によりラミネートする。ラミネートの方法はバッチ式であってもロールでの連続式であってもよい。またラミネートを行う前に接着フィルム及び回路基板を必要により加熱(プレヒート)しておいてもよい。
ラミネートの条件は、圧着温度(ラミネート温度)を好ましくは70〜140℃、圧着圧力を好ましくは1〜11kgf/cm(9.8×104〜107.9×10N/m2)とし、空気圧20mmHg(26.7hPa)以下の減圧下でラミネートすることが好ましい。
本発明の硬化物を得る方法としては、一般的な硬化性樹脂組成物の硬化方法に準拠すればよいが、例えば加熱温度条件は、組み合わせる硬化剤の種類や用途等によって、適宜選択すればよいが、上記方法によって得られた組成物を、20〜300℃程度の温度範囲で加熱すればよい。
次の本発明を実施例、比較例により具体的に説明する。尚、GPCは以下の条件にて測定した。
GPC:測定条件は以下の通り。
測定装置 :東ソー株式会社製「HLC−8220 GPC」、
カラム:東ソー株式会社製ガードカラム「HXL−L」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G2000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G2000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G3000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G4000HXL」
検出器: RI(示差屈折計)
データ処理:東ソー株式会社製「GPC−8020モデルIIバージョン4.10」
測定条件: カラム温度 40℃
展開溶媒 テトラヒドロフラン
流速 1.0ml/分
標準 : 前記「GPC−8020モデルIIバージョン4.10」の測定マニュアルに準拠して、分子量が既知の下記の単分散ポリスチレンを用いた。
(使用ポリスチレン)
東ソー株式会社製「A−500」
東ソー株式会社製「A−1000」
東ソー株式会社製「A−2500」
東ソー株式会社製「A−5000」
東ソー株式会社製「F−1」
東ソー株式会社製「F−2」
東ソー株式会社製「F−4」
東ソー株式会社製「F−10」
東ソー株式会社製「F−20」
東ソー株式会社製「F−40」
東ソー株式会社製「F−80」
東ソー株式会社製「F−128」
試料 : 樹脂固形分換算で1.0質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(50μl)。
実施例1 シアン酸エステル樹脂(1)の製造
温度計、滴下ロート、冷却管、分留管、撹拌器を取り付けたフラスコに、β−ナフトール144質量部(1.0モル)、イソプロピルアルコール167質量部、37%ホルマリン水溶液122質量部(1.50モル)、49%水酸化ナトリウム20質量部(0.25モル)を仕込み、室温から75℃まで攪拌しながら昇温し、75℃で1時間撹拌した。続いて、4,4’−ビフェノール47質量部(0.25モル)を仕込み、さらに75℃で8時間攪拌した。反応終了後、第1リン酸ソーダ30質量部を添加して中和した後、メチルイソブチルケトン417質量部加え、水104質量部で3回洗浄を繰り返した後に、加熱減圧下乾燥してビフェノール−ナフトール樹脂(A−1)198質量部得た。得られたビフェノール−ナフトール樹脂(a−1)のGPCチャートを図1に示す。ビフェノール−ナフトール樹脂(a−1)の水酸基当量は135グラム/当量であり、GPCチャートから算出される多官能化合物(x)の含有率は76.9%、下記構造式(a)で表される6官能体の含有率は76.9%であり、4,4’−ビフェノールの含有率は3.2%であった。
Figure 0006111776
次いで、滴下ロート、温度計、攪拌装置、加熱装置、冷却還流管を取り付けた4つ口フラスコに窒素ガスを流しながら、臭化シアン106g(1.0モル)とビフェノール−ナフトール樹脂(a−1)67.5g(0.5モル)を仕込みアセトン1000gに溶解させた後、−3℃に冷却した。次に、トリエチルアミン111g(1.1モル)を滴下ロートに仕込み、攪拌しながらフラスコ内温が10℃以上にならない様な速度で滴下した。滴下終了後、2時間10℃以下の温度下で攪拌し、生じた沈澱を濾過により除いた後、大量の水に注ぎ再沈した。これを塩化メチレンで抽出し、水洗することによりシアン酸エステル樹脂(A−1)を80g得た。この化合物のIRスペクトルは2264cm−1(シアン酸エステル基)の吸収を示し、かつ水酸基の吸収は示さず、またMSスペクトルが960のピークを示したことから、下記構造式(b)で表されるシアン酸エステル樹脂を含むものであることが確認された。
Figure 0006111776
実施例2 シアン酸エステル樹脂(2)の製造
37%ホルマリン水溶液89質量部(1.10モル)、4,4’−ビフェノール93質量部(0.50モル)に変更した以外は、実施例1と同様にしてビフェノール−ナフトール樹脂(a−2)230質量部を得た。得られたビフェノール−ナフトール樹脂(a−2)のGPCチャートを図2に示す。ビフェノール−ナフトール樹脂(a−2)の水酸基当量は125グラム/当量であった。GPCチャートから算出される多官能化合物(x)の含有率は76.8%、上記構造式(a)で表される6官能体の含有率は28.7%であり、4,4’−ビフェノールの含有率は13.1%であった。
ビフェノール−ナフトール樹脂(a−1)をビフェノール−ナフトール樹脂(a−2)62.5質量部に変更した以外は、実施例2と同様にしてシアン酸エステル樹脂(A−2)を75g得た。この化合物のIRスペクトルは2264cm−1(シアン酸エステル基)の吸収を示し、かつ水酸基の吸収は示さず、またMSスペクトルが960のピークを示したことから、上記構造式(b)で表されるシアン酸エステル樹脂を含むものであることが確認された。
実施例3、4及び比較例1
実施例で得たシアン酸エステル樹脂(A−1)、(A−2)又は比較用シアン酸エステル化合物(LONZA製「BA−200」:ビスフェノールA型シアン酸エステル樹脂)100質量部に対し、硬化促進剤としてオクチル酸亜鉛0.01質量部を配合し、硬化性樹脂組成物を調整した。得られた硬化性樹脂組成物をプレスで200℃の温度条件下10分間成型した後、200℃の温度条件下で5時間硬化させ、試験片を作成した。該試験片につき下記の方法により耐熱性及び誘電特性を評価した。結果を表1に示す。
<耐熱性評価>
粘弾性測定装置(DMA:レオメトリック社製固体粘弾性測定装置「RSAII」、レクタンギュラーテンション法;周波数1Hz、昇温速度3℃/min)を用い、弾性率変化が最大となる(tanδ変化率が最も大きい)温度(Tg)を測定した。
<誘電率及び誘電正接の測定>
JIS−C−6481に準拠し、アジレント・テクノロジー株式会社製インピーダンス・マテリアル・アナライザ「HP4291B」により、絶乾後23℃、湿度50%の室内に24時間保管した後の試験片の1GHzでの誘電率および誘電正接を測定した。
Figure 0006111776

Claims (12)

  1. 下記構造式(1)
    Figure 0006111776
    (式中、R及びRは、それぞれ水素原子を示す。また、nは1又は2、mは0〜2の整数である。)
    で表される多官能化合物(x)を含有することを特徴とするシアン酸エステル樹脂。
  2. 前記一般式(1)で表される多官能化合物(x)の含有率がGPC測定における面積比率で40%以上である請求項1記載のシアン酸エステル樹脂。
  3. 前記一般式(1)においてnとmとが共に2である6官能体(x6)を含有し、該6官能体(x6)の含有量がGPC測定における面積比率で5%以上である請求項1又は2記載のシアン酸エステル樹脂。
  4. 前記多官能化合物(x)に加え、更に、4,4’−ジシアナトビフェニルを含有しており、かつ、前記多官能化合物(x)の含有率がGPC測定における面積比率で30〜95%となる割合であり、4,4’−ジシアナトビフェニルの含有率がGPC測定における面積比率で1〜25%となる割合である請求項1〜3の何れか一つに記載のシアン酸エステル樹脂。
  5. シアナト基当量が140〜180g/eqの範囲である請求項1〜4の何れか一つに記載のシアン酸エステル樹脂。
  6. 請求項1〜5の何れか1つに記載のシアン酸エステル樹脂と、硬化促進剤とを必須成分とする硬化性樹脂組成物。
  7. 請求項1〜5の何れか1つに記載のシアン酸エステル樹脂、硬化促進剤、及びエポキシ樹脂を必須成分とする硬化性樹脂組成物。
  8. 請求項6又は7に記載の硬化性樹脂組成物を硬化反応させてなる硬化物。
  9. 請求項6又は7に記載の硬化性樹脂組成物を有機溶剤に希釈したものを補強基材に含浸させ、得られる含浸基材を半硬化させることにより得られるプリプレグ。
  10. 請求項6又は7に記載の硬化性樹脂組成物を有機溶剤に希釈してワニスを得、これを板状に賦形したものと銅箔とを加熱加圧成型することにより得られる回路基板。
  11. 請求項6又は7に記載の硬化性樹脂組成物に、更に無機質充填材を組成物中の含有率が70〜95質量%の範囲となる割合で添加して得られる半導体封止材料。
  12. 請求項6又は7に記載の硬化性樹脂組成物を有機溶剤に希釈したものを基材フィルム上に塗布し、乾燥させて得られるビルドアップフィルム。
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