JP4581397B2 - エポキシ樹脂組成物とその硬化物 - Google Patents

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本発明は、得られる硬化物の柔軟性、強靭性、密着性、耐湿性に優れ、電子材料分野に好適に用いることができるエポキシ樹脂組成物、及びこれを用いた硬化物に関する。
エポキシ樹脂と硬化剤とを含有するエポキシ樹脂組成物は、接着剤、塗料、電気電子材料等の産業分野において広く使用されている。これらの中でも、近年、携帯機器や高速演算処理機器の普及によって、高密度、高集積度、高速処理を実現できる先端エレクトロニクス部品であるビルドアップ層間絶縁材料などの開発が活発化している。例えば前記用途における硬化物の柔軟性と強靭性を兼備し、且つ前記用途で用いられる配合技術に適応でできる低軟化点を有する材料として、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂をダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸を分子鎖延長剤として反応させて得られる、高分子量変性エポキシ樹脂が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、前記特許文献1に提示されている高分子量変性エポキシ樹脂を用いて得られる硬化物は、分子構造内にエステル結合を有していることから前記用途で要求される耐湿性を満たすものではない。従って、得られる硬化物の柔軟性、強靭性、密着性、耐湿性等を高いレベルで兼備でき、前述の用途に好適に用いることができるエポキシ樹脂組成物が求められている。
特開平08−53533号公報(第2−4頁)
上記のような実状に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、優れた柔軟性、強靱性、密着性、耐湿性を有する硬化物が得られ、更に先端エレクトロニクス部品等に必要な高度な配合技術を適応しやすい、高分子量でありながら軟化点が低いエポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物及びその硬化物を提供することにある。
本発明者等は上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、エポキシ樹脂と硬化剤とを含有するエポキシ樹脂組成物であり、前記エポキシ樹脂が、多価フェノール類(x1)と多価ビニルエーテル類(x2)とをアセタール化反応させて得られる変性多価フェノール類(a)をグリシジルエーテル化してなる変性エポキシ樹脂(A)と、価フェノール類(B)とを付加反応させて得られるエポキシ樹脂(I)であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物が、柔軟性、強靱性、密着性、耐湿性を兼備する硬化物を提供することができることを見いだし、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、エポキシ樹脂と硬化剤とを含有するエポキシ樹脂組成物であり、前記エポキシ樹脂が、多価フェノール類(x1)と多価ビニルエーテル類(x2)とをアセタール化反応させて得られる変性多価フェノール類(a)をグリシジルエーテル化してなる変性エポキシ樹脂(A)と、価フェノール類(B)とを付加反応させて得られるエポキシ樹脂(I)であるエポキシ樹脂組成物及びこれを用いて得られる硬化物を提供するものである。
本発明で用いるエポキシ樹脂は分子量の割には軟化点が低く、高度な配合技術を適用しやすい。またそれを必須とするエポキシ樹脂組成物から得られる硬化物は、柔軟性と強靭性、及び耐湿性に富み、優れた信頼性が求められる半導体や回路基板の関連材料や、先端複合材料や、高機能性塗料、接着剤などの分野で有用である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いるエポキシ樹脂(I)は多価フェノール類(x1)と多価ビニルエーテル類(x2)とをアセタール化反応させて得られる変性多価フェノール類(a)を、グリシジルエーテル化してなる変性エポキシ樹脂(A)を用いて、更に、価フェノール類(B)とを付加反応させて得られるエポキシ樹脂である。
まず変性エポキシ樹脂(A)について詳述する。変性エポキシ樹脂(A)は、多価フェノール類の芳香族性水酸基と多価ビニルエーテル類のビニルエーテル基を付加反応させて、多価フェノール類をアセタール基結合によって分子鎖延長して得られる変性多価フェノール類の水酸基をエピハロヒドリンによってグリシジルエーテル化してなる化学構造を有しているものである。ここでいうアセタール化反応とは、下記化学反応式
Figure 0004581397
で表される反応であり、芳香族性水酸基とビニルエーテル基が付加反応してアセタール基を生成する化学反応を示す。
前記多価フェノール類(x1)としては、1分子中に1個より多い芳香族性水酸基を含有する芳香族系化合物であれば、特に限定されないが、例えば、ハイドロキノン、レゾルシン、カテコール、それらの置換基含有体等のジヒドロキシベンゼン類;1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、それらの置換基含有体等のジヒドロキシナフタレン類;ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン(ビスフェノールF)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールC)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(ビスフェノールZ)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン(ビスフェノールAP)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン(ビスフェノールS)及びこれらの置換基含有体等のビスフェノール類;ビス(2−ヒドロキシ−1−ナフチル)メタン、ビス(2−ヒドロキシ−1−ナフチル)プロパン等のビスナフトール類、フェノール/ホルムアルデヒド重縮合物、オルソクレゾール/ホルムアルデヒド重縮合物、1−ナフトール/ホルムアルデヒド重縮合物、2−ナフトール/ホルムアルデヒド重縮合物、フェノール/アセトアルデヒド重縮合物、オルソクレゾール/アセトアルデヒド重縮合物、1−ナフトール/アセトアルデヒド重縮合物、2−ナフトール/アセトアルデヒド重縮合物、フェノール/サリチルアルデヒド重縮合物、オルソクレゾール/サリチルアルデヒド重縮合物、1−ナフトール/サリチルアルデヒド重縮合物、2−ナフトール/サリチルアルデヒド重縮合物等とこれらの置換基含有体等のフェノール類(ナフトール類)/アルデヒド類重縮合物類;フェノール/ジシクロペンタジエン重付加物、フェノール/テトラヒドロインデン重付加物、フェノール/4−ビニルシクロヘキセン重付加物、フェノール/5−ビニルノボルナ−2−エン重付加物、フェノール/α−ピネン重付加物、フェノール/β−ピネン重付加物、フェノール/リモネン重付加物、オルソクレゾール/ジシクロペンタジエン重付加物、オルソクレゾール/テトラヒドロインデン重付加物、オルソクレゾール/4−ビニルシクロヘキセン重付加物、オルソクレゾール/5−ビニルノボルナ−2−エン重付加物、オルソクレゾール/α−ピネン重付加物、1−ナフトール/ジシクロペンタジエン重付加物、1−ナフトール/4−ビニルシクロヘキセン重付加物、1−ナフトール/5−ビニルノルボルナジエン重付加物、1−ナフトール/α−ピネン重付加物、1−ナフトール/β−ピネン重付加物、1−ナフトール/リモネン重付加物、オルソクレゾール/β−ピネン重付加物、オルソクレゾール/リモネン重付加物等とこれらの置換基含有体等のフェノール類(ナフトール類)/ジエン類重付加物類、フェノール/p−キシレンジクロライド重縮合物、1−ナフトール/p−キシレンジクロライド重縮合物、2−ナフトール/p−キシレンジクロライド重縮合物、フェノール/ビスクロロメチルビフェニル重縮合物、オルトクレゾール/ビスクロロメチルビフェニル重縮合物、1−ナフトール/ビスクロロメチルビフェニル重縮合物、2−ナフトール/ビスクロロメチルビフェニル重縮合物とこれらの置換基含有体等のフェノール類/アラルキル樹脂類との重縮合物類が挙げられる。また、これらの置換基含有体の置換基例としては、アルキル基、アリール基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、ハロゲン原子などが挙げられる。
これらのなかでも、ビニルエーテル類変性率を高めても最終的に得られるエポキシ樹脂(I)の分子量をゲル化することなく高めることができる点から、多価フェノール類(x1)が2価フェノール類であることが好ましい。2価フェノール類のなかでも、得られる硬化物の靭性等の性能に優れることから、ビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノール類、或いは耐湿性に優れることから、前記フェノール類(ナフトール類)/ジエン類重付加物類中のフェノール類(ナフトール類)2モルにジエン類が1モル付加している2価フェノール類が特に好ましい。
また前記多価ビニルエーテル類(a2)としては、1分子中に1個より多いビニルエーテル基を含有する化合物であれば、特に限定されないが、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレンレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレンレングリコールジビニルエーテル、トリプロピレングリコールジビニルエーテル、テトラプロピレンレングリコールジビニルエーテル、ポリプロピレンレングリコールジビニルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジビニルエーテル等の(ポリ)オキシアルキレン基を含有するジビニルエーテル類;グリセロールジビニルエーテル、トリグリセロールジビニルエーテル、1,3−ブチレングリコールジビニルエーテル、1,4−ブタンジジオールジビニルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジビニルエーテル、1,9−ノナンジオールジビニルエーテル、1,10−デカンジオールジビニルエーテル、ネオペンチルグリコールジビニルエーテル、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジビニルエーテル等のアルキレン基を有するジビニルエーテル類;1,4−シクロヘキサンジオールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリシクロデカンジオールジビニルエーテル、トリシクロデカンジメタノールジビニルエーテル、ペンタシクロペンタデカンジメタノールジビニルエーテル、ペンタシクロペンタデカンジオールジビニルエーテル等のシクロアルカン構造を含有するジビニルエーテル類;ビスフェノールAジビニルエーテル、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジビニルエーテル、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAジビニルエーテル、ビスフェノールFジビニルエーテル、エチレンオキサイド変性ビスフェノールFジビニルエーテル、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールFジビニルエーテル等のジビニルエーテル類;トリメチロールプロパントリビニルエーテル、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリビニルエーテル、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル等の3価ビニルエーテル類、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ペンタエリスリトールエトキシテトラビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル等の4価ビニルエーテル類;ジペンタエリスリトールヘキサ(ペンタ)ビニルエーテル等の多価ビニルエーテル類などが挙げられる。
これらの中でも、ビニルエーテル類変性率を高めても最終的に得られるエポキシ樹脂(I)の分子量をゲル化することなく高めることができる点から、ジビニルエーテル類であることが好ましい。ジビニルエーテル類としては、得られるエポキシ樹脂の所望の特性を考慮して、適当なものを選択すればよいが、ポリオキシアルキレン基を含有するジビニルエーテル類、アルキレン基を有するジビニルエーテル類、シクロアルカン骨格を含有するジビニルエーテル類が特に好ましい。
例えば、低粘度のエポキシ樹脂であり、且つ優れた柔軟性、屈曲性、靭性、密着性を有する硬化物を所望するならば、ポリオキシアルキレン骨格を含有するジビニルエーテル類を用いることが好ましく、これを用いた場合は、ポリエーテル骨格の親水性が高いので、水性型或いはエマルジョン型のエポキシ樹脂組成物を容易に調製することができる。また、優れた耐湿性、誘電特性を有する硬化物を所望するならば、シクロアルカン骨格含有型のジビニルエーテル類を用いることが好ましい。
次いで、本発明に用いる変性多価フェノール類(a)の製造方法に関して説明する。反応方法としては、芳香族性水酸基とビニルエーテル基との反応条件に準拠すればよく、特に限定されるものではないが、例えば、前記多価フェノール類(x1)と多価ビニルエーテル類(x2)とを仕込み、撹拌混合しながら加熱することによって目的の変性多価フェノール類(a)を得ることができる。この場合、必要に応じて、有機溶媒や触媒を使用することができる。使用できる有機溶媒としては、特に限定されるものではないが、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族性有機溶媒や、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系有機溶媒、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ノルマルブタノールなどのアルコール系有機溶媒等が挙げられ、用いる原料や生成物の溶解度などの性状や反応条件、経済性等を考慮して適宜選択すればよい。有機溶媒の使用量としては、原料重量に対して、5〜500重量%の範囲であることが好ましい。
通常、前記アセタール化反応は無触媒においても十分反応は進行するが、用いる原料の種類や得られる変性多価フェノール類(a)の所望の特性、所望の反応速度等によっては、触媒を使用してもよい。その触媒の種類としては、通常、水酸基とビニルエーテル基の反応に用いられる触媒であれば特に限定されるものではないが、例えば、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸などの無機酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、キシレンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、シュウ酸、ギ酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸など有機酸、塩化アルミニウム、塩化鉄、塩化スズ、塩化ガリウム、塩化チタン、臭化アルミニウム、臭化ガリウム、三弗化ホウ素エーテル錯体、三弗ホウフェノール錯などのルイス酸等が挙げられ、添加量としては、原料全重量に対して、10ppm〜1重量%の範囲で用いることができる。但し、触媒添加系においては、芳香環に対するビニル基の核付加反応を起こさないように、その種類や添加量、及び反応条件を選択する必要がある。
前記芳香族性水酸基とビニルエーテル基との反応方法としては、通常、室温から200℃、好ましくは、50〜150℃の温度で、0.5〜30時間、加熱撹拌すればよい。この際、ビニルエーテル類の自己重合を防止するため、酸素含有雰囲気下での反応の方が好ましい。反応の進行程度は、ガスクロマトグラフィーや液体クロマトグラフィー等を用いて、原料の残存量を測定することによって追跡できる。また有機溶媒を使用した場合は、蒸留等でそれを除去し、触媒を使用した場合は、必要によって失活剤等で失活させて、水洗や濾過操作によって除去することが好ましい。但し、次工程のグリシジルエーテル化反応で悪影響がない有機溶媒や触媒(失活触媒残含む)の場合は、特に精製しなくてもよい。
前記反応時における多価フェノール類(x1)と多価ビニルエーテル類(x2)との反応比率は、反応生成物1分子中に少なくとも1個以上の芳香族性水酸基が残るような比率であれば、特に限定されないが、原料の多価フェノール類(x1)と多価ビニルエーテル類(x2)の種類と組み合わせや、得られる変性多価フェノール類(a)の所望のビニルエーテル変性率、分子量、水酸基当量等の物性値、及び反応条件に因るアセタール転化率等に応じて決定すればよい。例えば、ビニルエーテル変性に因る柔軟性、耐湿性、誘電特性などの効果を際だって高めたい場合は、多価ビニルエーテル類(x2)の量を高めればよい。具体的は、多価フェノール類(x1)の芳香族性水酸基に対して、多価ビニルエーテル類(x2)のビニルエーテル基が、〔多価フェノール類(x1)の芳香族性水酸基〕/〔多価ビニルエーテル類(x2)のビニルエーテル基〕=80/20〜50/50(モル比)となるような割合が好ましい。また、副反応の影響等によって、ビニルエーテル転化率が低いような反応条件の場合は、前述の比率が〔多価フェノール類(x1)の芳香族性水酸基〕/〔多価ビニルエーテル類(x2)のビニルエーテル基〕=50/50(モル比)を超えて、ビニルエーテル基過剰の仕込み量条件でも構わない。一方、硬化性、耐熱性等の他物性バランスを重視したい場合は、前述の比率が〔多価フェノール類(x1)の芳香族性水酸基〕/〔多価ビニルエーテル類(x2)のビニルエーテル基〕=95/5〜80/20(モル比)の範囲であることが好ましい。
前述のようにして得られる変性多価フェノール類(a)のうち、原料の多価フェノール類(x1)として2価フェノール類を、かつ、多価ビニルエーテル類(x2)としてジビニルエーテル類を用いた場合は、下記一般式(1)
Figure 0004581397
(式中、Arが、炭素数1〜4のアルキル基で置換されてもよい炭素数6〜12の芳香環2個が、炭素数1〜6のアルキレン基で連結され、且つ前記芳香環に、それぞれ1個の結合部位を有する構造(M)或いは炭素数1〜4のアルキル基で置換されてもよい炭素数6〜12の芳香環2個が、炭素数6〜12の脂環式脂肪族基で連結され、且つ前記芳香環に、それぞれ1個の結合部位を有する構造(N)を表し、nは、1〜20の整数を表わし、Xは、前記一般式(i)又は(ii)を表す。)
で表される。
前記一般式(1)で表されるものの具体的な例としては、例えば、下記一般式(1−1)〜(1−27)が挙げられる。尚、下記式中のnは前記と同じである。
Figure 0004581397
Figure 0004581397
Figure 0004581397
Figure 0004581397
次いで変性エポキシ樹脂(A)の製造方法について説明する。その方法としては特に限定されるものではなく、例えば、前記変性多価フェノール類(a)とエピクロルヒドリン、エピブロムヒドリン等のエピハロヒドリンの溶解混合物に水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物を添加し、または添加しながら20〜120℃で1〜10時間反応させグリシジルエーテル化することにより変性エポキシ樹脂(A)を得ることが出来る。エピハロヒドリンの添加量としては、原料の変性多価フェノール類(a)中の水酸基1当量に対して、通常、0.3〜20当量の範囲で用いられる。エピハロヒドリンが2.5当量よりも少ない場合、エポキシ基と未反応水酸基が反応しやすくなるため、エポキシ基と未反応水酸基が付加反応して生成する基(−CHCR(OH)CH−、R:水素原子又は有機炭素基)を含んだ高分子量物が得られる。一方、2.5当量以上の場合、理論構造物(後述する変性エポキシ樹脂(A)の一般式中の繰り返し単位数nが0である構造の化合物)の含有量が高くなる。所望の特性によってエピハロヒドリンの量を適宜調節すればよい。
前記アルカリ金属水酸化物としては、その水溶液を使用してもよく、その場合は該アルカリ金属水酸化物の水溶液を連続的に反応系内に添加すると共に減圧下、または常圧下連続的に水及びエピハロヒドリンを留出させ、更に分液し水は除去しエピハロヒドリンは反応系内に連続的に戻す方法でもよい。
また、変性多価フェノール類(a)とエピハロヒドリンとの溶解混合物にテトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩を触媒として添加し、50〜150℃で1〜5時間反応させて得られる該フェノール樹脂のハロヒドリンエーテル化物にアルカリ金属水酸化物の固体または水溶液を加え、再び20〜120℃で1〜10時間反応させ脱ハロゲン化水素(閉環)させる方法でもよい。
更に、反応を円滑に進行させるためにメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、ジオキサンなどのエーテル類、ジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒などを添加して反応を行うことが好ましい。溶媒を使用する場合のその使用量としては、エピハロヒドリンの量に対し通常5〜50重量%、好ましくは10〜30重量%である。また非プロトン性極性溶媒を用いる場合はエピハロヒドリンの量に対し通常5〜100重量%、好ましくは10〜60重量%である。
これらのエポキシ化反応の反応物を水洗後、または水洗無しに加熱減圧下、110〜250℃、圧力10mmHg以下でエピハロヒドリンや他の添加溶媒などを除去する。また更に加水分解性ハロゲンの少ないエポキシ樹脂とするために、エピハロヒドリン等を回収した後に得られる粗エポキシ樹脂を再びトルエン、メチルイソブチルケトンなどの溶剤に溶解し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液を加えて更に反応させて閉環を確実なものにすることもできる。この場合、アルカリ金属水酸化物の使用量は粗エポキシ樹脂中に残存する加水分解性塩素1モルに対して、通常0.5〜10モル、好ましくは1.2〜5.0モルである。反応温度は通常50〜120℃、反応時間は通常0.5〜3時間である。反応速度の向上を目的として、4級アンモニウム塩やクラウンエーテル等の相関移動触媒を存在させてもよい。相関移動触媒を使用する場合のその使用量は、粗エポキシ樹脂に対して0.1〜3.0重量%の範囲が好ましい。
反応終了後、生成した塩を濾過、水洗などにより除去し、更に、加熱減圧下トルエン、メチルイソブチルケトンなどの溶剤を留去することにより変性エポキシ樹脂(A)を得ることができる。
勿論、前記で得られた変性多価フェノール類(a)を、反応器から取り出すことなくして、そのままエピハロヒドリン類等の原料を仕込み、連続してグリシジルエーテル化するような合理的手段も用いることができる。
前記で得られる変性エポキシ樹脂(A)としての具体的な例としては、下記一般式(2−1)〜(2−27)を挙げることができる。尚、下記式中のnは前記と同じであり、Gはグリシジル基である。
Figure 0004581397
Figure 0004581397
Figure 0004581397
Figure 0004581397
本発明で用いるエポキシ樹脂(I)は、上記の変性エポキシ樹脂(A)のエポキシ基と価フェノール類(B)の水酸基を付加反応させることによって得ることができ、その製造方法としては、2段法或いはアドバンス法と呼ばれるオリゴマー型エポキシ樹脂の製造方法に準拠すればよい。
ここで用いる価フェノール類(B)としては、前述の多価フェノール類(x1)のうち、2価フェノールを挙げることができ、多価フェノール類(x1)と価フェノール類(B)は同一でも異なっていても良い。
これらの中でも、得られるエポキシ樹脂(I)の分子量をゲル化することなく高めることができる点から、2価フェノール類であることが好ましい。
前記エポキシ基と水酸基の反応比率としては、エポキシ基が水酸基に対して過剰になるような比率であれば特に限定されるものではないが、モル比率でエポキシ基/水酸基=100/5〜100/90の範囲が、得られるエポキシ樹脂(I)の流動性や硬化物の強度等の特性に優れることから好ましく、得られるエポキシ樹脂(I)のエポキシ当量としては200〜2,000g/eqであることが、硬化物の性能が一層優れたものになるために好ましい。これらの中でも、特に低分子量で流動性や強度を重視した樹脂設計の場合としては、価フェノール類(B)の割合を少なく、即ち、エポキシ基/水酸基=100/5〜100/50の範囲であること好ましく、一方で柔軟性や接着性を重視した樹脂設計の場合は、分子量を上げるとことが好ましく、上記比率が100/50〜100/90の範囲であることが好ましい。但し、組み合わせる変性エポキシ樹脂(A)や価フェノール類(B)の構造的な種類によって特性が変わるので、所望の特性によって、適宜調整すればよい。
この反応は一般的には無溶剤系で反応させることができるが、必要に応じて、有機溶媒中で反応させることもできる。その場合の有機溶媒としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、アセトン等のケトン類、ジエチレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル等のグリコールエーテル類、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、エチルプロピルエーテル等の脂肪族エーテル類、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の脂環式エーテル類が挙げられる。また反応する際は、変性エポキシ樹脂(A)と価フェノール類(B)を一括で仕込んでも良く、最初に変性エポキシ樹脂(A)を仕込み、それに価フェノール類(B)を徐々に添加していっても良い。
また、この付加反応は無触媒条件で加熱だけでも進行するが、反応時間の短縮や副反応の抑制等を目的に、触媒を用いることが好ましい。その触媒としては、2段法やアドバンス法として知られている反応に使用している全ての触媒を使用することが可能であるが、例示するならば、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物類、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、1,8−ジアザビシクロ−[5,4,0]−ウンデセン(DBU)等の3級アミン類、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、テトラメチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロマイド等の4級アンモニウム塩類、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン等のホスフィン類、n−ブチルトリフェニルホスホニウムブロミド等のホスホニウム塩類等が挙げられ、それらの使用量は全樹脂重量に対して、10〜5000ppmの範囲内が好ましい。反応温度は室温〜250℃の範囲が好ましく、反応時間や副反応の抑制等のバランスを考慮すると、80〜180℃の範囲が特に好ましい。
反応時間は、上記の反応条件のもとで反応が完結するまでに時間が必要であり、反応終点は価フェノール類(B)の水酸基が実質的に消失、或いは仕込み条件から算出される設定エポキシ当量に達した時点である。通常、上記の反応条件のもとでは、30分間〜24時間で反応を完結することができる。
本発明で用いるエポキシ樹脂(I)は、その分子構造中に硬化物に柔軟性を付与する目的で使用した多価ビニルエーテル類(x2)由来の構造を持つものである。このため、例えば同程度の分子量を有するビスフェノールA型エポキシ樹脂と比較し、低軟化点であり、後述する用途等で必要とされるその他の成分との配合の際にも、作業性に優れた樹脂組成物を与えることが可能である。
本発明のエポキシ樹脂組成物に用いる硬化剤としては、種々のエポキシ樹脂用硬化剤が使用でき、アミン系化合物、酸無水物系化合物、アミド系化合物、フェノ−ル系化合物などが挙げられる。具体的には、ジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポリアルキレングリコールポリアミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンとより合成されるポリアミド樹脂、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂、クレゾールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、ビフェニル変性フェノールアラルキル樹脂、フェノールトリメチロールメタン樹脂、テトラフェニロールエタン樹脂、ナフトールノボラック樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック樹脂、ビフェニル変性フェノール樹脂、アミノトリアジン変性フェノール樹脂等を始めとする多価フェノール化合物、及びこれらの変性物、イミダゾ−ル、BF−アミン錯体、並びにグアニジン誘導体などが挙げられる。またこれらの硬化剤は単独で用いてもよく、2種以上を混合してもよい。
これらの硬化剤のなかでも、特に柔軟性や接着性が優れる点では、アミン系硬化剤が好ましい。また耐熱性や耐湿性を重視する場合は、フェノール系化合物が好ましい。
前記硬化剤の使用量としては、硬化反応が充分で、硬化物性が良好となる点から、エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対して、硬化剤中の活性水素基が0.7〜1.5当量になる範囲が好ましい。
また、硬化促進剤を適宜使用することもできる。硬化促進剤としては公知慣用のものがいずれも使用できるが、例えば、リン系化合物、第3級アミン、イミダゾール、有機酸金属塩、ルイス酸、アミン錯塩等が挙げられる。電子部品用途では、リン系化合物ではトリフェニルフォスフィン、第3級アミンでは1、8−ジアザビシクロ−[5、4、0]−ウンデセン(DBU)などが、硬化性、耐熱性、電気特性、耐湿信頼性などが優れるために好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、前述のエポキシ樹脂(I)と硬化剤とを必須とするものであり、本発明の効果を損なわない範囲において、その他の成分を併用することができる。例えば、本発明においては更に他のエポキシ樹脂を併用してもよい。併用し得るエポキシ樹脂としては、種々の分子量のビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール樹脂型エポキシ樹脂、ビフェニル変性ノボラック型エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂、ブロム化フェノールノボラック型エポキシ樹脂などが挙げられる。これらの中でも、難燃性を付与する必要がある場合は、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂、ブロム化フェノールノボラック型エポキシ樹脂などの臭素化エポキシ樹脂の併用が好ましく、耐熱性の一層の向上を目的とする場合は、ノボラック型エポキシ樹脂が、また耐湿性の一層の向上を目的とする場合は、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂の併用が好ましい。
これらの併用し得るエポキシ樹脂は、組成物中の全エポキシ樹脂成分中40重量%以下であることが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、上記した各成分に加え、必要に応じて更に無機質充填材を使用することができる。この無機質充填材は、具体的には、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、窒化珪素、窒化アルミ等が挙げられる。無機質充填材の配合量を特に大きくする場合は、溶融シリカを用いることが好ましい。溶融シリカは、破砕状、球状のいずれでも使用可能であるが、溶融シリカの配合量を高め、且つ成形材料の溶融粘度の上昇を抑えるためには、球状のものを主に用いる方が好ましい。更に、球状シリカの配合量を高めるためには、球状シリカの粒度分布がより広くなるように調製することが好ましい。
また必要に応じて、シランカップリング剤、離型剤、顔料等の種々の配合剤を添加することができる。
また必要に応じて、難燃剤を使用してもよい。難燃剤としては、ハロゲン化合物、燐原子含有化合物や窒素原子含有化合物や無機系難燃化合物などが挙げられる。具体的には、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂などのハロゲン化合物、赤燐、燐酸エステル化合物などの燐原子含有化合物、メラミンなどの窒素原子含有化合物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硼酸亜鉛、硼酸カルシウムなどの無機系難燃化合物が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂(I)と硬化剤、及び必要に応じて併用される上記各成分を均一に混合することにより得られる。本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂先般の用途に適用できるが、特に接着剤、塗料、封止材、回路基板材、複合材料等の用途として特に有用である。
例えば、無溶剤型の接着剤や塗料や封止材用エポキシ樹脂組成物を調製するには、エポキシ樹脂(I)、硬化剤及び必要に応じて配合される無機充填材などのその他の成分を予備混合した後に、撹拌混合機や押出機、ニ−ダ、ロ−ル等を用いて均一になるまで充分に混合して製造することができる。またこれらの用途における無機充填材の使用量は通常、充填率30〜95重量%となる範囲である。
また或いは、溶剤型の接着剤、塗料、回路基板材、複合材料用のエポキシ樹脂組成物を調製するには、本発明のエポキシ樹脂組成物をトルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の溶剤に溶解させることにより製造することができる。この際の溶剤の使用量は、前記組成物ワニス中、通常10〜70重量%であり、用途や所望の要求特性等によって、好ましい組成を決めればよい。
本発明の硬化物は、本発明のエポキシ樹脂組成物を熱硬化させて得ることができる。該硬化物は成型物、積層物、注型物、接着剤、塗膜、フィルムなどとして使用できる。例えば、塗膜は上記の様にして調製した塗料を基材に塗布して、それを室温〜200℃の環境で5分間〜1週間放置することによって、目的の塗膜硬化物を得ることができる。接着剤の場合は、それを用いて基材を接着後、塗料と同様にして硬化させればよい。封止材硬化物は、該組成物を注型、或いはトランスファ−成形機、射出成形機などを用いて成形し、さらに80〜200℃で2〜10時間に加熱することにより成形硬化物を得ることができる。また、回路基板材や複合材料用のワニス組成物の硬化物は積層物であり、この硬化物を得る方法としては、回路基板用ワニスをガラス繊維、カーボン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アルミナ繊維、紙などの基材に含浸させ加熱乾燥してプリプレグを得て、それを熱プレス成形して得ることができる。
次に本発明を実施例、比較例により具体的に説明する。なお、以下に記載の部及び%は、特に断りがない限り重量基準である。
合成例1
温度計、撹拌機を取り付けたフラスコにビスフェノールA970gとトリエチレングリコールジビニルエーテル(ISP社製:商品名Rapi−Cure DVE−3)430gを仕込み、120℃まで1時間要して昇温した後に、さらに120℃で6時間アセタール化反応させて、前記一般式(1−1)で表される変性多価フェノール類(a−1)1400gを得た。
温度計、滴下ロート、冷却管、撹拌機を取り付けたフラスコに、上記の変性多価フェノール類(a−1)1400g、エピクロルヒドリン3500g、n−ブタノール1000gを仕込み溶解させた。その後、窒素ガスパージを施しながら、65℃に昇温した後に、共沸する圧力までに減圧して、49%水酸化ナトリウム水溶液600gを5時間かけて滴下した、次いでこの条件下で0.5時間撹拌を続けた。この間、共沸で留出してきた留出分をディーンスタークトラップで分離して、水層を除去し、有機層を反応系内に戻しながら反応した。その後、未反応のエピクロルヒドリンを減圧蒸留して留去させた。それで得られた粗エポキシ樹脂にメチルイソブチルケトン4000gとn−ブタノール500gを加え溶解した。更にこの溶液に10%水酸化ナトリウム水溶液100gを添加して80℃で2時間反応させた後に洗浄液のPHが中性となるまで水1000gで水洗を3回繰り返した。次いで共沸によって系内を脱水し、精密濾過を経た後に、溶媒を減圧下で留去して、前記一般式(2−1)で表される変性エポキシ樹脂(A−1)1500gを得た。その樹脂のエポキシ当量は343g/eq.、粘度は100,200mPa・s(25℃、キャノンフェンスケ法)であった。
次いで得られた変性エポキシ樹脂(A−1)297gとビスフェノールA56gを上記反応装置に仕込み(設定エポキシ当量は942g/eq.)、10%NaOH水溶液0.5gを添加して、140℃で2時間加熱撹拌して付加反応を行い、目的のエポキシ樹脂(I−1)を得た。これのエポキシ当量は1010g/eq.であり、軟化点は71℃であった。
合成例2
付加反応に用いる価フェノール類(B)としてビスフェノールAを74g(設定エポキシ当量1747g/eq.)にした以外は合成例1と同様にして、目的のエポキシ樹脂(I−2)を得た。これのエポキシ当量は1910g/eq.であり、軟化点は88℃であった。
合成例3
付加反応に用いる価フェノール類(B)としてビスフェノールAを81gにした以外は合成例1と同様にして、目的のエポキシ樹脂(I−3)を得た。これのエポキシ当量は2780g/eq.であり、軟化点は106℃であった。
合成例4(ダイマー酸変性エポキシ樹脂の合成)
温度計、冷却管、撹拌機を取り付けたフラスコに、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製:商品名EPICLON 850S、エポキシ当量185g/eq.)457gとダイマー酸(築野食品工業株式会社製:商品名Tsunodyme216)243gを仕込み、窒素ガスパージを施しながら、80℃まで昇温し、トリフェニルホスフィン(触媒)0.14gを添加して、140℃で2時間反応させて、半固形の変性エポキシ樹脂(E−1)700gを得た。このエポキシ樹脂はダイマー酸のカルボン酸とエポキシ基を反応させることにより、エステル結合によって、分子鎖延長された構造を有するエポキシ樹脂であり、エポキシ当量は451g、粘度は170mPa・s(150℃、ICI粘度計)であった。
次いで得られたエポキシ樹脂(E−1)300gとビスフェノールA36gを上記反応装置に仕込み(設定エポキシ当量は963g/eq.)、10%NaOH水溶液0.5gを添加して、140℃で2時間加熱撹拌して付加反応を行い、エポキシ樹脂(E−2)を得た。これのエポキシ当量は1006g/eq.であり、軟化点は83℃であった。
実施例1〜3、及び比較例1〜4
合成例1〜4で得られたエポキシ樹脂、及び合成例1〜3で得られたエポキシ樹脂と同等エポキシ当量をもつ汎用ビスフェノールA型固形エポキシ樹脂3種類(大日本インキ化学工業株式会社製 EPICLON 4050;エポキシ当量982g/eq.、軟化点99℃、EPICLON 7050;エポキシ当量1910g/eq.、軟化点127℃、EPICLON HM−091;エポキシ当量2650g/eq.、軟化点140℃)のエポキシ樹脂を用いて表1に従ってエポキシ樹脂組成物を調製した。
表1に従って、耐衝撃性試験と密着性試験用には、エポキシ樹脂固形分値50重量%のメチルエチルケトン溶液を調製し、それにエポキシ樹脂に対して4重量%の2−エチル−4−メチルイミダゾール(2E4MZ)を添加して、均一なワニス組成物を得た。次いでそのワニスを厚さ1mmのアルミニウム板にバーコーダーで塗布し、180℃で1時間硬化させて、膜厚が100μmの塗膜試験片を得た。また耐湿性試験用には、エポキシ樹脂を100℃(EPICLON 7050とEPICLON HM−091は150℃)で溶融し、そこに樹脂に対して4重量%の2E4MZを添加して均一に混合して組成物を得た。その組成物を120℃(EPICLON 7050とEPICLON HM−091は150℃)で1時間プレス成形して、厚みが2.0mmの成型試験片を得た。それぞれの試験結果を表1に記載する。
試験方法
耐衝撃性試験:各試験片にてデユポン式衝撃試験法(JIS K 5400 8.3.2)に準拠して、半径1/4インチ、500gの重りを50cmの高さから落として判定した。目視で観察し、剥離が認められないものを合格(○)、剥離が認められたものを不合格(×)とした。
密着性試験:塗膜に100個の1mm×1mmの碁盤目を基材まで届くようにカッターナイフで切り込みを入れてからセロハンテープを貼って瞬間的に引き剥がした。基板上に残った塗膜の碁盤目数を目視で測定した。
耐湿性試験:85℃/85%RHの条件の恒温恒湿器内で300時間吸湿させて、重量増加率を吸湿率(%)とした。
Figure 0004581397

Claims (6)

  1. エポキシ樹脂と硬化剤とを含有するエポキシ樹脂組成物であり、前記エポキシ樹脂が、多価フェノール類(x1)と多価ビニルエーテル類(x2)とをアセタール化反応させて得られる変性多価フェノール類(a)をグリシジルエーテル化してなる変性エポキシ樹脂(A)と、価フェノール類(B)とを付加反応させて得られるエポキシ樹脂(I)であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  2. 多価フェノール類(x1)が2価フェノール類であり、且つ多価ビニルエーテル類(x2)がジビニルエーテル類である請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 多価フェノール類(x1)と多価ビニルエーテル類(x2)の反応比率が、〔多価フェノール類(x1)の芳香族性水酸基〕/〔多価ビニルエーテル類(x2)のビニルエーテル基〕=80/20〜50/50(モル比)である請求項2記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 多価ビニルエーテル類(x2)がポリアルキレングリコール骨格及び/又はシクロアルカン骨格を含有するものである請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. エポキシ樹脂(I)のエポキシ当量が200〜2,000g/eq.の範囲である請求項1〜のいずれか1項記載のエポキシ樹脂組成物。
  6. 請求項1〜のいずれか1項記載のエポキシ樹脂組成物を硬化させて得られることを特徴とする硬化物。
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