JP2003155340A - 熱硬化性ppeのオリゴマー体 - Google Patents

熱硬化性ppeのオリゴマー体

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Abstract

(57)【要約】 【課題】PPEの優れた電気特性・強靭性を有し、他樹脂
との相溶性、成形加工性を改善した熱硬化性樹脂を提案
し、さらに、エレクトロニクス分野をはじめとする多種
多様な用途に幅広く利用できる形にすること。 【解決手段】ビフェニル核を有する2官能性PPEオリゴマ
ーの両末端を熱硬化性官能基に変換することで、PPEの
優れた電気特性・強靭性を引継いだ活性の高い熱硬化性
樹脂を作り得た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、両末端に熱硬化性
官能基を有する2官能型フェニレンエーテルのオリゴマ
ー体に関するもので、低誘電率、低誘電正接、高タフネ
スが要求されるエレクトロニクス分野をはじめとし、塗
装、接着、成形用など多種多様な用途に用いられる熱硬
化性樹脂に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電気・電子用途の材料には、伝送信号の
高速化に伴い高周波(ギガヘルツ帯)の利用のために、時
間遅延を小さくする低誘電率化、そして損失を小さくす
る低誘電正接化が望まれる。また、熱衝撃で発生すると
考えられているマイクロクラックを抑制し高い信頼性を
得るために高タフネス化も望まれる。これらの要望に対
し、諸特性を持ち合わせる改質ポリマーとして、ポリフ
ェニレンエーテル(PPE)などのエンジニアリングプラス
チックスを配合する試みが行われている。しかし、熱硬
化性樹脂に熱可塑性樹脂を直接配合することに起因し
て、樹脂同士の相溶性や成形加工性に課題が残る。
【0003】相溶性改善のためには、相溶化剤として他
の樹脂とのブレンドにより改善する方法や、PPEとシア
ネート樹脂の擬似IPN構造化の検討(特開平11-21452等)
がなされているが、成形加工性・耐熱性までは解決され
ていない。また、成形性改善のためには、高分子PPEを
低分子にする方法等の検討がなされている。例えば、高
分子PPEとポリフェノール類をラジカル触媒下で再分配
させる方法(特開平9-291148等)、あるいは2価のフェノ
ールと1価のフェノールを酸化重合する方法(特公平8-01
1747)等が知られている。いずれも高分子体が存在し、
効率良く2官能型低分子オリゴマー体をえることができ
ない。
【0004】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は、PPEの優
れた電気特性・強靭性を有し、他樹脂との相溶性、成形
加工性を改善した熱硬化性樹脂を提案することである。
さらに、エレクトロニクス分野をはじめとする多種多様
な用途に幅広く利用できる形にすることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、PPEの優
れた電気特性・強靭性を引継いだ2官能性PPEオリゴマー
を合成した(特願2001-196569)。これを更に、活性の高
い熱硬化性樹脂にするために鋭意検討を重ねた結果、構
造式(7)で示され、-(O-X-O)-が構造式(2)であり、-(Y-
O)-が構造式(3)で定義される1種類の構造、または2種類
以上の構造がランダムに配列した2官能PPEのオリゴマー
体の末端を熱硬化性官能基に変換することで、目的を満
たすことを見出し、本発明を完成するに至った。以下
に、本発明を詳細に説明する。
【0006】本発明は、フェノール類の酸化カップリン
グおよび酸化重合において、そのフェノール自身の酸化
速度を緩和させることで、効率的に新規フェノール性樹
脂を製造することを特徴とする。そのために、従来酸化
重合反応に必要とされていた2,6位の置換基に加えて、3
位に置換基を導入した化合物を原料に用いることで、本
発明を完成するに至った。その効果を例示するなら、2,
6-ジメチルフェノールの酸化カップリングにおいては、
副生ジフェノキノンの存在のために溶液のpHを8〜9にす
る検討(特開昭60-152433)がなされているが、3位に置換
基をもつ2,3,6-トリメチルフェノールを用いた酸化カッ
プリングではより安定に反応を行うためにpH=13程度の
高いアルカリ条件で効率的に製造を行うことができる
(特願2001-319064号)。また、特願2001-196569号に示し
たように、酸化重合反応においては、2価のフェノール
に上述2,3,6-トリメチルフェノールから得られたジオー
ルと1価のフェノールとして2,6-ジメチルフェノール単
独あるいは、2,3,6-トリメチルフェノール単独あるい
は、2,6-ジメチルフェノールと2,3,6-トリメチルフェノ
ールの混合物を共重合することで、2官能型PPEのオリゴ
マー体を効率良く製造することが可能となった。さら
に、このフェノールから誘導される熱硬化性の誘導体
(シアネート体、エポキシ体、アリル体)においては、メ
チル基増加の影響で、低誘電特性に寄与すると考えられ
る。すなわち、3位の置換基の存在が、本発明にとって
非常に重要なことを見出したのである。
【0007】本発明の中間体である2官能PPEのオリゴマ
ー体とは、下記の構造式(7)に示す様な構造を有し、-(O
-X-O)-が構造式(2)で定義され、-(Y-O)-は構造式(3)で
定義される1種類の構造、または構造式(3)で定義される
2種類以上の構造がランダムに配列したものである。式
中、R2,R3,R4,R8,R9,R10,R11は、同一または異なっても
よく、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基ま
たはフェニル基である。R5,R6,R7,R12,R13は、同一また
は異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子または炭素
数6以下のアルキル基またはフェニル基である。a,bは、
少なくともいずれか一方が0でない、0〜300の整数を示
しており、R2,R3,R4,R8,R9,R10,R11が水素原子でないこ
とが必須のPPEのオリゴマー体である。好ましくは、-(O
-X-O)-が構造式(4)の通り、R2,R3,R4,R7,R8,R9がメチル
基、R5,R6が水素原子であり、-(Y-O)-がR10,R11,R12が
メチル基、R13が水素原子である構造式(5)で示される単
独あるいは、R10,R11がメチル基、R12,R13が水素原子で
ある構造式(6)で示される単独あるいは、構造式(5)と構
造式(6)がランダムに配列をした構造を有することが望
ましい。
【化4】
【0008】本発明の中間体である2官能PPEオリゴマー
体について説明する。構造式(7)で示されるPPEのオリゴ
マー体は、構造式(8)で示される2価のフェノールと、構
造式(9)で定義される1価のフェノールの単独または混合
物を、トルエン-アルコールあるいはケトン溶媒中で酸
化重合することで、効率的に製造することができる。
【化5】
【0009】ここで、構造式(8)の2価のフェノールと
は、R2,R3,R4,R8,R9は、同一または異なってもよく、ハ
ロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェ
ニル基である。R5,R6,R7は、同一または異なってもよ
く、水素原子、ハロゲン原子または炭素数6以下のアル
キル基またはフェニル基であり、R2,R3,R4,R8,R9が水素
原子でないことが必須の2価のフェノールであり、2,3,
3',5,5'-ペンタメチル-[1,1'-ビフェニル]-4,4'-ジオー
ル、2,2',3,3'5,5'-ヘキサメチル-[1,1'-ビフェニル]-
4,4'-ジオール、などが好ましい。
【0010】次に、構造式(9)の1価のフェノールとは、
R10,R11は同一または異なってもよく、ハロゲン原子ま
たは炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基であ
る。R12,R13は同一または異なってもよく、水素原子、
ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフ
ェニル基である。特に、2,6位に置換基を有するもの単
独、またはこれと3位あるいは3,5位に置換基を有するも
のが併用されることが好ましい。さらに好ましくは、単
独では2,6-ジメチルフェノール、2,3,6-トリメチルフェ
ノールがよく、併用では2,6-ジメチルフェノールと2,3,
6-トリメチルフェノールがよい。
【0011】酸化の方法については直接酸素ガスあるい
は空気を使用する方法がある。また、電極酸化の方法も
ある。いずれの方法でも良く、特に限定されない。安全
性および設備投資が安価であることから空気酸化が好ま
しい。
【0012】酸素ガスあるいは、空気を用いて酸化重合
をする場合の触媒としては、CuCl、CuBr、Cu2SO4、CuCl
2、CuBr2、CuSO4、CuI等の銅塩等の一種または二種以上
が用いられ、上記触媒に加えて、モノ-及びジメチルア
ミン、モノ-及びジエチルアミン、モノ-及びジプロピル
アミン、モノ-及びジ-n-ブチルアミン、モノ-及びジ-s
ec-ジプロピルアミン、モノ-及びジベンジルアミン、モ
ノ-及びジシクロヘキシルアミン、モノ-及びジエタノー
ルアミン、エチルメチルアミン、メチルプロピルアミ
ン、ブチルジメチルアミン、アリルエチルアミン、メチ
ルシクロヘキシルアミン、モルホリン、メチル-n-ブチ
ルアミン、エチルイソプロピルアミン、ベンジルメチル
アミン、オクチルベンジルアミン、オクチル−クロロベ
ンジルアミン、メチル(フェニルエチル)アミン、ベン
ジルエチルアミン、N-n-ブチルジメチルアミン、N,N'-
ジ-tert-ブチルエチレンジアミン、ジ(クロロフェニル
エチル)アミン、1-メチルアミノ‐4‐ペンテン、ピ
リジン、メチルピリジン、4-ジメチルアミノピリジン、
ピペリジン等を一種または二種以上のアミンが併用され
る。銅塩及びアミンであれば、特にこれらに限定される
ものではない。
【0013】反応溶媒としては、トルエン、ベンゼン、
キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、エチレンクロライ
ド、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素
系溶剤等に加えて、アルコール系溶剤あるいはケトン系
溶剤と併用することができる。アルコール系溶剤として
は、メタノール、エタノール、ブタノール、プロパノー
ル、メチルプロピレンジグリコール、ジエチレングリコ
ールエチルエーテル、ブチルプロピレングリコール、プ
ロピルプロピレングリコール等が挙げられ、ケトン系溶
剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチル
ケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン
等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0014】反応温度については、特には限定されない
が、25〜50℃が好ましい。酸化重合が発熱反応のため、
50℃以上では温度制御が困難で分子量制御が困難とな
る。25℃以下では反応速度が極端に遅くなるために、効
率的な製造ができなくなる。
【0015】本発明の熱硬化性PPEのオリゴマー体は、
構造式(1)に示される。すなわち、-(O-X-O)-は構造式
(2)で示され、R2,R3,R4,R8,R9は、同一または異なって
もよく、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル基
またはフェニル基である。R5,R6,R7は、同一または異な
ってもよく、水素原子、ハロゲン原子または炭素数6以
下のアルキル基またはフェニル基である。-(Y-O)-は構
造式(3)で定義される1種類の構造、または構造式(3)で
定義される2種類以上の構造がランダムに配列したもの
である。R10,R11は、同一または異なってもよく、ハロ
ゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェニ
ル基である。R12,R13は、同一または異なってもよく、
水素原子、ハロゲン原子または炭素数6以下のアルキル
基またはフェニル基である。Zは、炭素数1以上の有機基
であり、酸素原子を含むこともある。a,bは、少なくと
もいずれか一方が0でない、0〜300の整数を示す。c,d
は、0または1の整数を示す。
【化6】
【0016】Z部には、炭素数1以上で酸素原子を含んで
もよい有機基をおくことができる。例示すると、-(-CH2
-)-、-(CH2-CH2-)-、-(-CH2-Ar-O-)-などであるが、こ
れらに限定されることはない。付加する方法は、構造式
(7)で示される中間体に直接付加する方法や、誘導体合
成時に炭素鎖の長いハロゲン化物を使用する方法がある
が、これらに限定されることはない。
【0017】以下の説明は、便宜上、最も単純構造であ
る構造式(7)で示される中間体からの誘導体について、
説明する。熱硬化性PPEのオリゴマー体を製造するため
の中間体には、上述の構造式(7)で示される2官能PPEの
オリゴマーを用いるが、反応液から分離した粉末または
反応液に溶解した形のどちらでも用いることができる。
【0018】本発明のシアナート体の製造方法について
例示する。中間体として上述の構造式(7)で示される2官
能型で末端にフェノール性水酸基を有する化合物をクロ
ロシアン、ブロモシアン等のハロゲン化シアンと、塩基
の存在下、脱ハロゲン化水素反応させて合成することが
できる。
【0019】塩基としては、トリメチルアミン、トリエ
チルアミン、トリプロピルアミン、ジメチルアニリン、
ピリジンなどの三級アミンおよび、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエ
トキシド、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カ
リウム、重炭酸ナトリウムなどが代表的なものであり、
これらに限定されるものではない。
【0020】反応溶媒としては、トルエン、キシレン、
クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素、クロロベン
ゼン、ニトロベンゼン、ニトロメタン、アセトン、メチ
ルエチルケトン、テトラヒドロフランおよびジオキサン
などが代表的なものであり、これらに限定されるもので
はない。
【0021】反応温度は、クロロシアンを用いる場合は
-30℃と+13℃(沸点)の間で行うことが好ましい。また、
ブロモシアンを用いる場合は-30℃と+65℃の間で行うこ
とが好ましい。
【0022】次に、本発明のエポキシ体の製造方法につ
いて例示する。中間体として上述の構造式(7)で示され
る2官能型で末端にフェノール性水酸基を有する化合物
をエピクロロヒドリン等のハロゲン化グリシジルと、塩
基の存在下で、脱ハロゲン化水素反応させて合成するこ
とができる。
【0023】塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシ
ド、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム、重炭酸ナトリウムなどが代表的なものであり、これ
らに限定されるものではない。
【0024】反応温度は、-10℃と110℃の間で行うこと
が好ましい。
【0025】次に、本発明のアリル体の製造方法につい
て例示する。中間体として上述の構造式(7)で示される2
官能型で末端にフェノール性水酸基を有する化合物をア
リルブロミド、アリルクロリド等のハロゲン化アリルあ
るいは、炭素鎖の長い4-ブロモ-1-ブテンなどと、相間
移動触媒存在下、塩基条件で脱ハロゲン化水素反応させ
て合成することができる。
【0026】相関移動触媒としては、トリエチルアミ
ン、テトラメチルエチレンジアミンなどの第三級アミ
ン、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラブチ
ルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウム
イオダイド、ベンジルトリ-n-ブチルアンモニウムクロ
ライド、ベンジルトリn-ブチルアンモニウムブロマイ
ド、ベンジル-n-ブチルアンモニウムイオダイドなどの
第四級アンモニウム塩あるいは第四級ホスホニウム塩が
代表的なものであり、これらに限定されるものではな
い。
【0027】塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシ
ド、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム、重炭酸ナトリウムなどが代表的なものであり、これ
らに限定されるものではない。
【0028】反応温度は、-10℃と60℃の間で行うこと
が好ましい。
【0029】本発明の熱硬化性PPEのオリゴマー体は、
単独あるいは他のシアナート化合物、エポキシ化合物、
他の重合可能な化合物もしくは触媒を混合した樹脂組成
物として硬化することができる。
【0030】硬化の方法は、公知の方法がすべて適用可
能である。上記の他のシアナート化合物を例示すると、
m-あるいはp-フェニレンビスシアネート、1,3,5-トリシ
アネートベンゼン、4,4'-ジシアナートビフェニル、3,
3',5,5'-テトラメチル-4,4'-ジシアナートビフェニル、
2,3,3',5,5'-ペンタメチル-4,4'-ジシアナートビフェニ
ル、2,2'3,3',5,5'-ヘキサメチル-4,4'-ジシアナートビ
フェニル、ビス(4-シアナートフェニル)メタン、1-(2,
3,5-トリメチル-4-シアナートフェニル)-1-(3,5-ジメチ
ル-4-シアナートフェニル)メタン、ビス(2,3,5-トリメ
チル-4-ジシアナートフェニル)メタン、1,1-ビス(4-シ
アナートフェニル)エタン、1-(2,3,5-トリメチル-4-シ
アナートフェニル)-1-(3,5-ジメチル-4-シアナートフェ
ニル)エタン、1,1-ビス(2,3,5-トリメチル-4-ジシアナ
ートフェニル)エタン、2,2-ビス(4-シアナートフェニ
ル)プロパン、2-(2,3,5-トリメチル-4-シアナートフェ
ニル)-2-(3,5-ジメチル-4-シアナートフェニル)プロパ
ン、2,2-ビス(2,3,5-トリメチル-4-ジシアナートフェニ
ル)プロパン、ビス(4-シアナートフェニル)エーテル、
ビス(4-シアナートフェニル)スルホン、ビス(4-シアナ
ートフェニル)スルフィド、4,4'-ジシアナートベンゾフ
ェノン、トリス(4-シアナートフェニル)メタンの様な、
シアナート基を持つ芳香環が直接結合しているビフェノ
ールあるいは橋状部によって結合しているビスあるいは
ポリシアネート化合物、およびこれらシアネート化合物
のプレポリマー、これらシアネート化合物とジアミン類
とのプレポリマー、およびフェノール、o-クレゾール等
のフェノール類とホルムアルデヒドの反応生成物である
ノボラック樹脂から誘導されるシアネート基含有ノボラ
ック型フェノール系樹脂等の一種または二種以上を挙げ
ることができる。
【0031】上述のシアン酸エステル化合物のプレポリ
マーについて説明する。分子中に2個以上のシアネート
基を有する多官能性シアン酸エステル化合物は、シアネ
ート基の三量化によってトリアジン環を形成し高分子化
する。この中で、200〜6000の分子量体がプレポリマー
として用いられる。このプレポリマーは、上述の多官能
性シアン酸エステル化合物モノマーを、例えば、鉱酸、
ルイス酸などの酸;ナトリウムアルコラート、第三級ア
ミン類などの塩基;炭酸ナトリウムなどの塩類などを触
媒として重合させることにより得られる。このプレポリ
マー中には、一部モノマーが含有し、モノマーとポリマ
ーとの混合物の形態をしており、プレポリマーは硬化物
を作製する際に好適に使用される。
【0032】他の重合可能な化合物としては、ビスマレ
イミドやエポキシ樹脂などがあり、それらを混合系とし
て用いることも可能である。
【0033】上記のビスマレイミドを例示すると、N,N'
-ジフェニルメタンビスマレイミド、N,N'-フェニレンビ
スマレイミド、N,N'-ジフェニルエーテルビスマレイミ
ド、N,N'-ジシクロヘキシルメタンビスマレイミド、N,
N'-キシレンビスマレイミド、N,N'-ジフェニルスルホン
ビスマレイミド、N,N'-トリレンビマレイミド、N,N'-キ
シリレンビスマレイミド、N,N'-ジフェニルシクロヘキ
サンビスマレイミド、N,N'-ジクロロ-ジフェニルメタン
ビスマレイミド、N,N'-ジフェニルシクロヘキサンビス
マレイミド、N,N'-ジフェニルメタンビスメチルマレイ
ミド、N,N'-ジフェニルエーテルビスメチルマレイミ
ド、N,N'-ジフェニルスルホンビスメチルマレイミド、
N,N'-エチレンビスマレイミド、N,N'-ヘキサメチレンビ
スメチルマレイミド、およびこれらN,N'-ビスマレイミ
ド化合物のプレポリマー、これらビスマレイミド化合物
とジアミン類とのプレポリマーおよびアニリン・ホルマ
リン重縮合物のマレイミド化物またはメチルマレイミド
化物を挙げることができる。
【0034】また、上記のエポキシ樹脂を例示すると、
ビフェノールおよびその2,2',3,3',5,5'位のいずれか一
つ以上をハロゲン原子あるいは炭素数6以下のアルキル
基またはフェニル基に置換してあるもの、ビスフェノー
ルAおよびその2,3,5位のいずれか一つ以上をハロゲン原
子あるいは炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基
に置換してあるもの、ビスフェノールFおよびその2,3,5
位のいずれか一つ以上をハロゲン原子あるいは炭素数6
以下のアルキル基またはフェニル基に置換してあるも
の、ハイドロキノン、レゾルシン、フロログリシン、ト
リス-4-(ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2-テロラ
キス(4-ヒドロキシフェニル)エタン等の2価あるいは3価
以上のフェノール類から誘導されるグリシジルエーテル
化合物、フェノール、o-クレゾール等のフェノール類と
ホルムアルデヒドの反応生成物であるノボラック樹脂か
ら誘導されるノボラック型エポキシ樹脂、アニリン、p-
アミノフェノール、m-アミノフェノール、4-アミノ-m-
クレゾール、6-アミノ-m-クレゾール、4,4'-ジアミノジ
フェニルメタン、3,3'-ジアミノジフェニルメタン、4,
4'-ジアミノジフェニルエーテル、3,4'-ジアミノジフェ
ニルエーテル、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼ
ン、1,4-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス
(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(3-アミノフ
ェノキシ)ベンゼン、2,2-ビス(4-アミノフェノキシフェ
ニル)プロパン、p-フェニレンジアミン、m-フェニレン
ジアミン、2,4-トルエンジアミン、2,6-トルエンジアミ
ン、p-キシリレンジアミン、m-キシリレンジアミン、1,
4-シクロヘキサン-ビス(メチルアミン)、5-アミノ-1-
(4'-アミノフェニル)-1,3,3-トリメチルインダン、6-ア
ミノ-1-(4'-アミノフェニル)-1,3,3-トリメチルインダ
ン等から誘導されるアミン系エポキシ樹脂、p-オキシ安
息香酸、m-オキシ安息香酸、テレフタル酸、イソフタル
酸等の芳香族カルボン酸から誘導されるグリシジルエス
テル系化合物、5,5-ジメチル・ヒダントイン等から誘導
されるヒダントイン系エポキシ樹脂、2,2-ビス(3,4-エ
ポキシシクロヘキシル)プロパン、2,2-ビス[4-(2,3-エ
ポキシプロピル)シクロヘキシル]プロパン、ビニルシク
ロヘキセンジオキサイド、3,4-エポキシシクロヘキシル
メチル-3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート
等の脂環式エポキシ樹脂、その他、トリグリシジルイソ
シアヌレート、2,4,6-トリグリシドキシ-S-トリアジン
等の一種または二種以上を挙げることができる。
【0035】また、上記の樹脂組成物に、それぞれの成
分に対応する硬化剤を組み合わせることもできる。本発
明のエポキシ体あるいは組成中にエポキシ樹脂を含む場
合の硬化剤としては、ジシアンジアミド、テトラメチル
グアニジン、芳香族アミン、フェノールノボラック樹
脂、クレゾールノボラック樹脂、酸無水物、その他脂肪
族、脂環族の各種アミン等の一種または二種以上が用い
られる。芳香族アミンとしては前記の芳香族ジアミンが
代表的なものである。組成物中にシアネート化合物、ビ
スマレイミドを含む場合の硬化剤としては、上記芳香族
ジアミンおよび脂環族ジアミンが代表的である。これら
の硬化剤は単独に樹脂組成物中に配合しても、あるいは
それぞれ対応する成分のプレポリマーの形で組成物中に
配合させることもできる。
【0036】上記の樹脂組成物は、触媒を含まなくても
比較的短時間で熱硬化することができるが、触媒を使用
することにより、成形温度を下げられ、また時間をより
短縮させることができる。このような触媒として、N,N-
ジメチルアニリン、トリエチレンジアミン、トリ-n-ブ
チルアミン等のアミン類、2-メチルイミダゾール、2-エ
チル-4-メチルイミダゾール等のイミダゾール類、フェ
ノール、レゾルシン、フロログルシン等のフェノール
類、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸鉛、オレイン酸
錫、オクチル酸錫、オクチル酸亜鉛、チタンブチレート
等の有機金属塩、塩化アルミニウム、塩化錫、塩化亜鉛
等の塩化物、金属キレート類などを挙げることができ、
これらの触媒は、単独もしくは二種以上の組み合わせで
も使用することができる。
【0037】上記の組成物は、必要に応じて増量剤、充
填剤(有機・無機フィラーを含む)、補強剤あるいは顔料
などが併用される。例示すると、シリカ、炭酸カルシウ
ム、三酸化アンチモン、カオリン、二酸化チタン、酸化
亜鉛、雲母、バライト、カーボンブラック、ポリエチレ
ン粉、ポリプロピレン粉、ガラス粉、アルミニウム粉、
鉄粉、銅粉、ガラス繊維、炭酸繊維、アルミナ繊維、ア
スベスト繊維、アラミド繊維、ガラス織布、ガラス不織
布、アラミド不織布、液晶ポリエステル不織布等の一種
または二種以上が挙げられる。
【0038】さらに、これらを用いた組成物は、成形、
積層、接着剤、銅張積層板等の複合材料等の用途に用い
られる。特に、シアネート体あるいはエポキシ体を単独
もしくは組み合わせ用いた場合、樹脂を半硬化させたプ
リプレグ、このプリプレグを硬化させた積層板の利用例
が代表的に挙げられる。また、エポキシ体を用いた場
合、半導体封止材への利用例が代表的に挙げられる。
【0039】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明するが、本発明は以下の実施例により特に限定される
ものではない。なお、数平均分子量および重量平均分子
量の測定にゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ
ー(GPC)法により求めた。誘電率および誘電正接は、空
洞共振摂動法により求めた。
【0040】(実施例1) 2官能PPEオリゴマー体の製法 撹拌装置、温度計、空気導入管、じゃま板のついた2L
の縦長反応器にCuCl 1.3g(0.013 mol)、ジ-n-ブチルア
ミン79.5g(0.62 mol)、メチルエチルケトン 600gを
仕込み、反応温度40℃にて撹拌を行い、あらかじめ600
gのメチルエチルケトンに溶解させた2価のフェノール
2,2’,3,3’,5,5’-ヘキサメチル-[1,1’-ビフェニル]-
4,4’-ジオール41.8g(0.16mol)と2,6-ジメチルフェ
ノール75.6g(0.62mol)の混合溶液(構造式(8)で示さ
れる2価のフェノールと構造式(9)で示される1価のフェ
ノールのモル比率1:4)を2 L/minの空気のバブリングを
行いながら120分かけて滴下し、さらに滴下終了後30分
間、2 L/minの空気のバブリングを続けながら撹拌を行
った。これにエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウ
ム水溶液を加え、反応を停止した。その後、1Mの塩酸
水溶液で3回洗浄を行った後、イオン交換水で洗浄を行
った。得られた溶液をエバポレイタ−で濃縮し、さらに
減圧乾燥を行い、111.4gを得た。このものの数平均分
子量は1110、重量平均分子量1450、水酸基当量が580で
あった。(以下この樹脂を「イ」と記す。) シアネート体の製法 撹拌装置、温度計、滴下漏斗のついた反応器を-10℃ま
で冷却し、クロロシアン(0.129mol)の塩化メチレン溶液
を200ml仕込んだ。その後、あらかじめメチルエチルケ
トン250gに「イ」50.0g(水酸基0.086mol)とトリエチル
アミン13.1g(0.129mol)を溶解した溶液を滴下漏斗か
ら、反応液の温度が10℃以下になるように60分かけて滴
下し、さらに滴下終了後60分間撹拌を行った。その後、
0.1Nの塩酸水溶液で3回洗浄とイオン交換水での水洗さ
らにはろ過を行い、生成塩と不純物を除去した。得られ
た溶液から塩化メチレンおよびメチルエチルケトンを留
去し、さらに減圧乾燥を行い、シアネート体50.1gを得
た。得られたものは、IRの分析によりフェノール性水酸
基の吸収ピーク(3600cm-1)が消滅し、シアネート基由来
の吸収ピーク(2250cm-1)が発現していることから、100%
の官能基変換を確認した。このように得られたシアネー
ト体100部に対し、オクチル酸錫0.1部を加えて、160℃
で溶融・脱気・成形し、230℃で3時間硬化を行い、硬化
物を得た。この硬化物は、動的粘弾性の測定(DMA)よ
り、ガラス転移温度が242℃であった。また、1GHzでの
誘電率は2.73、誘電正接は0.0061が得られた。
【0041】(実施例2) 2官能PPEオリゴマー体の製法 撹拌装置、温度計、空気導入管、じゃま板のついた2L
の縦長反応器にCuCl 1.3g(0.013 mol)、ジ-n-ブチルア
ミン79.5g(0.62 mol)、メチルエチルケトン 600gを
仕込み、反応温度40℃にて撹拌を行い、あらかじめ600
gのメチルエチルケトンに溶解させた2価のフェノール
2,2’,3,3’,5,5’-ヘキサメチル-[1,1’-ビフェニル]-
4,4’-ジオール41.8g(0.15mol)と2,6-ジメチルフェ
ノール56.7g(0.46 mol)と2,3,6-トリメチルフェノー
ル21.1g(0.16mol)の混合溶液(構造式(8)で示される2
価のフェノールと構造式(9)で示される1価のフェノール
のモル比率1:4)を2 L/minの空気のバブリングを行いな
がら120分かけて滴下し、さらに滴下終了後30分間、2 L
/minの空気のバブリングを続けながら撹拌を行った。こ
れにエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム水溶液
を加え、反応を停止した。その後、1Mの塩酸水溶液で
3回洗浄を行った後、イオン交換水で洗浄を行った。得
られた溶液をエバポレイタ−で濃縮し、さらに減圧乾燥
を行い、111.9gを得た。このものの数平均分子量は100
0、重量平均分子量1350、水酸基当量が520であった。
(以下この樹脂を「ロ」と記す。) シアネート体の製法 撹拌装置、温度計、滴下漏斗のついた反応器を-10℃ま
で冷却し、クロロシアン(0.144mol)の塩化メチレン溶液
を200ml仕込んだ。その後、あらかじめメチルエチルケ
トン250gに「イ」50.0g(水酸基0.096mol)とトリエチル
アミン14.6g(0.144mol)を溶解した溶液を滴下漏斗か
ら、反応液の温度が10℃以下になるように60分かけて滴
下し、さらに滴下終了後60分間撹拌を行った。その後、
0.1Nの塩酸水溶液で3回洗浄とイオン交換水での水洗さ
らにはろ過を行い、生成塩と不純物を除去した。得られ
た溶液から塩化メチレンおよびメチルエチルケトンを留
去し、さらに減圧乾燥を行い、シアネート体50.8gを得
た。得られたものは、IRの分析によりフェノール性水酸
基の吸収ピーク(3600cm-1)が消滅し、シアネート基由来
の吸収ピーク(2250cm-1)が発現していることから、100%
の官能基変換を確認した。このように得られたシアネー
ト体100部に対し、オクチル酸錫0.1部を加えて、160℃
で溶融・脱気・成形し、230℃で3時間硬化を行い、硬化
物を得た。この硬化物は、動的粘弾性の測定(DMA)よ
り、ガラス転移温度が251℃であった。また、1GHzでの
誘電率は2.70、誘電正接は0.0053が得られた。
【0042】(実施例3) 2官能PPEオリゴマー体の製法 撹拌装置、温度計、空気導入管、じゃま板のついた2L
の縦長反応器にCuBr2 2.7g(0.012 mol)、ジ-n-ブチル
アミン70.7g(0.55 mol)、メチルエチルケトン 600g
を仕込み、反応温度40℃にて撹拌を行い、あらかじめ60
0gのメチルエチルケトンに溶解させた2価のフェノール
2,2’,3,3’,5,5’-ヘキサメチル-[1,1’-ビフェニル]-
4,4’-ジオール55.7g(0.21mol)と2,6-ジメチルフェ
ノール50.4g(0.41 mol)の混合溶液(構造式(8)で示さ
れる2価のフェノールと構造式(9)で示される1価のフェ
ノールのモル比率1:2)を2 L/minの空気のバブリングを
行いながら120分かけて滴下し、さらに滴下終了後60分
間、2 L/minの空気のバブリングを続けながら撹拌を行
った。これにエチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウ
ム水溶液を加え、反応を停止した。その後、1Mの塩酸
水溶液で3回洗浄を行った後、イオン交換水で洗浄を行
った。得られた溶液をエバポレイタ−で濃縮し、さらに
減圧乾燥を行い、100.3gを得た。このものの数平均分
子量は650、重量平均分子量810、水酸基当量が310であ
った。(以下この樹脂を「ハ」と記す。) エポキシ体の製法 撹拌装置、温度計、滴下漏斗のついた反応器を100℃ま
で加熱し、「ハ」40g(水酸基0.129mol)とエピクロロヒ
ドリン360.0gを仕込んだ。その後、あらかじめエタノー
ル250gにナトリウムエトキシド10.5g(0.155mol)を溶解
した溶液を滴下漏斗から、60分かけて滴下し、さらに滴
下終了後5時間の撹拌を行った。その後、0.1Nの塩酸水
溶液で3回洗浄とイオン交換水での水洗さらにはろ過を
行い、生成塩と不純物を除去した。得られた溶液から過
剰のエピクロロヒドリンを留去し、さらに減圧乾燥を行
い、エポキシ体45.9gを得た。得られたものは、IRの分
析によりフェノール性水酸基の吸収ピーク(3600cm-1)の
消滅と、さらにNMRの分析によりグリシジルエーテル由
来のピークの発現から、100%の官能基変換を確認した。
このように得られたエポキシ体100部に対し、1-ベンジ
ル-2-メチルイミダゾール3部を加えて、150℃で溶融・
脱気・成形し、180℃で10時間硬化を行い、硬化物を得
た。この硬化物は、動的粘弾性の測定(DMA)より、ガラ
ス転移温度が197℃であった。また、1GHzでの誘電率は
2.75、誘電正接は0.0140が得られた。
【0043】(実施例4) 2官能PPEオリゴマー体の製法 撹拌装置、温度計、空気導入管、じゃま板のついた2L
の縦長反応器にCuCl 1.1g(0.011mol)、ジ-n-ブチルア
ミン66.3g(0.51mol)、トルエン 500gを仕込み、反応
温度40℃にて撹拌を行い、あらかじめ600gのメタノー
ルに溶解させた2価のフェノール2,2’,3,3’,5,5’-ヘ
キサメチル-[1,1’-ビフェニル]-4,4’-ジオール20.9g
(0.077mol)と2,6-ジメチルフェノール75.6g(0.62mo
l)の混合溶液(構造式(8)で示される2価のフェノールと
構造式(9)で示される1価のフェノールのモル比率1:8)を
2 L/minの空気のバブリングを行いながら120分かけて滴
下し、さらに滴下終了後30分間、2 L/minの空気のバブ
リングを続けながら撹拌を行った。これにエチレンジア
ミン四酢酸二水素二ナトリウム水溶液を加え、反応を停
止した。その後、1Mの塩酸水溶液で3回洗浄を行った
後、イオン交換水で洗浄を行った。得られた溶液をエバ
ポレイタ−で濃縮し、70%のトルエン溶液とした(以下
この溶液を「ニ」と記す。)。この一部をさらに濃縮お
よび減圧乾燥を行い、粉末を得た。このものの数平均分
子量は1620、重量平均分子量2180、水酸基当量が810で
あった。 アリル体の製法 撹拌装置、温度計のついた反応器に、室温で塩化メチレ
ン150gに「ニ」71.4g(水酸基0.062mol)とアリルブロマ
イド14.9g(0.123mol)とを溶解した溶液と、1Nの水酸化
ナトリウム溶液120mlを仕込み、さらに相間移動触媒と
してベンジルトリ-n-ブチルアンモニウムブロマイド2.2
g(0.0062mol)を添加し、5時間の撹拌を行った。その
後、0.1Nの塩酸水溶液で3回洗浄とイオン交換水での水
洗さらにはろ過を行い、生成塩と不純物を除去した。得
られた溶液から塩化メチレンを留去し、さらに減圧乾燥
を行い、アリル体51.5gを得た。得られたものは、IRの
分析によりフェノール性水酸基の吸収ピーク(3600cm-1)
の消滅と、さらにNMRの分析によりアリル基由来のピー
クの発現から、100%の官能基変換を確認した。このよう
に得られたアリル体を150℃で溶融・脱気・成形し、230
℃で3時間硬化を行い、硬化物を得た。この硬化物は、
動的粘弾性の測定(DMA)より、ガラス転移温度が216℃で
あった。また、1GHzでの誘電率は2.67、誘電正接は0.00
35が得られた。
【0044】(比較例1)半導体封止材用のビフェニル型
エポキシ樹脂である3,3',5,5'-テトラメチル-[1,1'-ビ
フェニル]-4,4'-グリシジルエーテル100部に対し、1-ベ
ンジル-2-メチルイミダゾール3部を加えて、150℃で溶
融・脱気・成形し、180℃で10時間硬化を行い、硬化物
を得た。この硬化物は、動的粘弾性の測定(DMA)より、
ガラス転移温度が133℃であった。また、1GHzでの誘電
率は3.06、誘電正接は0.030が得られた。
【0045】(比較例2)半導体封止材用のジシクロペン
タジエン型エポキシ100部に対し、1-ベンジル-2-メチル
イミダゾール3部を加えて、150℃で溶融・脱気・成形
し、180℃で10時間硬化を行い、硬化物を得た。この硬
化物は、動的粘弾性の測定(DMA)より、ガラス転移温度
が182℃であった。また、1GHzでの誘電率は2.90、誘電
正接は0.020が得られた。
【0046】以上の結果を表1にまとめた。
【表1】
【0047】
【発明の効果】本発明の熱硬化型PPEのオリゴマー体
は、汎用の溶剤に可溶であり、他の熱硬化性樹脂との相
溶性がよい。そのため、例えば、積層板のワニスが容易
に調整でき、成形加工性に優れる積層材料を製造する事
ができる。また、単独もしくは他樹脂と混合した硬化物
においても、低誘電特性が達成され、PPEポリマーの優
れた特性を引継いだ電気・電子材料となる。ビフェニル
型エポキシと比較すると、ビフェニルに2,6-ジメチルフ
ェノールあるいは2,3,6-トリメチルフェノールからなる
フェニレンエーテル構造を付加した本発明化合物が非常
に有用であることを見出した。さらに、半導体封止材用
途に用いられる特殊タイプのエポキシであり、低誘電特
性をもつエポキシと比較しても、その特性に優位性を見
出した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮本 真 東京都葛飾区新宿6丁目1番1号 三菱瓦 斯化学株式会社東京研究所内 Fターム(参考) 4J005 AA26 BD00 BD03 BD05

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】以下の構造式(1)で示される熱硬化性樹
    脂。 【化1】 【化2】 (式中、-(O-X-O)-は構造式(2)で示され、R2,R3,R4,R8,R
    9は、同一または異なってもよく、ハロゲン原子または
    炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。R5,
    R6,R7は、同一または異なってもよく、水素原子、ハロ
    ゲン原子または炭素数6以下のアルキル基またはフェニ
    ル基である。-(Y-O)-は構造式(3)で定義される1種類の
    構造、または構造式(3)で定義される2種類以上の構造が
    ランダムに配列したものである。R10,R11は、同一また
    は異なってもよく、ハロゲン原子または炭素数6以下の
    アルキル基またはフェニル基である。R12,R13は、同一
    または異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子または
    炭素数6以下のアルキル基またはフェニル基である。Z
    は、炭素数1以上の有機基であり、酸素原子を含むこと
    もある。a,bは、少なくともいずれか一方が0でない、0
    〜300の整数を示す。c,dは、0または1の整数を示す。)
  2. 【請求項2】-(O-X-O)-が構造式(4)で示され、-(Y-O)-
    が構造式(5)あるいは、構造式(6)あるいは、構造式(5)
    と構造式(6)がランダムに配列した構造を有することを
    特徴とする請求項1記載の熱硬化性樹脂。 【化3】
  3. 【請求項3】-(Y-O)-が構造式(6)で示される構造を有す
    る請求項2記載の熱硬化性樹脂。
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