JP2007056961A - シフトレンジ切替装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 自動変速機に対して電動アクチュエータを脱着しても「電動アクチュエータのシフトレンジ位置」と「シフトレンジ切替機構のシフトレンジ位置」が確実に一致するシフトレンジ切替装置を提供する。
【解決手段】 (1)ボス部18aの外周面にキーX1を設けるとともに、組付穴90aの内周面にキー溝X2を設けた。(2)出力軸17側のスプライン溝17bのうちの1箇所に欠溝Y1を設けるとともに、コントロールロッド45側のスプライン歯45bのうちの1箇所に欠歯Y2を設けた。(3)ボス部18aに欠歯Y2の挿入位置を規制する係止片Z1をPレンジの位置に設けた。これにより、キーX1、係止片Z1、欠溝Y1の3者をPレンジに揃え、且つキー溝X2、欠歯Y2の2者もPレンジに揃えることでのみ、自動変速機に対して電動アクチュエータを脱着することができる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、自動変速機に搭載されるシフトレンジ切替機構を、電動アクチュエータによって切り替え可能なシフトレンジ切替装置に関する。
(機械的なリンク機構のシフトレンジ切替装置)
自動変速機が搭載された車両で、機械的なリンク機構を介して自動変速機のシフトレンジ切替機構を駆動して実シフトレンジを切り替えるように構成された従来のシフトレンジ切替装置では、実シフトレンジ(自動変速機において実際に設定されているシフトレンジ位置)の検出を機械的な接点構造を持つ検出手段(以下、メカ接点スイッチと称す)で成されている。このような従来のシフトレンジ切替装置では、実シフトレンジが走行レンジ(DレンジまたはRレンジ)にある場合、エンジンの出力が自動変速機を介して車輪(駆動輪)に伝達される。
従って、エンジンの始動時に、運転者の意思に反して車両が走行(最悪の場合は急発進)することがないように、実シフトレンジが非走行レンジ(PレンジまたはNレンジ)の状態にある時のみに、エンジンの始動が可能となるようにするべきである。
上述したメカ接点スイッチは、P/R/N/Dの各シフトレンジ位置を検出する手段として、「実シフトレンジがPレンジ=Pレンジの接点が導通状態」、「実シフトレンジがRレンジ=Rレンジの接点が導通状態」、「実シフトレンジがNレンジ=Nレンジの接点が導通状態」、「実シフトレンジがDレンジ=Dレンジの接点が導通状態」となるように構成されている。
一方、エンジンのスタータに電力を供給する通電回路には、リレーが設けられ、メカ接点スイッチのPレンジとNレンジの接点が導通状態の時にのみ、リレーのコイルが通電されるように構成されている。
従って、メカ接点スイッチに不良(例えば、コネクタの接触不良、ハーネスの断線等)が生じている場合はスタータを作動させることができず、当然、実シフトレンジがPレンジまたはNレンジに設定されている時以外は、スタータを作動させることができない。
このように、機械的なリンク機構を介して実シフトレンジを切り替えるように構成された従来のシフトレンジ切替装置では、エンジンの始動時に運転者の意思に反して車両が走行することがないように充分な配慮が成されている。
(電動式のシフトレンジ切替装置)
自動変速機のシフトレンジ切替機構を、電動アクチュエータの出力を利用して切り替える電動式のシフトレンジ切替装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この電動式のシフトレンジ切替装置は、乗員がシフトレンジの切り替えを行うシフトレンジ設定手段(メカ式シフトレバーで設定されるスイッチ、シフトレンジ設定ボタン、ジョイスティック等)と、シフトレンジ切替機構との間に機械的な連結がないため、シフトレンジ設定手段およびシフトレンジ切替機構の車両搭載性の自由度が高まる利点がある。 また、シフトレンジ設定手段とシフトレンジ切替機構に機械的な連結がないため、シフトレンジ切替機構の構造にとらわれる必要がなく、シフトレンジ設定手段を自由に設計することができ、人間工学の観点から、より操作しやすいシフトレンジ設定手段を設計することが可能になる。あるいは、ユーザが、その時々の状況に応じて任意にシフトレンジ設定手段を交換するといったことも可能になる。
シフトレンジ設定手段とシフトレンジ切替機構に機械的な連結があると、機械的な連結が破損しない限り、シフトレンジ設定手段で設定された設定シフトレンジと、シフトレンジ切替機構の実シフトレンジとが確実に一致する。
しかし、電動式のシフトレンジ切替装置の場合、シフトレンジ設定手段とシフトレンジ切替機構に機械的な連結がなく、電動アクチュエータとシフトレンジ切替機構とが対応していることが前提となっているため、電動アクチュエータとシフトレンジ切替機構とが対応していないと、設定シフトレンジ(あるいは認識シフトレンジ)と実シフトレンジが対応しなくなる不具合が発生する。
設定シフトレンジ(あるいは認識シフトレンジ)と実シフトレンジとが一致しない場合は、運転者は車両が発進しないと認識しているにも関わらず、エンジンの始動時に車両が発進する可能性がある。このため、エンジンの始動時に意図せず車両が発進するのを確実に防ぐ目的で、電動アクチュエータとシフトレンジ切替機構を確実に対応させる必要がある。
具体的な不具合の一例を説明する。
特許文献1には、エンジンを停止する際に、停止時の実シフトレンジ(前回シフトレンジ)を不揮発性のメモリ等に記憶しておき、エンジンの運転を開始する際に、停止時に記憶した「前回シフトレンジ」を現在の「実シフトレンジ」として認識する技術が開示されている。
しかし、特許文献1に示すシフトレンジ切替装置では、整備等で電動アクチュエータを一旦脱着し、脱着の間に実シフトレンジの変更が成されていると電動アクチュエータとシフトレンジ切替機構が対応しなくなり、電動機制御手段の認識する認識シフトレンジと、実シフトレンジとが異なる結果になってしまう。
特開2002−323127号公報
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、電動アクチュエータとシフトレンジ切替機構とを確実に対応させ、上記の不具合を解決可能なシフトレンジ切替装置の提供にある。
[請求項1の手段]
請求項1の手段を採用するシフトレンジ切替装置は、シフトレンジ切替機構の実シフトレンジが特定シフトレンジに設定されている場合にのみ、自動変速機に対して電動アクチュエータの脱着を可能にする組付規制機構を備える。
これにより、電動アクチュエータの脱着の間に、シフトレンジ切替機構において実シフトレンジが変更されると、電動アクチュエータを自動変速機に組付けることができなくなる。
このため、電動アクチュエータの脱着の間に、シフトレンジ切替機構の実シフトレンジが変更されることにより生じる「電動アクチュエータとシフトレンジ切替機構が対応しなくなる不具合」を回避することができる。
[請求項2の手段]
請求項2の手段を採用するシフトレンジ切替装置における組付規制機構は、コントロールロッドおよび出力軸の軸心に対し、変速機側ハウジング、電動側ハウジング、コントロールロッド、出力軸の四者が特定の角度関係の時のみ、自動変速機に対して電動アクチュエータの脱着を可能とするものである。
これによって、電動アクチュエータの脱着の際に、電動アクチュエータとシフトレンジ切替機構とを確実に対応させることができ、設定シフトレンジ(あるいは認識シフトレンジ)と実シフトレンジとを、確実に対応させることができる。
[請求項3の手段]
請求項3の手段を採用するシフトレンジ切替装置における組付規制機構は、変速機側ハウジングと電動側ハウジングを、予め設定された所定の位置のみで結合可能とする第1規制手段と、コントロールロッドと出力軸を、欠歯欠溝構造によるスプライン嵌合とすることで、コントロールロッドと出力軸を予め設定された特定角度のみで結合可能とする第2規制手段と、欠溝が設けられる側のハウジングに設けられ、欠歯の挿入位置を規制する第3規制手段とを備える。
これによって、軸心に対し、変速機側ハウジング、電動側ハウジング、コントロールロッド、出力軸の四者が特定の角度関係の時のみ、自動変速機に対して電動アクチュエータの脱着が可能になる。
[請求項4の手段]
請求項4の手段を採用するシフトレンジ切替装置は、電動アクチュエータに搭載される電動モータを制御することで、出力軸の回転角度を制御し、コントロールロッドの回転角度を制御することで、実シフトレンジの設定を行う電動機制御手段を備える。そして、この電動機制御手段は、当該電動機制御手段の通電をオフする際に、オフ時のシフトレンジ位置をメモリに記憶させ、電動機制御手段の通電がオンした際に、メモリに記憶していたシフトレンジ位置を読み出し、通電がオンした際のシフトレンジ位置の認識を行うシフトレンジ起動認識手段を備える。
一方、上述したように、組付規制機構によって電動アクチュエータとシフトレンジ切替機構とを確実に対応させることができるため、電動アクチュエータの脱着後において、電動機制御手段の認識する認識シフトレンジと、実シフトレンジとを、確実に対応させることができる。
最良の形態1のシフトレンジ切替装置は、コントロールロッドの回転角度に応じた実シフトレンジの設定を行うシフトレンジ切替機構を備えた自動変速機と、コントロールロッドに連結される出力軸を備え、この出力軸を回転駆動することで実シフトレンジの切り替えを行う電動アクチュエータとを具備する。
そして、このシフトレンジ切替装置は、シフトレンジ切替機構の実シフトレンジが特定シフトレンジに設定されている場合にのみ、自動変速機に対して電動アクチュエータの脱着を可能にする組付規制機構を備える。
これにより、電動アクチュエータを脱着した際に「電動アクチュエータとシフトレンジ切替機構が対応しなくなる不具合」を回避できる。
この実施例1では、先ずシフトレンジ切替装置の主要な構成を図4〜図6を参照して説明し、その後、実施例1の特徴を図1〜図3を参照して説明する。
(シフトレンジ切替装置の説明)
シフトレンジ切替装置は、電動アクチュエータ1の出力によって自動変速機2(図4参照)に搭載されたシフトレンジ切替機構3(パーキング切替機構4を含む:図6参照)の実シフトレンジの切り替えを行うものである。
電動アクチュエータ1は、シフトレンジ切替機構3を駆動するサーボ機構であり、同期型の電動モータ5と、この電動モータ5の回転出力を減速してシフトレンジ切替機構3を駆動する減速機6と、電動モータ5の回転角度(具体的には、後述するロータ11のロータ角)を検出するロータ角検出手段7と、減速機6の出力角(実シフトレンジに対応した角度)を検出する出力角検出手段8とを備え、減速機6を介してシフトレンジ切替機構3を駆動する電動モータ5は電動機制御手段9によって回転(回転方向、回転速度、回転量、回転角度)が制御される。
即ち、シフトレンジ切替装置は、電動機制御手段9によって電動モータ5の回転方向、回転速度、回転量、回転角度を制御することで、減速機6を介して駆動されるシフトレンジ切替機構3およびパーキング切替機構4を切替制御して、シフトレンジ切替機構3の実シフトレンジの切り替えおよびパーキング(自動変速機2の出力軸のロック)の切り替えを行うものである。
以下では、図5の右側をフロント(あるいは前)、左側をリヤ(あるいは後)としてこの実施例1を説明する。
(電動モータ5の説明)
この実施例1の電動モータ5は、永久磁石を用いないブラシレスのSRモータ(スイッチド・リラクタンス・モータ)であり、回転自在に支持されるロータ11と、このロータ11の回転中心と同軸上に配置されたステータ12とで構成される。
ロータ11は、ロータ軸13とロータコア14で構成されるものであり、ロータ軸13は前端と後端に配置された転がり軸受(フロント転がり軸受15、リヤ転がり軸受16)によって回転自在に支持される。
なお、フロント転がり軸受15は、減速機6の出力軸17の内周に嵌合固定されたものであり、減速機6の出力軸17はフロントハウジング18の内周に配置されたメタルベアリング19によって回転自在に支持されている。つまり、ロータ軸13の前端は、フロントハウジング18に設けられたメタルベアリング19→出力軸17→フロント転がり軸受15を介して回転自在に支持される。
一方、リヤ転がり軸受16は、ロータ軸13の後端外周に圧入固定され、リヤハウジング20によって支持されるものである。
なお、フロントハウジング18とリヤハウジング20により、電動アクチュエータ1のハウジング、即ち電動側ハウジングが構成される。
ステータ12は、固定されたステータコア21および通電により磁力を発生する複数相の励磁コイル22から構成される。
ステータコア21は、薄板を多数積層して形成されたものであり、リヤハウジング20に固定されている。このステータコア21には、内側のロータコア14に向けて30度毎に突設されたステータティース23(内向突極)が設けられており、各ステータティース23のそれぞれには各ステータティース23毎に磁力を発生させる各相の励磁コイル22が巻回されている。
ロータコア14は、薄板を多数積層して形成されたものであり、ロータ軸13に圧入固定されている。このロータコア14には、外周のステータコア21に向けて45度毎に突設されたロータティース(外向突極)が設けられている。
そして、各相の励磁コイル22の通電位置および通電方向を順次切り替えることで、ロータティースを磁気吸引するステータティース23を順次切り替えて、ロータ11を一方または他方へ回転する構成になっている。
(減速機6の説明)
この実施例1の減速機6は、内接噛合遊星歯車減速機(サイクロイド減速機)であり、ロータ軸13に設けられた偏心部25を介してロータ軸13に対して偏心回転可能な状態で取り付けられたサンギヤ26(インナーギヤ:外歯歯車)と、このサンギヤ26が内接噛合するリングギヤ27(アウターギヤ:内歯歯車)と、サンギヤ26の自転成分のみを出力軸17に伝達する伝達手段28とを備える。
偏心部25は、ロータ軸13の回転中心に対して偏心回転してサンギヤ26を揺動回転させる軸であり、偏心部25の外周に配置されたサンギヤ軸受31を介してサンギヤ26を回転自在に支持するものである。
サンギヤ26は、上述したように、サンギヤ軸受31を介してロータ軸13の偏心部25に対して回転自在に支持されるものであり、偏心部25の回転によってリングギヤ27に押しつけられた状態で回転するように構成されている。
リングギヤ27は、フロントハウジング18に固定されるものである。
(シフトレンジ切替機構3の説明)
シフトレンジ切替機構3およびパーキング切替機構4を、図6を参照して説明する。
シフトレンジ切替機構3は、上述した減速機6の出力軸17によって駆動されて、自動変速機2の実シフトレンジの切り替えを行うものである。
自動変速機2における各シフトレンジ(例えば、P、R、N、Dレンジ)の切り替えは、油圧コントローラ41に設けられたマニュアルスプール弁42を適切な位置にスライド変位させ、自動変速機2の図示しない油圧クラッチへの油圧供給路を切り替え、油圧クラッチの係合状態をコントロールすることによって行われる。
一方、パーキング切替機構4は、シフトレンジ切替機構3に連動し、実シフトレンジがパーキングレンジ(P)に設定されることで自動変速機2の出力軸を機械的にロックするものである。パーキング切替機構4による自動変速機2の出力軸のロックとアンロックの切り替えは、パークギヤ43の凹部43aとパークポール44の凸部44aの係脱によって行われる。なお、パークギヤ43は、図示しないドライブシャフトや図示しないディファレンシャルギヤ等を介して自動変速機2の出力軸に連結されたものであり、パークギヤ43の回転を規制することで自動変速機2の出力軸側(車両の駆動輪側)をロックして、車両のパーキングのロック状態を達成するものである。
減速機6によって駆動されるコントロールロッド45には、略扇形状を呈したディテントプレート46が図示しないスプリングピン等を打ち込むことにより固定されている。
ディテントプレート46は、半径方向の先端(略扇形状の円弧部)に複数の凹部46aが設けられており、油圧コントローラ41に固定されたディテントバネ47の先端の係合部47aが凹部46aに嵌まり合うことで、切り替えられたシフトレンジが保持されるようになっている。
ディテントプレート46には、マニュアルスプール弁42を駆動するためのピン48が取り付けられている。
ピン48は、マニュアルスプール弁42の端部に設けられた溝49に係合しており、ディテントプレート46がコントロールロッド45によって回動操作されると、ピン48が円弧駆動されて、ピン48に係合するマニュアルスプール弁42が油圧コントローラ41の内部で直線運動を行う。
コントロールロッド45を図6中矢印A方向から見て時計回り方向に回転させると、ディテントプレート46を介してピン48がマニュアルスプール弁42を油圧コントローラ41の内部に押し込み、油圧コントローラ41内の油路がD→N→R→Pレンジの順に切り替えられる。つまり、自動変速機2のシフトレンジがD→N→R→Pレンジの順に切り替えられる。
逆方向にコントロールロッド45を回転させると、ピン48がマニュアルスプール弁42を油圧コントローラ41から引き出し、油圧コントローラ41内の油路がP→R→N→Dレンジの順に切り替えられる。つまり、自動変速機2のシフトレンジがP→R→N→Dレンジの順に切り替えられる。
一方、ディテントプレート46には、パークポール44を駆動するためのパークロッド51が取り付けられている。このパークロッド51の先端には円錐部52が設けられている。
この円錐部52は、自動変速機2のハウジングの突出部53とパークポール44の間に介在されるものであり、コントロールロッド45を図6中矢印A方向から見て時計回り方向に回転させると(具体的には、R→Pレンジ)、ディテントプレート46を介してパークロッド51が図6中矢印B方向へ変位して円錐部52がパークポール44を押し上げる。すると、パークポール44が軸44bを中心に図6中矢印C方向に回転し、パークポール44の凸部44aがパークギヤ43の凹部43aに係合し、パーキング切替機構4のロック状態が達成される。
逆方向へコントロールロッド45を回転させると(具体的には、P→Rレンジ)、パークロッド51が図6中矢印B方向とは反対方向に引き戻され、パークポール44を押し上げる力が無くなる。パークポール44は、図示しないバネにより、図6中矢印C方向とは反対方向に常に付勢されているため、パークポール44の凸部44aがパークギヤ43の凹部43aから外れ、パークギヤ43がフリーになり、パーキング切替機構4がアンロック状態になる。
(ロータ角検出手段7の説明)
上述した電動アクチュエータ1には、そのハウジング(フロントハウジング18+リヤハウジング20)内に、ロータ11の回転角度を検出するロータ角検出手段7が搭載されている。このロータ角検出手段7によってロータ11の回転角度を検出して励磁コイル22への通電を切替制御することにより、電動モータ5を脱調させることなく高速運転することができる。
この実施例1のロータ角検出手段7は、インクリメンタル型であり、ロータ11と一体に回転する磁石61と、リヤハウジング20内に配置される磁気検出用のホールIC62(具体的には、複数搭載されている)とを備え、このホールIC62は、リヤハウジング20内に配置される基板63に支持される。
磁石61は、略リング円板形状を呈し、ロータ軸13と同芯上に配置されるものであり、ロータコア14の軸方向の端面(後面)に接合される。この磁石61は、ホールIC62と対向する面(後面)に、回転角度検出用の着磁が施され、磁石61の軸方向に磁力を発生する。
これにより、ロータ11が回転すると、磁石61の着磁位置が回転することにより、磁石61に対向するホールIC62の受ける磁束密度が変化して、ホールIC62がロータ11の回転に応じた出力波形を発生する。
(出力角検出手段8の説明)
電動アクチュエータ1は、出力軸17の回転角度を検出する出力角検出手段8を備え、電動機制御手段9は出力角検出手段8の検出する出力軸17の回転角度から、シフトレンジ切替機構3が現実に設定している実シフトレンジ(P、N、R、Dレンジ)を検出する。
この実施例1の出力角検出手段8は、出力軸17の回転角度を連続量として検出するものであり、出力軸17と一体に回転する磁石71と、フロントハウジング18に固定されたリニア出力ホールIC72とで構成される。
磁石71は、例えば、軸方向から見て略三日月形状を呈するものであり、リニア出力ホールIC72に対して磁束が直交するように着磁され、出力軸17の回転範囲において、磁石71とリニア出力ホールIC72との距離が変化することで、リニア出力ホールIC72を通過する磁束量が変化するように設けられ、リニア出力ホールIC72を通過する磁束量に基づいて出力軸17の回転角度を検出するものである。
(電動機制御手段9の説明)
電動機制御手段9を図4を参照して説明する。
電動モータ5の通電制御を行う電動機制御手段9は、制御処理、演算処理を行うCPU、各種プログラムおよびデータを保存する記憶手段(ROM、EEPROMまたはSRAM、RAM等のメモリ)81、入力回路、出力回路、電源回路等で構成された周知構造のマイクロコンピュータである。
なお、EEPROMは、通電を完全に停止した状態でも記憶したデータを保存できるメモリであり、SRAMは、微少な電流を供給することで記憶したデータを保持できるメモリである。
ここで、図4中における符号82は起動スイッチ(車両のイグニッションスイッチ、アクセサリースイッチ等)、符号83は車載バッテリ、符号84はシフトレンジおよび電動アクチュエータ1の状態等を示す表示・警告手段(通常運転時の視覚表示、警告灯、警告音声等)、符号85は車速センサ、符号86は乗員が操作するシフトレンジ設定手段の設定スイッチ(あるいは検出センサ)、車輪に制動力を与える車両ブレーキ装置がかけられているか否かを検出するブレーキスイッチ(ブレーキ検出手段)、その他の車両状態を検出するセンサ類を示す。
そして、電動機制御手段9は起動スイッチ82がONされると車載バッテリ83による通電が開始され、各種の演算制御を実施し、起動スイッチ82がOFFされると電源OFF処理を行った後に車載バッテリ83による通電が停止されるものである。即ち、起動スイッチ82のONで通電が開始され、起動スイッチ82のOFFで通電が停止されるものである。
電動機制御手段9には、ロータ角検出手段7の出力からロータ11の回転方向、回転速度、回転量、回転角度を把握する「ロータ角読取手段」、出力角検出手段8の出力から出力軸17の回転角度を読み取る「出力角読取手段」、シフトレンジ設定手段によって設定された設定シフトレンジ(シフトレンジ指令値)と電動機制御手段9が認識する実シフトレンジとが一致するように電動モータ5を制御する「通常制御手段」など、種々の制御プログラムが搭載されている。
通常制御手段は、シフトレンジ設定手段によって設定された「設定シフトレンジ」と、電動機制御手段9自身が認識する「認識シフトレンジ」とに差がある場合に、設定シフトレンジと認識シフトレンジとのシフトレンジの差に基づいて、電動モータ5の回転方向、回転速度、回転量、回転角度の決定を行い、その決定に基づいて複数相よりなる各励磁コイル22を通電制御して、電動モータ5の回転方向、回転速度、回転量、回転角度の制御を行って、シフトレンジ設定手段によって設定された設定シフトレンジと電動機制御手段9が認識する認識シフトレンジとを一致させる制御プログラムである。
(実施例1の背景)
上述したように、電動機制御手段9は、シフトレンジ設定手段によって設定された「設定シフトレンジ」と、電動機制御手段9の認識する「認識シフトレンジ」とに差がある場合は、その差に基づいて、電動モータ5の回転を制御して、シフトレンジ設定手段によって設定された「設定シフトレンジ」と電動機制御手段9が認識する「認識シフトレンジ」とを一致させるように制御している。
このため、電動機制御手段9が認識する「認識シフトレンジ」と、シフトレンジ切替機構3が実際に設定する「実シフトレンジ」とが、予期せぬ何らかの要因(例えば、電動アクチュエータ1の整備脱着等)で異なった場合、設定シフトレンジと認識シフトレンジが「非走行レンジ(Pレンジ、Nレンジ)」で一致していても、「実シフトレンジ」が「走行レンジ(Dレンジ、Rレンジ)」となっていて、エンジンの始動時(スタータ作動時)に車両が発進するなどの不具合が発生する可能性がある。
さらに具体的な一例を示す。
電動機制御手段9は、起動スイッチ82のOFF時に、停止時に認識している認識シフトレンジ(実シフトレンジ:前回シフトレンジ)を、記憶手段81に設けられたEEPROMあるいはSRAMに記憶してから電動機制御手段9の電源をOFFにし、次に起動スイッチ82がONされて電動機制御手段9の電源がONされると、前回通電停止時に記憶した「前回シフトレンジ」をEEPROMあるいはSRAMから読み出して、現在の「実シフトレンジ」であるとシフトレンジ位置の認識を行う『シフトレンジ起動認識手段』を備える。
このため、整備等で電動アクチュエータ1を一旦脱着し、脱着の間に、出力軸17が回転したり、シフトレンジ切替機構3の「実シフトレンジ」が変更されたりすると、EEPROMあるいはSRAMに記憶される「前回シフトレンジ(認識シフトレンジ)」と、整備組付後の「実シフトレンジ」とが異なる可能性がある。
このため、上記の不具合を回避して、電動アクチュエータ1が脱着されても、エンジンの始動時に車両が発進するのを確実に防ぐ必要がある。
(実施例1の特徴)
実施例1のシフトレンジ切替装置は、電動アクチュエータ1の脱着の間に、出力軸17が回転したり、シフトレンジ切替機構3の「実シフトレンジ」が変更されたら、電動アクチュエータ1を自動変速機2に組付けできない構造にしたものである。
具体的に実施例1のシフトレンジ切替装置は、シフトレンジ切替機構3の「実シフトレンジ」がPレンジ(特定シフトレンジの一例)に設定されている時のみ、電動アクチュエータ1の脱着を可能にする組付規制機構を備えるものである。
組付規制機構の一例を、図1〜図3を参照して説明する。
組付規制機構は、コントロールロッド45および出力軸17の軸心に対し、シフトレンジ切替機構3を収納する自動変速機2における変速機側ハウジング90、電動アクチュエータ1を収容するフロントハウジング18(フロントハウジング18とリヤハウジング20により電動側ハウジングが構成される)、コントロールロッド45、および出力軸17の四者が、Pレンジ(特定の角度)の時のみ、自動変速機2に対して電動アクチュエータ1の脱着を可能とするものである。
具体的な組付規制機構は、変速機側ハウジング90とフロントハウジング18を、予め設定された所定の位置のみで結合可能とする第1規制手段と、コントロールロッド45と出力軸17を、欠歯欠溝構造(後述する欠溝Y1と欠歯Y2を一致させる構造)によるスプライン嵌合とすることで、コントロールロッド45と出力軸17を予め設定された特定角度のみで結合可能とする第2規制手段と、欠溝Y1が設けられる側のハウジング(後述するように、フロントハウジング18)に設けられ、欠歯Y2の挿入位置を規制する第3規制手段とからなる。
以下に、第1〜第3規制手段を個別に説明するが、その説明の前に、電動アクチュエータ1と自動変速機2の基本の組付構造を説明する。
電動アクチュエータ1と自動変速機2の組付は、電動アクチュエータ1のフロントハウジング18と、シフトレンジ切替機構3を収納する変速機側ハウジング90の結合(ハウジングの結合)と、出力軸17とコントロールロッド45の連結(駆動軸の結合)とからなる。
(ハウジングの結合)
フロントハウジング18は、出力軸17のフロント側の周囲を覆う略円筒形状のボス部18aを備える。
一方、変速機側ハウジング90は、ボス部18aが軸方向に差し込まれる略円筒穴形状の組付穴90aが設けられている。
そして、フロントハウジング18のボス部18aを、変速機側ハウジング90の組付穴90aに差し込み、フロントハウジング18に固定された結合用プレート91(符号、図5参照)を、ボルト等の締結具によって変速機側ハウジング90に締結することで、電動アクチュエータ1が自動変速機2に固定される。
(駆動軸の固定)
出力軸17の前端側には、コントロールロッド45の端部が軸方向に挿入されるけ略円筒穴形状の連結穴17aが形成されている。この連結穴17aの内周面には、軸方向に伸びる複数のスプライン溝17bが形成されている。
一方、コントロールロッド45は、上述した組付穴90aの内部に配置される連結端45aを備える。この連結端45aの外周面には、軸方向に伸びて、上述したスプライン溝17bを嵌合可能な複数のスプライン歯45bが形成されている。
そして、フロントハウジング18のボス部18aを、変速機側ハウジング90の組付穴90aに差し込む際に、連結端45aを連結穴17aに差し入れ、スプライン溝17bにスプライン歯45bを嵌合することで、出力軸17とコントロールロッド45がスプライン嵌合(連結)される。
(第1規制手段)
第1規制手段は、ボス部18aと組付穴90aを、予め設定された所定の位置のみで結合可能とするものであり、ボス部18aの外周面に形成された1つのキーX1(軸方向に沿う突起)と、組付穴90aの内周面に形成された1つのキー溝X2(軸方向に沿う溝)とからなる。
このように設けられることにより、キーX1とキー溝X2を一致させないかぎり、ボス部18a(電動側ハウジング)と変速機側ハウジング90を組付けることができない。
(第2規制手段)
コントロールロッド45と出力軸17は、上述したように、スプライン嵌合によって連結されるものであり、この第2規制手段は、スプライン嵌合を欠歯欠溝構造とすることで、コントロールロッド45と出力軸17を予め設定された特定角度のみで結合可能とするものである。
具体的に、出力軸17側に形成される複数のスプライン溝17bは、等間隔に設けられるものであるが、等間隔の1箇所のスプライン溝17bは形成されておらずに欠溝Y1となっている。
一方、コントロールロッド45側に形成される複数のスプライン歯45bは、スプライン溝17bと同間隔に設けられるものであるが、1箇所のスプライン歯45bは形成されておらずに欠歯Y2となっている。
このように設けられることにより、欠溝Y1と欠歯Y2を一致させないかぎり、コントロールロッド45と出力軸17をスプライン嵌合させることはできない。
(第3規制手段)
第3規制手段は、欠溝Y1が設けられる側のハウジング、即ちこの実施例ではフロントハウジング18に設けられ、出力軸17のスプライン溝17bにコントロールロッド45のスプライン歯45bを差し入れる際に、欠歯Y2の挿入位置を規制する係止片(ストッパ)Z1であり、この係止片Z1はボス部18aの端部に形成、あるいは溶接等の接合技術により固着されている。
この係止片Z1は、出力軸17の回転角度がPレンジに相当する回転角度に設定された時の欠溝Y1の位置に設けられるものである。このため、電動アクチュエータ1側の設定レンジがPレンジで、且つシフトレンジ切替機構3の「実シフトレンジ」がPレンジに設定されている時のみ、電動アクチュエータ1の組付けと、取り外しが可能になる。
なお、この実施例では、キーX1と係止片Z1が、軸方向から見て同一方向(同一角)に設けられている。このため、電動アクチュエータ1側の「キーX1、係止片Z1、欠溝Y1」の3者を同一方向(Pレンジの角度)に揃え、且つ自動変速機2側の「キー溝X2、欠歯Y2」の2者も同一方向(Pレンジの角度)に揃えることでのみ、自動変速機2に対して電動アクチュエータ1を脱着することができる。
ここで、コントロールロッド45に形成された環状溝45cは、出力軸17とコントロールロッド45がスプライン嵌合(連結)した状態で、コントロールロッド45が回転する際に、係止片Z1がコントロールロッド45に接触するのを回避する逃げ溝である。
(実施例1の効果)
実施例1のシフトレンジ切替装置は、上述した組付規制手段(第1〜第3規制手段)によって、電動アクチュエータ1の出力軸17の角度がPレンジ位置で、且つシフトレンジ切替機構3の「実シフトレンジ」がPレンジに設定されている場合にのみ、自動変速機2に対して電動アクチュエータ1の脱着が可能となる。
このため、電動アクチュエータ1を自動変速機2から取り外す際は、電動アクチュエータ1の出力軸17の角度と、シフトレンジ切替機構3の「実シフトレンジ」とが、ともにPレンジで確実に一致している。
電動アクチュエータ1の脱着の間に、電動アクチュエータ1の出力軸17の回転がなく、またシフトレンジ切替機構3の「実シフトレンジ」の変更がない場合、電動アクチュエータ1の出力軸17の角度と、シフトレンジ切替機構3の「実シフトレンジ」とは、取り外し時と同じでPレンジで一致している。このため、電動アクチュエータ1を自動変速機2に組付けることができる。
しかし、電動アクチュエータ1の脱着の間に、電動アクチュエータ1の出力軸17が回転したり、あるいはシフトレンジ切替機構3の「実シフトレンジ」が変更されたりすると、電動アクチュエータ1を自動変速機2に組付けることができなくなる。
その場合は、電動アクチュエータ1の出力軸17の角度と、シフトレンジ切替機構3の「実シフトレンジ」とを、ともにPレンジに設定する(具体的には、電動アクチュエータ1側の「キーX1、係止片Z1、欠溝Y1」の3者を同一方向に揃え、且つ自動変速機2側の「キー溝X2、欠歯Y2」の2者も同一方向に揃える)ことで、取り外しの状態と同じになり、電動アクチュエータ1を自動変速機2に組付けることができる。
このように、整備等で電動アクチュエータ1を脱着しても、メモリに記憶される「前回シフトレンジ(通電停止時のPレンジ)」と、整備組付後におけるシフトレンジ切替機構3の「実シフトレンジ(Pレンジ)」とを、確実に一致させることができる。
このため、電動アクチュエータ1の脱着後に、「認識シフトレンジ」と「実シフトレンジ」が一致しない状態でエンジンが始動されることによる車両の発進を未然に防ぐことができる。
〔変形例〕
上記の実施例では、ロータ角検出手段7を用いる例を示したが、ロータ角検出手段7を廃止して、各励磁コイル22の通電回数をカウントしてロータ11の回転方向、回転速度、回転量、回転角度を制御しても良い。
上記の実施例では、出力角検出手段8を用いる例を示したが、出力角検出手段8を廃止して、ロータ角検出手段7のカウント値から出力軸17の回転角度を算出したり、出力角検出手段8とともにロータ角検出手段7を廃止する場合は、各励磁コイル22の通電回数をカウントしてロータ11の回転方向、回転量、回転角度から出力軸17の回転角度を算出しても良い。
上記の実施例では、電動機制御手段9が電動アクチュエータ1側のシフトレンジ位置を検出、あるいは認識して、電動アクチュエータ1を制御する例を示したが、シフトレンジ切替機構3におけるシフトレンジ位置(実シフトレンジ)を直接検出して、シフトレンジ切替機構3のシフトレンジ位置(実シフトレンジ)に基づいて電動アクチュエータ1を制御しても良い。
上記の実施例では、電動モータ5の一例としてSRモータを用いる例を示したが、シンクロナス・リラクタンス・モータなど他のリラクタンスモータや、表面磁石構造型シンクロナスモータ(SPM)、埋込磁石構造型シンクロナスモータ(IPM)などの永久磁石型同期モータなど、他のモータを用いても良い。
上記の実施例では、減速機6の一例として内接噛合遊星歯車減速機(サイクロイド減速機)を用いる例を示したが、ロータ軸13によって駆動されるサンギヤ26、このサンギヤ26の周囲に等間隔に複数配置されたプラネタリピニオン、このプラネタリピニオンの周辺に噛み合うリングギヤ等により構成されたタイプの遊星歯車減速装置を用いても良い。
上記の実施例では、減速機6の一例として遊星歯車減速機を用いる例を示したが、ロータ軸13によって駆動される複数のギヤの噛み合わせ等により構成される遊星歯車減速機以外の減速装置を用いても良い。
上記の実施例では、電動モータ5と減速機6を組み合わせた例を示したが、電動モータ5の出力で直接的に駆動対象を駆動するようにしても良い。
電動アクチュエータにおける連結部の説明図であり、(a)は電動アクチュエータにおける連結部の断面図、(b)は(a)のA視図、(c)は(a)におけるX−X線に沿う断面図である。 自動変速機に搭載されたシフトレンジ切替機構における連結部の説明図であり、(a)はシフトレンジ切替機構における連結部の断面図、(b)は(a)のB視図、(c)は(a)におけるY−Y線に沿う断面図である。 電動アクチュエータとシフトレンジ切替機構の連結状態の説明図であり、(a)は電動アクチュエータとシフトレンジ切替機構の連結部の断面図、(b)は(a)におけるZ−Z線に沿う断面図である。 シフトレンジ切替装置のシステム構成図である。 電動モータの概略構成図である。 パーキング切替機構を含むシフトレンジ切替機構の斜視図である。
符号の説明
1 電動アクチュエータ
2 自動変速機
3 シフトレンジ切替機構
5 電動モータ
6 減速機
9 電動機制御手段(シフトレンジ起動認識手段の機能を備える)
17 出力軸
18 フロントハウジング(電動側ハウジング、欠溝が設けられる側のハウジング)
45 コントロールロッド
81 記憶手段(メモリ:EEPROMあるいはSRAM)
90 変速機側ハウジング
X1 キー(第1規制手段)
X2 キー溝(第1規制手段)
Y1 欠溝(第2規制手段)
Y2 欠歯(第2規制手段)
Z1 係止片(第3規制手段)

Claims (4)

  1. コントロールロッドの回転角度に応じた実シフトレンジの設定を行うシフトレンジ切替機構を備えた自動変速機と、
    前記コントロールロッドに連結される出力軸を備え、この出力軸を回転駆動することで実シフトレンジの切り替えを行う電動アクチュエータと、
    を具備するシフトレンジ切替装置において、
    このシフトレンジ切替装置は、前記シフトレンジ切替機構の実シフトレンジが特定シフトレンジに設定されている場合にのみ、前記自動変速機に対して前記電動アクチュエータの脱着を可能にする組付規制機構を備えることを特徴とするシフトレンジ切替装置。
  2. 請求項1に記載のシフトレンジ切替装置において、
    前記組付規制機構は、
    前記コントロールロッドおよび前記出力軸の軸心に対し、
    前記シフトレンジ切替機構が設けられる変速機側ハウジング、前記電動アクチュエータを収容する電動側ハウジング、前記コントロールロッド、および前記出力軸の四者が特定の角度関係の時のみ、前記自動変速機に対して前記電動アクチュエータの脱着を可能とすることを特徴とするシフトレンジ切替装置。
  3. 請求項2に記載のシフトレンジ切替装置において、
    前記組付規制機構は、
    前記変速機側ハウジングと前記電動側ハウジングを、予め設定された所定の位置のみで結合可能とする第1規制手段と、
    前記コントロールロッドと前記出力軸を、欠歯欠溝構造によるスプライン嵌合とすることで、前記コントロールロッドと前記出力軸を予め設定された特定角度のみで結合可能とする第2規制手段と、
    前記欠溝が設けられる側のハウジングに設けられ、前記欠歯の挿入位置を規制する第3規制手段と、
    を備えることを特徴とするシフトレンジ切替装置。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載のシフトレンジ切替装置において、
    このシフトレンジ切替装置は、
    前記電動アクチュエータに搭載される電動モータを制御することで、前記出力軸の回転角度を制御し、前記コントロールロッドの回転角度を制御することで、実シフトレンジの設定を行う電動機制御手段を備え、
    この電動機制御手段は、当該電動機制御手段の通電をオフする際に、オフ時のシフトレンジ位置をメモリに記憶させ、前記電動機制御手段の通電がオンした際に、前記メモリに記憶していたシフトレンジ位置を読み出し、通電がオンした際のシフトレンジ位置の認識を行うシフトレンジ起動認識手段を備えることを特徴とするシフトレンジ切替装置。
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