JP2006322553A - 切替制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 電動機制御装置は、ロータ角検出手段の検出するロータ角の増減に対する出力角検出手段の出力ゲインの比率が所定値以下となるロータ角の範囲をガタツキ量として求め、求めたガタツキ量を記憶手段に記憶させる。そして、電動機制御装置は、シフトレンジの切り替えを行う際に、記憶手段に記憶されたガタツキ量を盛り込んで電動モータの回転を制御する。このように、ガタツキ量を盛り込んで電動モータを制御できるため、ディテントプレートの位置を高精度で制御できる。
【選択図】 図1
Description
例えば、車両用自動変速機のシフトレンジ切替機構を、電動モータと減速機を組み合わせた電動アクチュエータの回転出力を利用して切り替えるシフトレンジ切替装置が知られている。
このようなシフトレンジ切替装置では、電動モータの回転方向および回転量(回転する数と、回転角度)を制御することで、実シフトレンジの切り替えを行っている。
シフトレンジ切替機構のディテント機構は、複数のディテント位置(例えば、P、R、N、D等)に応じた数のディテント溝が形成されたディテントプレート(第1部材に相当する)と、ディテント溝に嵌まり合う係合部が先端に設けられた板バネ製のディテントバネ(第2部材に相当する)とで構成される。そして、ディテント溝のいずれかにディテントバネの係合部が嵌まり合うことで、ディテントプレートの機械的な保持を成す。
(1)ここで、ディテント溝の形状は、U字溝、V字溝などに設けられる。そして、ディテントバネの係合部は、板バネの付勢力によってディテント溝の底部の方向に押し付けられる構造であるため、係合部がディテント溝の最底部からズレた状態で電動モータの通電が停止されると、係合部がディテント溝の最底部に向かうようにディテントプレートに機械的な力(ディテントプレートの回転力)が発生する。
即ち、ディテントプレートの回動を制御する電動機制御装置には、高精度で電動モータの回転量および回転角を制御することが求められている。
即ち、出力軸の出力角と、実際のディテントプレートの回転角(以下、実プレート角と称す)との間には、ガタツキ量によるズレが生じる。
しかし、シフトレンジ切替装置を構成する機械部品には、製造段階等で発生する個体間のバラツキがあるため、上記ガタツキ量が一定でなく、ディテントプレートの位置を高精度で制御することの障害になっている。
また、上記ガタツキ量のバラツキを抑えるように機械的な精度を高くすると、製造コストの上昇を招くだけでなく、上記ガタツキ量は長期の使用により摩耗などで変化するため、長期に亘ってディテントプレートの位置を高精度で制御することは困難である。
一方、上記ガタツキ量が無くても、出力角検出手段の検出精度が低いと、ディテントプレートの位置を正確に検出することができない。
実際には、上述したように、出力軸とディテントプレートの間には上記ガタツキ量があるため、そのガタツキ量による制御誤差に、出力角検出手段の検出ズレによる制御誤差が加わり、ディテントプレートの位置を正確に検出することがさらに困難になっている。
そして、電動機制御装置は、予めプログラムされた出力角検出マップに基づき、リニア出力ホールICから出力されたアナログ出力から出力角を求める。
即ち、出力角検出手段(磁力検出センサ)の検出精度の悪化により出力角の検出ズレが生じる。そして、この検出ズレがディテントプレートの位置を正確に制御することを困難にしている。
請求項1の手段を採用する切替制御装置における電動機制御装置は、ロータ角検出手段の検出するロータ角変化に対して出力角検出手段の検出する出力角変化の「小さい箇所」( あるいは、出力角検出手段の検出する出力角変化に対してロータ角検出手段の検出するロータ角変化の「大きい箇所」) における「ロータ角の範囲」に基づいて、ロータから第1部材(ディテントプレート等)に至る機械的なガタツキ量を求め、求めたガタツキ量を記憶手段に記憶させる。
そして、電動機制御装置は、記憶手段に記憶されたガタツキ量を加味して、電動モータの回転を制御する。
このように、ロータから第1部材(ディテントプレート等)に至る機械的なガタツキ量を求め、そのガタツキ量を加味して電動モータの回転を制御する。即ち、電動モータの制御量に求めたガタツキ量を正確に盛り込むことができる。このように、正確なガタツキ量を盛り込んで電動モータを制御することができるため、第1部材(ディテントプレート等)の位置を高精度で制御することができる。
請求項2の手段を採用する切替制御装置は、ガタツキ量算出手段で求めたガタツキ量が、予め設定された規定量より大きくなった場合に、故障の旨を乗員に表示する故障表示機能を備えるものである。
このように設けられることにより、摩耗によってガタツキ量が規定量より増加した場合や、ロータから第1部材(ディテントプレート等)に至る動力伝達経路に予期せぬ異常が生じた場合に、乗員に故障の旨を表示することができる。
請求項3の手段を採用する切替制御装置においてガタツキ量が記憶される記憶手段は、電動機制御装置の内部に設けられ、当該電動機制御装置の通電が停止されてもガタツキ量を記憶可能なEEPROM、あるいは電動機制御装置の通電の停止後、微少な電流を供給することでガタツキ量の記憶を保持できるSRAMである。
これによって、車両の駐車中における電動機制御装置の電力消費を抑えることができる。
請求項4の手段を採用する切替制御装置における電動機制御装置は、ロータ角検出手段の検出するロータ角変化に対して出力角検出手段の検出する出力角変化の「大きい箇所」(あるいは、出力角検出手段の検出する出力角変化に対してロータ角検出手段の検出するロータ角変化の「小さい箇所」)の発生に基づいて、ディテントの切替を検出する実切替判断手段を備える。
これによって、ディテントの切替を判定することができる。
請求項5の手段を採用する切替制御装置における電動機制御装置は、実切替判断手段によって検出されるディテントの切替回数に基づいて、現在のディテントの切替位置を判断する切替位置判断手段を備えるものである。
このように、ディテントの切替回数に基づいて現在のディテントの切替位置を検出することができる。
請求項6の手段を採用する切替制御装置における電動機制御装置は、ロータ角検出手段の検出するロータ角変化に対する出力角検出手段の検出する出力角変化の特異変化箇所(出力角変化の小さい箇所、あるいは出力角変化の大きい箇所)、あるいは、出力角検出手段の検出する出力角変化に対するロータ角検出手段の検出するロータ角変化の特異変化箇所(ロータ角変化の小さい箇所、あるいはロータ角変化の大きい箇所)に基づいて、出力角検出手段の発生したアナログ出力の補正を行うアナログ出力補正手段を備える。
これにより、出力角検出手段が磁力変化に基づいて出力角を検出するアナログ磁気センサで、(1)磁石の着磁精度、(2)温度変化に対する磁石の磁力変化、(3)磁石に対して加えられた温度サイクルによる減磁、(4)組付け精度など、各精度悪化要因の積み上げによりアナログ出力の特性が変化していても、出力角検出手段によって検出される出力角の検出精度を高めることができる。
請求項7の手段を採用する切替制御装置における電動機制御装置は、ロータ角検出手段の検出するロータ角変化に対する出力角検出手段の検出する出力角変化の特異変化箇所(出力角変化の小さい箇所、あるいは出力角変化の大きい箇所)、あるいは、出力角検出手段の検出する出力角変化に対するロータ角検出手段の検出するロータ角変化の特異変化箇所(ロータ角変化の小さい箇所、あるいはロータ角変化の大きい箇所)に基づいて、出力角検出手段のアナログ出力から出力角を求める出力角検出マップの補正を行う出力角マップ補正手段を備える。
これにより、出力角検出手段が磁力変化に基づいて出力角を検出するアナログ磁気センサで、(1)磁石の着磁精度、(2)温度変化に対する磁石の磁力変化、(3)磁石に対して加えられた温度サイクルによる減磁、(4)組付け精度など、各精度悪化要因の積み上げによりアナログ出力の特性が変化していても、出力角検出手段の出力から検出される出力角の検出精度を高めることができる。
請求項8の手段を採用する切替制御装置における電動アクチュエータは、車両用自動変速機に搭載されたシフトレンジ切替機構を駆動するものであり、ディテント機構は、シフトレンジ切替機構において実シフトレンジを保持する機構である。
即ち、本発明がシフトレンジ切替装置に適用されたものであり、ディテントプレートを正確に制御することができるものである。
この切替制御装置は、電動モータのロータ角を検出するロータ角検出手段と、減速機の出力角を検出する出力角検出手段とを備える。
そして、電動機制御装置は、ロータ角検出手段の検出するロータ角変化に対して出力角検出手段の検出する出力角変化の「小さい箇所」、あるいは、出力角検出手段の検出する出力角変化に対してロータ角検出手段の検出するロータ角変化の「大きい箇所」における「ロータ角の範囲」に基づいて、ロータから第1部材に至る機械的なガタツキ量を求めるガタツキ量算出手段と、このガタツキ量算出手段で求めたガタツキ量を記憶手段に記憶させるガタツキ量保存実行手段とを備え、記憶手段に記憶されたガタツキ量を加味して、電動モータの回転を制御するものである。
実施例1は、本発明を車両用自動変速機のシフトレンジ切替装置に適用したものであり、先ず車両に搭載されたシフトレンジ切替装置について説明する。
(シフトレンジ切替装置の概略構成)
シフトレンジ切替装置は、電動アクチュエータ1(図3参照)によって、車両用自動変速機2(図2参照)に搭載されたシフトレンジ切替機構3(パーキング切替機構4を含む:図4参照)を切り替えるものである。
電動アクチュエータ1は、シフトレンジ切替機構3を駆動するサーボ機構であり、同期型の電動モータ5と、この電動モータ5の回転出力を減速してシフトレンジ切替機構3を駆動する減速機6と、電動モータ5の回転角度(具体的には、後述するロータ11のロータ角)を検出するロータ角検出手段7と、減速機6の出力角(実シフトレンジ)を検出する出力角検出手段8とを備え、減速機6を介してシフトレンジ切替機構3を駆動する電動モータ5は電動機制御装置9によって回転(回転方向、回転速度、回転量、回転角度)が制御される。
即ち、シフトレンジ切替装置は、電動機制御装置9によって電動モータ5の回転方向、回転速度、回転量、回転角度を制御することで、減速機6を介して駆動されるシフトレンジ切替機構3およびパーキング機構4を切替制御して、自動変速機2における実シフトレンジの切り替えおよびパーキング(自動変速機2の出力軸のロック)の切り替えを行うものである。
(電動モータ5の説明)
電動モータ5を図3、図5を参照して説明する。
この実施例1の電動モータ5は、永久磁石を用いないブラシレスのSRモータ(スイッチド・リラクタンス・モータ)であり、回転自在に支持されるロータ11と、このロータ11の回転中心と同軸上に配置されたステータ12とで構成される。
なお、フロント転がり軸受15は、減速機6の出力軸17の内周に嵌合固定されたものであり、減速機6の出力軸17はフロントハウジング18の内周に配置されたメタルベアリング19によって回転自在に支持されている。つまり、ロータ軸13の前端は、フロントハウジング18に設けられたメタルベアリング19→出力軸17→フロント転がり軸受15を介して回転自在に支持される。
一方、リヤ転がり軸受16は、ロータ軸13の後端外周に圧入固定され、リヤハウジング20によって支持されるものである。
ステータコア21は、薄板を多数積層して形成されたものであり、リヤハウジング20に固定されている。このステータコア21には、内側のロータコア14に向けて30度毎に突設されたステータティース23(内向突極)が設けられており、各ステータティース23のそれぞれには各ステータティース23毎に磁力を発生させるコイルU、V、Wが巻回されている。
励磁コイル22は、図6に示されるように、コイルU、V、Wが電気的に独立して巻回されて、スター結線されたものであ。
具体的に、コイルU、V、Wは、回転方向に順次連続するステータティース23にそれぞれ装着され、各励磁コイル22は通電されると、回転方向に各ステータティース23毎に逆磁極を生じる。即ち、例えば「コイルU−1、W−1、V−2、U−3、W−3、V−4」の内端がN極を生じる場合は、それに隣接する「V−1、U−2、W−2、V−3、U−4、W−4」の内端がS極を生じるものである。
これによって、例えば、コイルU−1、U−2、U−3、U−4に通電すると、コイルU−1、U−3が装着された一方のステータティース23(回転方向に90°ずれた位置にある2つのステータティース23の一方)の内径部がN極となり、コイルU−2、U−4が装着された他方のステータティース23の内径部がS極となるものである。
そして、U相、V相、W相の各励磁コイル22の通電位置および通電方向を順次切り替えることで、ロータティース24を磁気吸引するステータティース23を順次切り替えて、ロータ11を一方または他方へ回転する構成になっている。
減速機6を図3、図7〜図9を参照して説明する。
この実施例1の減速機6は、遊星歯車減速機の1種である内接噛合遊星歯車減速機(サイクロイド減速機)であり、ロータ軸13に設けられた偏心部25を介してロータ軸13に対して偏心回転可能な状態で取り付けられたサンギヤ26(インナーギヤ:外歯歯車)と、このサンギヤ26が内接噛合するリングギヤ27(アウターギヤ:内歯歯車)と、サンギヤ26の自転成分のみを出力軸17に伝達する伝達手段28とを備える。
サンギヤ26は、上述したように、サンギヤ軸受31を介してロータ軸13の偏心部25に対して回転自在に支持されるものであり、偏心部25の回転によってリングギヤ27に押しつけられた状態で回転するように構成されている。
リングギヤ27は、フロントハウジング18に固定されるものである。
複数の内ピン35は、サンギヤ26のフロント面に突出する形で設けられている。
複数の内ピン穴34は、出力軸17の後端に設けられたフランジ33に設けられており、内ピン35と内ピン穴34の嵌まり合いによって、サンギヤ26の自転運動が出力軸17に伝えられるように構成されている。
このように設けられることにより、ロータ軸13が回転してサンギヤ26が偏心回転することによって、サンギヤ26がロータ軸13に対して減速回転し、その減速回転が出力軸17に伝えられる。なお、出力軸17は、シフトレンジ切替機構3のコントロールロッド45(後述する)に連結される。
なお、この実施例1とは異なり、複数の内ピン穴34をサンギヤ26に形成し、複数の内ピン35をフランジ33に設けて構成しても良い。
シフトレンジ切替機構3およびパーキング切替機構4を図4を参照して説明する。
シフトレンジ切替機構3は、上述した減速機6の出力軸17によって駆動されて、自動変速機2の実シフトレンジの切り替えを行うものである。
自動変速機2における各シフトレンジ(例えば、P、R、N、D)の切り替えは、油圧バルブボディ41に設けられたマニュアルスプール弁42を適切な位置にスライド変位させ、自動変速機2の図示しない油圧クラッチへの油圧供給路を切り替え、油圧クラッチの係合状態をコントロールすることによって行われる。
ディテントプレート46は、半径方向の先端(略扇形状の円弧部)に複数のディテント溝46aが設けられており、油圧バルブボディ41に固定されたディテントバネ47の先端の係合部47aがディテント溝46aに嵌まり合うことで、切り替えられたシフトレンジが保持されるようになっている。
ピン48は、マニュアルスプール弁42の端部に設けられた溝49に係合しており、ディテントプレート46がコントロールロッド45によって回動操作されると、ピン48が円弧駆動されて、ピン48に係合するマニュアルスプール弁42が油圧バルブボディ41の内部で直線運動を行う。
この円錐部52は、自動変速機2のハウジングの突出部53とパークポール44の間に介在されるものであり、コントロールロッド45を図4中矢印A方向から見て時計回り方向に回転させると(具体的には、R→Pレンジ)、ディテントプレート46を介してパークロッド51が図4中矢印B方向へ変位して円錐部52がパークポール44を押し上げる。すると、パークポール44が軸44bを中心に図4中矢印C方向に回転し、パークポール44の凸部44aがパークギヤ43の凹部43aに係合し、パーキング切替機構4のロック状態が達成される。
ロータ角検出手段7を図3、図10〜図14を参照して説明する。
上述した電動アクチュエータ1には、そのハウジング(フロントハウジング18+リヤハウジング20)内に、ロータ11のロータ角を検出するロータ角検出手段7が搭載されている。このロータ角検出手段7によってロータ11のロータ角を検出して励磁コイル22への通電を切替制御することにより、電動モータ5を脱調させることなく高速運転することができる。
ロータコア14の後面には、図12に示されるように、磁石位置決め用の穴14aが複数設けられている。一方、磁石61の接合面にも、複数の突起61aが設けられている。そして、磁石61の突起61aをロータコア14の穴14aに挿入して組付けを行うことにより、ロータコア14の回転中心と同芯上に磁石61が組付けられる。
磁石61は、図11に示されるように、ホールIC62と対向する面(後面)に、回転角度やインデックス検出用の着磁が施され、磁石61の軸方向に磁力を発生する。
図10を参照して、ホールIC62と対向する面(後面)における着磁について説明する。磁石61の後面外周側には、回転方向に回転角度信号発生/停止用の多極着磁が施された回転角度着磁部αが設けられており、その内周に隣接して、回転方向にインデックス信号発生/停止用のインデックス着磁部βと信号発生に関与しないインデックス非着磁部β’が設けられている。
インデックス着磁部βは、各相(U相、V相、W相)の励磁コイル22の通電が一巡する周期(45度間隔)でインデックス信号(以下、Z相信号)を発生させるためのものであり、45度間隔でZ相信号発生用のN極が7.5度ピッチで着磁され、その回転方向の両脇にS極が着磁されたものである。
インデックス非着磁部β’は、インデックス着磁部βとインデックス着磁部βの間(回転方向の間)にあって、Z相信号を発生させない部分であり、着磁されていない部分である。
なお、第1、第2回転角度用ホールIC62A、62Bは、基板63に支持されている位置が相対角度で3.75度(電気角で90度)となるように設けられており、結果的にA相信号とB相信号が相対角度で3.75度(電気角で90度)となるように構成されている(図14参照)。
なお、この実施例1ではホール素子とON−OFF信号発生ICを一体化したホールIC(第1、第2回転角度用ホールIC62A、62Bおよびインデックス用ホールIC62Z)を例に示すが、ホール素子とON−OFF信号発生ICを別に配置しても良い。具体的には、ON−OFF信号発生ICをホール素子とは別に基板63の上に組み込んでも良いし、電動機制御装置9の内部に組み込んでも良い。
A相信号およびB相信号は、相対角度3.75度(電気角で90度)の位相差を持った出力信号であり、実施例1ではロータ11が15度回転する毎にA相信号とB相信号がそれぞれ1周期出力されるように構成されている。
Z相信号は、ロータ11が45度回転する毎に1回ずつ出力されるモータ通電切替用のインデックス信号(この実施例1ではON信号)であり、このZ相信号によって電動モータ5の通電相と、A相、B相の相対位置関係を定義できる。
出力角検出手段8を図3、図15〜図18を参照して説明する。
電動アクチュエータ1は、出力軸17の出力角を検出する出力角検出手段8を備え、電動機制御装置9は出力角検出手段8の検出する出力軸17の出力角からシフトレンジ切替機構3が現実に設定している実シフトレンジ(P、R、N、D等)を検出する。
磁石71は、図17に示されるように、軸方向から見て略三日月形状を呈するものであり、樹脂73によってモールドされ、リニア出力ホールIC72に対し、図17中矢印B方向に磁束が交差するように着磁され、出力軸17の回転範囲内(実シフトレンジの設定レンジの移動範囲内)において、磁石71とリニア出力ホールIC72との距離が変化することで、リニア出力ホールIC72を通過する磁束密度が変化するように設けられている。
具体的にこの実施例では、実シフトレンジがD側になるように出力軸17が回転した位置でリニア出力ホールIC72と磁石71の距離が最大(リニア出力ホールIC72を通過する磁束密度が最小)になり、実シフトレンジがP側になるように出力軸17が回転した位置でリニア出力ホールIC72と磁石71の距離が最小(リニア出力ホールIC72を通過する磁束密度が最大)になる。
即ち、リニア出力ホールIC72の出力電圧を読み取ることで、その出力電圧から出力軸17の出力角、および実シフトレンジを検出することができる。
電動機制御装置9を図2を参照して説明する。
電動モータ5の通電制御を行う電動機制御装置9は、制御処理、演算処理を行うCPU、各種プログラムおよびデータを保存する記憶手段81、入力回路、出力回路、電源回路等で構成された周知構造のマイクロコンピュータである。
そして、電動機制御装置9は起動スイッチ82がONされるとバッテリ83による通電が開始され、各種の演算制御を実施し、起動スイッチ82がOFFされると電源OFF処理を行った後にバッテリ83による通電が停止されるものである。即ち、起動スイッチ82のONで通電が開始され、起動スイッチ82のOFFで通電が停止されるものである。 また、図2中における符号89は、車両に搭載されたボディ系デバイス(電動スライドドア、トランクオープナー、パワーテールゲート、燃料給油ドア等の開閉ドア)を開閉制御するボディ系デバイス制御装置である。
電動モータ5は、上述したように、コイルU、V、Wをそれぞれがスター結線したものである。
そして、コイル駆動回路86は、各相毎(コイルU、V、W毎)に給電を行うスイッチング素子86aが内蔵され、電動機制御装置9がスイッチング素子86aをON−OFF切替することで、各コイルU、V、Wの通電状態が切り替えられる。
ロータ11を回転させる際は、電動機制御装置9が、図19に示すように、ロータ角検出手段7によって検出されるロータ11のロータ角および励磁遅れの補正項等に基づいて(場合によってはオープン制御により)、スイッチング素子86aをON−OFFすることで、各励磁コイル22の通電状態を順次切り替えてロータ11を回転させている。
先ず、シフトレンジ切替機構3に設けられて、ディテントプレート46の回動位置を各シフトレンジのいずれかに保持するためのディテント機構40を、図20を参照して説明する。
この実施例のディテント機構40は、各シフトレンジに応じた複数のディテント溝46aが形成されたディテントプレート46(第1部材に相当する)と、ディテント溝46aのいずれかに嵌まり合う係合部47aが先端に設けられた板バネ製のディテントバネ47(第2部材に相当する)とで構成され、このディテントバネ47は油圧バルブボディ41に固定される。
ここで、複数のディテント溝46aは、ディテントプレート46の半径方向外側先端(略扇形状の円弧部)に設けられる凹凸の凹部であり、ディテントバネ47の先端の係合部47aが複数のディテント溝46aのいずれかに嵌まり合うことで、切り替えられたシフトレンジが保持されるようになっている。
図20(a)に示すように、係合部47aとディテント溝46aの当接位置が、ディテント溝46aの最底部からDレンジ側(図中右側)にズレた状態では、ディテントバネ47のバネ力によって、ディテントプレート46を図中、時計回転方向に回動させる機械的な力が発生する。
逆に、図20(b)に示すように、係合部47aとディテント溝46aの当接位置が、ディテント溝46aの最底部からPレンジ側(図中左側)にズレた状態では、ディテントバネ47のバネ力によって、ディテントプレート46を図中、反時計回転方向に回動させる機械的な力が発生する。
即ち、ディテントプレート46の回動を制御する電動機制御装置9には、高精度で電動モータ5の回転量および回転角を制御することが求められる。
即ち、出力軸17の出力角と、実際のディテントプレート46のプレート角とには、ガタツキ量によるズレが生じる。
しかし、シフトレンジ切替装置を構成する各機械部品には、製造段階等で発生する個体間のバラツキや摩耗があるため、上記ガタツキ量が一定でなく、ディテントプレート46の位置を高精度で制御することの障害になっている。
実施例1のシフトレンジ切替装置は、上述したように、次の構成を備える。
○ディテントプレート46(第1部材)とディテントバネ47(第2部材)とが相対的に移動可能であり、複数のディテント溝46a(複数のディテント位置)のいずれかに係合部47aが嵌まり合うことで、ディテントプレート46の機械的な保持(つまり、シフトレンジの機械的な保持)を成すディテント機構40を備える。
○電動モータ5と減速機6からなり、ディテントプレート46を駆動する電動アクチュエータ1を備える。
○電動モータ5を通電制御してディテントプレート46を駆動して実シフトレンジの切替を行う電動機制御装置9を備える。
○電動モータ5におけるロータ11のロータ角を検出するロータ角検出手段7を備える。○出力軸17の出力角を検出する出力角検出手段8を備える。
(a1)電動機制御装置9は、ロータ角検出手段7の検出するロータ角変化に対する出力角検出手段8の検出する出力角変化の「小さい箇所X」のロータ角の範囲に基づいて、ロータ11からディテントプレート46に至る機械的なガタツキ量を求める「ガタツキ量算出手段」を備える。
(a2)電動機制御装置9は、ガタツキ量算出手段で求めたガタツキ量を記憶手段81に記憶させる「ガタツキ量保存実行手段」を備える。
(a3)電動機制御装置9は、記憶手段81に記憶されたガタツキ量を加味して電動モータ5の回転を制御する「ガタツキ量補正手段」を備える。
図20(a)に示すように、係合部47aとディテント溝46aの当接位置が、ディテント溝46aの最底部からDレンジ側(図中右側)にズレた状態では、ディテントバネ47のバネ力によって、ディテントプレート46を図中、時計回転方向に回動させる機械的な力が発生するため、ガタツキ範囲の一方で、出力軸17とディテントプレート46が係合した状態になる(ガタツキが正側に詰まる状態)。
逆に、図20(b)に示すように、係合部47aとディテント溝46aの当接位置が、ディテント溝46aの最底部からPレンジ側(図中左側)にズレた状態では、ディテントバネ47のバネ力によって、ディテントプレート46を図中、反時計回転方向に回動させる機械的な力が発生するため、ガタツキ範囲の他方で、出力軸17とディテントプレート46が係合した状態になる(ガタツキが逆側に詰まる状態)。
即ち、係合部47aがディテント溝46aの最底部に嵌まり合う位置では、図1に示すように、出力角検出手段8の検出する出力角が変化しなくても、ガタツキ量だけ、ロータ角検出手段7の検出するロータ角が変動する。
具体的に、ガタツキ量算出手段は、ロータ角検出手段7の検出するロータ角の増減に対する出力角検出手段8の出力ゲインの比率が所定値以下(出力角変化の小さい箇所X)となるロータ角の範囲をガタツキ量として求めるものである。なお、この実施例では、電動モータ5の制御量に直接ガタツキ量を盛り込むため、ガタツキ量=「出力角変化の小さい箇所Xのロータ角の範囲」とする例を示す。しかし、出力軸17とディテントプレート46の間のガタツキ量を求める場合は、ガタツキ量=「出力角変化の小さい箇所Xのロータ角の範囲」×減速機6の減速比Kで求めるものである。
ここで、ガタツキ量算出手段によってガタツキ量を求める時期は、(1)記憶手段81にガタツキ量が記憶されていない場合の他に、(2)予め設定した時期に達した場合(例えば、車両走行距離が1万kmに達する毎等)、(3)電動機制御装置9の作動毎など、適宜設定可能なものである。
ガタツキ量保存実行手段は、ガタツキ量算出手段がガタツキ量を求めると、求めたガタツキ量を記憶手段81に記憶させるものである。
記憶手段81に記憶されるガタツキ量は、更新されるものであっても、周知の学習技術により平均化されるものであっても良い。
ガタツキ量補正手段は、電動モータ5の回転を制御してシフトレンジの切り替えを行う際に、記憶手段81に記憶されたガタツキ量を考慮して電動モータ5の回転を制御するものである。具体的に、ガタツキ量補正手段は、電動モータ5の回転量および回転角の目標値(出力軸17の目標出力角)を、(1)ガタツキ範囲の終端位置からガタツキ量の半分を戻した位置に設定したり、(2)ガタツキ範囲の終端位置からガタツキ範囲の所定割合だけ戻した位置に設定したりするものである。
実施例1のシフトレンジ切替装置は、上記のように、ロータ11からディテントプレート46に至る機械的なガタツキ量を求め、そのガタツキ量を加味して電動モータ5の回転を制御する。即ち、ディテントプレート46を回動制御する際、電動モータ5の制御量に、求めたガタツキ量を盛り込んでディテントプレート46を回動制御できる。
このように、ロータ11からディテントプレート46に至るガタツキ量を盛り込んで電動モータ5を制御することができるため、ディテントプレート46の位置を高精度で制御することができる。
実施例1のシフトレンジ切替装置は、次の手段を採用している。
電動機制御装置9には、ガタツキ量算出手段で求めたガタツキ量が、予め設定された規定量より大きくなった場合に、表示・警告手段85によって故障が生じた旨を乗員に表示する「故障表示機能」が設けられている。
これによって、摩耗によってガタツキ量が規定量より増加した場合や、ロータ11からディテントプレート46に至る動力伝達経路に予期せぬ異常が生じた場合に、乗員に故障の旨を表示することができ、故障時の初期対応を使用者へ促すことができる。
実施例1のシフトレンジ切替装置は、次の手段を採用している。
(b1)電動機制御装置9には、ロータ角検出手段7の検出するロータ角変化に対して出力角検出手段8の検出する出力角変化の「大きい箇所Y」の発生に基づいて、ディテント(実シフトレンジ)の切替を検出する「実切替判断手段」が設けられている。
(b2)電動機制御装置9には、実切替判断手段によって検出されるディテント(実シフトレンジ)の切替回数に基づいて、現在のディテント(実シフトレンジ)の切替位置を判断する「切替位置判断手段」が設けられている。
実シフトレンジの切り替えを行う際、ディテント溝46aとディテント溝46aとの間の山頂部46bを、ディテントバネ47の係合部47aが乗り越える。ディテントバネ47の係合部47aにはディテント溝46aの最底部に向かう力が生じているため、山頂部46bを係合部47aが乗り越える時、出力軸17が停止している状態でも、ガタツキ量だけ、ディテントプレート46が回動する。
即ち、山頂部46bを係合部47aが乗り越える時、図1に示すように、ロータ角検出手段7の検出するロータ角が変化しなくても、ガタツキ量だけ出力角検出手段8の検出する出力角が変動する。
なお、ロータ角検出手段7の検出するロータ角が変化しなくても、ガタツキ量だけ出力角検出手段8の検出する出力角が変動するロータ角(山頂部46bを係合部47aが乗り越えるロータ角)は、図1に示すように、ディテントプレート46の回転方向(ロータ11の回転方向)において、ガタツキ量だけズレる。
具体的に、ガタツキ量算出手段は、ロータ角検出手段7の検出するロータ角の増減に対して出力角検出手段8の出力ゲインの比率が所定値以上となった際(出力角変化の大きい箇所Y)に、山頂部46bを係合部47aが乗り越えたことを検出して、実シフトレンジが切り替えられたことを検出するものである。
切替位置判断手段は、実切替判断手段によって検出されるディテント(実シフトレンジ)の切替回数(上記Yの発生回数)に基づいて現在のディテント(実シフトレンジ)の切替位置を判断する。具体的には、電動モータ5を正回転させる際は、上記Yの発生毎にフラグをONし、逆に電動モータ5を逆回転させる際は、上記Yの発生毎にフラグをOFFして、フラグの数により、現在の実シフトレンジを検出するものである。
これによって、出力軸17の出力角から実シフトレンジを求める手段の他に、実シフトレンジを検出することができ、実シフトレンジの検出精度を高めて、信頼性を向上させることができる。
実施例1のシフトレンジ切替装置は、上述したように、次の構成を採用している。
○ロータ角検出手段7は、上述したように、ロータ11の回転量に応じたパルス数を出力するデジタルエンコーダである。
○出力角検出手段8は、上述したように、出力軸17の出力角に応じた磁力を検出し、その検出磁力に応じたアナログ信号を出力するアナログ磁気センサである。
このため、出力角検出手段8の検出精度の悪化によって、出力角の検出ズレが生じる不具合がある。
上記不具合を解決するために、実施例1のシフトレンジ切替装置は、次の手段を採用している。
(c1)電動機制御装置9は、ロータ角検出手段7の検出するロータ角変化に対する出力角検出手段8の検出する出力角変化の特異変化箇所(出力角変化の小さい箇所X、あるいは出力角変化の大きい箇所Y)に基づいて、出力角検出手段8の発生したアナログ出力の補正を行う「アナログ出力補正手段」を備える。
実施例1のシフトレンジ切替装置は、上記のように、ロータ角の増減に対する出力角変化の特異変化箇所(出力角変化の小さい箇所X、あるいは出力角変化の大きい箇所Y)に基づいて、出力角検出手段8の出力ゲインを規定ゲインに補正する。
これにより、出力角検出手段8が磁力変化に基づいて出力角を検出するアナログ磁気センサで、(1)磁石71の着磁精度、(2)温度変化に対する磁石71の磁力変化、(3)磁石71に対して加えられた温度サイクルによる減磁、(4)組付け精度など、各精度悪化要因の積み上げによりアナログ出力の特性が変化していても、出力角検出手段8によって検出される出力角の検出精度を高めることができる。即ち、各精度悪化要因の積み上げにより検出精度が低下していても、出力角検出手段8によって検出される出力角の検出精度を高めることができる。
上記第4の特徴では、ロータ角検出手段7の検出するロータ角変化に対する出力角検出手段8の検出する出力角変化の特異変化箇所(出力角変化の小さい箇所X、あるいは出力角変化の大きい箇所Y)に基づいて出力角検出手段8の発生したアナログ出力の補正を行うアナログ出力補正手段を電動機制御装置9に設ける例を示した。
(d1)電動機制御装置9は、ロータ角検出手段7の検出するロータ角変化に対する出力角検出手段8の検出する出力角変化の特異変化箇所(出力角変化の小さい箇所X、あるいは出力角変化の大きい箇所Y)に基づいて、出力角検出手段8の発生したアナログ出力から出力角を求める出力角検出マップの補正を行う「出力角マップ補正手段」を備える。
上記の実施例では、図1に示すように、ロータ角検出手段7の検出するロータ角変化に対する出力角検出手段8の検出する出力角変化の特異変化箇所(出力角変化の小さい箇所X、あるいは出力角変化の大きい箇所Y)に基づいて、(a1)ガタツキ量を求め、(b1)ディテントの切替を検出し、(c1)出力角検出手段8の発生したアナログ出力を補正し、(d1)出力角検出手段8の発生したアナログ出力から出力角を求める出力角検出マップを補正する例を示した。
これに対し、図21に示すように、出力角検出手段8の検出する出力角変化に対するロータ角検出手段7の検出するロータ角変化の特異変化箇所(ロータ角変化の大きい箇所X’、あるいはロータ角変化の小さい箇所Y’)に基づいて、(a1’)ガタツキ量を求めたり、(b1’)ディテントの切替を検出したり、(c1’)出力角検出手段8の発生したアナログ出力を補正したり、(d1’)出力角検出手段8の発生したアナログ出力から出力角を求める出力角検出マップを補正したりしても良い。
上記の実施例では、電動モータ5の一例として2つの磁気回路を有する電動モータ5を用いる例を示したが、3つ以上の複数の磁気回路を有する電動モータ5を用いても良い。また、磁気回路が単一である電動モータ5で構成しても良い。
上記の実施例では、減速機6の一例として内接噛合遊星歯車減速機(サイクロイド減速機)を用いる例を示したが、ロータ軸13によって駆動されるサンギヤ26、このサンギヤ26に噛合する複数のギヤ列等により構成された歯車列の組み合わせよりなる減速装置を用いても良い。
2 自動変速機
3 シフトレンジ切替機構
5 電動モータ
6 減速機
7 ロータ角検出手段(デジタルエンコーダ)
8 出力角検出手段(アナログ磁気センサ)
9 電動機制御装置(ガタツキ量算出手段、ガタツキ量保存実行手段、故障表示機能、実切替判断手段、切替位置判断手段、アナログ出力補正手段、出力角マップ補正手段の機能を備える)
11 ロータ
17 出力軸
40 ディテント機構
46 ディテントプレート(第1部材)
47 ディテントバネ(第2部材)
81 記憶手段
Claims (8)
- 第1、第2部材が相対的に移動可能であり、前記第1部材と前記第2部材の相対位置が異なる複数のディテント位置においてバネ力を利用した嵌まり合い構造によって前記第1部材と前記第2部材の機械的な保持を成すディテント機構と、
通電を受けて回転出力を発生する電動モータ、およびこの電動モータのロータの回転を減速して出力軸に伝える減速機を備える電動アクチュエータと、
前記電動モータの回転を制御する電動機制御装置とを具備し、
前記出力軸の回転により前記第1部材を駆動するものであり、前記電動機制御装置による前記電動モータの回転制御により前記ディテント位置の切替を行う切替制御装置において、
この切替制御装置は、
前記電動モータにおける前記ロータの回転角度(以下、ロータ角と称す)を検出するロータ角検出手段と、
前記出力軸の回転角度(以下、出力角と称す)を検出する出力角検出手段とを備え、
前記電動機制御装置は、
前記ロータ角検出手段の検出するロータ角変化に対して前記出力角検出手段の検出する出力角変化の「小さい箇所」、あるいは、前記出力角検出手段の検出する出力角変化に対して前記ロータ角検出手段の検出するロータ角変化の「大きい箇所」における「ロータ角の範囲」に基づいて、前記ロータから前記第1部材に至る機械的なガタツキ量を求めるガタツキ量算出手段と、
このガタツキ量算出手段で求めたガタツキ量を記憶手段に記憶させるガタツキ量保存実行手段とを備え、
前記記憶手段に記憶されたガタツキ量を加味して、前記電動モータの回転を制御することを特徴とする切替制御装置。 - 請求項1に記載の切替制御装置において、
この切替制御装置は、
前記ガタツキ量算出手段で求めたガタツキ量が、予め設定された規定量より大きくなった場合に、故障の旨を乗員に表示する故障表示機能を備えることを特徴とする切替制御装置。 - 請求項1に記載の切替制御装置において
ガタツキ量が記憶される前記記憶手段は、
前記電動機制御装置の内部に設けられ、当該電動機制御装置の通電が停止されてもガタツキ量を記憶可能なEEPROM、あるいは前記電動機制御装置の通電の停止後、微少な電流を供給することでガタツキ量の記憶を保持できるSRAMであることを特徴とする切替制御装置。 - 請求項1に記載の切替制御装置において、
前記電動機制御装置は、
前記ロータ角検出手段の検出するロータ角変化に対して前記出力角検出手段の検出する出力角変化の「大きい箇所」、あるいは、前記出力角検出手段の検出する出力角変化に対して前記ロータ角検出手段の検出するロータ角変化の「小さい箇所」の発生に基づいて、ディテントの切替を検出する実切替判断手段を備えることを特徴とする切替制御装置。 - 請求項4に記載の切替制御装置において、
前記電動機制御装置は、
前記実切替判断手段によって検出されるディテントの切替回数に基づいて、現在のディテントの切替位置を判断する切替位置判断手段を備えることを特徴とする切替制御装置。 - 請求項1に記載の切替制御装置において、
前記ロータ角検出手段は、前記ロータの回転量に応じたパルス数を出力するデジタルエンコーダであり、
前記出力角検出手段は、前記出力軸の出力角に応じた磁力を検出し、その検出磁力に応じたアナログ信号を出力するアナログ磁気センサであり、
前記電動機制御装置は、
前記ロータ角検出手段の検出するロータ角変化に対する前記出力角検出手段の検出する出力角変化の特異変化箇所、あるいは、前記出力角検出手段の検出する出力角変化に対する前記ロータ角検出手段の検出するロータ角変化の特異変化箇所に基づいて、前記出力角検出手段の発生したアナログ出力の補正を行うアナログ出力補正手段を備えることを特徴とする切替制御装置。 - 請求項1に記載の切替制御装置において、
前記ロータ角検出手段は、前記ロータの回転量に応じたパルス数を出力するデジタルエンコーダであり、
前記出力角検出手段は、前記出力軸の出力角に応じた磁力を検出し、その検出磁力に応じたアナログ信号を出力するアナログ磁気センサであり、
前記電動機制御装置は、
前記ロータ角検出手段の検出するロータ角変化に対する前記出力角検出手段の検出する出力角変化の特異変化箇所、あるいは、前記出力角検出手段の検出する出力角変化に対する前記ロータ角検出手段の検出するロータ角変化の特異変化箇所に基づいて、
前記出力角検出手段の発生したアナログ出力から出力角を求める出力角検出マップの補正を行う出力角マップ補正手段を備えることを特徴とする切替制御装置。 - 請求項1〜請求項7のいずれかに記載の切替制御装置において、
前記電動アクチュエータは、車両用自動変速機に搭載されたシフトレンジ切替機構を駆動するものであり、
前記ディテント機構は、前記シフトレンジ切替機構において実シフトレンジを保持する機構であることを特徴とする切替制御装置。
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