JP2007054004A - 冷菓製造装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】撹拌ユニット40を回転させて冷却シリンダ11内のミックスを空気とともに撹拌・混合しながら冷却して冷菓を製造する冷菓製造装置10において、撹拌ユニット40の回転数を検出する回転数センサ92を設け、該回転数センサ92で検出した撹拌回転数Rと所定の指令回転数Rsとの回転数比(R/Rs)が所定値より低下した場合に凍結防止制御を開始する。
【選択図】図1
Description
なお、できあがった冷菓は、冷却シリンダ内において、適温(ソフトクリームの場合は−6℃程度)に維持して適度な撹拌を行いながら保管(「ヒートリーク運転」と呼ぶ)される。(たとえば、特許文献1参照)
1)できあがった冷菓を冷却シリンダ内で撹拌しながら長時間保管すると、適度に混合された空気が抜けて冷菓独特の食感を低下させるので、商品価値に問題が生じてくる。
2)売れ残った冷却シリンダ内の冷菓は、所定温度まで加熱殺菌して液体原料の状態に戻され、翌日まで保管することになる。従って、牛乳をベースとする液体原料自体の品質低下が懸念される。
3)加熱殺菌した液体原料を冷却シリンダ内に保管するので、保管時の品質低下等を抑制するためには食品添加物が必要となる。
しかし、トルク変化を検知した時点において、シリンダ内の冷菓は、正常な状態よりも低温で固い状態になっているという問題がある。このため、シリンダ内の冷菓は、冷菓独特の食感を得られる状態にないため商品価値がなく、しかも、シリンダ内からの取出も困難な状況にあるので、商品として提供できないのが実状である。このような過冷却や凍結の問題は、シリンダ内の冷却能力が増して大きくなるほど深刻になる。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、冷菓の過冷却や凍結を従来より早い時点で正確に検知することができる冷菓製造装置を提供することにある。
本発明に係る冷菓製造装置は、撹拌手段を回転させて容器内の液体原料を空気とともに撹拌・混合しながら冷却して冷菓を製造する冷菓製造装置において、前記撹拌手段の回転数を検出する撹拌回転数検出手段を設け、該撹拌回転数検出手段で検出した撹拌回転数Rと所定の指令回転数Rsとの回転数比(R/Rs)が所定値より低下した場合に凍結防止制御を開始することを特徴とするものである。
また、撹拌手段を駆動する電動機の能力が過大とならないように最適化し、コストを低減することも可能になる。
図1の概略構成図において、冷菓製造装置10は、容器内のミックス(液体原料)を撹拌しながら冷却してソフトクリームやシェーク等の冷菓を製造する装置である。この冷菓製造装置10は、ミックスを空気とともに収容する円筒状の容器である冷却シリンダ11と、冷却シリンダ11内のミックスを所望の温度に冷却して固化させるヒートポンプ式の冷却装置(冷却手段)30と、冷却シリンダ11内のミックス及び空気を冷却しながら撹拌し、順次固化されるミックスの固形分とミックス及び空気とを混合して練り上げる撹拌ユニット(撹拌・混合手段)40と、冷却シリンダ11の内周面に沿って軸方向へ移動することでシリンダ11内に練り上げられた(できあがった)冷菓を押し出して取り出すピストン装置(冷菓取出手段)60と、冷菓取出用のプランジャ装置80と、冷菓製造装置10の各種設定及び制御を行うコントロールボックス90を具備して構成される。
冷却シリンダ11の外周面には、冷却シリンダ11内のミックスを所望の温度に冷却して固化させるため、冷却装置30の構成要素となる銅チューブ31aが冷却能力を増すため密に巻き付けられている。この銅チューブ31a内は、冷菓製造時に液冷媒が流れるので、この液冷媒が気化熱を奪うことにより冷却シリンダ11内のミックスを冷却することができる。
この冷却装置30は、ガス冷媒を圧縮して閉回路の冷凍サイクルに送出する電動の圧縮機32と、圧縮機32の下流で冷媒の循環方向を切り替える四方弁33と、冷媒と外気との間で熱交換を行う第1熱交換器34と、液冷媒を減圧する絞り機構35と、銅チューブ31a内を流れる冷媒と冷却シリンダ11内のミックスとの間で熱交換を行う第2熱交換器36と、これらの各機器を連結することで冷媒が循環する閉回路を形成する銅チューブ31とを具備して構成される。なお、図1において、図中の符号37はレシーバ、38は電動ファン、38aは電動ファン38を駆動するファン用電動機である。
従って、図中に矢印で示す冷菓製造時の冷媒循環方向では、第1熱交換器34が凝縮器として機能し、第2熱交換器36が蒸発器として機能するが、冷媒が逆方向に循環する加熱殺菌時の冷媒循環方向では、第2熱交換器36が凝縮器として機能し、第1熱交換器34が蒸発器として機能する。
混合棒42は、冷却シリンダ11の軸方向において撹拌羽根41と同様の範囲をカバーする長さを有し、内周面11aとの間に形成される距離は、上述した撹拌羽根41の微小隙間より大きな値に設定される。この混合棒42は、たとえば円形断面、三角形及び四角形等の多角形断面とした中実または中空の棒材であり、その両端部は円形支持部材49,50に固定支持されている。
また、撹拌用回転軸43及び円形支持板49,50の軸中心部には、後述するピストン装置60を配設するため、たとえば貫通孔53等が設けられている。
また、ピストン装置60のピストン本体62は、冷菓製造時に冷却シリンダ11内の冷菓製造領域を外部から遮断して閉じる入口開口部12の開閉手段としても機能する。
そして、ピストン本体62には、上述した撹拌羽根41及び混合棒42を貫通させる不図示の切欠溝及び貫通孔が円周方向へ90度ピッチで交互に設けられている。このため、撹拌羽根41及び混合棒42は、ピストン本体62のスムーズな摺動を助けるガイド部材としても機能する。なお、撹拌羽根41と切欠溝との間、及び混合棒42と貫通孔との間については、ピストン本体62が軸方向へ摺動する動作を妨げない最小隙間となるよう寸法設定され、冷菓がピストン後方へ漏出しないようにしてある。
このため、ピストン本体62及びピストン軸61は、冷却シリンダ11内で撹拌回転体44と一体に回転する。なお、治具64は、ピストン軸61の自由な回転を許容するとともに、ピストン軸61を軸方向にスライドさせることが可能な構成となっている。
出口開口部13を塞ぐケーシング81の側壁には、出口開口部13と連通する位置に冷菓取出開口83が設けられている。さらに、ケーシング81の側壁には、プランジャ本体82の製造準備位置で冷却シリンダ11内とケーシング81の外部とを連通状態にする一対の空気流通口84a,84bが穿設されている。なお、ケーシング81の外部に連通する一方の空気流通口84aには、エアフィルタ85が設けられている。
また、空気流通口84a、84bは、冷却シリンダ11の上端面近傍位置で、かつ、ケーシング81の軸線を通る直線上に配設されている。さらに、プランジャ本体82には、図2に示す冷菓製造位置のみで両端が空気流通口84a,84bと一致するようにして、空気流通用のプランジャ貫通孔86が穿設されている。
なお、上述したプランジャ本体82のスライド動作は、手動あるいはソレノイド等を用いた遠隔操作のいずれであってもよい。
また、制御部91は、後述する凍結防止制御を行うため、電動の圧縮機32,絞り機構35、ファン用電動気38a及び撹拌用電動機46と配線により接続されている。
すなわち、冷菓製造時には回転数センサ92が撹拌回転体44の回転数を常時検出して制御部91に入力するので、制御部91では、この検出値を撹拌ユニット40が実際に回転して冷却シリンダ11内のミックスを撹拌している撹拌回転数Rと認識し、撹拌用電動機46に出力した指令回転数Rsとの回転数比を算出する。そして、算出した回転数比が所定値より低下した場合には、過冷却や凍結等によりミックス(冷菓)の撹拌負荷が通常の正常状態より増し、実際の撹拌回転数Rが指令回転数Rsより低下したものと判断できるので、制御部91は所定の凍結防止制御を開始する。なお、指令回転数Rsは、ミックスの種類等の諸条件に応じて予め定められた最適の撹拌回転数であり、通常はこの指令回転数Rsにより撹拌して冷菓が製造される。
また、トルク変化を検知する場合、インバータで撹拌回転数を変化させながら冷菓を製造するため、トルク変化検出時に回転数補正が必要であり、この補正値は実験により求めなければならないことから容易ではなく、回転数に応じたトルク変化を簡単にかつ高精度で検出することはできない。このため、トルク変化で凍結を判断するには精度が高くない分時間がかかり、凍結防止制御には向かないが、回転数の変化は容易にかつ素早く検出できることから、かかる課題を解決することができる。
最初のステップS1で制御がスタートし、次のステップS2で冷菓製造運転が開始される。この冷菓製造運転では、次のステップS3において、回転センサ92で検出した撹拌回転数Rが、所定の指令回転数Rsに所定の定数Aを掛け合わせた値より小さいか否かを判断する。この結果、撹拌回転数Rが所定の指令回転数Rsに所定の定数Aを掛け合わせた値より小さい「YES」の場合には、次のステップS4に進んで凍結防止制御が実施される。
すなわち、上述した回転数比(R/Rs)が所定値Aより小さい(R/Rs<A)場合は、過冷却や凍結により撹拌回転数Rが低下して指令回転数Rsとの間に所定値以上のずれがあると判断できる。このため、次のステップS4に進んで、(1)冷却能力ダウン、(2)撹拌回転数アップ、(3)冷却能力ダウン及び撹拌回転数アップの併用の中から、いずれかひとつの手段を選択して凍結防止制御を開始する。一方、上述したステップS3において、回転数比(R/Rs)が所定値A以上(R/Rs≧A)となる「NO」の場合は、撹拌回転数Rが指令回転数Rs以上となるため過冷却や凍結がないと判断でき、従って、後述するステップS6に進むことになる。
(1)の冷却能力ダウンは、制御部91から制御信号を出力して圧縮機32の回転数を低減させたり、あるいは、絞り機構35の開度を変更することにより、冷却シリンダ11に供給する冷媒循環量を減少させて冷却能力を低下させるものである。
(2)の撹拌回転数アップは、制御部91から制御信号を出力して撹拌用電動機46の回転数を増すことにより、撹拌速度を増して撹拌能力を向上させるものである。
(3)の冷却能力ダウン及び撹拌回転数アップの併用は、上述した圧縮機32の回転数や絞り機構35の開度変更と、撹拌用電動機46の回転数増加とを適宜組み合わせることにより、冷却能力を低下させるとともに撹拌能力を向上させて凍結防止制御を行うものである。
すなわち、上述した回転数比(R/Rs)が所定値B以上に大きい(R/Rs≧B)場合や、上述したステップS3で「NO」と判断された場合には、いずれも過冷却や凍結がないか解消されたものと判断できる。このため、次のステップS6に進み、冷却シリンダ11内の冷菓が設定トルクTs以上に大きな撹拌トルクTで撹拌されているか否かの判断をすることとなる。
なお、上述した所定値A及び所定値Bはいずれも任意の定数であるが、両定数はAがBより小さい(A<B)という関係に設定されている。
また、上述したステップS5において、回転数比(R/Rs)が所定値Bよりも小さく(R/Rs<B)なる「NO」の場合には、撹拌回転数Rのずれが所定値以上に大きい過冷却や凍結の状態にあると判断できるため、再度ステップS4に戻って凍結防止制御をやり直す。
また、ステップS6において、撹拌トルクTが設定トルクTsより小さい「NO」の場合には、冷菓が未完成と判断できるため、上述したステップS3に戻って冷菓製造運転を継続する。
また、撹拌ユニット40を駆動する撹拌用電動機46の能力が過大とならないように最適化し、冷菓製造装置10のコストを低減することも可能になる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、たとえば撹拌回転数検出手段は撹拌手段の回転数を検出できるものであれば上述した回転センサ92に限定されないなど、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
11 冷却シリンダ
30 冷却装置(冷却手段)
31a 銅チューブ
32 圧縮機
33 四方弁
34 第1熱交換器
35 絞り機構
36 第2熱交換器
38a ファン用電動機
40 撹拌ユニット(撹拌・混合手段)
41 撹拌羽根
42 混合棒
43 撹拌用回転軸
44 撹拌回転体
46 撹拌用電動機
60 ピストン装置(冷菓取出手段)
61 ピストン軸
62 ピストン本体
80 プランジャ装置
91 制御部
92 回転数センサ(撹拌回転数検出手段)
93 反射板
Claims (2)
- 撹拌手段を回転させて容器内の液体原料を空気とともに撹拌・混合しながら冷却して冷菓を製造する冷菓製造装置において、
前記撹拌手段の回転数を検出する撹拌回転数検出手段を設け、該撹拌回転数検出手段で検出した撹拌回転数Rと所定の指令回転数Rsとの回転数比(R/Rs)が所定値より低下した場合に凍結防止制御を開始することを特徴とする冷菓製造装置。 - 前記凍結防止制御は、冷却能力ダウン、撹拌回転数アップ、または冷却能力ダウン及び撹拌回転数アップを併用のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の冷菓製造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005245464A JP2007054004A (ja) | 2005-08-26 | 2005-08-26 | 冷菓製造装置 |
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JP2005245464A JP2007054004A (ja) | 2005-08-26 | 2005-08-26 | 冷菓製造装置 |
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JP2005245464A Pending JP2007054004A (ja) | 2005-08-26 | 2005-08-26 | 冷菓製造装置 |
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