JP2007053500A - 信号発生回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】発振信号の初期値をゼロとすることが可能な信号発生回路を提供する。
【解決手段】加算器11と、係数値がA1の第1の乗算器12と、係数値がA2の第2の乗算器13と、第1及び第2の遅延素子14,15を備え、出力端子からの信号が、前記第1の遅延素子14に入力され、当該遅延素子の出力が前記第2の遅延素子15に入力されると共に前記第1の乗算器12に入力され、前記第2の遅延素子の出力が前記第2の乗算器13に入力され、前記第1及び第2の乗算器の出力が前記加算器11に入力され、当該加算器の出力が前記出力端子に出力される信号発生回路において、初期値設定回路16を備え、当該初期値設定回路から出力される初期値を電源投入時に前記第1及び第2の遅延素子の初期値として、それぞれゼロでない値y1,y2を設定し、初期状態に於いて、y1*A1+y2*A2=0が満足されるように、前記初期値を設定するように構成している。
【選択図】図1

Description

この発明は、信号発生回路、特に、任意の周波数をもつデジタルサイン波形信号を発生する信号発生回路に関する。
従来の信号発生回路は、例えば、演算増幅器、抵抗、コンデンサなどの素子を用いて発振回路を構成して信号を発生させていた。このようにアナログ素子を用いて回路を構成した場合、演算増幅器、抵抗、コンデンサなどの素子で発生する誤差(温度による誤差、プロセスバラツキなどによる誤差)により、出力された信号の発振周波数、振幅の誤差が生じることになる。また、コンデンサ等の回路素子は、レイアウト面積が大きい為、回路規模を縮小することが困難であった。
このような問題を回避する方法として、例えばROMを用いて、そのアドレス毎に時系列中の各時点に於ける波形を一波長分保持しておき、これを繰り返し読み出すことにより、例えばデジタル正弦波を生成する方法がある。しかしながら、この方法の場合、発振周波数の数が増大するにつれて、それぞれの周波数に対応した複数の波形を格納しておく必要があり、ROMの容量が増大する欠点がある。このような欠点を回避する目的でデジタル回路による信号発生回路が考慮されている。
図2は、一般的な二次の再帰型フィルタを示した図であり、この回路は、加算器21,係数をA1とする乗算器22,係数をA2とする乗算器23,及び遅延素子24,25により構成されている。この回路の入力をX(z)、出力をY(z)とすると、この回路の伝達関数は、
Y(z)=X(z)*z2/(z2−A1z−A2)
のように表すことが出来る。従って、入力X(z)=0、すなわち入力信号が無い場合でも出力信号が有限値を取る、つまり回路が発振する条件は、
2−A1z−A2=0
が成立することと等価となる。
この場合、乗算器22の係数A1をA1=2cosδ、乗算器23の係数A2をA2=−1とすると、上記2次方程式の解は、Z=e±jδとなる。
正の符号の解のみを考慮すると、このことは、図2の回路がδ=2πfT、すなわち、f=δ/(2πT)の発振周波数で発信することを意味している(但し、Tは発振周波数の一周期の時間である)。
このようなデジタル信号波形発生回路の例としては、例えば、下記の特許文献1に記載されるような回路がある。
特開平4−302511号公報
図3は、図2の遅延素子24,25をそれぞれ遅延回路であるD型フリップフロップ(D−FF)で置き換えた、等価な回路である。この回路では、各D−FFが電源投入時にリセットされるように設定されている場合、発振開始時点、すなわちt=0の時点での出力信号yはゼロとなるので、以降の時間においても、yの値はゼロが継続することになり、発振信号を得ることが出来ない。
そこで遅延回路34に初期値設定回路(図示していない)を接続し、この初期値設定回路によりD−FF34の初期値としてy1があたえられるようになっている。この場合、電源投入時に、D−FF34をy1に初期設定し、D−FF35をリセット(ゼロに初期設定する)するものとすると、時刻t=0での発信値の初期値はy1*A1=2y1cosδとなり、この結果は、発振初期値が発振周波数により変動することを意味している。この初期値が大きい場合、例えば、この信号によりスピーカが駆動されるようなアプリケーションにおいては、ポップアップノイズが発生する等の問題があった。
本発明は、図3に基づく信号発生回路において、発振信号の初期値をゼロとすることが可能な信号発生回路を提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために、加算器と、係数値がA1の第1の乗算器と、係数値がA2の第2の乗算器と、第1及び第2の遅延素子を備え、出力端子からの信号が、前記第1の遅延素子に入力され、当該遅延素子の出力が前記第2の遅延素子に入力されると共に前記第1の乗算器に入力され、前記第2の遅延素子の出力が前記第2の乗算器に入力され、前記第1及び第2の乗算器の出力が前記加算器に入力され、当該加算器の出力が前記出力端子に出力される信号発生回路において、初期値設定回路を備え、当該初期値設定回路から出力される初期値を電源投入時に前記第1及び第2の遅延素子の初期値として、それぞれy1,y2を設定し、初期状態に於いて、y1*A1+y2*A2=0(ただし、y1≠0、y2≠0)が満足されるように、前記初期値を設定するように構成している。
本発明においては、前述のように、信号発生回路において、初期値設定回路を備え、この回路から出力される信号y1,y2をそれぞれ第1及び第2の遅延素子の電源投入時の初期値として設定し、前記第1及び第2の乗算器の計数値A1,A2の間にy1*A1+y2*A2=0の関係が満足されるように、前記初期値y1,y2を選択したので、発振回路の発振初期値が必ずゼロから開始されるようになり、ポップノイズなどが発生することが無くなる。
以下、この発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、各図面は、この発明が理解できる程度に概略的に記載しているにすぎない。
図1は、この発明の実施例を示す信号発生回路の構成を示す図である。この信号発生回路は、加算器11,係数値A1を有する第1の乗算器12、計数値A2を有する第2の乗算器13,第1及び第2の遅延素子としてのD−FF14,15、及び初期値設定回路16を備えている。
出力端子yからの信号は、第1の遅延素子14に入力され、第1の遅延素子の出力は、第1の乗算器12及び第2の遅延素子15に入力されている。第2の遅延素子15の出力は第2の乗算器13に入力され、第1及び第2の乗算器12、13の出力は加算器11に入力され、その出力が前記出力端子に出力され出力信号yとなる。
この信号発生回路は、前述のように、A1をA1=2cosδ、A2をA2=−1とすることにより、発振周波数f=δ・(2πT)(Tは発振周期)で発振するが、本実施例においては、前記初期値設定回路16により、電源投入時の遅延素子1,2の初期値y1,y2を、
y1*A1+y2*A2=0
の関係が満足されるように設定するので、発振開始の初期値は必ずゼロとなり、前記課題を解決することが出来る。
尚、発振開始直後の次のクロックタイミングにおいて、第1の遅延素子にはゼロが設定され、第2の遅延素子にはy1が設定されているので、出力yはy=A2*y1となり、y1の値がゼロで無い限り、発振が停止することは無い。
本発明の実施例を示す信号発生回路の構成を示す図である。 発振回路の原理を説明する為の説明図である。 従来の信号発生回路の構成を示す図である。
符号の説明
11,21,31 加算器
12,22,32 第1の乗算器
13,23,33 第2の乗算器
14,24,34 第1の遅延素子
15,25,35 第2の遅延素子
16 初期値設定回路

Claims (2)

  1. 加算器と、係数値がA1の第1の乗算器と、係数値がA2の第2の乗算器と、第1及び第2の遅延素子を備え、出力端子からの信号が、前記第1の遅延素子に入力され、当該遅延素子の出力が前記第2の遅延素子に入力されると共に前記第1の乗算器に入力され、前記第2の遅延素子の出力が前記第2の乗算器に入力され、前記第1及び第2の乗算器の出力が前記加算器に入力され、当該加算器の出力が前記出力端子に出力される信号発生回路において、
    初期値設定回路を備え、当該初期値設定回路から出力される初期値を電源投入時に前記第1及び第2の遅延素子の初期値として、それぞれゼロでない値y1,y2を設定し、初期状態に於いて、y1*A1+y2*A2=0が満足されるように、前記初期値を設定したことを特徴とする信号発生回路。
  2. 前記第1及び第2の乗算器の計数値A1,A2をA1=2cosδ、A2=−1とし、前記信号発生回路を周波数f=δ/(2πT)(Tは発振周期)で発振する正弦波信号発生回路として構成したことを特徴とする信号発生回路。
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