JP2014241619A - サンプリング/量子化変換器 - Google Patents

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Abstract

【課題】連続時間連続可変信号を、サンプリングされ量子化された信号に変換する、システム、方法及び技術を提供する。【解決手段】装置は、各々が別個の処理ブランチにあり、かつ複数の入力と出力とを含む加算器を有する複数の量子化ノイズシェイピング連続時間フィルタを含む。入力信号は加算器の入力のうちの1つに結合される。加算器の出力は第1のフィルタを介して加算器の入力のうちの1つに結合される。同一の処理ブランチにおけるサンプリング/量子化回路の出力は、第1のフィルタとは異なる伝達関数を有する第2のフィルタを介して加算器の入力のうちの1つに結合される。【選択図】図16

Description

本発明は、連続時間連続可変信号をサンプリングされ量子化された離散時間信号に変換するシステム、方法及び技術に関し、特に、高い瞬時帯域幅の非常に高いサンプルレートのデータ変換器に適用可能である。
現代の電子工学における多くのアプリケーションは、デジタルコンピュータ及びシグナルプロセッサを使用して処理するために、連続時間信号を離散信号に変換することが必要である。一般にこの変換は、従来のアナログ/デジタル変換器(ADC)を使用して実行される。しかし、本発明者は、既存の各手法は非常に高いサンプルレートにおいて全体的な性能が制限されるという欠点を示すことを発見した。
並列処理及び他の革新により、コンピュータ及びシグナルプロセッサのデジタル情報処理帯域幅は、最新のADCの性能を越えて進歩している。より高い瞬時帯域幅を含む変換器は、ある特定の状況においては望ましいものである。しかし、既存の解決方法は、瞬時帯域幅(有効サンプルレート)、有効変換分解能(有効ビット数)又はそれら双方により制限される。
ADCの分解能は精度の基準であり、それを使用することにより、連続時間連続可変信号は、量子化信号に変換され、一般に有効ビットの単位で規定される。連続時間連続可変信号がサンプリング及び量子化により離散時間離散可変信号に変換される場合、変換処理により量子化ノイズ又は丸めノイズが発生するため、信号の品質が低下する。高分解能変換器は、より微細な精度の丸め処理を使用して連続可変信号を離散信号に変換するため、発生する量子化ノイズはより少なくなる。瞬時変換帯域幅(instantaneous conversion bandwidth)は、ナイキスト基準により、理論上最大の変換器サンプルレートの半分に制限される(ナイキスト限界)。高分解能変換(>10ビット)は、従来、おおよそ数ギガヘルツ(GHz)以下の瞬時帯域幅に制限されてきた。
いくつかのビット又は多くのビットの分解能の信号帯域幅(fB)の2倍に等しい周波数又はそれを僅かに上回る周波数におけるサンプルレート(fS)で信号を量子化する変換器は、従来ナイキストレート変換器として既知である。従来技術のナイキストレート変換器は、従来のフラッシュアナログ/デジタル変換器(ADC)及び従来のパイプラインADCを含む。従来のフラッシュ変換器は、潜在的に非常に高い瞬間帯域幅を実現できる。しかし、フラッシュ変換器の分解能は、部品公差により生じるクロックジッタ、熱ノイズ及び丸め/利得の不正確さ等の量子化誤差を発生させる実際的な実現例の欠陥により制限される。フラッシュ変換器は、潜在的に10GHzより大きい瞬時情報帯域幅において最大9ビットの分解能を実現できるが、この潜在性は市販の製品では実現されていない。従来のパイプライン変換器は、これらの実際的な実現例の欠陥により発生する量子化誤差を減少するように複雑なキャリブレーション方式を採用するため、一般に市販のフラッシュ変換器より高い精度を有する。しかし、一般にパイプライン変換器は、約1GHz未満の瞬時帯域幅を提供する。
量子化ノイズ及び量子化誤差の減少を試みる従来の別の手法として、オーバサンプリング技術を使用するものがある。オーバサンプリング変換器は、アナログ信号の帯域幅の2倍よりずっと高いレート(すなわち、fS>>fB)で連続時間連続可変信号をサンプリングし、デジタル化する。非常に高いサンプルレートでの動作のため、オーバサンプリング手法で使用される高速変換器は、一般に、多くの場合わずか1ビットである低分解能変換のみが可能である。従来のオーバサンプリング変換器は、信号自体を更に減衰することなく信号帯域幅において量子化ノイズ及び量子化誤差を理想的に減衰するノイズシェイピング動作を使用することにより、高分解能を実現する。量子化ノイズシェイピング及び後続のフィルタリング(デジタル信号再構成)により、オーバサンプリング変換器は、高レートの低分解能出力を低レートの高分解能出力に変換する。
図1A〜図1Cは、従来のローパス・オーバサンプリング変換器を示すブロック図である。一般的な従来のオーバサンプリング変換器は、量子化ノイズを成形又は有色化するためにデルタ・シグマ変調器(DSM)7A〜7Cを使用する。その名前が示すように、デルタ・シグマ変調器7A〜7Cは、差分演算8(すなわち、デルタ)及び積分演算13A〜13C(すなわち、シグマ)、例えば、次式を実行することにより量子化器10が発生させるノイズを成形する。
Figure 2014241619
一般にデルタ・シグマ変調器は、1つの伝達関数(STF)を含む信号及び異なる伝達関数(NTF)を含む量子化ノイズを処理する。従来の伝達関数は、STF(z)=1、及び、NTF(z)=(1−z-1Pの形式である。ただし、z-1はTs=1/fSに等しい単位遅延を表し、Pは変調器の次数又はノイズシェイピング応答と呼ばれる。ノイズ伝達関数は、次式により与えられた周波数応答を有する。
Figure 2014241619
P=1の場合のSTF周波数応答30及びNTF周波数応答32を図2に示す。
等価信号及びノイズ伝達関数を生成する種々の従来のデルタ・シグマ変調器が存在する。例えば、それぞれ図1A及び図1Cに示されたフィルタ5A及び5Cのサンプル&ホールド回路6のように明示的に又は黙示的にスイッチドキャパシタ回路を使用して補助的なサンプル&ホールド動作を採用するデルタ・シグマ変調器は、一般に離散時間デルタ・シグマ変調器(DT DSM)と呼ばれる。図1Bに示されたフィルタ7B等のサンプル&ホールド動作を採用しないデルタ・シグマ変調器は、一般に連続時間デルタ・シグマ変調器(CT DSM)と呼ばれる。離散時間変調器は、安定した(すなわち、時間変動に対する敏感でない)性能及び予測可能な(すなわち、線形性)性能の観点からより信頼できるため、従来の変換器において好適な方法であった。Ortmans及びGerfersの"Continuous-Time Sigma-Delta A/D Conversion: Fundamentals, Performance Limits and Robust Implementations", Springer Berlin Heidelberg,(2006年) を参照されたい。それぞれ図1A及び図1Bに示された変換器5A及び5Bは、補間型構造として知られている配置において変調器加算器8の出力から量子化器10の入力へのフィードフォワードパスにおいてフィルタリング13A及び13Bを含むデルタ・シグマ変調器を採用する。別の方法は、フィードフォワードフィルタリングを有さない図1Cに示された変換器5Cの誤差フィードバック構造である。従来の連続時間変換器において好適な方法である補間型(フィードフォワード)構造に対して従来の誤差フィードバック変調器が何らかの性能又は実現の利点を有することは明らかではない。
図1A〜図1Cに示されるように、従来のオーバサンプリング変換器は、量子化ノイズフィルタリング及び信号再構成のためにコムフィルタ12又はsincフィルタ12を採用する。1次ノイズシェイピングを含む従来のオーバサンプリング変換器は、変換器サンプルレート(fS又はfCLK)における例えば、
Figure 2014241619
の伝達関数を含む2次積分12A、それに後続する変換器オーバサンプリング比(N)におけるダウンサンプリング12B、それに後続する変換器出力レートにおける例えば、
Figure 2014241619
の伝達関数を含む2次差分12Cの3つのステップでコムフィルタ12を実現する。
Figure 2014241619
の一般化されたコムフィルタ伝達関数は、出力データレートの倍数において極小を生成し、従来オーバサンプリング変換器にとって最適であると考えられてきた。ただし、Pは変調器の次数である。従って、先に与えられた特定の例において、1次応答を含む変調器が使用されることが仮定される。
図1A〜図1Cに示されたデルタ・シグマ変換器5A〜5Cは、従来、ローパス・デルタ・シグマ変換器として知られている。従来のローパス変換器に対する変形は、バンドパス・デルタ・シグマ変調器を採用することにより、ゼロを上回る周波数において中心に置かれる狭帯域信号を変換できる。それぞれ図3A及び図3Bに示された例示的なバンドパス・オーバサンプリング変換器40A及び40Bは、それぞれ、図4に示されるように変換器ナイキスト帯域幅の中心において最小値72(すなわち、fS/4)を含む量子化ノイズ応答71及び信号応答70を提供するバンドパス・デルタ・シグマ変調器42A又は42Bを含む。1ビット高速量子化/サンプリング10(又は図3Aに示された変換器40Aに対して、サンプル&ホールド回路6において実行されている単なる量子化、サンプリング)の後、標準的な従来のローパス・オーバサンプリング変換器(例えば、変換器5A〜5Cのうちのいずれか)において実行されたのと同様の量子化ノイズフィルタリング43が実行され、その後ダウンサンプリング44が実行される。
バンドパス・デルタ・シグマ変調器は、いくつかの点においてより一般的なローパスの種類に類似する。すなわち、従来のバンドパス・デルタ・シグマ変調器は、離散時間(図3Aに示された変換器40A)形式及び連続時間(図3Bに示された変換器40B)形式の双方を有する。ローパスバージョンと同様に、バンドパス・デルタ・シグマ変調器42A及び42Bは、それぞれ、差分演算8(すなわち、デルタ)、並びに積分演算13A及び13B(すなわち、シグマ)を実行することにより、量子化器10からノイズを成形する。ただし、H(z)及びH(s)は次式で示される。
Figure 2014241619
更にバンドパス変調器は、1つの伝達関数(STF)を含む信号及び異なる伝達関数(NTF)を含む量子化ノイズを処理する。Tsに等しい単位遅延をz-1と表し、変調器ノイズシェイピング次数をPとすると、従来の伝達関数は、STF(z)=1及びNTF(z)=(1+α・z-1+z-2Pの形式で表される。
先に示したように、実際のバンドパス・デルタ・シグマ変調器のノイズ伝達関数(NTF)は、最小値において2次応答である。変調器係数αは、次式に従うノイズ伝達関数周波数応答においてスペクトルノッチ(fnotch)又はヌルの位置を決定づける。
Figure 2014241619
一般にfnotchの周波数は、入力信号帯域幅の中心と一致するように設定される。量子化ノイズ最小値は、変調器係数αがα=−2・cos(2・π・fnotch・Ts)となるように−2〜+2の範囲にわたり連続して変動できるようにすることにより、変換器帯域において任意の場所に配置される。
NTF(z)=(1−2・z-1+z-2)=(1−z-12
であるから、バンドパス・デルタ・シグマ変調器は、α=−2である場合に2次ローパス・デルタ・シグマ変調器に等しい。
従来のオーバサンプリング変換器は非常に高い分解能を提供できるが、ノイズフィルタリング及び信号再構成処理によって、一般に、オーバサンプリング変換器の有用性は低い瞬時帯域幅しか必要としないアプリケーションに制限される。オーバサンプリング変換器の瞬時帯域幅を改善するために、複数のオーバサンプリング変換器が、元来ナイキスト変換器(すなわち、フラッシュ、パイプライン等)のために開発された時間インタリーブ(タイムスライス)技術及び/又は周波数インタリーブ(周波数スライス)技術を使用して同時に操作されてうる。時間インタリーブにおいて、高速サンプルクロックは、種々の位相においてより低速のサンプルクロックに分解される。変換動作が複数の変換器にわたり時間で分配されるように、時間インタリーブ・アレイにおける各変換器は、異なるクロック位相でクロック制御される。例えば、変換器#1は第1のサンプルを処理しており、変換器#2は次のサンプルを処理している。
周波数インタリーブにおいて、連続時間信号の総帯域幅は、複数のより小さなサブバンドに分割される。図5Aに示された周波数インタリーブADC70Aの代表的な一実現例によると、個々の帯域は、基底帯域に分離され、ダウンコンバートされる。特に入力信号71は、帯域の中心周波数74A〜76Aと共に乗算器72の集合に提供される。次に、結果として得られる基底帯域信号は、ローパス・アンチエイリアシングフィルタ78に提供される。次に、そのようにフィルタリングされた基底帯域信号の各々は、前の周波数帯域に対してそれを復元するために、デジタル化され(80A)、デジタル化された正弦曲線83A〜83C及びバンドパスフィルタ84A〜86Aを使用してデジタル方式でアップコンバートされる(あるいはアップサンプリングされる)(82A)。そして、各帯域は、1つ以上の加算器88において再結合される。インタリーブ・アレイにおける各変換器(80A)は、細分された帯域、ダウンコンバートされた帯域の各々において減少した信号帯域幅のため、総合サンプルレートの約数で動作できる。
図5Bに示された従来の並列デルタ・シグマ・アナログ/デジタル変換器(ΠΔΣADC)70Bは、オーバサンプリング変換器80Bがマルチビットデジタイザ80A及びアンチエイリアシングフィルタ78の代わりに使用されることを除けば、図5Aに示された従来の周波数インタリーブ変換器70Aに設計及び動作が類似する。I. Galton及びH. Jensenの"Delta Sigma Modulator Based A/D Conversion without Oversampling", IEEE Transactions on Circuits and Systems, Vol. 42, 1995年、並びに、I. Galton及びH. Jensenの"Oversampling Parallel Delta-Sigma Modulator A/D Conversion", IEEE Transactions on Circuits and Systems, Vol. 43, 1996年を参照されたい。図5Bに示されるように、従来技術のΠΔΣ変換器70Bの主な利点は、デルタ・シグマ変調器89のオーバサンプリング動作によってアナログフィルタバンクにより提供されるアンチエイリアシング機能の必要がなくなることである。一般に従来のΠΔΣADCは、離散時間ローパス・デルタ・シグマ変調器89を採用し、ダウンコンバート72B動作及びアップコンバート82B動作と関連付けられた回路の複雑さを軽減するために、正弦波形ではなく連続時間アダマール系列(vi(t))74B〜76B及び離散時間アダマール系列(ui[n])89A〜89Cを使用する。いくつかの例において、バンドパス・デルタ・シグマ変調器は、直接、マルチバンド・デルタ・シグマ変換(MBΔΣ)と呼ばれることもある処理において、アナログ・ダウンコンバートの必要を完全になくすために使用される。Aziz,P.の"Multi-band Oversampled Noise Shaping Analog to Digital Conversion"(博士論文)、University of Pennsylvania, 1996年、並びに、A. Beydoun及びP. Benabesの"Bandpass/Wideband ADC Architecture Using Parallel Delta Sigma Modulators", 14th European Signal Processing Conference, 2006年を参照されたい。マルチバンド・デルタ・シグマ変調に加えて、従来の周波数インタリーブ・オーバサンプリング変換器(すなわち、ΠΔΣADC及びMBΔΣ)は、従来のP+1段コムフィルタ(ΠΔΣADC)又は従来のフィルタバンク(MBΔΣ)信号再構成方式を採用する。
本発明者は、図5Bに示されたような従来のΠΔΣ変換器及び従来のMBΔΣ変換器が非常に高い瞬時帯域幅及び高分解能を必要とするアプリケーションにおけるそれらの有用性を制限するといういくつかの欠点を有することを発見した。発明を実施するための形態の節において更に詳細に説明されるこれらの欠点は、(1)サンプル&ホールド動作がDT DSMの性能を制限し、且つ非理想的な回路の挙動がCT DSMのノイズシェイピング応答及び安定性を低下させるため、デルタ・シグマ変調(Galton、Aziz及びBeydoun)を使用することにより高周波数動作を損なうこと、(2)ΠΔΣ変換器(Galton)において信号再構成のためにコムフィルタを使用することにより、出力等化器(すなわち、図5Bにおいて伝達関数D(Z)を有する等化器90)により完全に緩和されない振幅及び位相の歪みを発生させること、(3)ΠΔΣ変換器においてダウンコンバート及びアップコンバートのためにアダマール系列を使用することにより、信号レベルの不一致及びスペクトル画像に関連した変換誤差を発生させること、(4)特に高周波数、マルチレート(すなわち、ポリフェーズ)フィルタトポロジの場合に信号処理の複雑さ(すなわち、乗算/累積の数)のため、MBΔΣ変換器において信号再構成のために従来のフィルタバンク技術(Azizにおけるような)又はハン窓(hann window)フィルタ(Beydounにおけるような)を使用することにより、並列処理ブランチ/チャネルの実際的な数を制限すること、並びに(5)信号再構成フィルタ出力からDSMへのフィードバックの無いことは、DSM部品公差がNTFにおけるノッチ周波数(fnotch)と狭帯域再構成フィルタ応答の中心周波数との間に不一致を発生させることにより変換器の性能を劣化させることを意味することを含む。場合によってはこれらの欠点のため、従来のΠΔΣ変換器及びMBΔΣ変換器の瞬時帯域幅及び分解能性能は、従来のパイプライン変換器の瞬時帯域幅及び分解能性能を凌駕できていない。
ΠΔΣ及びMBΔΣに加えて、デルタ・シグマ変調器の並列配置は、米国特許第7,289,054号、米国特許第6,873,280号、米国特許第6,683,550号等のいくつかの米国特許の主題である。しかし、一般にこれらの特許は、連続時間信号の離散時間信号への高分解能、高サンプルレート変換と関連付けられた主な問題に十分に対処できていない。米国特許第7,289,054号において説明された1つの技術は、量子化ノイズ低減のために再構成フィルタバンクを使用するのではなく、変換器の精度を向上させるためにノイズシェイピングフィルタ残差のデジタル化を使用する。米国特許第6,873,280号において説明された別の技術は、アナログ(連続時間、連続可変)信号をデジタル(離散時間、離散的可変)信号に変換することではなく、デジタル信号を他の形式に変換することに対処する。米国特許第6,683,550号において説明された第3の技術は、高精度、バンドパス・オーバサンプリング・アプリケーションが少なくとも2次である変調器を必要とするため、これらのアプリケーションに対して適切でないマルチビット1次変調器を採用する。
本発明は、特にナイキスト限界に接近する非常に高いサンプルレート及び瞬時帯域幅において使用するための改善されたADCを提供する。
従って、本発明の一実施形態は、連続時間連続可変信号を、サンプリングされ量子化された信号に変換する装置に関する。装置は、時間的に連続し且つ連続可変である入力信号を受け入れる入力線と、入力線に結合された複数の処理ブランチと、複数の処理ブランチの出力に結合された加算器とを含み、各処理ブランチは、(a)量子化ノイズシェイピング連続時間フィルタと、(b)量子化ノイズシェイピング連続時間フィルタの出力に結合されたサンプリング/量子化回路と、(c)サンプリング/量子化回路の出力に結合されたデジタル・バンドパスフィルタと、(d)サンプリング/量子化回路の出力を再度量子化ノイズシェイピング連続時間フィルタに結合する線とを含む。量子化ノイズシェイピング連続時間フィルタの各々は、複数の入力と出力とを含む加算器を有し、入力信号が加算器の入力のうちの1つに結合され、加算器の出力が第1のフィルタを介して加算器の入力のうちの1つに結合され、同一の処理ブランチにおけるサンプリング/量子化回路の出力が、第1のフィルタとは異なる伝達関数を有する第2のフィルタを介して加算器の入力のうちの1つに結合される。複数の処理ブランチにおける各処理ブランチの量子化ノイズシェイピング連続時間フィルタは、それぞれ異なる周波数において量子化ノイズ最小値を有し、量子化ノイズシェイピング連続時間フィルタの各々に対する量子化ノイズ最小値は、同一の処理ブランチにおいてデジタル・バンドパスフィルタにより選択された周波数帯域に対応する。
一般にそのような装置は、従来の変換器を用いて可能であるよりも適切な高分解能と広い帯域幅との組合せを提供し、例えば種々の完全デジタル通信受信機、完全デジタルRADARシステム、高速デジタル取得システムにおいて種々の商業的用途、産業的用途及び軍事的用途のために使用される。
上述の概要は、本発明のある特定の態様の簡単な説明を提供することのみを意図する。添付の図面と共に請求の範囲及び以下の好適な実施形態の詳細な説明を参照することにより、本発明を更に完璧に理解できる。
以下の開示内容において、添付の図面を参照して本発明を説明する。しかし、図面はある特定の代表的な実施形態及び/又は例示的な実施形態のみを示し、本発明の特徴はあらゆる方法で本発明の範囲を限定することを意図しないことが理解されるべきである。以下は、添付の図面の各々の簡単な説明である。
1次応答を含む離散時間補間型デルタ・シグマ変調器を有する従来のオーバサンプリング変換器を示すブロック図。 1次応答を含む連続時間補間型デルタ・シグマ変調器を有する従来のオーバサンプリング変換器を示すブロック図。 1次応答を含む離散時間誤差フィードバック・デルタ・シグマ変調器を有する従来のオーバサンプリング変換器を示すブロック図。 従来の1次デルタ・シグマ変調器に対する入力信号及び量子化ノイズ伝達関数を示す図。 2次応答を含む離散時間補間型デルタ・シグマ変調器を有するシングルバンド・バンドパス・オーバサンプリング変換器を示すブロック図。 2次応答を含む連続時間補間型デルタ・シグマ変調器を有するシングルバンド・バンドパス・オーバサンプリング変換器を示すブロック図。 図3A及び図3Bに示されたシングルバンド・バンドパス変換器のデルタ・シグマ変調器に対する入力信号及び量子化ノイズの伝達関数を示す図。 従来の周波数インタリーブ変換器を示すブロック図。 従来の並列デルタ・シグマ変調変換器(ΠΔΣADC)を示すブロック図。 本発明の一実施形態に係るマルチチャネル・バンドパス・オーバサンプリング変換器を示す概略ブロック図。 1ビット量子化で任意の周波数において量子化ノイズ応答最小値を生成するダイプレックス・フィードバックループ(DFL)を示すブロック図。 マルチビット量子化で任意の周波数において量子化ノイズ応答最小値を生成するダイプレックス・フィードバックループ(DFL)を示すブロック図。 信号加算及び信号分配のために抵抗回路網を使用するfnotch値の負のトリミング/キャリブレーションのためのダイプレックス・フィードバックループ(DFL)ノイズシェイピングフィルタの一例を示す回路図。 信号加算及び信号分配のために抵抗回路網を使用するfnotch値の正のトリミング/キャリブレーションのためのダイプレックス・フィードバックループ(DFL)ノイズシェイピングフィルタの一例を示す回路図。 リアクタンススプリッタを使用するfnotch値の負のトリミング/キャリブレーションのためのダイプレックス・フィードバックループ(DFL)ノイズシェイピングフィルタの一例を示す回路図。 信号加算及び信号分配のために抵抗回路網を使用するfnotch値の正のトリミング/キャリブレーションのためのダイプレックス・フィードバックループ(DFL)ノイズシェイピングフィルタの一例を示す回路図。 本発明の代表的な一実施形態において使用するための従来の遅延要素を示す回路図。 4次ダイプレックス・フィードバックループ(DFL)ノイズシェイピングフィルタを示すブロック図。 能動キャリブレーションを使用する2次ダイプレックス・フィードバックループ(DFL)を示す図。 能動キャリブレーションを使用する4次ダイプレックス・フィードバックループ(DFL)を示す図。 周波数ダウンコンバート、それに後続するローパスフィルタリング、それに後続する周波数アップコンバートを使用してバンドパスフィルタリングを実現する従来の構造を示すブロック図。 移動平均再構成(MAR)バンドパスフィルタを示すブロック図。 再帰演算でカスケードにされた移動平均関数を含む信号再構成フィルタを示すブロック図。 m=4のポリフェーズ分解ファクタを有するマルチレート移動平均フィルタを示す簡略ブロック図。 本発明の代表的な一実施形態に係る変換器で使用されるバンドパス移動平均再構成(MAR)フィルタの周波数応答を示す図。 移動平均再構成(MAR)フィルタと共に複数のダイプレックス・フィードバックループ(DFL)ノイズシェイピングフィルタを組み込んだ本発明の代表的な一実施形態に係る完全なMBO変換器を示すブロック図。 信号再構成のための従来のフィルタバンクと共に複数のダイプレックス・フィードバックループ(DFL)ノイズシェイピングフィルタを組み込んだ本発明の代表的な第1の別の一実施形態に係る完全なMBO変換器を示すブロック図。 信号再構成のための周波数領域フィルタバンクと共に複数のダイプレックス・フィードバックループ(DFL)ノイズシェイピングフィルタを組み込んだ本発明の第2の別の一実施形態に係る完全なMBO変換器を示すブロック図。 複数の変換器チャネルにわたる信号分配の例示的な方法を示す完全なMBO変換器を示すブロック図。
本発明に係る好適な変換器は、本明細書においてマルチチャネル・バンドパス・オーバサンプリング(MBO)と呼ばれることもある技術を使用する。そのような技術は、MBO変換器も複数の並列オーバサンプリング変換器から構成されるという点で従来の並列デルタ・シグマ(ΠΔΣ)変換器及びマルチバンド・デルタ・シグマ(MBΔΣ)アナログ/デジタル変換器といくつかの構造的類似点を共有する。しかし、本発明の好適な実施形態に係るMBO変換器は、以下の技術的革新のうちの1つ以上を取り入れ、瞬時帯域幅及び分解能を改善する。すなわち、(1)例えば非常に高い変換器サンプルレートにおける量子化ノイズシェイピングを改善するために、デルタ・シグマ変調器の代わりに連続時間ダイプレックス・フィードバックループ(DFL:Diplexed Feedback Loop)を使用し、(2)(好ましくは2次以上の)バンドパス・オーバサンプリングにより、正弦波形又はアダマール系列を使用するアナログ・ダウンコンバート(例えば、ΠΔΣ変換器におけるような)の必要をなくし、(3)位相及び振幅の歪みを最小限にして、かつ、信号処理の複雑さを大幅に軽減するために、コムフィルタ(すなわち、ΠΔΣ)、従来のフィルタバンク(すなわち、MBΔΣ)又はハン窓フィルタの代わりに移動平均再構成(MAR)フィルタを使用し、かつ/あるいは、(4)ノイズシェイピングフィルタ(好ましくはDFLフィルタ)のノッチ周波数(fnotch)と信号再構成(好ましくはMARバンドパス)フィルタの中心周波数との不一致により発生する変換の性能低下を軽減するように、能動ノイズシェイピング・フィルタキャリブレーションを採用する。そのような技術は、いくつかの点において2つの別個の従来の技術、すなわち連続時間バンドパス・オーバサンプリングとマルチチャネル周波数インタリーブとを組み合わせる一意の新規の方法として考えられる。以下に更に詳細に説明するように、多くの場合、そのような技術を使用することにより、限られた変換分解能及び非常に高い瞬時帯域幅における精度の問題を克服できる。
本発明の好適な実施形態に係る1つの変換器100の簡略ブロック図を図6に示す。好適な実施形態において、変換器100は、M個の異なる周波数帯域の各々を処理するために別個のブランチ(例えば、ブランチ110又は120)を使用して連続時間連続可変信号102に対してそのような帯域を別個に処理し、その後、出力デジタル信号135を提供するために加算器130において全てのブランチ出力を加算する。本発明の一実施形態において、M個の異なる周波数帯域は、変換器出力データレートに対して直交するかあるいは少なくとも略直交である。特に信号102は、例えば同一のデバイス内で別の回路から信号を受信する内部ワイヤ、導電トレース又は同様の導電路として、あるいは外部信号を受け入れる物理ポートとして実現されうる線103に入力される。本発明の実施形態において、入力信号102は、各ブランチ(例えば、ブランチ110及び120)に直接提供される。しかし、別の実施形態において、入力線103は、他の何らかの方法でそのようなブランチに結合されてもよい。本明細書において使用されるように、「結合される」という用語又はその単語の他の何らかの形式は、例えば処理のために直接接続されるかあるいは1つ以上の他の処理ブロックを介して接続されることを意味することを意図する。尚、あらゆる数のブランチが使用されてもよく、以下に更に詳細に説明するように、一般にブランチの数が増加すると変換器100の分解能は向上する。
いずれの場合においても、本発明の実施形態において、そのような各ブランチ(例えば、ブランチ110又は120)は、主に異なる周波数チャネルを処理し、ダイプレックス・フィードバックループ(DFL:Diplexed Feedback Loop)又は他の量子化ノイズシェイピングフィルタ(例えば、フィルタ113又は123)、サンプリング/量子化回路114及び移動平均再構成フィルタ又は他のバンドパス再構成フィルタ(例えば、フィルタ115又は125)を含む。各量子化ノイズシェイピングフィルタ(例えば、DFLフィルタ113又は123)は、それぞれのブランチにより処理されることを意図する周波数帯域(より好ましくは、周波数帯域の中心)において又はそれに近接して最小値(すなわち、ノッチ又はヌル)を含む量子化ノイズ応答を有する。各サンプリング/量子化回路114は、他のものと同一であり、且つ本明細書においてハードリミッタと呼ばれることもある1ビット量子化器として実現されるのが好ましい。
以下に更に詳細に説明するように、先行サンプルにおける量子化誤差が後で量子化されるサンプルを生成することが考慮されるように、サンプリング/量子化回路114への信号入力及びサンプリング/量子化回路114による信号出力は、フィードバックされ、ダイプレックス処理(diplexed)され(すなわち、個々にフィルタリングされ、結合され、その後オプションとして共にフィルタリングされ)、そして入力信号102と組み合わされるのが好ましい。移動平均再構成フィルタ(例えば、フィルタ115又は125)であるのが好ましい各デジタル・バンドパスフィルタは、それぞれのブランチ内で処理されている周波数帯域を選び出す。例えば加算器130は、複数の入力を含む単一の加算器又は一連の半加算器として実現されてもよい。
サンプリング/量子化回路114に対してハードリミッタを使用することは、一般にその単純さのために好まれ、通常ハードリミッタは、考えられる最大サンプリングレートを考慮し、マルチビット量子化器と関連付けられた微分非直線性又は量子化誤差(量子化ノイズとは対照的に)に左右されるものではない。しかし、マルチビット量子化器を使用することにより、瞬時帯域幅を犠牲にして変換器分解能を潜在的に改善できる。好適な実施形態において、個々のサンプリング/量子化回路114のサンプリングレートは全体として変換器100のサンプリングレートであり、別の実施形態においてはある(例えば、1/2又は1/4以下等の制限された)ダウンサンプリングを実行するのが望ましい場合もあるが、ダウンサンプリングを実行しないことを意味する。同時に、変換器100の所望の全体的な有効分解能は、一般に、使用されたブランチの数(処理された個々の周波数帯域の数に対応する)及びフィルタの品質等の設計パラメータを適当に選択することにより、サンプリングレートとは無関係に達成される。
ノイズシェイピングフィルタの考慮事項
上述の実施形態において、DFLフィルタが効率性と構成の容易さと配置の容易さとの最適な組合せを達成することが分かっているため、各ノイズシェイピングフィルタはそのようなフィルタである。なお、本発明の別の実施形態において他の種類のノイズシェイピングフィルタを使用することが可能である。いずれの場合においても使用されるノイズシェイピングフィルタに対する主な考慮事項は、非常に高いサンプルレートでの安定した正確な動作に対する要望から導出するのが好ましい。従って、好適な実施形態に係る各ノイズシェイピング回路は、少なくとも以下の3つの特性、すなわち(1)整定時間誤差、サンプリング不確定性/ジッタ及び量子化/丸め誤差等に関連したノイズシェイピングフィルタの主な性能欠陥はノイズシェイピングに左右されるという特性、(2)ノイズシェイピング回路の性能は、非理想的な回路挙動及び過剰なフィードバックループ遅延を相対的に感知できないという特性、並びに(3)ノイズシェイピング回路が例えば分布定数素子回路及びモノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)を利用する高周波数設計技術を使用して実現されるという特性を有する。一般にこれらの特性を達成することにより、ノイズシェイピング動作のために従来のデルタ・シグマ変調器を使用する必要性がなくなる。
例えば、DT DSMの補助的なサンプル&ホールド動作により、ノイズシェイピングに左右されず且つそのために高い周波数におけるDT DSMの性能を制限する整定時間誤差及びサンプリング不確定性/ジッタ等の欠陥が発生するため、従来のDT DSMは、MBO変換器で使用するのに適さない。また、DT DSMの動作周波数は、補助的な高精度サンプル&ホールド動作のサンプリング速度により制限される。
単一の粗サンプリング動作の欠陥はノイズシェイピングに左右されるが、一般に従来のCT DSMのフィードフォワードフィルタリングが高利得相互コンダクタンス段(すなわち、電流源)、高利得演算増幅器(すなわち、電圧源)及び/又は高品質(Q)集中定数素子並列共振器(すなわち、個別の誘導器及びキャパシタ)を必要とするため、従来のCT DSMはMBO変換器で使用するのに適さない。連続時間ノイズシェイピング回路はDT DSMより高い周波数で動作できるが、補助的なサンプル&ホールド動作がないため、CT DSM実現例の性能は、特に非常に高いサンプルレートで動作する場合に変調器フィードフォワードパスに連続時間フィルタを含む能動集中定数回路素子及びリアクタンス集中定数回路素子の非理想的な挙動により制限される。非常に高い周波数において、例えばマイクロ波振動数、集中定数素子デバイスは、代わりに分布定数素子デバイスのように挙動する。つまり、マイクロ波振動数、集中定数素子デバイスは、相互コンダクタンス段及び演算増幅器の出力インピーダンスの劣化により電流源というより基本的な増幅器のように挙動し(すなわち、電力出力対電流出力又は電圧出力)、誘導器及びキャパシタ等のリアクタンス分の寄生インピーダンスにより低Qシリーズ共振器又は並列共振器のように挙動する。また、集中定数回路素子の非理想的な挙動によりフィードフォワードフィルタの帯域幅が劣化するため、CT DSMの動作周波数が制限される。
CT DSMに関する別の問題は、補間型変調器の次数を増加させることにより、フィードバックDACの有限整定時間により発生する過剰なループ遅延がノイズシェイピングの性能及び安定性を劣化させることである。この問題に対する従来の解決方法は、非ゼロ復帰(NRZ)パルス、ゼロ復帰(RZ)パルス及び半遅延ゼロ復帰(HRZ)パルス等の種々の出力波形を生成するDACを使用して連続時間フィードフォワードフィルタへの複数のフィードバックパスをもたらすことである。O. Shoaei, W. M. Snelgroveの"A Multi-Feedback Design for LC Bandpass Delta-Sigma Modulators", Proceedings-International Symposium on Circuits and Systems, Vol. 1, 1995年を参照されたい。しかし、非常に高いサンプリング周波数において、この解決方法は、フィードフォワードフィルタを含む能動集中定数回路素子及びリアクタンス集中定数回路素子の非理想的な挙動に関連した既存の性能の限界を悪化させるだけである。
本発明者は、本明細書においてダイプレックス・フィードバックループ(DFL)と呼ばれる量子化ノイズシェイピングに対する新しい技術を発見した。その新しい技術は、従来のデルタ・シグマ変調器と比較して、動作周波数及び性能の安定性を改善するようにいくつかの重要な技術的革新を取り入れる。第1にDFLは、離散時間回路とは対照的に連続時間回路(すなわち、連続時間連続可変信号を処理する)として動作する。従って、速度及び正確度を制限する高精度の補助的なサンプル&ホールド動作は存在しない。第2にDFLは、(例えば、2次以上の)バンドパス・ノイズシェイピング又はローパス・ノイズシェイピングに対して構成される。従って、DFLノイズシェイパーは、入力信号がゼロ周波数において中心に置かれない変換器アプリケーションにおいて有用性を有する。第3にDFLは、事前に選択された周波数において量子化ノイズノッチを生成する受動フィードバックフィルタ構造を採用するが、過剰なフィードバックループ遅延を相対的に感知できない。これらの受動フィルタは、分布定数素子の技術及びマイクロ波設計技術を使用して実現されるため、高周波数動作が可能である。第4にDFLは、量子化ノイズ応答の動的キャリブレーションのための波長可変フィードバック要素を採用する。従って、ノイズシェイパーの性能は、部品公差又は製作公差を大幅にあまり感知しなくなる。これらの理由から、特にMBO変換器の好適な実施形態は、量子化ノイズシェイピングのためにDFL手法を使用する。
例示的なDFL113及び1ビットサンプリング/量子化回路114Aの簡略化されたブロック図を図7に示し、例示的なDFL113、マルチビットサンプリング/量子化回路114B及びデジタル/アナログ変換器111の簡略ブロック図を図8に示す。本発明の好適な実施形態において、量子化ノイズシェイピングは、連続時間であり、変調器フィードフォワードパス(加算器115とサンプラ/量子化器114A又は114Bとの間の)においてフィルタリングを全く採用しない。DFL113は、D. Anastassiouの"Error Diffusion Coding in A/D Conversion", IEEE Transactions on Circuits and Systems, Vol. 36, 1989年において説明された従来の離散時間誤差フィードバックフィルタと後者の機能を共有する。
DFL113において、信号141(加算器155から出力され且つサンプラ/量子化器114Aに入力される)がフィルタ伝達関数H1(s)を使用して個々にフィルタリングされる(154A)(以下に更に詳細に説明するように、適度な増幅を含むのが好ましい)結果、信号142が得られる。同時に、サンプラ/量子化器114Aの出力がフィルタ伝達関数H2(s)を使用して個々にフィルタリングされる(154B)結果、信号144が得られる。その後、信号142は減算器153において信号144から減算され、結果として得られる組合せ信号145がフィルタ伝達関数H3(s)を使用してフィルタリングされる(154C)結果、信号147が得られる。最後に信号147は、加算器155において入力信号102と組み合わされる。その実施形態において、デジタル/アナログ変換器111は、DFL113にフィードバックされ且つDFL113により処理される連続時間連続可変信号にサンプリング/量子化回路114Bのマルチビット出力を変換するために使用されるが、同様の処理を図8に示す。個々に信号をフィルタリングしてそれらを組み合わせる処理は、従来技術においてダイプレクシングと呼ばれることもある。本発明の実施形態において、フィルタ154A〜154Cは、に基本的な増幅器、減衰器及び遅延要素をのみを含む。フィルタパラメータに依存して、フィルタ154A及び154Bは、対応する処理ブランチにおいて処理されている関連する帯域幅にわたりオールパスであってもよく、あるいはかなりの大きさ変動を有してもよい。
現在の実施形態において、DFL113の量子化ノイズシェイピングフィルタ応答は、選択された(例えば、所定の)周波数において絶対最小値を生成するように構成されてもよい。量子化ノイズシェイピングフィルタ113が最初に元の連続時間連続可変信号102及びサンプラ/量子化器114から出力された信号を入力し、量子化誤差を判定し、その後その量子化誤差を信号102の現在の値に加算する前にフィルタリングするか又は事前に処理するのが好ましい。一般に、量子化誤差を付加することにより、将来のサンプル値が先行量子化誤差を補償することを保証し、そのような付加の前に量子化誤差を事前に処理することにより、サンプラ/量子化器114により発生する量子化ノイズが現在の処理ブランチ(例えば、ブランチ110又は120)により処理されている入力信号の周波数帯域から離れてシフトされることを保証する。
容易に理解されるように、フィルタ154Cは、加算器153の上流に移動し(例えば、各ブランチにおける一具体例)、かつ/あるいは、その所望の伝達関数のいずれかの部分又は全ては、フィルタ154A及び154Bの各々に組み込まれる(あるいは統合される)。いずれの場合においても信号141上で実行された総フィルタリングはH1(s)・H3(s)であり、信号146上で実行された総フィルタリングはH2(s)・H3(s)である。以下に更に詳細に説明するように、そのような組合せフィルタリングの各々は、遅延(例えば、サンプラ/量子化器114により使用されたサンプリング周期の少なくとも1/4又は1/2)、増幅変更(例えば、20dB以下による)及びローパスフィルタリング(例えば、fsより大きくない3dBの帯域幅を含む)を含むのが好ましい。本明細書において使用されるように、「結合される」という用語又はその単語の他の何らかの形式は、例えば処理のために直接接続されるかあるいは1つ以上の他の処理ブロックを介して接続されることを意味することを意図する。本明細書において使用されるように、「加算器」という用語は、例えば算術加算及び/又は(単にインバータを含むことにより)減算を介して2つ以上の信号を共に組み合わせる1つ以上の回路を示すことを意図する。
CT DSMと同様に、DFL回路113は、単一の粗サンプリング動作114に関連した欠陥が回路のノイズシェイピング応答に左右されるという利点を有する。ノイズシェイピング回路のフィードバックパスにおけるダイプレクサ・フィルタ(diplexer filter)154A〜154Cの配置のため、量子化ノイズノッチは、伝達極ではなく伝達零点を含むフィルタ構造により生成される。従って、CT DSMとは異なり、DFLは、高利得相互コンダクタンス段(すなわち、電力源)又は高Q並列共振器を含む演算増幅器(すなわち、電圧源)を必要としない。その代わり、例えばDFLのフィードバックループを介して信号損失を補償するために、適度な利得を含む基本的な増幅器(すなわち、電力出力を含む増幅器)のみが使用されるのが好ましい。更にダイプレクサ・フィルタ応答(例えば、フィルタ113の応答)は、伝送線及び減衰器等の受動の分布定数素子回路により生成される。また、以下に更に詳細に説明するように、部品公差に対する感度は、プログラム可能な利得要素(すなわち、増幅器及び/又は減衰器)を使用することにより改善される。
図7及び図8の回路を参照すると、サンプリング/量子化回路114A又は114Bへの入力時の信号伝達関数(STF)及びノイズ伝達関数(NTF)は、
STF(s)=1、及び、
Figure 2014241619
であるのが好ましい。
Figure 2014241619
により与えられたダイプレクサ応答に対して、総合DFLノイズ伝達関数は、
Figure 2014241619
となる。
ダイプレクサフィルタパラメータ(すなわち、T1、T2、T3、φ0、φ1、β0、β1、β2、β3)の適当な選択に対して、DFLは、従来のデルタ・シグマ変調器(DSM)ノイズシェイピング応答に匹敵するが、安定した性能及びフィードバック遅延変動公差を含む2次ノイズシェイピング応答を生成する。
上記のNTFの式におけるパラメータの値は、量子化ノイズ応答(fnotch)においてノッチ又はヌルの周波数位置を決定づける。特に、周波数ノッチの場所は、βi及び遅延パラメータT1により、1/10・fs以上の増分でもって粗く決定され、係数パラメータφ1により、1/8・fs以下の増分でもって細かく決定される。表1は、例示的な正規化(すなわち、fs=1Hz、Z=1Ω)フィルタパラメータを量子化ノイズ応答ノッチ周波数の関数として提供する。表1に示されるように、フィルタパラメータを量子化ノイズノッチ周波数(fnotch)にマッピングすることは、1対1機能ではない(例えば、非同形)。しかし、ダイプレクサフィルタパラメータ及び量子化ノイズノッチ周波数は、固定のφi及びβiに対して量子化ノイズノッチ周波数が、主たるフィルタ粗調整パラメータT1が増加する場合に減少し、主たるフィルタ粗調整パラメータT1が減少する場合に増加するように関連する。この動作は、
Figure 2014241619
の周波数応答を有する従来のバンドパス・デルタ・シグマ変調器の動作とは異なり、指数のファクタTsが固定され、量子化ノイズノッチ周波数(fnotch)がデルタ・シグマ変調器係数αによってのみ決定される。
Figure 2014241619
DFLの一実施形態において、βiパラメータは、3次元ローパスフィルタ応答のカットオフ周波数(fB)又は3dBの帯域幅を決定する。また、好適な実施形態において、(1)βiパラメータにより決定されるローパスフィルタ応答はfB>3・fnotchとなり、(2)T1とT3との関係はT3=1/2・T1であり、(3)T1とT2との関係はT2=T1−1/2・Tsである。ただし、Tsは量子化器114サンプリングクロックの周期である。これらの条件下で、ノイズシェイピングフィルタの信号伝達関数(STF)は略オールパスであり、すなわちSTF(s)=k・e-sτである。また、各遅延変数Tiが対応する能動素子の伝播又は整定、遅延を含むのが好ましい。従って、サンプリング回路及び/又は増幅器の伝播遅延が1/4・Ts未満であることにより、最大1/2・fsの周波数(すなわち、ナイキスト帯域幅)において量子化ノイズノッチを配置できる。
表1に与えられたパラメータに係るDFLダイプレクサ応答は、例えば分配されたマイクロ波構成要素及びモノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)に基づく高周波数設計技術を使用して実現される。ダイプレックス・フィードバックループ113を含む例示的な実現例は、φ1の負数及び単一ビットサンプラ/量子化器114Aに対する回路160(図9Aに示された)、並びにφ1の正数及びマルチビットサンプラ/量子化器114Bに対する回路165(図9Bに示された)である。これらの実現例はシングルエンド制御インピーダンス(すなわち、50Ω)システムに基づき、遅延(e-sT)要素(例えば、遅延要素161A〜161C)は伝送線を使用して実現される。連続時間デルタ・シグマ変調器又は離散時間デルタ・シグマ変調器とは異なり、DFL回路は、高速リミッタ(又は回路165に対してマルチビット量子化器)を除いて、50Ω利得ブロック(増幅器)及び分配された受動素子(減衰器、電力分割器及び伝送線)しか必要としない。図9Aに示された例示的な回路において、量子化器114Aは、1ビット出力を生成するハードリミッタである。ハードリミッタは、高速動作及び厳密な量子化の利点を有する。ただし、図9Bのサンプラ/量子化器114Bにより示されるように、変換器分解能及び性能の安定性を改善するため、マルチビット量子化器が使用されてもよい。回路160の場合、
Figure 2014241619
である。
回路165の場合、
Figure 2014241619
である。
従って、図9A及び図9Bに示された例示的な回路において、パラメータφiは、可変減衰器163A及び163Bの値(φi=gi2を含む)により決定される。別の可変減衰器は、PINダイオード及び電界効果トランジスタ(FET)等の半導体デバイスを使用して実現されてもよく、あるいは固定抵抗回路網のスイッチドアレイを使用して実現されてもよい。更に、φiの値は、プログラム可能な利得増幅器の利得に基づいて設定されてもよい。図9A及び図9Bにおいて、増幅器152は20dBの利得Gを提供する(しかし、例えば最大約40dBの他の利得が、DFLのフィードバックパスを介して種々の信号損失を補償するように提供されてもよい。)。また、これらの実施形態において、信号加算及び信号分配は、例えば結合された伝送線、能動デバイス及び/又はリアクタンス(磁気)回路網の組合せを使用して実現されうるパワースプリッタ及びコンバイナ(例えば、162A〜162D)を介して実行される。しかし、それぞれ図9C及び図9Dの回路167(上述の回路160と同一のDFLフィルタ伝達関数を有する及び168(上述の回路165と同一のDFLフィルタ伝達関数を有する)に対して示されるように、Wyeスプリッタ/コンバイナとして知られる抵抗回路網を含む信号加算及び信号分配の他の手段が存在する。レジスティブ・スプリッタ(resistive splitter)は、動作が非常に広帯域で、なおかつサイズが非常に小さいという利点を有するが、信号損失を軽減し、増幅器利得を減少するために、リアクティブ・スプリッタ(reactive splitter)が使用される場合もある。例えば、回路167及び168の増幅器152Aは、30dBの利得を有するのが好ましい。また、本発明に係るDFL回路は種々のシステムに対して容易に適応され、基本的な設計は、一般性を損失することなく制御されていないインピーダンスデバイス(すなわち、相互コンダクタンス段)又は集中定数素子構成要素を用いた構成のために、変更可能である。例えば、伝送線ではなく遅延要素のうちのいずれか又は全てが、能動構造又はリアクタンス構造、例えば図10に示された回路170等のバッファ構造又は受動格子構造を使用して実現されてもよい。
図9A〜図9Dに示された各DFLは、2次ノイズシェイピング応答を有する。しかし、従来のDSMで使用されたMASH(すなわち、多段シェイピング)構造と同様に、並列配置に更なるDFL段を含み高次応答を作成することにより、改善されたノイズシェイピング性能を実現することが可能である。4次ノイズシェイピングDFL200を図11に示す。高次カスケード構成が更に可能であるが、一般に並列配置は、特に高次(すなわち、>3)ノイズシェイピング及び1ビットサンプリングに対して、カスケード構造より適切な安定性を示す。しかし、一般に並列構造は、デジタルインタフェースが1つの1ビット入力ではなく2つの1ビット入力を処理することを必要とする。図11に示された更なるフィルタ202及び203の伝達関数はそれぞれ、G1(z)=1及びG2(z)=1+H(z)=1+ρ1・z-1+ρ0・z-2であるのが好ましい。ただし、ρiは、G2(z)の応答が第1のDFL段のNTFに厳密に一致するように選択される。係数ρ1は、ρ1=2・cos(2・π・f/fs)に従って第1の段のNTFノッチ周波数(fnotch)に基づいて算出され、係数ρ0は、ρ0≒1となるように量子化ノイズ応答の第1の段のQに基づいて決定される。一般に高次ノイズシェイピング応答は、ノイズシェイピングフィルタに後続する移動平均再構成(又は他の再構成)バンドパスフィルタがより多くの量子化ノイズを除去できるようにする。
表1に示されるように、フィルタパラメータを量子化ノイズノッチ周波数にマッピングすることは、1対1機能ではない(例えば、非同形)。しかし、フィルタパラメータと量子化ノイズノッチ周波数は次のように関連付けられる。すなわち、(1)φi及びβiが固定の場合、量子化ノイズノッチ周波数は、主たる粗調整パラメータT1が増加するにつれて減少し、(2)βi及びTiが固定の場合、量子化ノイズノッチ周波数は、微調整パラメータφ1が増加するにつれて増加する。後者の関係性は、DFL応答をキャリブレーションして構成要素の変動を説明する方法を示唆する。図9A〜図9Dに示された2次DFLの場合、パラメータTi及びβiは、量子化ノイズ応答において相対的に狭帯域のヌル(fnotch)のおおまかな位置を決定づけ、ノッチ周波数及びその品質(Q)ファクタ(すなわち、ノッチ深度)の微細な位置は、調整パラメータφi=gi2により決定される。最終的に成形された量子化ノイズが狭帯域移動平均再構成(MAR)又は他のバンドパスフィルタを通過すると仮定すると、量子化ノイズヌルの場所がMARバンドパス応答の中心周波数と厳密に整列されない場合、MARフィルタ出力におけるノイズは、一般に最小レベルではない。可変減衰器又は可変利得増幅器を使用することにより、DFL調整パラメータφiを動的に調整できるようにするか、あるいは製造トリム動作に基づいて調整できるようにする。
一段ノイズシェイピングのための例示的な係数キャリブレーション(すなわち、調整)回路230を図12Aに示し、多段ノイズシェイピングのための例示的な回路260を図12Bに示す。DFLの量子化ノイズは入力信号に対して付加的であるため、移動平均(MAF)フィルタ238の出力におけるレベルは、付加される量子化ノイズのレベルに比例する。微調整パラメータφiが適切な周波数(すなわち、MARバンドパス応答のダウンコンバート周波数又は中心周波数)において量子化ノイズヌルを生成するように正常に調整されれば、付加される量子化ノイズは最小となる。(図12A及び図12Bに示されたような)二乗演算232又は絶対値演算を用いた移動平均フィルタ(MAF)出力においてパワーを検出することにより、MAF出力におけるレベルが最小値にされるまで、回路230の処理ブロック233又は回路260の処理ブロック263内で同時最適化、勾配下降及び/又は遺伝的原理を採用するアルゴリズム等を使用してDFL微調整パラメータφiを調整することができる。回路230に関しては、MAF出力(例えば、ブロック232において決定されるような)における出力レベルに基づいて、アルゴリズムは、微調整パラメータφiを使用して(例えば、giを変動させることにより)DFL応答における誤差を補正する制御信号235を生成する。回路260に関しては、MAF出力(例えば、ブロック232において決定されるような)における出力レベルに基づいて、アルゴリズムは、各DFL(154A及び154B)の応答において誤差を補正する制御信号265及び266を生成し、ノイズシェイピング回路の第1の段(すなわち、ブロック114及び154Aを含む段)におけるフィードバックループ利得誤差を補償するようにフィルタ203の応答を調整する制御信号264を生成する。例えば図9A及び図9Bに示されたように、ノイズシェイピング回路トポロジが微調整パラメータφiの符号に依存するため、好適なキャリブレーション手法は、ノイズシェイピング応答がφ1の厳密な正値又は負値と微調整されるように、フィルタパラメータTi及びβiを使用してfnotchのおおまかな位置を意図的に低く又は高く設定する手法である。
notchについて必要とされる正確さは一般に、有効ビット数Bによって規定されるデータ変換器の所期の分解能に依存する。例えば、量子化ノイズ応答NTFiを有するM個のブランチを含むオーバサンプリングされた変換器は、次式で表される分解能を有する。
Figure 2014241619
ただし、Fi(e2πjfT)は、移動平均再構成(MAR)フィルタの周波数応答である。ダイプレクサフィルタパラメータ(すなわち、T1、T2、T3、φ0、φ1、β0、β1、β2、β3)に対する上記の式の微分は、変換器分解能とフィルタパラメータ正確度との数学的関係を提供する。
ダイプレクサパラメータ正確度が±1%以上まで上がると、変換器の分解能は急速に向上する。9ビット以上の精度を目標とするデータ変換器アプリケーションは、±0.25%(1/29・100%)以上のダイプレクサパラメータ公差を有するのが好ましい。一方、より低い精度を必要とするデータ変換器アプリケーションは、より大きな公差に適応してもよい。例えば、一般に±3%の誤差は、5ビット以下の精度を必要とするデータ変換器アプリケーションに対して十分である。電子部品は±1%以上の正確度に製造されるが、可変減衰器又は可変利得増幅器を使用することにより、DFL微調整パラメータφiを動的に調整できるようにするか、あるいは製造トリム動作に基づいて調整できるようにする。
一般にM個のノイズシェイピングDFLは、変換器のナイキスト(1/2・fs又は正規化周波数の1/2)帯域幅にわたり間隔をおいて配置された周波数においてM個の量子化ノイズ応答ヌルを生成する。本明細書において、M個のノイズシェイピングDFLを使用する変換器100は、Mの周波数インタリーブファクタ又はMのチャネルベースのオーバサンプリング比を有するものとして説明されることもある。主に変換正確度が変換器サンプル/クロックレートと変換器出力信号帯域幅(1/2・fs/BW)との比として規定された過剰レートオーバサンプリング比(N)の関数である従来のオーバサンプリング変換器とは異なり、MBO変換器の変換正確度は、低く(好ましくは4未満、より好ましくは1)維持されるのが好ましい従来の過剰レートオーバサンプリング比(N)及び実質的にNより高い(例えば、少なくとも2・N又は少なくとも4・N)のが好ましいインタリーブファクタ(M)に依存する。従って、MBO変換器の場合、MxNとして規定される「有効」オーバサンプリング比を示すのがより適切である。ただし、Nは、1/2・fs/BWに等しい従来の過剰レートオーバサンプリング比である。なお、この有効オーバサンプリング比は、採用されるフィルタの品質に更に依存する変換器100の有効分解能とは異なる。MBO変換器100の有効オーバサンプリング比は、変換器処理ブランチの数(すなわち、周波数インタリーブファクタ)に直接依存するため、更なるノイズシェイピングDFL(又は処理ブランチ)を使用することにより、変換器サンプルレートクロックを増加させることなく上昇する。
上述したように、DFL応答のノッチ周波数(fnotch)は、関連付けられたパラメータβiと共に遅延パラメータT1により粗く決定される。サンプリングレート周期(1/fs)に対して粗調整パラメータT1を増加させる結果、一般にDFLの量子化ノイズシェイピング応答の実行命令は減少する。同様に、サンプリングレート周期(1/fs)に対して粗調整パラメータT1を減少させる結果、一般にDFLの量子化ノイズシェイピング応答の実行命令は増加する。この理由から、本発明の代表的な実施形態において、変換器の(信号)帯域幅にわたり均一に間隔をおいて配置されない周波数(fnotch)にM個の量子化ノイズ応答ヌルがあるのが好ましいこともある。これに対して、量子化ノイズヌルは、従来のΠΔΣ変換器及びMBΔΣ変換器において変換器帯域幅にわたり一様に間隔をおいて配置される。
バンドパス(信号再構成)フィルタの考慮事項
本発明の好適な実施形態に係る信号再構成において使用されるバンドパスフィルタに対する主な考慮事項は、(1)設計の複雑さ(必要な乗算及び加算によって示されるのが好ましい)、(2)周波数応答、(3)振幅及び位相の歪み、並びに(4)遅延時間である。最適な変換器−分解能性能は、急峻なロールオフ及び高いストップバンド減衰を示す周波数応答を有する量子化ノイズ低減フィルタに対して取得される。また、フィルタ応答が、振幅及び位相の歪みによる性能劣化を防止するように適切な信号−再構成特性を有するのが望ましい。例えば、従来オーバサンプリング変換器においてほぼ最適であると考えられており且つΠΔΣ変換(例えば、Galtonにおけるような)で使用されるsincP+1(コム)フィルタが、実際には、複数の処理ブランチを含む並列オーバサンプリング変換器において好まれるほぼ完璧な再構成フィルタバンク特性を示さないことが示される。また、一般にストップバンド減衰はフィルタ次数と共に増加するが、フィルタ次数の増加により、非再帰型有限インパルス応答(FIR)フィルタ等のある特定のフィルタ構造に対する処理の遅延時間が長くなる。遅延時間の短いバンドパスフィルタは、例えば制御システム及びサーボ機構を含む遅延時間が問題となるアプリケーションを支援するのが好ましい。
ΠΔΣ変換器(例えば、Galtonにおける)及びMBΔΣ変換器(例えば、Aziz及びBeydounにおける)で使用される従来の信号−再構成方法は、受け入れ不可能なレベルの振幅及び位相の歪み(例えば、従来のコムフィルタ)を発生させるか、あるいは多数の処理ブランチを含む変換器(例えば、従来のフィルタバンク及びウィンドウフィルタ)にとって問題となる程度の信号−処理の複雑さを含むため、本発明のMBO変換器に適さない。これらの理由から、MBO変換器における信号再構成は、本明細書において移動平均再構成(MAR)として説明された革新に基づくのが好ましく、結果として振幅及び位相の歪みが小さくなり、従来の手法より複雑さが著しく低くなる。
説明するバンドパスフィルタ周波数応答は、変換器の所期の分解能(B)、ノイズシェイピングフィルタ応答の次数(P)及び変換器の有効オーバサンプリング比(MxN)に依存するのが好ましい。M個のチャネルを含むオーバサンプリング変換器の場合、
Figure 2014241619
である。ただし、NTFi(e2πjfT,P)は次数Pを含むノイズシェイピングフィルタ応答、Fi(e2πjfT)はデジタル・バンドパス(信号再構成)フィルタの周波数応答、上記の式の角括弧の項は量子化ノイズ減衰の全体的なレベルを示す。また、ほぼ完璧な信号再構成の場合、デジタル・バンドパスフィルタバンクは、僅かな振幅及び位相の歪みを発生させるか、あるいはそれらを発生させないのが好ましい。ほぼ完璧な信号再構成は、好ましくは以下を要件とする。
Figure 2014241619
デジタル・バンドパスフィルタバンクがかなりの振幅及び位相の歪みを発生させる程度まで、量子化ノイズフィルタバンクの最小の信号対歪み電力比(SDR)は、変換器の所期の有効分解能(B)に依存するのが好ましく、SDR≧6・B又は1ビット当たり6dBにより近似的に与えられる。
従来オーバサンプリング変換器に対してほぼ最適であると考えられてきたsincP+1フィルタ応答は、並列処理ブランチ又は複数の処理ブランチを含むオーバサンプリング変換器に十分な信号再構成特性を提供しなくてもよい。sincP+1(コム)フィルタ伝達関数の一般帰納的形式は次式により表される。
Figure 2014241619
しかし、従来のフィルタは次式で表される伝達関数で実現される。
Figure 2014241619
ただし、
Figure 2014241619
である。従来のオーバサンプリング変換器の場合、コムフィルタ周波数応答が変換器出力レートの倍数においてスペクトルノッチを有するように、Jを変換器オーバサンプリング比にし(すなわち、J=MxN)、pをノイズシェイピングフィルタの次数より1大きくし(すなわち、p=P+1)、定数kを2にする。この構成は、従来オーバサンプリング変換器に対してほぼ最適な状態であると考えられてきた。しかし、65個の並列処理パス(M=65)及び2次ノイズシェイピング(P=2)の場合、k=2の際にsincP+1フィルタバンクは、42デシベル(dB)の量子化ノイズ減衰(すなわち、7ビットの分解能)を実現するが、フィルタバンクの信号対歪み電力比は0dB(すなわち、ゼロビットの分解能)である。65個の並列処理パス(M=65)及び4次ノイズシェイピング(P=4)の場合、k=2の際にsincP+1フィルタバンクの量子化ノイズ減衰は77dB(すなわち、13ビットの分解能)に上昇するが、フィルタバンクの信号対歪み電力比は依然として0dB(すなわち、ゼロビットの分解能)である。従って、従来の並列オーバサンプリング変換器に出力等化器を採用し、振幅及び位相の歪みを低減させると、信号対歪み電力比が上昇する。しかし、そのような出力等化器によって、sincP+1フィルタバンクの振幅及び位相の歪みは完全に除去されることはなく、回路がいっそう複雑になる。
一般に、最大10ビットの変換正確度を必要とするアプリケーションの場合、MBΔΣ(例えば、Azizにおける)変換器で使用される従来のフィルタバンク及びBeydounにより説明されたFIRウィンドウフィルタ(ハンフィルタ)は、4・N・(M−1)のインパルス応答の長さ及びfs/[N・(M−1)]の片側帯域幅に対して適切な量子化ノイズ減衰及び信号再構成特性を有する。従来のフィルタバンクは、繰り返しルーチン、スペクトルファクタ分解を使用して生成されうるパークス・マックレラン法及びウィンドウベースの方法等の従来の方法又は制約付き最適化技術を使用して設計されたプロトタイプ有限インパルス応答(FIR)に基づく。例えば、β=3のカイザー窓又はその等価物に基づく線形位相FIRプロトタイプ設計は、4次ノイズシェイピングに対して64デシベル(dB)より大きい量子化ノイズ減衰(すなわち、11ビットの分解能)及び65個の処理ブランチ(M)、並びに62dB(すなわち、10ビットの分解能)の信号対歪み電力比を保証する。
従来、これらのFIRプロトタイプローパス応答及びウィンドウフィルタ応答(Beydoun)が、バンドパスフィルタの所望の中心周波数に等しい周波数を有するコサイン波(すなわち、コサイン変調フィルタバンク)により、プロトタイプフィルタ係数の乗算を介してバンドパス応答に変換されてもよいことがよく理解されている。しかし、本発明者は、これらのフィルタが2・(M−1)の乗算及び4・(M−1)の加算を必要とするため、従来のフィルタバンクの性能が非常に高い複雑さを犠牲にして実現されるということを発見した。図13Aに示されるように、そのようなバンドパスフィルタが、妥当な帯域(ω0の中心周波数を有する)をゼロの中心周波数、すなわちローパスフィルタリング322にシフトするためのダウンコンバート320及び妥当な帯域を再度元の周波数範囲にシフトするためのアップコンバート324(Beydounにおいて説明されたような)を使用して実現される場合、一般にフィルタの複雑さが僅かに軽減される。
Beydounにより明らかに理解されないが、FIR窓フィルタと同等の特性を示すが、一般により効率的に実現される再帰型窓フィルタが存在する。例えば、a0=0.35875、a1=0.48829、a2=0.14128、a3=0.01168、L=4・(N−1)の場合に次式で表されるインパルス応答を含むローパスフィルタを考える。
Figure 2014241619
従来技術において、ブラックマン・ハリス窓フィルタとして規定されるこのフィルタは、84デシベル(dB)(すなわち、14ビットの分解能)より大きい信号対歪み電力比に加え、59dBより大きい量子化ノイズ減衰(すなわち、10ビットの分解能)を4次ノイズシェイピング及び65個の処理ブランチ(M)に提供する。重要なことに、このフィルタは、次式に等しい伝達関数を有する。
Figure 2014241619
この伝達関数は、インパルス応答の長さLに関係なく、ローパスフィルタに対して10個の乗算演算しか必要としない。ローパス応答をバンドパス応答に変換するために更なる乗算演算が必要であるが、再帰型コサイン窓フィルタは、直接FIR手法を介して依然としてかなりの複雑さの減少を示す。しかし、本発明者は、この形態の再帰型フィルタがポリフェーズ分解等の高周波数、並列処理方法を使用して実現される場合、係数ダイナミックレンジと関連付けられた複雑さのコストは、再帰型構造により与えられたあらゆる複雑さの減少を上回る。
コムフィルタ又はsincフィルタは、カスケードにされた移動平均フィルタと呼ばれることもあるより一般的な種類のローパスフィルタの部分集合であると考えられる。本発明者は、一般にコムフィルタバンクがほぼ完璧な信号−再構成特性を有さないこと、特に出力データレートの倍数における次数P+1(すなわち、sincP+1)を含むコムフィルタバンク及び周波数応答ノッチが振幅及び位相の歪みに対して非常に劣等な性能を示すことを発見した。更に本発明者は、フィルタの次数がP+1以外である場合及び/又は周波数応答ノッチが出力データレートの倍数にない場合、ある特定の種類のカスケードにされた移動平均フィルタがいくつかのコムフィルタを含むほぼ完璧な信号−再構成特性を示すことを発見した。ほぼ完璧な再構成フィルタバンクを実現するためにカスケードにされた移動平均フィルタ応答を使用することは、本明細書において移動平均再構成(MAR)と呼ばれる発明である。上述したように、移動平均再構成において利用されるコムフィルタは、整数パラメータj、k、pを含む伝達関数S(z)を有するのが好ましい。j、k、pは、以下の条件、
2≦J≦2・M・N、及び、
Figure 2014241619
により規定される空間(又はそのいずれかの部分)から選択される。ただし、kは、k≦M・N/J+1/2となるような整数である。
4次量子化ノイズシェイピングの場合、上記の条件により、結果として42dB(すなわち、7ビットの分解能)より大きい量子化ノイズ減衰レベル及び48dB(すなわち、8ビットの分解能)より大きい信号対歪み比レベルが得られる。いくつかの例示的なカスケードにされた移動平均(MA)フィルタ伝達関数に対して、表2は、4次ノイズシェイピング及び65個の処理ブランチ(M)に基づいて信号対歪み電力比(SDR)及び量子化ノイズ減衰(AQN)を与える。表2に示されるように、カスケードにされた移動平均フィルタは、280dBより大きい信号対歪み比と共に64dB(すなわち、11ビットの分解能)より大きい量子化ノイズ減衰を実現できる。大きなインタリーブファクタ(すなわち、M>8)に対して、移動平均再構成(MAR)からそれ程複雑ではない従来のコムフィルタと組み合わされた従来のフィルタバンクの優れた性能が得られるため、MBO変換器の好適な実施形態は、従来の信号−再構成手法ではなくMARを使用する。
Figure 2014241619
ほぼ完璧な再構成特性を示すこと及び高レベルの量子化ノイズ減衰を実現することに加えて、表2に与えられた種類のカスケードにされた移動平均フィルタは、乗算演算を必要としないためにあまり複雑ではない。例えば表2に与えられた最後のフィルタは、図14Aのフィルタ340により示されるように、フィルタの長さ(L=4・M−2)及び4・M+3レジスタに依存せずに6個の加算しか必要としない。これらの移動平均フィルタを使用することにより、唯一必要な乗算演算は、ローパス応答をバンドパス応答に変換するのに必要な演算である。直接デジタル合成(例えば、サインルックアップメモリ/コサインルックアップメモリを含むデジタル・アキュムレータを採用する)が、直交ダウンコンバート動作及び直交アップコンバート動作に必要なcos(ω0t)及びsin(ω0t)として図13Bに示されるサイン(xn)系列及びコサイン(yn)系列を生成するために使用される場合、直交ダウンコンバート及び直交アップコンバートに基づくバンドパス変換は、4個の乗算しか必要としない。あるいは、サイン(xn)系列及びコサイン(yn)系列が、次式で表される差分方程式により示されるようなメモリを必要としないCORDIC(すなわち、座標回転デジタルコンピュータ)又は他の再帰型フィルタ機能を使用して生成されてもよい。
Figure 2014241619
特に8より大きいインタリーブファクタ(M)に対してそのような構造が計算の複雑さにおいてかなりの減少を提供するため、上述のフィルタ340等のカスケードにされた移動平均フィルタ(MAF)を使用するMARが一般に好まれるが、従来のフィルタバンク及び窓フィルタの手法は、小さなインタリーブファクタに同等の複雑さ又はより少ない複雑さを提供できる。
M=5のインタリーブファクタの場合、一様に間隔をおいて配置された中心周波数を含む上述の移動平均フィルタ340(すなわち、表2の最後のエントリ)に基づいて、且つダウンコンバート処理及びアップコンバート処理の周波数−変換効果を説明した後、移動平均再構成(MAR)システムの周波数応答を図15に示す。これらのバンドパスフィルタの各々は、通過帯域領域350、全ての周波数が少なくとも25dBの減衰で抑制される(結果として、4次ノイズシェイピングに対して64dBの量子化ノイズ減衰となる)ストップバンド領域352及び通過帯域領域350とストップバンド領域352との間の遷移領域354を含む。ゼロ周波数において中心に置かれるフィルタの場合、遷移領域354は、通過帯域領域350とほぼ同一の帯域幅のみを共に占有する。ゼロ周波数において中心に置かれたフィルタ以外の全てのフィルタの場合、遷移領域354は、通過帯域領域350の帯域幅の約半分のみを共に占有する。また、そのようなフィルタバンクの振幅及び位相の歪みは、ほぼ完璧な再構成特性を示さないフィルタ(例えば、sincP+1フィルタ)のバンクと比較して重要ではない。
ノイズシェイピングフィルタの考慮事項の節において説明したように、本発明の代表的な実施形態は、複数の処理チャネル(M)を採用する。複数の処理チャネル(M)は、粗調整(遅延)パラメータ(T1)上でノイズシェイピングフィルタ応答に依存するために、量子化ノイズノッチ周波数(fnotch)は均一に間隔をおいて配置されず、量子化ノイズシェイピング応答の次数(P)は変換器処理ブランチにわたり同一ではない。本発明のこの代表的な実施形態において、MARフィルタ中心周波数及び帯域幅は、更に不均一ではなく、それぞれの処理ブランチにおいてノッチ周波数(fnotch)と整列され且つDFLのノイズシェイピング次数(P)に依存するのが好ましい。相対的に高次ノイズシェイピング応答(すなわち、1/fsに対してより低いT1)を含むDFLの場合、MARフィルタがより広い(好ましくは、比例してより広い)帯域幅を有するのが好ましい。逆に、相対的に低次ノイズシェイピング応答(すなわち、1/fsに対してより高いT1)を含むDFLの場合、MARフィルタがより狭い(好ましくは、比例してより狭い)帯域幅を有するのが好ましい。これらの不均一な条件下で、MAR方法を使用してほぼ完璧な信号再構成を実現することが依然として可能である。
非常に高い変換レートを含むアプリケーションにおいて、ポリフェーズ分解に基づくマルチレートフィルタ構造は、移動平均再構成回路網(例えば、デジタル乗算器及びデジタル加算器)が動作するクロック速度を大幅に下げる。例えば、次式で表される伝達関数を含む移動平均演算を考える。
Figure 2014241619
移動平均演算は、次の差分方程式
Figure 2014241619
により示されるため、第1の2つの出力サンプル(すなわち、n=1,2)に対する差分方程式は、次式のようになる。
Figure 2014241619
1をy2に置換する結果、
Figure 2014241619
であり、上記した式は次のように一般化できる。
Figure 2014241619
nの算出には先の例において2つ以上のサンプルにより遅延された入力及び出力しか必要ないため、移動平均関数は、各々が有効クロックレートの半分で実行する2つのポリフェーズ処理パスを含む構造として実現されうる。
上述の技術は、更なるハードウェアを使用してポリフェーズ処理パスの数を増加することによりクロックレートを更に低下させるためにも適用される。例えば図14Bは、4つのポリフェーズ処理パス(すなわち、m=4のポリフェーズ分解ファクタ)を使用して実現された移動平均フィルタ380に対するブロック図を示す。図14Aに示されるように、移動平均フィルタの基本的な再帰型形態は、2個の加算器及びM個のレジスタを必要とする。また、図14Bに示されるように、m=4のポリフェーズ分解ファクタに対して、フィルタのマルチレート実現例は、24個の加算器及びM/nの整数比の場合に4・M+7個のレジスタを必要とする。一般に、mのポリフェーズ分解ファクタ及びM個の処理ブランチに対して、マルチレート移動平均フィルタは、m2+2・m個の加算器及びM/nの整数比の場合にm・(M+2)−1個のレジスタを必要とする。従って、レジスタを無視すると、マルチレート移動平均フィルタは、フィルタの基本形態に対するO(m2)に従って複雑になる。
従来のsincP+1フィルタと比較して、表2の結果は、カスケードにされた移動平均フィルタが優れた信号対歪み比性能を含む同等の量子化ノイズ減衰を提供することを示す。カスケードにされた移動平均フィルタに対する更なる利点は、より低い処理遅延時間である。fCLKを有効フィルタクロックレートとすると、処理遅延時間は、latency≒L/(2・fCLK)となるようにフィルタの長さ(L)により決定される。特に、4次ノイズシェイピング(L=10・M−4)の場合の従来のsincP+1フィルタと比較して、表2の最後の行に与えられたカスケードにされた移動平均フィルタ応答は、2xを上回る遅延時間平均(L=4・M−2)を有する。この平均は、制御システム及びサーボ機構を含むアプリケーションにおいて重要である。
全体的な変換器の考慮事項
(例えば、図6に示されたような)MBO変換器技術の瞬時帯域幅は、サンプリング/量子化回路114の最大サンプルレート(fs)によってのみ制限される。その結果、このサンプルレートは、現在10GHzより大きい瞬時帯域幅を有する高速比較器(すなわち、1ビット量子化器)として回路114を実現することにより最大になる。そのような帯域幅を有する比較器は、SiGe及びInPTMの集積回路処理技術で市販されている。
上述したように、MBO変換器の分解能性能は、インタリーブファクタ(すなわち、処理ブランチの数M)、DFLノイズシェイピング応答の次数を増加させ、かつ/あるいはMARバンドパスフィルタの品質を高めることにより変換器サンプルレートを上げることなく向上可能である。また、従来のオーバサンプリング変換器と同様に、MBO変換器技術は、他の高速変換器アーキテクチャの性能を劣化させるクロックジッタ及び熱ノイズ等の欠陥に対しては比較的、低感度である。これは、クロックジッタ及びハードリミッタ(コンパレータ)ノイズ等の欠陥が量子化ノイズと同様にノイズシェイピングに左右されるためであり、MARバンドパスフィルタ(例えば、フィルタ115及び125)による著しい減衰を可能にする周波数応答を示す。
種々のインタリーブファクタ及びDFLノイズシェイピング次数に対するMBO変換器の分解能性能のシミュレーション結果を、表3に示す。
Figure 2014241619
従来の方法との比較において、以下、要約する。マルチチャネル・バンドパス・オーバサンプリング変換器は、以下の点とともに、高分解能、線形/離散信号変換(ADC変換)を提供することができる。
・1ビットコンパレータの最大クロック周波数によってのみ制限される瞬時帯域幅(例えば、市販のSiGe又はInPTM処理技術による10GHzより大きい瞬時帯域幅)、
・瞬時帯域幅又はサンプルレートに依存しない変換分解能及び正確度、
・処理ブランチの数の関数(インタリーブファクタ)、DFLアレイにおけるノイズシェイピング応答の次数及びMAFバンドパスフィルタの品質であるスケーラブルな変換分解能(すなわち、インタリーブファクタの増加、ノイズシェイピング次数の増加、及び/又はバンドパスフィルタ品質の向上とともに向上する変換正確度)、
・ノイズシェイピングのために、整定時間、帯域幅及び利得に影響を及ぼすクロックジッタ、熱ノイズ、量子化誤差、並びに部品公差等の従来のアナログ/デジタル変換器の欠陥に対して比較的低感度な変換器分解能、
・分配されたマイクロ波設計原理を使用して実現され、かつ比較的単純な制御ループ及び誤差計測値を使用して能動的にキャリブレーションされるダイプレックス・フィードバックループに基づく連続時間ノイズシェイピング、
・複雑性の低い移動平均フィルタ及び必要なクロックレートを低下するためにポリフェーズ分解を使用して実現されるデジタル信号処理動作、
・周波数インタリーブとバンドパス・オーバサンプリングとを組み合わせて、複雑なアナログ信号再構成フィルタ(すなわち、分析/合成フィルタバンク)の必要をなくした新規の方法。
図16は、図7に示された種類の一段DFLノイズシェイピング及びMARの好適な方法による信号再構成を有する(すなわち、それぞれのブランチにおいて処理されている周波数帯域の中心に対応するフィルタ中心周波数を含む)完全なMBO変換器400を示す。図17は、図7に示された種類の一段DFLノイズシェイピング及び従来のフィルタバンクの別の方法による信号再構成を有する完全なMBO変換器420を示す。図18は、図7に示された種類の一段DFLノイズシェイピング及び離散フーリエ変換による線形畳み込みを使用することにより実現されるバンドパスフィルタを有する完全なMBO変換器440を示す。
各DFLノイズシェイピング回路への入力が高インピーダンス(>200Ω)であるもののために設計されるため、図19に示されるように、単一の制御インピーダンス伝送線450から複数のノイズシェイピング回路113を「引き出す(tap off)」ことが可能である。200Ωより大きい入力インピーダンスを有するノイズシェイピング回路113を含む50Ωシステムの場合、8個より少ないノイズシェイパー113が同一の伝送線450から引き出され、信号保全のかなりの損失を防止するのが好ましい。タップ伝送線の配置により、アレイにおいて複数のノイズシェイパーへのデータ変換器の単一のアナログ入力の分配を簡略化する。図19に示されるように、このタップ伝送線技術は、例えばパワースプリッタ451、mアレイ・ダイプレクサ452、及び分配増幅器453を採用する従来の信号分配手法と組み合わされ、シグナルインテグリティと、加法性ノイズと、回路の複雑さとの間で最適なトレードオフを達成する。特に、図19は、12個のノイズシェイパー113を含むシステムにおいてパワースプリッタ451の方法と、トリプレクサ452の方法と、分配増幅器453の方法と、切断された伝送線450の方法とを組み合わせる例示的な一実施形態を示す。
変換器アレイにおけるDFL間の深刻な伝播スキュー(すなわち、遅延オフセット)は、変換器正確度を劣化させる。従って、アナログ入力信号がアレイにおいて同等の(又はほぼ同等の)遅延で各ノイズシェイパーの出力に伝播することを保証するため、タップ伝送線により発生した伝送遅延は、図19に示されるようにDFL出力において付加された遅延454により補償されるのが好ましい。図19に示された例示的な実施形態において、アナログ入力と12個のDFL出力の各々との間の遅延は、τ’’+τ’+2τである。
なお、最後に、ブランチ(例えば、110又は120)により処理された周波数帯域は等しい幅であってもよいし、異なる幅であってもよい。すなわち、変換器出力帯域幅にわたり均一に間隔をおいて配置される周波数ではなく、そのような周波数は不均一に間隔をおいて配置されてもよい。
システム環境
一般に、特に指示のない限り、本明細書において説明した全てのシステム、方法、機能性及び技術は、1つ以上のプログラム可能な汎用演算装置を使用して実施されうる。一般にそのようなデバイスは、例えばコモンバス等を介して互いに相互接続された以下の構成要素、すなわち1つ以上の中央処理装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、他のデバイスとインタフェースする(例えば、シリアルポート、パラレルポート等のハードワイヤード接続、USB接続又はファイヤーワイヤー接続を使用して、あるいはBluetooth(登録商標)等の無線プロトコル又は802.11プロトコルを使用して)入出力ソフトウェア及び回路網、例えばイーサネットカード等のハードワイヤード接続、符号分割多元接続(CDMA)、汎ヨーロッパデジタル移動通信システム(GSM(登録商標))、Bluetooth(登録商標)、802.11プロトコル等の無線プロトコル、あるいは結果として本発明の多くの実施形態においてインターネット又は他のあらゆるネットワークへの接続をネットワーク接続する他のあらゆるセルラ式のシステム又はセルラ式でないシステムを使用して1つ以上のネットワークを接続するソフトウェア及び回路網、ディスプレイ(例えば、ブラウン管ディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機発光ディスプレイ、ポリマ発光ディスプレイ又は他のあらゆる薄膜ディスプレイ)、他の出力デバイス(例えば、1つ以上のスピーカ、ヘッドホンセット及びプリンタ)、1つ以上の入力デバイス(例えば、マウス、タッチパッド、タブレット、タッチセンシティブディスプレイ又は他のポインティングデバイス、キーボード、キーパッド、マイク及びスキャナ)、大容量記憶装置(例えば、ハードディスクドライブ)、リアルタイムクロック、取り外し可能な読み取り/書き込み記憶装置(例えば、RAM、磁気ディスク、磁気テープ、光磁気ディスク又は光ディスク等に対して読み書きするもの)、並びにモデム(例えば、ファックスを送出するか、あるいはダイヤルアップ接続を介してインターネット又は他のあらゆるコンピュータネットワークに接続するもの)のうちの少なくともいくつかを含む。動作する際、上述の方法及び機能性を実現する処理ステップは、一般に、そのような汎用コンピュータにより実行される程度まで、最初に大容量記憶装置(例えば、ハードディスク)に格納され、RAMにダウンロードされ、その後RAMからCPUにより実行される。しかし、処理ステップは、最初にRAM又はROMに格納される場合もある。
本発明を実現するために使用するのに適したプログラム可能な汎用デバイスは、さまざまなベンダーから取り寄せることが可能である。種々の実施形態において、種々のデバイスは、タスクのサイズ及び複雑さに依存して使用される。例えばそのようなデバイスには、スタンドアロンであるか、ネットワークにハードワイヤードされるか、あるいはネットワークに無線接続されるかに拘らず、メインフレームコンピュータ、マルチプロセッサコンピュータ、ワークステーション、パーソナルコンピュータ及び/又はPDA、無線電話、あるいは他のあらゆるプログラム可能な機器又はデバイス等が含まれる。
また、プログラム可能な汎用デバイスを上述したが、別の実施形態において1つ以上の専用プロセッサ又は専用コンピュータが代わりに(又は更に)使用される。なお、一般に、特に指示のない限り、上述の機能性のうちのどれも、ソフトウェア及び/又はファームウェアを実行する汎用プロセッサ、専用の(例えば、論理ベースの)ハードウェア、あるいはそれらのあらゆる組合せにより実現されてもよく、特定の実現例は既知の技術的トレードオフに基づいて選択される。特に、当業者により容易に理解されるように、上述のあらゆる処理及び/又は機能性は、固定の方法、所定の方法及び/又は論理的な方法で実現される場合、プログラミング(例えば、ソフトウェア又はファームウェア)、論理構成要素(ハードウェア)の適当な構成、あるいはその2つのあらゆる組合せを実行する汎用プロセッサにより達成される。換言すると、論理演算及び/又は算術演算をプロセッサ内でそのような演算を実行する命令及び/又はそのような演算を実行する論理ゲート構成に変換する方法が適切に理解される。実際には、一般にコンパイラは、双方の種類の変換に対して使用できる。
本発明は、本発明の方法及び機能性を実行するソフトウェアプログラム命令又はファームウェアプログラム命令(すなわち、コンピュータが実行可能な処理命令)を格納する有形の機械が読み取り可能な媒体に更に関することが理解されるべきである。そのようなメディアは、例として、磁気ディスク、磁気テープ、CD ROM及びDVD ROM等の光学可読媒体又はPCMCIAカード、種々のメモリカード等の半導体メモリ、USBメモリ装置等を含む。各々の場合、媒体は、例えばミニチュアディスクドライブ又は小型のディスク、ディスケット、カセット、カートリッジ、カードスティック等の形態を取ってもよく、あるいはコンピュータ又は他のデバイスに提供されたハードディスクドライブ、ROM又はRAM等の相対的により大きな製品、すなわち固定の製品の形態をとってもよい。本明細書において使用されるように、特に指示のない限り、コンピュータが読み取り可能な媒体又は機械が読み取り可能な媒体上に格納されたコンピュータが実行可能な処理ステップを参照することは、そのような処理ステップが単一の媒体上に格納される状況及びそのような処理ステップが複数のメディアを介して格納される状況を含むことを意図する。
上述の説明は、主に電子コンピュータ及び電子デバイスを強調した。しかし、他のあらゆる演算又は他の種類のデバイス、例えば基本的な論理演算及び/又は算出演算を実行できる電子処理と、光学処理と、生物学処理と、化学処理とのあらゆる組合せを利用するデバイスが代わりに使用されてもよいことが理解されるべきである。
また、特に指示のない限り、本発明がプロセッサ、コンピュータ、サーバデバイス、コンピュータが読み取り可能な媒体又は他の記憶装置、クライアントデバイス、あるいは他のあらゆる種類のデバイスを参照する場合、そのように参照することは、複数のそのようなプロセッサ、コンピュータ、サーバデバイス、コンピュータが読み取り可能な媒体又は他の記憶装置、クライアントデバイス、あるいは他のあらゆるデバイスを含むものとして理解されるべきである。例えば、一般にサーバは、例えば適当な負荷分散で単一のデバイス又はサーバデバイスのクラスタ(局所的に又は地理的に分布した)を使用して実現されてもよい。
更なる考慮事項
本発明のいくつかの異なる実施形態を各々がある特定の特徴を含むものとして上述した。しかし、当業者により理解されるように、いずれかの単一の実施形態の説明と共に説明した特徴は、その実施形態に限定されず、他の実施形態のうちのいずれかの種々の組合せにも含まれてもよく、かつ/あるいは配置されてもよいことを意図する。
同様に、上述の説明において、機能性は、特定のモジュール又は構成要素に帰することもある。しかし、一般に機能性は、種々のあらゆるモジュール又は構成要素間に要望に応じて再分配されてもよく、特定の構成要素又はモジュールに対する必要性を完全に不要にし、且つ/あるいは新たな構成要素又はモジュールの負荷を必要とすることもある。当業者により理解されるように、本発明の特定の実施形態を参照して、既知の技術的トレードオフに従って機能性が厳密に分配されるのが好ましい。
従って、本発明の例示的な実施形態及び添付の図面に関して本発明を詳細に説明したが、本発明の主旨及び範囲から逸脱することなく本発明の種々の適応例及び変形例が実行されうることは、当業者には明らかであろう。従って、本発明は、図示され且つ上述された厳密な実施形態に限定されない。本発明の主旨から逸脱しない全てのそのような変形は、添付の請求の範囲によってのみ限定されるような本発明の範囲内にあるものとして考えられることを意図する。
本願は、2009年6月26日付けで出願され、発明の名称を"Method of Linear to Discrete Signal Transformation using Orthogonal Bandpass Oversampling (OBO)"とする米国仮特許出願第61/221009号、及び、2009年12月29日付けで出願され、発明の名称を"Sampling/Quantization Converters"とする米国仮特許出願第61/290817号の利益を主張するものである。この引用により、両出願の開示内容は全て、本明細書に組み込まれる。
ほぼ完璧な再構成特性を示すこと及び高レベルの量子化ノイズ減衰を実現することに加えて、表2に与えられた種類のカスケードにされた移動平均フィルタは、乗算演算を必要としないためにあまり複雑ではない。例えば表2に与えられた最後のフィルタは、図14Aのフィルタ340により示されるように、フィルタの長さ(L=4・M−2)及び4・M+3レジスタに依存せずに6個の加算しか必要としない。これらの移動平均フィルタを使用することにより、唯一必要な乗算演算は、ローパス応答をバンドパス応答に変換するのに必要な演算である。直接デジタル合成(例えば、サインルックアップメモリ/コサインルックアップメモリを含むデジタル・アキュムレータを採用する)が、直交ダウンコンバート動作及び直交アップコンバート動作に必要なcos(ω0t)及びsin(ω0t)として図13Bに示されるサイン(xn)系列及びコサイン(yn)系列を生成するために使用される場合、直交ダウンコンバート及び直交アップコンバートに基づくバンドパス変換は、4個の乗算しか必要としない。あるいは、サイン(xn)系列及びコサイン(yn)系列が、次式で表される差分方程式により示されるようなメモリを必要としないCORDIC(すなわち、座標回転デジタルコンピュータ)又は他の再帰型フィルタ機能を使用して生成されてもよい。
Figure 2014241619

Claims (39)

  1. 連続時間連続可変信号をサンプリングされ量子化された信号に変換する装置であって、
    時間的に連続し且つ連続可変である入力信号を受け入れる入力線と、
    前記入力線に結合された複数の処理ブランチであって、各処理ブランチが、(a)量子化ノイズシェイピング連続時間フィルタと、(b)前記量子化ノイズシェイピング連続時間フィルタの出力に結合されたサンプリング/量子化回路と、(c)前記サンプリング/量子化回路の出力に結合されたデジタル・バンドパスフィルタと、(d)前記サンプリング/量子化回路の前記出力を再度前記量子化ノイズシェイピング連続時間フィルタに結合する線と、を含む複数の処理ブランチと、
    前記複数の処理ブランチの出力に結合された加算器と、
    を有し、
    前記量子化ノイズシェイピング連続時間フィルタの各々は、複数の入力と出力とを含む加算器を備え、前記入力信号が前記加算器の前記複数の入力のうちの1つに結合され、前記加算器の前記出力が第1のフィルタを介して前記加算器の前記複数の入力のうちの1つに結合され、同一の処理ブランチにおける前記サンプリング/量子化回路の前記出力が、前記第1のフィルタとは異なる伝達関数を有する第2のフィルタを介して前記加算器の前記複数の入力のうちの1つに結合され、
    前記複数の処理ブランチの各処理ブランチにおける前記量子化ノイズシェイピング連続時間フィルタは、それぞれ異なる周波数において量子化ノイズ最小値を有し、
    前記量子化ノイズシェイピング連続時間フィルタの各々に対する前記量子化ノイズ最小値は、同一の処理ブランチにおける前記デジタル・バンドパスフィルタにより選択された周波数帯域に対応する
    ことを特徴とする装置。
  2. 前記複数の処理ブランチは合計M個の処理ブランチを含み、
    対応する処理ブランチに対する周波数帯域の帯域幅をBWとするとき、前記サンプリング/量子化回路は、毎秒2・N・BW個のサンプルのレートでサンプリングし、MxNは少なくとも16である
    ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
  3. 前記複数の処理ブランチは、少なくとも16個の処理ブランチを含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
  4. 前記量子化ノイズシェイピング連続時間フィルタの各々は、分布定数素子構成要素と、モノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)とを含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
  5. 前記量子化ノイズシェイピング連続時間フィルタの各々は、前記サンプリング/量子化回路により使用されたサンプリング周期の少なくとも1/4の遅延を提供する遅延要素を組み込むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
  6. 前記量子化ノイズシェイピング連続時間フィルタの各々は、前記サンプリング/量子化回路により使用されたサンプリング周期の少なくとも1/2の遅延を提供する遅延要素を組み込むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
  7. 前記量子化ノイズシェイピング連続時間フィルタは2次であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  8. 前記量子化ノイズシェイピング連続時間フィルタは4次であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  9. 前記複数の量子化ノイズシェイピング連続時間フィルタのノッチ周波数は、不等な周波数間隔で間隔をおいて配置されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  10. 前記複数の処理ブランチの各々における前記デジタル・バンドパスフィルタは、周波数ダウンコンバータと、ローパスフィルタと、周波数アップコンバータとを含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
  11. 前記デジタル・バンドパスフィルタは、前記装置の出力データレートの倍数以外の周波数において共同でスペクトルノッチを提供するカスケードにされた移動平均演算部を含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
  12. 前記デジタル・バンドパスフィルタのうちの少なくとも1つは、ポリフェーズ分解構造として実現されることを特徴とする請求項11に記載の装置。
  13. 前記ポリフェーズ分解構造のポリフェーズ分解ファクタは、処理ブランチの数Mの約数であることを特徴とする請求項12に記載の装置。
  14. 前記複数の処理ブランチの各々における前記サンプリング/量子化回路は1ビット量子化器であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  15. 前記複数の処理ブランチの各々における前記サンプリング/量子化回路はマルチビット量子化器であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  16. 前記複数の処理ブランチの各々における前記サンプリング/量子化回路は、少なくとも1ギガヘルツ(GHz)の周波数でサンプリングすることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  17. 前記複数の処理ブランチにおける各処理ブランチの前記デジタル・バンドパスフィルタは、総合すると所望の周波数範囲にわたる、それぞれ異なる周波数帯域を選択することを特徴とする請求項1に記載の装置。
  18. 前記複数の処理ブランチの各処理ブランチの前記デジタル・バンドパスフィルタは、(i)不等間隔に配置される中心周波数、及び、(ii)互いに全て等しいわけではない帯域幅、のうちの少なくとも1つを有することを特徴とする請求項1に記載の装置。
  19. 前記複数の処理ブランチの各々における前記デジタル・バンドパスフィルタは、少なくも40dBで成形された量子化ノイズを減衰させることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  20. 前記複数の処理ブランチの各々における前記デジタル・バンドパスフィルタは、少なくも60dBで成形された量子化ノイズを減衰させることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  21. 前記複数の処理ブランチの各々における前記デジタル・バンドパスフィルタは、少なくも80dBで成形された量子化ノイズを減衰させることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  22. 前記複数の処理ブランチの各々における前記デジタル・バンドパスフィルタは、データ変換器信号レベルを下回る40dB未満に制限された全歪み電力を発生させることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  23. 前記複数の処理ブランチの各々における前記デジタル・バンドパスフィルタは、データ変換器信号レベルを下回る50dB未満に制限された全歪み電力を発生させることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  24. 前記量子化ノイズ最小値は、前記変換器出力データレートに対して互いに少なくとも略直交である周波数の集合において前記量子化ノイズシェイピング連続時間フィルタにより提供されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  25. 過剰レートオーバサンプリング比をN、処理ブランチの数をMとするとき、
    前記複数の処理ブランチの各々における前記デジタル・バンドパスフィルタは、少なくとも2・N・(M−1)のインパルス応答の長さを有するデジタル有限インパルス応答(FIR)フィルタを含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
  26. 過剰レートオーバサンプリング比をN、処理ブランチの数をMとするとき、
    前記複数の処理ブランチの各々における前記デジタル・バンドパスフィルタは、少なくとも4・N・(M−1)のインパルス応答の長さを有するデジタル有限インパルス応答(FIR)フィルタを含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
  27. 前記デジタル・バンドパスフィルタは、ポリフェーズ分解構造として実現されることを特徴とする請求項26に記載の装置。
  28. 前記入力信号を複数の前記量子化ノイズシェイピング連続時間フィルタに提供するタップ伝送線分配構造を更に有することを特徴とする請求項1に記載の装置。
  29. 前記複数の処理ブランチは少なくとも4つの処理ブランチを含み、
    前記複数の処理ブランチの各々において、
    前記量子化ノイズシェイピング連続時間フィルタは、少なくとも2次フィードバックフィルタであり、
    前記サンプリング/量子化回路は、少なくとも1ギガヘルツ(GHz)の周波数でサンプリングし、
    前記デジタル・バンドパスフィルタは、少なくとも40dBで成形された量子化ノイズを減衰させ、データ変換器信号レベルを下回る40dB未満に制限された全エイリアシング歪み電力を発生させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
  30. 前記量子化ノイズシェイピング連続時間フィルタの少なくとも1つの構成要素のパラメータを調整する能動キャリブレーション構成要素を更に有することを特徴とする請求項1に記載の装置。
  31. 前記バンドパスフィルタは、離散フーリエ変換を使用して線形畳み込みにより実現されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  32. 発生する可能性のある信号伝播遅延スキューを補償するために前記量子化ノイズシェイピング連続時間フィルタの出力において遅延要素を更に有することを特徴とする請求項1に記載の装置。
  33. 前記量子化ノイズシェイピング連続時間フィルタの各々は、利得構成要素及び遅延要素のみから構成されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  34. 前記量子化ノイズシェイピング連続時間フィルタの各々は、前記サンプリング/量子化回路に入力される第1の信号及び前記サンプリング/量子化回路から出力される第2の信号を別個にフィルタリングし、該フィルタリングされた前記第1の信号と前記第2の信号とを組み合わせることを行うものであり、
    前記第1の信号のフィルタリング及び前記第2の信号のフィルタリングはそれぞれ、振幅及び位相のうちの少なくとも1つを実質的に変更する
    ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
  35. 前記第1の信号のフィルタリング及び前記第2の信号のフィルタリングはそれぞれ、前記サンプリング/量子化回路(Ts)と、1/Ts未満である3dB帯域幅のローパスフィルタリングとにより使用されたサンプリング周期の1/4以上の遅延を生じることを特徴とする請求項34に記載の装置。
  36. 前記第1の信号のフィルタリング及び前記第2の信号フィルタリングはそれぞれ、伝送線を使用して実現される遅延要素を有することを特徴とする請求項35に記載の装置。
  37. 前記量子化ノイズシェイピング連続時間フィルタは、2次応答により量子化ノイズを成形することを特徴とする請求項34に記載の装置。
  38. 前記量子化ノイズシェイピング連続時間フィルタは、4次応答により量子化ノイズを成形することを特徴とする請求項34に記載の装置。
  39. 前記デジタル・バンドパスフィルタは、前記量子化ノイズシェイピング連続時間フィルタの次数に1を加えた値の次数以外の組合せ次数でカスケードされた移動平均演算から構成されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
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