JP2007053358A - 発光素子 - Google Patents

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JP2007053358A JP2006213533A JP2006213533A JP2007053358A JP 2007053358 A JP2007053358 A JP 2007053358A JP 2006213533 A JP2006213533 A JP 2006213533A JP 2006213533 A JP2006213533 A JP 2006213533A JP 2007053358 A JP2007053358 A JP 2007053358A
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Abstract

【課題】本発明は、基板とエレクトロルミネセント物質を含む発光層とを有する発光素子を提供する。
【解決手段】上記発光層(p−n接合)が、p電極層を有するp型クラッド層とn電極層を有するn型クラッド層との間に挟まれている、発光素子に関する。該発光素子は、その光射出表面上に光制御部分が被着されていることを特徴とする。この光制御部分は、少なくとも1つの光トンネリング層を含む。この光トンネリング層の屈折率は、発光層からの主要発出光の波長との関係において、基板、クラッド層および電極層の各屈折率よりも低い、屈折率を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、発光ダイオード(LED)、共振空洞LEDおよび平面型LED(例えば、有機LED(OLED))といった発光素子に関する。特に、本発明は、少なくとも光トンネリング層により構成される光制御部分を備える半導体発光素子に関する。
エレクトロルミネセンス(EL)発光素子は基本的に、近紫外線(UV)スペクトルから赤外線(IR)スペクトルまで動作することができる材料を用いた、基本的に活性層およびクラッド層からなる発光部分を含んでいる。該材料には、III−VおよびII−VI群半導体、半導体重合体および,特にIII−窒化物、III−リン化物およびIII−ヒ化物(例えばGaN、AlGaN、AlInGaN、AlGaInP、GaAlP、GaAsP、GaAsおよびAlGaAs)といった2元、3元および4元合金材料が含まれる。少なくともn型層およびp型層で形成された発光層を含む半導体積層部分が、半導体基板、誘導体基板、またはガラス基板の上に形成される。そこに電界が加えられたときに、陽極から注入された正孔および陰極から注入された電子は発光層内で再結合し、その中で光子が発生する。一般に採用されている構成例は、クラッド層の間には発光層が挟まれているものである。基板は、積層バッファ層の一部分および底面反射層を含む。電流の拡散/拡大層は積層の表面上に形成され、従って発光層内に電流を効率良く注入することができる。素子の表面全体の上には保護層が形成される。その上の表面上にはボンディング電極が部分的に形成される。この底面反射層は、高い熱散逸と高い反射機能を提供するもので、高い電流密度動作を可能にすべく低い熱抵抗で設計されている。
基本的に、上述の発光素子については、発光層から生成され素子から周囲空気内へ射出する光子をEL発光素子が発出することが認められている。素子の屈折率と周囲の媒質の屈折率との間の差を考慮する場合、全反射について素子/周辺(周囲)媒質における比較的小さい臨界角が存在し、これは発光層内の内部光再吸収と組合わされて、結果として、その内部量子効率よりも実質的に低い外部量子効率、すなわち、いわゆる臨界角損失をもたらすことになる。従って、取出し効率または外部量子効率は、素子の外部または周囲に射出する光の効率として定義づけられる。
素子の発光波長におけるそれを形成する半導体材料の屈折率は周辺の材料、標準的にはその素子がパッケージングまたは封入されるエポキシまたは空気の屈折率よりも大きいことから、臨界角は、屈折率の不整合の比率に応じて、
Figure 2007053358
という公式から求められる。なお、n1およびn2は、それぞれ入射および屈折媒質の屈折率である。臨界角よりも小さい入射角をもつ光のみが界面を通って透過されることになる。すなわち、図1に示すように、臨界角に等しい頂角をもつ発光のための射出円錐形が存在する。等方性角度分布およびフレネレ反射損失をもつ非偏光光が含まれていると仮定すると、界面に達するものと比べた界面を通って透過する光の比率は、下記により求められる。
Figure 2007053358
かくして、全反射(「TIR」Total Internal Reflection)に起因する損失は、素子の内側の屈折率と外側の屈折率との比率と共に急速に増大する。具体的には、立方体形の素子については、このような界面または射出円錐形は6つあり、損失は6倍となるはずである。従って、全体の発光効率に重大な劣化が生じる。
例えば、GaAs、GaN、サファイア、ITO(InSnO)およびガラスが素子の最上部表面用の標準的な材料である場合、それらの屈折率はそれぞれ3.4、2.4、1.8、2.25および1.5であり、空気へ射出するための外部効率はそれぞれ2.2%、4.3%、8.7%、5.2%および11%となる。発光層から生成される光の大部分は、素子の内側に捕捉される。界面の屈折率の過度に大きい差は、EL発光素子が遭遇する主要な問題である。発光層が生成する光は光学的に等方性角度分布光源での非偏光発出光として特徴づけられることから、光子は全ての露出表面を通して素子から外に射出する。従って、EL発光素子のための一般的なパッケージング設計概念は、射出光を所望の出力方向へそして射出円錐形内に再度方向づけすることにある。
取出し効率を増大するために先行技術において多数の方法が教示されており、これらは、次の4つの態様、(I)発光速度の増強、(II)素子内部の吸光損失の削減、(III )射出円錐形と円錐角の数の増加、および(IV)射出円錐形に入る確率の増大、に分けることができる。発光素子内部のコンタクト電極、発生層または基板の吸光特性に起因して、素子の発光特性および吸光特性は、素子の積層構造の影響を受ける。
米国特許公開第20040211969号は、屈折率が厚み方向に発出表面に向かって漸進的に減少する構造と共に光取出し層の使用を開示している。その結果、前記射出円錐形の角度は発出された光の透過方向に沿って拡張し、内部反射は漸進的に低減される。一方、米国特許公開第20050062379号は、その屈折率が発光素子の発光層に向かって漸進的に増大し、基板は光制御層のものよりも低い屈折率を有する、基板と電極の間にある構造を光制御層に具備することを開示している。発光層の点光源から発出される球形波面は、平面波形波面に変換されることが可能であり、こうして全反射は、基板と周囲媒質との間の界面において低減される。いずれの方法共、使用される材料およびその複雑な光学多重層の製造プロセスにより決定的に左右され、従って、そのコストおよび光学特性を、大量生産において効果的に制御することができない。
しかしながら、先行技術によると、2つの媒質間の界面上に入射光の全反射が起こる場合(ここでは、第2の媒質すなわち光トンネリング層の屈折率は、第1の媒質すなわち積層層の屈折率よりも小さい)、入射光の一部分は、第2の媒質の厚みが入射光の波長に近いかそれよりも小さい場合に、ゼロに向かっての第2の媒質の厚みの減少と共に、第2の媒質の屈折率より大きい屈折率をもつ第3の媒質の中に結合されることになる。この現象は、周知の光トンネリング現象である。光トンネリング現象は、数多くの研究論文中で記述されているように、減衰全反射(FTIR:frustrated TIR)と呼ばれる。光トンネリング現象が2つの媒質の間の界面上で起こるために必要な条件は、以下のとおりである。(1)光トンネリング層の屈折率が入射媒質の屈折率よりも低いこと、および(2)光トンネリング層の厚みが入射光の波長よりもはるかに小さいこと。従って、FTIRを誘発するために光トンネリング層を除いて、光トンネリング層の屈折率よりも大きい屈折率をもつ光取出し層を、積層層と発光素子との間に付加することができる。
その上、FTIRでは、エバネセント波の強度は、NesnidalおよびWalkerにより刊行された「エバネセント波の増強のための多層誘電構造(応用光学, 1996年2226ページ、第35巻、第13号)の中で記述されているような誘電体材料の多重積層構造によって増大させることができる。その誘電体材料の多重積層構造は、光学薄膜を被着させることによって、エバネセント波の強度を増大させる。
その上、Li Liにより刊行された「全反射および減衰全反射を伴う薄膜コーティングの設計」(Option & Photonics News, 2003年9月、24〜30ページ)は、広帯域広角度および高消光比をもつ高消光割当量偏光ビームスプリッタを開示している。すなわち、臨界角よりも大きな入射角を有する未偏光光については、そのTM偏光光(p偏光光)は反射され、全反射界面を通して透過されない。従って、TE偏光光(s偏光光)のみが全反射界面を通って透過される。従って、偏光型発光素子を製造する可能性が存在する。この偏光型発光素子の偏光光(sまたはp偏光光)は、少なくとも以下の条件が満たされる場合にのみ、全反射界面を通して透過され得る。その条件とは、(1)入射角が臨界角(全反射角)より大きい場合、(2)積層層と周囲媒質との間に順に光トンネリング層と光取出し層が存在し、ここで光トンネリング層の屈折率が光取出し層の屈折率よりも低い場合、および(3)光トンネリング層の屈折率よりも高い屈折率を有する高屈折率のもう1つの層が積層層と光トンネリング層との間に存在する場合、である。
米国特許公開第20040211969号明細書 米国特許公開第20050062379号明細書 米国特許公開第6,091,085号明細書 米国特許公開第6,791,117号明細書 NesnidalおよびWalkerにより刊行された「エバネセント波の増強のための多層誘電構造(応用光学, 1996年2226ページ、第35巻、第13号) Li Liにより刊行された「全反射および減衰全反射を伴う薄膜コーティングの設計」(Option & Photonics News, 2003年9月、24〜30ページ)
本発明の目的は、全反射現象により捕獲/捕捉された光の一部分を光トンネリング効果によって透過光へと変換し、かくして発光素子の光取出し効率を改善することにある。特に、本発明は、光取出し効率を増大させるべく光制御部分を形成し、そのために光トンネリング層構造を利用することによって、全反射角よりも大きい入射角をもつ光が光トンネリング効果を誘発するようにする。
本発明は、発出した光の大部分が、発光素子の全反射角より大きい入射角をもつ周囲媒質と発光素子との間の界面に進入する、発光素子内で使用するための方法について記述する。これらの光は、内部的に反射され、該発光素子と周囲媒質との界面から射出する前に少なくとも一度内部反射を受ける。その上、前記素子内では、光の大部分は、コンタクト電極および発光層の吸光特性が強いために最終的に吸収される。先行技術はしばしば、光取出し効率をブラッグ反射鏡または表面粗度で改善している。換言すると、取出し効率の改善は、光が射出する確率を増大させるべく多重内部反射メカニズムを増大させることによって達成される。この方法の利点は、発光素子構造内に存在する比較的増大した吸収光により相殺される。従って、多重内部反射を減少させ、取出し効率を増大させるために射出円錐形の臨界角を増大させることが重要である。
「射出円錐形」という語は、発光層から透過された光が周囲媒質に射出し得る場合の円錐形を表すために使用される。射出円錐形の最上点は、全反射により生成される。換言すると、最上角度は全反射角によって制限される。
発光素子の光射出表面上に形成されるべき「光トンネリング層」という語は、減衰全反射現象を誘発するために使用される。発光素子の発出光の波長に関する限り、光トンネリング層の屈折率は、発光素子の光の波長を発出する積層層の屈折率より低い。
本発明による発光素子内に形成されるべき光制御部分の第2の部分の「光取出し層」という語は、発光素子により発出される光の波長に関して発光素子の光トンネリング層のものよりも大きい屈折率を有し、素子の光トンネリング層の上に形成される。その一方で、「光取出し層」は発光素子の光制御部分とみなされ、積層層または基板の表面が前記素子からの発光層から遠く離れているため、光が透明な電極層から射出する場所の反対側に設置される。本発明のいわゆる「平面発光素子」は、光制御部分を含んでなり、該光制御部分が光トンネリング効果を誘発できる光トンネリング層を含み、光取出し層が発光層と離れる方を向いた光射出層の側に存在していることを特徴とし、ここで発光層により生成される光の光トンネル効果は全反射臨界角よりも大きい入射角で発生し得る。光制御部分は、少なくとも光トンネリング層を含む。基本的に光制御部分は、発光素子の基板と周囲媒質との間、または発光エピタキシャル層と周囲媒質との間に設けることができる。光取出し効率の改善は、光制御部分の光トンネリング効果の機能によって決定される。光トンネリング層構造を伴う発光素子により発出される主要発出光は、光がより傾斜の大きい入射角で光制御部分に入った場合に、より優れた偏光光特性を示し得る。実際には、偏光光発出特性をもつ発光素子を実現することができる。
本発明の目的は、発光素子の出力光を改善すべく、捕捉された光の一部分を光トンネリング効果を介して透過された光に変換することにある。減衰全反射(FTIR)効果に起因して、光射出表面上の素子の内側で発出された光の入射角は、臨界角よりも大きくなり得る。発光素子の出力光を改善するためのさらなる方法は、捕捉された光の光トンネリング効果をさらに増大させるべく発光素子の側壁または片側に少なくとも1つの光トンネリング層を具備することにある。さらに、光射出表面の光トンネリング効果の確率または光射出表面を通って透過し光取出し効率に寄与する機会を増大させるべく、捕捉された光がその側壁から素子を離れることができないようにするため、素子の側壁に対し高反射性コーティング層を付加することができる。
発光層の積層構造および周囲媒質の光学特性が、光射出表面からの出力光の角度分布を決定づけることから、減衰全反射を誘発するための光制御部分の構造は、表面上の入射光を大きい入射角範囲を通して有効に透過させるように設計されるべきである。すなわち、光トンネリング構造層を有する発光素子から出力された光は、より大きい空間周波数を有するべきである。従って、発光素子のエピタキシャル層または基板と周囲媒体との間の界面の光の全反射に起因して、光取出し効率が減少させられるのを回避することができる。これにより、光取出し効率の改善を図ることができる。
本発明は、特徴として、発光素子により生成された光を発光素子の光制御部分の表面を通過させるように構成した発光素子に関する。光制御部分は2つ以上の誘電体層からなる。光制御部分の第1の部分は、低屈折率材料からなる光トンネリング層を含む。該光トンネリング層は、積層層、基板または透明電極層のものよりも低い屈折率を、発光素子により発出された発出光の波長に対し有している。透明電極層は、発光素子によって発出された主要発出光の波長に対し完全に透明である。光トンネリング層の屈折率よりも大きい屈折率をもつ第2の(光取出し)層が、減衰全反射(FTIR)をひき起すように、第1の(光トンネリング)層の上面に形成される。換言すると、発光素子の光発出表面と周囲媒質との間の界面上で光トンネリング効果を操作することができる。その結果、界面が平坦であるかまたは粗面化されていない場合、より大きな割合の発出光が、より大きい傾斜角度で発光素子と周囲媒質との間の界面に入ることができる。これらの光は直ちに界面を通過し、光学トンネリング効果により射出でき、従って、出力光が発光素子内部で再吸収される可能性が低くなる。換言すると、有効な減衰円錐形角度は、光トンネリング効果がない場合の発光素子の減衰円錐形角度よりも大きい。発光素子の光制御部分の厚みは、取出し光を、全反射角度よりも大きい発出角度まで拡張するのに十分薄いものである。換言すると、発光層により生成される主要発出光の空間周波数は、光制御部分の構造によって操作され得る。
その上、光制御部分の構造は、該光制御部分の表面から射出した、発光層により生成される主要発出光を従来の発光素子よりもさらに偏光されたものにするように設計されている。さらに、このことは、発光層により発出された主要発出光が、臨界角よりも大きな入射角で射出表面に入って、従来の発光素子のものに比べてより偏光された光で発光素子から射出するように、光トンネリング効果を介して操作され得ることから、偏光型発光素子を製造するのに有利である。従って、光取出し効率は、発光素子の設計された構造に従って実質的に改善される。
発光素子は、例えば、レーザーダイオード、有機LED(OLED)、重合体LED(PLED)、平面LEDおよび高輝度発光素子(HBLED)等である。光制御部分の積層の材料は、例えば、III−V半導体、光学高分子、シリカ、金属酸化物、ゾルゲル、シリコン、およびゲルマニウムといった半導体材料または有機/無機誘電体材料等である。
本発明の光制御部分を製造するプロセスは、本発明の特徴に対する混同を避けるべく実施形態として半導体発光素子のみを用いる。ただし、本発明の光トンネリング層および光制御部分を、有機発光素子といった他の発光素子に適用することも可能である。
本発明は、添付図面を参照することによって、より詳細に記述される。図面は、好ましい実施形態を記載するためのものである。ただし、本発明はいくつかの実施形態を用いて例示されているが、これらの実施形態に制限されるわけではない。前記実施形態は、本発明の保護範囲を当業者に対してより詳細に開示するためのものである。
本発明によると、発光素子は、外部電力を供給することによって光を射出できるまたは光を生成できる少なくとも1つの発光層を備える、有機/無機エレクトロルネセンス発光素子である。より具体的には、屈折率は、発光層により生成された主要発出光のピーク波長でのものとしている。光トンネリング層というのは、発光素子の光射出表面層のものよりも低い屈折率をもつ誘電体層を意味する。この層は、前記発光素子の光射出表面上に配置され、発光層によって生成される発出光に対し光トンネリング効果をひき起こすことができ、臨界角よりも大きい入射角で素子と周囲媒質との間の界面に入る。
図1は、本発明の実施形態による発光素子1の単一光制御部分(すなわち、光制御部分10は光トンネリング層12のみからなる)を通る光の簡略化された経路の図を表す。図1にはそれぞれ、円錐形18、発光層14、p型クラッド層13、n型クラッド層15、基板16および反射層17が表され、ここで、光制御部分10は光トンネリング層12のみからなり、本図にはp型およびn型電極は示されていない。光トンネリング層12への入射光22は、その入射角が臨界角81よりも小さいことから、光制御部分10を容易に通過できる。ただし、光トンネリング効果に起因して、入射光21の一部分は、臨界角81より大きい入射角でクラッド層13と、クラッド層13のものより小さい屈折率をもつ光トンネリング層12とを通過し(すなわち、クラッド層13と光トンネリング層12との間の界面を通過し)、周囲媒質内に入ることができる。光トンネリング効果のために必要な条件は、光トンネリング層12の屈折率が、クラッド層13の屈折率よりも小さく、光トンネリング層12の厚みが、入射光21の波長よりもはるかに小さいことである。光トンネリング効果は、光の一部分(トンネリング光31)を光トンネリング層12を通過させることができ、光のその他の部分(光51)を反射させることができる。前記トンネリング光31は、光トンネリング層12を通過し、周囲媒質内へ透過させられる。下向光61が反射層17によって反射され、素子の光射出表面に向かって透過させられる。好ましくは、光制御部分10は、光射出表面上に存在しまた光射出表面と反射層17との間の面取りされた側壁(図示せず)上にもまた存在している。該面取りされた側壁は、発光層により生成される主要発出光が側壁により射出円錐形内に反射される確率を増大させて、光射出表面の光取出し効率を増大させる。その上、光制御部分10は、少なくとも1つの光射出表面上に具備される。
図2は、図1の発光素子の光トンネリング層の厚みとの関係における発光素子1の射出界面の反射率の理論的シミュレーションの結果を表す。発光素子1はシリカ光トンネリング層(屈折率1.46)を有するGaN LED(屈折率2.4)であり、ここで主要発出光の波長は460nmである。反射率は、光トンネリング層を使用しないGaN/空気界面の臨界角よりも大きい65度の入射角において、光トンネリング層の厚みの減少に伴って減少していくことになる。
図3aは、入射角との関係における発光素子1の射出界面の反射率の理論的シミュレーション結果を表し、ここで発光素子1は、厚み20nmのSiO2光トンネリング層(屈折率は1.46)を有するGaN LED(屈折率2.4)である。本図は、発光素子1に光トンネリング層がない場合に、界面の反射率が入射角の増加に伴って急速に増大することになるということを示している(図3aの左半分、破線を参照)。しかしながら、臨界角の制限は除々になくなり、取出し効率は、発光素子1が光トンネリング層を有する場合に明らかに増大する(すなわち、反射率は明らかに減少する)(図3aの右半分参照)。
図3bは、入射角との関係における発光素子1の射出界面の反射率の理論的シミュレーションの結果を表し、ここで発光素子1は、厚み40nmのSiO2光トンネリング層(屈折率は1.46)を有するGaN LED(屈折率2.4)である。この図は、発光素子1に光トンネリング層がない場合に、界面の反射率が入射角の増加に伴って急速に増大することになるということを示している(図3bの左半分、破線を参照)。しかしながら、臨界角の制限は除々になくなり、取出し効率は、発光素子1が光トンネリング層を伴う場合に明らかに増大する(すなわち反射率は明らかに減少する)(図3bの右半分参照)。ただし、図3aと図3bを比較すると、臨界角よりも大きい入射角(例えば、40度より大きい)において、より薄い光トンネリング層では反射率がより低いものであることが分かる。反対に、反射率は光トンネリング層がより厚くなると、より高いものとなる。
図2、3aおよび3bによると、TE波(p偏光光)の反射率とTM波(s偏光光)の反射率との間に明らかな差異は全く示さないということが分かる。換言すると、TE波(p偏光光)の反射率およびTM波(s偏光光)の反射率は非常に近いものである。
図4は、本発明の別の実施形態による発光素子2の光制御部分10を通る光の簡略化した経路を表す。光制御部分10は、2重層(すなわち、光トンネリング層12と光取出し層11)からなる。射出円錐形18、発光層14、p型クラッド層13、n型クラッド層15、基板16および反射層17は図1のものと一貫している。ただし、図4の発光素子2と図1の発光素子1の差異は、光制御部分が、光トンネリング層と周囲媒質との間に形成された光取出し層11をさらに含み、ここで光取出し層11の屈折率が、光トンネリング層12の屈折率よりも大きいという点にある。光トンネリング層12への入射光22は、その入射角が臨界角81よりも小さいことから容易に通過可能である。しかしながら、光トンネリング効果に起因して、入射光21の一部分はクラッド層13を通過し、クラッド層13のものよりも低い屈折率をもつ光トンネリング層12を通って透過し(すなわち、クラッド層13と光トンネリング層12との間の界面を通って透過し)、臨界角よりも大きい入射角で光取出し層内に入ることができる。光トンネリング効果のために必要な条件は、以下のものである。(1)光トンネリング層12の屈折率がクラッド層13の屈折率よりも小さいこと、および(2)光トンネリング層12の厚みが入射角21の波長よりもはるかに小さいこと。光トンネリング効果は、光の一部分(すなわち、トンネリング光)を光トンネリング層12内に通過させ、光取出し層11内へと透過させ、光のもう一部分(光51)を反射させることになる。光取出し層の厚みは、光トンネリング層の大部分(すなわち、トンネリング光31)が光取出し層11を通過し、周囲媒質内に透過するように設計されており、光トンネリング光41のわずかな部分だけが半導体層または光取出し層11に反射し戻される。その上、光トンネリング層12の屈折率と光取出し層11の屈折率との差に起因して、トンネリング光41は透過されるかまたは光取出し層11内で多重反射されることになる。最終的に、トンネリング光41は周囲媒体内に有効に透過することになる。上述の現象は、フラットパネルディスプレイの利用分野で使用するための側方発出型発光素子(例えば、LEDバックライト素子光源)を製造する可能性を有する。下向光61は反射層17によって反射され、前記素子の光射出表面に向かって透過される。光のわずかな部分51のみが、トンネルも取出しもできない方向に吸収されることになる。前記特定のLED構造においては、光トンネリング層の最良の配置を変更することができ、チップの積層構造、材料および製造方法を制約しながら製造することができる。実際には、光制御部分10の構造および製造は、チップ構造、かかる構造を製造するために必要とされるコストおよび複雑さにより制約される。これらの技術には、光制御部分10のエピタキシャル成長が含まれる。光トンネリング層12および光取出し層11のコーティングまたは被着という製造方法には、浸漬法、回転塗布法、自己集合形成およびゾル−ゲル被着プロセスまたは、スパッタリング被着、E−ガン被着および化学蒸着(CVD)といった従来の光学薄膜コーティングを利用することができる。その上、素子の光取出し層11には、分子線エピタキシー(MBE)、液相エピタキシー(LPE)、金属有機化学蒸着(MOCVD)、気相エピタキシー(VPE)またはこれらの方法の組合せといった製造方法を使用することができる。光制御部分10およびLEDは、単一の段階によってもまたは多数の成長段階によっても形成可能であり、その成長の順序は所望のチップ構造により決定される。
図5は、入射角との関係における図4の発光素子2の射出界面の反射率の理論的シミュレーション結果を表す。発光素子2は、二酸化ケイ素光トンネリング層12(屈折率1.46)と、光トンネリング層12上に配置されたGaN材料(屈折率2.4)で形成された光取出し層11と、を含んでなるGaN LED(屈折率2.4)であり、ここで光トンネリング層12および光取出し層11の厚みはそれぞれ、20nmおよび100nmであり、発出光の波長は460nmとしている。素子と周囲媒質との間の界面に対する入射角が臨界角よりも小さい光に関しては、素子の射出界面の反射率は、光トンネリング層のない素子の反射率よりも低い(図5の左半分の破線部分を参照)。本図は、50%のTE偏光光と50%のTM偏光光の平均反射率が、臨界角の後に、大幅に低減され得るということを示している。ただし、入射角が60度以上まで増大した場合、射出界面の反射率は急速に増大する。さらに、本図は、ある範囲の入射角(約30〜55度)内で、TE偏光光がTM偏光光ほど反射されないという明らかな効果を示している。従って、偏光型発光素子はこの特定された効果に応じて製造可能である。該素子は、素子の射出表面を通って透過されるべき主要光が、TE偏光光であるかまたはTM偏光光であるかを、光射出表面の主要発出光の異なる入射角範囲を選択することによって決定することができる。
図6は、本発明の別の実施形態の発光素子2(例えば、従来のAlInGaN LED)の断面図である。この実施形態においては、発光素子2は光制御部分10を含み、この光制御部分10は、透明電極ITO層68および電流拡散Au/Ni合金層69の上に、光トンネリング層12および光取出し層11を含んでいる。光トンネリング層12は、光射出層(すなわち、ITO層68)の屈折率よりも低い屈折率を有する。光取出し層11は、光トンネリング層12の屈折率よりも高い屈折率を有する。一般に保護を目的として使用される二酸化ケイ素層は、それがエバネセント波の浸透を受けるのに十分なほど薄ければ、光トンネリング層12として使用可能である。換言すると、光トンネリング層の厚みは、発光層から生成される主要発出光の波長よりも小さい。発光素子2はさらに、p型クラッド層13(すなわち、p型AlInGaNクラッド層)およびn型クラッド層15(すなわち、n型AlInGaNクラッド層)との間に挟まれた発光層14(すなわち、発光多重量子井戸層)を含む。n型クラッド層15は、基板16(すなわち、透明サファイア基板)上に成長させられたエピタキシャルバッファAlInGaN層70の上面にある。優れた熱伝導率および光反射率を提供すべく基板のもう一方の側には反射層17(例えば、銀またはアルミニウム)が配置される。図4の発光素子2と図6の発光素子2の主たる差異は、光取出し層11の表面形態にある。具体的に言うと、光制御部分10を製造する場合、散乱、回折および屈折現象によって、より多くの光取出しをすべく、光取出し層11の表面形態を制御するように被着または成長条件を操作することができる。
図7は、本発明の別の実施形態による発光素子3の断面図である。この発光素子3と図4の発光素子2の主たる差異は、光制御部分10が、発光素子3の光取出し効率をさらに改善すべく、光取出し層11の屈折率よりも低い屈折率をもつ、光取出し層11上に配置された第3の層60をさらに含むという点にある。発光層14からの発出光の空間周波数は、光制御部分10および材料の選択によって制御できる。光トンネリング層12の配置および光トンネリング層12と発光層14との間の距離もまた、光取出し効率の改善に寄与し得る。従って、透過光およびトンネリング光(発光層14からの)は光射出表面に衝突し、正常な方向から、臨界角よりも大きい角度まで、の範囲内の入射角をもって、周囲媒質内へ透過する。
図8は、本発明の別の実施形態による発光素子4の断面図である。この素子は、Li Liの「全および減衰全反射を伴う光学薄膜コーティングの設計」という論文によって開示されている構造を利用することにより、偏光型発光素子として製造されるものであり、ここでは周囲媒質内へ透過するように第1回通過の光取出し効率を増大させ、発光層14から生成される発出光の偏光度を増大させるように、光制御部分10を設計することができる。この実施形態においては、発光素子4は、光制御部分10と発光部分とを含み、ここで該光制御部分10は、高屈折率層92、光トンネリング層12および光取出し層11を含んでなり、その発光部分は基板16と、n型クラッド層15と、発光層14と、p型クラッド層13と、光偏向エレメント(LDE:Light Deflection Element)構造90と、LDE構造封入層91と、を含む。LDE構造90を付加する目的は、発光層から生成された光を偏向させて、より傾斜の強い入射角で光制御部分10の中に入るようにすることにある。該光制御部分10は、発光素子と周囲媒質との間に設けられる。LDE構造90は、プリズムアレイ層、好ましくはピラミッドアレイ層である。LDE構造90は、LDE構造封入層91の屈折率よりも大きい屈折率をもつ材料で形成されている。より大きい入射角で高屈折率層92と光トンネリング層12との間の界面に衝撃すべく主要発出光を方向づけし直すために、この主要発出光は、臨界角よりも大きな入射角で、LED構造封入層91と光制御部分10との間の界面内に入る。換言すると、与えられた発出光の角度分布に関し、光射出表面に対してより大きい傾斜角度をもつ発出光の百分率は、増大する。例えば図8に示されているように、主要発出光95および96は、好ましくは30〜70度の間の斜角で、等角プリズムアレイにより屈折させられる。斜角が40度であるとした場合、LDE構造90に垂直に入る光95はLDE構造90により屈折され、約40度の角度で光制御部分10内に入る。一方、40度の入射角をもつ光96は屈折されず、最大で40度の入射角で光制御部分10に入る。従って、光96および95は両方共、臨界角より大きい入射角で、LDE構造封入層91と光制御部分10との間の界面に入る。換言すると、主要発出光の角度分布および偏光度は、関係する利用分野に応じて操作可能である。
LDE構造90は、LED製造プロセスの中で形成でき、ひとたびアレイが形成されると、LDE構造封入層91を、エピタキシャル、蒸着、化学蒸着、スパッタリング、回転塗布および浸漬技術によってLDE構造90の表面上に埋込むように成長させるかまたは配置することができる。LDE構造封入層91は、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、窒化アルミナ、酸化アルミナ(例えば、SiNx、AlN、SiOx、Si34、Al23、SiO2またはSiN1-xx)、シリカ・エーロゲルまたは光学高分子といった材料によって製造可能である。好ましくは、LDE構造90の材料は、III−窒化物、III−リン化物およびIII−ヒ化物(例えば、GaN、AlGaN、AlInGaN、AlGaInP、GaAlP、GaAsP、GaAsまたはAlGaAs)といったものとすることができる。LDE構造90の材料を配置する厚みは、好ましくは100nm〜10μmである。LDE構造90を形成するには2つの方法がある。第1に、米国特許公開第6,091,085号は、パターン化されたSiO2層上で成長させるべくGaNを利用することによる実施形態を開示している。該方法は、GaN層上にGaNエピタキシャル成長突起を提供すべく、SiO2の特徴的構造パターンを作り出すことにある。これらの特徴的GaN突起は、LEDの光射出表面に対して大きい斜角でLEDの光射出表面から光を射出させる斜角を有する。第2に、米国特許公開第6,791,117号は、粗面化されたテーパーピックアップ表面を形成すべく、テーパーRIRまたはブレード処理を用いることを開示している。その結果、最上部表面層は三角形の断面を有する。従って、LDE構造90は、発光層14からの出力光を制御すべく、好ましくは30度〜40度の間の傾きをもつピラミッド形状のアレイとして形成できる。図8に示されているLDE構造90の形状は、考えられる形状の一例を示すにすぎず、本発明の範囲は、図示された形状によって制限されるべきではない。さらに、LDE構造90の層の形状および寸法は、偏光された出力の所望の光出力に最適化するように選択される。
図9は、入射角との関係における発光素子4の射出界面の反射率の理論的シミュレーション結果を表し、該発光素子4は、GaN材料の高屈折率層(屈折率2.4)、SiO2光トンネリング層(屈折率1.46)およびGaN材料で形成された光取出し層11(屈折率2.4)を備えたGaN LED(屈折率2.4)であり、封入層の材料としてSiO2を用い、ここで高屈折率92、光トンネリング層12および光取出し層11の厚みはそれぞれ、40nm、40nmおよび100nmであり、発出光の波長は460nmとしている。本図は、光制御部分10が、40〜70度の間の入射角で出力されたTM偏光光(p偏光光)を生成するための偏光ビームスプリッタとして機能することを示す(光制御部分10のない素子の射出界面の反射率;図9の破線の部分である左半分を参照)。偏光効果を増大させるためには、LDE構造90は、LDE構造封入層91の材料の屈折率より大きい屈折率を有するべきである。LDE構造90およびLDE構造封入層91の屈折率の間の差が大きくなればなるほど、光がより大きい入射角で光制御部分10の表面に入ることができるようにすることができる。
エピタキシャル層と接触状態にある光制御部分10は、低屈折率をもつ少なくとも1つの光トンネリング層12を含む。光トンネリング層12は通常、エピタキシャル層材料または基本材料の屈折率より小さい、標準的に約1.35と2の間の屈折率を有する。シリカ・エーロゲルが使用される場合、屈折率は上述の値よりさらに小さいものとすることができ、ほぼ1.0という低さとなる。高屈折率層材料は、2.0より大きく標準的には2.0〜3.4の間にある屈折率を有する。光制御部分10で使用される材料は、光制御部分10上の入射光の透過を最適化すべく、屈折率の差を生み出すように選択される。光制御部分10は、素子の最上部表面およびメサ側壁上の入射光の光トンネリング効果を介して最大の透過が得られるように設計および配置される。低または高屈折率材料は、光トンネリング効果を増大するように、光射出表面の材料に応じて選択する。従って例えば光トンネリングの目的では、光トンネリング層12は、エピタキシャル半導体層、透明電極、半導体基板、ガラス基板およびセラミック基板の屈折率よりも小さい屈折率を有し、ケイ素の酸化物、窒化物、オキシ窒化物、アルミナ酸化物、フッ化リチウム、カルシウムおよびマグネシウム、そして上述の材料を含有するかまたはその他の材料でドープされた他の合金の中から選択することができる。減衰全反射の目的では、高屈折率層材料は、例えば、チタン、ハフニウム、錫、アンチモン、ジルコニウム、タンタルおよびマンガンの酸化物、酸化亜鉛、III−窒化物、III−ヒ化物、III−リン化物および上述の材料を含有するかまたはその他の材料でドープされた他の合金材料である。
発光素子は、上述の実施形態全てにおいてフリップチップパッケージ技術を使用することができる。
本発明の上述の実施形態によると、まず第1に、発光素子の光射出表面の屈折率よりも小さい屈折率をもつ光トンネリング層12を配置することにより、光取出し効率を増大させるように光制御部分10を使用でき、光トンネリング層12の厚みは、発光素子の主要発出光の波長よりも小さいこと、そして第2に、光トンネリング層12の屈折率よりも大きい屈折率をもつ光取出し層11が、光トンネリング層12の上面で被覆されていることが分かる。実際、発光素子の光出力に対する光制御部分10の効果は、射出光の角度上の帯域幅(または空間周波数)を変更または増大させることにあり、この角度上の帯域幅内で、射出光は周囲媒質内へエネルギーを伝達できる。この効果は、射出界面の射出円錐形角度の変化または増大とみなすことができる。換言すると、発光素子が製造され光制御部分の形成が発光素子の一部として適合させられた場合、該射出円錐形角度は臨界角よりも大きい。この射出円錐形角度は臨界角より大きく、かくして射出界面の両側における材料の有効な屈折率の変化に対応し、一方、換言すると、光学トンネリングは、臨界角より大きい入射角をもつ光について発生する。一般に、光制御部分10媒質の特性は、光制御部分10による光の吸収に起因する損失が、光制御部分10に起因する光出力の増大よりも著しく少なくなるように、選択される。
さらに、光制御部分10の存在に起因して、臨界角より小さい入射角をもつ直接透過光および臨界角より大きな入射角を有するトンネリング光は、共に光取出し効率に寄与する。その上、光制御部分10を伴う素子の出力光は、光制御部分10のない素子(多重光路を伴う)のものよりも短かい光路を有し、かくして、反射光の吸収度はより低くなる。さらに、補助的方法(例えば表面粗面化)を本発明に適用して、図6に示すような発光素子からの光の取出しを増大させることができる。屈折率の差は、側壁上の入射光が光射出表面に戻るように反射させ、これにより素子から効率良く取り出すことができる。発光素子はまた、この発光素子により生成された主要発出光およびリン/蛍光材料を互いに相互作用させるため、そしてリン/蛍光材料により発出される光が白色光となるようにするため、リン/蛍光材料を含むこともできる。本発明の課題は、増強された全発光能力をもつ発光素子にあるが、その課題は、有機LEDおよび発光素子に制限されず、フラットパネルディスプレイ発光光源にもまた適用可能である。
さらに、本発明の光射出表面の配置は、発光素子の最上部表面に制限されない。本発明の光取出し効率を増大する目的は、光制御部分が所望の光射出表面上に配置されている限り達成可能である。
本発明を特定の実施形態をもと記載してきたが、この記載は制限的な意味をもつものとしてみなされるべきものではない。開示された実施形態のさまざまな修正ならびに代替的実施形態が当業者には明らかとなるだろう。従って、添付特許請求の範囲は本発明の真の範囲内に入る全ての修正を網羅するものと意図される。
本発明を要約すると、光取出し効率は、発光層により発出された発出光が臨界角より大きい入射角でエピタキシャル層と周辺の材料との間の界面に入ったとき光トンネリング効果によって、増大させられる。光制御部分からのトンネリング光は、偏光でき、かくして偏光型発光素子を実際に実現することが可能となる。
本発明の一実施形態による発光素子1の単一光制御部分(すなわち、光制御部分10は光トンネリング層12のみからなる)を通る光の簡略化された経路を表わす図である。 光トンネリング層の厚みとの関係における発光素子1の射出界面の反射率の理論的シミュレーション結果を表わす図である。 入射角との関係における発光素子1の射出界面の反射率の理論的シミュレーション結果を表わす図であり、ここで発光素子1は、厚み20nmのSiO2光トンネリング層(屈折率は1.46)を備えたGaN LED(屈折率2.4)である。 入射角との関係における発光素子1の射出界面の反射率の理論的シミュレーション結果を表わす図であり、ここで発光素子1は、厚み40nmのSiO2光トンネリング層(屈折率は1.46)を備えたGaN LED(屈折率2.4)である。 本発明の別の実施形態による発光素子2の光制御部分10の2つの積層された層(すなわち、光トンネリング層12および光取出し層11)を通る光の簡略化した経路表わす図である。 入射角との関係における発光素子2の射出界面の反射率の理論的シミュレーション結果を表わす図である。 本発明の発光素子2の断面図である。 本発明の別の実施形態による発光素子3の断面図である。 本発明の別の実施形態による発光素子4の断面図である。 入射角との関係における発光素子4の射出界面の反射率の理論的シミュレーション結果を表わす図であり、ここで発光素子4は、GaN材料の高屈折率層(屈折率2.4)、SiO2光トンネリング層(屈折率は1.46)およびGaN材料で形成された光取出し層(屈折率2.4)を備えるGaN LED(屈折率2.4)である。
符号の説明
1,2,3,4 発光素子
10 光制御部分
11 光取出し層
12 光トンネリング層
13 p型クラッド層
14 発光層
15 n型クラッド層
16 基板
17 反射層
18 射出円錐形
21,22 入射光
31,41 トンネリング光
60 第3の層
68 透明電極ITO層
69 電流拡散Au/Ni合金層
70 エピタキシャルバッファAlInGaN層
81 臨界角
90 光偏向エレメント(LDE)構造
91 LDE構造封入層
92 高屈折率層
95,96 主要発出光

Claims (18)

  1. 光透過性を有する基板と、
    p型クラッド層とn型クラッド層により挟まれ、光透過性をもつ発光層と、
    前記発光層の片側にあり、光透過性をもつ前記p型クラッド層と、
    前記発光層のもう一方の側にあり、光透過性を有する前記n型クラッド層と、
    前記p型クラッド層の上にあるp型電極層と、
    前記n型クラッド層の上にあるn型電極層と、
    を含む発光部分、からなる発光素子において、
    前記発光素子の光射出表面上に配置され、前記発光層が発出する主要発出光の波長に対して、前記基板、前記クラッド層および前記電極層の各屈折率よりも低い屈折率を有し、前記主要発出光の波長より小さい厚みを有する光トンネリング層を含む光制御部分
    を備えることを特徴とする発光素子。
  2. 前記光制御部分がさらに、前記光トンネリング層の屈折率よりも大きい、前記主要発出光に対する屈折率をもち該光トンネリング層の上に配置された光取出し層を含んでなる請求項1に記載の発光素子。
  3. 前記発光部分がさらに光偏向エレメント構造および光偏向エレメント構造封入層を含み、前記光制御部分がさらに高屈折率層を含み、前記光偏向エレメント構造および前記光偏向エレメント構造封入層が、前記p型クラッド層上に順に配置され、前記光偏向エレメント構造の屈折率は前記光偏向エレメント封入層の屈折率よりも大きく、前記高屈折率層は、前記光トンネリング層の屈折率よりも大きい、主要発出光に対する屈折率をもって前記光トンネリング層の下に配置される請求項2に記載の発光素子。
  4. 前記光偏向エレメント構造が、プリズムアレイ層またはピラミッドアレイ層である請求項3に記載の発光素子。
  5. 前記光偏向エレメント構造が、30〜70度で前記主要発出光を屈折可能である請求項3に記載の発光素子。
  6. 前記光偏向エレメント構造封入層を構成するのに使用される材料が、SiNx、AIN、SiOx、Si34、Al23、SiO2、SiN1-xx、シリカ・エーロゲルおよび光学高分子からなる群から選択される請求項3に記載の発光素子。
  7. 前記光偏向エレメント構造を構成するのに使用される材料が、GaN、AlGaN、AlInGaN、AlGaInP、GaAlP、GaAsP、GaAsおよびAlGaAsからなる群から選択される請求項3に記載の発光素子。
  8. 前記光偏向エレメント構造の厚みが、100nm〜10μmである請求項3に記載の発光素子。
  9. 前記光制御部分がさらに、前記光取出し層の屈折率よりも小さい、前記主要発出光に対する屈折率をもって前記光取出し層上に配置される第3の層を含んでなる請求項2に記載の発光素子。
  10. 前記光取出し層の最上部表面が、粗面処理される請求項2に記載の発光素子。
  11. 前記粗面処理が、被着プロセスまたはエピタキシャルプロセスを用いて行われる請求項10に記載の発光素子。
  12. 前記発光表面とは反対側のもう一方の側面には反射層が配置される請求項1に記載の発光素子。
  13. 前記発光素子が、レーザーダイオード素子、有機発光素子、重合体発光素子、平面発光素子および高輝度発光素子からなる群から選択される請求項1に記載の発光素子。
  14. 前記発光素子が、レーザーダイオード素子、有機発光素子、重合体発光素子、平面発光素子および高輝度発光素子からなる群から選択される請求項2に記載の発光素子。
  15. 前記発光素子が、レーザーダイオード素子、有機発光素子、重合体発光素子、平面発光素子および高輝度発光素子からなる群から選択される請求項3に記載の発光素子。
  16. 前記発光素子が、フリップチップパッケージ構造内にある請求項13に記載の発光素子。
  17. 前記発光素子が、フリップチップパッケージ構造内にある請求項14に記載の発光素子。
  18. 前記発光素子が、フリップチップパッケージ構造内にある請求項15に記載の発光素子。
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