JP2007048847A - 磁気抵抗素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】 1個で異なる磁界の方向を検出できる磁気抵抗素子を得る。
【解決手段】 基板12上に十字形状の磁気抵抗材14が縦横に間隔をおいて配置され、MOSスイッチ16が磁気抵抗材14を電気的に直列に接続して第1の接続状態と第2の接続状態とに切り替える。第1の接続状態では、磁気抵抗材14同士の接続による直線部が横方向(矢印X方向)に平行となり、第2の接続状態では、磁気抵抗材14同士の接続による直線部が縦方向(矢印Y方向)に平行となる。
【選択図】 図1
【解決手段】 基板12上に十字形状の磁気抵抗材14が縦横に間隔をおいて配置され、MOSスイッチ16が磁気抵抗材14を電気的に直列に接続して第1の接続状態と第2の接続状態とに切り替える。第1の接続状態では、磁気抵抗材14同士の接続による直線部が横方向(矢印X方向)に平行となり、第2の接続状態では、磁気抵抗材14同士の接続による直線部が縦方向(矢印Y方向)に平行となる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、作用する磁界に応じて電気抵抗が変化する磁気抵抗素子に関する。
磁気抵抗素子においては、磁気抵抗材が必要な抵抗値分の長さを必要とするために折り返し形状のパターンで成膜されている場合が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような磁気抵抗素子では、検出する磁界の方向に対して所定方向に直線部を配置した状態としている。この従来の磁気抵抗素子では、異なる磁界の方向を検出する場合には、パターン向きの異なる磁気抵抗素子を別途配置等しなければならない。
特開2003−298140公報
本発明は、上記事実を考慮して、1個で異なる磁界の方向を検出できる磁気抵抗素子を提供することを課題とする。
請求項1に記載する本発明の磁気抵抗素子は、縦横に間隔をおいて配置される磁気抵抗材と、互いに隣り合う前記磁気抵抗材の間にそれぞれ配置され、前記磁気抵抗材を電気的に直列に接続可能であり、前記磁気抵抗材同士の接続によって直線状となる直線部が第1の方向に平行となる第1の接続状態と、前記磁気抵抗材同士の接続によって直線状となる直線部が第2の方向に平行となる第2の接続状態と、に切替え可能な接続切替手段と、を有することを特徴とする。
請求項1に記載する本発明の磁気抵抗素子によれば、接続切替手段が磁気抵抗材を電気的に直列に接続して第1の接続状態と第2の接続状態とに切り替える。第1の接続状態では、磁気抵抗材同士の接続によって直線状となる直線部が第1の方向に平行となり、第2の接続状態では、磁気抵抗材同士の接続によって直線状となる直線部が第2の方向に平行となる。
請求項2に記載する本発明の磁気抵抗素子は、請求項1記載の構成において、前記第1の方向と前記第2の方向とが互いに直交すると共に、前記磁気抵抗材及び前記接続切替手段が前記第1の方向と前記第2の方向とに沿って配置されることを特徴とする。
請求項2に記載する本発明の磁気抵抗素子によれば、第1の方向と第2の方向とが互いに直交しているので、第1の接続状態と第2の接続状態とでは、磁気抵抗材同士の接続によって直線状となる直線部が、互いに直角な関係となる。
請求項3に記載する本発明の磁気抵抗素子は、請求項1又は請求項2に記載の構成において、前記磁気抵抗材が前記第1の方向と前記第2の方向とに延びて中央部で交差する形状とされることを特徴とする。
請求項3に記載する本発明の磁気抵抗素子によれば、磁気抵抗材が延びる方向は、磁気抵抗材同士の接続によって直線状となる直線部の延びる方向と一致する。
以上説明したように、本発明の磁気抵抗素子によれば、1個で異なる磁界の方向を検出できるという優れた効果を有する。
本発明における磁気抵抗素子の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1には、磁気抵抗素子10の概略構成が示されている。図1に示されるように、磁気抵抗素子10は、基板12を備えており、基板12上には、複数の磁気抵抗材14が配置されている。磁気抵抗材14は、Ni−Co系合金等の強磁性金属からなる。
これらの磁気抵抗材14は、第1の方向としての横方向(矢印X方向)と、第2の方向としての縦方向(矢印Y方向)とに沿って、縦横に間隔をおいて複数行及び複数列(本実施形態では5行5列)で配置される。なお、ここでの横方向(矢印X方向)と縦方向(矢印Y方向)とは、互いに直交している。
各磁気抵抗材14は、横方向(矢印X方向)と縦方向(矢印Y方向)とに延びて中央部で交差する十字形状とされて基板12上に成膜されている。磁気抵抗材14のパターン形成にあっては、図2に示される基板12上に形成されたSiO2からなる絶縁膜13上に公知のリソグラフィー技術とエッチング技術とによって、絶縁膜13上の所定位置(図1の磁気抵抗材14の配置位置と同じ位置)に十字形状とされたパターン溝としてのトレンチを形成しておき、このトレンチにスパッタ又は蒸着等によって強磁性金属を成膜させる。トレンチ外の絶縁膜13の表面に付着された不要な薄膜は、研磨によって除去して平坦化する。
図1に示されるように、縦横に行列状に配置される磁気抵抗材14のうち、対角位置に設けられたコーナ部(図1の左下部分及び右上部分)の磁気抵抗材14には、端子IN及び端子OUTが接続されている。端子INには、図示しない直流電源が接続され、これによって、磁気抵抗素子10に電流を供給できるようになっている。
また、互いに隣り合う磁気抵抗材14の間には、横方向(矢印X方向)と縦方向(矢印Y方向)とに沿って、接続切替手段としてのMOSスイッチ16がそれぞれ配置されており、磁気抵抗材14の縦横に延出した延出端部同士を接続することによって磁気抵抗材14を電気的に直列に接続できるようになっている。
図2には、MOSスイッチ16のうちP−MOSスイッチの構造断面図が示されている。図2に示されるように、MOS−スイッチ16と磁気抵抗材14との間には、Al等からなる金属配線18がなされ、MOSスイッチ16のドレイン領域16D及びソース領域16Sと磁気抵抗材14とが金属配線18によって接続されている。MOSスイッチ16のゲート電極16Gは、絶縁膜13上にあって金属からなり、SiO2からなるゲート絶縁膜17で被覆されている。ゲート電極16Gには、ゲート端子Gが接続されている。
図2に示されるP−MOSスイッチ16は、ゲート端子Gにローレベルの信号が入力されると、オンされてドレイン領域16D−ソース領域16S間に電流が流れるようになっており、これにより、磁気抵抗材14同士を電気的に接続するようになっている。なお、MOSスイッチ16がN−MOSスイッチの場合には、ゲート端子にハイレベルの信号が入力されると、オンされてドレイン領域−ソース領域間に電流が流れる。
次に、上記の実施形態の作用を説明する。
図1に示される磁気抵抗素子10について、MOSスイッチ16のうち、符号16A、16Cで示されるものをオンし、符号16Bで示されるものをオフするように、各MOSスイッチ16のゲート端子(P−MOSスイッチの場合、図2の符号G参照)に所定信号(P−MOSスイッチにおいては、オンのためにローレベルの信号、オフのためにハイレベルの信号、N−MOSスイッチにおいては、オンのためにハイレベルの信号、オフのためにローレベルの信号)が入力されると、磁気抵抗材14同士の間の符号16A、16Cで示される部分が電気的に接続される。これによって、図3に示されるような接続状態(第1の接続状態)となり、磁気抵抗材14同士の接続によって直線状となって延びる直線部(二点鎖線21で囲まれた部分であり、以下、「直線部21」という)が第1の方向としての横方向(矢印X方向)に平行な磁気抵抗素子10となる。
このようにして接続された磁気抵抗素子10は、作用する磁界に応じて電気抵抗が変化するようになっている。ここで、磁気抵抗素子10に対して、端子INから電流を供給して端子IN−端子OUT間に電流を流すと、横方向(矢印X方向)に平行な直線部21に流れる電流の方向と磁束の向く方向とが直角に交わる場合には、直線部21での抵抗値が最小となり、横方向(矢印X方向)に平行な直線部21に流れる電流の方向と磁束の向く方向とが平行の場合には、直線部21での抵抗値が最大となる。
一方、図1に示される磁気抵抗素子10について、MOSスイッチ16のうち、符号16B、16Cで示されるものをオンし、符号16Aで示されるものをオフするように、各MOSスイッチ16のゲート端子(P−MOSスイッチの場合、図2の符号G参照)に所定信号(P−MOSスイッチにおいては、オンのためにローレベルの信号、オフのためにハイレベルの信号、N−MOSスイッチにおいては、オンのためにハイレベルの信号、オフのためにローレベルの信号)が入力されると、磁気抵抗材14同士の間の符号16B、16Cで示される部分が電気的に接続される。これによって、図4に示されるような接続状態(第2の接続状態)となり、磁気抵抗材14同士の接続によって直線状となって延びる直線部(二点鎖線22で囲まれた部分であり、以下、「直線部22」という)が第2の方向としての縦方向(矢印Y方向)に平行な磁気抵抗素子10となる。
このようにして接続された磁気抵抗素子10は、作用する磁界に応じて電気抵抗が変化するようになっている。ここで、磁気抵抗素子10に対して、端子INから電流を供給して端子IN−端子OUT間に電流を流すと、縦方向(矢印Y方向)に平行な直線部22に流れる電流の方向と磁束の向く方向とが直角に交わる場合には、直線部22での抵抗値が最小となり、縦方向(矢印Y方向)に平行な直線部22に流れる電流の方向と磁束の向く方向とが平行の場合には、直線部22での抵抗値が最大となる。
このように、MOSスイッチ16によって、図3に示される第1の接続状態と図4に示される第2の接続状態とに、切り替えることができ、切り替えによって、磁界に対する感度の方向が互いに直角となるような磁気抵抗素子10とすることができる。すなわち、1個の磁気抵抗素子10で異なる磁界の方向を検出することが可能となる。
なお、上記の実施形態において、MOSスイッチ16のうち、符号16Cで示されるものは、図3に示される第1の接続状態と図4に示される第2の接続状態とのいずれの場合にも、オンされることになるので、MOSスイッチ16のうち、符号16Cで示される部分については、MOSスイッチ16を配置せずに、常に接続した状態としておいてもよい。
また、上記の実施形態において、磁気抵抗材14には、横方向(矢印X方向)と縦方向(矢印Y方向)とに延びて中央部で交差する十字形状のものが適用されているが、例えば、縦横に行列状に配置される磁気抵抗材14のうち、外周の辺部に配置される磁気抵抗材については、T字形状のものを適用して中央延出部が内向きになるように配置し、コーナ部に配置される磁気抵抗材については、L字形状のものを適用して直角部が内向きになるように配置する等のように、他の形状の磁気抵抗材を適用してもよい。
さらに、上記の実施形態における磁気抵抗素子10を2個直列に接続し、各磁気抵抗素子10を磁界に対する感度の方向が互いに直角となるようにMOSスイッチ16で接続することで、ハーフブリッジ回路を構成し、各磁気抵抗素子10の磁界に対する感度の方向を交互に同時に切り替え、磁気抵抗素子10の中間電位を保持してその差分を演算してもよい。この場合、4個の磁気抵抗素子を並べたフルブリッジ回路による出力波形と同様の出力波形を得ることができる。
10 磁気抵抗素子
14 磁気抵抗材
16 MOSスイッチ(接続切替手段)
21 直線部
22 直線部
X 横方向(第1の方向)
Y 縦方向(第2の方向)
14 磁気抵抗材
16 MOSスイッチ(接続切替手段)
21 直線部
22 直線部
X 横方向(第1の方向)
Y 縦方向(第2の方向)
Claims (3)
- 縦横に間隔をおいて配置される磁気抵抗材と、
互いに隣り合う前記磁気抵抗材の間にそれぞれ配置され、前記磁気抵抗材を電気的に直列に接続可能であり、前記磁気抵抗材同士の接続によって直線状となる直線部が第1の方向に平行となる第1の接続状態と、前記磁気抵抗材同士の接続によって直線状となる直線部が第2の方向に平行となる第2の接続状態と、に切替え可能な接続切替手段と、
を有することを特徴とする磁気抵抗素子。 - 前記第1の方向と前記第2の方向とが互いに直交すると共に、前記磁気抵抗材及び前記接続切替手段が前記第1の方向と前記第2の方向とに沿って配置されることを特徴とする請求項1記載の磁気抵抗素子。
- 前記磁気抵抗材が前記第1の方向と前記第2の方向とに延びて中央部で交差する形状とされることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の磁気抵抗素子。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2005
- 2005-08-08 JP JP2005230108A patent/JP2007048847A/ja active Pending
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