JP2001102659A - 磁気抵抗素子 - Google Patents
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Abstract
磁気抵抗素子において、高い磁気抵抗変化率を実現す
る。 【解決手段】 基板5上に、複数の下部電極3及び反強
磁性膜8を一列に配置して設ける。各反強磁性膜8上
に、下磁性層9,9、バリア膜10,10、上磁性層1
1,11及びダミー膜16,16からなる一対の磁気ト
ンネル接合構造を、層間絶縁膜12でそれぞれ絶縁分離
して形成する。各磁気トンネル接合構造は、その平面形
状を長方形状とし、同長方形状の長辺を平行に対向させ
る。異なる下部電極3及び反強磁性膜8上の各ダミー膜
16(上磁性層11)を上部電極4によりそれぞれ接続
する。
Description
センサなどに用いられる磁気抵抗素子に係り、特にバリ
ア膜を下磁性層と上磁性層との間に挟んで構成した複数
の磁気トンネル接合構造を基板上にて直列接続して形成
した磁気抵抗素子に関する。
効果を利用した磁気抵抗素子、電子のスピンの向きに依
存した散乱を利用して巨大磁気抵抗効果(GMR効果)
を得る磁気抵抗素子などがよく知られている。この種の
磁気抵抗素子の特性を評価する性質の1つに磁気抵抗変
化率があり、この磁気抵抗変化率は前者では約3%の値
を示し、後者では約10%の値を示す。
抵抗変化率が20〜30%という大きな値を示す磁気ト
ンネル効果を利用した磁気抵抗素子が出現してきてい
る。この磁気抵抗素子は、例えば特開平11−1358
57号公報に示されているように、絶縁材料(例えば、
Al2O3)からなるバリア膜を、強磁性材料(例え
ば、Ni0.81Fe0.19、CoFe)からなる下
磁性層と、強磁性層(例えば、Ni0.81Fe
0.19)からなる上磁性層との間に挟んで磁気トンネ
ル接合構造を基板上に形成するとともに、下磁性層の直
下に反強磁性層(例えば、FeMn)を設けて下磁性を
固定層化とするとともに上磁性層をフリー層として、磁
気トンネル効果により高い磁気抵抗変化率を得るように
している。また、反強磁性層を設けなくても、上磁性層
と下磁性層との間に保磁力の差を設けておき、前記と同
等な磁気トンネル効果を実現できることも知られてい
る。
子の使用に際しては、磁気抵抗素子(磁気トンネル接合
構造)に対して電圧を印加して磁場の変化に対する磁気
抵抗変化率に応じた電圧を取り出すようにするが、この
磁気抵抗素子にあっては印加電圧を上げていくと磁気抵
抗変化率が徐々に低下する傾向を示すとともに、この磁
気抵抗変化率の低下傾向は抵抗値が大きいほど顕者にな
る。したがって、抵抗値が大きい磁気抵抗素子に大きな
電圧をかけると、大きな磁気抵抗変化率の減少を招くた
め、磁場の変化に対応して十分な検出電圧を取り出すこ
とができないという問題がある。逆に、抵抗値の小さな
磁気抵抗素子を使用すると、磁気抵抗変化率の減少傾向
は小さいが、磁気抵抗素子自体の抵抗が小さいために、
十分に大きな電圧を取り出すことができないという問題
がある。
11−67762号公報及び特開平11−112054
号公報に示されるように、複数の磁気トンネル接合構造
を直列に接続して用いることが提案されている。この場
合、前者においては、連続して形成した下磁性層上に一
対のバリア膜及び上磁性層を独立に分離して設けるよう
にして下磁性層を共通に用いるようにしている。また、
後者においては、前記のようなそれぞれ分離した一対の
バリア膜及び上磁性を共通の下磁性層上に形成したトン
ネル接合構造の基本単位を更に複数組横に並べて、隣り
合う基本単位の上磁性層を共通に連続する上磁性層材料
で連結して多くのトンネル接合を下磁性層及び上磁性層
を共通に用いて直列に連結するようにしている。
ル効果を用いた磁気抵抗素子における主な抵抗要素とし
ては、電極などの配線、バリア膜及び下磁性層であり、
これらの抵抗要素のうち、磁界の変化に対して変化する
のはバリア膜だけであるので、大きな磁気抵抗変化率を
得るためには、バリア膜以外の抵抗要素の抵抗値を低く
抑える必要がある。特に、バリア膜10の下層に位置す
る下磁性層などを厚く構成すると、同下磁性層などの表
面粗さが大きくなり、バリア膜10にピンホールが発生
する原因となるため、下磁性層などを厚くすることがで
きず、各磁気トンネル接合構造間を流れる電流が共通の
下磁性層などを通る場合には、この下磁性層などの抵抗
要素が問題となる。しかし、上記従来の磁気抵抗素子に
関する記述においては、磁気トンネル接合構造を直列に
接続することのみを提示しており、最適な接続方法に関
しては何ら考慮されておらず、高い磁気抵抗変化率を得
ることができない。
されもので、その目的は、バリア膜を下磁性層と上磁性
層との間に挟んで構成した磁気トンネル接合構造を基板
上に直列に接続して形成した磁気抵抗素子であって、高
い磁気抵抗変化率が得られるようにした磁気抵抗素子を
提供することにある。
の特徴は、バリア膜を下磁性層と上磁性層との間に挟ん
で構成した一対の磁気トンネル接合構造を基板上にて直
列に接続してなる磁気抵抗素子において、前記各磁気ト
ンネル接合構造の平面形状を長辺及び短辺からなる長方
形状にそれぞれ形成するとともに、同各磁気トンネル接
合構造の各長辺を平行かつ対向して配置したことにあ
る。
造の各下磁性層を前記基板上にて電気的に接続するよう
にするとよい。
配列を具体的にすると、本発明の構成上の特徴は、複数
の磁気トンネル接合構造を基板上に直線的に配列すると
ともに直列に接続してなる磁気抵抗素子において、前記
各磁気トンネル接合構造の平面形状を長方形状にそれぞ
れ形成するとともに、同長方形状の長辺が前記複数の磁
気トンネル接合構造の配列方向に対して直角をなすよう
にしたことにある。
合構造の各上磁性層と各下磁性層とをそれぞれ交互に順
次電気的に接続することにより、前記複数の磁気トンネ
ル接合構造を直列に接続するようにするとよい。また、
各磁気トンネル接合構造の下磁性層を一方向に向かって
隣りの磁気トンネル接合構造の上磁性層に順次電気的に
接続することにより、前記複数の磁気トンネル接合構造
を直列に接続するようにしてもよい。
配列を別の態様で具体的にすると、本発明の他の構成上
の特徴は、前記各磁気トンネル接合構造の平面形状を長
辺及び短辺からなる長方形状にそれぞれ形成し、各一対
ずつの磁気トンネル接合構造の各長辺を平行に対向させ
てなるとともに、前記複数の磁気トンネル接合構造を各
長辺方向に直線的にかつ各短辺方向に2列に配置してな
る。
対ずつの磁気トンネル接合構造の各下磁性層をそれぞれ
電気的に接続するとともに、前記各列毎に隣り合う各磁
気トンネル接合構造の各上磁性層を一つおきに電気的に
接続することにより、前記複数の磁気トンネル接合構造
を直列に接続するようにするとよい。
徴によれば、各磁気トンネル接合構造間を流れる電流
は、各磁気トンネル接合構造の長方形状の長辺方向に対
して直角な方向、すなわち面積の大きな面を通過するこ
とになるので、各磁気トンネル接合構造間の抵抗を小さ
くできる。特に、イオンビームエッチング処理などを用
いて磁気抵抗素子を形成することによりバリア膜の下方
に位置する下磁性層、固定磁化層(反強磁性層、強磁性
層)、導電層などのその他の層を厚くすることができな
くても、これらの下磁性層及びその他の層の断面積の大
きな方向に電流が流れることになり、各磁気トンネル接
合構造間の抵抗を小さくできる。したがって、本発明に
よれば、バリア膜以外の抵抗要素の抵抗値を小さく抑え
ることができ、磁気抵抗素子の磁気抵抗変化率を大きな
値に保つことができる。
ア膜を下磁性層と上磁性層との間に挟んで構成した複数
の磁気トンネル接合構造を基板上に配列してなる磁気抵
抗素子において、前記複数の磁気トンネル接合構造を縦
横複数ずつマトリクス状に配置するとともに、同複数の
磁気トンネル接合構造を直列に接続するようにしたこと
にある。
造を前記マトリクスの縦又は横方向に直線的に順次電気
的に接続するとともに、同マトリクスの両端部にて折り
返すように電気的に接続することにより、同複数の磁気
トンネル接合構造を直列に接続するようにするとよい。
造を直列に接続できて、一つの磁気トンネル接合素子に
印加される電圧が小さくても全体として大きな電圧を印
加できるので、磁気抵抗変化率の減少を極力抑えた上
で、大きな電圧を取り出すことができ、磁場の変化に対
応して十分な検出電圧を取り出すことができるようにな
る。また、複数の磁気トンネル接合構造をマトリクス状
に配置しているので、磁気抵抗素子を縦又は横長にしな
くて、適度な長さの方形状に形成でき、製造上、強度上
などにも有利となる。
複数の磁気トンネル接合構造の各平面形状を長方形状に
それぞれ形成するとともに、同複数の磁気トンネル接合
構造によるマトリクスの平面形状も長方形状に形成し、
前記各磁気トンネル接合構造の長方形状の長辺方向と前
記マトリクスの長方形状の長辺方向とを一致させるよう
にしたことにある。
は、磁気抵抗素子の磁界の方向と直交する幅を短くでき
るので、反磁場の影響度を小さく抑えることができる。
したがって、これによれば、前記マトリクス状に多数の
磁気トンネル接合構造を配列したことによる効果に加え
て、反磁場の影響を受けることがなくなって大きな磁気
抵抗変化率を確保できる。
方形をしていればよく、角部に多少の円形部分を有して
いても、本明細書においては長方形状というものとす
る。
気抵抗素子について説明すると、図1(A)は同実施形態
に係る磁気抵抗素子の概略平面図であり、図1(B)は同
磁気抵抗素子の断面図である。なお、図1(A)において
は、各層の接続状態を理解し易くするために、各層の寸
法を異ならせて示している。
i、ガラス又は石英からなる基板5を備えている。基板
5上には、平面形状を長方形状に形成した複数の下部電
極3が横方向に所定の間隔を隔てて一列に配置されてお
り、同下部電極3は、非磁性導電材料であるCr(又は
Ti)により膜厚10nm程度に形成されている。各下
部電極3上には、下部電極3と同一平面形状に形成さ
れ、RhMnからなり膜厚30nm程度の複数の反強磁
性膜8がそれぞれ積層されている。
9、バリア膜10,10及び上磁性層11,11からな
る各積層構造の一対の磁気トンネル接合構造が所定の間
隔を隔ててそれぞれ積層されている。各磁気トンネル接
合構造の平面形状は長方形状(例えば、10×60μ
m)にそれぞれ形成され、その各長辺がそれぞれ所定の
距離を隔てて平行かつ対向して配置されており、同長辺
方向が反強磁性膜8及び下部電極3の配列方向に直角に
なるように配置されている。下磁性層9,9は、膜厚1
0nm程度のNiFeからなる。バリア膜10,10
は、膜厚2nm程度のAl2O3からなる。上磁性層1
1,11は、膜厚2nm程度のCo膜を下層とし、膜厚
20nm程度のNiFe膜を上層とする2層構造に構成
されている。
バリア膜10,10及び上磁性層11,11からなる各
積層構造により、下部電極3上にアスペクト比「6」の
一対の磁気トンネル抵抗素子2,2が形成されているこ
とになる。この場合、反強磁性膜8は、下磁性層9,9
を固定層とするための固定磁化層として機能し、上磁性
層11,11がフリー層となる。各上磁性層11,11
上には、各磁気トンネル抵抗素子2,2のエッチングに
よるマージンを稼ぐため、膜厚60nm程度のMo膜か
らなり同各上磁性層11,11と同一平面形状のダミー
膜16が形成されている。
覆う領域には、複数の下部電極3及び反強磁性膜8をそ
れぞれ分離するとともに、各反強磁性膜8上に設けた一
対の磁気トンネル接合構造をそれぞれ絶縁分離するため
の層間絶縁膜12が設けられている。この層間絶縁膜1
2は、例えばSiO2からなって膜厚250nm程度に
形成されている。
抗素子2,2(ダミー膜16,16)上にてコンタクト
ホール13,13がそれぞれ形成されている。このコン
タクトホール13,13を埋設するとともに、異なる下
部電極3及び反強磁性膜8上に設けた一対の磁気トンネ
ル抵抗素子2,2の各一方間を互いに電気的に接続する
ように、例えば膜厚300nmのAlからなる上部電極
4,4がそれぞれ形成されている。このようにして、下
部電極3及び反強磁性膜8と、上部電極4とにより、隣
り合う一対の磁気トンネル接合構造の各上磁性11,1
1と各下磁性層9,9とをそれぞれ交互に順次電気的に
接続して、複数の磁気トンネル接合構造を直列に接続し
た磁気抵抗素子が形成されている。
ついて、図2(a)〜(d)及び図3(a)〜(c)を用いて説
明する。ただし、図2(a)〜(d)及び図3(a)〜(c)
は、一つの下部電極3及び反強磁性膜8すなわち一対の
磁気トンネル抵抗素子2,2のみを図示している。
は石英からなる基板5をスパッタ装置にセットする。こ
のスパッタ装置のチャンバを1×10−7Torr以下
まで排気する。そして、例えば、純度が99.9999
%のArガスを圧力が4mTorrになるまでチャンバ
内に導入する。チャンバ内に装備されているスパッタガ
ンを用いて、膜厚が10nmのCr(又はTi)膜を下
部電極3として基板5上に成膜する。(図2(a)参照)
て、スパッタガンにより、反強磁性膜8として、膜厚が
30nmのRhMn膜を下部電極3上に成膜する。この
反強磁性膜8上に、スパッタガンにより、下磁性層9と
して膜厚が10nmのNiFe膜を成膜する。(図2
(a)参照)
nmのAl膜を成膜する。Al膜の成膜後、真空を破ら
ずに、基板5を処理室に移動させて、純酸素をチャンバ
内の圧力が100Torrになるまで導入し、例えば、
20分間放置し、Al膜の酸化処理を行う。これによ
り、酸化アルミニウムAl2O3からなるバリア膜10
を得る。(図2(a)参照)
層11として、膜厚が2nm程度のCo及び膜厚が20
nm程度のNiFe膜を順次成膜する。そして、上磁性
層11上に、スパッタガンにより、ダミー膜16とし
て、膜厚が60nm程度のMo膜を成膜する。(図2
(a)参照)
した後、イオンミリング装置を用いたイオンビームエッ
チングにより、ダミー膜16、上磁性層11、バリア膜
10、下磁性層9、反強磁性膜8及び下部電極3の外周
端部をエッチング除去して、端部の除去されたダミー膜
16、上磁性層11、バリア膜10、下磁性層9、反強
磁性膜8及び下部電極3からなる積層構造を基板5上に
形成する。このエッチングは、同エッチングにより削り
出された基板5の材料(SiO2/Siなど)の検出を
条件とし、同検出から多少の時間経過後に終了され、そ
の後にアセトンでレジスト膜を除去する。(図2(b)参
照)
した後、イオンミリング装置を用いたイオンビームエッ
チングにより、ダミー膜16、上磁性層11、バリア膜
10及び下磁性層9の図示左右方向中央部及び両端部を
エッチング除去して、それぞれダミー膜16、上磁性層
11、バリア膜10及び下磁性層9からなる一対の積層
構造を反強磁性膜8上にそれぞれ形成する。なお、この
場合、エッチングは、同エッチングにより削り出された
反強磁性膜8の材料(RhMn)の検出を条件とし、同
検出時又は同検出から多少の時間経過後に終了される。
(図2(c)参照)
空チャンバ内に設置する。そして、例えば真空チャンバ
内を2.0×10−6Torr以下に真空排気した後、
5mTorrのArガスを導入した後、膜厚が250n
mのSiO2からなる層間絶縁膜12で基板5上を覆
う。(図2(d)参照)
ターニングした後、イオンミリング装置を用いたイオン
ビームエッチングにより、各ダミー膜16,16の上方
の層間絶縁膜12をエッチング除去して、層間絶縁膜1
2に各コンタクトホール13,13を開口形成する。そ
して、このエッチングは、同エッチングにより削り出さ
れたダミー膜16の材料(Mo)の検出を条件に、同検
出時から多少の時間経過後に終了され、その後に、例え
ばアセトンを使用してレジスト膜を除去する。(図3
(a)参照)
のを、真空チャンバにセットして、真空チャンバ内を
2.0×10−6Torr以下まで真空排気した後に、
例えば、5mTorrのArガスを導入する。そして、
膜厚が300nmであるAl膜からなる上部電極4を形
成する。(図3(b)参照)
ニングした後、イオンミリング装置を用いたイオンビー
ムエッチングにより、上部電極4の中央部(切欠部1
4)をエッチング除去することにより、上部電極4を2
つに分離する。そして、このエッチングは、同エッチン
グにより削り出された層間絶縁膜12の材料(Si
O2)の検出を条件に、同検出時から多少の時間経過後
に終了され、前記エッチング終了後に、例えばアセトン
を使用してレジスト膜を除去する。これにより、図1
(A)(B)に示す磁気トンネル効果を用いた磁気抵抗素子
が形成される。(図3(c)参照)
のイオンビームエッチングにおいては、不要部分を確実
に除去するために、同不要部分の下方に位置する層の部
材成分の検出によりイオンビームエッチングを停止する
ようにしているので、同下方に位置する層の上表面の一
部も除去される。
は、バリア膜10と基板5との間の膜厚が100nmを
超えると、表面粗さが大きくなり、バリア膜10にピン
ホールが発生する原因となる。したがって、この膜厚
は、100nmを超えない必要がある。また、各磁気ト
ンネル抵抗素子2の抵抗のバラツキを少なくするため、
好ましくは、バリア膜10と基板5との間の膜厚は50
mm以下にするとよい。
抵抗素子2)を直列に接続することにより、共通の反強
磁性膜8上に形成した一対の磁気トンネル接合構造のう
ちの一方の上部電極4(両端の上部電極4は入力端子と
なり外部から所定電位が印加される)に入力した電流
は、同一方の磁気トンネル接合構造のダミー膜16、上
磁性層11、バリア膜10及び下磁性層9を介して反強
磁性膜8及び下部電極3に向かって流れる。そして、反
強磁性膜8及び下部電極3内を同反強磁性膜8及び下部
電極3の配列方向(図1(A)の矢印方向)に流れ、前記
一対の磁気トンネル接合構造のうちの他方の下磁性層
9、バリア膜10、上磁性層11及びダミー膜16を介
して同他方の磁気トンネル接合構造の上部電極4に流れ
て、他の反強磁性膜8及び下部電極3上に形成した一対
の磁気トンネル接合構造のうちの電気的に接続された一
方の上部電極4に流れる。
えると、全抵抗は、上部電極4による配線抵抗RLと、
バリア膜10によるトンネル抵抗RTと、反強磁性膜8
及び下部電極3による抵抗RMとからなり、これらは直
列に接続されている。これらの抵抗RL,RT,RMの
うち、磁界の変化に対して抵抗値が変化するのはトンネ
ル抵抗RTの部分だけである。このため、大きな磁気抵
抗変化率を得るためには、バリア膜10の抵抗RTの部
分以外の他の抵抗RL,RMを低く抑える必要がある。
例えば、磁気トンネル抵抗素子2,2の平面形状の長方
形のサイズが10μm×60μm(アスペクト比が
「6」)であれば、一つの磁気トンネル抵抗素子2当た
りにおいて、配線抵抗RLは数Ω、トンネル抵抗が33
Ω、反強磁性膜8及び下部電極3による抵抗RMは20
乃至100Ωである。このように複数の磁気トンネル抵
抗素子2を直列接続した場合の磁気抵抗変化率は、磁気
トンネル抵抗素子2単体の場合に比べて半分程度にな
る。
0〜1000nmと厚くできるのに対して、反強磁性膜
8及び下部電極3は、表面を粗くしないでバリア膜10
内にピンホールを発生させないようにするために、あま
り厚く構成できない。したがって、反強磁性膜8及び下
部電極3内を前記図1(A)の矢印方向に電流が流れ易く
する必要がある、すなわち同矢印方向の反強磁性膜8及
び下部電極3による抵抗を小さくする必要がある。上記
のように構成した実施形態によれば、複数の共通の反強
磁性膜8上に、下磁性層9、バリア膜10及び上磁性層
11からなる一対の磁気トンネル接合構造を形成し、同
一対のトンネル接合構造の平面形状を長方形状にし、同
長方形状の各長辺を平行かつ対向させるようにした。そ
の結果、電流の流れる方向と直角な反強磁性膜8及び下
部電極3の断面積が大きくなるので、反強磁性膜8及び
下部電極3の抵抗値を小さく抑えることができ、磁気抵
抗変化率を高く保つことができる。また、多数の磁気ト
ンネル抵抗素子2を直列に接続するようにしたので、全
体として大きな電圧を印加するようにしても、一つの磁
気トンネル抵抗素子2に印加される電圧を小さく抑える
ことができ、高い磁気抵抗変化率を保ったまま大きな検
出電圧を取り出すことができる。
構造のみを備えて、複数の磁気トンネル接合構造を直列
に接続した第2接続例について説明する。図4(A)はこ
の第2接続例に係る磁気抵抗素子の概略平面図であり、
図4(B)は同磁気抵抗素子の断面図である。なお、図4
(A)においても、各層の接続状態を理解し易くするため
に、各層の寸法を異ならせて示している。
上に設けたダミー膜16、上磁性層11、バリア膜10
及び下磁性層9からなる一対の積層構造が削除され、ダ
ミー膜16、上磁性層11、バリア膜10及び下磁性層
9からなる一つの積層構造のみが反強磁性膜8にそれぞ
れ形成されているとともに、同反強磁性膜8は隣の反強
磁性膜8上に設けたダミー膜16、上磁性層11、バリ
ア膜10及び下磁性層9からなる一つの積層構造のダミ
ー膜16に上部電極4により電気的に接続されている。
他の構造に関しては上記第1接続例と同じであり、製造
方法も同第1接続例とほぼ同様であるので、それらの説
明は省略する。
磁性層9を一方向に向かって隣りの磁気トンネル接合構
造の上磁性層11に順次電気的に接続することにより、
複数の磁気トンネル接合構造を直列に接続した構成が実
現される。そして、この場合も、反強磁性膜8及び下部
電極3内を前記図4(A)の矢印方向に電流が流れ、電流
の流れる方向と直角な反強磁性膜8及び下部電極3の断
面積を大きくできるので、反強磁性膜8及び下部電極3
の抵抗値を小さく抑えることができ、磁気抵抗変化率を
高く保つことができる。
5に第3接続例として示すように、直列接続することも
できる。この場合、前記第1接続例と同様にダミー膜1
6、上磁性層11、バリア膜10及び下磁性層9からそ
れぞれなる一対の積層構造を共通の反強磁性膜8上に形
成しているが、各積層構造の各長辺を平行かつ対向させ
て図示上下2列に配置している。そして、各反強磁性膜
8上の上下2列の磁気トンネル抵抗素子2,2がそれら
の各長辺方向にそれぞれ2列の直線状になるように、複
数の下部電極3及び強磁性膜8を直線的に基板5上に配
置し、図示横方向に隣り合う反強磁性膜8上の上下2列
の磁気トンネル抵抗素子2の各ダミー膜16,16をそ
れぞれ上部電極4を連続させて上下交互に接続していく
ようにしている。なお、他の構造に関しては上記第1接
続例と同じであり、製造方法も同第1接続例とほぼ同様
であるので、それらの説明は省略する。
内の電流は、図示矢印で示すように、各磁気トンネル抵
抗素子2の長辺に対して直角方向に流れる。したがっ
て、電流の流れる方向と直角な反強磁性膜8及び下部電
極3の断面積を大きくできるので、反強磁性膜8及び下
部電極3の抵抗値を小さく抑えることができ、磁気抵抗
変化率を高く保つことができる。
て、実験により各磁気抵抗変化率を確認した結果につい
て説明しておく。この実験においては、磁気トンネル接
合構造(磁気トンネル抵抗素子2)を前記第1〜第3接
続例の場合と同一構成で平面形状を長方形状(長辺を6
0μm、短辺を10μmからなるアスペクト比「6」の
磁気トンネル抵抗素子2)にしたが、その長辺方向を各
磁気トンネル抵抗素子2の配列方向と同一方向にした比
較例についても磁気抵抗変化率を測定した。すなわち、
比較例1として、図6(A)に示すように、長辺方向を磁
気トンネル抵抗素子2の配列方向とするダミー膜16、
上磁性層11、バリア膜10及び下磁性層9からなる一
対の積層構造を一つの反強磁性膜8上に設けるととも
に、異なる反強磁性膜8上のダミー膜16間を上部電極
4で電気的に接続したものを採用した。また、比較例2
として、図6(B)に示すように、長辺方向を磁気トンネ
ル抵抗素子2の配列方向とするダミー膜16、上磁性層
11、バリア膜10及び下磁性層9からなる一つの積層
構造を一つの反強磁性膜8上に設けるとともに、同反強
磁性膜8と異なる反強磁性膜8上のダミー膜16とを上
部電極4で電気的に接続したものを採用した。また、こ
の実験においては、いずれの場合も、磁気トンネル抵抗
素子2を500個それぞれ直列接続した。これらの測定
結果を下記表1に示す。
造(磁気トンネル抵抗素子2)を、その平面形状を長方
形状に構成するとともに同長方形状の長辺方向が互いに
平行かつ対向するように配置して、磁気トンネル抵抗素
子2間を流れる電流の方向が磁気トンネル抵抗素子2の
長辺方向に直角になるようにすることが好ましいことが
理解できる。
説明しておく。なお、アスペクト比とは、下磁性層9、
バリア膜10及び上磁性層11が同一面積かつ同一形状
で同一位置に重ねられている場合には、これらの各平面
形状の長辺方向と短辺方向の長さの比を指し、詳しくは
フリー層となる上磁性層11(又は下磁性層9)の平面
形状の長辺方向と短辺方向の長さの比を指す。本発明者
らの実験及び経験では、このアスペクト比が大きいほど
バルクハウゼンノイズの影響が少なく、出力波形信号に
歪みが少なくなることが分かった。
素子2)の各上磁性層(フリー層)11の平面形状を長
方形にそれぞれ構成して、その長辺が40μmで短辺が
20μmであるアスペクト比「2」の第1サンプルと、
その長辺が80μmで短辺が20μmであるアスペクト
比「4」の第2サンプルを用意した。そして、第1及び
第2サンプルに係る一対の磁気トンネル抵抗素子2,2
からなる各磁気抵抗素子1をそれぞれ5個ずつ直列接続
(磁気トンネル抵抗素子2を10個直列接続)し、幅が
50μmのN極とS極とが交互に配置されたパターンか
らの磁場を変化させて、それらの各抵抗値(出力電圧)
の変化を検出して、各一周期分の出力電圧波形を得た。
抵抗素子2を10個直列接続したものでは、図7(A)に
示すように、出力波形に若干歪みが生じた。一方、アス
ペクト比が「4」である磁気トンネル抵抗素子2を10
個直列接続したものでは、図7(B)に示すように、出力
波形から前記歪みが消えて整った正弦波波形が得られ
た。前記歪みはバルクハウゼンノイズに起因するものと
考えられ、この実験結果からもアスペクト比が大きいほ
ど出力電圧に乱れが生ぜず、磁気ヘッド、磁気抵抗セン
サとしては精度のよいものが製造されることが確認でき
た。なお、上記基本的構成例の各種変形例においても、
このようにアスペクト比が大きいほど良好である。
2)を多数直列に接続するのに好ましい実施形態につい
て説明する。磁気トンネル抵抗素子2を多数接続する場
合、前記接続例では磁気トンネル抵抗素子2の数が多い
と長さが長くなりすぎるため、途中で折り返してマトリ
クス(ミランダ)構造とするとよい。
磁気センサを平面図により示しており、方形状の基板5
(図示省略)上に、例えば20×4個の磁気トンネル抵
抗素子2をマトリクス上に配置した例を概略平面図によ
り示している。図9は、第2のマトリクス構造に係る磁
気センサを平面図により示しており、方形状の基板5
(図示省略)上に、例えば10×12個の磁気トンネル
抵抗素子2をマトリクス上に配置した例を概略平面図に
より示している。
例の場合と同様に、共通の下部電極3及び反強磁性膜8
上に、平面形状を長方形に形成して下磁性層9、バリア
膜10、上磁性層11及びダミー膜16を積層した一対
の磁気トンネル接合構造(磁気トンネル抵抗素子2,
2)が長辺を縦方向にして平行かつ対向して配置され、
前記一対の磁気トンネル接合構造をそれぞれ配置させて
なる複数の共通の下部電極3及び反強磁性膜8が基板5
上にて横方向に直線的に縦方向に複数列にわたって配置
されている。そして、左右両端の磁気トンネル抵抗素子
2(Xで示す)以外の磁気トンネル抵抗素子2に関して
は、横方向に隣り合う一対の磁気トンネル抵抗素子2,
2の各ダミー膜16,16(上磁性層11,11)が上
部電極4によって横方向に直線的に直列接続されてい
る。左右両端の磁気トンネル抵抗素子2(Xで示す)に
関しては、図示上下一対の磁気抵抗素子1,1の各ダミ
ー膜16,16(各上磁性層11,11)が縦長の上部
電極4によりそれぞれ接続されている。なお、図8,9
においては、反強磁性膜8を省略して示している。
クス構造に係る磁気センサにおいては、上磁性層11
(磁気トンネル抵抗素子2)の長辺方向を互いに対向さ
せるとともに、これらの磁気トンネル抵抗素子2を下部
電極3及び上部電極4で交互に前記長辺方向と直交する
方向に連結して、同直交する方向に電流が流れるように
したので、上記第1〜第3接続例のように大きな磁気抵
抗変化率を得ることができる。なお、左右両端の磁気ト
ンネル抵抗素子2(Xで示す)に関しては、電流が下部
電極3及び上部電極4を図示矢印のように折り返して流
れる。
ンサ(図8)においては、全体の寸法として、上磁性層
11(磁気トンネル抵抗素子2)の長辺方向に短くかつ
同長辺方向と直交する短辺方向に長く構成されている。
これに対して、第2のマトリクス構造に係る磁気センサ
(図9)においては、全体の寸法として、上磁性層11
(磁気トンネル抵抗素子2)の長辺方向に長くかつ同長
辺方向と直交する短辺方向に短く、すなわち上磁性層1
1(磁気トンネル抵抗素子2)の長辺方向と全体の長辺
方向とが一致している。この種の磁気センサにおいて
は、図8,9に示すように、磁界Hの方向を上磁性層1
1(磁気トンネル抵抗素子2)の長辺方向にして用いる
ものであり、図8の場合には、図9の場合に比べて、磁
界Hの方向と直交する幅が長くなり、反磁場の影響のた
めに特性が若干劣る。したがって、第2のマトリクス構
造に係る磁気センサ(図9)のように、磁界Hの方向と
平行な方向を上磁性層11(磁気トンネル抵抗素子2)
の長辺方向とするとともに、センサ全体もこの方向を長
辺方向とするのが好ましい。
気センサの測定結果を示しておく。この測定において
は、上磁性層11(バリア膜10及び下磁性層9)の短
辺の長さ(図9の横方向の長さ)を10μmとするとと
もに長辺(図9の縦方向の長さ)を60μmとし(アス
ペクト比「6」)、反強磁性膜8及び下部電極3(図示
省略)の横方向の長さを32μmとするとともに縦方向
の長さを68μmとした。そして、一対の磁気トンネル
抵抗素子2,2を載置した反強磁性膜8及び下部電極3
を横方向に36μmのピッチで16個(磁気トンネル抵
抗素子2を32個)配置するとともに、縦方向に72μ
mのピッチで16個配置して、512個の磁気トンネル
抵抗素子2で磁気センサを構成した。この場合、規格化
抵抗値は66kΩ・μm2、磁気トンネル抵抗素子2の
1個あたりの抵抗110Ω、磁気センサ全体で57kΩ
になる。また、同センサに60μAの電流を流して磁界
を変化させた結果、図10のような出力電圧を得た。こ
の結果、この実験によれば、抵抗値57kΩ、抵抗変化
率29%という実験データを得た。
リクス状に配置して磁気センサを構成するようにすれ
ば、多数の磁気トンネル抵抗素子2を直列接続しても、
磁気センサ自体を細く構成する必要もなく、高い磁気抵
抗変化率を得ることができる。特に、上磁性層11(磁
気トンネル抵抗素子2)の長辺方向と、センサ全体の長
辺方向とを一致させるようにすれば、全体として高抵
抗、かつ高い磁気抵抗変化率を有する磁気センサを実現
できる。
リア膜10、上磁性層11、ダミー膜16からなる積層
構造の変形例について説明しておく。
5上に複数の下部電極3を形成するとともに、各下部電
極3上に、反強磁性膜8、下磁性層9、バリア膜10、
上磁性層11、ダミー膜16からなる独立した一対の積
層構造をそれぞれ形成したものである。
5上に下部電極3、反強磁性膜8及び下磁性層9からな
る複数の積層構造を形成し、各下磁性層9上に、バリア
膜10、上磁性層11、ダミー膜16からなる独立した
一対の積層構造をそれぞれ形成したものである。
第1変形例の反強磁性膜8を、各上磁性層11,11と
各ダミー膜16,16との間にそれぞれ設けるようにし
たものである。これによれば、上磁性層11,11が固
定層として機能するとともに、下磁性層が9,9がフリ
ー層として機能するようになる。
第1〜3変形例の反強磁性膜8を削除したもので、一対
の磁気トンネル抵抗素子2,2は、下磁性層9,9、バ
リア膜10,10及び上磁性層11,11のみで構成さ
れている。この場合、各下磁性層9,9と各上磁性層1
1,11との間にある程度大きな保磁力の差を設けるよ
うにして、保磁力の小さな方をフリー層として機能させ
るとともに保磁力の大きな方を固定層として機能させる
ようにする。また、この第4変形例においても、基板5
上に下部電極3及び下磁性層9からなる複数の積層構造
を形成し、各下磁性層9上に、バリア膜10、上磁性層
11、ダミー膜16からなる独立した一対の積層構造を
それぞれ形成するようにしてもよい。
いても、上述した積層構造と同一の材料を用いることが
できるとともに、製造方法も同種の方法を採用できるの
で、それらの説明は省略する。そして、これらの積層構
造に関する各種変形例においても、上述した第1〜第3
接続例及びマトリクス構造を採用できるものである。
下磁性層9又は上磁性層11を固定層とするためにRh
Mnからなる反強磁性膜8を固定磁化層として用いるよ
うにしたが、このRhMnに代えて、FeMn,PtM
n等からなる反強磁性膜8を用いてもよい。
磁性層9又は上磁性層11を固定層とするための固定磁
化層として膜厚30nm程度のCoPtCrなどの強磁
性膜をそれぞれ用いることもできる。このCoPtCr
からなる強磁性膜を用いることにより、上記第1〜4変
形例による効果に加えて、温度特性が良好となる。ま
た、前記CoPtCrに代えて、CoTaCrなどの保
磁力が十分に大きい強磁性膜を使用することもできる。
0の形成のために、上記第3工程の処理により、純酸素
チャンバ内でAl膜を20分間放置して酸化処理するよ
うにしたが、これでは最終的な1つの磁気トンネル抵抗
素子2当たりの規格化抵抗値は20kΩ・μm2程度で
ある。したがって、この規格化抵抗値を増加させるため
には、前記Al膜を厚くして前記酸化処理時間を長くす
るようにしてもよい。これにより、前記規格化抵抗値を
200kΩ・μm2程度まで増大させることができる。
また、成膜後に真空チャンバ内に、酸素を100mTo
rr導入し、例えば、13.56MHzの高周波により
酸素プラズマを発生させ、Al膜を、例えば、1分間酸
素プラズマに曝すことにより前記規格化抵抗値を1MΩ
・μm2まで大きくすることもできる。
0の作製方法は、純酸素を使用する方法を使用したが、
本発明は、特にこれに限定されるものではなく、自然酸
化法又は酸素プラズマに変えて酸素イオンビームをAl
膜に照射して酸化させる方法等を使用することができ
る。
格抵抗値は種々に調整されるものであるが、この規格化
抵抗値が増加すると、熱雑音の影響が増加するので、そ
の用途に応じて規格化抵抗値もある程度の値に抑える必
要がある。
例においては、下部電極3の材料としてCr,Ti等を
用いるようにしたが、これに限らず、Cu,W,Ta,
Au,Mo等の導電性非磁性金属材料を用いることがで
きる。また、上部電極4及びダミー膜16に関しても、
Cr,Tiに加え、前記のような各種導電性非磁性金属
材料を用いることができる。
を用いた磁気センサにおいては、基準抵抗と直列に同セ
ンサを直列接続して用いてもよいし、ホイートストン・
ブリッジの1辺として組込んで用いてもよい。これらの
場合でも、一つの基板5上に、基準抵抗、ホイートスト
ン・ブリッジ内の抵抗を形成するようにするとよい。
気トンネル抵抗素子を直線状に直列接続した磁気抵抗素
子(第1接続例)を示す概略平面図であり、(B)は前
記磁気抵抗素子の断面図である。
方法を工程順に示す断面図である。
に示す磁気抵抗素子の断面図である。
抵抗素子(第2接続例)を示す概略平面図であり、
(B)は前記磁気抵抗素子の断面図である。
(第3接続例)を示す概略平面図である。
素子の性能を評価するために複数の磁気トンネル抵抗素
子を直列列接続した第1比較例に係る磁気抵抗素子の概
略平面図であり、(B)は同第2比較例に係る磁気抵抗素
子の概略平面図である。
「2」である磁気トンネル抵抗素子の出力電圧波形を測
定した測定結果であり、(B)は磁場を変化させてアスペ
クト比が「4」である磁気トンネル抵抗素子の出力電圧
波形を測定した測定結果である。
た第1マトリクス構造を有する磁気抵抗素子の概略平面
図である。
た第2マトリクス構造を有する概略平面図である。
素子の磁界に対する出力電圧の特性図である。
の断面図である。
の断面図である。
の断面図である。
の断面図である。
極、5…基板、8…反強磁性膜、9…下磁性層、10…
バリア膜、11…上磁性層、12…層間絶縁膜、13…
コンタクトホール、14…切欠部、16…ダミー膜。
Claims (10)
- 【請求項1】バリア膜を下磁性層と上磁性層との間に挟
んで構成した一対の磁気トンネル接合構造を基板上にて
直列に接続してなる磁気抵抗素子において、 前記各磁気トンネル接合構造の平面形状を長辺及び短辺
からなる長方形状にそれぞれ形成するとともに、同各磁
気トンネル接合構造の各長辺を平行かつ対向して配置し
たことを特徴とする磁気抵抗素子。 - 【請求項2】前記請求項1に記載の磁気抵抗素子におい
て、 前記一対の磁気トンネル接合構造の各下磁性層を前記基
板上にて電気的に接続するようにした磁気抵抗素子。 - 【請求項3】バリア膜を下磁性層と上磁性層との間に挟
んで構成した複数の磁気トンネル接合構造を基板上に直
線的に配列するとともに直列に接続してなる磁気抵抗素
子において、 前記各磁気トンネル接合構造の平面形状を長方形状にそ
れぞれ形成するとともに、同長方形状の長辺が前記複数
の磁気トンネル接合構造の配列方向に対して直角をなす
ようにしたことを特徴とする磁気抵抗素子。 - 【請求項4】前記請求項3に記載の磁気抵抗素子におい
て、 隣り合う一対の磁気トンネル接合構造の各上磁性層と各
下磁性層とをそれぞれ交互に順次電気的に接続すること
により、前記複数の磁気トンネル接合構造を直列に接続
するようにした磁気抵抗素子。 - 【請求項5】前記請求項3に記載の磁気抵抗素子におい
て、 各磁気トンネル接合構造の下磁性層を一方向に向かって
隣りの磁気トンネル接合構造の上磁性層に順次電気的に
接続することにより、前記複数の磁気トンネル接合構造
を直列に接続するようにした磁気抵抗素子。 - 【請求項6】バリア膜を下磁性層と上磁性層との間に挟
んで構成した複数の磁気トンネル接合構造を基板上にて
直列に接続してなる磁気抵抗素子において、 前記各磁気トンネル接合構造の平面形状を長辺及び短辺
からなる長方形状にそれぞれ形成し、各一対ずつの磁気
トンネル接合構造の各長辺を平行に対向させてなるとと
もに、前記複数の磁気トンネル接合構造を各長辺方向に
直線的にかつ各短辺方向に2列に配置してなることを特
徴とする磁気抵抗素子。 - 【請求項7】前記請求項6に記載の磁気抵抗素子におい
て、 前記長辺を対向させてなる各一対ずつの磁気トンネル接
合構造の各下磁性層をそれぞれ電気的に接続するととも
に、前記各列毎に隣り合う各磁気トンネル接合構造の各
上磁性層を一つおきに電気的に接続することにより、前
記複数の磁気トンネル接合構造を直列に接続するように
した磁気抵抗素子。 - 【請求項8】バリア膜を下磁性層と上磁性層との間に挟
んで構成した複数の磁気トンネル接合構造を基板上に配
列してなる磁気抵抗素子において、 前記複数の磁気トンネル接合構造を縦横複数ずつマトリ
クス状に配置するとともに、同複数の磁気トンネル接合
構造を直列に接続するようにした磁気抵抗素子。 - 【請求項9】前記請求項8に記載の磁気抵抗素子におい
て、 前記複数の磁気トンネル接合構造を前記マトリクスの縦
又は横方向に直線的に順次電気的に接続するとともに、
同マトリクスの両端部にて折り返すように電気的に接続
することにより、同複数の磁気トンネル接合構造を直列
に接続するようにした磁気抵抗素子。 - 【請求項10】前記請求項8に記載の磁気抵抗素子にお
いて、 前記複数の磁気トンネル接合構造の各平面形状を長方形
状にそれぞれ形成するとともに、同複数の磁気トンネル
接合構造によるマトリクスの平面形状も長方形状に形成
し、 前記各磁気トンネル接合構造の長方形状の長辺方向と前
記マトリクスの長方形状の長辺方向とを一致させるよう
にした磁気抵抗素子。
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