JP2004117367A - 磁気センサ及び同磁気センサの製造方法 - Google Patents

磁気センサ及び同磁気センサの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 磁気トンネル効果素子を用いた磁気センサの温度特性を改善し、外部磁界の検出精度を向上すること。
【解決手段】 磁気センサは、磁気トンネル効果素子51,52を有し、これらの磁気トンネル効果素子の各固定磁化層の磁化の向きは、それぞれの素子において総て同一方向(図5に矢印にて示す方向)とされている。この磁気センサは、磁気トンネル効果素子51と磁気トンネル効果素子52とを直列接続するとともに、これに直流定電圧源53を直列に接続し、磁気トンネル効果素子52の両端電圧を出力電圧Voutとして取り出すハーフブリッヂ回路により構成されている。
【選択図】 図5

Description

 本発明は、磁化の向きが所定の向きに固定された固定磁化層と、磁化の向きが外部磁界に応じて変化する自由磁化層と、固定磁化層と自由磁化層との間に挟まれた絶縁層とを含んでなる磁気トンネル効果素子を用いた磁気センサ及び同磁気センサの製造方法に関する。
 従来から、異方性MR効果を利用した磁気抵抗効果素子(AMR素子)、或いは巨大磁気抵抗効果を利用した巨大磁気抵抗素子(GMR素子)が広く知られている。一方、最近では、AMR素子又はGMR素子よりも磁気抵抗変化率が大きく感度が良好な素子として磁気トンネル効果素子(TMR素子)が注目されており、同素子の磁気センサへの応用開発が進められている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平8−70148号公報
 しかしながら、磁気トンネル効果素子は温度特性が良好ではないため、磁気センサとして使用し難いという問題がある。一例として、図17は、環境温度を25,90,及び150℃に変化させた場合における、所定の磁気トンネル効果素子の外部磁界に対する抵抗値(出力)を測定した結果を示している。図17から理解されるように、外部磁界が大きく異なっていても、環境温度が変化することにより素子の示す抵抗値が同じになる場合があることから、このような素子をそのまま磁気センサに用いることは困難である。
 また、図18は図17に示した測定結果をもとに、横軸に環境温度をとり、縦軸に素子の抵抗値をとって、各環境温度における抵抗値の最大値と最小値を破線及び実線にてそれぞれ示したものである。一般に、磁界の向きが所定の向きであるか、又は同所定の向きとは反対の向きであるかを検出するためには、磁気センサの出力が所定の閾値以上か否かを判断する必要があるが、図18から理解されるように、この素子においては、そのような検出を行うための適切な閾値を25〜150℃の環境温度範囲において設定することが困難である(図中の一点鎖線を参照)。
 本発明は、上記課題に対処するためになされたものであって、その特徴は、磁気トンネル効果素子の固定磁化層の固定された磁化の向きが互いに略反対向きとなるように配設された素子によりハーフブリッジ回路を構成して磁気センサとしたことにある。
 具体的には、本発明の他の特徴は、直流電圧源と、磁化された強磁性膜及び同磁化された強磁性膜により磁化の向きが所定の向きに固定された強磁性膜からなる固定磁化層と磁化の向きが外部磁界に応じて変化する自由磁化層と前記固定磁化層及び前記自由磁化層の間に挟まれた絶縁層とを含んでなる少なくとも二つの磁気トンネル効果素子と、を備えた磁気センサにおいて、前記磁気トンネル効果素子のうちの一の磁気トンネル効果素子の固定磁化層の磁化の向きと前記磁気トンネル効果素子のうちの他の磁気トンネル効果素子の固定磁化層の磁化の向きとが略反対の向きとなるように同両磁気トンネル効果素子を配設し、前記一の磁気トンネル効果素子と、前記他の磁気トンネル効果素子と、前記直流電圧源とを直列に接続し、前記磁気トンネル効果素子の何れかの素子の両端電圧を出力するように構成したことにある。この場合において、前記少なくとも二つの磁気トンネル効果素子は、同一基板上に形成してもよく、独立した基板上に形成してもよい。
 これによれば、図5に示したように、直流電圧源の電圧をVin、前記磁気トンネル効果素子に外部磁界が加わっていない場合の同素子の抵抗値をR0、十分大きな外部磁界であって、固定磁化層の磁化の向きと同一向き又は反対向きの磁界が磁気トンネル効果素子に加わった場合の同素子の抵抗変化分をそれぞれ−ΔRd,ΔRuとするとき、出力電圧Voutの最大値Vmax、最小値Vminは下記数1,数2で表される。
Vmax=Vin・(R0+ΔRu)/(2R0+ΔRu−ΔRd) …数1
Vmin=Vin・(R0−ΔRd)/(2R0+ΔRu−ΔRd) …数2
 一般に、磁気トンネル効果素子においては、ΔRu≒ΔRdであるので、ΔR=ΔRu=ΔRdとおくと、数1,数2は、それぞれ、以下の数3及び数4に変形される。
Vmax=Vin・(1+(ΔR/R0))/2 …数3
Vmin=Vin・(1−(ΔR/R0))/2 …数4
 この場合、図17の測定に用いた磁気トンネル効果素子を例にとると、最大値Vmaxは、図2のラインDにて示したように0.533Vin〜0.525Vin程度となり、最小値Vminは図2のラインEにて示したように0.468Vin〜0.475Vin程度となる。従って、磁気遮蔽した磁気トンネル効果素子と磁気遮蔽しない磁気トンネル効果素子とによりハーフブリッヂ回路を構成した上記の場合と同様に、温度特性が改善されるととともに、同場合よりも出力特性が向上する。また、この磁気センサにおいても、ラインCのように、外部磁界の向きを検出するための閾値を上記環境温度の全域に渡り設定することができるので、同磁気センサは外部磁界の方向の変化を確実に検出し得るものとなる。
 本発明の他の特徴は、磁気トンネル効果素子によりフルブリッジ回路を構成するものであって、同フルブリッヂ回路の対向する位置にある磁気トンネル効果素子については、その固定磁化層の固定された磁化の向きが略同一向きとなり、且つ隣接する位置にある素子については、その固定磁化層の固定された磁化の向きが略反対の向きとなるように各磁気トンネル効果素子を配設したものである。
 具体的には、本発明の他の特徴は、直流電圧源と、磁化された強磁性膜及び同磁化された強磁性膜により磁化の向きが所定の向きに固定された強磁性膜からなる固定磁化層と磁化の向きが外部磁界に応じて変化する自由磁化層と前記固定磁化層及び前記自由磁化層の間に挟まれた絶縁層とを含んでなる第1乃至第4磁気トンネル効果素子と、を備えた磁気センサにおいて、第1磁気トンネル効果素子の固定磁化層の磁化の向きと第2磁気トンネル効果素子の固定磁化層の磁化の向きとが略反対の向きとなるように同第1及び第2磁気トンネル効果素子を配設するとともに同第1磁気トンネル効果素子と同第2磁気トンネル効果素子とを各一端にて接続し、同第1磁気トンネル効果素子の他端と同第2磁気トンネル効果素子の他端とを前記直流電圧源の正極と負極とにそれぞれ接続し、第3磁気トンネル効果素子の固定磁化層の磁化の向きと第4磁気トンネル効果素子の固定磁化層の磁化の向きとが略反対の向きであって、同第3磁気トンネル効果素子の固定磁化層の磁化の向きと前記第1磁気トンネル効果素子の固定磁化層の磁化の向きとが略反対の向きとなるように同第3及び同第4磁気トンネル効果素子を配設するとともに同第3磁気トンネル効果素子と同第4磁気トンネル効果素子とを各一端にて接続し、同第3磁気トンネル効果素子の他端と同第4磁気トンネル効果素子の他端とを前記直流電圧源の正極と負極とにそれぞれ接続し、前記第1磁気トンネル効果素子と前記第2磁気トンネル効果素子との接続個所と、前記第3磁気トンネル効果素子と第4磁気トンネル効果素子との接続個所との間の電位差を出力するように構成したことにある。
 この場合、上記フルブリッヂ回路全体を同一基板上に形成してもよく、前記第1及び第2磁気トンネル効果素子からなる回路要素、または前記第3及び第4磁気トンネル効果素子からなる回路要素を、同回路要素単位で同一基板上に形成してもよい。また、第1〜第4磁気トンネル効果素子の各々を異なる基板上に形成することもできる。
 このように構成された磁気センサにおいては、図13に示したように、第1及び第2磁気トンネル効果素子の接続点と、第3及び第4磁気トンネル効果素子の接続点との電位差が出力電圧Voutとして出力され、前記磁気トンネル効果素子に外部磁界が加わっていない場合の同素子の抵抗値をR0、十分大きな外部磁界であって、固定磁化層の磁化の向きと同一向き又は反対向きの磁界が磁気トンネル効果素子に加わった場合の同素子の抵抗変化分をそれぞれ−ΔRd,ΔRuとするとき、出力電圧Voutの最大値Vmax、最小値Vminは下記数5,数6で表される。
Vmax=(ΔRu+ΔRd)/(2R0+ΔRu−ΔRd) …数5
Vmin=−(ΔRu+ΔRd)/(2R0+ΔRu−ΔRd) …数6
 一般に、磁気トンネル効果素子においては、ΔRu≒ΔRdであるので、ΔR=ΔRu=ΔRdとおくと、数5,数6は、それぞれ、以下の数7及び数8に変形される。
Vmax=2・ΔR/R0 …数7
Vmin=−2・ΔR/R0 …数8
 図17の測定例においては、このΔR/R0の値は0.065〜0.049であって環境温度の変化による影響が小さい。また、この傾向は磁気トンネル効果素子に一般的である。従って、上記フルブリッヂ回路の磁気センサは、温度特性が改善されたものとなる。また、最大値Vmaxは正の値であり、最小値Vminは負の値であり、それらの中央値は「0」である。従って、値「0」を閾値とすることにより、外部磁界の向きの変化を確実に検出しうる磁気センサが提供され得る。
 また、本発明の他の特徴は、磁化された強磁性膜及び同磁化された強磁性膜により磁化の向きが所定の向きに固定された強磁性膜からなる固定磁化層と、磁化の向きが外部磁界に応じて変化する磁性層からなる自由磁化層と、前記固定磁化層と前記自由磁化層とに挟まれた絶縁層とを含んでなる磁気トンネル効果素子を複数備えた磁気センサの製造方法において、前記固定磁化層となるべき磁性層と、前記自由磁化層となるべき磁性層と、前記両磁性層の間に挟まれた絶縁層とを含む積層体を単一の基板上に複数形成する工程と、前記積層体のうちの一つの積層体に対し磁気ヘッドにより磁界を与え、同積層体の前記固定磁化層となるべき磁性層の磁化の向きが所定の向きとなるように同磁性層を磁化する工程と、前記積層体のうちの他の積層体に対し磁気ヘッドにより磁界を与え、同積層体の前記固定磁化層となるべき磁性層の磁化の向きが前記所定の向きと略反対の向きとなるように同磁性層を磁化する工程とを含んだことにある。
 この製造方法によれば、固定磁化層の磁化の向きが反対の向きとなっている上記磁気センサを単一基板上に容易に製造することができる。
 また、本発明の他の特徴は、磁化された強磁性膜及び同磁化された強磁性膜により磁化の向きが所定の向きに固定された強磁性膜からなる固定磁化層と、磁化の向きが外部磁界に応じて変化する磁性層からなる自由磁化層と、前記固定磁化層と前記自由磁化層とに挟まれた絶縁層とを含んでなる磁気トンネル効果素子を複数備えた磁気センサの製造方法において、前記固定磁化層となるべき磁性層と、前記自由磁化層となるべき磁性層と、前記両磁性層の間に挟まれた絶縁層とを含む積層体を単一の基板上に複数形成する工程と、前記複数の積層体の全体に対して所定の向きの磁界を与えて同複数の積層体の前記固定磁化層となるべき磁性層を磁化する工程と、前記積層体のうちの少なくとも一つの積層体を磁気遮蔽した後に前記複数の積層体の全体に対して前記所定の向きとは略反対の向きの磁界を与えて前記磁気遮蔽されていない積層体の前記固定磁化層となるべき磁性層を再度磁化する工程とを含んだことにある。
 この製造方法によっても、固定磁化層の磁化の向きが反対の向きとなっている上記磁気センサを単一基板上に容易に製造することができる。
 以下、本発明による磁気トンネル効果素子を用いた磁気センサの各実施形態について、同各実施形態に共通に使用される磁気トンネル効果素子から説明する。図14は、かかる磁気トンネル効果素子の一部を示す概略断面図であり、図15及び図16は、図14に対応した磁気トンネル効果素子の概略平面図である。
 この磁気トンネル効果素子は、例えばSiO2/Si、ガラス又は石英からなる基板10を備えている。基板10上には、平面形状を長方形状にした複数の下部電極11が横方向に所定の間隔を隔てて一列に配置されており、下部電極11は、導電性非磁性金属材料であるCr(又はTi)により膜厚10nm程度に形成されている。各下部電極11上には、同下部電極11と同一平面形状に形成され、CoCr系金属(例えば、CoPtCr)からなり膜厚30nm程度の強磁性膜12がそれぞれ積層されている。強磁性膜12は、図16の矢印方向に磁化されている。
 各強磁性膜12上には、膜厚5nm程度のNiFeからなる一対の強磁性膜13,13が間隔を隔てて積層されている。この強磁性膜13,13は、平面視において長方形状(例えば、20×12μm)を有し、その各長辺が平行に対向されるとともに、各短辺は前記強磁性膜12の磁化方向と同一となるように配置されている。この強磁性膜13は、強磁性膜12と協働して磁化の向きが固定された硬質磁性の磁性膜である固定磁化層(固着層)を構成するものであり、強磁性膜12の磁化により、図16に示すように短辺方向に磁化されている。
 各強磁性膜13の上には、同強磁性膜13と同一平面形状を有する絶縁層14が形成されている。絶縁層14は、絶縁材料であるAl23からなり、その膜厚は3〜4nm程度となるように形成されている。
 絶縁層14の上には、同絶縁層14と同一平面形状を有する強磁性膜15が形成されている。この強磁性膜15は、絶縁層14に接する膜厚2nm程度のCo膜を下層とし、同Co膜に接する膜厚60nm程度のNiFe膜を上層とする2層構造を有している。強磁性膜15は、その磁化の向きが外部磁界の向きに応じて変化する軟質磁性の磁性膜である自由磁化層を構成し、前記強磁性膜12,13からなる固定磁化層と前記絶縁層14とともに磁気トンネル接合構造を形成している。
 各強磁性膜15の上には、同各強磁性膜15と同一平面形状のダミー膜16がそれぞれ形成されている。このダミー膜16は、膜厚30nm程度のMo膜からなる導電性非磁性金属材料によって構成されている。
 基板10、下部電極11、強磁性膜12,13、絶縁層14、強磁性膜15及びダミー膜16を覆う領域には、複数の下部電極11及び強磁性膜12をそれぞれ絶縁分離するとともに、各強磁性膜12上に設けた一対の強磁性膜13、絶縁層14、強磁性膜15及びダミー膜16をそれぞれ絶縁分離するための層間絶縁層17が設けられている。層間絶縁層17は、例えばSiO2からなり、その膜厚は250nm程度である。
 この層間絶縁膜17には、各ダミー膜16上にてコンタクトホール17aがそれぞれ形成されている。このコンタクトホール17aを埋設するとともに、異なる下部電極11及び強磁性膜12上に設けた一対のダミー膜16,16の各一方間を互いに電気的に接続するように、例えば膜厚300nmのAlからなる上部電極18,18がそれぞれ形成されている。このように、下部電極11及び強磁性膜12と、上部電極18とにより、隣り合う一対の磁気トンネル接合構造の各強磁性膜15,15(各ダミー膜16,16)と各強磁性膜12,12とをそれぞれ交互に順次電気的に接続して、固定磁化層の磁化の向きが同一とされた複数の磁気トンネル接合構造を直列に接続した磁気トンネル効果素子(磁気トンネル効果素子群)が形成される。
 図17は、上記基板10上の2×2mmの領域に、上述の磁気トンネル効果素子を500個(1個の磁気トンネル効果素子は、一組の固定磁化層、絶縁層、自由磁化層を有する。従って、図14では4個の磁気トンネル効果素子が示されている。)形成し、これらを電気的に直列接続した試料の温度特性を示す図である。この図において、ラインA,B,Cは、環境温度をそれぞれ25,90,及び150℃に変化させた場合における同試料の外部磁界に対する抵抗値の変化を示している。図17から理解されるように、外部磁界が大きく異なっている場合であっても環境温度により試料の示す抵抗値が同じになる場合があるので、このような試料をそのまま磁気センサに用いることは困難である。
 次に、本発明による温度特性が改善された磁気センサの各実施形態について個別に説明する。
(第1実施形態)
 図1に示した第1実施形態に係る磁気センサは、図14における基板10に相当する基板30上に形成された磁気トンネル効果素子31と、同基板30上に形成され磁気遮蔽が施された磁気トンネル効果素子32とを備えている。磁気トンネル効果素子31,32の各々は、図14〜図16に示したように、同一構成からなる複数個(例えば、500個)の磁気トンネル効果素子を直列接続したものである。磁気トンネル効果素子31,32を構成する前記複数の磁気トンネル効果素子の各固定磁化層の磁化の向きは、総て同一方向(図1に矢印にて示す方向)とされている。
 そして、この磁気センサは、磁気遮蔽されていない磁気トンネル効果素子31と磁気遮蔽されている磁気トンネル効果素子32とを直列接続するとともに、これに直流定電圧源33を直列に接続し、磁気トンネル効果素子32の両端電圧を出力電圧Voutとして取り出すハーフブリッヂ回路により構成されている。
 この磁気センサは、以下に述べる工程を経て製造することができる。即ち、図14に示した各層11〜18に相当する層を有する積層体を基板30上に形成し、次いで上記ハーフブリッヂ回路を構成する。その後、磁気トンネル効果素子32となるべき積層体を軟磁性体により被覆して同積層体に対し磁気遮蔽を施す。最後に、全体に対して前記磁気遮蔽にて遮蔽できない程度の強い磁場を付与することで前記積層体を磁化(着磁)し、これにより、磁気トンネル効果素子31,32の固定磁化層の磁化の向きを固定する。
 このように構成した磁気センサにおいては、磁気トンネル効果素子32が磁気遮蔽されていることから、同素子32の抵抗値は外部磁界に関わらず一定値R0である。一方、磁気トンネル効果素子31に、同素子31の固定磁化層の磁化の向きと同じ向きの十分大きな外部磁界が加わっている場合には、同素子31の抵抗値はR0−ΔRdとなる。また、磁気トンネル効果素子31に、同素子31の固定磁化層の磁化の向きと反対向きの十分大きな外部磁界が加わっている場合には、同素子31の抵抗値はR0+ΔRuとなる。そこで、直流電圧源33の電圧をVinとすると、出力電圧Voutの最大値Vmaxは、Vmax=Vin/(2−(ΔRd/R0))…(1)で表され、最小値Vminは、Vmin=Vin/(2+(ΔRu/R0))…(2)で表される。
 ところで、磁気トンネル効果素子は、環境温度が変化しても上記(1)式のΔRd/R0、及び(2)式のΔRu/R0の変化量が小さいという特性を有している。例えば、図17の測定例では、ΔRd/R0、及びΔRu/R0は共に、環境温度25,90,及び150℃に対し、それぞれ、0.065,0.056,及び0.049程度である。従って、環境温度25,90,及び150℃に対し、上記磁気センサの出力電圧Voutの最大値Vmaxは、それぞれ略0.516Vin,0.514Vin,及び0.513Vinとなる。また、環境温度25,90,及び150℃に対し、上記磁気センサの出力電圧Voutの最小値Vminは、それぞれ略0.484Vin,0.486Vin,及び0.488Vinである。即ち、環境温度が変化した場合であっても、上記磁気センサの出力電圧Voutの最大値Vmaxは0.51Vin程度の略一定値となり、出力電圧Voutの最小値Vminは、0.48Vin程度の略一定値となる。従って、上記特徴を有する磁気センサは、温度特性が良好なものとなっている。
 また、この磁気センサの環境温度に対する出力電圧Voutの最大値Vmax、最小値Vminを図示した図2から理解されるように、最大値Vmax(ラインA)と最小値Vmin(ラインB)は、上記環境温度の全域に渡り同一の値となることがない。これにより、外部磁界の方向の変化を検出するための閾値(外部磁界が「0」であるときの出力電圧Voutに相当する値)を、ラインCにて示したように上記環境温度の全域に渡り設定することができる。従って、上記磁気センサは、環境温度が広い範囲で変化した場合においても、外部磁界の方向の変化を確実に検出し得るものとなっている。
(第1実施形態の変形例)
 第1実施形態の変形例は、図1において破線にて示したように、磁気遮蔽された磁気トンネル効果素子32の両端電圧を出力電圧Voutとする代わりに、磁気トンネル効果素子31の両端電圧を出力電圧V´outとしたものであり、他の部分については第1実施形態と同一である。
 この場合においては、出力電圧V´outの最大値V´max及び最小値V´minは、直流定電圧源33の電圧Vinから上記(2)式の最小値Vmin及び(1)式の最大値Vmaxをそれぞれ減じた値となる。従って、このように出力を取り出した場合においても、出力電圧V´outの最大値V´max及び最小値V´minは環境温度に関わらず略一定値となる。即ち、この磁気センサは、温度特性が改善されており、また、外部磁界の方向の変化を精度よく検出し得る。
 (第2実施形態)
 図3に示した第2実施形態に係る磁気センサは、図14における基板10に相当する基板40上に形成された磁気トンネル効果素子41,44と、同基板40上に形成され磁気遮蔽が施された磁気トンネル効果素子42,43とを備えている。磁気トンネル効果素子41〜44の各々は、図14〜図16に示したように、同一構成からなる複数個(例えば、500個)の磁気トンネル効果素子を直列接続したものであり、磁気トンネル効果素子41〜44の各々を構成する前記複数の磁気トンネル効果素子の各固定磁化層の磁化の向きは、総て同一方向(図3に矢印にて示す方向)に固定されている。
 そして、この磁気センサにおいては、磁気遮蔽されていない磁気トンネル効果素子41の一端と磁気遮蔽されている磁気トンネル効果素子42の一端とが接続されて一の回路要素が構成され、磁気遮蔽されている磁気トンネル効果素子43の一端と磁気遮蔽されていない磁気トンネル効果素子44の一端とが接続されて他の回路要素が構成され、この一対の回路要素が直流定電圧源45に接続されてフルブリッジ回路を構成している。
 即ち、磁気トンネル効果素子41の他端と磁気トンネル効果素子42の他端は、直流定電圧源45の正極と負極とにそれぞれ接続され、磁気トンネル効果素子43の他端と磁気トンネル効果素子44の他端は、直流定電圧源45の正極と負極とにそれぞれ接続されている。また、磁気トンネル効果素子41の固定磁化層の固定された磁化の向きと磁気トンネル効果素子44の固定磁化層の固定された磁化の向きとが略同一となるように、磁気トンネル効果素子41,44が配設されている。そして、磁気トンネル効果素子41と磁気トンネル効果素子42との接続点の電位と、磁気トンネル効果素子43と磁気トンネル効果素子44との接続点の電位とが取出され、これらの接続点の電位差が磁気センサの出力電圧Voutとなるように構成されている。
 この磁気センサは、図14に示した各層11〜18に相当する層を有する積層体を基板40上に形成し、これらの積層体を上述のように接続してフルブリッヂ回路を構成し、その後、磁気トンネル効果素子42,43となるべき積層体を軟磁性体により被覆して磁気遮蔽を施し、最後に全体に対して前記磁気遮蔽にて遮蔽できない程度の強い磁場を付与することで前記積層体を磁化し、これにより、磁気トンネル効果素子41〜44の固定磁化層の磁化の向きを固定することで製造する。
 このように構成した磁気センサにおいては、磁気トンネル効果素子42,43が磁気遮蔽されていることから、同素子42,43の抵抗値は外部磁界に関わらず一定値R0である。一方、磁気トンネル効果素子41,44に外部磁界が加わっていない場合には、同素子41,44の抵抗値もR0となる。また、磁気トンネル効果素子41,44に、これらの素子の固定磁化層の磁化の向きと同一又は反対向きの十分大きな外部磁界が加わると、同素子41,44の抵抗値は、それぞれR0−Rd又はR0+Ruとなる。このとき、出力電圧Voutの最大値Vmaxは、Vmax=Vin/(1+2・(R0/ΔRu))…(3)、最小値Vminは、Vmin=Vin/(1−2・(R0/ΔRd))…(4)で表される。
 (3)式、(4)式、及び図17の測定によれば、環境温度が25〜150℃の範囲で変化するとき、最大値Vmaxは0.0317Vin〜0.0239Vinの間で変化する。一方、最小値Vminは、−0.0339Vin〜−0.0239Vinの間で変化する。即ち、上記構成によれば、出力電圧Voutの最大値Vmaxと最小値Vminとの差(0.0656Vin〜0.0478Vin)に対して、同出力電圧Voutの環境温度による変動(例えば、最大値Vmaxの環境温度変化による変動分=0.0317Vin−0.0239Vin=0.0078Vin、最小値Vminの環境温度による変動分=0.0239Vin−0.0339Vin=0.010Vin)が十分小さい。これに対し、図17の測定に用いた試料の抵抗値の最大値Rmaxと最小値Rminとの差ΔRmm(略0.15〜0.20Ω)は、環境温度による抵抗値の変動分(0.13〜0.20Ω)と同程度である。以上から、第2実施形態に係る磁気センサは温度特性が改善されたものとなっていることが理解される。また、磁気トンネル効果素子は、一般に図17に示したようなオーダーの抵抗変化特性を有する。従って、上記構成の磁気センサは、結果として温度特性が改善されたものとなる。
 図4は、上記図17の測定に用いた磁気トンネル効果素子により上記フルブリッヂ回路を構成した場合における環境温度に対する出力電圧Voutの最大値Vmax(ラインA)と最小値Vmin(ラインB)を示した図である。図4から理解されるように、温度特性が改善された結果、環境温度の変化があったとしても出力電圧Voutの最大値Vmaxと最小値Vminとが同一の値をとることがない。これにより、外部磁界の方向の変化を検出するための閾値を、上記環境温度の全域に渡り設定することができる(ラインC参照)。即ち、上記フルブリッヂの磁気センサは、環境温度が広い範囲で変化した場合においても、外部磁界の方向の変化を確実に検出し得るものとなっている。
 (第3実施形態)
 図5に示した第3実施形態に係る磁気センサは、図14における基板10に相当する基板50上に形成された磁気トンネル効果素子51,52を備えている。磁気トンネル効果素子51,52の各々は、図14〜図16に示したように、同一構成からなる複数個(例えば、500個)の磁気トンネル効果素子を直列接続したものである。各磁気トンネル効果素子51,52を構成する前記複数の磁気トンネル効果素子の各固定磁化層の磁化の向きは、素子51,52の各々において総て同一方向(図5に矢印にて示す方向)とされている。また、磁気トンネル効果素子51の固定磁化層の磁化の向きと、磁気トンネル効果素子52の固定磁化層の磁化の向きとは互いに反対向きとなるように、同素子51,52が配設されている。
 そして、この磁気センサは、磁気トンネル効果素子51と磁気トンネル効果素子52とを直列接続するとともに、これに直流定電圧源53を直列に接続し、磁気トンネル効果素子52の両端電圧を出力電圧Voutとして取出すハーフブリッヂ回路により構成されている。
 この磁気センサは以下に述べる工程を経て製造することができる。即ち、図6に平面図を、図7に正面図を示したように、図14に示した各層11〜18に相当する層を有する一対の積層体51a,52aを基板50上に形成し、ハーフブリッヂ回路を構成するべく導電膜54により同一対の積層体51a,52aを接続するとともに、前記直流定電圧源53と接続するための電極55,56を形成する。次いで、図8に示したように、積層体51aに対し磁気ヘッドMHを用いて磁場を付与し、同積層体51aの固定磁化層を磁化し、同磁化の向きを所定の向き(図8においては右向き)に固定する。次いで、図9に示したように、積層体52aに対し磁気ヘッドMHを用いて図8に示した磁場とは反対の向きの磁場を付与し、同積層体52aの固定磁化層を磁化し、同磁化の向きを前記所定の向きとは反対の向き(図8においては左向き)に固定する。
 また、この磁気センサは、以下に述べる工程を経て製造することも可能である。即ち、先ず図10(A)に示したように、単一の基板50上に図14に示した各層からなる一対の積層体51a,52aを形成する。次いで、図10(B)に示したように、全体に一様な磁場を付与して、積層体51a,52aの固定磁化層を同一向き(図10(B)において右向き)に磁化し、その後、図10(C)に示したように、積層体52aを軟磁性体Sにより被覆して磁気遮蔽する。そして、図10(D)に示したように、全体に対し図10(B)に矢印にて示した磁場とは反対向きの磁場(上記磁気遮蔽により遮蔽される程度の強さの磁場)を付与する。この結果、磁気遮蔽されていない積層体51aの固定磁化層の磁化の向きが磁気遮蔽された積層体52aの固定磁化層の磁化の向きと反対向きとなる。最後に、図10(E)に示したように磁気遮蔽Sを除去する。これにより、互いに固定磁化層の磁化の向きが反対向きである磁気トンネル効果素子51,52を得て、その後これらを電気的に直列接続する。
 上記第3実施形態の磁気センサにおいては、外部磁界の大きさが「0」のときは、両磁気トンネル効果素子51,52の抵抗値は共にR0となる。また、外部磁界の向きが磁気トンネル効果素子52の固定磁化層の磁化の向きと同一(図5において下向き)であるときは、磁気トンネル効果素子51,52の抵抗値は、それぞれR0+ΔRu,R0−ΔRdとなる。他方、外部磁界の向きが磁気トンネル効果素子51の固定磁化層の磁化の向きと同一(図5において上向き)であるときは、磁気トンネル効果素子51,52の抵抗値は、それぞれR0−ΔRd,R0+ΔRuとなる。従って、出力電圧Voutの最大値Vmaxは、Vmax=Vin・(R0+ΔRu)/(2R0+ΔRu−ΔRd)…(数1)となり、出力電圧Voutの最小値Vminは、Vmin=Vin・(R0−ΔRd)/(2R0+ΔRu−ΔRd)…(数2)となる。また、一般に、磁気トンネル効果素子においては、ΔRu≒ΔRdであるので、ΔR=ΔRu=ΔRdとおくと、数1,数2は、それぞれ、Vmax=Vin・(1+(ΔR/R0))/2…(数3)、Vmin=Vin・(1−(ΔR/R0))/2…(数4)と変形される。
 この場合、図17の測定に用いた磁気トンネル効果素子を例にとると、最大値Vmaxは、図2のラインDにて示したように0.533Vin〜0.525Vin程度となり、最小値Vminは図2のラインEにて示したように0.468Vin〜0.475Vin程度となる。従って、磁気遮蔽した磁気トンネル効果素子と磁気遮蔽しない磁気トンネル効果素子とによりハーフブリッヂ回路を構成した第1実施形態の場合と同様に、温度特性が改善されるととともに、同場合よりも出力特性が向上する。また、この磁気センサにおいても、ラインCのように、外部磁界の向きを検出するための閾値を上記環境温度の全域に渡り設定することができるので、同磁気センサは外部磁界の方向の変化を確実に検出し得るものとなっている。
 図19は、図17の測定に用いた試料(以下、試料X)と同一構成の試料Yを試料Xと同一の基板上に形成し、上述の磁気ヘッドMHを用いた方法で試料X,Yの固定磁化層の着磁を行い、試料Yの固定磁化層の磁化の向きを試料Xのそれとは反対の向きに磁化した試料Yの外部磁界に対する抵抗値の変化を示している。この場合、試料X,試料Yの各固定磁化層の着磁が理想的に行われれば、両者の特性は同一(同一の大きさの外部磁界で方向が反対の磁界が加わったときの抵抗値が同一)となるはずであるが、図17,図19から解るように、試料X,Yの特性は異なっている。このことは、磁気トンネル効果素子そのものを磁気センサとして利用すると、製造誤差により検出精度が低下することを意味している。
 図20は、上記試料X,Yを上記第3実施形態の磁気トンネル効果素子51,52にそれぞれ採用し、直流定電圧源53の電圧を1Vとした場合における環境温度25,90及び150℃での磁気センサの出力特性を示している。図20から解るように、外部磁界「0」における出力電圧Voutは一定である。即ち、このように構成した磁気センサは、試料X,Yのバランスが崩れている場合であっても、精度良く外部磁界「0」(即ち、磁界の方向)を検出することができる。また、外部磁界の絶対値が大きい場合であっても、その出力電圧の環境温度による変動は小さいことが解る。即ち、第3実施形態に係る磁気センサは、温度特性が改善されたものとなっている。
(第3実施形態の変形例)
 図11に示した第3実施形態に係る磁気センサの変形例は、磁気トンネル効果素子51,52が、それぞれ別の基板50a,50bの上に形成されてなるものである。この磁気センサの特性は第3実施形態と同じである。
 この変形例に係る磁気センサは、以下に述べる工程を経て製造する。即ち、図12(A)に示したように、まず同一基板50a上に図14に示した各層からなる一対の積層体51a,52aを形成する。このとき、積層体51a,52aの電極51b,52bを互いに対向する位置に設けておく。即ち、積層体51a,52aの向きが反対となるように、同積層体を形成する。そして、全体に対して一様な外部磁界を付与して積層体51a,52aの固定磁化層を磁化する。この時点で、磁気トンネル効果素子51,52が得られる。次に、図12(B)に示したように、基板50aを基板50bと基板50cに切断して磁気トンネル効果素子51,52を分離する。最後に、図12(C)に示したように、回路基板50d上に電極51b,52bの向きが同じ向きとなるように磁気トンネル効果素子51,52を配設して固定し、最後に各電極51b,52bを図示したようにワイヤにより接続して上記ハーフブリッヂ回路を構成する。
 なお、第3実施形態及びその変形例においても、第1実施形態の場合と同様に、磁気トンネル効果素子群52の両端電圧を出力電圧Voutとする代わりに、磁気トンネル効果素子51の両端電圧を出力電圧V´outとすることもできる。
(第4実施形態)
 図13に示した第4実施形態に係る磁気センサは、図14における基板10に相当する基板60上に形成された第1〜第4磁気トンネル効果素子61〜64を備えている。第1〜第4磁気トンネル効果素子61〜64の各々は、図14〜図16に示したように、同一構成からなる複数個(例えば、500個)の磁気トンネル効果素子を直列接続したものであり、第1〜第4磁気トンネル効果素子61〜64の各々を構成する前記直列接続された複数の磁気トンネル効果素子の固定磁化層の磁化の向きは、同第1〜第4磁気トンネル効果素子61〜64の各々において総て同一向きに固定されている。また、第1磁気トンネル効果素子61の固定磁化層の磁化の向きと、第2磁気トンネル効果素子62の固定磁化層の磁化の向きは反対向きとなっており、第3磁気トンネル効果素子63の固定磁化層の磁化の向きと、第4磁気トンネル効果素子64の固定磁化層の磁化の向きは反対向きとなっている。さらに、第1磁気トンネル効果素子61の固定磁化層の磁化の向きと、第4磁気トンネル効果素子64の固定磁化層の磁化の向きは同一向きとなっており、第2磁気トンネル効果素子62の固定磁化層の磁化の向きと、第3磁気トンネル効果素子63の固定磁化層の磁化の向きは同一向きとなっている。
 そして、この第4実施形態に係る磁気センサにおいては、第1〜第4磁気トンネル効果素子61〜64によりフルブリッヂ回路が構成されている。具体的には、第1磁気トンネル効果素子61の一端と第2磁気トンネル効果素子62の一端とが接続され、同第1磁気トンネル効果素子61の他端と同第2磁気トンネル効果素子62の他端とが直流定電圧源65の正極と負極とにそれぞれ接続されている。また、第3磁気トンネル効果素子63の一端と第4磁気トンネル効果素子64の一端とが接続され、同第3磁気トンネル効果素子63の他端と同第4磁気トンネル効果素子64の他端とが直流定電圧源65の正極と負極とにそれぞれ接続されている。また、第1磁気トンネル効果素子61と第2磁気トンネル効果素子62との接続点の電位と、第3磁気トンネル効果素子63と第4磁気トンネル効果素子64との接続点の電位とが取出され、これらの接続点の電位差が磁気センサの出力電圧Voutとなるように構成されている。
 この磁気センサは、上記第3実施形態において説明した方法と同様な方法により製造することが可能である。即ち、同一基板60上に後に上記第1〜第4磁気トンネル効果素子61〜64とされる積層体を形成し、これらを上記フルブリッヂ回路とすべく電気的に接続し、次いで、図8,図9に示した方法と同様に、各積層体に対し磁気ヘッドを用いて磁場を付与し、同積層体の各固定磁化層を磁化する。なお、固定磁化層の磁化については、図19に示した方法と同様な方法を採用することもできる。
 上記第4実施形態の磁気センサにおいては、外部磁界の大きさが「0」のときは、両磁気トンネル効果素子61〜64の抵抗値は総てR0となる。また、外部磁界の向きが第1,第4磁気トンネル効果素子61,64の固定磁化層の磁化の向きと反対向き(図13において下向き)であるときは、第1,第4磁気トンネル効果素子61,64の抵抗値はR0+ΔRuとなり、第2,第3磁気トンネル効果素子62,63の抵抗値はR0−ΔRdとなる。他方、外部磁界の向きが第1,第4磁気トンネル効果素子61,64の固定磁化層の磁化の向きと同一向き(図13において上向き)であるときは、第1,第4磁気トンネル効果素子61,64の抵抗値はR0−ΔRdとなり、第2,第3磁気トンネル効果素子62,63の抵抗値はR0+ΔRuとなる。また、一般に、磁気トンネル効果素子においては、ΔRu≒ΔRdであるので、ΔR=ΔRu=ΔRdとおくと、出力電圧Voutの最大値Vmaxは、Vmax=2・ΔR/R0…(数7)、最小値Vminは、Vmin=−2・ΔR/R0…(数8)となる。
 図17の測定例においては、ΔR/R0の値は0.065〜0.049であり、環境温度の変化による影響が小さい。また、この特性は磁気トンネル効果素子に共通するものである。従って、上記第4実施形態の磁気センサは温度特性が改善されたものとなっている。また、最大値Vmaxは正の値であり、最小値Vminは負の値であり、それらの中央値は「0」である。従って、値「0」を閾値とすることにより、温度が大きく変わる環境において、外部磁界の向きの変化を確実に検出し得る磁気センサが提供される。
 以上に説明したように、本発明の各実施形態(及び変形例)によれば、単一の磁気トンネル効果素子群の抵抗変化を検出する場合に比べて、温度特性が改善された磁気センサが提供される。また、出力電圧Voutの最大値Vmaxと最小値Vminとが環境温度の変化しうる全域において同一の値をとることがないので、外部磁界の方向を検出するための一定の閾値をこれらの間に設定することができる。この結果、外部磁界をメディア(磁気媒体)や磁石ロータなどで変化させて磁気情報、或いは物体の回転を検出するセンサに好適なセンサが提供された。
 なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、上記各実施形態の多くにおいては、同一基板上に総ての磁気トンネル効果素子を形成したが、第3実施形態の変形例と同様に、個別の基板上に各磁気トンネル効果素子群を形成し、これらをワイヤにより接続して各ブリッヂ回路を構成してもよい。
本発明の第1実施形態に係る磁気センサの概略平面図である。 第1実施形態及び第3実施形態に係る磁気センサの外部磁界に対する出力電圧を環境温度に対して示した図である。 本発明の第2実施形態に係る磁気センサの概略平面図である。 図3に示した磁気センサの外部磁界に対する出力電圧を環境温度に対して示した図である。 本発明の第3実施形態に係る磁気センサの概略平面図である。 図5に示した磁気センサの一製造方法の工程を示す図である。 図5に示した磁気センサの一製造方法の工程を示す図である。 図5に示した磁気センサの一製造方法の工程を示す図である。 図5に示した磁気センサの一製造方法の工程を示す図である。 図5に示した磁気センサの他の製造方法を工程順に示す図である。 本発明の第3実施形態の変形例に係る磁気センサの概略平面図である。 図11に示した磁気センサの製造方法を工程順に示す図である。 本発明の第4実施形態に係る磁気センサの概略平面図である。 本発明の各実施形態において使用される磁気トンネル効果素子の一部を示す概略断面図である。 図14に示した磁気トンネル効果素子の層間絶縁膜及び基板を省略した同素子の概略平面図である。 図14に示した磁気トンネル効果素子の固定磁化層を形成する強磁性膜の概略平面図である。 ある磁気トンネル効果素子の外部磁界に対する抵抗変化を環境温度別に示す図である。 図17の結果を得た磁気トンネル効果素子の抵抗値の最大値及び最小値の環境温度に対する変化を示す図である。 図17の結果を得た磁気トンネル効果素子と同一基板上に形成した磁気トンネル効果素子の外部磁界に対する抵抗変化を環境温度別に示す図である。 図17,図18の結果を得た磁気トンネル効果素子群により図5に示した磁気センサを構成した場合における、同磁気センサの外部磁界に対する出力電圧を環境温度別に示した図である。
符号の説明
 10,30,40,50,60…基板、11…下部電極、12…強磁性膜、13…強磁性膜、14…絶縁層、15…強磁性膜、16…ダミー膜、17…層間絶縁膜、18…上部電極、31,32,41〜44,51,52,61〜64…磁気トンネル効果素子、33,45,53,65…直流定電圧源。

Claims (6)

  1.  直流電圧源と、
     磁化された強磁性膜及び同磁化された強磁性膜により磁化の向きが所定の向きに固定された強磁性膜からなる固定磁化層と、磁化の向きが外部磁界に応じて変化する自由磁化層と、前記固定磁化層及び前記自由磁化層の間に挟まれた絶縁層と、を含んでなる少なくとも二つの磁気トンネル効果素子と、
     を備えた磁気センサにおいて、
     前記磁気トンネル効果素子のうちの一の磁気トンネル効果素子の固定磁化層の磁化の向きと前記磁気トンネル効果素子のうちの他の磁気トンネル効果素子の固定磁化層の磁化の向きとが略反対の向きとなるように同両磁気トンネル効果素子を配設し、前記一の磁気トンネル効果素子と、前記他の磁気トンネル効果素子と、前記直流電圧源とを直列に接続し、前記磁気トンネル効果素子の何れかの素子の両端電圧を出力するように構成したことを特徴とする磁気センサ。
  2.  請求項1に記載の磁気センサにおいて、
     前記一の磁気トンネル効果素子と前記他の磁気トンネル効果素子とが同一基板上に形成されてなることを特徴とする磁気センサ。
  3.  直流電圧源と、
     磁化された強磁性膜及び同磁化された強磁性膜により磁化の向きが所定の向きに固定された強磁性膜からなる固定磁化層と、磁化の向きが外部磁界に応じて変化する自由磁化層と、前記固定磁化層及び前記自由磁化層の間に挟まれた絶縁層と、を含んでなる第1乃至第4磁気トンネル効果素子と、
     を備えた磁気センサにおいて、
     第1磁気トンネル効果素子の固定磁化層の磁化の向きと第2磁気トンネル効果素子の固定磁化層の磁化の向きとが略反対の向きとなるように同第1及び第2磁気トンネル効果素子を配設するとともに同第1磁気トンネル効果素子と同第2磁気トンネル効果素子とを各一端にて接続し、同第1磁気トンネル効果素子の他端と同第2磁気トンネル効果素子の他端とを前記直流電圧源の正極と負極とにそれぞれ接続し、
     第3磁気トンネル効果素子の固定磁化層の磁化の向きと第4磁気トンネル効果素子の固定磁化層の磁化の向きとが略反対の向きであって、同第3磁気トンネル効果素子の固定磁化層の磁化の向きと前記第1磁気トンネル効果素子の固定磁化層の磁化の向きとが略反対の向きとなるように同第3及び同第4磁気トンネル効果素子を配設するとともに同第3磁気トンネル効果素子と同第4磁気トンネル効果素子とを各一端にて接続し、同第3磁気トンネル効果素子の他端と同第4磁気トンネル効果素子の他端とを前記直流電圧源の正極と負極とにそれぞれ接続し、
     前記第1磁気トンネル効果素子と前記第2磁気トンネル効果素子との接続個所と、前記第3磁気トンネル効果素子と第4磁気トンネル効果素子との接続個所との間の電位差を出力するように構成したことを特徴とする磁気センサ。
  4.  請求項3に記載の磁気センサにおいて、
     前記第1及び第2磁気トンネル効果素子からなる回路要素、または前記第3及び第4磁気トンネル効果素子からなる回路要素の少なくとも一つの回路要素が同一基板上に形成されてなることを特徴とする磁気センサ。
  5.  磁化された強磁性膜及び同磁化された強磁性膜により磁化の向きが所定の向きに固定された強磁性膜からなる固定磁化層と、磁化の向きが外部磁界に応じて変化する磁性層からなる自由磁化層と、前記固定磁化層と前記自由磁化層とに挟まれた絶縁層とを含んでなる磁気トンネル効果素子を複数備えた磁気センサの製造方法において、
     前記固定磁化層となるべき磁性層と、前記自由磁化層となるべき磁性層と、前記両磁性層の間に挟まれた絶縁層とを含む積層体を単一の基板上に複数形成する工程と、
     前記積層体のうちの一つの積層体に対し磁気ヘッドにより磁界を与え、同積層体の前記固定磁化層となるべき磁性層の磁化の向きが所定の向きとなるように同磁性層を磁化する工程と、
     前記積層体のうちの他の積層体に対し磁気ヘッドにより磁界を与え、同積層体の前記固定磁化層となるべき磁性層の磁化の向きが前記所定の向きと略反対の向きとなるように同磁性層を磁化する工程とを含んだことを特徴とする磁気センサの製造方法。
  6.  磁化された強磁性膜及び同磁化された強磁性膜により磁化の向きが所定の向きに固定された強磁性膜からなる固定磁化層と、磁化の向きが外部磁界に応じて変化する磁性層からなる自由磁化層と、前記固定磁化層と前記自由磁化層とに挟まれた絶縁層とを含んでなる磁気トンネル効果素子を複数備えた磁気センサの製造方法において、
     前記固定磁化層となるべき磁性層と、前記自由磁化層となるべき磁性層と、前記両磁性層の間に挟まれた絶縁層とを含む積層体を単一の基板上に複数形成する工程と、
     前記複数の積層体の全体に対して所定の向きの磁界を与えて同複数の積層体の前記固定磁化層となるべき磁性層を磁化する工程と、
     前記積層体のうちの少なくとも一つの積層体を磁気遮蔽した後に前記複数の積層体の全体に対して前記所定の向きとは略反対の向きの磁界を与えて前記磁気遮蔽されていない積層体の前記固定磁化層となるべき磁性層を再度磁化する工程とを含んだことを特徴とする磁気センサの製造方法。
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