JP2008134181A - 磁気検出装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 特に、簡単且つ適切に、固定抵抗素子の抵抗値及び温度係数を磁気抵抗効果素子の抵抗値R及び温度係数(TCR)に合わせることが出来る磁気検出装置を提供することを目的としている。
【解決手段】 磁気抵抗効果素子10及び固定抵抗素子20は同じ積層体16で形成されている。前記固定抵抗素子20の両側には間隔T1を開けてハードバイアス層17,18が形成され、前記固定抵抗素子20では、前記磁気抵抗効果素子10のフリー磁性層14に対応する第2磁性層14が前記ハードバイアス層17,18からのバイアス磁界を受けて磁化固定されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、磁気抵抗効果素子及び固定抵抗素子を有する非接触式の磁気検出装置及びその製造方法に関する。
磁気センサに使用されるGMR素子は、反強磁性層、固定磁性層、非磁性材料層及びフリー磁性層が基本膜構成である。前記固定磁性層は前記反強磁性層と接触形成されている。前記固定磁性層は、前記反強磁性層との間で生じる交換結合磁界(Hex)により磁化方向が一方向に固定されている。前記フリー磁性層は、前記固定磁性層と非磁性材料層を介して対向配置される。前記フリー磁性層の磁化は固定されず外部磁界に対して磁化変動する。そして前記フリー磁性層の磁化方向と前記固定磁性層の磁化方向との関係で電気抵抗値が変動する。
GMR素子を用いた磁気センサは、非接触式であり、またGMR素子は比較的弱い外部磁界に対しても適切に磁化変動するため、高性能且つ高寿命を期待できる。
前記磁気センサには、前記GMR素子と直列接続される参照抵抗としての固定抵抗素子が設けられている。
前記固定抵抗素子を、例えば、高抵抗材料の単一層で形成した場合、前記GMR素子の抵抗値Rと同じになるように調整することは可能であるが、磁性材料と非磁性材料との積層構造で形成されるGMR素子とは異なる温度係数(TCR)となってしまう。温度係数(TCR)は、材質が違ったり、あるいは材質が同じでも膜厚が違うと異なる値となってしまう。
そこで、従来、前記固定抵抗素子の抵抗値R及び温度係数(TCR)を前記GMR素子と合わせるため、前記固定抵抗素子を、前記GMR素子と同じ材料層で構成するが積層順を変えて、外部磁界に対して電気抵抗が変化しないように形成していた。
上記したように磁気抵抗効果素子は、反強磁性層、固定磁性層、非磁性材料層及びフリー磁性層が基本膜構成である。このうち、前記非磁性材料層と、フリー磁性層の積層順を入れ替えて、前記フリー磁性層を前記固定磁性層と接触形成すると、前記フリー磁性層の磁化は前記固定磁性層と同様に固定されてしまい、もはやフリー磁性層として機能しない。
特開2000−174358号公報
しかしながら、上記のように前記磁気抵抗効果素子とは積層順を入れ替えて前記固定抵抗素子を形成する場合、前記固定抵抗素子と磁気抵抗効果素子とを同じ製造プロセスで形成できない。すなわち磁気抵抗効果素子と固定抵抗素子とでは積層体の構造が異なるので同じ製造プロセスでは形成できず、例えば先に磁気抵抗効果素子を形成し、その後、固定抵抗素子を別に形成しなければならなかった。そのため、固定抵抗素子の形成中、前記磁気抵抗効果素子との間で、各層の膜厚にずれ等が生じ、磁気抵抗効果素子と同じ抵抗値R及び温度係数(TCR)に合わせ込むことが困難であった。
前記磁気抵抗効果素子と固定抵抗素子とで抵抗値R及び温度係数(TCR)がばらつくと、直列接続された磁気抵抗効果素子と固定抵抗素子間の中点電位のずれが発生するといった問題があった。
特許文献1に記載された発明では、第1GMR素子と第2GMR素子とを同一の温度特性を有するGMRパターンで形成し、前記第2GMR素子には300℃以上で熱処理することで、抵抗変化しないように制御することが記載されている。
特許文献1の図1に示すように、前記第1GMR素子12を磁界変化領域100内に配置し、第2GMR素子14を磁界が変化しない領域に配置している。前記第1GMR素子12と第2GMR素子14は別々の基板上に形成されているが、最初は同一ウェハ20内で形成され、ダイシングに先だって、第2GMR素子14が形成されている領域22を300℃以上で部分的に加熱するとしている(特許文献1の[0016]欄を参照されたい)。
また、特許文献1の図5や図6には1チップ上に、第1GMR素子12及び第2GMR素子14を設けた実施形態も開示されている。
いずれにしても、特許文献1に記載された発明では、第2GMR素子14に対して部分的に熱処理をし、前記第2GMR素子14の強磁性層と非磁性層の界面で両層の金属原子の拡散を生じさせて抵抗変化率を著しく低下させることを行っている(特許文献1の[0016]欄を参照されたい)。
しかしながら、特許文献1に記載された手法によっても、第2GMR素子14に対し300℃以上の熱処理を施すことで、各層の界面での元素拡散を生じさせれば、熱処理前の初期状態に対して、前記第2GMR素子14の抵抗値Rや温度係数(TCR)が変動しやすくなり、第1GMR素子12との間で抵抗値Rや温度係数(TCR)のばらつきが生じやすいと考えられる。
また、特許文献1に記載された発明では、第2GMR素子14に対する熱的影響が、前記第2GMR素子14に隣接する第1GMR素子12にも及び、前記第1GMR素子12の磁気特性に影響を与えるといった問題があった。
また、特許文献1の図4には、GMRパターンR1〜R4の各パターンの両端に電極を形成し、GMRパターンR2,R4に対して電流を流して300℃以上に加熱する実施形態が開示されている。
しかし300℃以上のジュール熱を生じさせるには、相当な電流値が必要であると考えられるし、またジュール熱により、隣接するGMRパターンR1,R3が熱的影響を受けて磁気特性が変動しやすいといった問題があった。
そこで本発明は上記従来の課題を解決するためのものであり、特に、簡単且つ適切に、固定抵抗素子の抵抗値及び温度係数を磁気抵抗効果素子の抵抗値R及び温度係数(TCR)に合わせることが出来る磁気検出装置を提供することを目的としている。
本発明における磁気検出装置は、
同一の基板上に、外部磁界に対して電気抵抗値が変化する磁気抵抗効果を利用した磁気抵抗効果素子と、外部磁界に対して電気抵抗値が変化しない固定抵抗素子が直列接続され、
前記磁気抵抗効果素子及び固定抵抗素子は同じ積層体で形成され、前記固定抵抗素子の側面には間隔を空けて、ハードバイアス層が設けられ、
前記固定抵抗素子では、前記磁気抵抗効果素子の磁化変動層に対応する磁性層が前記ハードバイアス層からのバイアス磁界によって磁化固定されていることを特徴とするものである。
本発明では、上記のように固定抵抗素子は、前記磁気抵抗効果素子と共に同じ基板上に形成されるとともに、前記磁気抵抗効果素子と同じ積層体で構成されている。本発明では、前記固定抵抗素子の前記磁気抵抗効果素子の磁化変動層に対応する磁性層を磁化固定するために前記ハードバイアス層を設けているが、前記固定抵抗素子とハードバイアス層との間には所定の間隔が設けられている。よって、ハードバイアス層が、磁気抵抗効果素子と同じ積層体で形成された前記固定抵抗素子の抵抗値や温度係数に影響を与えない。したがって、本発明では、従来のように磁気抵抗効果素子と固定抵抗素子との間で積層順を変えたり、あるいは、固定抵抗素子を加熱する手法に比べて、磁気抵抗効果素子と固定抵抗素子とを同じ積層状態に維持でき、簡単且つ適切に、前記固定抵抗素子の抵抗値R及び温度係数(TCR)を磁気抵抗効果素子の抵抗値R及び温度係数(TCR)に合わることが出来る。その結果、直列接続された磁気抵抗効果素子と固定抵抗素子間の電位を中点電位に合わせることが出来る。また磁気抵抗効果素子と固定抵抗素子とを同一の基板上に形成することで磁気検出装置の小型化を実現できる。
また本発明では、前記磁気抵抗効果素子と前記ハードバイアス層間の間隔は、前記固定抵抗素子と前記ハードバイアス層間の間隔よりも広いことが好ましい。これにより、簡単な手法で、前記磁気抵抗効果素子の磁化変動層に及ぼされるバイアス磁界の影響を弱めることができ、あるいは、バイアス磁界の影響をなくすことができ、適切に磁気抵抗効果素子の磁化変動層を外部磁界に対して磁化変動する層として機能させることが出来る。
また本発明では、前記外部磁界が作用しない無磁場状態において、前記磁気抵抗効果素子及び固定抵抗素子の対応する磁性層どうしが、同じ方向に磁化されていることが好適である。
本発明では、前記磁気抵抗効果素子及び固定抵抗素子は、前記積層体中に、第1磁性層と第2磁性層とが非磁性材料層を介して積層形成された積層部分を有し、前記磁気抵抗効果素子の第1磁性層及び固定抵抗素子の第1磁性層は共に磁化固定されており、前記磁気抵抗効果素子の第2磁性層は、外部磁界に対して磁化変動するフリー磁性層として機能し、前記固定抵抗素子の第2磁性層は、前記ハードバイアス層からのバイアス磁界によって磁化固定されていることが好ましい。
上記構成では、前記磁気抵抗効果素子は巨大磁気抵抗効果(GMR効果)を利用したGMR素子として機能し、抵抗変化率(ΔR/R)が大きく、検出感度や動作安定性に優れた磁気検出装置を実現できる。
また本発明では、同一の基板上に、第1抵抗素子と第2抵抗素子とが直列接続され、第3抵抗素子と第4抵抗素子とが直列接続され、第1抵抗素子と第3抵抗素子が並列接続されるとともに、第2抵抗素子と第4抵抗素子が並列接続されて成るブリッジ回路が形成されており、
前記第1抵抗素子、第2抵抗素子、第3抵抗素子及び第4抵抗素子が全て同じ積層体で形成され、
前記第1抵抗素子及び前記第4抵抗素子が前記磁気抵抗効果素子で、前記第2抵抗素子及び前記第3抵抗素子が前記固定抵抗素子であることが好ましい。ブリッジ回路とすることで、検出感度を向上でき好適である。
また本発明では、前記固定抵抗素子と前記ハードバイアス層間の間隔は、1μm以上で5μm以下であることが好ましい。また本発明では、前記ハードバイアス層の膜厚は50nm以上で150nm以下で形成されることが好ましい。これにより前記磁気抵抗効果素子の磁化変動層に対応する前記固定抵抗素子の磁性層に十分なバイアス磁界を与えることができ、前記磁性層を適切に磁化固定することが可能である。
また本発明は、同一の基板上に、外部磁界に対して電気抵抗値が変化する磁気抵抗効果を利用した磁気抵抗効果素子と、外部磁界に対して電気抵抗値が変化しない固定抵抗素子とが直列接続されてなる磁気検出装置の製造方法において、
前記基板よりも大きい大基板上に前記磁気抵抗効果素子を構成する積層体を全面に形成する工程、
前記積層体を前記磁気抵抗効果素子と前記固定抵抗素子との形状に残し、このとき、前記磁気抵抗効果素子及び前記固定抵抗素子を少なくとも一つずつ組とし前記組を複数形成する工程、
各固定抵抗素子の側面に間隔を空けて、ハードバイアス層を形成し、これにより、前記固定抵抗素子の前記磁気抵抗効果素子の磁化変動層に対応する磁性層を前記ハードバイアス層からのバイアス磁界によって磁化固定する工程、
前記大基板を各組毎に個片化する工程、
を有することを特徴とするものである。
上記により、磁気抵抗効果素子と固定抵抗素子とを同じ積層体で形成でき、且つ、前記磁気抵抗効果素子の磁化変動層に対応する前記固定抵抗素子の磁性層を適切に磁化固定できる。そして本発明では、従来に比べて、簡単且つ適切に固定抵抗素子の抵抗値及び温度係数を、磁気抵抗効果素子の抵抗値及び温度係数に合わせることが出来、このような磁気検出装置を複数個同時に形成することができる。
本発明では、従来に比べて、簡単且つ適切に、前記固定抵抗素子の抵抗値R及び温度係数(TCR)を、磁気抵抗効果素子の抵抗値R及び温度係数(TCR)に合わせることが出来る。また磁気検出装置の小型化を実現できる。
図1は本実施形態の磁気検出装置を示す斜視図、図2は図1の磁気検出装置をA−A線に沿って厚さ方向に切断し矢印方向から見た断面図、図3は本実施形態の磁気検出装置の回路図である。図示X方向は幅方向、図示Y方向は長さ方向を示し、図示X方向と図示Y方向は互いに直交する関係にある。
図1に示す磁気検出装置1は、磁気抵抗効果素子10と、固定抵抗素子20及び集積回路19(図3参照)が一体化されたICパッケージである。
磁石Mなどの磁界発生部材は、前記磁気検出装置1と接触しない。前記磁気抵抗効果素子10の電気抵抗は、流入する前記磁石Mからの外部磁界の方向変化に基づいて変化する。
前記磁気抵抗効果素子10は、巨大磁気抵抗効果(GMR効果)を利用して、外部磁界により電気抵抗が変化するGMR素子である。一方、前記固定抵抗素子20は、外部磁界によって電気抵抗が変化しない。
図1及び図2に示すように、前記磁気抵抗効果素子10及び固定抵抗素子20は同一の基板2上に形成されている。
図1に示すように前記磁気抵抗効果素子10及び固定抵抗素子20は夫々2個づつ設けられる。
図3に示すように各磁気抵抗効果素子10と各固定抵抗素子20は夫々、直列接続されて、第1の直列回路3と第2の直列回路4が形成されている。前記第1の直列回路3の固定抵抗素子20(第2抵抗素子)と前記第2の直列回路4の磁気抵抗効果素子10(第4抵抗素子)とが入力端子21を介して並列接続されるとともに、第1の直列回路3の磁気抵抗効果素子10(第1抵抗素子)と前記第2の直列回路4の固定抵抗素子20(第3抵抗素子)とがアース端子22を介して並列接続される。これにより、図3に示すように、ブリッジ回路が構成されている。
前記第1の直列回路3の磁気抵抗効果素子10と固定抵抗素子20間の第1出力取り出し部5、及び第2の直列回路4の磁気抵抗効果素子10と固定抵抗素子20間の第2出力取り出し部6は夫々、差動増幅器7の入力部側に接続されている。前記差動増幅器7の出力側は図示しないコンパレータ等を経て出力端子8に接続されている。
図2に示すように、前記磁気抵抗効果素子10は、下から反強磁性層11、第1磁性層12、非磁性材料層13、第2磁性層14及び保護層15の順で積層された積層体16で形成されている。前記積層体16の層構造は図2に示すものに限定されない。
前記第1磁性層12は、その磁化が前記反強磁性層11との間で生じる交換結合磁界(Hex)によって一方向に強固に固定された固定磁性層である。前記第1磁性層12の磁化方向は図1に示す「PIN方向」である。前記「PIN方向」は、磁気抵抗効果素子10の長手方向に対して直交する方向(図示X方向)となっている。
一方、前記第2磁性層14は、その磁化が固定されていないフリー磁性層として機能する。すなわち前記第2磁性層14の磁化は外部磁界に対して変動する。磁気抵抗効果素子10では、外部磁界が各層との界面と平行な方向から侵入すると、前記外部磁界の方向に伴って、前記第2磁性層(フリー磁性層)14の磁化方向が変動し、前記第2磁性層(フリー磁性層)の変動磁化方向と前記第1磁性層(固定磁性層)12の固定磁化方向との関係で電気抵抗値が変動するようになっている。
前記反強磁性層11は、例えばIrMnやPtMnで形成される。第1磁性層12及び第2磁性層14は例えば、CoFeやNiFeで形成される。非磁性材料層13は例えばCuで形成される。保護層15は例えばTaで形成される。
本実施形態では、図2に示すように前記固定抵抗素子20も前記磁気抵抗効果素子10と同じ積層体16で構成されている。すなわち前記固定抵抗素子20も下から反強磁性層11、第1磁性層12、非磁性材料層13、第2磁性層14及び保護層15の順で積層形成されている。また磁気抵抗効果素子10と固定抵抗素子20では対応する層どうしの膜厚が同じである。
磁気抵抗効果素子10と同様に、前記固定抵抗素子20の第1磁性層12も、前記反強磁性層11との間で生じる交換結合磁界(Hex)によって磁化方向が一方向に強固に固定されている。前記固定抵抗素子20の第1磁性層12の磁化方向は磁気抵抗効果素子10の第1磁性層(固定磁性層)12の磁化方向と同じ方向である。
一方、前記固定抵抗素子20の第2磁性層14は、前記磁気抵抗効果素子10の第2磁性層(フリー磁性層)14と違って、磁化が固定されている。
本実施形態では、図1及び図2に示すように、ハードバイアス層17,18が、前記固定抵抗素子20の長手方向に沿った側面20a,20bの両側に、所定の間隔T1を開けて設けられている。
前記ハードバイアス層17,18は例えばCoPtやCoPtCrの硬磁性材料で形成される。前記ハードバイアス層17,18の長手方向(図示Y方向)への長さ寸法L2は、前記固定抵抗素子20の長手方向への長さ寸法L1とほぼ同じ長さか、幾分長くしておくと良い。これにより前記固定抵抗素子20全体に満遍なくバイアス磁界を与えることが出来る。
前記ハードバイアス層17,18を前記固定抵抗素子20の両側に配置したことで、前記ハードバイアス層17,18から前記固定抵抗素子20へ向けて生じるバイアス磁界Hによって、前記固定抵抗素子20の第2磁性層14は前記バイアス磁界Hの方向へ磁化固定される。図1,図2では、+X方向にバイアス磁界Hが付与されている。
本実施形態では、同一の基板2上に磁気抵抗効果素子10及び固定抵抗素子20を設けている。この結果、固定抵抗素子20も磁石Mからの外部磁界が作用する磁場領域に存在するが、上記のように、固定抵抗素子20を構成する第1磁性層12及び第2磁性層14は共に磁化固定されているので、外部磁界が作用しても前記固定抵抗素子20の電気抵抗は変動しない。そして、同一の基板2上に磁気抵抗効果素子10及び固定抵抗素子20を設けることで、磁気検出装置1の小型化を促進できる。
上記したように前記固定抵抗素子20を構成する積層体16と、前記ハードバイアス層18との間は、所定の間隔T1が開けられている。よって、前記固定抵抗素子20の抵抗値R及び温度係数(TCR)は前記積層体16の抵抗値及び温度係数(TCR)のみで決定できる。
そして本実施形態では、前記固定抵抗素子20を構成する積層体16は、磁気抵抗効果素子10を構成する積層体16と同じであるから、従来に比べて、簡単且つ適切に、前記固定抵抗素子20の抵抗値R及び温度係数(TCR)を、前記磁気抵抗効果素子10の抵抗値R及び温度係数(TCR)に合わせることができる。その結果、磁石Mからの外部磁界が作用していない無磁場状態において、直列接続された磁気抵抗効果素子10と固定抵抗素子20間の電位(図3に示す出力取り出し部5,6での電位)を中点電位に合わせることが簡単且つ適切に行える。
本実施形態では後述するように、前記固定抵抗素子20の積層体16と、磁気抵抗効果素子10の積層体16とを同じ製造プロセスで形成するので、固定抵抗素子20の積層順を磁気抵抗効果素子10の積層順に対して変更して形成する従来技術に比べて、磁気抵抗効果素子10と固定抵抗素子20間で互いに対応する層膜厚にばらつきが生じにくい。
また、高温での加熱処理によって元素の界面拡散を生じさせる特許文献1に記載された発明では、加熱後は、もはや磁気抵抗効果素子と固定抵抗素子とで同じ積層状態を維持していないが、本実施形態では、前記固定抵抗素子20を構成する積層体16に対してバイアス磁界Hを与えるだけであり、磁気抵抗効果素子10と固定抵抗素子20とで同じ積層体16を維持し続けている。よって本実施形態では、バイアス印加後も、固定抵抗素子20と磁気抵抗効果素子10との抵抗値及び温度係数にばらつきが生じにくい。
図2に示すように、本実施形態では、前記磁気抵抗効果素子10と前記ハードバイアス層18間の間隔T2は、前記固定抵抗素子20と前記ハードバイアス層17,18間の間隔T1に比べて広くなっている。これによって、前記バイアス磁界Hが前記磁気抵抗効果素子10に流入しないようにしている。したがって本実施形態では、前記磁気抵抗効果素子10の第2磁性層(フリー磁性層)14は外部磁界に対して適切に磁化変動できる。具体的には、前記磁気抵抗効果素子10とハードバイアス層18間の間隔T2は100μm程度で形成される。
また、前記磁気抵抗効果素子10と前記ハードバイアス層18間に磁気シールド層(図示しない)を設けても良い。前記バイアス磁界Hは磁気シールド層で吸収されて、前記磁気抵抗効果素子10に及ばない。よって、前記磁気シールド層を設ける形態では、前記磁気抵抗効果素子10と前記ハードバイアス層18間の間隔T2を図2よりも狭くしても、前記磁気抵抗効果素子10の第2磁性層(フリー磁性層)14の磁化変動を阻害しない。前記磁気抵抗効果素子10と前記ハードバイアス層18間を狭くできると、さらに磁気検出装置1の小型化を図ることが可能である。
一方、固定抵抗素子20とハードバイアス層17,18間の間隔T1はわずかに空いていればよく、前記間隔T1を極力狭くすることで、前記ハードバイアス層17,18から強いバイアス磁界Hを前記固定抵抗素子20の第2磁性層14に与えることができ、適切に前記固定抵抗素子20の第2磁性層14を磁化固定できる。
ただし、前記間隔T1をあまり狭くしようとすると、ハードバイアス層17,18の形成時の成膜精度により、適切に固定抵抗素子20とハードバイアス層17,18間に間隔T1が形成されず、固定抵抗素子20とハードバイアス層17,18とが接触する可能性があるので、数μm程度の間隔T1を開けることが好適である。具体的には、図7の実験結果に示すように、前記間隔T1(ギャップ)は1〜5μmの範囲内であることが好適である。図7では、ハードバイアス層17,18をCoPtで形成した。また、ハードバイアス層17,18の素子幅を20μm、素子長さを200μmで形成した。
図7に示すように、前記間隔T1(ギャップ)を1〜5μmの範囲内とすると、前記固定抵抗素子20に対して50(Oe)以上、より好ましくは100(Oe)以上のバイアス磁界Hを与えることができる。これによって、前記固定抵抗素子20の第2磁性層14を効果的に磁化固定できる。なお、前記バイアス磁界Hは、前記第2磁性層14に作用する磁石Mからの外部磁界よりも大きいことが必要である。磁石Mからの外部磁界は、アプリケーションによって様々だが、0〜30(Oe)程度であるので、上記のように、バイアス磁界Hを50(Oe)以上にすることで、前記第2磁性層14を、前記磁石Mからの外部磁界によっても磁化変動しないように固定できる。磁石Mからの外部磁界が30Oeより大きいものでも、ハードバイアス層の膜厚を厚くする、T1を狭くすることで対応可能である。
また図7に示す実験結果により、前記ハードバイアス層17,18の膜厚は、50nm〜150nmの範囲内であることが好ましい。これにより、前記固定抵抗素子20に対して50(Oe)以上、より好ましくは100(Oe)以上のバイアス磁界Hを与えることができる。
ちなみに固定抵抗素子20の膜厚は30〜40nm程度であり、第2磁性層14の膜厚は2〜4nm程度である。
本実施形態では、磁気抵抗効果素子10及び固定抵抗素子20は同じ積層体16で構成されるが、このとき、前記磁気抵抗効果素子10及び固定抵抗素子20の素子長さ及び素子幅も互いに同じであると、製造工程を容易化できて好適である。素子長さ及び素子幅は当然、抵抗値に寄与する。
このように、前記磁気抵抗効果素子10及び固定抵抗素子20の素子長さ及び素子幅を互いに同じに設定した場合には、加えて、外部磁界が作用しない無磁場状態において、前記磁気抵抗効果素子10の第1磁性層12と固定抵抗素子20の第1磁性層12を同じ方向に磁化し、且つ、磁気抵抗効果素子10の第2磁性層14と固定抵抗素子20の第2磁性層14とを同じ方向に磁化する。
前記磁気抵抗効果素子10の第1磁性層(固定磁性層)12と第2磁性層(フリー磁性層)14の磁化関係は、前記第1磁性層12と第2磁性層14間に作用する層間結合磁界Hinが寄与している。前記層間結合磁界Hinによって、前記磁気抵抗効果素子10の第1磁性層12と第2磁性層14は平行状態に磁化されたり、あるいは反平行に磁化されたりする。前記磁気抵抗効果素子10の第1磁性層12と第2磁性層14の磁化が平行であると電気抵抗値は低くなり、前記磁気抵抗効果素子10の第1磁性層12と第2磁性層14の磁化が反平行であると電気抵抗値は大きくなる。よって、前記磁気抵抗効果素子10及び固定抵抗素子20の素子長さ及び素子幅を互いに同じに設定した場合には、無磁場状態において、前記固定抵抗素子20の第1磁性層12及び第2磁性層14の磁化方向を、前記磁気抵抗効果素子10の第1磁性層12及び第2磁性層14の磁化方向に一致させることが、前記固定抵抗素子20の抵抗値Rを、前記磁気抵抗効果素子10の抵抗値Rに適切に一致させることができ好適である。
図2に示す磁気抵抗効果素子10は上記したように巨大磁気抵抗効果(GMR効果)を利用したGMR素子である。例えばGMR素子に代えて異方性磁気抵抗効果(AMR効果)を用いたAMR素子を用いてもよいが、GMR素子を用いることで大きな抵抗変化率(ΔR/R)を得ることができ、検出感度を向上でき好適である。また非磁性材料層13が非磁性導電材料で形成されたGMR素子に代えて、前記非磁性材料層13がAl等の絶縁材料で形成されたトンネル型磁気抵抗効果素子(TMR素子)を用いてもよい。
本実施形態では、図3に示すように磁気抵抗効果素子10と固定抵抗素子20とがブリッジ回路を構成している。前記ブリッジ回路の出力取り出し部5,6は差動増幅器7に接続されている。そして、差動増幅器7では差動電位が生成される。外部磁界が作用していない無磁場状態では、前記出力取り出し部5,6からは中点電位が出力されるので差動電位はゼロである。外部磁界によって磁気抵抗効果素子10の電気抵抗が変化することで、差動電位がゼロから変動する。本実施形態では図3に代えて、直列回路3,4がどちらか一つだけ設けられている回路構成であってもよいが、図3のようにブリッジ回路を組んで差動電位を取ることで、一つの直列回路だけを設けた回路構成に比べて電位を倍に出来、検出感度の向上を図ることが可能である。
図1に示すように、磁気抵抗効果素子10及び固定抵抗素子20は棒形状であるが、例えばミアンダ形状で形成されてもよい。ミアンダ形状で形成されると素子長さを長く形成でき、素子抵抗を大きく出来る。この結果、消費電力の低減を図ることが可能である。
前記固定抵抗素子20がミアンダ形状で形成されるときも、図1のように前記固定抵抗素子20の両側に所定の間隔T1を開けてハードバイアス層17,18が設けられる。これによりミアンダ形状で形成された固定抵抗素子20の第2磁性層14全体を適切に磁化固定できる。
本実施形態の磁気検出装置1は、各種センサに用いることが出来る。例えば、ミキサ用フェ−ダやそのほかコントロール用のスライドボリューム等の移動センサ、あるいは、磁気エンコーダに使用できる。移動センサでは、前記磁気抵抗効果素子10の各層の界面と平行な方向から侵入する外部磁界(水平磁場)の方向変化に基づいて、第2磁性層(フリー磁性層)14の磁化方向が変動し、これによって磁気抵抗効果素子10の電気抵抗値が変化する。そして、前記磁気抵抗効果素子10の電気抵抗変化に基づく電圧変化から移動位置を検出することが出来る。
また、近接スイッチにも使用できる。例えば、折畳み式携帯電話の開閉検知に本実施形態の磁気検出装置1を使用できる。開閉検知では、磁石Mと磁気検出装置1間の距離が変化し、前記磁気検出装置1に作用する外部磁界強度が変化する。これにより磁気抵抗効果素子10の電気抵抗値が変動する。そして、前記磁気抵抗効果素子10の電気抵抗変化に基づいて、磁気検出信号(ON、OFF信号)を生成・出力し、前記磁気検出信号に基づいて開閉検知を行う。
なお本実施形態では、前記ハードバイアス層17,18は前記固定抵抗素子20の片側にのみ形成される形態も含むが、前記固定抵抗素子20に適切にバイアス磁界Hを与えるには、前記固定抵抗素子20の両側にハードバイアス層17,18を設けることが好ましい。
また図1,図2では基板2上に磁気抵抗効果素子10と固定抵抗素子20が形成されているが、前記基板2上に集積回路19が形成され、前記集積回路19上に絶縁層を介して前記磁気抵抗効果素子10及び固定抵抗素子20が形成される形態であるとより小型化に対応できる。
図4ないし図6は本実施形態の磁気検出装置1の製造方法を示す斜視図である。
図4に示す工程では、図1に示す基板2よりも大きい大基板(ウェハー)30上の全面に、積層体16をスパッタ法により形成する。前記大基板30は、図1に示すブリッジ回路を構成する2個の磁気抵抗効果素子10と2個の固定抵抗素子20を1組としたとき、複数組のブリッジ回路を形成できる大きさである。
前記積層体16を、例えば、図2と同様に下から反強磁性層11、第1磁性層12、非磁性材料層13、第2磁性層14及び保護層15の順に積層形成する。
次に、前記積層体16の上面に第1レジスト層(図示しない)を塗布し、露光現像により、磁気抵抗効果素子10及び固定抵抗素子20として残すべき積層体16上にのみ前記第1レジスト層を残す。そして、前記第1レジスト層に覆われていない前記積層体16をエッチングにて除去し、さらに残された前記第1レジスト層を除去する。
これにより図5に示すように、大基板30上には、複数組のブリッジ回路を構成する多数の積層体16が所定形状にて残される。
次に、磁場中熱処理を施して、全ての積層体16の第1磁性層12と反強磁性層11との間に交換結合磁界(Hex)を生じさせ、全ての積層体16の第1磁性層12を同一方向に磁化固定する。
次に、前記大基板30上及び前記積層体16上の全面に第2レジスト層(図示しない)を塗布し、ハードバイアス層17,18を形成すべき位置の前記第2レジスト層を露光現像で除去し抜きパターンを形成する。
そして、前記抜きパターン内に、CoPtやCoPtCr等の硬磁性材料のハードバイアス層17,18をスパッタ法で形成する。その後、前記第2レジスト層を除去する。
これにより図6に示すように、固定抵抗素子20の両側に所定の間隔を開けてハードバイアス層17,18が形成される。
磁場中で、前記ハードバイアス層17,18を図1の+X方向に着磁する。これにより前記ハードバイアス層17,18から前記固定抵抗素子20の第2磁性層14へバイアス磁界Hが与えられる。
そして図6に示す一点鎖線に沿って、前記大基板30をダイシングして、複数の磁気検出装置1に個片化する。
上記した本実施形態の磁気検出装置1の製造方法では、図4ないし図5に示す同じ成膜プロセスで、磁気抵抗効果素子10及び固定抵抗素子20を構成する積層体16を形成することが出来る。よって各積層体16を夫々、同じ構成で形成できる。ここで「同じ構成」とは、材料や積層順、膜厚が一致していることを意味する。
そして、図6の工程で、固定抵抗素子20の両側にハードバイアス層17,18を形成するが、このとき、前記固定抵抗素子20と前記ハードバイアス層17,18との間に所定の間隔T1を空けるとともに、前記ハードバイアス層18と磁気抵抗効果素子10との間の間隔T2を前記間隔T1よりも広くしておく(図2参照)。これにより、前記固定抵抗素子20を構成する積層体16を、外部磁界に対して電気抵抗が変化しない状態に維持でき、且つ、従来に比べて、簡単に、前記固定抵抗素子20の抵抗値R及び温度係数(TCR)を、磁気抵抗効果素子10の抵抗値R及び温度係数(TCR)に合わせることが可能である。さらに、前記磁気抵抗効果素子10の第2磁性層14を、外部磁界に対して磁化変動するフリー磁性層として適切に機能させることが出来る。そして本実施形態では、前記固定抵抗素子20の抵抗値R及び温度係数(TCR)が、磁気抵抗効果素子10の抵抗値R及び温度係数(TCR)と一致した磁気検出装置1を同時に複数個製造することが出来る。
本実施形態の磁気検出装置を示す斜視図、 図1の磁気検出装置をA−A線に沿って厚さ方向に切断し矢印方向から見た断面図、 本実施形態の磁気検出装置の回路図、 本実施形態の磁気検出装置の製造方法を示す斜視図、 図4の次に行われる一工程図(磁気検出装置の製造方法を示す斜視図)、 図5の次に行われる一工程図(磁気検出装置の製造方法を示す斜視図)、 膜厚の異なるハードバイアス層と固定抵抗素子間の間隔(ギャップ)とバイアス磁界の関係を示すグラフ、
符号の説明
1 磁気検出装置
2 基板
3、4 回路
5、6 出力取り出し部
7 差動増幅器
8 出力端子
10 磁気抵抗効果素子
11 反強磁性層
12 第1磁性層
13 非磁性材料層
14 第2磁性層
16 積層体
17、18 ハードバイアス層
19 集積回路
20 固定抵抗素子
30 大基板

Claims (8)

  1. 同一の基板上に、外部磁界に対して電気抵抗値が変化する磁気抵抗効果を利用した磁気抵抗効果素子と、外部磁界に対して電気抵抗値が変化しない固定抵抗素子が直列接続され、
    前記磁気抵抗効果素子及び固定抵抗素子は同じ積層体で形成され、前記固定抵抗素子の側面には間隔を空けて、ハードバイアス層が設けられ、
    前記固定抵抗素子では、前記磁気抵抗効果素子の磁化変動層に対応する磁性層が前記ハードバイアス層からのバイアス磁界によって磁化固定されていることを特徴とする磁気検出装置。
  2. 前記磁気抵抗効果素子と前記ハードバイアス層間の間隔は、前記固定抵抗素子と前記ハードバイアス層間の間隔よりも広い請求項1記載の磁気検出装置。
  3. 前記外部磁界が作用しない無磁場状態において、前記磁気抵抗効果素子及び固定抵抗素子の対応する磁性層どうしが、同じ方向に磁化されている請求項1又は2に記載の磁気検出装置。
  4. 前記磁気抵抗効果素子及び固定抵抗素子は、前記積層体中に、第1磁性層と第2磁性層とが非磁性材料層を介して積層形成された積層部分を有し、前記磁気抵抗効果素子の第1磁性層及び固定抵抗素子の第1磁性層は共に磁化固定されており、前記磁気抵抗効果素子の第2磁性層は、外部磁界に対して磁化変動するフリー磁性層として機能し、前記固定抵抗素子の第2磁性層は、前記ハードバイアス層からのバイアス磁界によって磁化固定されている請求項1ないし3のいずれかに記載の磁気検出装置。
  5. 同一の基板上に、第1抵抗素子と第2抵抗素子とが直列接続され、第3抵抗素子と第4抵抗素子とが直列接続され、第1抵抗素子と第3抵抗素子が並列接続されるとともに、第2抵抗素子と第4抵抗素子が並列接続されて成るブリッジ回路が形成されており、
    前記第1抵抗素子、第2抵抗素子、第3抵抗素子及び第4抵抗素子が全て同じ積層体で形成され、
    前記第1抵抗素子及び前記第4抵抗素子が前記磁気抵抗効果素子で、前記第2抵抗素子及び前記第3抵抗素子が前記固定抵抗素子である請求項1ないし4のいずれかに記載の磁気検出装置。
  6. 前記固定抵抗素子と前記ハードバイアス層間の間隔は、1μm以上で5μm以下である請求項1ないし5のいずれかに記載の磁気検出装置。
  7. 前記ハードバイアス層の膜厚は50nm以上で150nm以下で形成される請求項1ないし6のいずれかに記載の磁気検出装置。
  8. 同一の基板上に、外部磁界に対して電気抵抗値が変化する磁気抵抗効果を利用した磁気抵抗効果素子と、外部磁界に対して電気抵抗値が変化しない固定抵抗素子とが直列接続されてなる磁気検出装置の製造方法において、
    前記基板よりも大きい大基板上に前記磁気抵抗効果素子を構成する積層体を全面に形成する工程、
    前記積層体を前記磁気抵抗効果素子と前記固定抵抗素子との形状に残し、このとき、前記磁気抵抗効果素子及び前記固定抵抗素子を少なくとも一つずつ組とし前記組を複数形成する工程、
    各固定抵抗素子の側面に間隔を空けて、ハードバイアス層を形成し、これにより、前記固定抵抗素子の前記磁気抵抗効果素子の磁化変動層に対応する磁性層を前記ハードバイアス層からのバイアス磁界によって磁化固定する工程、
    前記大基板を各組毎に個片化する工程、
    を有することを特徴とする磁気検出装置の製造方法。
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