JP2007045897A - ポリプロピレン樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】成形性、物性バランスに優れ、その上耐汚れ性に優れているポリプロピレン系樹脂組成物の提供。
【解決手段】成分(A)ポリプロピレン樹脂 40〜99.45重量%、(B)酢酸ビニル重合単位の比率が5〜25重量%であるエチレン・酢酸ビニル共重合体 0.5〜8重量%、(C)脂肪酸アミドまたはその誘導体 0.05〜2.5重量%、(D)熱可塑性エラストマー 0〜35重量%、及び(E)無機充填材 0〜35重量%を含有することを特徴とするポリプロピレン樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐汚れ性に優れたポリプロピレン樹脂組成物に関し、特に、耐汚れ性、物性バランスに優れ、かつ射出成形加工性が良好なポリプロピレン樹脂組成物に関する。
従来からポリプロピレンなどのポリオレフィンは、たとえば射出成形により部品などに成形され、各種用途に広く利用されている。このようなポリプロピレン成形品は、意匠性、耐傷つき性向上などのために通常部品表面に塗装が施されている。しかしながら、近年は、コスト合理化の観点から、また溶剤規制などの環境問題の観点から、樹脂に直接顔料を入れ着色することにより塗装を施さない、いわゆる原着材料としての使用が広がってきている。
例えば、プロピレン系樹脂;50〜95重量部と、アクリル系樹脂;5〜40重量部とからなる樹脂成分と着色剤、無機充填剤とから形成された原着材料からなる表面光沢に優れ、色の深みがある塗装不要な射出成形品(例えば、特許文献1参照。)が提案されている。また、エチレン系共重合体(エチレン−酢酸ビニル共重合体)10〜25重量%、プロピレン重合体4〜12重量%、ポリエチレン8〜23重量%、無機充填材20〜42重量%とから形成された材料からなる、表面傷付き性に優れた樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。さらに、プロピレン系ブロック共重合体50〜99.9重量%、ポリエチレン0.1〜10重量%、MFRが0.1〜60g/10分のエチレン−α−オレフィン共重合体エラストマー又はスチレン系エラストマー0〜30重量%、無機フィラー0〜50重量%、脂肪酸アミド又はその誘導体0.05〜3重量部、25℃における粘度が1万mm/s以上のシリコーン化合物0〜3重量部、不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性されたポリオレフィン0〜5重量部からなる耐傷つき性の良好な原着材料(例えば、特許文献3参照。)が提案されている。
しかし、かかる提案では、雨水、油、埃、ダスト、虫などによる汚れ成分に対する考慮は一切なされていない。長期における屋内外での使用においては、成形品表面に前記汚れ成分に起因するしみ等の汚れが付着するといった問題が想定される。付着した汚れが落ちやすい耐汚れ性に優れた原着材料が出現すれば産業上利用価値はきわめて大きい。本発明者らの検討では、上記提案にかかる原着材料は、使用態様を想定した汚れ試験において付着した汚れが落ちにくく、耐汚れ性の性能が十分なものとはいえなかった。
特開平7−285143号公報 特開平10−330556号公報 特開2002−3692号公報
本発明の目的は、上記欠点を解決しつつ、耐汚れ性に優れているポリプロピレン樹脂組成物を提供、特に成形性、物性バランスに優れ、その上耐汚れ性に優れているポリプロピレン樹脂組成物を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決するために、種々の研究を重ねた結果、ポリプロピレン樹脂に特定のエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)並びに脂肪酸アミド類を組み合わせることにより、成形性、物性バランスに優れ、特に従来の材料に比べて耐汚れ性を発現することを見出し、本発明を完成することに至ったものである。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、下記成分(A)〜(E)を含有することを特徴とするポリプロピレン樹脂組成物が提供される。
(A)ポリプロピレン樹脂 40〜99.45重量%
(B)酢酸ビニル重合単位の比率が5〜25重量%であるエチレン・酢酸ビニル共重合体 0.5〜8重量%
(C)脂肪酸アミドまたはその誘導体 0.05〜2.5重量%
(D)熱可塑性エラストマー 0〜35重量%
(E)無機充填材 0〜35重量%
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、さらに、成分(A)〜(E)の合計100重量部に対して、(F)着色剤0.1〜50重量部を含有することを特徴とするポリプロピレン樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、ポリプロピレン樹脂が、MFRが30〜400g/10分のプロピレン単独重合部分を含み、MFRが10〜200g/10分のプロピレン・α−オレフィンブロック共重合体であることを特徴とするポリプロピレン樹脂組成物が提供される。
本発明の樹脂組成物は、耐汚れ性に優れ、かつ機械物性および射出成形性にすぐれたポリプロピレン樹脂組成物であり、特に射出成形による特に各種工業部品、家電用部品、自動車部品として好適な樹脂組成物である。
本発明のポリプロピレン樹脂組成物は、(A)ポリプロピレン樹脂、(B)エチレン・酢酸ビニル共重合体、(C)脂肪酸アミドまたはその誘導体、(D)熱可塑性エラストマー、および、(E)無機充填材を含有し、さらに必要に応じて、(G)着色剤を含有するポリプロピレン樹脂組成物である。以下に、ポリプロピレン樹脂組成物の構成成分、ポリプロピレン樹脂組成物、ポリプロピレン樹脂組成物の製造方法、ポリプロピレン樹脂組成物の用途について詳細に説明する。
1.ポリプロピレン樹脂組成物の構成成分
(1)ポリプロピレン樹脂(A)
本発明のポリプロピレン樹脂組成物に用いるポリプロピレン樹脂(A)は、プロピレン単独重合体、プロピレンと炭素数2〜10のプロピレン以外のα−オレフィンとの共重合体、例えば、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体、プロピレン・α−オレフィンブロック共重合体などから選ばれる樹脂である。共重合体に用いるα−オレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンなどから選ばれ、なかでも、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセンが好ましく、特にエチレンが好ましい。
ポリプロピレン樹脂(A)のメルトフローレート(MFR)は、10〜200g/10分が好ましく、30〜150g/10分がより好ましく、50〜120g/10分がさらに好ましい。MFRが10g/10分未満では成形性が劣り、200g/10分を超えると衝撃強度、引張り伸びが低下する。
ここで、MFRは、JIS K 7210に準拠し、230℃、2.16kg荷重で測定する値である。
ポリプロピレン樹脂(A)が、プロピレンとα−オレフィンランダム共重合体である場合、共重合体中のα−オレフィン含量は、0.1〜20重量%が好ましく、0.5〜12重量%がより好ましく、1〜8重量%がさらに好ましい。
ポリプロピレン樹脂(A)が、プロピレン単独重合体部分である結晶性ポリプロピレン部分とプロピレン・α−オレフィン共重合体部分からなるプロピレン・α−オレフィンブロック共重合体である場合、プロピレン・α−オレフィン共重合体部分の含有量は、2〜35重量%が好ましく、プロピレン・α−オレフィン共重合体部分のα−オレフィン含有量は、70重量%以下が好ましく、30〜60重量%がより好ましい。また、結晶性ポリプロピレン部分のMFRは、30〜400g/10分が好ましく、50〜300g/10分がより好ましく、100〜200g/10分がさらに好ましい。結晶性ポリプロピレン部分のMFRとブロック共重合体全体のMFRの組合せが上記範囲を逸脱した場合、流動性や耐衝撃性、引張伸びが不良となる。
ポリプロピレン樹脂(A)は、高立体規則性触媒を用いてスラリー重合、バルク重合、気相重合により製造することが好ましい。高立体規則性触媒としては、塩化マグネシウムに四塩化チタン、有機ハイドライド、及び有機シラン化合物を接触させて形成した固体成分に有機アルミニウム化合物を組み合わせた触媒が挙げられる。重合方式としては、バッチ重合、連続重合のどちらの方式でも採用される。
(2)エチレン・酢酸ビニル共重合体(B)
本発明のポリプロピレン樹脂組成物に用いるエチレン・酢酸ビニル共重合体(B)は、酢酸ビニル重合単位の比率が5〜25重量%であり、7〜20重量%が好ましく、10〜15重量%が特に好ましい。酢酸ビニル重合単位の比率が5重量%未満であると耐汚れ性が劣り、25重量%を超えると耐熱性、剛性が低下したり、層状剥離等の成形品の外観不良が発生したりするので好ましくない。
また、エチレン・酢酸ビニル共重合体(B)は、メルトインデックス(190℃、2.16kg荷重で測定)の値が1〜10g/10分が好ましく、1.5〜9g/10分がより好ましく、2〜8g/10分がさらに好ましい。メルトインデックスがこの範囲にあると、耐汚れ性がより向上するので好ましい。
ここで、メルトインデックスは、JIS−K7210に準拠し、190℃、2.16kg荷重で測定する値である。
(3)脂肪酸アミド又はその誘導体(C)
本発明のポリプロピレン樹脂組成物に用いる脂肪酸アミドおよびその誘導体としては、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、ベヘニン酸アミド、エルカ酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド、ラウリン酸アミド、m−キシリレンビスステアリン酸アミド、N、N’−ジステアリルイソフタル酸アミド、N、N’−ジステアリルセバシン酸アミド、N、N’−ジステアリルアジピン酸アミド、m−キシリレンビスステアリン酸アミド、N、N’−ジステアリルイソフタル酸アミド、N、N’−ジステアリルセバシン酸アミド、N、N’−ジステアリルアジピン酸アミド、ヘキサメチレンビスべヘン酸アミド、エチレンビスべヘン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスカプリル酸アミド、メチレンビスラウリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸ビスアミド、ブチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、ブチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、メチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド等が挙げられる。これらの中から選ばれる一種又は二種以上を併用して使用することができ、なかでも、オレイン酸アミドが好ましい。
(4)熱可塑性エラストマー(D)
本発明のポリプロピレン樹脂組成物に用いる熱可塑性エラストマー(D)は、耐衝撃性、成形性の向上、収縮特性の調整等を目的に用いられる。熱可塑性エラストマーとしては、具体的には、エチレン−プロピレン共重合体エラストマー、エチレン−ブテン−1共重合体エラストマー、エチレン−オクテン−1共重合体エラストマー、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体エラストマー、ポリブタジエン、スチレン−ジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリイソプレン等のジエン系ゴム、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、水素化スチレン−ブタジエンブロック共重合体、エチレン系アイオノマー樹脂、水素化スチレン−イソプレンブロック共重合体等が挙げられる。これらの熱可塑性エラストマーは、1種又は2種以上を混合して使用することができる。
(5)無機充填材(E)
本発明のポリプロピレン樹脂組成物に用いる無機充填材(E)は、剛性の向上、寸法安定性の調整等を目的に用いられる。無機充填材としては、タルク、ワラストナイト、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、マイカ、ガラス繊維、カーボンファイバーなどが挙げられ、特にタルクが好ましい。
タルクは、外観や衝撃強度の点で、好ましくは平均粒径が1.5〜15μm、特に好ましくは2〜8μmのものである。該タルクは、例えば、先ずタルク原石を衝撃式粉砕機やミクロンミル型粉砕機で粉砕して製造したり、更にジェットミルなどで粉砕した後、サイクロンやミクロンセパレータ等で分級調整する等の方法で製造する。タルクの平均粒径は、レーザ回折散乱方式粒度分布計(例えば、堀場製作所LA−920型)を用いて測定することができる。
また、見かけ比容を2.50ml/g以下にしたいわゆる圧縮タルクを用いても良く、さらに、無機充填材は、金属石鹸、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスまたはそれらの変性物、有機シラン、有機ボラン、有機チタネ−ト等を使用して表面処理されたものであってもよい。
(6)着色剤(F)
本発明のポリプロピレン樹脂組成物には、必要に応じて、着色剤(F)を配合することができる。着色剤(F)としては、白色系の酸化チタン、亜鉛華、リトボン、鉛白、赤色系の弁柄、鉛炭、モリブデンレッド、カドミウムレッド、レーキレッドC、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、リソールレッド、パーマネントレッド4R、ウォッチングレッド、チオインジゴレッド、アリザリンレッド、キナクリドンレッド、ローダミンレーキ、オレンジレーキ、ベンズイミダゾロンレッド、ピラゾロンレッド、縮合アゾレッド、ペリレンレッド、パーマネントカーミンFB、キナクリドンマゼンダ、黄色系の黄鉛、カドミウムイエロー、チタンイエロー、鉄黄、イソインドリノンイエロー、ベンジジンイエロー、ファーストイエロー、フラボンスロンイエロー、ナフトールイエロー、キノリンイエロー、ベンズイミダゾロンイエロー、HRイエロー、縮合アゾイエロー、橙色系のクロムオレンジ、カドミウムオレンジ、ベンズイミダゾロンオレンジ、ペリノンオレンジ、緑色系のクロムグリーン、酸化クロム、ギネグリーン、スピネルグリーン、フタロシアニングリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーン、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、茶系の亜鉛フェライト、青色系の紺青、群青、コバルトブルー、フタロシアニンブルー、インダンスレンブルーRS、ファーストスカイブルーレーキ、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、紫色系のマンガン紫、コバルト紫、紫弁柄、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、ジオキサジンバイオレット、黒色系のカーボンブラック、鉄黒等を挙げることができる。
(7)その他の配合成分(任意成分)
本発明のポリプロピレン樹脂組成物においては、本発明の効果を損なわない範囲で、或いは、更に性能の向上をはかるために、上記成分以外に、以下に示す任意成分を配合することができる。具体的には、酸化防止剤、帯電防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、核剤、難燃剤、分散剤、顔料、発泡剤などをあげることが出来る。
(8)成分の配合割合
本発明のポリプロピレン樹脂組成物に配合される各成分の割合は、(A)ポリプロピレン樹脂40〜99.45重量%、(B)エチレン・酢酸ビニル共重合体0.5〜8重量%、(C)脂肪酸アミド又はその誘導体0.05〜2.5重量%、(D)熱可塑性エラストマー0〜35重量%、(E)無機充填材0〜35重量%であり、好ましくは、(A)ポリプロピレン樹脂45〜97.9重量%、(B)エチレン・酢酸ビニル共重合体2〜7重量%、(C)脂肪酸アミド又はその誘導体0.1〜1.5重量%、(D)熱可塑性エラストマー0〜35重量%、(E)無機充填材0〜35重量%であり、さらに好ましくは、(A)ポリプロピレン樹脂50〜96重量%、(B)エチレン・酢酸ビニル共重合体3〜7重量%、(C)脂肪酸アミド又はその誘導体0.2〜1重量%、(D)熱可塑性エラストマー0〜35重量%、(E)無機充填材0〜35重量%である。
(B)エチレン・酢酸ビニル共重合体の割合が0.5重量%未満であると、汚れ性が悪化し、8重量%を超えると剛性が低くなる。(C)脂肪酸アミド又はその誘導体の割合が0.05重量%未満であると、汚れ性が悪化し、2.5重量%を超えると剛性が低くなる。
また、(F)着色剤を用いる場合は、用いる着色剤により一概には決められないが、成分(A)〜(E)の合計100重量部に対して、0.1〜50重量部が好ましく、例えば、酸化チタンを用いる場合は、好ましくは0.5〜3重量部であり、より好ましくは0.8〜2重量部である。0.1重量部以下では、着色力、隠蔽度におとり、50重量部を超えると剛性などを下げるために好ましくない。
2.ポリプロピレン樹脂組成物の製造と成形
本発明で用いるポリプロピレン樹脂組成物は、上記成分(A)〜(F)を、従来公知の方法で、各配合成分を上記配合割合で配合・混合し、溶融混練することにより製造でき、特に、成分(B)と成分(C)を混合した後、他の成分を混合する方法が好ましい。
溶融混練は、一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ロールミキサー、ブラベンダープラストグラフ、ニーダー等の通常の混練機を用いて混練・造粒することによって、本発明のプロピレン樹脂組成物が得られる。
この場合、各成分の分散を良好にすることができる混練・造粒方法を選択することが好ましく、通常は二軸押出機を用いて行われる。この混練・造粒の際には、上記各成分の配合物を同時に混練してもよく、また性能向上をはかるべく各成分を分割して混練する、すなわち、例えば先ずプロピレン系重合体の一部又は全部とエラストマーとを混練し、その後に残りの成分を混練・造粒するといった方法を採用することもできる。
また、本発明のポリプロピレン樹脂組成物は、公知の各種方法による成形に用いることができる。例えば、射出成形(ガス射出成形も含む)、射出圧縮成形(プレスインジェクション)、押出成形、中空成形、カレンダー成形、インフレーション成形、一軸延伸フィルム成形、二軸延伸フィルム成形等にて成形することによって各種成形品を得ることができる。このうち、射出成形、射出圧縮成形がより好ましい。
3.ポリプロピレン樹脂組成物の用途
本発明のポリプロピレン樹脂組成物は、耐汚れ性、物性バランスに優れ、かつ成形加工性に優れるため、掃除機、冷蔵庫などの各種家電製品、便座、便蓋などのトイレタリー製品、各種工業部品分野、例えば、バンパー、ロッカーモール、サイドモール、オーバーフェンダー、バックドア、ガーニッシュなどの自動車部品用成形材料として、実用に十分な性能を有している。
以下に、本発明のポリプロピレン系樹脂組成物を実施例および比較例を示して具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例および比較例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例において使用した原材料および試験法・評価方法は以下のとおりである。
1.評価方法
(1)MFR:JIS−K7210に準拠して、行った。
(2)密度(単位:g/cm):JIS−K7112に準拠して23℃で測定した。
(3)曲げ弾性率(単位:MPa):JIS−K7203に準拠して23℃で測定した。
(4)アイゾット(IZOD)衝撃強度(単位:J/m):JIS−K7110に準拠し、−30℃で測定した。
(5)外観:100×100×3mmtのシートを射出成形にて成形し、シート表面の成形不良の有無を目視にて観察した。
(6)耐汚れ性:射出成形機にて成形した100×100×3mmtのシートを、JIS−B7753に準拠したサンシャインカーボンアーク灯式耐候性試験機に取り付け、JIS−K7350−4に準拠したブラックパネル63℃、降雨時間12分/60分、の条件で1000時間暴露して、汚れ付着シートを作成した。得られた汚れ付着シートを流水下にて市販のスポンジにて洗浄し、汚れ度合いを目視にて2段階で評価した。
○:汚れがほとんど目立たない
×:汚れが目立つ
2.原材料
(A)プロピレン・エチレンブロック共重合体(PP)
表1に示すA−1〜A−3のプロピレン・エチレンブロック共重合体を用いた。
(B)エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)
表2に示すB−1〜B−3のエチレン・酢酸ビニル共重合体を用いた。
(C)脂肪酸誘導体
C−1:オレイン酸アミド(市販品)
C−2:ステアリン酸亜鉛(市販品)
(D)エチレン・α−オレフィン系エラストマー(エラストマー)
表3に示したD−1〜D−2のエチレン・α−オレフィン共重合体系エラストマーを用いた。
(E)無機充填材
E−1:タルク(富士タルク製LMS200、LA920により求めた平均粒径:6μm)を用いた。
(F)顔料
F−1:酸化チタン(石原産業製タイベークCR−90)
F−2:赤色顔料(チバガイギー製クロムフタルレッドBR)
F−3:青色顔料(東洋インキ製リオノールブルーFG−7350)
Figure 2007045897
Figure 2007045897
Figure 2007045897
(実施例1〜8、比較例1〜6)
表4に示す成分を、表4に示す割合にて、スーパーミキサーにてドライブレンドした後、押出し温度200℃、吐出量35kg/hの条件で2軸押出し機(神戸製鋼社製、KTX44)を用いて溶融混練した。なお、溶融混練時の熱安定剤として、イルガノックス1010を組成物100重量部に対して0.1重量部添加した。溶融混練後、射出成型(220℃、金型温度40℃)にて試験片を作製し、評価を行った。その結果を表5に示す。
Figure 2007045897
Figure 2007045897
表4及び5より明らかなように、実施例1〜8は、各成分の要件を満たしており、物性、外観が良好、かつ耐汚れ性に優れる成形品が得られた。
一方、比較例1は、EVAが無添加のため、耐汚れ性が低下する。比較例2は、EVAの添加量が多いため、剛性が低下し物性のバランスが大幅に悪くなる。比較例3は、オレイン酸アミドが無添加であり、耐汚れ性が低下する。比較例4は、EVAの酢酸ビニル重合単位が低く、耐汚れ性が低下する。比較例5は、EVAの酢酸ビニル重合単位が高いため、層状剥離が発生し、外観が悪く、耐汚れ性の評価は実施しなかった。比較例6は、オレイン酸アミドをステアリン酸亜鉛に変更したものであり、耐汚れ性が低下する。
本発明のポリプロピレン樹脂組成物は、耐汚れ性に優れ、かつ機械物性および射出成形性にすぐれ、特に射出成形による特に各種工業部品、家電用部品、自動車部品として好適な樹脂組成物であり、例えば、掃除機、冷蔵庫などの各種家電製品、便座、便蓋などのトイレタリー製品、バンパー、ロッカーモール、サイドモール、オーバーフェンダー、バックドア、ガーニッシュなどの自動車部品用成形材料として、実用に十分な性能を有し、工業的に用いることができる。

Claims (3)

  1. 下記成分(A)〜(E)を含有することを特徴とするポリプロピレン樹脂組成物。
    (A)ポリプロピレン樹脂 40〜99.45重量%
    (B)酢酸ビニル重合単位の比率が5〜25重量%であるエチレン・酢酸ビニル共重合体 0.5〜8重量%
    (C)脂肪酸アミドまたはその誘導体 0.05〜2.5重量%
    (D)熱可塑性エラストマー 0〜35重量%
    (E)無機充填材 0〜35重量%
  2. さらに、成分(A)〜(E)の合計100重量部に対して、(F)着色剤0.1〜50重量部を含有することを特徴とする請求項1に記載のポリプロピレン樹脂組成物。
  3. ポリプロピレン樹脂が、MFRが30〜400g/10分のプロピレン単独重合部分を含み、MFRが10〜200g/10分のプロピレン・α−オレフィンブロック共重合体であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリプロピレン樹脂組成物。
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