JP2007043547A - 方向性結合器及び180°ハイブリッドカプラ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】2つの線路導体により構成される結合線路の断面の結合度が線路長さ方向に対して連続的に変化し、線路長さ方向の結合度分布が単調増加するテーパ形結合線路によって構成される非対称テーパ結合線路形とした方向性結合器において、前記結合線路3の密結合側の端部と入出力線路4との接続部近傍に、接続部の寄生成分による反射係数を打ち消し合い、接続部で反射係数が広帯域にわたって小さくなる接続構造5を有する。また、前記方向性結合器を2つ従属接続して180°ハイブリッドカプラを構成する。
【選択図】図1
Description
以下、この発明の実施の形態1を示す図1から図3に基づいて説明する。
図1は、この発明の実施の形態1に係る方向性結合器を示す構成図、図2は、図1のa−a断面図、図3は、結合線路の密結合側の端部と入出力線路との接続部の電磁界解析結果から抽出した接続部の等価回路図である。
図2において、9a、9b、9cは第1〜第3の誘電体基板である。誘電体基板9aには、その一方の面、即ち図において上の面に地導体パターン10aが設けられており、当該地導体パターン10aが設けられた面の反対の側の面、即ち図において下の面にはストリップ導体1が設けられている。誘電体基板9bには、その誘電体基板の一部を取り除くことにより空気層6が設けられている。誘電体基板9cには、その一方の面、即ち図において上の面にストリップ導体2が設けられており、当該ストリップ導体2が設けられた面の反対の側の面、即ち図において下の面には地導体パターン10bが設けられている。これら、誘電体基板9a、9b、9cにおいて、誘電体基板9aと誘電体基板9cが、誘電体基板9bを間に挟み、かつ、それぞれの地導体パターン10a、10bが外側になるように向かい合わせに積層されることにより、トリプレート線路型結合線路を構成している。
不連続構造5では、結合線路3の密結合側に存在し、かつ、不連続構造5を構成するストリップ導体1とストリップ導体2が非常に近接して配置されるため、結合線路3側の結合状態を考慮した解析が必要である。結合線路3を同相励振した場合と逆相励振した場合それぞれについて電磁界解析を行い、その電磁界解析結果から図3の等価回路および等価回路パラメータを求める。
上述した実施の形態1では、図3の等価回路において、ストリップ導体1と2間の静電容量15a、15bに影響を与えることなく、ストリップ導体1及び2と地導体10a及び10b間の静電容量14a、14bを増加させるのに、不連続構造5の近傍にオープンスタブ7a、7b、8a、8bを設置するようにしたものであるが、基板の多層化が容易な場合において、より効果的にストリップ導体と地導体間の静電容量14a、14bを増加させる実施の形態を示す。
図4は、この発明の実施の形態2に係る方向性結合器を示す構成図、図5は、図4のb−b断面図である。これらの図において、図1と図2と同一または相当の部分については同一の符号を付しその説明を省略する。図4及び図5において、新たな符号として、16a、16bはストリップ導体であり、17a、17b、17c、17d、17eは誘電体基板である。
図5において、誘電体基板17aには、その一方の面、即ち図において上の面に地導体パターン18aが設けられており、当該地導体パターン18aが設けられた面の反対の面、即ち図において下の面にはストリップ導体16aが設けられており、誘電体基板17aに設けられたビィア19aによりストリップ導体16aと地導体パターン18aが電気的に接続されている。誘電体基板17bには、その一方の面、即ち図において下の面にストリップ導体パターン1が設けられている。誘電体基板17cには、その誘電体基板の一部を取り除くことにより空気層6が設けられている。誘電体基板17dには、その一方の面即ち図の上の面にストリップ導体2が設けられている。誘電帯基板17eには、その一方の面、即ち図において上の面にストリップ導体16bが設けられており、当該ストリップ導体16bが設けられた面の反対の面、即ち図において下の面には地導体パターン18bが設けられており、誘電体基板17eに設けられたビィア19bによりストリップ導体16bと地導体パターン18bが電気的に接続されている。これら誘電体基板17a、17b、17c、17d、17eが図に示すように地導体パターン18a、18bが外側になるように順に積層されることにより、トリプレート線路型結合線路を構成している。
地導体パターン18aとビィア19aによって電気的に接続されたストリップ導体16aとストリップ導体1は、誘電体基板17bを挟んで対向して設置されているため、ストリップ導体16aとストリップ導体1の間で容量性素子を形成することができ、実施の形態1のオープンスタブ7a、7bと同様の働きをする。また、地導体パターン18bとビィア19bによって電気的に接続されたストリップ導体16bとストリップ導体2は、誘電体基板17dを挟んで対向して設置されているため、ストリップ導体16bとストリップ導体2の間で容量性素子を形成することができ、実施の形態1のオープンスタブ8a、8bと同様の働きをする。
図6は、この発明の実施の形態3による180度ハイブリッド回路である。
図6に示す180度ハイブリッド回路は、結合度約8.34dBの実施の形態1に係る非対称テーパ結合線路形方向性結合器20,20と、非対称テーパ結合線路形方向性結合器のテーパ長とほぼ同じ長さの位相遅延線路21とを備える。なお、P1〜P4は入出力端子である。
Claims (6)
- 2つの線路導体により構成される結合線路の断面の結合度が線路長さ方向に対して連続的に変化し、線路長さ方向の結合度分布が単調増加するテーパ形結合線路によって構成される非対称テーパ結合線路形とした方向性結合器において、
前記結合線路の密結合側の端部と入出力線路との接続部近傍に、接続部の寄生成分による反射係数を打ち消し合い、接続部で反射係数が広帯域にわたって小さくなる接続構造を有する
ことを特徴とする方向性結合器。 - 請求項1に記載の方向性結合器において、
前記接続構造は、2つの線路導体間の静電容量を減らす構造と、それぞれの線路導体と地導体間の静電容量を増やす構造とを有する
ことを特徴とする方向性結合器。 - 請求項1に記載の方向性結合器において、
前記結合線路は、第1の誘電体基板の上下面それぞれに前記第1の誘電体基板を挟んでほぼ平行に前記線路導体としての第1と第2のストリップ導体を密着させて配置し、前記第1の誘電体基板の上下面それぞれに前記第1の誘電体基板と反対側の面上に地導体を設けた第2と第3の誘電体基板を密着させて構成され、
前記結合線路の密結合側の端部と入出力線路との接続部近傍の接続構造は、前記第1の誘電体基板の誘電率が等価的に低くなるように構成することで前記第1と第2のストリップ導体間の静電容量を低減させる構造と、前記第1と第2のストリップ導体に1つまたは複数個の微小なストリップ導体状の突起を、ストリップ導体と地導体の間の静電容量を増加させ、ストリップ導体間の静電容量に影響を与えない位置に設けた構造とを有する
ことを特徴とする方向性結合器。 - 請求項1に記載の方向性結合器において、
前記接続構造は、線路導体に直列に接続される自己インダクタンスを増やす構造と、それぞれの線路導体と地導体間の静電容量を増やす構造とを有する
ことを特徴とする方向性結合器。 - 請求項1に記載の方向性結合器において、
前記結合線路は、第1の誘電体基板の上下面それぞれに前記第1の誘電体基板を挟んでほぼ平行に前記線路導体としての第1と第2のストリップ導体を密着させて配置し、前記第1の誘電体基板の上下面それぞれに第2と第3の誘電体基板を密着させて配置し、前記第2の誘電体基板の上の面に前記第2の誘電体基板と反対側の面上に地導体を設けた第4の誘電体基板を密着させて配置し、前記第3の誘電体基板の下の面に前記第3の誘電体基板と反対側の面上に地導体を設けた第5の誘電体基板を密着させて構成され、
前記結合線路の密結合側の端部と入出力線路との接続部近傍の接続構造は、前記第1の誘電体基板の誘電率が等価的に低くなるように構成することで前記第1と第2のストリップ導体間の静電容量を低減させる構造と、前記接続部近傍の前記第4と第5の誘電体基板の地導体と反対側の面上に前記第1と第2のストリップ導体と対向する位置に第3と第4のストリップ導体を密着させて配置し、前記第3と第4のストリップ導体と地導体とが接続されるように前記第4と第5の誘電体基板それぞれにヴィアホールもしくはスルーホールを設けることにより、ストリップ線路間の静電容量に影響することなくストリップ導体と地導体との間の静電容量を増加させる構造とを有する
ことを特徴とする方向性結合器。 - 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の方向性結合器を2つ従属接続して構成された
ことを特徴とする180°ハイブリッドカプラ。
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