JP2006352347A - 高周波伝送線路 - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明の目的は、表皮効果および誘電体による誘電損失に起因する伝送信号の減衰および遅延を抑制する高周波伝送線路を提供することである。
【解決手段】
本発明の高周波伝送線路は、プリント回路基板に形成される信号伝送用の導体線路が複数の細い導体線路に分岐される構成を有している。そして、細い導体線路それぞれの断面の縦横の寸法の少なくとも一方は、伝送信号の最大周波数に対応する表皮効果の表皮深さと同じか、あるいはそれよりも小さな値に設定される。
そして、複数の細い導体線路を有する構成をマイクロストリップ線路および差動信号線路に適用する。
【選択図】
図2

Description

本発明は、高周波信号を伝送する高周波伝送線路であって、特に、表皮効果および誘電体による誘電損失に起因する伝送信号の減衰および遅延を抑制する高周波伝送線路に関する。
近年、デジタル信号を扱う電子機器の処理速度が向上し、これに伴い電子機器に備えられるプリント回路基板上における信号の伝送速度が高速化している。このような高速信号は、高い周波数成分を有するため、高周波電流が信号線路を形成している導体の表面に集中する表皮効果により当該導体の抵抗が増大し、信号が伝送中に減衰および遅延するといった問題が生じる。また、信号の伝送速度の高速化に伴い、誘電損失に起因する伝送信号の減衰や遅延が生じる。
上記した技術に関連して、以下に示す提案がなされている。
特開2000−124561号公報に開示されている「プリント配線板」では、図1に示される、絶縁基板1と、該絶縁基板の一面に形成された、高周波電流を流すための配線用導体2とを有するプリント配線板4において、配線用導体2の一面に導体3が形成されているプリント配線板4が提案されている。本提案のプリント配線板4では、信号線用の導体3の一部に配線用導体2を付加して表皮面積を大きくすることにより、表皮効果による信号線用の導体3の抵抗増大が抑制されている。しかしながら、当該信号線用の導体3の表皮面積の増大という方法では、従来の伝送線路構造と比較すると、高周波信号を伝送させる際の高周波電流の減衰は少なくなるが、伝送させる信号の周波数が高くなり、当該信号の伝送に伴う信号線における表皮深さが当該信号線の断面寸法に比べて小さくなる場合には、高周波電流の減衰は無視できなくなる。そして、伝送信号の減衰や遅延などの信号劣化が引き起こされる。
また、特開昭63−116502号公報に開示されている「不平衡伝送線路」では、上部導体と、この上部導体の幅より十分広い幅の下部導体と、上部導体とこの下部導体との間に介在する誘電体とを備えた不平衡伝送線路において、上部導体および下部導体の厚さが、通過する信号に含まれる最大周波数での表皮の深さを1.6倍した寸法以下である不平衡伝送線路が提案されている。しかし、伝送信号の周波数がますます高周波化している現在、伝送線路の上部導体および下部導体の厚さそれぞれを、伝送する信号に含まれる最大周波数に対応する当該導体における表皮の深さの1.6倍以下としただけでは表皮効果による伝送信号の遅延や減衰を防止することは出来ない。
また、特開平07−240567号公報に開示されている「プリント配線板およびその配線方法」では、1本のパターンから構成され、ディジタル信号を伝達する不平衡伝送の伝送線路と、一対のパターンから構成され、ディジタル信号並びにその反転信号を伝達する平衡伝送の伝送線路を1つのプリント配線板に配線するプリント配線板の配線方法において、所望の特性インピーダンス、プリント配線板の設計上の厚さに基づいて、不平衡伝送のパターンの幅および厚さを決定する手順と、決定された不平衡伝送のパターンの幅および厚さを、一対の平衡伝送のパターンの各々に採用する手順と、所望のインピーダンス、プリント配線板の設計上の厚さ、平衡伝送のパターンの幅および厚さに基づいて、一対の平衡伝送のパターンにおける間隔を決定する手順とから配線するプリント配線板の配線方法が提案されている。しかし、本提案においても、高周波信号を伝送しようとする場合には、表皮効果に起因する伝送信号の遅延および減衰が生じる。
また、特開平09−232700号公報に開示されている「プリント配線基板」では、電気回路的に配設されている始点から分岐点までの一本の信号導体と、分岐点から端点まで複数の信号導体を有し、始点から分岐点までの信号導体の線長と、分岐点から複数の端点までの一本あたりの信号導体の線長を同じ長さで配線し、始点から分岐点までの信号導体の配線幅の設定による特性インピーダンスと、分岐点から端点までの各信号導体配線幅の設定による特性インピーダンスの合成インピーダンスとが等価になるように構成されたプリント配線基板が提案されている。しかし、本提案においても、高周波信号を伝送しようとする場合には、各信号導体配線幅の設定に表皮効果を防止するための考慮がなされていないため、表皮効果に起因する伝送信号の遅延および減衰が生じる。
また、特開平11−177310号公報に開示されている「高周波伝送線路、誘電体共振器、フィルタ、デュプレクサおよび通信機」では、誘電体と電極を有する高周波伝送線路において、その電極の縁端部に、該縁端部に沿って1本または複数本の間隙を設けた高周波伝送線路が提案されている。しかし、本提案においても、伝送信号の高周波化に伴い、表皮効果に起因する伝送信号の遅延および減衰が生じる。
また、特開平11−355003号公報に開示されている「高周波集積回路」では、高周波伝送線路と、この線路途中に設けられるスイッチング素子とをシリコン基板上に配置した高周波集積回路が提案されている。しかし、本提案においても、伝送信号の高周波化に伴い、表皮効果に起因する伝送信号の遅延および減衰が生じる。
特開2000−124561号公報 特開昭63−116502号公報 特開平07−240567号公報 特開平09−232700号公報 特開平11−177310号公報 特開平11−355003号公報
本発明の目的は、表皮効果および誘電体による誘電損失に起因する伝送信号の減衰および遅延を抑制する高周波伝送線路を提供することである。
以下に、[発明を実施するための最良の形態]で使用する括弧付き符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの符号は、[特許請求の範囲]の記載と[発明を実施するための最良の形態]の記載との対応関係を明らかにするために付加されたものであるが、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
本発明の高周波伝送線路(100,200)は、高周波信号を伝送するための導体で形成された単一信号線路部(10a)と、単一信号線路部に接続されて、単一信号線路部を複数の信号線路に分岐するための単一信号線路部と同一の導体で形成された信号分岐部(10b)と、信号分岐部により分岐された複数の信号線路のそれぞれの端部に接続されて、高周波信号を伝送するための単一信号線路部と同一の導体で形成された矩形断面を有する複数の細幅信号線路を備えた複数信号線路部(10c)とを有する高周波伝送線路であって、矩形断面の縦または横の少なくとも一方の長さは、高周波伝送線路の設置環境温度における高周波信号の最大周波数に対応する導体の表皮深さの値、あるいは表皮深さよりも小さい値に設定される。
また、本発明の高周波伝送線路(100,200)における信号分岐部(10b)は、単一信号線路部(10a)を順次偶数本に分岐していくことにより、複数の信号線路に分岐する。
また、本発明の高周波伝送線路(100,200)における複数信号線路部(10c)の細幅信号線路の本数は、細幅信号線路の総断面積と信号分岐部(10b)の複数に分岐された信号線路それぞれの端部の総断面積とが等しくなるように決められる。
また、本発明の高周波伝送線路(100、200)において、単一信号線路部(10a)と信号分岐部(10b)と複数信号線路部(10c)との特性インピーダンスは、それぞれ同一の所定の値に設定される。
また、本発明の高周波伝送線路(100、200)は、第1端子および第2端子として、単一信号線路部(10a)をそれぞれ備え、第1端子および前記第2端子としての単一信号線路部それぞれの間に信号分岐部(10b)を各々介して複数信号線路部(10c)が接続される。
また、本発明の高周波伝送線路(100)は、さらに、グランド平面(20)と、グランド平面の上に積層される誘電体層(30)とを備え、誘電体層の上に、第1端子としての単一信号線路部(10a)と、第2端子としての単一信号線路部と、単一信号線路部それぞれの間に信号分岐部(10b)を各々介して複数信号線路部(10c)が接続されて形成されることにより、マイクロストリップ線路を構成する。
また、本発明の高周波伝送線路(200)は、さらに、誘電体層(30)を備え、誘電体層の上に、第1端子としての単一信号線路部(10a)と、第2端子としての単一信号線路部と、単一信号線路部それぞれの間に信号分岐部(10b)を各々介して複数信号線路部(10c)が接続されて形成されることにより、差動信号を伝送するための対を成す差動伝送線路それぞれが構成される。
また、本発明の高周波伝送線路(200)において、単一信号線路部(10a)と信号分岐部(10b)と複数信号線路部(10c)とにより構成される対を成す差動伝送線路それぞれは、誘電体層(30)上に立体的に配設される。
また、本発明の高周波伝送線路(200)において、複数信号線路部(10c)の複数の細幅信号線路それぞれの間隔は、各々の特性インピーダンスが所定の値になるように設定される。
また、本発明の高周波伝送線路(200)において、複数信号線路部(10c)は、誘電体層(30)上の空隙部(35)に配設される。
また、本発明の高周波伝送線路(200)において、複数信号線路部(10c)は、誘電体層(30)上に低誘電損失部材で形成される支持部(60)により保持される。
本発明により、表皮効果および誘電体による誘電損失に起因する伝送信号の減衰および遅延を抑制する高周波伝送線路を提供することができる。
特に、プリント回路基板の伝送線路において、信号線路である1本の導体線路を複数の細い導体線路に分岐する。そして、細い導体線路それぞれの断面の縦横の寸法の少なくとも一方を、伝送信号の最大周波数に対応する表皮効果の表皮深さと同程度か、あるいはそれよりも小さな値に設定する。また、導体線路の分岐毎に、分岐前後における伝送線路の特性インピーダンスが連続するように、それぞれの分岐段における伝送線路の特性インピーダンスの値を設定する。また、最終的に分岐した細い導体線路の総本数を、最終的に分岐した細い導体線路の総断面積と分岐元となる信号線路の端部それぞれの総断面積とが等しくなるように設定する。これにより、高周波信号を伝送することにより生じる表皮効果や誘電損失に起因する伝送信号の減衰、および遅延の防止が実現する。
また、上記複数の細い導体線路に分岐する構成を、マイクロストリップ線路、および差動信号線に適応する。差動信号線に適応する場合には、細い導体線路それぞれの線路間距離を、細い導体線路各々が所定の特性インピーダンスとなるように設定する。また、複数の細い導体線路をプリント回路基板の空隙部に配設する。
これにより、高周波信号を伝送することにより生じる表皮効果や誘電損失に起因する伝送信号の減衰および遅延が抑制されたマイクロストリップ線路、および差動信号線路構造を備えた高周波伝送線路を実現する。
添付図面を参照して、本発明による高周波伝送線路を実施するための最良の形態を以下に説明する。
本発明の高周波伝送線路は、プリント回路基板に形成される信号伝送用の導体線路が複数の細い導体線路に分岐される構成を有している。そして、細い導体線路それぞれの断面の縦横の寸法の少なくとも一方は、伝送信号の最大周波数に対応する表皮効果の表皮深さと同じか、あるいはそれよりも小さな値に設定される。
そして、複数の細い導体線路を有する構成をマイクロストリップ線路および差動信号線路に適用する。
これにより、高周波信号を伝送することにより生じる表皮効果や誘電損失に起因する伝送信号の減衰、および遅延を防止することのできるマイクロストリップ線路構成および差動線路構成を有する高周波伝送線路が実現する。特に差動線路構成を有する高周波伝送線路においては、細い導体線路それぞれの線路間距離を、細い導体線路各々が所定の特性インピーダンスとなるように設定する。そして、複数の細い導体線路を、プリント回路基板の空隙部に配設する。これにより、高周波信号を伝送することにより生じる誘電損失に起因する伝送信号の減衰および遅延をさらに抑制可能な、差動信号線路構成を備えた高周波伝送線路を実現する。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係わる高周波伝送線路の上部面(信号線路の形成された面)方向から見た概略構成を図2に示す。本実施の形態に係わる高周波伝送線路100は、特に高周波信号を伝送させるためのマイクロストリップ線路を構成し、誘電体30上に信号の入出力端として導体により形成される信号線路a(10a)が、2本、4本、8本と徐々に2つの信号線路b(10b)に分岐されていき、最終的に所定の本数にまで分岐される。そして分岐後、信号線路a(10a)に対応する複数の細い導体により形成される信号線路c(10c)に沿って高周波信号が伝送される。
図3に、図2に示される破線部分の斜視構成を示す。また、図4に、図2に示される破線部分の信号伝送方向から見た断面を示す。図3、および図4に示される本実施の形態においては、グランド平面20上に誘電体30が積層され、誘電体30上に多数の細い導体により形成された信号線路c(10c)が積層される。そして、信号線路10cそれぞれの断面の縦横の寸法の少なくとも一方は、高周波伝送線路100が配置される環境温度において、伝送信号の最大周波数に対応する上記導体の表皮効果に係わる表皮深さと同じか、あるいはそれよりも小さい値に設定される。例えば、信号線路10cが銅で形成され、伝送される信号の最大周波数が1GHz、10GHzであるときの表皮深さは、室温においてそれぞれ約2.2μm、0.7μmである。従って、伝送する信号の最大周波数成分が1GHzの場合には、信号線路10cそれぞれの断面の縦横の寸法の少なくとも一方は約2.2μm以下、10GHzの場合は0.7μm以下と設定すれば良い。また、線幅をより小さくすることにより、より高い周波数を有する伝送信号に対応することも可能である。但し、信号線路10cの1本の幅が細くなると単位長さあたりの抵抗が増加するので、本数を増やして抵抗を下げることが必要となる。信号線路10cの本数は、信号線路10c全ての断面積の合計が、分岐元の信号線路10bの断面積と概ね等しくなるように選択される。本実施の形態においては、これにより、高周波信号を伝送することに伴う表皮効果に起因する伝送信号の減衰や遅延が抑制される。また、入出力端である信号線路a(10a)における特性インピーダンスをZとすると、元の1本の信号線路a(10a)は、2Zの特性インピーダンスを持つ2本の信号線路b(10b)に分岐され、さらに同様の分岐を繰り返すことにより所定の本数の信号線路c(10c)への分岐が行われる。このように、本実施の形態においては、信号線路a(10a)、信号線路b(10b)、信号線路c(10c)それぞれにおいて特性インピーダンスが連続して一定の値になるように設定されるため、インピーダンスのミスマッチによる信号損失が抑制され、良好な信号線路特性が維持される。信号線路a(10a)、信号線路b(10b)、信号線路c(10c)それぞれの特性インピーダンスの設定のために、誘電体30の厚さ、誘電体30の誘電率、および信号線路a(10a)、信号線路b(10b)、信号線路c(10c)それぞれの幅が調整される。特に、信号線路c(10c)の幅の設定にあたっては、上記した表皮深さも考慮した値の選択が必要となる。
本実施の形態における複数の細い導体により形成される信号線路c(10c)を備えた構成により、高周波信号を伝送させた場合においても、信号線路の表皮効果に起因する伝送信号の減衰および遅延が防止される。また、分岐される各信号線路間において、特性インピーダンスの整合をとるため、インピーダンスのミスマッチによる伝送信号の反射を防止することができる。さらに、元となる1本の信号線路a(10a)を、プリント回路基板内部で2本、4本、8本と所定の本数にまで順次分岐し、上記複数の細い導体で形成される伝送線路c(10c)を形成するため、分岐元の1本の信号線路a(10a)を入出力端子として、容易に外部端子と接続することができる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係わる高周波伝送線路の信号伝送方向から見た断面を図5に示す。本実施の形態に係わる高周波伝送線路200は、特に高周波信号を伝送させるための差動信号線路構成を有する。本実施の形態においては、誘電体30上に形成される1対の差動信号線路それぞれが、外部端子と接続するための入出力端部を基点として徐々に2本、4本、8本と2つに分岐され、各々所定の本数までに分岐される。そして分岐後、1対の差動信号線路に対応する複数の細い導体により形成される差動信号線路に沿って高周波信号が伝送される。
図5に示すように、本実施の形態の高周波伝送線路200においては、差動信号線路を構成する一対の線路は、それぞれ分岐されて矩形の断面を有する複数の細い導体である差動信号線路(+)15、および差動信号線路(−)25となる。そして、差動信号線路(+)15、および差動信号線路(−)25それぞれの断面の縦横の寸法の少なくとも一方は、実施の形態1と同様に、本実施の形態の高周波伝送線路200が配置される環境温度において、伝送信号の最大周波数に対応する差動信号線路(+)15、および差動信号線路(−)25を形成する上記導体の表皮効果に起因する表皮深さと同じか、あるいはそれよりも小さい値に設定される。
本実施の形態における複数の細い導体により形成される差動信号線路(+)15、および差動信号線路(−)25は、図5に示すように、誘電体30上に差動信号線路(+)15と差動信号線路(−)25とが上下方向、および左右方向に繰り返して隣接するように配設される。また、本実施の形態における複数の細い導体により形成される差動信号線路(+)15、および差動信号線路(−)25それぞれの間隔は、各差動信号線路における特性インピーダンスが規定値になるように設定されている。図6を用いて、本実施の形態における差動信号線路間隔の設定、つまりそれぞれの差動信号線路における特性インピーダンスの設定について説明する。図6に示される差動信号線路(+)15に着目した場合、当該差動信号路線の上下左右に隣接する差動信号路線それぞれとの中間位置に仮想完全導体壁50を仮定する。このとき、仮想完全導体壁50により囲まれた当該差動信号線路の特性インピーダンスが所定の値となるように、当該差動信号線路と仮想完全導体壁50との間隔を設定する。これにより、本実施の形態における差動信号線路それぞれの間隔および特性インピーダンスの値が設定される。
本実施の形態の高周波伝送線路200において、入出力端となる1対の(分岐前の)差動信号線路の特性インピーダンスをそれぞれZとすると、実施の形態1の場合と同様、1対の差動信号線路はそれぞれ2Zの特性インピーダンスを持つ2対の信号線路に分岐される。そして、さらに同様の分岐を繰り返すことにより所定数の対の差動信号線路へ分岐される。本実施の形態の高周波伝送線路200における差動信号線路の分岐の形態を図7に示す。図7(a)には、差動信号線路(+)15および差動信号線路(−)25それぞれの分岐の形態を、そして、図7(b)には、分岐毎の差動信号線路(+)15および差動信号線路(−)25それぞれの信号伝送方向から見た断面を示す。本実施の形態においては、上記したように差動信号線路対がそれぞれ所定の本数に分岐されるまで、分岐毎に連続的なインピーダンス変換が行われる。また、本実施の形態における差動信号線路(+)15および差動信号線路(−)25それぞれの本数は、差動信号線路(+)15および差動信号線路(−)25それぞれの断面積の合計が、分岐元の差動信号線路対各々の断面積と概ね等しくなるように選択される。
本実施の形態においては、伝送信号の誘電損失の低減を目的として、差動信号線路(+)15と差動信号線路(−)25との間には誘電体30を充填せずに、差動信号線路(+)15と差動信号線路(−)25それぞれの周りの誘電体30を一部を残してエッチングや露光、現像により取り除く。これにより、複数の細い導体である差動信号線路(+)15、および差動信号線路(−)25間には空隙部35が形成される。そして、図8に示されるように、所定の位置に誘電体30で形成される支持部60を備え、当該支持部60にて全ての差動信号線路(+)15と差動信号線路(−)25とを支持する。本実施の形態においては、当該支持部60は、誘電体30の空隙部35とされた箇所以外の部位により構成されるため、誘電体30の誘電率は空気の誘電率1に近い値に設定されるのが良い。
上記したように、本実施の形態においては、1対の差動信号線路それぞれを導体により形成される複数の細い差動信号線路(+)15、および差動信号線路(−)25へと分岐する。そして、分岐されたそれぞれの差動信号線路の断面の縦横の寸法の少なくとも一方を、本実施の形態の高周波伝送線路200の配置される環境温度における伝送信号の最大周波数に対応する当該差動信号線路を形成する導体の表皮効果に起因する表皮深さと同じか、あるいはそれよりも小さい値に設定する。これにより、本実施の形態においては、高周波信号を伝送させた場合においても信号線路の表皮効果に起因する伝送信号の減衰および遅延を防止することができる。また、差動信号線路(+)15、および差動信号線路(−)25それぞれの間隔を、差動信号線路の分岐毎にそれぞれの特性インピーダンスが連続して変換されるように設定することにより、インピーダンスのミスマッチングにより生じる伝送信号の減衰および遅延を防止することができる。また、細い導体により形成される複数の細い差動信号線路(+)15、および差動信号線路(−)25それぞれの総本数を、差動信号線路(+)15、および差動信号線路(−)25それぞれの総断面積が分岐前の差動信号線路対の対応する各々の総断面積と概ね等しくなるように設定することにより、伝送信号の減衰および遅延を抑制することができる。また、元となる1対の差動信号線路を、プリント回路基板内部で、2本、4本、8本と所定の対の数まで順次分岐し、上記複数の細い導体で形成される差動信号線路(+)15、および差動信号線路(−)25を形成するため、分岐元の1対の差動信号線路を入出力端子として、容易に外部端子と接続することができる。さらに、本実施の形態においては、複数の細い差動信号線路(+)15、および差動信号線路(−)25それぞれが空隙部35を介して配設されることにより、より誘電損失の少ない高周波伝送線路200を実現する。
従来技術による伝送線路の概略構成を示す図である。 本発明の実施の形態1に係わる高周波伝送線路の上部方向から見た概略構成を示す図である。 図1における破線部分の詳細構成を示す図である。 図3の信号伝送方向の断面を示す図である。 本発明の実施の形態2に係わる高周波伝送線路の信号伝送方向から見た断面を示す図である。 図5において、各信号線路間の距離を決めるための模式図である。 (a)実施の形態2における差動信号線路対それぞれの分岐の形態を示す図である。(b)実施の形態2における、差動信号線路対それぞれの分岐毎の信号伝送方向から見た断面を示す図である。 本発明の実施の形態2に係わる高周波伝送線路の信号伝送方向に平行な断面を示す図である。
符号の説明
10a…信号線路a
10b…信号線路b
10c…信号線路c
20…グランド平面
15…差動信号線路(+)
25…差動信号線路(−)
30…誘電体
35…空隙部
50…仮想完全導体壁
60…支持部
100、200…高周波伝送線路

Claims (11)

  1. 高周波信号を伝送するための導体で形成された単一信号線路部と、
    前記単一信号線路部に接続されて、前記単一信号線路部を複数の信号線路に分岐するための前記単一信号線路部と同一の導体で形成された信号分岐部と、
    前記信号分岐部により分岐された前記複数の信号線路のそれぞれの端部に接続されて、前記高周波信号を伝送するための前記単一信号線路部と同一の導体で形成された矩形断面を有する複数の細幅信号線路を備えた複数信号線路部と
    を具備する高周波伝送線路であって、
    前記矩形断面の縦または横の少なくとも一方の長さは、前記高周波伝送線路の設置環境温度における前記高周波信号の最大周波数に対応する前記導体の表皮深さの値、あるいは前記表皮深さよりも小さい値に設定される高周波伝送線路。
  2. 請求項1に記載の高周波伝送線路において、
    前記信号分岐部は、前記単一信号線路部を順次偶数本に分岐していくことにより、前記複数の信号線路に分岐する高周波伝送線路。
  3. 請求項1または2に記載の高周波伝送線路において、
    前記複数信号線路部の前記細幅信号線路の本数は、前記細幅信号線路の総断面積と前記信号分岐部の複数に分岐された信号線路それぞれの端部の総断面積とが等しくなるように決められる高周波伝送線路。
  4. 請求項1から3までの少なくとも一項に記載の高周波伝送線路において、
    前記単一信号線路部と前記信号分岐部と前記複数信号線路部との特性インピーダンスは、それぞれ同一の所定の値に設定される高周波伝送線路。
  5. 請求項1から4までの少なくとも一項に記載の高周波伝送線路において、
    第1端子および第2端子として、前記単一信号線路部をそれぞれ備え、
    前記第1端子および前記第2端子としての前記単一信号線路部それぞれの間に前記信号分岐部を各々介して前記複数信号線路部が接続される高周波伝送線路。
  6. 請求項5に記載の高周波伝送線路において、
    さらに、グランド平面と、
    前記グランド平面の上に積層される誘電体層とを備え、
    前記誘電体層の上に、前記第1端子としての前記単一信号線路部と、前記第2端子としての前記単一信号線路部と、前記単一信号線路部それぞれの間に前記信号分岐部を各々介して前記複数信号線路部が接続されて形成されることにより、マイクロストリップ線路を構成する高周波伝送線路。
  7. 請求項1から3までの少なくとも一項に記載の高周波伝送線路において、
    さらに、誘電体層を備え、
    前記誘電体層の上に、第1端子としての前記単一信号線路部と、第2端子としての前記単一信号線路部と、前記単一信号線路部それぞれの間に前記信号分岐部を各々介して前記複数信号線路部が接続されて形成されることにより、差動信号を伝送するための対を成す差動伝送線路それぞれが構成される高周波伝送線路。
  8. 請求項7に記載の高周波伝送線路において、
    前記単一信号線路部と前記信号分岐部と前記複数信号線路部とにより構成される前記対を成す差動伝送線路それぞれは、前記誘電体層上に立体的に配設される高周波伝送線路。
  9. 請求項7または8に記載の高周波伝送線路において、
    前記複数信号線路部の前記複数の細幅信号線路それぞれの間隔は、各々の特性インピーダンスが所定の値になるように設定される高周波伝送線路。
  10. 請求項7から9までの少なくとも一項に記載の高周波伝送線路において、
    前記複数信号線路部は、前記誘電体層上の空隙部に配設される高周波伝送線路。
  11. 請求項10に記載の高周波伝送線路において、
    前記複数信号線路部は、前記誘電体層上に低誘電損失部材で形成される支持部により保持される高周波伝送線路。
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