JP2016207834A - 印刷配線板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】近接する双配線を平行配置する差動配線を備えた印刷配線板において、前記差動配線に接続する2本の単線配線部における単線配線同士の間隙が、単線配線幅の3倍以上であり、単線配線部の一方の単線配線のみにミアンダ部を形成し、このミアンダ部の高さ方向の間隙が、単線配線幅の4倍以上である。
【選択図】図1
Description
特に、1本の配線で信号を伝送するシングル伝送(非平衡伝送、不平衡伝送)に対し、2本の近接する平行配線に、2つの同一波形信号の一方を反転させた2信号を、当該平行する配線の各々に入力し、互いに他方の配線を基準として伝送し、伝送路(配線)終端で当該2信号の差を取る方式の差動伝送(平衡伝送)は、その構成から、信号/基準の比をシングル伝送の2倍とすることで、信号伝送品質を高めている。
通常、当該2信号は基準クロックにより同期が取れているので、同じタイミングで伝送路に入力された信号は、伝送路(配線)の長さが等しければ同じタイミングで終端に到達する。
すなわち、差動配線では双配線の配線長を等しくすること(等長処理)が非常に重要であり、配線長の差を生み出す要因を極力少なくする必要が有る。そのため、差動配線の双配線は可能な限り短く、かつ直線のみの構成とすることが望ましい。
その解決手段として、例えば、特許文献1には、層間接続や誘電率の変更といった手段を用いずに、配線のレイアウト変更のみで双配線の配線長を等しくする手法として、等長配線に迂回延長配線部(ミアンダ部)を形成して長さ調整を行う手法が記載されている。
そのため、例えば、特許文献2には、解決手段として、両伝送線路(配線)間での実行線路長差を設けて、両伝送線路間での実効誘電率差を設定することにより、総合線路領域内の異なる箇所において発生したクロストーク信号が、遠端クロストーク端子にて時間軸上で同じタイミングで加算されることに注目し、一方の伝送線路において常に時間的にタイミングをずらして加算するようにすれば、遠端クロストーク端子に生じるクロストーク信号の強度を抑圧し、かつスパイクノイズを発生させず、通信信号強度についても良好な特性を維持できる、ということが記載されている。
(1)近接する双配線を平行配置する差動配線を備えた印刷配線板において、前記差動配線に接続する2本の単線配線部における単線配線同士の間隙が、単線配線幅の3倍以上である印刷配線板。
(2)前記単線配線部の一方の単線配線のみに、ミアンダ部を形成した(1)に記載の印刷配線板。
(3)前記ミアンダ部の高さ方向の間隙が、単線配線幅の4倍以上である(2)に記載の印刷配線板。
(4)前記ミアンダ部を形成した単線配線が、単線配線部間にて、他方の単線配線と配線長を揃えた等長配線である(2)または(3)に記載の印刷配線板。
配線部10の配線長を揃える箇所は、送信側であるのが良いが、部品配置やデバイスのピン配列などによっては、受信側で揃えてもよい。
前記ミアンダ配線4は、単線配線部7にて単線配線3と配線長を揃えてある。すなわち、単線配線部7において、ミアンダ配線4と単線配線3は等長である。
前記ミアンダ配線4が必要な場合としては、例えば、部品の差動ピンの位置が対称となっていない場合や部品形状や配置位置の制約がある場合などが挙げられる。
配線長を揃える箇所は、送信側が良いが、部品配置やデバイスのピン配列などによっては難しい場合は、受信側でもよい。
なお、ミアンダ配線4の高さhは、単線配線3とミアンダ配線4との結合にほとんど影響を与えない。例えば、ミアンダ配線4の高さhはミアンダ配線4の配線幅S’と同じであってもよい。
配線部10が載置されるのは、一般的なFR4基材(難燃性エポキシ樹脂含浸ガラス布材)であり、物性値は、比誘電率er=4.4,誘電正接tanδ=0.013、想定される信号はPCI-Ex(5Gbps),USB3.0(5Gbps)であり、計算周波数は5Gbps(2.5GHz)の信号を想定し、高調波成分を考慮し20GHzまでの特性を評価した。なお、図1(c)、(d)にそれぞれ示す印刷配線板は、単線配線同士の間隔と単線配線幅とが異なる以外は同一部材で構成されている。
また、図1(c)、(d)それぞれの配線導体の厚みは53μm、基板(FR4)の層間の厚みは200μmである。なお、この基板と配線導体とを任意に積層し印刷配線板としてもよい。
このとき、前記配線部10’の差動インピーダンス(Zdiff)は98.6Ω、特性インピーダンス(Zo)は50.5Ω、コモンモードインピーダンス(Zcom)は25.9Ωであった。
すなわち、単線配線3とミアンダ配線4とは、特性インピーダンス(Zo)を50.5Ωとし、結合によるインピーダンス低下が起きない距離を確保して、差動100Ω配線を確保している。
また、図1(d)に示す印刷配線板は、単線配線31の幅Pおよびミアンダ配線41の幅P’が共に0.18mm、単線配線31とミアンダ配線41の間隔Qが0.15mmである。よって、単線配線同士の間隔が単線配線幅の0.83倍となっている。
このとき、差動インピーダンス(Zdiff)は100.4Ω、特性インピーダンス(Zo)は65.5Ω、コモンモードインピーダンス(Zcom)は40.4Ωであった。
すなわち、単線配線31とミアンダ配線41とは、特性インピーダンス(Zo)を65.5Ωと高くすることで、結合によるインピーダンス低下分を考慮して、差動100Ω配線を確保している。
したがって、図1(c)に示す印刷配線板では、単線配線同士の間隔が単線配線幅の3倍とすることで結合によるインピーダンス低下が起きない距離を確保しているのに対して、図1(d)に示す従来の印刷配線板では、予め接する配線間の高密度化によるインピーダンスの低下分を考慮していることがわかる。図1(c)に示すような本発明に係る印刷配線板においては、このようなインピーダンス低下分を考慮しなくてもよい。
図2(a)〜(c)に示す配線11〜13は、図1(b)に示す配線10’と同じように単線配線3’とミアンダ配線4’とが等長になる単線配線部7’を有し、ミアンダ配線4’にミアンダ部5’をそれぞれ1箇所、2箇所、4箇所設けたものである。なお、図1(b)に示す配線10’と同じ部材の説明は省略する。
また、図2(a)に示す配線11のミアンダ部5’の高さhは、ミアンダ配線4’が単線配線3’と等長であるため、ミアンダ部5’の設置箇所が増加すると高さhは減っていく。すなわち、図2(b)に示す配線12のミアンダ部5’の高さはそれぞれh/2、図2(c)に示す配線13のミアンダ部5’の高さはそれぞれh/4となる。
この評価は、市販の電磁界シミュレータを使用し、配線基板を伝送するときの差動インピーダンス(Ω)を時間軸(ns)でシミュレーションを実施した。
差動インピーダンスの変動(上下幅)は、大きいほど信号の伝送品質悪化の原因となるものであり、配線11は配線12、13より伝送品質が良いことを示している。
図4のグラフの縦軸は、差動モード入力および差動モード出力での減衰量を示し、横軸は周波数を示している。
sdd21特性は0dBに近いほど特性が優れることを表すものであり、配線11は配線12、13より高周波特性に優れることがわかる。
図5より、配線11の方が各周波数間における遅延の変動が少ないことがわかる。
図6(a)〜(d)に示す配線15〜18は、図1(b)に示す配線10’ と同じように単線配線30とミアンダ配線40とが等長になる単線配線部70を有し、それぞれ高さ(W)の異なるミアンダ部51〜54をミアンダ配線40に一箇所ずつ形成したものである。なお、図1(b)に示す配線10’と同じ部材の説明は省略する。
図7によれば、TDR波形においては、概ね4Ω程度の変動が生じているが、一般的なインピーダンスコントロール基板では±10%程度を許容範囲としている為、問題ない範囲である。
この図7における評価を、ミアンダ部を複数箇所設けた場合の解析結果(図3)と比較した場合、ミアンダ部の数が増加すると、インピーダンスの変動が、目標としているインピーダンスから乖離していく傾向が図3からは見られ、ミアンダ部の数とインピーダンス値を考慮する必要がある。しかしながら、ミアンダ部の高さを変えたことによるインピーダンス変動の傾向は図7からは見られず、意図したインピーダンスを確保することが容易になることがわかる。
図8によれば、ミアンダ部の高さによる透過特性の変動は軽微となっている。すなわち、ミアンダ部の高さは、ミアンダ部の設置箇所の数(図4)よりも透過特性に影響しないことがわかる。
図9によれば、各周波数間における急激な遅延変動は、概ね抑えられている結果となっている。また、ミアンダ部を増やした場合の結果(図5)と比較しても、ミアンダ部の高さによる影響の差異は少ないことがわかる。
したがって、配線のミアンダ部は1箇所とし、ミアンダ部の高さにて配線長を揃える方が、配線の伝送特性に影響が無く、有効であることがわかる。
2 配線
3、3’、30、31 単線配線
4、4’、40、41 ミアンダ配線
5、5’、51、52、53、54 ミアンダ部
6 差動配線
7、7’、70 単線配線部
10,10’ 配線部
11,12,13 配線
15,16,17,18 配線
Claims (4)
- 近接する双配線を平行配置する差動配線を備えた印刷配線板において、前記差動配線に接続する2本の単線配線部における単線配線同士の間隙が、単線配線幅の3倍以上である印刷配線板。
- 前記単線配線部の一方の単線配線のみに、ミアンダ部を形成した請求項1に記載の印刷配線板。
- 前記ミアンダ部の高さ方向の間隙が、単線配線幅の4倍以上である請求項2に記載の印刷配線板。
- 前記ミアンダ部を形成した単線配線が、単線配線部間にて、他方の単線配線と配線長を揃えた等長配線である請求項2または3に記載の印刷配線板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015087840A JP2016207834A (ja) | 2015-04-22 | 2015-04-22 | 印刷配線板 |
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Family Applications (1)
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2015
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