JP2004296250A - モジュラコネクタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数のコンタクトピンと、ハウジングに設けた端子台4に立設される複数の端子板8と、コンタクトピンと端子板8とを接続する接続導体9と、を有し、第1の接続導体9と、第2の接続導体9と、を平行近接させ誘導性結合による漏話補償機能を備えたモジュラコネクタ1において、第1の接続導体9と第2の接続導体9とを部分的に近接させて配置するとともに第1の接続導体9の電流と第2の接続導体9の電流が互いに異なる向きになるように配置した。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として情報通信に使用する高速伝送用のモジュラコネクタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
情報通信に使用する高周波伝送用のモジュラコネクタ1として、例えば図14に示すようなものがある。このモジュラコネクタ1は、モジュラプラグの接触子に弾接する8本のコンタクトピン6と、モジュラプラグ(図示せず)が挿入されるプラグ挿入口2が設けられたハウジング3と、ハウジング3においてプラグ挿入口2の背面側上部には端子台4と、端子台4の下部に配設されたプリント基板5と、備え、コンタクトピン6はプリント基板5に接続されている。ここで、コンタクトピン6はプラグ挿入口2内部の奥における下部に載置されたプリント基板5から下向きに延び前方へ曲がってプラグ挿入口2の下部を通過して上向きにU字状に曲がりプラグ挿入口2内部の入り口付近からプラグ挿入口2の奥に向かって上向きに互いに平行に延びた構造である。
【0003】
モジュラコネクタ1と組合わせて使用するモジュラプラグは複数の伝送線路が互いに接近して平行に並べられている(以降、伝送対と呼称)という構造上、回線間の静電容量不平衡(以降、容量性結合と呼称)及び相互誘導(以降、誘導性結合と呼称)によって回線を伝送する信号中に漏話成分が発生しやすい。そこで、モジュラプラグに発生した漏話成分を打ち消す漏話成分をモジュラコネクタにおいて意図的に発生させることが考えられる。具体的には、伝送線路間に容量性結合又は誘導性結合を発生させる構成をモジュラコネクタに組込むという手法が採用されている。例えば、図14のモジュラコネクタ1においては、図15に示すようにプリント基板5上の配線を互いに近接させることにより誘導性結合を発生させて、モジュラプラグの誘導性結合を打ち消し近端漏話減衰量を減少させている。
【0004】
ここで漏話成分は大きさと位相で定義される電気信号成分であり、その特性は周波数に依存する。漏話成分には信号の伝播方向に現れる遠端漏話成分(以降、FEXTと略称)と、その反対方向に現れる近端漏話成分(以降、NEXTと略称)とがある。
【0005】
また、モジュラプラグに発生した漏話成分を打ち消す漏話成分を意図的に発生させているモジュラコネクタとして、特開平06−84562号公報に記載するものがある。このものは、図16に示すように、誘電体バネブロック(図示せず)に取付けた一対の金属リードフレーム101により相互接続される多数の入力および出力端子を有する。リードフレーム101には、細長い接続導体102a、bを有している。接続導体102a、b間には、絶縁層があり、接続導体102a、b間は電気的に絶縁されている。そして、各接続導体は一端がバネ接点(図示せず)に接続され、他端がコネクタ103に接続されている。各接続導体102a、bが互いに重複するように配置され、この重複は交差領域Aで、交差領域内の導体の鈍角な曲げにより電気的接触を形成することなく行われる。交差位置および特定の交差パターンを選択することにより、誘導性結合、容量性結合を発生させて特定の導体間の漏話を減少させることができるようにしたものである。
【0006】
【特許文献1】
特開平06−84562号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
図14で説明した従来技術及び特許文献1に記載している従来技術は、プリント基板上に構成した伝送線路を部分的に近接させて、伝送線路の漏話結合を補正しようとするものである。すなわち、誘導性結合のみを利用して補正する方法はNEXTまたはFEXTのいずれか一方を低減させるかわりもう一方を増大させるという問題があり、容量性結合のみを利用して補正する方法はNEXTを改善させる一方でFEXTを悪化させるという問題がある。また、誘導性結合のみを利用する方法は、近接させた導体線路間の離隔距離が大きく平行距離が長い場合に補償漏話の位相遅れが大きくなり、漏話性能が改善されない場合がある。
【0008】
従って、これらの方法は、限られた面積のプリント基板上でおこなうために、モジュラプラグの漏話特性に対して所定の周波数帯域の大きさと位相を十分にコントロールできない場合がある。
【0009】
本発明は、かかる事由に鑑みてなしたものであり、その目的とするところは、モジュラコネクタ内部の伝送対間に発生する漏話成分の大きさと位相と、モジュラプラグ内部の伝送対間に発生する漏話成分の大きさと位相と、が広周波数帯域にわたって対応し、モジュラプラグとの組合せにおける漏話を低減することができるモジュラコネクタを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するため、請求項1記載の発明は、モジュラプラグを挿入するプラグ挿入口が開口するハウジングと、1対の伝送線路を構成するチップ導体とリング導体が複数対交互に並んだモジュラプラグの接触子に接触可能な弾性体からなる複数のコンタクトピンと、ハウジングに設けた端子台に立設される複数の端子板と、導体層が2層以上のプリント基板と、前記コンタクトピンと前記端子板とをプリント基板上で電気的に接続する接続導体と、を有し、チップ導体側に接続する接続導体とリング導体側に接続する接続導体とが2本で1対になった伝送対の一方の第1の接続導体と、上記とは別のチップ導体側に接続する接続導体と上記とは別のリング導体側に接続する接続導体とが2本で1対になった伝送対の一方の第2の接続導体と、を平行近接させ誘導性結合による漏話補償機能を備えたモジュラコネクタにおいて、第1の接続導体と第2の接続導体とを部分的に近接させて配置するとともに第1の接続導体の電流と第2の接続導体の電流が互いに異なる向きになるように配置したものである。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1の構成において、前記第1の接続導体は伝送対のチップ導体側と、前記第2の接続導体は別の伝送対のチップ導体側と、或いは、前記第1の接続導体は伝送対のリング導体側と、前記第2の接続導体は別の伝送対のリング導体側と、に接続したものである。
【0012】
請求項3記載の発明は、前記第1の接続導体は伝送対のチップ導体側と、前記第2の接続導体は別の伝送対のリング導体側と、に接続したものである。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかの構成において、前記第1の接続導体と前記第2の接続導体を、前記プリント基板の同一層に配置したものである。
【0014】
請求項5記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかの構成において、前記第1の接続導体と前記第2の接続導体を、前記プリント基板の異なる層に配置したものである。
【0015】
請求項6記載の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれかの構成において、前記第1の接続導体と、前記第2の接続導体と、が近接した部分に高透磁率の磁性体を設けたものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
第1の実施形態を図1乃至図6に基づいて説明する。
【0017】
このモジュラコネクタ1は8極8心用であって、図1又は図2に示すようにモジュラプラグ(図示せず)を挿入するプラグ挿入口2が開口するハウジング3を備えている。ハウジング3においてプラグ挿入口2の背面側上部には端子台4が設けられていて、端子台4の下部にはプリント基板5が配設されている。
【0018】
プラグ挿入口2の内部には、モジュラプラグの接触子(図示せず)に弾接する4対のコンタクトピン6を備えている。コンタクトピン6は、図2乃至図3に示すようにプラグ挿入口2の背面側のプリント基板5上に設けられたコンタクトピン支持部7に支持されている。端子台4にはコンタクトピン6と1対1対応した8個の端子板8が立設されている。
【0019】
プリント基板5は、表面の部品面5aと、裏面のハンダ面5bと、の導体層が2層の基板から構成されている。そして、プリント基板5には、各コンタクトピン6と電気的に接続された第1のビアホール12と、各端子板8と電気的に接続された第2のビアホール13と、第3のビアホール14と、が設けられている。また、プリント基板5は、第1のビアホール12と対応する第2のビアホール13とを電気的に接続する接続導体9が導体パターンによって形成されている。そして、プリント基板5は、望ましくない誘導性結合の発生を抑制するため接続導体9は部品面5aとハンダ面5bとに分けて形成されている。第三のビアホール14は、部品面5aとハンダ面5bを電気的に接続するためのもので、一部の接続導体9にのみ接続している。
【0020】
以下において、コンタクトピン6、接続導体9、第1のビアホール12、第2のビアホール13、第三のビアホール14の電気的に接続されたものについてはそれぞれ同じ符号a、b、c、d、e、f、g、hを番号の後に付すものとする。ここで、番号の後に付した符号においては、aとb、cとf、dとe、gとhが夫々伝送対を構成している。
【0021】
コンタクトピン6は、図1乃至図4に示すように、コンタクトピン6のうちチップ導体側に接続される4本であるコンタクトピン6a、6c、6e、6gは支持部7に支持され支持部7から2mm程度後方において90度下向きに曲げられてそれぞれ対応するビアホール12a、12c、12e、12gに固定され、支持部7より開口2の方向に伸びる片持ち梁構造になっている。また、コンタクトピン6のうちリング導体側に接続される4本であるコンタクトピン6b、6d、6f、6hはコンタクトピン6a、6c、6e、6gより低い位置で支持部7に支持され支持部7近傍において90度下向きに曲げられてそれぞれ対応するビアホール12b、12d、12f、12hに固定され、支持部7より開口2の方向に伸びる片持ち梁構造になっている。従って、ビアホール12は側面から見て千鳥状の配置になっており、チップ導体に対応するビアホール12a、12c、12e、12gとリング導体に対応するビアホール12b、12d、12f、12hとが前後に離されている。
【0022】
次に、漏話の大きさと位相を設計するための基本構成について、一つの伝送対を構成する接続導体9d、9eのうちの9dを第1の接続導体とし、別の伝送対を構成する接続導体9g、9hのうちの9hを第2の接続導体として、この関係を基に説明する。
【0023】
接続導体9d、9hは、コンタクトピン6d、6hを介してモジュラプラグのリング導体側に接続されている。接続導体9e、9gは、コンタクトピン6e、6gを介してモジュラプラグのチップ導体側に接続されている
図5はプリント基板5の部品面5aの平面図、図6はプリント基板5のハンダ面5bを部品面5aから透視した平面図である。
【0024】
接続導体9dは、図5又は図6に示すように、ハンダ面5bの第1のビアホール12dから第1のビアホール12eと12fの間、12gと12hの間、第2のビアホール13gと13fの間をとおって第3のビアホール14dに接続されている。そして、第3のビアホール14dにより部品面5aに接続され第2のビアホール13dに接続されている。
【0025】
接続導体9hは、図5に示すように、第1のビアホール12hから第2のビアホール13dと13gの間をとおって13hの方向へ配線されている。
【0026】
このように接続導体9d、9hを配置すれば、図5の斜線で示されている部分では電流が互いに異なる向きになり、平行して近接に配置させることで誘導性結合を付加することができる。このとき、接続導体9d、9hは、導体中に流れる電流が互いに異なる向きなので、誘導の極性が逆結合で漏話補償を行っている。すなわち、電流が同じ向きに流れる場合の誘導性結合と反対特性の漏話補償を行うとともに、接続導体9d、9hが平行している距離を変えることによって、漏話補償を大きくしたり小さくしたりできる。従って、接続導体9dと接続導体9hとの間の漏話補償は、所定の周波数帯域において所定の大きさと位相にコントロールすることができる。
【0027】
なお、接続導体9aと9c、9cと9e、9fと9hは、図5に示すように、互いに平行近接させて誘導性結合による漏話補償を行っている。
(第2の実施形態)
第2の実施形態のモジュラコネクタを図7又は図8に基づいて説明する。
【0028】
図7はプリント基板5の部品面5aの平面図、図8はプリント基板5のハンダ面5bを部品面5aから透視した平面図である。
【0029】
この実施形態のものは、前述した第1の実施形態とはプリント基板5の配線パターンのみを換えたものであり、それら以外の構成要素は第1の実施形態と同様であるので説明は省略する。
【0030】
漏話の大きさと位相を設計するための基本構成について、一つの伝送対を構成する接続導体9d、9eのうちの9dを第1の接続導体とし、別の伝送対を構成する接続導体9g、9hのうちの9gを第2の接続導体として、この関係を基に説明する。
【0031】
接続導体9dは、図8に示すように、第1のビアホール12dから第1のビアホール12eと12fの間、12gと12hの間、第2のビアホール13gと13hの間をとおって第2のビアホール13dに接続されている。
【0032】
接続導体9gは、図8に示すように、第1のビアホール12gから第1のビアホール12gと第2のビアホール13gの間をとおり、第2のビアホール13dと13gの間をとおり第2のビアホール13gに接続されている。
【0033】
このように接続導体9d、9gを配置すれば、図8の斜線で示されている部分では電流が互いに異なる向きになり、平行して近接に配置させることで誘導性結合を付加することができる。このとき、接続導体9d、9gは、導体中に流れる電流が互いに異なる向きなので、誘導の極性が逆結合で漏話補償を行っている。すなわち、電流が同じ向きに流れる場合の誘導性結合と反対特性の漏話補償を行うとともに、接続導体9d、9gが平行している距離を変えることによって、漏話補償を大きくしたり小さくしたりできる。従って、接続導体9dと接続導体9hとの間の漏話補償は、所定の周波数帯域において所定の大きさと位相にコントロールすることができる。
【0034】
なお、接続導体9aと9c、9cと9e、9fと9hは、図7に示すように、互いに平行近接させて誘導性結合による漏話補償を行っている。
(第3の実施形態)
第3の実施形態のモジュラコネクタを図9又は図10に基づいて説明する。
【0035】
図9はプリント基板5の部品面5aの平面図、図8はプリント基板5のハンダ面5bを部品面5aから透視した平面図である。
【0036】
この実施形態は、前述した第1の実施形態とはプリント基板5の配線パターンのみを換えたものであり、それら以外の構成要素は第1の実施形態と同様であるので説明は省略する。
【0037】
漏話の大きさと位相を設計するための基本構成について、一つの伝送対を構成する接続導体9d、9eのうちの9dを第1の接続導体とし、別の伝送対を構成する接続導体9g、9hのうちの9hを第2の接続導体として、この関係を基に説明する。
【0038】
接続導体9dは、図10に示すように、第1のビアホール12dから第1のビアホール12eと12fの間、12gと12hの間、第2のビアホール13gと13hの間をとおって第2のビアホール13dに接続されている。
【0039】
接続導体9hは、図9に示すように、第1のビアホール12hから第1のビアホール12gと第2のビアホール13hの間、第2のビアホール13dと13gの間をとおり第2のビアホール13hに接続されている。
【0040】
このように接続導体9d、9hを配置すれば、図9及び図10の斜線で示されている部分では電流が互いに異なる向きになり、平行して近接に配置させることで誘導性結合を付加することができる。このとき、接続導体9d、9hは、導体中を流れる電流が互いに異なる向きなので、誘導の極性が逆結合で漏話補償を行っている。すなわち、電流が同じ向きに流れる場合の誘導性結合と反対特性の漏話補償を行うとともに、接続導体9d、9hが平行している距離を変えることによって、漏話補償を大きくしたり小さくしたりできる。従って、接続導体9dと接続導体9hとの間の漏話補償は、所定の周波数帯域において所定の大きさと位相にコントロールすることができる。
【0041】
なお、接続導体9aと9c、9cと9e、9fと9hは、図9に示すように、互いに平行近接させて誘導性結合による漏話補償を行っている。
(第4の実施形態)
第4の実施形態のモジュラコネクタを図11又は第12図に基づいて説明する。
【0042】
図11はプリント基板5の部品面5aの平面図、図12はプリント基板5のハンダ面5bを部品面5aから透視した平面図である。
【0043】
この実施形態は、前述した第1の実施形態とはプリント基板5の配線パターンのみを換えたものであり、それら以外の構成要素は第1の実施形態と同様であるので説明は省略する。
【0044】
漏話の大きさと位相を設計するための基本構成について、一つの伝送対を構成する接続導体9d、9eのうちの9dを第1の接続導体とし、別の伝送対を構成する接続導体9g、9hのうちの9gを第2の接続導体として、この関係を基に説明する。
【0045】
接続導体9dは、図12に示すように、ハンダ面5bの第1のビアホール12dから第1のビアホール12eと12fの間、12gと12hの間、第2のビアホール13gと13fの間をとおって第3のビアホール14dに接続されている。そして、第3のビアホール14dにより部品面5aに接続され第2のビアホール13dに接続されている。
【0046】
接続導体9gは、図13に示すように、第1のビアホール12gから第2のビアホール13dと13gの間をとおり第2のビアホール13gに接続されている。
【0047】
このように、接続導体9d、9gを配置すれば、図11及び図12の斜線で示されている部分では電流が互いに異なる向きになる。そして、この斜線で示されている部分の部品面5aとハンダ面5bとがプリント基板を挟んで平行に配線することで誘導性結合を付加することができる。このとき、接続導体9d、9hは、導体中を流れる電流が互いに異なる向きなので、誘導の極性が逆結合で漏話補償を行っている。すなわち、電流が同じ向きに流れる場合の誘導性結合と反対特性の漏話補償を行うとともに、接続導体9d、9hが平行している距離を変えることによって、漏話補償を大きくしたり小さくしたりできる。従って、接続導体9dと接続導体9gとの間の漏話補償は、所定の周波数帯域において所定の大きさと位相にコントロールすることができる。
【0048】
なお、接続導体9aと9c、9cと9e、9fと9hは、図11に示すように、互いに平行近接させて誘導性結合による漏話補償を行っている。
(第5の実施形態)
第5の実施形態のモジュラコネクタを図13に基づいて説明する。
【0049】
図13はプリント基板5のハンダ面5bを部品面5aから透視した平面図である。
【0050】
この実施形態は、プリント基板5の配線パターンとプリント基板5上に高透磁率の磁性材料15を設けたものであり、それら以外の構成要素は第1の実施形態と同様であるので説明は省略する。
【0051】
漏話の大きさと位相を設計するための基本構成について、一つの伝送対を構成する接続導体9d、9eのうちの9dを第1の接続導体とし、別の伝送対を構成する接続導体9g、9hのうちの9gを第2の接続導体として、この関係を基に説明する。
【0052】
接続導体9dは、図13に示すように、第1のビアホール12dから第1のビアホール12eと12fの間、12gと12hの間、第2のビアホール13gと13hの間をとおって第2のビアホール13dに接続されている。
【0053】
接続導体9gは、図13に示すように、第1のビアホール12gから第2のビアホール13dと13gの間をとおり第2のビアホール13gに接続されている。
【0054】
このように、接続導体9d、9gを配置すれば、図13の斜線で示されている部分では電流が互いに異なる向きになる。
【0055】
この接続導体9dと接続導体9gの近接部分において、図13に示すように、基板表面に磁性材料の層を作成したり、磁性材料を塗付する等でプリント基板5上に高透磁率の磁性体15を設けている。磁性体15を設けることにより、より大きい誘導性結合を付加することができる。このとき、接続導体9d、9hは、導体中を流れる電流が互いに異なる向きなので、誘導の極性が逆結合で漏話補償を行っている。すなわち、電流が同じ向きに流れる場合の誘導性結合と反対特性の漏話補償を行うとともに、近接した部分に設けた磁性体15の大きさや磁性特性(透磁率等)を変えることによって、漏話補償を大きくしたり小さくしたりできる。また、磁性体15の磁性特性に周波数依存性をもたせることで漏話補償の周波数特性を制御することもできる。
【0056】
従って、高透磁率の磁性体15を設けることにより、極性が逆結合の高い誘導結合特性が得られるので、少ないスペースで、誘導性結合の設定の自由度を増やし、設定範囲を広く取ることができ、効果的な漏話補償ができる。
【0057】
なお、接続導体9dと9gは、図13に示すように、互いに平行近接させて誘導性結合による漏話補償を行っている。
【0058】
以上のように、第1の実施形態から第5の実施形態に記載した漏話補償は、近接に平行する2本の接続導体9を流れる電流が互いに異なる向きになるように配置しているので、誘導の極性が逆結合になっている。従って、従来の漏話補償を組合わせて設計することにより、モジュラプラグの漏話特性に対して所定の周波数帯域において所定の大きさと位相をコントロールすることができ、モジュラプラグとの組合せにおける漏話を低減することができる。
【0059】
なお、第1の実施形態から第5の実施形態に記載した誘導の極性が逆結合の漏話補償は、接続導体9d、9eの伝送対の9dを第1の接続導体とし、接続導体9g、9hの伝送対の9hを第2の接続導体としているが、第1の接続導体9と第2の接続導体9の組合せは、モジュラプラグの特性と従来の漏話補償とを組合わせて漏話補償が最適になるように適宜決めればよい。
【0060】
なお、第1の実施形態から第5の実施形態に記載した誘導の極性が逆結合の漏話補償は、部品面5aとハンダ面5bをもつ2層のプリント基板5であるが、導体層が3層以上の多層構造のプリント基板でも上記実施形態と同様の作用効果が生じる。
【0061】
【発明の効果】
請求項1乃至請求項5記載の発明にあっては、近接に平行する2本の接続導体中を流れる電流が互いに異なる向きになるように接続導体を配置しているので、誘導の極性が逆結合になっている。従って、従来の漏話補償を組合わせて設計することにより、モジュラプラグの漏話特性に対して、所定の周波数帯域において所定の大きさと位相をコントロールすることがきモジュラプラグとの組合せにおける漏話を低減することができる。
【0062】
請求項6記載の発明にあっては、請求項1乃至請求項5いずれかに記載の効果に加え、高透磁率の磁性体を設けることにより、極性が逆結合の高い誘導結合特性が得られるので、少ないスペースで、誘導性結合の設定の自由度を増やし、設定範囲を広く取ることができ、効果的な漏話補償ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態を示す一部破断した平面図である。
【図2】同上の側面断面図である。
【図3】同上の要部の側面図である。
【図4】同上の要部の平面図である。
【図5】同上のプリント基板の部品面の平面図である。
【図6】同上に用いるプリント基板のハンダ面を部品面側から透視した平面図である。
【図7】第2の実施形態のプリント基板の部品面の平面図である。
【図8】同上に用いるプリント基板のハンダ面を部品面側から透視した平面図である。
【図9】第3の実施形態のプリント基板の部品面の平面図である。
【図10】同上に用いるプリント基板のハンダ面を部品面側から透視した平面図である。
【図11】第4の実施形態のプリント基板の部品面の平面図である。
【図12】同上に用いるプリント基板のハンダ面を部品面側から透視した平面図である。
【図13】第5の実施形態のプリント基板のハンダ面を部品面側から透視した平面図である。
【図14】従来例の側面断面図である
【図15】同上の要部の平面図である。
【図16】特許文献1に記載のリードフレームの平面図。
【符号の説明】
1 モジュラコネクタ
2 プラグ挿入口
3 ハウジング
4 端子台
5 プリント基板
6 コンタクトピン
7 支持部
8 端子板
9 接続導体
Claims (6)
- モジュラプラグを挿入するプラグ挿入口が開口するハウジングと、1対の伝送線路を構成するチップ導体とリング導体が複数対交互に並んだモジュラプラグの接触子に接触可能な弾性体からなる複数のコンタクトピンと、ハウジングに設けた端子台に立設される複数の端子板と、導体層が2層以上のプリント基板と、前記コンタクトピンと前記端子板とをプリント基板上で電気的に接続する接続導体と、を有し、チップ導体側に接続する接続導体とリング導体側に接続する接続導体とが2本で1対になった伝送対の一方の第1の接続導体と、上記とは別のチップ導体側に接続する接続導体と上記とは別のリング導体側に接続する接続導体とが2本で1対になった伝送対の一方の第2の接続導体と、を平行近接させ誘導性結合による漏話補償機能を備えたモジュラコネクタにおいて、第1の接続導体と第2の接続導体とを部分的に近接させて配置するとともに第1の接続導体の電流と第2の接続導体の電流が互いに異なる向きになるように配置したこと特徴とするモジュラコネクタ。
- 前記第1の接続導体は伝送対のチップ導体側と、前記第2の接続導体は別の伝送対のチップ導体側と、或いは、前記第1の接続導体は伝送対のリング導体側と、前記第2の接続導体は別の伝送対のリング導体側と、に接続したことを特徴とする請求項1記載のモジュラコネクタ。
- 前記第1の接続導体は伝送対のチップ導体側と、前記第2の接続導体は別の伝送対のリング導体側と、に接続したことを特徴とする請求項1記載のモジュラコネクタ。
- 前記第1の接続導体と前記第2の接続導体を、前記プリント基板の同一層に配置したことを特徴とする請求項1乃至請求項3いずれかに記載のモジュラコネクタ。
- 前記第1の接続導体と前記第2の接続導体を、前記プリント基板の異なる層に配置したことを特徴とする請求項1乃至請求項3いずれかに記載のモジュラコネクタ。
- 前記第1の接続導体と、前記第2の接続導体と、が近接した部分に高透磁率の磁性体を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項5いずれかに記載のモジュラコネクタ。
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