JPH09246819A - マジックtおよび180度ハイブリッド - Google Patents

マジックtおよび180度ハイブリッド

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JPH09246819A
JPH09246819A JP5172196A JP5172196A JPH09246819A JP H09246819 A JPH09246819 A JP H09246819A JP 5172196 A JP5172196 A JP 5172196A JP 5172196 A JP5172196 A JP 5172196A JP H09246819 A JPH09246819 A JP H09246819A
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JP
Japan
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magic
coupling line
boundary
strip conductors
characteristic impedance
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JP5172196A
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English (en)
Inventor
Masayuki Nakajima
政幸 中嶋
Hiroaki Tanabe
浩明 田辺
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Tokimec Inc
Original Assignee
Tokimec Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高周波帯域で使用可能なマジックT、および1
80度ハイブリッドを提供する。 【解決手段】 マジックT10の結合線路部210にお
いて、ストリップ導体11、12を、結合線路120に
沿って誘電率が変化する区間121の境界123におい
て幅が不連続に変化する形状に形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘電率が異なる区
間を設けた結合線路を有するマジックT、および該マジ
ックT二つを縦続接続した180度ハイブリッドに係
り、特に、高周波信号の分配に好適なマジックTおよび
180度ハイブリッドに関する。
【0002】
【従来の技術】図8および図9を参照して、従来の、結
合線路を有するマジックT(以下、単にマジックTとい
う)10と、マジックT10を二つ縦続接続して構成さ
れる180度ハイブリッド50とについて概略を説明す
る。
【0003】図8に、従来のマジックT10の概念図を
示す。マジックT10は4分岐線路であって、ポート1
から4をもつ。これらのポート1から4は、図8に示す
ように、ストリップ導体11は、ポート1およびポート
4に接続され、ストリップ導体12は、ポート2および
ポート4に接続される。ストリップ導体11を伝播する
電磁波とストリップ導体12を伝播する電磁波とが、マ
ジックTの一部に設けられる結合線路部120において結
合することによって、ポート1からポート4およびポー
ト3、ポート3からポート2およびポート1の方向、あ
るいは、ポート2からポート4およびポート3、ポート
4からポート1およびポート2の方向へ電力を分配して
伝送することができる。
【0004】図9は、180度ハイブリッド50の模式
図である。図9において、180度ハイブリッドは、二
つのマジックT10a、10bを縦続接続して構成され
る。すなわち、一方のマジックT(以下、第一のマジッ
クTという)10aのポート3と他方のマジックT(以
下、第二のマジックTという)10bのポート1が接続
され、かつ、第一のマジックT10aのポート4と第二
のマジックT10bのポート2が接続される。ここで、
第一のマジックT10aのポート1、ポート2をそれぞ
れ、180度ハイブリッドのポート1、ポート2と定義
し、第二のマジックT10bのポート3、ポート4をそ
れぞれ、180度ハイブリッドのポート3、ポート4と
定義すると、180度ハイブリッド50のポート1から
4について、同様に、ポート1からポート4およびポー
ト3、ポート3からポート2およびポート1の方向、あ
るいは、ポート2からポート4およびポート3、ポート
4からポート1およびポート2の方向へ電力を分配する
4分岐線路とみなせる。
【0005】次に、図10および図11を参照して、マ
ジックT10について詳細に説明する。
【0006】図10は、従来のマジックTの断面を示し
た模式図である。図11は、従来のマジックTにおける
接続部を拡大して示した模式図である。
【0007】マジックT10の結合線路120は、誘電
体層13および誘電体層14に挟まれるストリップ導体
11と、誘電体14および誘電体15に挟まれるストリ
ップ導体12と、さらに、誘電体層13から誘電体層1
5を挟む接地導体16、17とによって構成される。ま
た、結合線路部120において、ストリップ導体11と
ストリップ導体12とが、重なり合う幅が結合線路12
0に沿って変化し、この変化に伴い、特性インピーダン
スが結合線路120に沿って変化する。また、分岐部1
60において、ストリップ導体11と、ストリップ導体
12とが分岐し、ストリップ導体11とストリップ導体
12とが重なり合わない非結合線路部140となる。
【0008】結合線路120に沿って連続に変化する特
性インピーダンスの分布は、ハイパス特性をもたらし、
かつ、分岐部160におけるインピーダンスの不連続な
変化による反射は、一様な周波数特性をもたらすため、
理想的には、マジックTには、高周波帯域における帯域
制限が生じない。
【0009】しかし、現実のマジックT10において
は、分岐部160に存在する寄生容量が、電磁波が分岐
部160を伝播するときの位相差を生じさせる。これに
より、マジックT10の高周波特性は大きく影響を受け
る。
【0010】この寄生容量による影響を相殺するため
に、分岐部160の付近に、結合線路部120における
誘電体層14の誘電体を取り除いた、結合線路の区間
(以下、空隙区間という)200を設けたマジックTが
報告されている(R.H. DuHamel and M.E.Armstrong: "T
he tapered-line magicT",Parallel Coupled Lines and
Directional Couplers,edited by Leo Young,pp.207-2
33.Artech House,1972.)。このマジックTにおいて
は、空隙区間200を設けたことにより、結合線路部1
20を伝搬する電磁波の偶モードの伝搬速度と、奇モー
ドの伝搬速度との差を生じさせ、これによって、電磁波
が空隙区間200を伝搬する間に、偶モードと奇モード
との間に位相差が生じ、上記寄生容量に起因する位相差
を相殺させることが試みられている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た、空隙区間200を設けたマジックTにあっては、空
隙区間200と、結合線路120の他の区間との境界
(以下、区間境界という)220において、特性インピ
ーダンス分布に不連続が生ずる。従って、結合線路12
0における分岐部160と区間境界220との2ヶ所に
おいて特性インピーダンスが不連続となる。これに伴
い、分岐部160と区間境界220との間に多重反射が
生じ、周波特性を乱していた。従って、20GHzを越
える周波数帯域で動作するマジックTを実現することは
困難であった。
【0012】本発明は、分岐部における寄生容量によっ
て生じる、偶モードと奇モードとの位相差の影響を避け
るために、特性インピーダンスが連続に分布し、かつ、
上記分岐部の寄生容量による位相差を相殺する位相差を
有する構造に結合線路を構成することよって、広帯域分
配器に好適なマジックT、および、二つのマジックTが
縦続接続された180度ハイブリッドを提供することを
目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の第一の態様として、二つのストリップ導体
を含んで構成される結合線路を有し、上記結合線路の一
部の区間について、上記結合線路を伝搬する電磁波の、
偶モードの特性インピーダンスと、奇モードの特性イン
ピーダンスとが異なるマジックTにおいて、上記区間の
少なくとも一方の境界において、上記二つのストリップ
導体の少なくとも一方は、導体の幅が上記結合線路に沿
って不連続に変化する形状に形成されることを特徴とす
るマジックTを提供する。
【0014】また、本発明の第二の態様として、二つの
ストリップ導体を含んで構成される結合線路を有し、上
記結合線路の一部の区間について、上記結合線路を伝搬
する電磁波の、偶モードの特性インピーダンスと、奇モ
ードの特性インピーダンスとが異なるマジックTが、二
つ縦続接続されて構成される180度ハイブリッドにお
いて、上記二つのマジックTの少なくとも一方は、該マ
ジックTの結合線路を構成する二つのストリップ導体の
少なくとも一方が、上記区間の少なくとも一方の境界に
おいて、ストリップ導体の幅が不連続に変化する形状に
形成されることを特徴とする180度ハイブリッドを提
供する。
【0015】
【発明の実施の形態】図1、図2および図12を参照し
て、本発明を適用したマジックT10について説明す
る。
【0016】まず、図1を参照して、マジックT10の
平面形状について説明する。マジックT10は、二つの
ストリップ導体11、12が近接して配置される結合線
路120を有し、結合線路120の一端の分岐部160
において、二つのストリップ導体が、反対方向に分岐
し、それぞれ非結合線路140となって構成される。図
1では図示されないが、結合線路120は、二つのスト
リップ導体11、12が配設される間隔、および、それ
ぞれのストリップ導体11、12の導体の幅を、結合線
路120に沿って変化する形状に形成される。これによ
って、二つのストリップ導体11、12をそれぞれ伝播
する電磁波の間の結合係数を、結合線路120に沿って
変化させることができる。
【0017】この形状の例を図13に示し、概略を説明
する。図13において、それぞれのストリップ導体1
1、12は、分岐部160において、最も狭い導体の幅
を有して形成され、ストリップ導体11と、ストリップ
導体12とが、それらの導体の幅全部で重なり合う相対
位置関係に配設される。また、分岐部160から、結合
線路120に沿って遠ざかるにしたがって、それぞれの
ストリップ導体11、12は、導体の幅を次第に増加さ
せる形状に形成され、かつ、ストリップ導体11と、ス
トリップ導体12とが重なり合う幅は、次第に減少して
いく相対位置関係に配設される。これによって、二つの
ストリップ導体11、12をそれぞれ伝播する電磁波の
間の結合係数は、分岐部160から、結合線路120に
沿って遠ざかるにしたがって減少するように分布する。
【0018】次に、図2を参照して、マジックT10の
断面構造について説明する。マジックT10、誘電体層
13に支持されるストリップ導体11と、誘電体15に
支持されて、誘電体層14を介して配置されるストリッ
プ導体12と、さらに、誘電体層13から誘電体層15
を挟む接地導体16、17とによって構成される。例え
ば、接地導体16上に誘電体層13、ストリップ導体1
1と積層し、接地導体17上に誘電体層15、ストリッ
プ導体12と積層して、これらのストリップ導体11と
ストリップ導体12とを、誘電体層14を介して対向す
る相対位置関係に配設することによって構成することが
できる。
【0019】誘電体層13、14、15を構成する誘電
体として、例えば、樹脂、セラミック等の誘電体材料を
を充填することによって、大きい比誘電率の誘電体層を
構成することができる。具体的には、ふっ素樹脂、ポリ
エステル、ポリスチレン、ポリエチレン、アクリル、ス
チロール、塩化ビニル、フェノール、エポキシ、シリコ
ン、ウレタン等の樹脂、および、マグネシア、チタニ
ア、アルミナ、フェライト等のセラミックがあげられ
る。
【0020】結合線路部120においては、ストリップ
導体11とストリップ12とは、湾曲したテーパ形状に
形成されて、それぞれのストリップ幅、および、二つの
ストリップ導体が重なり合う幅が変化する。これに伴
い、二つのストリップ導体を伝播する電磁波が互いに結
合する結合係数が変化する。また、二つのストリップ導
体を同位相で励振する偶モードの電磁波と、互いに逆位
相で励振する奇モードの電磁波とについて、異なる特性
インピーダンスを生じ、それぞれのモードについてのイ
ンピーダンスが線路に沿って変化する。また、結合線路
120を構成するストリップ導体11とストリップ導体
12とはそれぞれのストリップ導体を伝播する電磁波が
結合するように、近接して配置される。誘電体層を介し
対向して配置されてもよいし、同一面に並べて配置され
てもよい。また、このとき、二つのストリップ導体の間
の結合係数は、その結合線路上の点におけるストリップ
導体11とストリップ導体12との間の間隔、および、
それぞれのストリップ導体11、12の導体幅に依存す
る。
【0021】結合線路部120の分岐部160付近にお
いて、二つのストリップ導体11、12の内側に積層さ
れる誘電体層14の誘電率が、二つのストリップ導体1
1、12の外側に積層される誘電体層13、15の誘電
率より小さい区間を設ける。この誘電率の変化は、誘電
体層13、14、15が、一様な誘電率を有する誘電体
で充填されている場合には、この誘電体の誘電率そのも
のを変化させることによって実現される。最も簡単に
は、該領域において、誘電体を省略し、真空もしくは空
気の誘電率とすることによって成し得る。無論、異なる
誘電率を持つ、他の誘電体と置き換えてもよい。また、
誘電体層13、14、15における物質の分布を変化さ
せることによって、それぞれのストリップ導体11、1
2を伝搬する電磁波に影響を及ぼす誘電率を操作するこ
とができる。すなわち、誘電体の密度を変化させてもよ
い。また、複数の誘電体をその存在比を変化させて分布
させてもよい。具体的には、多孔性の誘電体を用い、空
孔の密度を変化させることによって誘電率を操作しても
よいし、複数枚の誘電体を、それぞれの厚さが変化する
ように挿入することによって誘電率を操作することも可
能である。
【0022】また、この誘電率を変化させる領域の幅
は、ストリップ線路11、12の幅に比して、十分に大
きければよい。実用的には、誘電体層14の厚さと、ス
トリップ線路11、12の幅とに依存して、二つのスト
リップ線路11、12の対向する面から外側の領域へ広
がる電磁場の漏れの程度により決定される。概して、誘
電体層14の厚さがストリップ線路11、12が重なり
合う幅程度より小さければ、ストリップ線路11、12
が重なり合う幅程度の領域について、誘電率を変化させ
ればよいであろう。
【0023】このようにして、結合線路120の分岐部
160付近の一部に、誘電体層14の誘電率が、誘電体
層13、15の誘電率と異なる区間121(以下、第一
の区間という)を設け、他の部分を、誘電体層13、1
4、15の誘電率が相等しい区間122(以下、第二の
区間という)を設けることができる。以下に、これら、
第一の区間121と、第二の区間122の境界を単に区
間境界123という。
【0024】ここで、第一の区間121における、二つ
のストリップ導体11、12の幅Wa1,Wa2、および、互
いに重なり合う幅WaCと、第二の区間122における、
二つのストリップ導体11、12の幅Wd1,Wd2、およ
び、互いに重なり合う幅WdCとがそれぞれ等しいとき
は、結合線路120の第一の区間121の区間境界12
3側における特性インピーダンスZ1と、第二の区間1
22の区間境界123側における特性インピーダンスZ
2とは異なる。従って、区間境界123において、特性
インピーダンスが不連続となり、ここで、テーパ結合線
路120を伝送する電磁波の反射が生じる。
【0025】本発明におけるマジックTでは、この反射
が生じないようにするために、二つのストリップ導体1
1、12を、結合線路120の特性インピーダンスの、
線路に沿った分布が連続となる形状に形成する。すなわ
ち、区間境界123において不連続となるステップを有
する形状に形成する。好ましくは、結合線路120の第
一の区間121の区間境界123側における特性インピ
ーダンスZ1と、第二の区間122の区間境界123側
における特性インピーダンスZ2とが相等しくなる、二
つのストリップ導体11、12の幅Wd1,Wd2、および、
互いに重なり合う幅WdCを有する形状に形成し、ステッ
プ状に不連続となる領域を、区間境界123に合わせて
配設する。より簡単には、二つのストリップ導体11、
12が重なり合う幅WdCとWacとを、第一の区間121と
第二の区間122とで等しくして、構成し、それぞれの
ストリップ導体の第二の区間における幅Wd1,Wd2だけを
操作することによっても、境界123について、第一の
区間121における特性インピーダンスZ1と、第二の
区間122における特性インピーダンスZ2とを等しく
設定することもできる。
【0026】
【実施例】図3および図4を参照して、本発明のマジッ
クT10を二つ縦続接続した180度ハイブリッド50
の実施例について説明する。
【0027】図3に示される平面図のように、本実施例
における180度ハイブリッドは、一体の基板に構成さ
れる二つのマジックTを縦続接続されて構成される。こ
の二つのマジックTをそれぞれ第一のマジックT、第二
のマジックTと呼ぶ。これらは、同等の特性を有し、対
称に構成されるので、共に符号10によって引用する。
また、二つのマジックTの各部についても同等な構成で
あり、同一の符号で引用する。
【0028】図3に示されるように、二つのマジックT
10は、ストリップ導体11、12を共有して構成され
る。また、図示されていないが、誘電体層13、14、
15についても、一体のふっ素樹脂基板からなる誘電体
により構成される。なお、誘電体層14は、区間121
においてくり貫かれたふっ素樹脂基板と、区間121に
満たされる空気とを誘電体として構成される。また図3
において、第一のマジックT10の分岐部160からポ
ート1およびポート2までの伝送距離を等しくし、ま
た、第二のマジックT10の分岐部160からポート3
および4までの伝送距離を等しくするために、第一のマ
ジックT10の分岐部160とポート1との間、およ
び、第二のマジックT10の分岐部160とポート3と
の間に結合線路120における伝送路長と同等の伝送路
長を有する迂回部180を、それぞれ設けた。
【0029】図4に、図3における結合線路部120の
C−C’における断面を示す。以下に、この断面の構造
を含む180度ハイブッリッドの各部の設計について説
明する。
【0030】本180度ハイブリッドの設計にあたっ
て、まず、方形境界分割法(Rectangular Boundary Div
ision Method;RBDM。例えば、M.Nakajima and E.Ya
mashita:"Rectangular Boundary Division Method",Ana
lysis methods for electromagnetic wave problems,vo
l.2,ch.7,Artech House 1995.に記載される)によっ
て、ストリップ導体11、12の厚さを考慮した解析を
行い、特性インピーダンスが、線路に沿って連続な分布
をするように、結合線路部120を設計した。
【0031】次に、結合線路120の区間境界123に
おけるストリップ導体幅の不連続な変化、および、誘電
体層14における誘電率の不連続と、第一の区間121
における影響と、分岐部160における寄生容量の影響
について、有限差分時間領域(Finite Difference Time
Domain;FDTD)法(例えば、K.S.Yee:"Numericalso
lution of initioal boundary value problems involvi
ng Maxwell's equatiions in isotropic media",IEEE T
rans.Antennas Propagate.,vol.AP-14,pp.302-307,May
1966.に記載される)によって解析を行った。有限差分時
間領域法による解析に当たっては、パルス入力の応答を
観測し、重畳された結果が観測した応答パルスとなるよ
うな、偶モードのパルスおよび奇モードのパルスを求
め、求めた偶モードのパルスおよび奇モードのパルスを
フーリエ変換し、マジックT10の分岐部160を通過
する際の、偶モードと奇モードとの位相差が最小となる
ように、第一の区間121の長さを決定した。
【0032】上記設計された本実施例における180度
ハイブリッドにおいて、誘電体には、比誘電率が2.2
であるテフロンシートを用いた。ストリップ導体11、
12の幅は、非結合線路部において1.26mmとし
た。ストリップ導体11、12の厚さは、18μmであ
る。また、誘電体層の厚さは、ストリップ線路11、1
2に挟まれる内側の誘電体層14を178μm、これら
を挟む外側の誘電体層13、15をそれぞれ686μm
とした。180度ハイブリッド50全体の大きさは、5
0mm×90mmに構成した。第一の区間における誘電
率の操作は、この区間において、内側の誘電体層14の
誘電体としたテフロンを空気に置き換えることで行っ
た。また、図12に結合線路にそって分布する結合係数
Kと、結合線路におけるストリップ導体11、12の幅
W1,W2、および、ストリップ導体11、12が重なる幅W
cとの関係を示す。
【0033】図5および図6を参照して、本実施例にお
ける180度ハイブリッド50について行った特性の測
定について説明する。
【0034】S31についての測定は、図5(a)に示す
ように、ポート2とポート4とを50Ωの終端抵抗6、
7を介して接地し、ポート1とポート3とにネットワー
クアナライザ5を接続して、振幅および位相バランスの
周波数特性を測定した。また、S32についての測定は、
図5(b)に示すように、ポート1とポート4とを50
Ωの終端抵抗6、7を介して接地し、ポート2とポート
3とにネットワークアナライザ5を接続して測定した。
【0035】図6に、ポート3(Δポート)に関する出
力について、振幅|S31|および|S32|の周波数特性
を示す。また、図7に、ポート3(Δポート)に関する
出力について、S31の位相角Ang(S31)と、S32の位相
角Ang(S32)との位相バランス|Ang(S31)−Ang(S32)
|の周波数特性を示す。
【0036】図6に示される振幅|S31|および|S32
|の周波数特性より、26.5GHzまで、−6dB以
内の減衰率で伝送可能であり、かつ、減衰率の振動が+
/−1dBの範囲に収まっていることが示される。ま
た、図7に示される位相バランス|Ang(S31)−Ang(S
32)|の周波数特性より、2〜26.5GHzの周波数
領域で、基準とする180度の位相差に対して、Ang(S
31)とAng(S32)との間の位相差は、+/−5度以内に収
まっていることが示される。これらによって、本180
度ハイブリッドは、2〜26.5GHzの周波数領域に
おいて、良好な特性で、電磁波を分配することが可能で
あると言える。また、ポート3(Δ)と、ポート4
(Σ)との間のアイソレーションを測定したところ−1
5dB以上であった。
【0037】
【発明の効果】本発明によるマジックTでは、ストリッ
プ導体の形状を、区間境界に不連続を有するステップ形
状に形成することによって、結合線路部の区間境界にお
いて、特性インピーダンスの分布を連続とすることがで
きる。これによって、結合線路部における多重反射を低
減したマジックTを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるテーパ結合線路マジックTにお
ける、接続部の模式図である。
【図2】 本発明によるテーパ結合線路マジックTの断
面を示した模式図である。
【図3】 本発明の実施例における180度ハイブリッ
ドの上面を示す模式図である。
【図4】 本発明の実施例における180度ハイブリッ
ドの断面を示す模式図である。
【図5】 本発明の実施例における180度ハイブリッ
ドの測定ブロックを示し、(a)は、|S31|の特性を
測定するための状態を示すブロック図であり、(b)
は、|S32|の特性を測定するための状態を示すブロッ
ク図である。
【図6】 本発明の実施例における180度ハイブリッ
ドの測定結果について、ポート3(Δ)における|S31
|および|S32|の振幅を示すグラフである。
【図7】 本発明の実施例における180度ハイブリッ
ドの測定結果について、、ポート3(Δ)における、S
31の位相角Ang(S31)と、S32の位相角Ang(S32)との位
相バランス|Ang(S31)−Ang(S32)|を示すグラフであ
る。
【図8】 従来のマジックTの模式図である。
【図9】 従来の180度ハイブリッドの模式図であ
る。
【図10】 従来のマジックTの断面を示した模式図で
ある。
【図11】 従来のマジックTにおける接続部の模式図
である。
【図12】 本発明の実施例における180度ハイブリ
ッドのストリップ線路幅を示すグラフである。
【図13】 本発明のハイブリッドTにおけるストリッ
プ線路の形状を示す説明図である。
【符号の説明】
1,2,3,4…ポート、5…ネットワークアナライザ、6,7…
終端抵抗器、10,…マジックT、11,12,…ストリップ導
体、13,14,15…誘電体層、16,17…接地導体、18,19,20
…誘電体、50…180度ハイブリッド 120…結合線路部、121…第一の区間、122…第二の区
間、123…区間境界、140…非結合線路部、160…分岐
部、180…迂回部 200…空隙区間、220…区間境界。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】二つのストリップ導体を含んで構成される
    結合線路を有し、 上記結合線路の一部の区間について、上記結合線路を伝
    搬する電磁波の、偶モードの特性インピーダンスと、奇
    モードの特性インピーダンスとが異なるマジックTにお
    いて、 上記区間の少なくとも一方の境界において、上記二つの
    ストリップ導体の少なくとも一方は、導体の幅が上記結
    合線路に沿って不連続に変化する形状に形成されること
    を特徴とするマジックT。
  2. 【請求項2】請求項1において、 上記二つのストリップ導体は、上記少なくとも一方の境
    界について、境界の両側における上記結合線路を伝搬す
    る偶モードの特性インピーダンスが等しく、かつ、境界
    の両側における奇モードの特性インピーダンスが等しく
    なる形状に形成されることを特徴とするマジックT。
  3. 【請求項3】請求項1において、 上記二つのストリップ導体は、上記結合線路を伝搬す
    る、偶モードの特性インピーダンス、および、奇モード
    の特性インピーダンスが、上記少なくとも一方の境界に
    おいて、それぞれ連続となる相対位置関係に配設される
    ことを特徴とするマジックT。
  4. 【請求項4】請求項1において、 上記二つのストリップ導体は、上記少なくとも一方の境
    界について、境界の両側における上記結合線路を伝搬す
    る偶モードの特性インピーダンスが等しく、かつ、境界
    の両側における奇モードの特性インピーダンスが等しく
    なる形状および相対位置関係を有して設けられることを
    特徴とするマジックT。
  5. 【請求項5】二つのストリップ導体を含んで構成される
    結合線路を有し、 上記結合線路の一部の区間について、上記結合線路を伝
    搬する電磁波の、偶モードの特性インピーダンスと、奇
    モードの特性インピーダンスとが異なるマジックTが、
    二つ縦続接続されて構成される180度ハイブリッドに
    おいて、 上記二つのマジックTの少なくとも一方は、該マジック
    Tの結合線路を構成する二つのストリップ導体の少なく
    とも一方が、上記区間の少なくとも一方の境界におい
    て、ストリップ導体の幅が不連続に変化する形状に形成
    されることを特徴とする180度ハイブリッド。
  6. 【請求項6】請求項5において、 上記少なくとも一方のマジックTの結合線路を構成する
    二つのストリップ導体は、上記少なくとも一方の境界に
    ついて、境界の両側における上記結合線路を伝搬する偶
    モードの特性インピーダンスが等しく、かつ、境界の両
    側における奇モードの特性インピーダンスが等しくなる
    形状に形成されることを特徴とする180度ハイブリッ
    ド。
  7. 【請求項7】請求項5において、 上記少なくとも一方のマジックTの結合線路を構成する
    二つのストリップ導体は、上記結合線路を伝搬する、偶
    モードの特性インピーダンス、および、奇モードの特性
    インピーダンスが、上記少なくとも一方の境界におい
    て、それぞれ連続となる相対位置関係に配設されること
    を特徴とする180度ハイブリッド。
  8. 【請求項8】請求項5において、 上記少なくとも一方のマジックTの結合線路を構成する
    二つのストリップ導体は、上記少なくとも一方の境界に
    ついて、境界の両側における上記結合線路を伝搬する偶
    モードの特性インピーダンスが等しく、かつ、境界の両
    側における奇モードの特性インピーダンスが等しくなる
    形状および相対位置関係を有して設けられることを特徴
    とする180度ハイブリッド。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007043547A (ja) * 2005-08-04 2007-02-15 Mitsubishi Electric Corp 方向性結合器及び180°ハイブリッドカプラ
JP2008245094A (ja) * 2007-03-28 2008-10-09 Mitsubishi Electric Corp 180°ハイブリッドカプラ
JP2011055404A (ja) * 2009-09-04 2011-03-17 Mitsubishi Electric Corp 方向性結合器

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