JP2007042664A - 発光素子及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract


【課題】 発光層部に透光性樹脂結合層を介して透光性素子基板を貼り合わせた発光素子において、その光取出効率をさらに向上させる。
【解決手段】 発光素子1は、発光層部24を有した主化合物半導体層部10と、主化合物半導体層部10の一方の主表面を第一主表面、他方の主表面を第二主表面として、該主化合物半導体層部10の第二主表面側に、透光性樹脂結合層71を介して貼り合された透光性素子基板70とを有する。透光性素子基板70は化合物半導体からなり、該透光性素子基板70の少なくとも側面に、異方性化学エッチングに基づく面粗し部SFが形成されてなる。
【選択図】 図1

Description

この発明は発光素子及びその製造方法に関する。
特開2002−246640号公報 特開2002−158373号公報
発光素子の光取出効率を高めるために、GaAsなどの光吸収基板上に化合物半導体よりなる発光層部を成長し、その発光層部に透光性接着剤層を介して透光性素子基板を接着し、その後、光吸収基板を除去する製造方法が、特許文献1及び2に開示されている。透光性素子基板の材質としては、サファイアやガラスなどの絶縁性基板のほか、透光性を有する半導体基板も種々例示されている。しかし、半導体基板を用いる場合においても、発光層部には絶縁性の透光性接着剤層を介して貼り合わされるので、該半導体基板は発光層部への通電経路としては利用されず、その透光性のみが光取出効率改善のために活用される。
しかし、特許文献1及び2のいずれにおいても、透光性接着剤層(透光性樹脂結合層)を介して透光性素子基板を貼り合わせた発光素子ウェーハをダイシングして素子化した後の工程については言及されておらず、特に、透光性素子基板からの光取出効率をさらに向上させるための工夫等についても何ら開示等なされていない。
本発明の課題は、発光層部に透光性樹脂結合層を介して透光性素子基板を貼り合わせた発光素子において、その光取出効率をさらに向上させることができる発光素子と、その製造方法とを提供することにある。
課題を解決するための手段及び作用・効果
上記の課題を解決するために、本発明の発光素子は、
発光層部を有した主化合物半導体層部と、
主化合物半導体層部の一方の主表面を第一主表面、他方の主表面を第二主表面として、該主化合物半導体層部の第二主表面側に、透光性樹脂結合層を介して貼り合された透光性素子基板とを有し、
透光性素子基板は化合物半導体からなり、該透光性素子基板の少なくとも側面に、異方性化学エッチングに基づく面粗し部が形成されてなることを特徴とする。
また、本発明の発光素子の製造方法は、上記本発明の発光素子を製造するために、
化合物半導体単結晶よりなる成長用基板の一方の主表面上に主化合物半導体層部をエピタキシャル成長する主化合物半導体層部成長工程と、
成長された主化合物半導体層部から成長用基板を除去する成長用基板除去工程と、
主化合物半導体層部の、一方の主表面を第一主表面、他方の主表面を第二主表面として、該主化合物半導体層部の第二主表面側に、透光性樹脂結合層を介して透光性素子基板を貼り合わせて貼り合せウェーハを製造する貼り合せ工程と、
貼り合せウェーハを素子チップにダイシングするダイシング工程と、
ダイシングにより分離された素子チップをエッチング液に浸漬することにより、前透光性素子基板の側面に異方性化学エッチングを施して面粗し部を形成する面粗し工程と、を有することを特徴とする発光素子の製造方法。
上記本発明によると、透光性樹脂結合層を介して貼り合された透光性素子基板を化合物半導体基板として構成し、素子化の際のダイシングにより露出するその側面に異方性化学エッチングを施して面粗し部を形成した。面粗し部の形成により、透光性素子基板の側面において発光光束が大角度入射する確率(ひいては、全反射により透光性素子基板内に戻ってしまう確率)が減じられ、光取出し効率を高めることができる。また、透光性素子基板を異方性化学エッチング可能な化合物半導体基板にて敢えて構成することにより、エッチング液にダイシング後の素子チップを浸漬するだけで面粗し部を簡単に形成できる。
前述の特許文献1及び特許文献2には、透光性素子基板が単結晶ウェーハである必要がないと記載され、多結晶基板やアモルファス基板の使用により製造コスト低減が可能となる旨謳われている。しかし、本発明においては、透光性素子基板の少なくとも側面に、異方性化学エッチングにより面粗し部を形成することが前提であり、異方性化学エッチング効果がより顕著となる単結晶基板を採用することが、面粗し部を有効形成する観点においてより望ましい。ただし、多結晶基板やアモルファス基板の使用を排除するものではない。
透光性素子基板を、閃亜鉛鉱型構造を有したIII−V族化合物半導体の単結晶基板にて構成する場合、該透光性素子基板の側面は{100}面となっていることが望ましい。閃亜鉛鉱型結晶構造を有するIII−V族化合物半導体の場合、異方性化学エッチングによる容易エッチング面は{111}面であり、面粗しの対象面を{100}面としておくと、異方性化学エッチングにより、傾斜角度の大きい4枚の{111}面で囲まれたピラミッド状の面粗し突起部を深く顕著に形成でき、光取出効率を一層高めることができる。なお、透光性素子基板のある面が{100}面であるということは、狭義に該面の法線方向が、化合物半導体結晶の[100]方向に一致していることを意味するが、本発明では、その面法線方向が[100]方向に対し1゜以上25゜以下傾けてあっても(つまり、オフアングルが付与されていても)、「該面が{100}面である」概念に属するものとする。
上記のような透光性素子基板の材質としては、GaP基板を好適に採用できる。GaPはバンドギャップエネルギーが大きいので透光性に優れ、面粗し部形成のための異方性化学エッチングも容易である。また、透光性素子基板を単結晶基板により構成する場合、GaPは、液体カプセル法などの採用によりバルク単結晶の製造が容易である利点もある。
透光性素子基板の、主化合物半導体層部に貼り合わされている側の主表面を第一主表面、これと反対側の主表面を第二主表面としたとき、上記の構造では、発光層部の第一表面側は光遮蔽体となる2つの電極に覆われる一方、透光性素子基板の第二主表面には電極が形成されない。従って、光取出効率の向上を図る上では、透光性素子基板の第二主表面をどのように活用するか、という点も重要である。この場合、電極が非形成となる透光性素子基板の第二主表面を光取出面とすれば、当該第二主表面の全面から発光光束を取り出すことができ、光取出効率を高めることができる。透光性素子基板が化合物半導体にて構成されていることを考慮すれば、面粗し工程において、透光性素子基板の第二主表面にも異方性化学エッチングを施して面粗し部を形成することが可能である。透光性素子基板の第二主表面にも異方性化学エッチングによる面粗し部を形成することで、光取出効率の更なる向上が期待できる。この場合、透光性素子基板の側面と第二主表面への異方性化学エッチングを同時に行なうようにすれば、ダイシング後の素子チップをエッチング液に浸漬するだけで、2つの面への面粗し処理を非常に効率的に実施することができる。透光性素子基板が、閃亜鉛鉱型構造を有したIII−V族化合物半導体の単結晶基板にて構成される場合は、該第二主表面を{100}面としておくことが、前述の側面の場合と同様に、面粗し部を顕著に形成する観点において有利である。
主化合物半導体層部へ電極形成する際には、電極と化合物半導体層との間の接触抵抗を減ずるために、接合合金化層を形成する必要がある。接合合金化層の形成には、原料となる金属層(接合金属層)を形成した後、化合物半導体層と合金化させるための合金化熱処理を実施する必要がある。本発明の発光素子の製造方法では、透光性素子基板と主化合物半導体層とを接着する透光性樹脂結合層の耐熱性を考慮して、以下のように実施することが望ましい、すなわち、主化合物半導体層部成長工程の終了後であって貼り合わせ工程よりも前に、主化合物半導体層部の電極形成面に接合金属層を形成する接合金属層形成工程と、接合金属層を、電極形成面をなす化合物半導体と合金化させて接合合金化層とする合金化熱処理と、をこの順序で実施する。つまり、この方法であると、透光性樹脂結合層の形成前に合金化熱処理が完了するので、合金化熱処理の高温履歴が透光性樹脂結合層に及ぶことがなく、形成した透光性樹脂結合層の熱による劣化を防止することができる。なお、成長用基板が除去されると、製品化される部分である主化合物半導体層部は該成長用基板による補強を失い、工程実施のためのハンドリングの難易度が高くなる場合がある。特に、合金化熱処理工程を実施するための基板ハンドリングを考慮すれば、合金化熱処理工程の終了後に成長用基板除去工程を実施することが望ましいといえる。
本発明の発光素子の製造方法においては、成長用基板除去工程と貼り合せ工程とはこの順に実施してもよいし、上記とは逆順にしてもよい。前者の場合は、成長用基板除去工程の実施後に、主化合物半導体層部の該成長用基板の除去により露出した主表面を第二主表面として、該主化合物半導体層部の第二主表面側に、透光性樹脂結合層を介して透光性素子基板を貼り合わせて貼り合せウェーハを製造する貼り合せ工程を実施する。また、後者の場合は、成長用基板除去工程の実施前に、主化合物半導体層部の該成長用基板が随伴していない第一主表面側に透光性樹脂結合層を介して透光性素子基板を貼り合わせ、その後、第二主表面側の成長用基板を除去する(成長用基板除去工程)。
GaAs単結晶基板は、AlGaInP系発光素子以外にも、古くからGaAs系、AlGaAs系、GaAsP系などの発光素子用成長基板として多用されてきた。ところで、GaAs単結晶はHB法、VB法、LEC法、VCZ法などのバルク成長法を採用できるが、GaAs融液の支持容器として石英製の容器が使用され、この石英容器からGaAs中ではn型ドーパントして振舞うSiが不可避的に混入する。従って、n型のバルク単結晶は比較的安価に製造できるのに対し、p型のバルク単結晶は、Siの混入量を抑えつつp型ドーパント(Zn等)でキャリア補償して製造しなければならないので、一般に高価である。従って、発光層部の成長用に大量に使用されてきたのはn型GaAs単結晶基板であり、この場合は、成長される発光層部の上層側がp型層となる。
この種の発光素子は、発光層部に光吸収体となるn型GaAs単結晶基板を随伴させたままの素子構造が、基本形として多用されていたこともあり、結果としてp型層を上側として電極形成する使用形態(以下、pサイドアップという)が、発光素子、特に発光ダイオードの分野では標準形として定着するに至った。また、複数種の発光ダイオードを組み合わせて使用する場合も、n型GaAs単結晶基板を用いて製造される主流となる発光ダイオードの構造がpサイドアップであるため、GaP発光素子などGaAs単結晶基板を使用せずに製造されるものや、GaAs単結晶基板の除去が前提となる素子構造を有するものも、発光駆動のための配線構造を複雑化させないために、習慣的にpサイドアップ構造に統一しようとする傾向がある。
従って、成長用基板がn型であり、主化合物半導体層部が第一主表面側にp型層が位置するように成長される場合においては、主化合物半導体層部の該成長用基板の除去により露出した第二主表面側に、透光性樹脂結合層を介して透光性素子基板を貼り合わせて貼り合せウェーハを製造することで、上記のようなpサイドアップの発光素子構造を容易に得ることができる。なお、成長用基板除去工程に先立って、主化合物半導体層部の第一主表面側にハンドリング用の仮支持基板を接着する仮支持基板接着工程を実施し、主化合物半導体層部に仮支持基板を接着した状態で成長用基板除去工程と貼り合わせ工程とをこの順序で実施し、その後、主化合物半導体層部から仮支持基板を除去するようにすれば、成長用基板除去工程と貼り合わせ工程とを実施する際に、主化合物半導体層部が仮支持基板で補強され、ハンドリングが容易になる。
他方、主化合物半導体層部が第一主表面側にp型層が位置するように成長される場合においても、最終的に得られる発光素子において、n型層を上側として電極形成する使用形態(以下、nサイドアップという)が採用される場合は、主化合物半導体層部の該成長用基板が随伴していない第一主表面側に透光性樹脂結合層を介して透光性素子基板を貼り合わせ、その後、第二主表面側の成長用基板を除去する方法を採用できる。
以下、本発明の実施の形態を添付の図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態である発光素子1を示す概念図である。発光素子1は、発光層部24を有した主化合物半導体層部10と、主化合物半導体層部10の一方の主表面を第一主表面、他方の主表面を第二主表面として、該主化合物半導体層部10の第二主表面側に、透光性樹脂結合層71を介して貼り合された透光性素子基板70とを有する。透光性素子基板70は化合物半導体からなり、該透光性素子基板70の少なくとも側面に、異方性化学エッチングに基づく面粗し部SFが形成されてなる。面粗し部SFの形成により、透光性素子基板70の側面における光取出し効率を高めることができる。また、透光性素子基板70が化合物半導体基板で構成され、異方性化学エッチングにより面粗し部SFを簡単に形成できる。
上記の面粗し部SFを形成するための面粗し工程は、後述のごとく、素子チップ1に対する異方性化学エッチングを、透光性樹脂結合層71の側面がエッチング液と接触する状態にて行なうことが能率的である。この場合、透光性素子基板70の側面だけでなく、透光性樹脂結合層71にもエッチング液による腐食アタックの影響が及ぶ。透光性樹脂結合層71が該腐食アタックに弱い材質であると、上記の異方性化学エッチング中に透光性樹脂結合層71が侵食され、主化合物半導体層から透光性素子基板70が剥離してしまう惧れがある。従って、透光性樹脂結合層71の材質は、上記エッチング液に対する耐腐食性に優れたものを採用することが望ましく、具体的には、エポキシ系樹脂又はシリコーン系樹脂を採用することが望ましく、本実施形態ではエポキシ系樹脂を採用している。
また、透光性素子基板70は、異方性化学エッチングにより面粗し部SFを形成することが前提であり、異方性化学エッチング効果がより顕著となるように単結晶基板、ここではGaP単結晶基板を採用している。GaPは閃亜鉛鉱型構造を有したIII−V族化合物半導体であり、異方性化学エッチングによる容易エッチング面は{111}面である。後述のごとく、図1の構成では、透光性素子基板70の側面とともに、第二主表面にも面粗し部MFが形成されており、その双方が面粗しの対象面となっている。異方性化学エッチングによる面粗しの対象面は、{100}面としておくことで、異方性化学エッチングにより傾斜角度の大きい4枚の{111}面で囲まれたピラミッド状の面粗し突起部を深く顕著に形成できる。図1の発光素子1に含まれる透光性素子基板70は、側面と第二主表面(及び、第一主表面)の全てが{100}面となるように、結晶主軸が[100]のGaP単結晶ウェーハが、主表面上で直交する2つの<100>方向にダイシングされて形成されたものである。
発光層部24は、組成式(AlGa1−xIn1−yP(ただし、0≦x≦1,0≦y≦1:以下、AlGaInPとも略記する)にて表される化合物のうち、GaAsと格子整合する組成を有する化合物にて各々構成されたn型クラッド層4、活性層5及びp型クラッド層6がこの順序で積層されたダブルへテロ構造を有するものとすることができる。このような構造の発光層部24は、薄いAlGaInP活性層5を、それよりもバンドギャップの大きいn型AlGaInPクラッド層とp型AlGaInPクラッド層とによりサンドイッチ状に挟んだダブルへテロ構造を採用することにより、例えば緑色から赤色までの広い波長域にて高輝度の素子を実現できる。また、GaAs単結晶上へのヘテロエピタキシャル成長により高品質の発光層部24が容易に得られる。本実施形態では、透光性素子基板70がGaPで構成され、GaPのバンドギャップエネルギーが十分に大きいため、AlGaInP発光層部24からの発光光束に対する光透過率が良好である。
具体的には、発光層部24は、ノンドープ(AlGa1−xIn1−yP(ただし、0≦x≦0.55,0.45≦y≦0.55)混晶からなる活性層5を、p型(AlGa1−zIn1−yP(ただしx<z≦1)からなるp型クラッド層6とn型(AlGa1−zIn1−yP(ただしx<z≦1)からなるn型クラッド層4とにより挟んだ構造を有する。図1の発光素子1では、第一主表面側(図面上側)にp型クラッド層6が配置されており、第二主表面側(図面下側)にn型クラッド層4が配置されている。なお、ここでいう「ノンドープ」とは、「ドーパントの積極添加を行なわない」との意味であり、通常の製造工程上、不可避的に混入するドーパント成分の含有(例えば1×1013〜1×1016/cm程度を上限とする)をも排除するものではない。
本発明において、「GaAsと格子整合する化合物半導体」とは、応力による格子変位を生じていないバルク結晶状態にて見込まれる、当該の化合物半導体の格子定数をa1、同じくGaAsの格子定数をa0として、{|a1−a0|/a0}×100(%)にて表される格子不整合率が、1%以内に収まっている化合物半導体のことをいう。また、活性層5は、AlGaInPの単一層として構成してもよいし、互いに組成の異なるAlGaInPからなる障壁層と井戸層とを交互に積層した量子井戸層として構成してもよい(量子井戸層全体を、一層の活性層5とみなす)。
なお、発光層部24への面内に均一に通電できるようにするため、主化合物半導体層部10の第一主表面側には、透光性を有する化合物半導体単結晶(ここでは、GaP)からなる電流拡散層20が形成されている。この電流拡散層20も、その少なくとも側面に、異方性化学エッチングに基づく面粗し部SFが形成され、光取出効率の更なる向上に寄与している。本実施形態では、電流拡散層20の第一主表面(第一電極9の周囲領域)にも面粗し部MFが形成されている。なお、GaPからなる電流拡散層20と、AlGaInPからなる発光層部24との間には、発光素子の順方向電圧を低減するために、GaPと発光層部24の対応する側のクラッド層をなすAlGaInP混晶との中間のバンドギャップエネルギーを有するコンタクト層(例えばGaInPよりなる)21が介挿されている。
次に、上記発光素子1においては、透光性樹脂結合層71が絶縁性であり、透光性素子基板70が化合物半導体により導電性を示すものの、発光層部24との間に絶縁性の透光性樹脂結合層71が介在するため、透光性素子基板70の第二主表面側を通電用の電極形成面として使用できない。従って、主化合物半導体層部10の第一主表面側に、発光層部24を駆動するための互いに極性の異なる第一電極9と第二電極15との双方が形成されている。具体的には、主化合物半導体層部10において発光層部24の第一主表面に第一電極9を形成し、発光層部24の第二主表面側に電極取出用の補助化合物半導体層7を形成する。そして、発光層部24の一部領域を切り欠かいて補助化合物半導体層7の第一主表面を露出させ、該補助化合物半導体層7の該露出した第一主表面領域に第二電極15を形成する。
本実施形態において、補助化合物半導体層7は、第二電極15と接する電流拡散層(ここでは、AlGaAs層としているが、AlInP、AlGaInPあるいはInGaPなどで構成してもよい)であり、発光層部24の自身と接している側の半導体層(ここではn型クラッド層4)と同一の導電型(つまり、n型)を有するものとなるように、かつ発光層部24側の層よりも多数キャリア濃度が高くなるようにドーピングされている。なお、補助化合物半導体層7の第二主表面に接して配置されているのは、AlGaAsからなる補助化合物半導体層7の、成長中あるいは成長用基板エッチオフ時のAl成分の酸化を防止するキャップ層8であり、本実施形態ではGaAs層にて形成されている。なお、GaAs層は光吸収性層であるため、その厚さは1nm以上20nm以下にごく薄く形成されている。
透光性素子基板70の、主化合物半導体層部10に貼り合わされている側の主表面を第一主表面、これと反対側の主表面を第二主表面としたとき、上記の構造では、主化合物半導体層部10の第一表面側は光遮蔽体となる2つの電極9,15に覆われる一方、透光性素子基板70の第二主表面には電極が形成されない。従って、光取出効率の向上を図る上では、透光性素子基板70の第二主表面をどのように活用するか、という点も重要である。図2に示すように、電極が非形成となる透光性素子基板70の第二主表面を光取出面とすれば、当該第二主表面の全面から発光光束を取り出すことができ、光取出効率を高めることができる。図2においては、電極9,15が下向きとなるように素子が配置され、それぞれ導電性ペースト87を介して、通電用の端子85,86が接続された構造となっている。
第一電極9及び第二電極15は、いずれも接合合金化層9a,15aを介して電極形成面を形成する化合物半導体層と電気的に接続されている。接合合金化層9a,15aは、Au又はAgを主成分として(50質量%以上)、これに、接合先となる半導体の種別及び導電型に応じ、オーミックコンタクトを取るための合金成分を適量配合した接合金属層を半導体表面上に膜形成した後、合金化熱処理(いわゆるシンター処理)を施すことにより形成されたものである。接合合金化層9aは、p型層とのコンタクトを取るために、例えば接合金属層としてAuBe合金を用いて形成可能である。また、接合合金化層15aは、n型層とのコンタクトを取るために、例えば接合金属層としてAuGeNi合金を用いて形成可能である。
また、透光性素子基板70が化合物半導体にて構成されていることを考慮して、透光性素子基板70の第二主表面にも異方性化学エッチングを施し、面粗し部MFを形成している。透光性素子基板70の第二主表面にも異方性化学エッチングによる面粗し部MFを形成することで、光取出効率の更なる向上が期待できる。この場合、透光性素子基板70の側面と第二主表面への異方性化学エッチングを同時に行なうようにすれば、ダイシング後の素子チップ1”をエッチング液に浸漬するだけで、2つの面への面粗し処理を非常に効率的に実施することができる。
本実施形態では、各層の厚さは以下のように調整可能である。
・電流拡散層20:5μm以上200μm以下(例えば40μm);
・コンタクト層21:50nm以上1μm以下(例えば100nm);
・pクラッド層6:0.8μm以上4μm以下(例えば1μm);
・活性層5:0.4μm以上2μm以下(例えば0.6μm);
・n型クラッド層4:0.8μm以上4μm以下(例えば1μm);
・発光層部24全体の厚さ:2μm以上10μm以下(例えば2.6μm);
・補助電流拡散層7:1μm以上50μm以下(例えば2μm);
・キャップ層8:1nm以上20nm以下(例えば10nm);
・透光性樹脂結合層71:1μm以上100μm以下(例えば20μm);
・透光性素子基板70:50μm以上500μm以下(例えば200μm)。
※キャップ層厚さは金属貼り合せの昔の出願を参考に記載しました。
以下、図1の発光素子1の製造方法について説明する。
まず、図3の工程1に示すように、成長用基板100として、n型のGaAs単結晶基板を用意する。次に、その基板100の第一主表面に、n型GaAsバッファ層2を例えば0.5μmエピタキシャル成長し、さらにAlInPなどからなるエッチストップ層3をエピタキシャル成長する。次いで、キャップ層8(GaAs)、補助電流拡散層7(AlGaAs)をエピタキシャル成長する。さらに、発光層部24として、各々(AlGa1−xIn1−yPよりなるn型クラッド層4(n型ドーパントはSi)、活性層(ノンドープ)5及びp型クラッド層6(p型ドーパントはMg:有機金属分子からのCもp型ドーパントとして寄与しうる)をエピタキシャル成長させる。さらに、p型クラッド層6上にコンタクト層21をエピタキシャル成長する。
上記各層のエピタキシャル成長は、公知のMOVPE法により行なわれる。Al、Ga、In(インジウム)、P(リン)の各成分源となる原料ガスとしては以下のようなものを使用できる;
・Al源ガス;トリメチルアルミニウム(TMAl)、トリエチルアルミニウム(TEAl)など;
・Ga源ガス;トリメチルガリウム(TMGa)、トリエチルガリウム(TEGa)など;
・In源ガス;トリメチルインジウム(TMIn)、トリエチルインジウム(TEIn)など。
・P源ガス:トリメチルリン(TMP)、トリエチルリン(TEP)、ホスフィン(PH)など。
また、ドーパントガスとしては、以下のようなものを使用できる;
(p型ドーパント)
・Mg源:ビスシクロペンタジエニルマグネシウム(CpMg)など。
・Zn源:ジメチル亜鉛(DMZn)、ジエチル亜鉛(DEZn)など。
(n型ドーパント)
・Si源:モノシランなどのシリコン水素化物など。
次に、GaPからなる電流拡散層20を、発光層部24(コンタクト層21)の第一主表面にHVPE法により成長させる。HVPE法は、具体的には、容器内にてIII族元素である金属Gaを所定の温度に加熱保持しながら、その金属Ga上に塩化水素を導入することにより、下記(1)式の反応によりGaClを生成させ、キャリアガスであるH2ガスとともに基板上に供給する。
Ga(液体)+HCl(気体) → GaCl(気体)+1/2H(気体)‥‥(1)
成長温度は例えば640℃以上860℃以下に設定する。また、V族元素であるPは、PHをキャリアガスであるH2とともに基板上に供給する。さらに、p型ドーパントであるZnは、DMZn(ジメチルZn)の形で供給する。
GaCl(気体)+PH(気体)
→GaP(固体)+HCl(気体)+H2(気体)‥‥(2)
電流拡散層20の成長が終了したら、電流拡散層20の第一主表面を一部覆うように、接合金属層9a’と第一電極(例えばAu電極)9とを蒸着やスパッタリングによりパターニング形成する。次いで、工程2に示すように、第一電極9を形成した電流拡散層20の第一主表面の全面をドライエッチング用のエッチングレジスト層50で覆い、工程3に示すように、露光・現像により、第二電極の形成領域に対応したエッチングウィンドウを形成する。そして、図4の工程4に示すように、上記エッチングウィンドウの対応領域にて発光層部24を、補助電流拡散層7の第一主表面が露出するまでドライエッチングして切り欠く。そして、その露出した補助電流拡散層7の第一主表面に、接合金属層15a’と第二電極(例えばAu電極)15とを蒸着やスパッタリングによりパターニング形成する。
以上の工程が終了すれば、工程6に示すように、上記各層を成長用基板100上にエピタキシャル成長し、さらに電極形成した中間製品ウェーハを熱処理炉内に挿入し、300℃以上500℃以下の温度範囲で合金化熱処理(いわゆるシンター処理)を行ない、接合金属層9a’,15a’を接合合金化層9a,15aとする。
図5の工程7に進み、上記の中間製品ウェーハから、成長用基板100をなすGaAs基板をバッファ層2とともに、アンモニア/過酸化水素混合液などのエッチング液を用いて化学エッチングすることにより除去し、その後、エッチストップ層3を塩酸などのエッチング液を用いて除去することにより、エピタキシャル成長された各層の積層体からなる主化合物半導体層10の第二主表面が露出したウェーハを得る。このとき、キャップ層8は、AlGaAsからなる補助電流拡散層7において、エッチング液との接触によりAl成分が酸化されることを防止する。
そして、工程8に示すように、別途用意した透光性素子基板70をなすGaP単結晶基板を、透光性樹脂結合層を形成するための接着剤層71’を介して、上記の主化合物半導体層10をなすウェーハの第二主表面に接着する。具体的には、未硬化のエポキシ樹脂系接着剤を透光性素子基板70の第一主表面側(あるいは、主化合物半導体層10をなすウェーハの第二主表面側でもよい)に塗布し、主化合物半導体層10をなすウェーハの第二主表面側を重ね合わせ、その状態で加圧力1kPa以上400kPa以下(ゲージ圧)にて加圧しつつ、常温で接着剤層71’を硬化させるか、又は50℃以上150℃以下に加熱する硬化処理を行なって貼り合せ工程を実施する。図3〜図5は、説明の便宜を図るため、単一の素子チップ部分で代表させた工程説明図としていたが、実際には上記貼り合せ工程の完了により、図6に示すように、複数の未分離素子チップ部分1’が集合した貼り合せウェーハWが得られる。
その後、上記の貼り合せウェーハWを、個々の素子チップ1”にダイシングにより分離する。具体的には、貼り合せウェーハWの透光性素子基板70(主表面(100)のGaP単結晶基板)の主表面上に表れる2つの<100>方向に沿って、ウェーハWの第一主表面側からダイシング刃DBによりダイシングする。ダイシングの向きを<100>方向とすることによって、透光性素子基板70のダイシングにより形成される側面は{100}面となり、後述の異方性化学エッチングによる面粗し部SFを顕著に形成できる。また、チップ領域のエッジに沿った割れや欠けが生じ難くなる。なお、異方性化学エッチングに先立って、該ダイシングにより形成される加工ダメージ層を、ダメージ層除去用エッチング液を用いた化学エッチングにより除去することが望ましい。ダメージ層除去用エッチング液DEAとしては硫酸−過酸化水素水溶液を使用することができる。該水溶液としては、例えば硫酸:過酸化水素:水の質量配合比率が20:1:1のものを使用でき、液温は30℃以上70℃以上に調整される。
続いて、素子チップ1”の全体を、異方性化学エッチング用のエッチング液に浸漬する。これにより、GaP単結晶で形成された層及び基板の外部露出面に異方性化学エッチングが施され、ピラミッド上の突起部が多数形成された面粗し部が形成される。面粗し部は、具体的には、透光性素子基板70の側面(SF)及び第二主表面(MF)と、電流拡散層20の側面(SF)及び第一主表面(MF)とにそれぞれ形成される。面粗し用エッチング液は、酢酸と弗酸と硝酸とヨウ素とを含有する水溶液であり、具体的には
酢酸(CHCOOH換算):37.4質量%以上94.8質量%以下、
弗酸(HF換算):0.4質量%以上14.8質量%以下、
硝酸(HNO換算):1.3質量%以上14.7質量%以下、
ヨウ素(I換算):0.12質量%以上0.84質量%以下
の範囲で含有し、かつ、水の含有量が2.4質量%以上45質量%以下のもの、より望ましくは、
酢酸(CHCOOH換算):45.8質量%以上94.8質量%以下、
弗酸(HF換算):0.5質量%以上14.8質量%以下、
硝酸(HNO換算):1.6質量%以上14.7質量%以下、
ヨウ素(I換算):0.15質量%以上0.84質量%以下
の範囲で含有し、かつ、水の含有量が2.4質量%以上32.7質量%以下のものを採用する。液温は40℃以上60℃以下が適当である。
異方性化学エッチングが終了したら、各素子チップを洗浄・乾燥して図1の発光素子1のチップとして完成する。これに、図2に示すように、各電極9,15を通電用の端子85,86(フリップチップ型実装用のパッドでもよい)に接続し、樹脂モールド等を施して最終的な発光素子が完成する。
以下、種々の変形例について説明する。発光層部の形成材料は、上記のAlGaInP系のものに限らず、例えば窒化物系の発光層部、具体的にはノンドープInGaAl1−a−bN混晶からなる活性層を、p型InGaAl1−a−bNからなるp型クラッド層とn型InGaAl1−a−bNからなるn型クラッド層とにより挟んだダブルへテロ構造を有するものとして構成することもできる。このような発光層部は、次のようにして製造することができる。すなわち、サファイア単結晶基板の主表面上に、GaNバッファ層を介してMOVPE法により上記窒化物系発光層部をヘテロエピタキシャル成長する。そして、サファイア基板の裏面側からエキシマレーザーを照射することによりGaNバッファ層を溶解すれば、サファイア基板を剥離除去することができる。以後、透光性樹脂結合層を用いた透光性素子基板の貼り合せ工程は、既に説明済の方法で同様に実施できる。
次に、図8に示すように、成長用基板除去工程に先立って、主化合物半導体層部10の第一主表面側にハンドリング用の仮支持基板80を接着する仮支持基板接着工程を実施することもできる。そして、主化合物半導体層部10に仮支持基板80を接着した状態で成長用基板除去工程と貼り合わせ工程とをこの順序で実施し、その後、主化合物半導体層部10から仮支持基板80を除去するようにすれば、成長用基板除去工程と貼り合わせ工程とを実施する際に、主化合物半導体層部10が仮支持基板80で補強され、ハンドリングが容易になる。仮支持基板80は、例えばSi単結晶基板にて構成できるが、平坦度が良好で一定以上の剛性を有するものであれば、これに限定されず、セラミック板(例えばアルミナ板)、あるいは金属板等で構成することも可能である。図8では、仮支持基板80を、仮支持結合層81を介して主化合物半導体層部10の第一主表面側に接着している。仮支持結合層81は、ホットメルト型接着剤やワックス類を用いて形成することができる。
一方、図9に示すように、発光素子1の主化合物半導体層部10の第一主表面を光取出面とすることも可能である。具体的には、主化合物半導体層部10の第一主表面を前述の第一電極9により部分的に覆う構成とし、その第一電極9の周囲に露出する主化合物半導体層部10の第一主表面領域を光取出面として活用することができる。この場合、透光性素子基板70の第二主表面を平滑面MP(例えば鏡面研磨面)としておき、かつ該平滑な第二主表面に接する形で金属反射層89を形成しておけば、発光光束を透光性素子基板70の第二主表面側で反射させて、光取出面をなす素子の側面や第一主表面側に導くことができ、光取出効率の向上に寄与する。本実施形態にて金属反射層89は、透光性素子基板70の第二主表面を金属ステージ88に接着するための金属ペースト(例えばAgぺーすと)層であるが、蒸着やスパッタリングで形成された、Au、AgあるいはAlを主成分(50質量%以上)とする金属層とすることも可能である。なお、光取出面側の2つの電極9及び15には、それぞれ通電用のワイヤWがボンディングされている。
本発明の発光素子の第一例を積層構造にて示す模式図。 図1の発光素子の、使用形態の一例を示す断面図。 図1の発光素子の製造工程を示す説明図。 図3に続く説明図。 図4に続く説明図。 図5に続く説明図。 図6に続く説明図。 仮支持基板を用いた製造工程の一例を示す説明図。 本発明の発光素子の第二例を、その使用形態とともに積層構造にて示す模式図。
符号の説明
1 発光素子
1” 素子チップ
4 n型クラッド層
5 活性層
6 p型クラッド層
7 補助電流拡散層
9 第一電極
9a’ 接合金属層
9a 接合合金化層
10 主化合物半導体層
20 電流拡散層
24 発光層部
15 第二電極
15a’ 接合金属層
15a 接合合金化層
70 透光性素子基板
71 透光性樹脂結合層
80 仮支持基板
89 金属反射層
100 成長用基板
SF,MF 面粗し部
W 貼り合せウェーハ

Claims (20)

  1. 発光層部を有した主化合物半導体層部と、
    前記主化合物半導体層部の一方の主表面を第一主表面、他方の主表面を第二主表面として、該主化合物半導体層部の前記第二主表面側に、透光性樹脂結合層を介して貼り合された透光性素子基板とを有し、
    前記透光性素子基板は化合物半導体からなり、該透光性素子基板の少なくとも側面に、異方性化学エッチングに基づく面粗し部が形成されてなることを特徴とする発光素子。
  2. 前記透光性樹脂結合層がエポキシ系樹脂又はシリコーン系樹脂よりなる請求項1記載の発光素子。
  3. 前記透光性素子基板が単結晶基板からなる請求項1又は請求項2に記載の発光素子。
  4. 閃亜鉛鉱型構造を有したIII−V族化合物半導体の単結晶基板よりなる前記透光性素子基板の側面が{100}面とされてなる請求項3記載の発光素子。
  5. 前記透光性素子基板がGaP基板である請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の発光素子。
  6. 前記発光層部は、組成式(AlGa1−xIn1−yP(ただし、0≦x≦1,0≦y≦1)にて表される化合物のうち、GaAsと格子整合する組成を有する化合物にて各々構成されたn型クラッド層、活性層及びp型クラッド層がこの順序で積層されたダブルへテロ構造を有するものである請求項5に記載の発光素子。
  7. 前記主化合物半導体層部の前記第一主表面側に、前記発光層部を駆動するための互いに極性の異なる第一電極と第二電極との双方が形成されてなる請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の発光素子。
  8. 前記主化合物半導体層部において前記発光層部の第一主表面に前記第一電極が形成される一方、前記発光層部の第二主表面側に電極取出用の補助化合物半導体層が形成され、前記発光層部の一部領域が切り欠かれて前記補助化合物半導体層の第一主表面が露出してなり、該補助化合物半導体層の該露出した第一主表面領域に前記第二電極が形成されてなる請求項7記載の発光素子。
  9. 前記透光性素子基板の、前記主化合物半導体層部に貼り合わされている側の主表面を第一主表面、これと反対側の主表面を第二主表面として、該透光性素子基板の前記第二主表面が光取出面とされ、かつ該第二主表面にも前記面粗し部が形成されてなる請求項7又は請求項8に記載の発光素子。
  10. 閃亜鉛鉱型構造を有したIII−V族化合物半導体の単結晶基板よりなる、前記透光性素子基板の前記第二主表面が{100}面とされてなる請求項9記載の発光素子。
  11. 前記主化合物半導体層部の前記第一主表面が光取出面とされ、前記透光性素子基板の、前記主化合物半導体層部に貼り合わされている側の主表面を第一主表面、これと反対側の主表面を第二主表面として、該透光性素子基板の前記第二主表面が平滑面とされ、かつ該平滑な第二主表面に接する形で金属反射層が形成されてなる請求項7又は請求項8に記載の発光素子。
  12. 前記主化合物半導体層部の第一主表面側に、透光性を有する化合物半導体単結晶からなり、かつ、少なくともその側面に異方性化学エッチングに基づく面粗し部が形成されてなる電流拡散層が形成されてなる請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載の発光素子。
  13. 請求項1ないし請求項12のいずれか1項に記載の発光素子の製造方法であって、
    化合物半導体単結晶よりなる成長用基板の一方の主表面上に前記主化合物半導体層部をエピタキシャル成長する主化合物半導体層部成長工程と、
    成長された前記主化合物半導体層部から前記成長用基板を除去する成長用基板除去工程と、
    前記主化合物半導体層部の、一方の主表面を第一主表面、他方の主表面を第二主表面として、該主化合物半導体層部の前記第二主表面側に、透光性樹脂結合層を介して透光性素子基板を貼り合わせて貼り合せウェーハを製造する貼り合せ工程と、
    前記貼り合せウェーハを素子チップにダイシングするダイシング工程と、
    ダイシングにより分離された前記素子チップをエッチング液に浸漬することにより、前記透光性素子基板の側面に前記異方性化学エッチングを施して前記面粗し部を形成する面粗し工程と、
    を有することを特徴とする発光素子の製造方法。
  14. 前記透光性樹脂結合層をエポキシ系樹脂又はシリコーン系樹脂にて形成するとともに、前記面粗し工程において、前記素子チップに対する前記異方性化学エッチングを、前記透光性樹脂結合層の側面が前記エッチング液と接触する状態にて行なう請求項13記載の発光素子の製造方法。
  15. 前記面粗し工程において、透光性素子基板の前記第二主表面にも前記異方性化学エッチングを施して前記面粗し部を形成する請求項13又は請求項14に記載の発光素子の製造方法。
  16. 前記主化合物半導体層部成長工程の終了後であって、前記貼り合わせ工程よりも前に、
    前記主化合物半導体層部の電極形成面に接合金属層を形成する接合金属層形成工程と、
    前記接合金属層を、前記電極形成面をなす化合物半導体と合金化させて接合合金化層とする合金化熱処理と、
    をこの順序で実施する請求項13ないし請求項15のいずれか1項に記載の発光素子の製造方法。
  17. 前記合金化熱処理工程の終了後に前記成長用基板除去工程を実施する請求項16記載の発光素子の製造方法。
  18. 前記成長用基板除去工程の実施後に、前記主化合物半導体層部の該成長用基板の除去により露出した主表面を前記第二主表面として、該主化合物半導体層部の前記第二主表面側に、透光性樹脂結合層を介して透光性素子基板を貼り合わせて貼り合せウェーハを製造する前記貼り合せ工程を実施する請求項13ないし請求項17のいずれか1項に記載の発光素子の製造方法。
  19. 前記成長用基板がn型であり、前記主化合物半導体層部は前記第一主表面側にp型層が位置するように成長される請求項18記載の発光素子の製造方法。
  20. 前記成長用基板除去工程に先立って、前記主化合物半導体層部の第一主表面側にハンドリング用の仮支持基板を接着する仮支持基板接着工程を実施し、
    前記主化合物半導体層部に前記仮支持基板を接着した状態で前記成長用基板除去工程と前記貼り合わせ工程とをこの順序で実施し、その後、前記主化合物半導体層部から前記仮支持基板を除去する請求項18又は請求項19に記載の発光素子の製造方法。
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