JP2005079152A - 半導体発光素子及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 発光効率の低下や素子寿命低下を抑制できる素子半導体発光素子およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 基板上に エピ層115、グレーデッド層113、トラップ層112、グレーデッド層113、クラッド層111、MQW活性層110、クラッド層109,電流拡散層108、コンタクト層107、電流ブロック層106が順次形成され 、電流ブロック層106の上面側とGaP基板114の下面にそれぞれ電極116、117が形成されている発光素子において、グレーデッド層113は、In組成比とAl組成比を略直線的に変化させ、格子定数を徐々に変化させた組成式Zn−InGaAl1−x−yP(x=0.5→0、y≠0、1−x−y=0.35→0)からなる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、化合物半導体発光素子、特に表示用光源や信号機及びデイスプレイ用の光源として用いられる接着型半導体発光素子に関するものである。
近年、InGaAlP系LED等の高輝度半導体発光素子は、従来の汎用LED等と比べて10倍以上の明るさを持っていることから、携帯電話や車載用の照光用光源としてその需要が急拡大している。これらの用途には低電流で高輝度のLEDが要求され、発光効率と光取り出し効率を最大限に高めるための技術開発が進んでいる。とりわけ、最近は光取り出し効率に関する技術開発が盛んである。
InGaA1P系エピタキシャル成長層は、可視光領域内で発光波長を選ぶことができる。また、化合物半導体基板として最も一般的なGaAs基板に格子整合したエピタキシャル成長が可能である。この反面、GaAs基板には可視光領域の光を吸収するという欠点がある。このため、InGaA1P系エピタキシャル成長層で発光した光の一部がGaAs基板に吸収されるので、LEDの輝度の低下が避けられない。
そこで、可視光領域に対し透明な材料を基板に使用することが行われている。一般的な透明材料としてはGaP基板があるが、GaP基板はInGaA1P系と格子整合がとれないため良好なエピタキシャル成長が難しい。この問題を解決するために、InGaA1Pエピタキシャル成長層とGaP基板とをウェーハ接着(Wafer Bonding)する方法がある。これは、エピタキシャル成長層からGaAs基板を取り除き、代わりにGaP基板を密着させて、圧力をかけながら熱処理をし、一体化する方法である。この方法によりLEDの輝度増加が図れるが、GaAs基板を除去した後のエピタキシャル成長層が薄いため取り扱いが難しく、また圧力を印加しながら熱処理をするので特殊な装置を用いる必要があり、ウェーハ接着工程の安定性や生産性に問題があった。
一方、ウェーハの接着に関しては、清浄な表面を有するウェーハ同士を直接接着する「直接接着」或いは「直接接合」と呼ばれる技術が開発されている。直接接着技術によると、発光層にGaP基板を接着する際、有機金属気相エピタキシャル成長法(以下、MOCVDという)の熱処理温度よりも高温での熱処理が必要となる。この接着のプロセスにおいて、熱による発光層へのダメージを避けるために、接着時の熱処理温度を低くすることが考えられる。しかし、熱処理温度が低すぎると、発光層のクラッド層とGaP基板の接着界面に良好なオーミック接触を形成することができなくなり、素子の動作電圧が上昇してしまうという問題がある。
そこで、発光層とGaP基板との間に接着層を介在させた接着型の半導体発光素子が製造されている。
従来、透明基板を接着するタイプの半導体発光素子は、次のように製造されていた。図5及び図6は、従来の接着型の半導体発光素子としての発光ダイオードの製造工程を示す略示断面図であり、これら図面にしたがって説明する。まず、図5(a)に示すように、n-GaAs基板400を用意し、この上に、MOCVDにより、例えば成長温度750℃で成膜していく。MOCVDは、有機金属の蒸気と水素化物を原料として用い、水素をキャリアガスとしてこれら原料を成長室に導入し、熱分解反応によって加熱した基板上に化合物半導体結晶をエピタキシャル成長させる方法である。
n-GaAs基板上400に、例えばSiドーピング゛した膜厚0.5μmのSi−GaAsバッファ−層401をエピタキシャル成長し、堆積させる。
次いで、上記バッファ−層401の上に、膜厚0.2μmのi−In0.5Ga0.5Pストップ層I402 、膜厚0.5μmのi-GaAsカバー層403、膜厚0.2μmのi−In0.5Ga0.5Pストップ層II404、膜厚0.1μmのi-GaAsストップ層III405を順次、成長させる。
続いて、ストップ層III405の上に、膜厚0.2μmのi−In0.5(Ga0.3Al0.70.5P電流ブロック層406、膜厚0.1μmのSi−GaAsコンタクト層407、厚さ2.1μmのSi−In0.5Al0.5P電流拡散層408、膜厚1.0μmのSi−In0.5Al0.5Pクラッド層409を順次、エピタキシャル成長させる。
次いで、クラッド層409の上に、例えば膜厚50ÅのIn0.5(Ga0.8Al0.20.5Pによる障壁層と膜厚80ÅのIn0.5(Ga0.8Al0.20.5Pによる井戸層を交互に80組積層してなる多重量子井戸(MQW:Multi‐Quantum−Well)活性層410を成長させる。ここで、多重量子井戸は、光と電子の相互作用を増大するためのもので、複数層の量子井戸と量子井戸を分離する障壁層からなり、動作電流の低減や温度特性の向上が図られる。
次いで、MQW活性層410の上に、膜厚1.0μmのZn−In0.5Al0.5Pクラッド層411、厚さ0.05μmのZn−In0.5Ga0.5P接着層412、厚さ0.15μmのSi−In0.5Al0.5Pキャップ゜層413を成長させる(図5(a)参照)。
次に、図5(b)に示すように、エピタキシャル成長させた積層体から、例えば60℃に加熱したリン酸にてSi−In0.5Al0.5Pキャップ゜413層を選択除去する。このエピ基板をエピ基板Iとする。
一方、図5(c)に示すように、Zn−GaP基板414に成長温度750℃にて、厚さ0.2μmのZn−GaP層415をエピタキシャル成長させる。この基板をエピ基板IIとする。
その後、図5(d)に示すように、直接接着の前処理として、例えば希弗酸にてZn−In0.5Ga0.5P接着層412及びエピ基板IIのエピGaP層415のごく表面の酸化膜を除去し、200℃以上で接着し、接着ウェーハIIIとする。
続いて、図5(e)に示すように、接着体から、GaAs基板400とSi−GaAsバッファ層401及び膜厚0.2μmのi−In0.5Ga0.5Pストップ層I402をウエットエッチングで除去する。
直接接着の最終工程として、非接着体を拡散炉内に入れて高温750℃以上の温度で熱処理を行う。
接着の最終工程後、i-GaAsカバー層403、i−In0.5Ga0.5Pストップ層II404、i-GaAsストップ層III405をエッチング除去し、接着ウェーハIVとする。
次いで、図6(a)に示すように、フォトリソグラフィ−技術により、i−In0.5(Ga0.3Al0.70.5P電流ブロック層406にブロック層パタ―ンを形成し、接着パターン付ウェーハVとする。
次いで、図6(b)に示すように、n側電極416としてAuGe/Au、p側電極417として、AuZn/Auを形成し、 その後、フォトリソグラフィ技術とリフトオフ技術により光取り出しを考慮した電極パタ−ンをp電極、n側電極にそれぞれ形成する。
従来、接着タイプの高輝度LEDは、上述したように製作され、GaAs基板に格子整合するInGaAlP系ダブルヘテロ型エピ層にGaP基板を接着する場合、接着層としてGaAsに格子整合したInGaP層が用いられていた。
さらに、発光層とGaP層間の格子定数の差を考慮して、接着層を2層にすることも提案されている(例えば、特許文献1参照。)。これは、GaP基板上にp−GaPによる第2接着層を成長させ、一方、発光層側にp−InGaPによる第1接着層を成長させ、第1接着層と第2接着層を接着するもので、500〜700℃の温度で熱処理している。
また、良好な接着ウェーハを得るためにウェーハ表面の汚れと酸化膜を除去するのにウェットケミカルエッチングが施される。このエッチングを含むボンディングプロセスについて、機械的に強固でかつ界面抵抗の低い接着体を得るには、
(a)GaP基板を硫酸・過酸化水素水・水の混合溶液(3:1:1)で、エピウェーハを硫酸・過酸化水素水・水の混合溶液(1:1:10)でエッチングする。
(b)脱イオン水ですすぐ。
(c)希弗酸にひたす。
(d)脱イオン水ですすぐ。
(e)脱イオン水中で両ウェーハを接着し、水切り後、最終接着のために、直ちに反応炉に置く。
の手順で、かつ、ボンディング処理温度は750℃が最適との知見がある(例えば、非特許文献1参照。)。
特開2002−203987号 (第3頁−4頁、図2) 特開平10−256667号 IEE オプトエレクトロン予稿集(Proc.−Oputoelectron) 第145巻、第4号 August 1998年8月(第2−3頁、 第3図)
一般に、異なる材料の接合(ヘテロ接合)を行う際、両材料の接合部の構造は重要である。まず、両者の表面は平坦である必要がある。つまり、欠陥の少ない良好な結晶成長ができることが重要である。このためには、両層は各々の基板に格子整合していなければならない。しかし、両層がそれぞれの基板に格子整合した結果、両層は格子定数の違う、異なる材料になる。
上述した接着層Zn−In0.5Ga0.5PはGaP基板との格子定数差が、3.3%、熱膨張係数が17%も異なるため、格子定数差と熱膨張係数差に起因した高密度の格子欠陥や転位が界面に高密度で発生し、界面抵抗の増大や膜ハガレを招いた。そこで、InがGaP側に拡散することで、接着強度を強固にするため、接着プロセスにおいて例えば750℃以上の高温での加熱処理が施されている。そのため、ダブルヘテロ構造部をなしているMQW活性層におけるp型クラッド層のド−パントZnが活性層内で拡散し、発光効率や素子寿命を低下させてしまうという技術的課題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、格子定数差と熱膨張係数差に起因した高密度の格子欠陥や転位を抑制するとともに、接着温度をエピ温度より低い600℃程度で接着可能となり発光効率の低下や素子寿命低下を抑制できる半導体発光素子およびその製造方法を提供することにある。
上記した課題を解決するために、本発明の半導体発光素子は、GaP基板と、この基板上に接着され、In組成比とAl組成比を変化させて、格子定数を徐々に変化させた組成式InGaAl1−x−yP(x=0.5→0、y≠0、1−x−y=0.35→0)で表されるグレーデッド層と、このグレーデッド層上に形成されたトラップ層と、このトラップ層上に形成された第1のクラッド層と、この第1のクラッド層上に形成された活性層と、この活性層上に形成された第2のクラッド層と、この第2のクラッド層上に形成された電流拡散層と、この電流拡散層上に形成されたコンタクト層と、このコンタクト層上に形成された電流ブロック層と、電極とを備えたことを特徴とするものである。このことにより、グレーデッド層表面とGaP基板の格子常数とが略整合するので、良質の接着型半導体発光素子が得られる。
また、本発明の半導体発光素子においては、上記グレーデッド層の前記GaP基板との接合面側上に、さらに上記GaP基板と同組成の薄膜層を形成し、この薄膜層を介して上記GaP基板と接着されると好適である。接着面における両素材間の熱膨張係数差が小さくできる。
また、本発明によれば、n型のGaAs基板上にエッチングストップ層を形成する工程と、前記エッチングストップ層上に電流ブロック層を形成する工程と、前記電流ブロック層上にコンタクト層を形成する工程と、前記コンタクト層上に電流拡散層を形成する工程と、前記電流拡散層上に第1のクラッド層を形成する工程と、前記第1のクラッド層上に活性層を形成する工程と、前記活性層上に第2のクラッド層を形成する工程と、前記第2のクラッド層上にトラップ層を形成する工程と、前記トラップ層上に、In組成比とAl組成比を略直線的に変化させて、格子定数を徐々に変化させた組成式InGaAl1−x−yP(x=0.5→0、y≠0、1−x−y=0.35→0)で表されるグレーデッド層を形成する工程と、前記グレーデッド層とGaP基板とを接着する工程と、前記GaAs基板と前記エッチングストップ層を除去する工程とを備える半導体発光素子の製造方法が提供される。このことにより、活性層へのドーパント拡散による輝度低下を低減でき、素子寿命が長い接着型半導体発光素子が得られる。
上記半導体発光素子の製造方法において、上記グレーデッド層の上記GaP基板との接合面側上に、さらに上記GaP基板と同組成の薄膜層を形成する工程を含み、この薄膜層を介して上記GaP基板と接着されることが好ましい。接着面における両素材間の熱膨張係数差が小さくでき、熱処理中の熱応力を低減できる。
また上記半導体発光素子の製造方法において、上記グレーデッド層上に、上記グレーデッド層とエッチング選択性をもつ表面保護層を形成する工程を含むことが望ましい。グレーデッド層の表面汚染や表面酸化を極力回避できる。
また上記半導体発光素子の製造方法において、上記接着工程における最高加熱処理温度が、600℃以上でエピタキシャル成長温度より低い770℃未満であることが望ましく、詳しくは690℃未満が望ましい。活性層内でのド−パントの拡散を抑制し、発光素子の輝度及び寿命の向上が図られる。
以上詳述したとおり、本発明は、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明によれば、活性層へのドーパント拡散による輝度低下を低減でき、素子寿命が長い接着型半導体発光素子が提供される。
また、本発明によれば、上述した効果を奏する接着型半導体発光素子を高い歩留まりで生産することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態にかかるInGaAlP系化合物半導体発光素子の略示断面図で、成長用基板等の発光素子作製過程で除去されるものは、図示されていない。同図に示す半導体発光素子は、MQW活性層110と、このMQW活性層110を介在させて積層形成されたクラッド層109,クラッド層111からなる発光体を備えている。また、クラッド層109の上面には電流拡散層108が積層形成され、この電流拡散層108の上面にはさらに、コンタクト層107が積層形成されている。さらに、このコンタクト層107の上面には電流ブロック層106が積層形成されている。さらに、発光体のクラッド層111下面側にはトラップ層112が積層形成され、このトラップ層112を介してグレーデッド層113が積層形成されている。GaPエピタキシャル層115が形成されたGaP基板114はグレーデッド層113を介して上記積層体に一体的に接合され、電流ブロック層106の上面側とGaP基板114の下面にそれぞれ形成された電極116、117と、を備えている。ここで、グレーデッド層113は、In組成比とAl組成比を略直線的に変化させ、格子定数を徐々に変化させた組成式Zn−InGaAl1−x−yP(x=0.5→0、y≠0、1−x−y=0.35→0)からなるものである。なお、In組成比とAl組成比を略直線的に変化させるのが制御しやすく最も量産性がよいが、例えば、直線的に限らず、S字型、指数関数型あるいは階段型に変化させてもよい。
上記した積層体は、図示しないGaAs基板を成長用基板として化合物半導体の混晶をエピタキシャル成長させることにより形成されたものである。GaP基板114は、積層体の接着層であるグレーデッド層113と所定温度下で密着接合される。密着接合後に成長用基板は除去され、所定温度下、所定雰囲気下で最終接着されている。
ここで、MQW活性層110は、例えばIn0.5(Ga0.8Al0.20.5Pからなる障壁層とIn0.5(Ga0.8Al0.20.5Pからなる井戸層を交互に積層した多重量子井戸(MQW:Multi‐Quantum−Well)構造とし、クラッド層109は、厚さ1.0μmのSi−In0.5Al0.5Pからなり、クラッド層111は、厚さ1.0μmのZn−In0.5Al0.5Pとする。
このように、本実施形態の半導体発光素子は可視光領域の光を吸収しないGaP基板114上に形成されているため、高い輝度で発光させることができる。
次に、上述した接着型半導体発光素子の製造方法の実施形態について説明する。以下の説明においては、InGaAlP系半導体発光素子の製造に適用した具体例として説明し、より具体的には図1に示す発光素子の製造方法の実施例について図2を参照しながら説明する。
図2(a)〜(f)は、本実施例の製造方法を具体的に説明する略示断面図である。成長用基板としてn-GaAs基板を用意し、有機金属気相成長法(MOCVD)により、例えば、成長温度750℃で図2(a)に示すように積層構造を成長させていく。本実施形態では、現状の化合物半導体基板のなかで最も結晶欠陥の少ない安定な結晶基板であることからGaAs基板を採用する。
n-GaAs基板に格子整合するInGaAlP系膜を得るには、MOCVDの際、材料として、例えばTMG(トリメチルガリウム)、TMA(トリメチルアルミニウム)、TMI(トリメチルインジウム)などの有機金属及びアルシン、ホスフィンなどの水素化物ガスを用いる。
n-GaAs基板100上に、例えばSiをドーピングした膜厚0.5μmのSi−GaAsバッファ層101をエピタキシャル成長し、堆積させる。
次に、上記Si−GaAsバッファ層101上に、i−In0.5Ga0.5Pストップ層I102、i−GaAsカバー層103、i−In0.5Ga0.5Pストップ層II104、i−GaAsストップ層III105、i−In0.5(Ga0.3Al0.70.5P電流ブロック層106を順次エピタキシャル成長し、堆積させる。各層の厚さは、例えばストップ層I102が0.2μm、カバー層103が0.5μm、ストップ層II104が0.2μm、ストップ層III105が0.1μm、電流ブロック層106が0.2μmである。ここで、図1、図2において、例えば
ここで、ストップ層I102は、エッチング工程におけるエッチング停止層の働きをさせるもので、カバー層103は、エッチング工程における保護層の働きをさせるものである。また、ストップ層II104、ストップ層III105は、後述する熱処理中に、クラッド層(後述する)が露出しないようにするための働きをさせるものである。これは、InGaAlP系材料を高温で加熱すると蒸気圧が高いP(リン)が蒸発し、いわゆるリン抜けを起こす可能性があるため、これを防止するのが目的である。
このように、活性層やクラッド層などの発光に直接関与するエピタキシャル成長層は、熱処理中に露出させないことが望ましい。また、電流ブロック層106は、最終的には電極(後述する)内に配設されるもので、電極に印加された電流が電極直下に流れることを防ぎ、電極直下で発光することを低減することにより、光が電極に吸収されることを回避し、光出力を上げるための働きをなす。
続いて、上記電流ブロック層106上に、Si−GaAsコンタクト層107およびSi−In0.5Al0.5Pによる電流拡散層108、Si−In0.5Al0.5Pクラッド層109を、エピタキシャル成長し、堆積させる。各層の厚さは、例えばコンタクト層107が0.1μm、電流拡散層108が2.1μm、クラッド層109が1.0μmである。
これらコンタクト層107、電流拡散層108、クラッド層109に不純物として例えばシリコンがドープされる。シリコンの材料としては、例えばシランが使用される。
コンタクト層107は、電極のコンタクト抵抗を低減するための働きをするものである。電流拡散層108は、電極から印加された電流を拡散させることにより、発光層において効率よく発光させる働きをするものである。なお、電流拡散層108のAl含有率は2〜10%であることが好ましい。
続いて、上記クラッド層109の上に、In0.5(Ga0.8Al0.20.5Pからなる障壁層とIn0.5(Ga0.8Al0.20.5Pからなる井戸層を交互に積層した多重量子井戸(MQW:Multi‐Quantum−Well)活性層110を成長させる。障壁層の厚さは、例えば膜厚50Åとし、井戸層の厚さは、例えば80Åとし、これらを80組積層すると好適である。多重量子井戸は、光と電子の相互作用を増大するためのもので、複数層の量子井戸と量子井戸を分離する障壁層からなり、動作電流の低減や温度特性の向上が図られる。
尚、MQW活性層110の組成は、発光波長に応じて決定される。すなわち、InGaAlP中のGaとAlとのバランスを変えることにより、赤色、橙色、黄色、黄緑色、緑色の光が得られる。
次いで、MQW活性層110の上に、Zn−In0.5Al0.5Pからなるクラッド層111をエピタキシャル成長させる。このクラッド層111の膜厚は、例えば1.0μmである。このように、クラッド層109、111とMQW活性層110とによってダブルヘテロ構造を構成させている。MQW活性層110の屈折率はクラッド層109、111の屈折率に比べて高くなっているので、発光した光はMQW活性層110内に閉じ込められることになる。
次いで、クラッド層111の上に、膜厚0.15μmのZn−InGa0.3Al0.7Pトラップ層112をエピタキシャル成長させる。このトラップ層112は、後述するグレーデッド層に高濃度でドーピングされるZnの拡散を阻止する働きをするものである。なお、図1、図2において、例えば電流拡散層108あるいはトラップ層112の化合物組成をSi−Q(0.3)あるいはZn−Q(0.7)と表記しているが、これらの表記中のQ(0.3)はInGaAlP系材料におけるAlのGaに対する組成比が0.3であることを表している。その他の図面でも同様である。
上記のようにエピタキシャル成長を重ねた積層体を、そのままPH3雰囲気中に保持し、上述した成長温度に+30℃加算して成長温度を780℃まで昇温させる。そして、上記トラップ層112の上に、グレーデッド層113をエピタキシャル成長させる。このグレーデッド層113は例えば膜厚を0.03μmで、In組成比とAl組成比を略直線的に変化させ、格子定数を徐々に変化させた組成式Zn−InGaAl1−x−yP(x=0.5→0、y≠0、1−x−y=0.35→0)からなるものである。したがって、グレーデッド層113の表面は、Zn−GaPとなる(図2(a)参照。)。
次いで、図2(b)に示すように、グレーデッド層113の表面を極薄く、例えば10Åエッチングし、エピ基板Iが作製される。
一方、図2(c)に示すように、Zn−GaP基板に成長温度750℃にて、厚さ0.2μmのZn−GaP層を成長させる。この基板をエピ基板IIとする)。
その後、直接接着の前処理として、エピ基板IIを界面活性剤で洗浄し、希弗酸に浸漬して表面の自然酸化膜を除去し、水洗をした後にスピナで乾燥させた。また、エピ基板Iはグレーデッド層113をエピ基板IIと同様にして酸化膜除去のため希弗酸処理を行い、水洗とスピナ乾燥を行なった。これらの前処理は、すべてクリーンルーム内の清浄な雰囲気下で行った。
次に、前処理を終えたエピ基板Iをエピタキシャル成長層が上方になるように載置し、その上にエピ基板IIを、鏡面が下向きになるように載置し、200℃以上雰囲気下で密着させ、これを図2(d)に示されるように、接着基板IIIとする。エピ基板IIは透明であるため密着状態を目視にて観察できる。
次いで、図2(e)に示すように、接着基板IIIから、成長用基板であるGaAs基板100と、Si−GaAsバッファ層101、及び膜厚0.2μmのi−In0.5Ga0.5Pストップ層I102をウエットエッチングで除去する。例えば、GaAs基板100とSi−GaAsバッファ層101の除去は、被接着体をアンモニアと過酸化水素水と水の混合液に浸漬し、選択的にエッチング処理でき、i−In0.5Ga0.5Pストップ層I102の除去は、塩酸と過酸化水素水と水の混合液でエッチング処理できる。
直接接着の最終工程として、エッチング処理後の接着基板IIIを石英ボートに立てて並べ、拡散炉内に入れてエピタキシャル成長温度より低い600℃の温度で熱処理を行う。処理時間は1時間で、水素を10%含むアルゴン雰囲気下が好適である。尚、熱処理温度を下げすぎるとVFがあがり、上げすぎると活性層へのドーパント拡散が著しくなるので、熱処理温度は600℃程度が望ましい。
接着の最終工程後、i-GaAsカバー層103、i−In0.5Ga0.5Pストップ層II104及びi-GaAsストップ層III105をエッチング処理で除去すし、図2(e)に示すものとする。
続いて、フォトリソグラフィ−技術により、図2(f)に示すように、i−In0.5(Ga0.3Al0.70.5P電流ブロック層106にブロック層パタ―ンを形成し、n側電極116としてAuGe/Au/Mo/AuあるいはAuGe/Auを、p側電極117として、AuZn/Auを形成する。
その後、フォトリソグラフィ−技術及びリフトオフ技術により光取り出しを考慮した電極パタ−ンをp電極、n側電極にそれぞれ形成する(図1参照。)。
本実施の形態では、接着層として、In組成とAl組成を略直線的に変化させたZn−InGaAl1−x−yP(x=0.5→0、y≠0、1−x−y=0.35→0)グレーデッド層113を用いることで、光に対する透明性の高い平坦なGaP層とエピ温度よりも低い温度での接着が可能となり、高温での接着によるp型ド−パントであるZnやMgなどの拡散を防止でき、発光効率の低下や素子寿命低下を抑制できる高輝度の半導体発光素子を得ることができる。
尚、エピ基板Iのグレーデッド層上にエッチング選択性のあるGaAsキャップ層を例えば0.005μmの厚さで成長させ、接着直前にSHで選択的にエッチング除去してから、GaP基板との接着を行うことでもよい。このようなプロセスを経ることにより、GaAsキャップ層はグレーデッド層の表面汚染や表面酸化を極力回避できるようになる。
図3は、本発明にかかるIn組成とAl組成を変化させたグレーデッド層と従来技術におけるInGaP接着層の表面の最大粗さを示す。グレーデッド層表面の平坦性は、InGaP接着層と比べてほぼ同等以上の平坦性を有しており、接着におけるエピ表面の平坦性も問題とはならないことがわかる。
本発明の第2の実施形態を、図4にしたがって説明する。図4に示されるように、第2の実施の形態においては、グレーデッド層213上に、GaP基板214と同じ組成のGaP薄膜層218をエピタキシャル成長させたものである。このGaP層218は、GaP基板214との接着層として働く。GaP薄膜層218はその表面が平坦性を有するため、Zn−GaPエピ層215との接着性を良好にすることができる。また、接着後の格子ひずみを少なくすることができる。GaP薄膜層218はその厚みが例えば、500Å以上になると、その表面の平坦性が失われるため、それよりも厚くする必要があり、かつ、接着後の格子整合性を保つだけの厚みが必要になる。
尚、これ以外の構成並びに製造プロセスは、第1の実施の形態と同じであるため、対応する部分には下2桁が対応する番号を付し詳細な説明は省略する。
本発明は上記した実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることはいうまでもない。
本発明にかかる半導体発光素子の実施の一形態を示す略示断面図である。 本発明にかかる半導体発光素子の製造方法の一実施形態を説明する略示断面図である。 本発明にかかる半導体発光素子のグレーデッド層と従来技術のInGaP接着層の表面における最大粗さを示すグラフ。 本発明にかかる半導体発光素子の他の実施形態を示す略示断面図である。 従来の発光ダイオードの製造方法を説明する略示断面図である。 従来の発光ダイオードの製造方法を説明する略示断面図である。
符号の説明
106、206、406:電流ブロック層
107、207、407:コンタクト層
108、208、408:電流拡散層
109、209、409:クラッド層
110、210、410:MQW活性層
111、211、411:クラッド層
112、212:トラップ層
113、213:グレーデッド層
114,214,414:GaP基板
115、215、415:GaPエピ層
116、216、409:n側電極
117、217、410:p側電極
218、412:接着層

Claims (6)

  1. GaP基板と、この基板上に接着され、In組成比とAl組成比を変化させて、格子定数を徐々に変化させた組成式InGaAl1−x−yP(x=0.5→0、y≠0、1−x−y=0.35→0)で表されるグレーデッド層と、このグレーデッド層上に形成されたトラップ層と、このトラップ層上に形成された第1のクラッド層と、この第1のクラッド層上に形成された活性層と、この活性層上に形成された第2のクラッド層と、この第2のクラッド層上に形成された電流拡散層と、この電流拡散層上に形成されたコンタクト層と、このコンタクト層上に形成された電流ブロック層と、電極とを備えたことを特徴とする半導体発光素子。
  2. 前記グレーデッド層は前記In組成比とAl組成比を略直線的に変化させるとともに、前記グレーデッド層の前記GaP基板との接合面側上に、さらに前記GaP基板と同組成の薄膜層を形成し、この薄膜層を介して前記GaP基板と接着されることを特徴とする請求項1記載の半導体発光素子。
  3. n型のGaAs基板上にエッチングストップ層を形成する工程と、前記エッチングストップ層上に電流ブロック層を形成する工程と、前記電流ブロック層上にコンタクト層を形成する工程と、前記コンタクト層上に電流拡散層を形成する工程と、前記電流拡散層上に第1のクラッド層を形成する工程と、前記第1のクラッド層上に活性層を形成する工程と、前記活性層上に第2のクラッド層を形成する工程と、前記第2のクラッド層上にトラップ層を形成する工程と、前記トラップ層上に、In組成比とAl組成比を略直線的に変化させて、格子定数を徐々に変化させた組成式InGaAl1−x−yP(x=0.5→0、y≠0、1−x−y=0.35→0)で表されるグレーデッド層を形成する工程と、前記グレーデッド層とGaP基板とを接着する工程と、前記GaAs基板と前記エッチングストップ層を除去する工程とを具備することを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  4. 前記グレーデッド層の前記GaP基板との接合面側上に、さらに前記GaP基板と同組成の薄膜層を形成する工程を含み、この薄膜層を介して前記GaP基板と接着されることを特徴とする請求項3記載の半導体発光素子の製造方法。
  5. 前記グレーデッド層上に、前記グレーデッド層とエッチング選択性をもつ表面保護層を形成する工程を含むこと特徴とする請求項3記載の半導体発光素子の製造方法。
  6. 前記接着工程における最高加熱処理温度が、600℃以上でエピタキシャル成長温度より低い温度であることを特徴とする請求項3ないし請求項5記載の半導体発光素子の製造方法。
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