JP2019071473A - 発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】発光部と窓層兼支持基板を有する発光素子において、発光部と窓層兼支持基板の表面のより多くの領域を粗面化することで外部量子効率を高めた発光素子を提供する。【解決手段】発光素子1は、発光部が除去された除去部170と、除去部以外の非除去部180と、非除去部の第一半導体層103の表面上に設けられた第一オーミック電極121と、除去部の窓層兼支持基板107の表面上に設けられた第二オーミック電極122とを有し、第一半導体層の表面及び発光部の側面の少なくとも一部は絶縁保護膜150で被覆され、第一半導体層の表面上の第一オーミック電極の形成部以外と、窓層兼支持基板の表面上の除去部における第二オーミック電極の形成部以外と、窓層兼支持基板の側面及び裏面とが粗面化されたものであることを特徴とする発光素子。【選択図】図1

Description

本発明は、発光素子及びその製造方法に関し、特に基板上にエピタキシャル成長によって第一半導体層、活性層、第二半導体層、窓層兼支持基板を形成し、基板を除去した後に電極を形成した発光素子へ粗面化処理を施す発光素子及びその製造方法に関する。
発光素子チップをパッケージする際には従来、パッケージに反射膜を設けてその底部にチップをマウントし、マウントに用いた接着剤と反対側(チップ上方)へ光を取り出すことを前提としてチップ設計が成されている。
従って、従来技術においては、チップ上方もしくは下方といった光取り出しの方向のみを粗面化(フロスト・凹凸形状)した提案がなされている。このタイプの場合、非光取出面で反射した光は、光取り出し面から出光する前に、必ず活性層を通って何度か多重反射を繰り返す。活性層は発光層であると共に光吸収層でもあるため、多重反射を繰り返す発光素子は、原理的に光取り出し効率(外部量子効率)を上げることができない。理想的には発光素子全面に粗面化処理を施しておくことが外部量子効率の向上には重要である。
AlGaInP系材料の粗面化処理の従来技術として、特許文献1ではクラッド層表面に反応速度の遅いRIE法によって粗面を形成する方法が開示されている。ウェット法ではクラッド層に対してエッチング速度が速くなり、粗面化が困難である。従って、開示技術では、RIE(ICP)を用いる他はない。特許文献2ではフォトリソグラフィーによりレジストパターンを形成し、ウェットエッチングを用いる方法が開示されている。この方法ではエッチングする領域をレジスト開口部に限るため、エッチング速度を制御しやすい。
ところで、黄色〜赤色で発光する発光素子においては、発光部をAlGaInP系材料で構成し、窓層部をGaAsP系材料で構成するのが一般的である。GaAsPはウェットエッチングに対しては難エッチング材であり、AlGaInP系は易エッチング材である。そのため、AlGaInP系発光部をウェットエッチングできる材料では一般にGaAsP系窓層をエッチングできず、GaAsP系窓層をウェットエッチング可能なエッチング材は一般にAlGaInP系発光部を過激にエッチングする。また、GaAsP系のみに粗面を施し、AlGaInP系をエッチングしない方法は、特許文献3に開示されているが、開示されている方法で、発光部と窓層を同時に粗面化ができない。従って、AlGaInP系発光部とGaAsP系窓層の両方を粗面化を施すことは従来困難であった。
特開2010−251531号公報 特許第5245529号 特許第4154731号号
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであって、発光部と窓層兼支持基板を有する発光素子において、発光部と窓層兼支持基板の表面のより多くの領域を粗面化することで外部量子効率を高めた発光素子を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明によれば、窓層兼支持基板と、前記窓層兼支持基板の表面上に設けられ、少なくともAlを含む第二導電型の第二半導体層、活性層、第一導電型の第一半導体層とをこの順に含む発光部とを有する発光素子において、
前記発光素子は、前記発光部が除去された除去部と、前記除去部以外の非除去部と、該非除去部の前記第一半導体層の表面上に設けられた第一オーミック電極と、前記除去部の前記窓層兼支持基板の表面上に設けられた第二オーミック電極とを有し、
前記第一半導体層の表面及び前記発光部の側面の少なくとも一部は絶縁保護膜で被覆され、
前記第一半導体層の表面上の前記第一オーミック電極の形成部以外と、前記窓層兼支持基板の表面上の前記除去部における前記第二オーミック電極の形成部以外と、前記窓層兼支持基板の側面及び裏面とが粗面化されたものであることを特徴とする発光素子を提供する。
このようなものであれば、第一半導体層の表面上の第一オーミック電極の形成部以外と、窓層兼支持基板の表面上の除去部における第二オーミック電極の形成部以外と、窓層兼支持基板の側面及び裏面とが粗面化されているため、外部量子効率を高めた発光素子とすることができる。
このとき、前記第一半導体層は、少なくとも二層以上の構造からなり、粗面化処理が施される側の層が、活性層側の層に比べ、Al組成が少ない材料からなるものであることが好ましい。
このようなものであれば、クラッド層のキャリア閉じ込め効果を維持しつつ、所望の粗面形状を得るために必要なエッチング深さを抑制し、ワイヤーボンディング時にチップ割れが生じることを抑制した発光素子とすることができる。
またこのとき、前記第一半導体層の粗面化処理が施される側の層は、
(AlGa1−xIn1−yP(0≦x<0.6、0.4≦y≦0.6)あるいはAlGa1−zAs(0≦z≦0.3)からなり、
前記第一半導体層の活性層側の層は、
(AlGa1−xIn1−yP(0.6≦x≦1、0.4≦y≦0.6)あるいはAlGa1−zAs(0.3<z≦1)からなるものであることが好ましい。
このようなものであれば、クラッド層のキャリア閉じ込め効果を維持しつつ、所望の粗面形状を得るために必要なエッチング深さを抑制し、ワイヤーボンディング時にチップ割れが生じることを抑制した発光素子とすることがより確実にできる。
また、本発明によれば、基板上に、該基板と格子整合系の材料で少なくともAlを含む第一半導体層、活性層、第二半導体層を順次エピタキシャル成長により成長させて発光部を形成する工程と、該発光部の上に前記基板に対して非格子整合系の材料で窓層兼支持基板をエピタキシャル成長により形成する工程と、前記基板を除去する工程と、前記第一半導体層の表面上に第一オーミック電極を形成する工程と、前記第一半導体層の表面上の前記第一オーミック電極の形成部以外の少なくとも一部を粗面化する第一粗面化処理工程と、前記発光部の一部を除去して除去部と、それ以外の非除去部を形成する素子分離工程と、前記除去部の前記窓層兼支持基板の表面上に第二オーミック電極を形成する工程と、前記第一半導体層の表面及び前記発光部の側面の少なくとも一部を絶縁保護膜で被覆する工程と、前記窓層兼支持基板の表面上の前記除去部における前記第二オーミック電極の形成部以外と、前記窓層兼支持基板の側面及び裏面とを別々に又は同時に粗面化する第二粗面化処理工程とを有することを特徴とする発光素子の製造方法を提供する。
このようにすれば、第一半導体層の表面上の第一オーミック電極の形成部以外と、窓層兼支持基板の表面上の除去部における第二オーミック電極の形成部以外と、窓層兼支持基板の側面及び裏面とを粗面化することができるため、外部量子効率を高めた発光素子を製造することができる。
このとき、前記第二粗面化処理工程において、前記窓層兼支持基板の表面上の前記除去部における前記第二オーミック電極の形成部以外と、前記窓層兼支持基板の側面及び裏面とを別々に粗面化する場合に、
前記窓層兼支持基板の表面上の前記除去部における前記第二オーミック電極の形成部以外の粗面化は、前記第二オーミック電極を形成する工程の前に行うことができる。
このようにすれば、例えば、除去部を形成する際に、窓層兼支持基板の表面上の除去部における第二オーミック電極の形成部以外の粗面化を同時に行うことができるため効率的である。
またこのとき、前記発光部を形成する工程において、
前記第一半導体層を、少なくとも二層以上の構造からなり、粗面化処理が施される側の層が、活性層側の層に比べ、Al組成が少ない材料からなるもので形成することが好ましい。
このようにすれば、クラッド層のキャリア閉じ込め効果を維持しつつ、所望の粗面形状を得るために必要なエッチング深さを抑制し、ワイヤーボンディング時にチップ割れが生じることを抑制した発光素子を製造することができる。
具体的には、前記第一半導体層の粗面化処理が施される側の層を、
(AlGa1−xIn1−yP(0≦x<0.6、0.4≦y≦0.6)あるいはAlGa1−zAs(0≦z≦0.3)とし、
前記第一半導体層の活性層側の層を、
(AlGa1−xIn1−yP(0.6≦x≦1、0.4≦y≦0.6)あるいはAlGa1−zAs(0.3<z≦1)とすることができる。
このようにすれば、クラッド層のキャリア閉じ込め効果を維持しつつ、所望の粗面形状を得るために必要なエッチング深さを抑制し、ワイヤーボンディング時にチップ割れが生じることを抑制した発光素子をより確実に製造することができる。
またこのとき、前記第一粗面化処理工程は、
有機酸と無機酸の混合液が用いられ、前記有機酸は、クエン酸・マロン酸・蟻酸・酢酸・酒石酸のいずれか一種類以上含有し、前記無機酸は、塩酸・硫酸・硝酸・弗酸のいずれか一種類以上を含有する溶液で行い、
前記第二粗面化処理工程において、前記窓層兼支持基板の表面上の前記除去部における前記第二オーミック電極の形成部以外と、前記窓層兼支持基板の側面及び裏面の粗面化は、
有機酸と無機酸を含む混合液が用いられ、前記有機酸は、クエン酸・マロン酸・蟻酸・酢酸・酒石酸の有機酸からいずれか1種類以上を含み、かつ、前記無機酸は、塩酸・硫酸・硝酸・弗酸のいずれか1種類以上を含み、かつ、沃素を含む溶液で行うことが好ましい。
このようにすれば、確実に求める凹凸の大きさの粗面を有する発光素子を製造することができる。
またこのとき、前記第一粗面化処理工程は、
有機酸と無機酸の混合液が用いられ、前記有機酸は、クエン酸・マロン酸・蟻酸・酢酸・酒石酸のいずれか一種類以上含有し、前記無機酸は、塩酸・硫酸・硝酸・弗酸のいずれか一種類以上を含有する溶液で行い、
前記第二粗面化処理工程において、
前記窓層兼支持基板の表面上の前記除去部における前記第二オーミック電極の形成部以外の粗面化は、塩酸ガス含有のICPプラズマエッチングによるドライエッチングで行い、
前記窓層兼支持基板の側面及び裏面の粗面化は、有機酸と無機酸を含む混合液が用いられ、前記有機酸は、クエン酸・マロン酸・蟻酸・酢酸・酒石酸の有機酸からいずれか1種類以上を含み、かつ、前記無機酸は、塩酸・硫酸・硝酸・弗酸のいずれか1種類以上を含み、かつ、沃素を含む溶液で行うことが好ましい。
このようにしても、確実に求める凹凸の大きさの粗面を有する発光素子を製造することができる。
本発明の発光素子及び発光素子の製造方法であれば、第一半導体層の表面上の第一オーミック電極の形成部以外と、窓層兼支持基板の表面上の除去部における第二オーミック電極の形成部以外と、窓層兼支持基板の側面及び裏面とが粗面化されているため、外部量子効率を高めた発光素子を実現できる。
本発明の発光素子の一例を示した概略図である。 本発明の発光素子の製造方法の第一の実施形態を示した工程図である。 本発明の発光素子の製造方法の第一の実施形態の製造過程における基板上に選択エッチング層と発光部と窓層兼支持基板を成長させたエピタキシャル基板を示す概略図である。 本発明の発光素子の製造方法の第一の実施形態の製造過程におけるエピタキシャル基板から基板及び第二選択エッチング層を除去した発光素子基板を示す概略図である。 本発明の発光素子の製造方法の第一の実施形態の製造過程における第一オーミック電極が形成された発光素子基板の概略図である。 本発明の発光素子の製造方法の第一の実施形態の製造過程における第一粗面化処理が行われた発光素子基板の概略図である。 本発明の発光素子の製造方法の第一の実施形態の製造過程における素子分離工程を行った発光素子基板の概略図である。 本発明の発光素子の製造方法の第一の実施形態の製造過程における第二オーミック電極を形成し、絶縁保護膜を形成した発光素子基板の概略図である。 本発明の発光素子の製造方法の第二の実施形態を示した工程図である。 本発明の発光素子の製造方法の第二の実施形態の製造過程における第一粗面化処理が行われた発光素子基板の概略図である。 本発明の発光素子の製造方法の第二の実施形態の製造過程における素子分離工程を行い、第二オーミック電極を形成した発光素子基板の概略図である。 本発明の発光素子の製造方法の第二の実施形態の製造過程における絶縁保護膜を形成した発光素子基板の概略図である。 本発明の発光素子の製造方法の第二の実施形態により製造された発光素子を示した概略図である。 実施例1、実施例2及び比較例で製造した発光素子を使用して作製したランプの輝度特性を比較したグラフである。 実施例1、実施例2及び比較例で製造した発光素子を使用して作製したランプの外部量子効率を比較したグラフである。
以下、本発明について実施の形態を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
上述したように、発光部と窓層兼支持基板を有する発光素子において、発光部と窓層兼支持基板の表面のより多くの領域を粗面化することで外部量子効率を高めた発光素子が望まれていた。そこで、本発明者はこのような問題を解決すべく鋭意検討を重ねた。その結果、第一半導体層の表面上の第一オーミック電極の形成部以外と、窓層兼支持基板の表面上の除去部における第二オーミック電極の形成部以外と、窓層兼支持基板の側面及び裏面とが粗面化された発光素子であれば、外部量子効率を高めた発光素子とすることができることに想到した。そして、これらを実施するための最良の形態について精査し、本発明を完成させた。
まず、本発明の発光素子について図1を参照して説明する。
図1に示すように、本発明の発光素子1は、窓層兼支持基板107と、窓層兼支持基板107の表面上に設けられ、少なくともAlを含む第二導電型の第二半導体層105、活性層104、第一導電型の第一半導体層103とをこの順に含む発光部108とを有している。
発光素子1は、発光部108が除去された除去部170と、除去部170以外の非除去部180とを有している。そして、非除去部180の第一半導体層103の表面上に設けられた第一オーミック電極121と、除去部170の窓層兼支持基板107の表面上に設けられた第二オーミック電極122とを有している。
第一オーミック電極121は、図1に示すように、第一半導体層103上に、第一選択エッチング層102Bを介して設けたものであっても良い。
第一半導体層103の表面及び発光部108の側面の少なくとも一部は絶縁保護膜150で被覆されている。
第一半導体層103の表面上の第一オーミック電極121の形成部以外と、窓層兼支持基板107の表面上の除去部170における第二オーミック電極122の形成部以外と、窓層兼支持基板107の側面及び裏面とが粗面化されたものである。
ここで、第一半導体層103は、少なくとも二層以上の構造からなり、粗面化処理が施される側の層(以下、低Al組成層103Aという)が、活性層104側の層(以下、高Al組成層103Bという)に比べ、Al組成が少ない材料からなるものであることが好ましい。
このようなものであれば、クラッド層のキャリア閉じ込め効果を維持しつつ、過度のエッチングによる、パッド電極部の機械強度が低下し、ワイヤーボンディング時にチップ割れが生じることを抑制し、求める凹凸の大きさの粗面を得る発光素子とすることができる。
具体的には、低Al組成層103Aは、(AlGa1−xIn1−yP(0≦x<0.6、0.4≦y≦0.6)あるいはAlGa1−zAs(0≦z≦0.3)からなり、高Al組成層103Bは、(AlGa1−xIn1−yP(0.6≦x≦1、0.4≦y≦0.6)あるいはAlGa1−zAs(0.3<z≦1)からなるものとすることができる。
このようなものであれば、確実にクラッド層のキャリア閉じ込め効果を維持しつつ、過度のエッチングによる、パッド電極部の機械強度が低下し、ワイヤーボンディング時にチップ割れが生じることを抑制し、求める凹凸の大きさの粗面を得ることができる。
このような本発明の発光素子であれば、第一半導体層の表面上の第一オーミック電極の形成部以外と、窓層兼支持基板の表面上の除去部における第二オーミック電極の形成部以外と、窓層兼支持基板の側面及び裏面とが粗面化されているため、外部量子効率を高めた発光素子とすることができる。
(発光素子の製造方法の第一の実施形態)
次に、本発明の発光素子の製造方法の第一の実施形態について、図1〜図8を参照して説明する。
まず、図3に示すように出発基板として、基板101を用意する(図2のSP1)。
基板101として、結晶軸が[001]方向より[110]方向に傾斜した基板(出発基板)101を用いることが好ましい。また、基板101としては、GaAsまたはGeを好適に用いることができる。このようにすれば、後述する活性層104の材料を格子整合系でエピタキシャル成長を行うことができるため、活性層104の品質を向上させやすく、輝度上昇や寿命特性の向上が得られる。
次に、基板101の上に選択エッチング層102を形成してもよい(図2のSP2)。
選択エッチング層102は、基板101の上に、例えばMOVPE法(有機金属気相成長法)やMBE(分子線エピタキシー法)、CBE(化学線エピタキシー法)により形成することができる。
選択エッチング層102は、二層以上の層構造から成り、基板101に接する第二選択エッチング層102Aと、後述する第一半導体層103に接する第一選択エッチング層102Bを少なくとも有することが好ましい。第二選択エッチング層102Aと第一選択エッチング層102Bは異なる材料あるいは組成から構成しても良い。
次に、基板101と格子整合系の第一導電型の第一半導体層103、活性層104、第二導電型の第二半導体層105を順次エピタキシャル成長により成長させて発光部108を形成する(図2のSP3)。
次に、発光部108の上に基板101に対して非格子整合系の材料で窓層兼支持基板107をエピタキシャル成長により形成して、エピタキシャル基板109を作製する(図2のSP4)。
上記SP3、4において、具体的には、図3に示すように、第一導電型の第一半導体層103、活性層104、第二導電型の第二半導体層105からなる発光部108上に、緩衝層106、窓層兼支持基板107をこの順にエピタキシャル成長したエピタキシャル基板109を作製することができる。
活性層104は発光波長に応じて(AlGa1−xIn1−yP(0≦x≦1、0.4≦y≦0.6)またはAlGa1―zAs(0≦z≦0.45)で形成することができる。例えば、可視光照明に適用する場合、AlGaInPを選択するのが好適であり、赤外照明に適用する場合、AlGaAsを選択するのが好適である。ただし、活性層104の設計に関しては、超格子等の利用により波長は材料組成に起因する波長以外に調整可能であるため、上記の材料に限られない。
第一半導体層103、第二半導体層105はAlGaInPもしくはAlGaAsが選択され、その選択は活性層104と必ずしも同一の材料系でなくともよい。
本実施形態においては、最も単純な構造である第一半導体層103、発光層104、第二半導体層105が同一材料であるAlGaInPの場合を例示するが、第一半導体層103あるいは第二半導体層105は特性向上のため、各層内には複数層が含まれるのが一般的であり、第一半導体層103あるいは第二半導体層105が単一層であることに限定されないことは言うまでもない。
このとき、第一半導体層103は二層以上の構造からなるものとする。第一半導体層103の粗面化処理が施される側の低Al組成層103Aが、活性層側の高Al組成層103Bに比べ、Al組成が少ない材料からなるもので形成することが好ましい。
このようにすれば、クラッド層のキャリア閉じ込め効果を維持しつつ、過度のエッチングによる、パッド電極部の機械強度が低下し、ワイヤーボンディング時にチップ割れが生じることを抑制し、求める凹凸の大きさの粗面を得る発光素子を製造することができる。
例えば、低Al組成層103Aの厚さは、0.3μm以上とすることができる。ここで、高Al組成層103Bはクラッド層の機能を有する機能層であり、単一組成あるいは単一条件層に限定されない。
具体的には、低Al組成層103Aを、(AlGa1−xIn1−yP(0≦x<0.6、0.4≦y≦0.6)あるいはAlGa1−zAs(0≦z≦0.3)とし、高Al組成層103Bを、(AlGa1−xIn1−yP(0.6≦x≦1、0.4≦y≦0.6)あるいはAlGa1−zAs(0.3<z≦1)とすることができる。
このようにすれば、高Al組成層103Bによって確実にクラッド層のキャリア閉じ込め効果を維持しつつ、過度のエッチングによる、パッド電極部の機械強度が低下し、ワイヤーボンディング時にチップ割れが生じることを抑制するとともに、低Al組成層103Aによって、求める凹凸の大きさの粗面を得ることができる。
窓層兼支持基板107としては、GaAsPまたはGaPを好適に用いることができる。窓層兼支持基板107をGaAsPまたはGaPで形成した場合、緩衝層106はInGaPで形成するのが最も好適であるが、緩衝層106は、緩衝機能のある材料であればいかなる材料の選択も可能で、これに限定されないことは言うまでもない。また、窓層兼支持基板107は格子整合系の材料であるAlGaAsで形成することも可能である。また、窓層兼支持基板107として、GaAsPを選択すると、耐候性が良好である。しかし、GaAsPと、AlGaInP系材料またはAlGaAs系材料との間には大きな格子不整が存在するため、GaAsPには高密度のひずみや貫通転位が入る。その結果、エピタキシャル基板109は大きな反りを有する。
ここで、自然超格子の形成による波長シフトを防止するため、発光部108は、成長面に対して結晶学的に12度以上傾斜して成長が行われることが好ましい。この傾斜方向は、どの方向に選択することも可能だが、スクライブ・ブレーキング工程で素子を分離する工程を採用する場合、スクライブ線の一方には結晶軸が傾斜せず直交する方向を選択し、スクライブ線の他方には結晶軸が傾斜する方向を選択すれば、素子側面が素子表面及び裏面に対して傾斜する面を少なくできる。従って、通常はスクライブ線の一方は傾斜しない方向が選択されるが、20度程度の素子側面の傾斜は、アセンブリ上は大きな問題にならない。従って、上記直交方向は、厳密に一致する必要はなく、直交方向より±20度程度の角度範囲は直交方向に概念的に含まれる。
次に、エピタキシャル基板109から基板101及び第二選択エッチング層102Aを除去して、図4に示すように発光素子基板110の第一半導体層103の表面に第一選択エッチング層102Bのみを残留させる(図2のSP5)。
具体的には、エピタキシャル基板109から第二選択エッチング層102Aを用いてウェットエッチング法により基板101を除去することで、第一半導体層103の表面に第一選択エッチング層102Bのみを残留させることができる。
次に、図5に示すように、第一半導体層103上の第一選択エッチング層102Bの表面に、発光素子へ電位を供給するための第一オーミック電極121を形成する(図2のSP6)。
次に、図5に示すように、第一オーミック電極121の下部以外の領域の第一選択エッチング層102Bを除去する(図2のSP7)。
具体的には、第一オーミック電極121をエッチングマスクとし、第一オーミック電極121の下部以外の領域の第一選択エッチング層102Bを、エッチングにより除去することができる。
なお、第一選択エッチング層102Bを第一粗面液に対して選択エッチング性がある材料で構成することで、第一粗面液は第一オーミック電極の形状に沿ってファセット面を形成する。このようにして、第一選択エッチング層102Bを第一オーミック電極121の下部に設けることにより、第一オーミック電極121の下部へのオーバーエッチングの発生を防止することができる。
次に、図6に示すように第一半導体層103の表面上の第一オーミック電極121の形成部以外の少なくとも一部を粗面化する第一粗面化処理工程を行う(図2のSP8)。
具体的には、フォトリソグラフィー法により、第二オーミック電極形成予定領域122aにレジストマスク123を設けて、無機酸と有機酸の混合液からなる第一粗面液にて、第一半導体層103の表面上の第一オーミック電極121の形成部と、第二オーミック電極形成予定領域122aを除いた部分に第一粗面化処理を行う。
第一粗面化処理工程は、有機酸と無機酸の混合液が用いられ、前記有機酸としてカルボン酸、特には、クエン酸・マロン酸・蟻酸・酢酸・酒石酸のいずれか一種類以上含有し、前記無機酸は塩酸・硫酸・硝酸・弗酸のいずれか一種類以上を含有する溶液(以下、第一粗面液ともいう)を用いて行うことができる。
このとき、第一粗面液は主として、低Al組成層103Aに対して第一粗面化処理を施すことが好ましい。低Al組成層103Aと高Al組成層103Bが同系統の材料、例えば、両者共にAlGaInP系の材料で形成した場合、高Al組成層103Bの方が低Al組成層103Aよりエッチングが速くなるため、高Al組成層103Bへのエッチングが好ましくない場合は低Al組成層103Aの厚さを、エッチング予定幅より厚く形成することが好ましい。一方、低Al組成層103Aで生じた凹凸をエッチング用パターンとして高Al組成層103Bの一部をエッチングし、凹凸を大きくしたい場合は、エッチング予定幅より薄く低Al組成層103Aを形成することが好ましい。
このように、粗面化処理する層を低Al組成層とすることで、粗面化処理を容易に行うことができる。一方、下部層側のAl組成を粗面化処理層より高Al組成とすることで、キャリア閉じ込め効果を容易に高めることができる。従って、効果的な粗面を有しつつ、キャリア閉じ込め効果が高い発光素子を実現することができる。
第一粗面化処理工程において、粗面の凹凸の大きさは、Rz(最大−最小高低差)をRz≧0.02μm、より好ましくは、Rz≧0.2μmの範囲とすることが好ましい。また、Rz≦2.5μm以下であれば、後に行う保持テープに転写する際に表面が破損することを防止することができる。
第一粗面化処理工程後に、第二オーミック電極形成予定領域122aに設けたレジストマスク123を除去する。
次に、図7に示すように、発光部108の一部を除去して除去部170と、それ以外の非除去部180を形成する素子分離工程を行う。このとき同時に、窓層兼支持基板107の表面上の除去部170における第二オーミック電極の形成部141以外の第二粗面化処理を行う(図2のSP9)。
具体的には、例えば、フォトリソグラフィー法により、図6における第一半導体層103上の所定の領域140を開口させたパターンを形成し、塩酸ガス含有のICPプラズマエッチング法にて領域140の発光部108をエッチングし、図7に示すように、窓層兼支持基板107を露出させた部分(除去部170)を形成する。除去部170は第一粗面化処理工程で形成した粗面パターンを踏襲するが、第二オーミック電極の形成部141の部分は、第一粗面化処理工程で粗面を形成しておらず、粗面パターンと成らずに平坦な面が形成される。
このようにすれば、除去部170を形成するエッチングと、窓層兼支持基板107の表面上の除去部170における第二オーミック電極の形成部141以外の第二粗面化処理を同時に行うことができるため効率的である。
次に、図8に示すように、除去部170の窓層兼支持基板107の表面上に第二オーミック電極122を形成する(図2のSP10)。
第二オーミック電極122は、図7に示した、粗面が形成されていない平坦な面の第二オーミック電極の形成部141に形成することができる。
次に、図8に示すように、第一半導体層103の表面及び発光部108の側面の少なくとも一部を絶縁保護膜150で被覆する(図2のSP11)。
絶縁保護膜150は透明で絶縁性を有する材料であれば、どのような材料でも可能である。絶縁保護膜150としては、例えばSiOもしくはSiNを用いることが好適である。このようなものであれば、フォトリソグラフィー法と弗酸を含有したエッチング液によって、第一オーミック電極121及び第二オーミック電極122の上部を開口する加工を容易に行うことができる。
次に、図1に示すように、窓層兼支持基板107の側面及び裏面を粗面化する第二粗面化処理工程を行う(図2のSP12)。
第二粗面化処理を行う前に、まず、スクライブ領域142(図8参照)に沿ってスクライブ線をけがき、ブレーキングを行うことで発光素子を分離して、発光素子ダイスを形成することが好ましい。発光素子ダイス形成後、窓層兼支持基板107が上面になるように発光素子ダイスを保持テープに転写してから、下記の第二粗面化処理を行うことが好ましい。
第二粗面化処理工程において、窓層兼支持基板107の側面及び裏面の粗面化は、有機酸と無機酸を含む混合液が用いられ、前記有機酸は、クエン酸・マロン酸・蟻酸・酢酸・酒石酸のいずれか1種類以上を含み、かつ、前記無機酸は塩酸、硫酸、硝酸、弗酸のいずれか1種類以上を含み、かつ、沃素を含む溶液(以下、第二粗面液ともいう)を用いて行うことができる。
上述した第一粗面化処理工程で用いた第一半導体層103に施す第一粗面液と、第二粗面化処理工程で窓層兼支持基板107の側面及び裏面に施す第二粗面液とは液組成が異なる。そのため、エッチング特性が異なるため、必然的に第一半導体層103と窓層兼支持基板107が有する粗面の形状及びRは異なったものとなる。
このように、発光素子の製造方法の第一の実施形態は、窓層兼支持基板の表面上の除去部における第二オーミック電極の形成部以外と、窓層兼支持基板の側面及び裏面とを別々に粗面化する方法である。
このようにすれば、除去部に設けられ、窓層兼支持基板と接している第二オーミック電極とを有する発光素子において、第一半導体層の表面上の第一オーミック電極の形成部以外と、窓層兼支持基板の表面上の除去部における第二オーミック電極の形成部以外と、窓層兼支持基板の側面及び裏面とが粗面化されているため、従来に比べて外部量子効率を高めた発光素子を容易に製造することができる。
(発光素子の製造方法の第二の実施形態)
次に本発明の発光素子の製造方法の第二の実施形態について図9〜図13を参照して説明する。
図9は、発光素子の製造方法の第二の実施形態の工程図である。図9に示すように、SP1〜SP7までは、上述した第一の実施形態と同様であるので省略する。
図10に示すように第一半導体層103の表面上の第一オーミック電極形成部以外の少なくとも一部を粗面化する第一粗面化処理工程を行う(図9のSP13)。
具体的には、フォトリソグラフィー法により、素子分離予定領域240にレジストマスク(不図示)を設けて、無機酸と有機酸の混合液からなる第一粗面液にて、第一半導体層103の表面上の第一オーミック電極121形成部と、素子分離予定領域240を除いた部分に第一粗面化処理を行う。
第一粗面化処理工程(SP13)は、上述したような、第一粗面液を用いて行うことができる。
このとき、第一粗面液は主として、低Al組成層103Aに対して第一粗面化処理を施すことが好ましい。低Al組成層103Aと高Al組成層103Bが同系統の材料、例えば、両者共にAlGaInP系の材料で形成した場合、高Al組成層103Bの方が低Al組成層103Aよりエッチングが速くなるため、高Al組成層103Bへのエッチングが好ましくない場合は低Al組成層103Aの厚さを、エッチング予定幅より厚く形成することが好ましい。一方、低Al組成層103Aで生じた凹凸をエッチング用パターンとして高Al組成層103Bの一部をエッチングし、凹凸を大きくしたい場合は、エッチング予定幅より薄く低Al組成層103Aを形成することが好ましい。
このように、粗面化処理する層を低Al組成層とすることで、粗面化処理を容易に行うことができる。一方、下部層側のAl組成を粗面化処理層より高Al組成とすることで、キャリア閉じ込め効果を容易に高めることができる。従って、効果的な粗面を有しつつ、キャリア閉じ込め効果が高い発光素子を実現することができる。
第一粗面化処理工程後に、素子分離予定領域240に設けたレジストマスクを除去する。
次に、図11に示すように、発光部108の一部を除去して除去部270と、それ以外の非除去部280を形成する素子分離工程を行う(図9のSP14)。
具体的には、例えば、フォトリソグラフィー法により、図10における第一半導体層103上の所定の素子分離予定領域240を開口させたパターンを形成し、塩酸ガス含有のICPプラズマエッチング法にて素子分離予定領域240の発光部108をエッチングし、図11に示すように、窓層兼支持基板107を露出させた部分(除去部270)を形成する。エッチングの際、除去部270の窓層兼支持基板107を、深さ2μm以上、望ましくは5μm以上の段差を設けるようにエッチングすることが好ましい。
第一半導体層103〜緩衝層106の厚さは当該エッチング工程の深さに合わせて厚さ設計をされる。
次に、図11に示すように、除去部270の窓層兼支持基板107の表面上に第二オーミック電極222を形成する(図9のSP15)。
次に、図12に示すように、第一半導体層103の表面及び発光部108の側面の少なくとも一部を絶縁保護膜250で被覆する(図9のSP16)。
絶縁保護膜250は透明で絶縁性を有する材料であれば、どのような材料でも可能である。絶縁保護膜250としては、例えばSiOもしくはSiNを用いることが好適である。このようなものであれば、フォトリソグラフィー法と弗酸を含有したエッチング液によって、第一オーミック電極121及び第二オーミック電極222の上部を開口する加工を容易に行うことができる。
次に、図13に示すように、窓層兼支持基板107の表面上の除去部270における第二オーミック電極222の形成部以外と、窓層兼支持基板107の側面及び裏面を粗面化する第二粗面化処理工程を行う(図9のSP17)。
第二粗面化処理を行う前に、まず、スクライブ領域242に沿ってスクライブ線をけがき、ブレーキングを行うことで発光素子を分離して、発光素子ダイスを形成することが好ましい。発光素子ダイス形成後、窓層兼支持基板107が上面になるように発光素子ダイスを保持テープに転写してから、下記の第二粗面化処理を行うことが好ましい。
第二粗面化処理工程(SP17)は、上述したような、第二粗面液を用いて行うことができる。
上述したように、素子分離工程において、図12に示すように、除去部270の窓層兼支持基板107の段差が2μm以上、望ましくは5μm以上設けられていれば、第二粗面液が側方より侵入し、窓層兼支持基板107の表面上の除去部270における第二オーミック電極222の形成部以外の領域に、窓層兼支持基板107の側面及び裏面と同様な粗面を確実に形成することができるので好ましい。
このように、発光素子の製造方法の第二の実施形態は、窓層兼支持基板の表面上の除去部における第二オーミック電極の形成部以外と、窓層兼支持基板の側面及び裏面とを同時に粗面化する方法である。
このようにすれば、除去部に設けられ、窓層兼支持基板と接している第二オーミック電極とを有する発光素子において、第一半導体層の表面上の第一オーミック電極の形成部以外と、窓層兼支持基板の表面上の除去部における第二オーミック電極の形成部以外と、窓層兼支持基板の側面及び裏面とが粗面化されているため、従来に比べて外部量子効率を高めた発光素子を容易に製造することができる。
以下、本発明の実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
第一の実施形態の方法で、結晶軸が[001]方向より[110]方向に15°傾斜した厚さ280μmのn型GaAsからなる基板101上にn型GaAsバッファ層(不図示)を0.5μm、n型AlInP層からなる第二選択エッチング層102Aを1μm、n型GaAs層から成る第一選択エッチング層102Bを1μm成長させた後、MOVPE法でAlGaInPから成るn型クラッド層(第一半導体層103)、活性層104、p型クラッド層(第二半導体層105)で構成される発光部108を5.5μm形成し、更にp型GaInPからなる緩衝層106を0.3μm形成し、GaP窓層兼支持基板107の一部としてp型GaPからなる層を1μm形成した。次に、HVPE炉に移してp型GaPからなる窓層兼支持基板107を120μm成長させ、エピタキシャル基板109を得た(図3参照)。
活性層104はAlGaInPから成る多層構造とした。第一半導体層103は、低Al組成層103Aと、高Al組成層103Bからなる二層構造とした。高Al組成層103Bは厚さ2.0μmの(AlGa1−x0.5In0.5P(0.70≦x≦1)から成る多層構造とし、低Al組成層103Aは厚さ0.6μmの(Al0.4Ga0.60.5In0.5Pとした。第二半導体層105は厚さ1.5μmの(AlGa1−x0.5In0.5P(0.3≦x≦1)の多層構造とした。
次に、基板101、GaAsバッファ層および第二選択エッチング層102Aをエッチング除去して、第一選択エッチング層102Bを残留させた発光素子基板110を作製した(図4参照)。
次に、発光素子基板110の第一選択エッチング層102B上へ第一オーミック電極121を形成し(図5参照)、第一オーミック電極121をマスクとしてSPM処理にて第一選択エッチング層102Bを選択的に除去した。
次に、第一半導体層103の最も上の層に位置する低Al組成層103A表面に第一粗面化処理工程を施した(図6参照)。第一粗面液は酢酸と塩酸の混合液を作製し、常温で1分エッチングすることで粗面化処理を実現した。このときの第一半導体層103表面の粗面の粗さRaを測定した。その結果、Ra=0.32μmであった。また、この粗さを実現するため第一粗面化処理のエッチング深さの平均は0.41μmであった。
次に、フォトリソグラフィー法により、領域140(図6参照)以外をレジストで被覆し、塩酸ガス含有のICPプラズマエッチング法にて素子分離工程を実施し、発光部108を除去して窓層兼支持基板107が露出した除去部170と、それ以外の非除去部180を形成した(図7参照)。除去部170は第一粗面化処理工程で形成した粗面パターンを踏襲するが、第二オーミック電極の形成部141の部分は、第一粗面化処理工程で粗面を形成しておらず、粗面パターンと成らずに平坦な面が形成される。
次に、図7の第二オーミック電極の形成部141に第二オーミック電極122を形成した(図8参照)。次に、SiOからなる絶縁保護膜150を積層し、第一半導体層103表面及び発光部108の側面を絶縁保護膜150で被覆した。そして、第一オーミック電極121及び第二オーミック電極122の部分をフォトリソグラフィー法と弗酸エッチングにより、絶縁保護膜150に開口部を形成した。
次に、スクライブ領域142に沿ってスクライブ線をけがき、スクライブ線に沿ってクラック線を伸ばし、その後、ブレーキングを行うことで素子を分離し、発光素子ダイスを形成した。
発光素子ダイス形成後、第一オーミック電極が設けられている面がテープ面側になるように保持テープに発光素子ダイスを転写し、その後、窓層兼支持基板107の側面及び裏面を粗面化する第二粗面化処理工程を実施した(図1参照)。第二粗面化処理工程で窓層兼支持基板107の側面及び裏面を粗面化を行う際に用いる粗面液は、酢酸と弗酸、沃素の混合液を作製した。そして、常温で1分エッチングすることで第二粗面化処理を行った。このときの窓層兼支持基板107の表面および側面の粗面の粗さを測定したところ、R=0.5μmであった。このようにして発光素子1を製造した。
(実施例2)
第二の実施形態の方法で図10に示すようにフォトリソグラフィー法により、素子分離予定領域240にレジストマスク(不図示)を設け、酢酸と塩酸の混合液からなる第一粗面液にて、第一粗面化処理を行い、図11に示すように、フォトリソグラフィー法により第一半導体層103上の所定の素子分離予定領域240を開口させたパターンを形成し、塩酸ガス含有のICPプラズマエッチング法にて素子分離予定領域240の発光部108をエッチングし、図11に示すように、窓層兼支持基板107を露出させた部分(除去部270)を形成した。除去部270を作成するエッチングの際、除去部270の窓層兼支持基板107を、深さは3μmの段差を設けるようにエッチングし、最後に酢酸と弗酸、沃素の混合液で窓層兼支持基板107の表面上の除去部270における第二オーミック電極222の形成部以外と、窓層兼支持基板107の側面及び裏面を第二粗面化処理して、発光素子11(図13参照)を製造した。
(比較例)
実施例1の図3〜図5までの形成方法は同様だが、図6において第二オーミック電極形成予定領域122aを設けず、かつ、図7の除去部170を設ける工程にてICPプラズマエッチング法を用いず、ウェットエッチングにより選択性により除去部170の窓層兼支持基板107表面を露出させ、第二オーミック電極122を形成した。つまり、比較例における除去部170は第一粗面化処理工程で形成した粗面パターンを踏襲せず、平坦な面が形成されたものである。以後は実施例1と同様の工程を施した発光素子を作製した。即ち、比較例において作製した発光素子は、実施例1で作製した図1の発光素子1の、窓層兼支持基板107の表面上の除去部170における第二オーミック電極122の形成部以外の部分の粗面化がされていないものである。
図14は実施例1と実施例2と比較例で製造した発光素子のチップを使用してランプを作製し、輝度(Power)特性を比較したものである。比較例と比べ、実施例1においては16%前後、実施例2においては12%前後、輝度が上昇していることが分かる。
図15は輝度ではなく、上記のランプの外部量子効率で比較を行ったものである。実施例1においては4%前後、実施例2においては3%前後、外部量子効率が上昇していることが分かる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
1、11…発光素子、 101…基板、 102…選択エッチング層、
102A…第二選択エッチング層、 102B…第一選択エッチング層、
103…第一半導体層、 103A…低Al組成層、 103B…高Al組成層、
104…活性層、 105…第二半導体層、 106…緩衝層、
107…窓層兼支持基板、 108…発光部、 109…エピタキシャル基板、
110…発光素子基板、 121…第一オーミック電極、
122、222…第二オーミック電極、
122a…第二オーミック電極形成予定領域、 123…レジストマスク、
140…領域、 141…第二オーミック電極の形成部、
142、242…スクライブ領域、 150、250…絶縁保護膜、
170、270…除去部、
180、280…非除去部、 240…素子分離予定領域。

Claims (3)

  1. 窓層兼支持基板と、前記窓層兼支持基板の表面上に設けられ、少なくともAlを含む第二導電型の第二半導体層、活性層、第一導電型の第一半導体層とをこの順に含む発光部とを有する発光素子において、
    前記発光素子は、前記発光部が除去された除去部と、前記除去部以外の非除去部と、該非除去部の前記第一半導体層の表面上に設けられた第一オーミック電極と、前記除去部の前記窓層兼支持基板の表面上に設けられた第二オーミック電極とを有し、
    前記第一半導体層の表面及び前記発光部の側面の少なくとも一部は絶縁保護膜で被覆され、
    前記第一半導体層の表面上の前記第一オーミック電極の形成部以外と、前記窓層兼支持基板の表面上の前記除去部における前記第二オーミック電極の形成部以外と、前記窓層兼支持基板の側面及び裏面とが粗面化されたものであることを特徴とする発光素子。
  2. 前記第一半導体層は、少なくとも二層以上の構造からなり、粗面化処理が施される側の層が、活性層側の層に比べ、Al組成が少ない材料からなるものであることを特徴とする請求項1に記載の発光素子。
  3. 前記第一半導体層の粗面化処理が施される側の層は、
    (AlGa1−xIn1−yP(0≦x<0.6、0.4≦y≦0.6)あるいはAlGa1−zAs(0≦z≦0.3)からなり、
    前記第一半導体層の活性層側の層は、
    (AlGa1−xIn1−yP(0.6≦x≦1、0.4≦y≦0.6)あるいはAlGa1−zAs(0.3<z≦1)からなるものであることを特徴とする請求項2に記載の発光素子。
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