JP2007042425A - 平面型表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い安全性や長期信頼性、高い気密性を確保しつつ、コンパクト化、薄型化を維持できる平面型表示装置を提供する。
【解決手段】カソードパネルCPとアノードパネルAPによって挟まれた空間が真空となっている平面型表示装置は、(A)接続部材本体40、並びに、(B)本体部51、第1延在部52及び第2延在部53から構成された導電材料部材50から成るアノード電極接続部材を更に備え、本体部51は、接続部材本体40を貫通した状態で且つ気密シール状態で接続部材本体40に固定されており、第1延在部52は平面型表示装置の外部へと延びており、第2延在部53は空間内に位置するアノード電極の延在部24Aと接触しており、カソードパネルCPとアノードパネルAPとは、それらの周縁部で、枠部材26及び接続部材本体40を介して接合されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、平面型表示装置、より具体的には、支持体上に形成された複数の電子放出領域を備えたカソードパネルと、少なくとも蛍光体層及びアノード電極が基板上に形成されたアノードパネルとから成り、カソードパネルとアノードパネルによって挟まれた空間が真空となっている平面型表示装置に関する。
現在主流の陰極線管(CRT)に代わる画像表示装置として、平面型(フラットパネル形式)の表示装置が種々検討されている。このような平面型の表示装置として、液晶表示装置(LCD)、エレクトロルミネッセンス表示装置(ELD)、プラズマ表示装置(PDP)を例示することができる。また、電子放出素子を備えたカソードパネルを組み込んだ平面型表示装置の開発も進められている。ここで、電子放出素子として、冷陰極電界電子放出素子、金属/絶縁膜/金属型素子(MIM素子とも呼ばれる)、表面伝導型電子放出素子が知られており、これらの冷陰極電子源から構成された電子放出素子を備えたカソードパネルを組み込んだ平面型表示装置は、高解像度、高輝度のカラー表示、及び、低消費電力の観点から注目を集めている。
電子放出素子としての冷陰極電界電子放出素子を組み込んだ平面型表示装置である冷陰極電界電子放出表示装置(以下、表示装置と略称する場合がある)は、一般に、複数の冷陰極電界電子放出素子(以下、電界放出素子と略称する場合がある)を備えたカソードパネルCPと、電界放出素子から放出された電子との衝突により励起されて発光する蛍光体層を有するアノードパネルAPとが、高真空に維持された空間を介して対向配置された構成を有する。ここで、カソードパネルCPは、2次元マトリクス状に配列された各画素に対応した電子放出領域を有し、各電子放出領域には、1又は複数の電界放出素子が設けられている。電界放出素子として、スピント型、扁平型、エッジ型、平面型等を挙げることができる。
一例として、スピント型電界放出素子を有する従来の表示装置の概念的な一部端面図を図14に示し、カソードパネルCP及びアノードパネルAPを分解したときのカソードパネルCPとアノードパネルAPの一部分の模式的な分解斜視図を図15に示し、従来のアノードパネルAPにおけるアノード電極、枠部材等の模式的な配置図を図13の(B)に示す。尚、図13の(B)においては、アノード電極及び枠部材を明示するために、これらに斜線を付した。
この表示装置を構成するスピント型電界放出素子は、支持体10に形成されたカソード電極11と、支持体10及びカソード電極11上に形成された絶縁層12と、絶縁層12上に形成されたゲート電極13と、ゲート電極13及び絶縁層12に設けられた開口部14(ゲート電極13に設けられた第1開口部14A、及び、絶縁層12に設けられた第2開口部14B)と、開口部14の底部に位置するカソード電極11上に形成された円錐形の電子放出部15から構成されている。
あるいは又、略平面状の電子放出部15Aを有する、所謂扁平型電界放出素子を有する表示装置の概念的な一部端面図を図16に示す。この電界放出素子は、支持体10上に形成されたカソード電極11と、支持体10及びカソード電極11上に形成された絶縁層12と、絶縁層12上に形成されたゲート電極13と、ゲート電極13及び絶縁層12に設けられた開口部14(ゲート電極13に設けられた第1開口部14A、及び、絶縁層12に設けられた第2開口部14B)と、開口部14の底部に位置するカソード電極11上に形成された電子放出部15Aから構成されている。電子放出部15Aは、例えば、マトリックスに一部分が埋め込まれた多数のカーボン・ナノチューブから構成されている。
これらの表示装置において、カソード電極11は、第1方向(図14あるいは図16のY方向参照)に延びる帯状であり、ゲート電極13は、第1方向とは異なる第2方向(図14あるいは図16のX方向参照)に延びる帯状である(図15参照)。一般に、カソード電極11とゲート電極13とは、これらの両電極11,13の射影像が互いに直交する方向に各々帯状に形成されている。帯状のカソード電極11と帯状のゲート電極13とが重複する重複領域が、電子放出領域EAであり、1サブピクセルに相当する。そして、係る電子放出領域EAが、カソードパネルCPの有効領域(実際の表示部分として機能する領域)内に、通常、2次元マトリクス状に配列されている。
一方、アノードパネルAPは、基板20上に所定のパターンを有する蛍光体層22(具体的には、赤色発光蛍光体層22R、緑色発光蛍光体層22G、及び、青色発光蛍光体層22B)が形成され、蛍光体層22がアノード電極24で覆われた構造を有する。これらの蛍光体層22の間は、カーボン等の光吸収性材料から成る光吸収層(ブラックマトリックス)23で埋め込まれており、表示画像の色濁り、光学的クロストークの発生を防止している。尚、図中、参照番号21は隔壁を表し、参照番号326は枠部材を表す。図15及び図16においては、隔壁の図示を省略した。
アノード電極24は、蛍光体層22からの発光を反射させる反射膜としての機能の他、蛍光体層22から反跳した電子、あるいは、蛍光体層22から放出された2次電子(以下、これらの電子を総称して、後方散乱電子と呼ぶ)を反射させる反射膜としての機能、蛍光体層22の帯電防止といった機能を有する。また、隔壁21は、後方散乱電子が他の蛍光体層22に衝突し、所謂光学的クロストーク(色濁り)が発生することを防止する機能を有する。
1サブピクセルは、カソードパネル側の電子放出領域EAと、これらの電界放出素子の一群に対面したアノードパネル側の蛍光体層22とによって構成されている。有効領域には、係る画素が、例えば数十万〜数百万個ものオーダーにて配列されている。尚、カラー表示の表示装置においては、1画素(1ピクセル)は、赤色発光サブピクセル、緑色発光サブピクセル、及び、青色発光サブピクセルの組から構成されている。
そして、アノードパネルAPとカソードパネルCPとを、電子放出領域EAと蛍光体層22とが対向するように配置し、周縁部において、フリットガラス(図示せず)が塗布された枠部材326を用いて接合した後、カソードパネルCPに取り付けられたチップ管(図示せず)を介して、カソードパネルCPとアノードパネルAPによって挟まれた空間(より具体的には、カソードパネルCPとアノードパネルAPと枠部材326とによって囲まれた空間であり、以下、単に、空間と呼ぶ)を排気し、チップ管を封じ切ることによって、表示装置を作製することができる。空間は高真空(例えば、1×10-3Pa以下)となっている。
カソード電極11には相対的に負電圧がカソード電極制御回路31から印加され、ゲート電極13には相対的に正電圧がゲート電極制御回路32から印加され、アノード電極24にはゲート電極13よりも更に高い正電圧がアノード電極制御回路33から印加される。係る表示装置において表示を行う場合、例えば、カソード電極11にカソード電極制御回路31から走査信号を入力し、ゲート電極13にゲート電極制御回路32からビデオ信号を入力する。あるいは、カソード電極11にカソード電極制御回路31からビデオ信号を入力し、ゲート電極13にゲート電極制御回路32から走査信号を入力する。カソード電極11及びゲート電極13に電圧を印加した際に生ずる電界により、量子トンネル効果に基づき電子放出部15,15Aから電子が放出され、この電子がアノード電極24に引き付けられ、アノード電極24を通過して蛍光体層22に衝突する。その結果、蛍光体層22が励起されて発光し、所望の画像を得ることができる。つまり、この冷陰極電界電子放出表示装置の動作は、基本的に、ゲート電極13に印加される電圧、及び、カソード電極11に印加される電圧によって制御される。
このような構造を有する表示装置にあっては、何らかの手段を介して、空間内に位置するアノード電極24とアノード電極制御回路33とを電気的に接続しなければならない。そして、このような手段として、例えば、アノード電極24と接続された薄膜電極を、空間内の基板20の部分から、枠部材326と基板20との間、更には、空間外の基板20の部分に形成して、この薄膜電極とアノード電極制御回路33とを配線で接続する方法が採用されている。しかしながら、このような手段は、結線の信頼性や薄膜電極の長期信頼性に問題があるし、更には、耐電圧信頼性向上といった観点から基板20を広くして沿面距離を確保したり、機械的強度を確保するために保護ボックスで薄膜電極を覆う等、デザインや製造コストの点での課題を有している。
一方、カソードパネルを構成する支持体に貫通孔を形成し、この貫通孔にアノード電極に電気的に接続された気密導入端子が固定された構造(例えば、特開2000−251786参照)や、カソードパネルを構成する支持体に貫通孔を形成し、この貫通孔にアノード電極に電気的に接続された蛍光面電位供給用端子を挿入する構造(例えば、特開平5−114372参照)が周知である。これらの構造は、安全性や長期信頼性を確保しつつ、デザイン的にもコンパクト化を維持できるといった利点を有する。
特開2000−251786 特開平5−114372
しかしながら、製造コストや生産性を考慮した場合、これらの特許公開公報に開示された技術には、カソードパネルに貫通孔を形成する工程が追加されること、カソードパネルへの貫通孔形成によって既に形成されたカソード電極等に損傷が生じたり、カソードパネルへの貫通孔形成がダストの発生原因となる虞があること、気密導入端子や蛍光面電位供給用端子を取り付ける際の気密性の維持に問題が生じ易いこと等、解決すべき種々の問題が存在する。
従って、本発明の目的は、カソードパネルに貫通孔を形成する必要が無く、しかも、高い安全性や長期信頼性、高い気密性を確保しつつ、デザイン的にもコンパクト化、薄型化を維持できる、アノード電極と外部のアノード電極制御回路とを電気的に接続するための構成、構造を有する平面型表示装置を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明の第1の態様に係る平面型表示装置は、支持体上に形成された複数の電子放出領域を備えたカソードパネルと、少なくとも蛍光体層及びアノード電極が基板上に形成されたアノードパネルとから成り、カソードパネルとアノードパネルによって挟まれた空間が真空となっている平面型表示装置であって、
(A)接続部材本体、並びに、
(B)本体部、本体部の一端から延びる第1延在部、及び、本体部の他端から延びる第2延在部から構成された導電材料部材、
から成るアノード電極接続部材を更に備え、
導電材料部材の本体部は、接続部材本体を貫通した状態で、且つ、気密シール状態で、接続部材本体に固定されており、
導電材料部材の第1延在部は、平面型表示装置の外部へと延びており、
導電材料部材の第2延在部は、前記空間内に位置するアノード電極の延在部と接触しており、
カソードパネルとアノードパネルとは、それらの周縁部で、枠部材、及び、接続部材本体を介して接合されていることを特徴とする。
本発明の第1の態様に係る平面型表示装置にあっては、
接続部材本体は、非導電性のセラミックス又はガラスから成り、
接続部材本体の底面は、カソードパネルと、第1の接着層を介して接合されており、
接続部材本体の頂面は、アノードパネルと、第2の接着層を介して接合されており、
接続部材本体の対向する2つの側面は、それぞれ、枠部材の端部と、第3の接着層を介して、あるいは、直接、接合されている構成とすることができる。尚、このような構成を、便宜上、本発明の第1Aの態様に係る平面型表示装置と呼ぶ場合がある。ここで、接続部材本体の形状は、概ね、直方体、あるいは立方体である。
あるいは又、本発明の第1の態様に係る平面型表示装置にあっては、
接続部材本体は、フリットガラス焼成品から成り、
接続部材本体の底面はカソードパネルと直接接合され、接続部材本体の頂面はアノードパネルと直接接合され、接続部材本体の対向する2つの側面は、それぞれ、枠部材の端部と直接接合されている構成とすることができる。尚、このような構成を、便宜上、本発明の第1Bの態様に係る平面型表示装置と呼ぶ場合がある。ここで、接続部材本体の形状は、概ね、直方体、あるいは立方体である。
本発明の第1Bの態様に係る平面型表示装置においては、アノード電極の延在部との接触部分の一層の増加を図るために、接続部材本体は導電性のフリットガラス焼成品から成り、接続部材本体の頂面の一部分がアノード電極の延在部と接触している構成とすることもでき、この場合、例えば、焼成によって接続部材本体の頂面とアノードパネルとを接合(接着)する際に接続部材本体の頂面の一部分と接触するアノード電極の延在部に損傷が発生することを防止するといった観点から、接続部材本体の頂面の前記一部分と、接続部材本体の頂面の前記一部分と接触するアノード電極の延在部との間には、導電性の保護膜(例えば、金薄膜等の金属薄膜あるいはカーボン薄膜から成る)が形成されていることが好ましい。より具体的には、接続部材本体の頂面の前記一部分と接触するアノード電極の延在部の表面に、導電性の保護膜が形成されていることが好ましい。アノード電極の延在部は、アノード電極と一体に形成されていてもよいし、アノード電極とは別個に形成されていてもよい。後者の場合、例えば、アノード電極を構成する材料をアルミニウムとし、アノード電極の延在部を構成する材料をカーボンとする形態を例示することができる。
以上の好ましい形態、構成、本発明の第1Aの態様、第1Bの態様を含む本発明の第1の態様に係る平面型表示装置にあっては、配線等を介して外部のアノード電極制御回路に確実に電気的に接続するといった観点から、導電材料部材の第1延在部はピン状である構成とすることが好ましく、また、導電材料部材の第2延在部は、弾性(バネ性)を有することが、導電材料部材の第2延在部を確実にアノード電極の延在部と接触させるといった観点から、好ましい。導電材料部材の第1延在部と導電材料部材の第2延在部と導電材料部材の本体部とを、一体に作製してもよいし、別個に作製してもよいし、導電材料部材の第1延在部と導電材料部材の本体部とを一体に作製し、導電材料部材の第2延在部を別個に作製してもよいし、導電材料部材の第2延在部と導電材料部材の本体部とを一体に作製し、導電材料部材の第1延在部を別個に作製してもよい。
上記の目的を達成するための本発明の第2の態様に係る平面型表示装置は、支持体上に形成された複数の電子放出領域を備えたカソードパネルと、少なくとも蛍光体層及びアノード電極が基板上に形成されたアノードパネルとから成り、カソードパネルとアノードパネルによって挟まれた空間が真空となっている平面型表示装置であって、
(A)導電材料から成る接続部材本体、並びに、
(B)本体部、及び、本体部の一端から延びる延在部から構成された導電材料部材、
から成るアノード電極接続部材を更に備え、
導電材料部材の本体部は、接続部材本体に埋め込まれており、
導電材料部材の延在部は、平面型表示装置の外部へと延びており、
接続部材本体の一部分は、前記空間内に位置するアノード電極の延在部と接触しており、
カソードパネルとアノードパネルとは、それらの周縁部で、枠部材、及び、接続部材本体を介して接合されていることを特徴とする。
本発明の第2の態様に係る平面型表示装置にあっては、
接続部材本体は、導電性のフリットガラス焼成品から成り、
接続部材本体の底面はカソードパネルと直接接合され、接続部材本体の頂面はアノードパネルと直接接合され、接続部材本体の対向する2つの側面は、それぞれ、枠部材の端部と直接接合されており、
接続部材本体の頂面の一部分が、アノード電極の延在部と接触している構成とすることができる。ここで、接続部材本体の形状は、概ね、直方体、あるいは立方体である。そして、この場合、例えば、焼成によって接続部材本体の頂面とアノードパネルとを接合(接着)する際に接続部材本体の頂面の一部分と接触するアノード電極の延在部に損傷が発生することを防止するといった観点から、接続部材本体の頂面の前記一部分と、接続部材本体の頂面の前記一部分と接触するアノード電極の延在部との間には、導電性の保護膜(例えば、金薄膜等の金属薄膜あるいはカーボン薄膜から成る)が形成されていることが好ましい。より具体的には、接続部材本体の頂面の前記一部分と接触するアノード電極の延在部の表面に、導電性の保護膜が形成されていることが好ましい。アノード電極の延在部は、アノード電極と一体に形成されていてもよいし、アノード電極とは別個に形成されていてもよい。後者の場合、例えば、アノード電極を構成する材料をアルミニウムとし、アノード電極の延在部を構成する材料をカーボンとする形態を例示することができる。
以上の好ましい形態、構成を含む本発明の第2の態様に係る平面型表示装置にあっては、配線等を介して外部のアノード電極制御回路に確実に電気的に接続するといった観点から、導電材料部材の延在部は、ピン状であることが好ましく、あるいは又、ボタン状であることが好ましい。
更には、以上の好ましい形態、構成を含む本発明の第2の態様に係る平面型表示装置にあっては、アノード電極の延在部との接触部分の一層の増加を図るために、
アノード電極接続部材は、第2本体部、及び、第2本体部の一端から延びる第2延在部から構成された第2導電材料部材を更に備え、
第2導電材料部材の第2本体部は、接続部材本体に埋め込まれており、
第2導電材料部材の第2延在部は、前記空間内に位置するアノード電極の延在部と接触している構成とすることもでき、この場合、第2導電材料部材の第2延在部は、弾性(バネ性)を有することが、第2導電材料部材の第2延在部を確実にアノード電極の延在部と接触させるといった観点から、好ましい。第2導電材料部材の第2本体部と第2導電材料部材の第2延在部とを、一体に作製してもよいし、別個に作製してもよい。
あるいは又、以上の好ましい形態、構成を含む本発明の第2の態様に係る平面型表示装置にあっては、導電材料部材を構成する本体部及び延在部は中空構造を有し、導電材料部材を構成する本体部の他端は、前記空間に開口しており、導電材料部材の延在部の終端部は、気密シールされている構成とすることができる。このような構成を採用することで、中空構造を有する導電材料部材を介して空間の排気を行うことができる。空間の排気が完了した時点で、空間内を高真空に維持するために、導電材料部材の延在部の終端部を気密シールすればよい。
本発明の第1Aの態様に係る平面型表示装置において、接続部材本体を非導電性のセラミックスから構成する場合、係る非導電性のセラミックスとして、セラミックスとして、ムライトやアルミナ、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、ジルコニア、コーディオライト、硼珪酸塩バリウム、珪酸鉄、ガラスセラミックス材料を例示することができる。一方、本発明の第1Bの態様あるいは第2の態様に係る平面型表示装置において、接続部材本体を導電性のフリットガラス焼成品から構成する場合、係る導電性のフリットガラスにおける導電性付与材として、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)を例示することができる。
また、本発明の第1Aの態様に係る平面型表示装置において、第1の接着層、第2の接着層、第3の接着層を構成する材料として、フリットガラスが一般的であるが、融点が120〜400゜C程度の所謂低融点金属材料を用いてもよい。係る低融点金属材料としては、In(インジウム:融点157゜C);インジウム−金系の低融点合金;Sn80Ag20(融点220〜370゜C)、Sn95Cu5(融点227〜370゜C)等の錫(Sn)系高温はんだ;Pb97.5Ag2.5(融点304゜C)、Pb94.5Ag5.5(融点304〜365゜C)、Pb97.5Ag1.5Sn1.0(融点309゜C)等の鉛(Pb)系高温はんだ;Zn95Al5(融点380゜C)等の亜鉛(Zn)系高温はんだ;Sn5Pb95(融点300〜314゜C)、Sn2Pb98(融点316〜322゜C)等の錫−鉛系標準はんだ;Au88Ga12(融点381゜C)等のろう材(以上の添字は全て原子%を表す)を例示することもできる。
本発明の第1の態様あるいは第2の態様に係る平面型表示装置において、導電材料部材や第2導電材料部材を構成する材料として、ニッケル(Ni)を42重量%含有した鉄(Fe)合金、ニッケル(Ni)を42重量%、クロム(Cr)を6重量%含有した鉄(Fe)合金、表面を銅層によって被覆したデュメット線を例示することができる。アノード電極の延在部と接触している導電材料部材や第2導電材料部材の第2延在部に弾性(バネ性)を付与するためには、導電材料部材の第2延在部を、例えば、「C」字状や「V」字状に曲げればよい。あるいは又、導電材料部材の第1延在部と導電材料部材の本体部とを一体に作製し、導電材料部材の第2延在部を別個に作製する場合や、第2導電材料部材の第2本体部と第2導電材料部材の第2延在部とを別個に作製する場合、導電材料部材の第2延在部や第2導電材料部材の第2延在部を、バネ性の高い金属材料(例えば、ステンレス鋼SUS304やインコネル等)から作製することもできる。また、導電材料部材の延在部がボタン状である場合、導電材料(例えば、ニッケル(Ni)を42重量%含有した鉄(Fe)合金、ニッケル(Ni)を42重量%、クロム(Cr)を6重量%含有した鉄(Fe)合金といった金属や合金)から導電材料部材を構成すればよく、ボタン状の導電材料部材の頂部(延在部)が接続部材本体から突出し、ボタン状の導電材料部材の底部(本体部)が接続部材本体に埋め込まれた状態とすればよい。
本発明の第1の態様に係る平面型表示装置において、1つの本体部の他端から延びる導電材料部材の第2延在部の数は、1であってもよい、2以上の複数であってもよいし、1つの接続部材本体に2以上の複数の導電材料部材が固定されていてもよいし、平面型表示装置に2以上の複数のアノード電極接続部材が備えられていてもよい。また、本発明の第2の態様に係る平面型表示装置において、1つの接続部材本体に2以上の複数の第2導電材料部材が埋め込まれていてもよいし、平面型表示装置に2以上の複数のアノード電極接続部材が備えられていてもよい。また、本発明の第2の態様に係る平面型表示装置において、導電材料部材と第2導電材料部材とは、接触していてもよいし、接触していなくともよい。
本発明の第1Aの態様に係る平面型表示装置におけるアノード電極接続部材は、例えば、先ず、貫通孔を有する接続部材本体を、非導電性のセラミックスを焼成することで作製し、次いで、係る貫通孔に導電材料部材の本体部を挿入し、貫通孔と導電材料部材の本体部との間を、例えば、フリットガラスや銀ロウを用いてハイメチック・シールすることで作製することができる。尚、本発明の第1Aの態様に係る平面型表示装置においては、その後、カソードパネルとアノードパネルとの間に、未焼成の枠部材、及び、未焼成の接着層を配した接続部材本体を配置し、枠部材及び接着層を同時に焼成することで、カソードパネルとアノードパネルとを、それらの周縁部で、枠部材、及び、接続部材本体を介して接合することができる。
一方、本発明の第1Bの態様あるいは本発明の第2の態様に係る平面型表示装置におけるアノード電極接続部材は、例えば、導電材料部材の本体部が埋め込まれた未焼成のフリットガラスを準備し、係るフリットガラスを焼成することで得ることができる。より具体的には、本発明の第1Bの態様あるいは本発明の第2の態様に係る平面型表示装置においては、カソードパネルとアノードパネルとの間に、未焼成の枠部材、及び、導電材料部材の本体部が埋め込まれた未焼成のフリットガラスから成る接続部材本体を配置し、未焼成の枠部材及び接続部材本体を同時に焼成することで、カソードパネルとアノードパネルとを、それらの周縁部で、枠部材、及び、接続部材本体を介して接合することができる。
アノードパネルを構成する基板として、あるいは又、カソードパネルを構成する支持体として、ガラス基板、表面に絶縁膜が形成されたガラス基板、石英基板、表面に絶縁膜が形成された石英基板、表面に絶縁膜が形成された半導体基板を挙げることができるが、製造コスト低減の観点からは、ガラス基板、あるいは、表面に絶縁膜が形成されたガラス基板を用いることが好ましい。ガラス基板として、高歪点ガラス、ソーダガラス(Na2O・CaO・SiO2)、硼珪酸ガラス(Na2O・B23・SiO2)、フォルステライト(2MgO・SiO2)、鉛ガラス(Na2O・PbO・SiO2)、無アルカリガラスを例示することができる。
カソードパネルとアノードパネルとを周縁部において枠部材を用いて接合するが、接合は接着層から成る枠部材を用いて行ってもよいし、あるいは、ガラスやセラミックス等の絶縁剛性材料から成る枠体と接着層とから成る枠部材を用いて行ってもよい。枠体と接着層とを併用する場合には、枠体の高さを適宜選択することにより、接着層のみから成る枠部材を使用する場合に比べ、カソードパネルとアノードパネルとの間の対向距離をより長く設定することが可能である。尚、接着層の構成材料としては、フリットガラスが一般的であるが、融点が120〜400゜C程度の前述した低融点金属材料を用いてもよい。
カソードパネルとアノードパネルと枠部材と接続部材本体を接合する場合、これら四者を同時に接合してもよいし、あるいは、第1段階でカソードパネル又はアノードパネルのいずれか一方と枠部材と接続部材本体とを接合し、第2段階でカソードパネル又はアノードパネルの他方と枠部材と接続部材本体とを接合してもよい。四者同時接合や第2段階における接合を高真空雰囲気中で行えば、カソードパネルとアノードパネルによって挟まれた空間(より具体的には、カソードパネルとアノードパネルと枠部材と接続部材本体とにより囲まれた空間であり、以下、単に、空間と呼ぶ場合がある)は、接合と同時に真空となる。あるいは、四者の接合終了後、空間を排気し、真空とすることもできる。接合後に排気を行う場合、接合時の雰囲気の圧力は常圧/減圧のいずれであってもよく、また、雰囲気を構成する気体は、大気であっても、あるいは窒素ガスや周期律表0族に属するガス(例えばArガス)を含む不活性ガスであってもよい。
排気を行う場合、排気は、カソードパネル及び/又はアノードパネルに予め接続されたチップ管を通じて行うことができる。チップ管は、典型的にはガラス管を用いて構成され、カソードパネル及び/又はアノードパネルの無効領域(平面型表示装置としての実用上の機能を果たす中央部の表示領域である有効領域を額縁状に包囲する領域)に設けられた貫通部の周囲に、フリットガラス又は前述した低融点金属材料を用いて接合され、空間が所定の真空度に達した後、熱融着によって封じ切られる。尚、封じ切りを行う前に、平面型表示装置全体を一旦加熱してから降温させると、空間に残留ガスを放出させることができ、この残留ガスを排気により空間外へ除去することができるので好適である。
以上に説明した好ましい構成、形態、本発明の第1Aの態様、本発明の第1Bの態様を含む第1の態様に係る平面型表示装置、あるいは、以上に説明した好ましい構成、形態を含む本発明の第2の態様に係る平面型表示装置(これらを総称して、以下、単に、本発明の平面型表示装置と呼ぶ場合がある)にあっては、平面型表示装置として、冷陰極電界電子放出素子を備えた平面型表示装置(冷陰極電界電子放出表示装置)、金属/絶縁膜/金属型素子(MIM素子)が組み込まれた平面型表示装置、表面伝導型電子放出素子が組み込まれた平面型表示装置を挙げることができる。
冷陰極電界電子放出表示装置にあっては、カソード電極及びゲート電極に印加された電圧によって生じた強電界が電子放出部に加わる結果、量子トンネル効果により電子放出部から電子が放出される。そして、この電子は、アノードパネルに設けられたアノード電極によってアノードパネルへと引き付けられ、蛍光体層に衝突する。そして、蛍光体層への電子の衝突の結果、蛍光体層が発光し、画像として認識することができる。
冷陰極電界電子放出表示装置において、カソード電極はカソード電極制御回路に接続され、ゲート電極はゲート電極制御回路に接続され、アノード電極はアノード電極接続部材を介してアノード電極制御回路に接続されている。尚、これらの制御回路は周知の回路から構成することができる。実動作時、アノード電極制御回路の出力電圧VAは、通常、一定であり、例えば、5キロボルト〜15キロボルトとすることができる。あるいは又、アノードパネルとカソードパネルとの間の距離をd(但し、0.5mm≦d≦10mm)としたとき、VA/d(単位:キロボルト/mm)の値は、0.5以上20以下、好ましくは1以上10以下、一層好ましくは4以上8以下を満足することが望ましい。
冷陰極電界電子放出素子(以下、電界放出素子と略称する)は、より具体的には、
(a)支持体上に形成され、第1の方向に延びる帯状のカソード電極、
(b)カソード電極及び支持体上に形成された絶縁層、
(c)絶縁層上に形成され、第1の方向とは異なる第2の方向に延びる帯状のゲート電極、
(d)カソード電極とゲート電極の重複する重複部分に位置するゲート電極及び絶縁層の部分に設けられ、底部にカソード電極が露出した開口部、及び、
(e)開口部の底部に露出したカソード電極上に設けられ、カソード電極及びゲート電極への電圧の印加によって電子放出が制御される電子放出部、
から成る。
電界放出素子の型式は特に限定されず、スピント型電界放出素子(円錐形の電子放出部が、開口部の底部に位置するカソード電極の上に設けられた電界放出素子)や扁平型電界放出素子(略平面の電子放出部が、開口部の底部に位置するカソード電極の上に設けられた電界放出素子)を挙げることができる。
カソード電極の射影像とゲート電極の射影像とは直交することが、即ち、第1の方向と第2の方向とは直交することが、冷陰極電界電子放出表示装置の構造の簡素化といった観点から好ましい。そして、カソードパネルにおいて、カソード電極とゲート電極とが重複する重複部分は電子放出領域に該当し、電子放出領域が2次元マトリクス状に配列されており、各電子放出領域には、1又は複数の電界放出素子が設けられている。
電界放出素子は、一般に、以下の方法で製造することができる。
(1)支持体上にカソード電極を形成する工程、
(2)全面(支持体及びカソード電極上)に絶縁層を形成する工程、
(3)絶縁層上にゲート電極を形成する工程、
(4)カソード電極とゲート電極との重複部分におけるゲート電極及び絶縁層の部分に開口部を形成し、開口部の底部にカソード電極を露出させる工程、
(5)開口部の底部に位置するカソード電極上に電子放出部を形成する工程。
あるいは又、電界放出素子は、以下の方法で製造することもできる。
(1)支持体上にカソード電極を形成する工程、
(2)カソード電極上に電子放出部を形成する工程、
(3)全面(支持体及び電子放出部上、あるいは、支持体、カソード電極及び電子放出部上)に絶縁層を形成する工程、
(4)絶縁層上にゲート電極を形成する工程、
(5)カソード電極とゲート電極との重複部分におけるゲート電極及び絶縁層の部分に開口部を形成し、開口部の底部に電子放出部を露出させる工程。
電界放出素子には収束電極が備えられていてもよい。ここで、収束電極とは、絶縁層の上方に層間絶縁層を介して形成され、開口部から放出され、アノード電極へ向かう放出電子の軌道を収束させ、以て、輝度の向上や隣接画素間の光学的クロストークの防止を可能とするための電極である。アノード電極とカソード電極との間の電位差が数キロボルトのオーダーであって、アノード電極とカソード電極との間の距離が比較的長い、所謂高電圧タイプの冷陰極電界電子放出表示装置において、収束電極は特に有効である。収束電極には、収束電極制御回路から相対的に負電圧(例えば、0ボルト)が印加される。収束電極は、必ずしも、カソード電極とゲート電極とが重複する重複部分に設けられた電子放出部あるいは電子放出領域のそれぞれを取り囲むように個別に形成されている必要はなく、例えば、電子放出部あるいは電子放出領域の所定の配列方向に沿って延在させてもよいし、電子放出部あるいは電子放出領域の全てを1つの収束電極で取り囲む構成としてもよく(即ち、収束電極を、冷陰極電界電子放出表示装置としての実用上の機能を果たす中央部の表示領域である有効領域の全体を覆う薄い1枚のシート状の構造としてもよく)、これによって、複数の電子放出部あるいは電子放出領域に共通の収束効果を及ぼすことができる。
カソード電極、ゲート電極、収束電極の構成材料として、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、鉄(Fe)、白金(Pt)、亜鉛(Zn)等の遷移金属を含む各種の金属;これらの金属元素を含む合金(例えばMoW)あるいは化合物(例えばTiN等の窒化物や、WSi2、MoSi2、TiSi2、TaSi2等のシリサイド);シリコン(Si)等の半導体;ダイヤモンド等の炭素薄膜;ITO(酸化インジウム−錫)、酸化インジウム、酸化亜鉛等の導電性金属酸化物を例示することができる。また、これらの電極の形成方法として、例えば、電子ビーム蒸着法や熱フィラメント蒸着法といった蒸着法、スパッタリング法、化学的気相成長法(CVD法)やイオンプレーティング法とエッチング法との組合せ;スクリーン印刷法;メッキ法(電気メッキ法や無電解メッキ法);リフトオフ法;レーザアブレーション法;ゾル−ゲル法等を挙げることができる。スクリーン印刷法やメッキ法によれば、直接、例えば帯状のカソード電極やゲート電極を形成することが可能である。
スピント型電界放出素子にあっては、電子放出部を構成する材料として、モリブデン、モリブデン合金、タングステン、タングステン合金、チタン、チタン合金、ニオブ、ニオブ合金、タンタル、タンタル合金、クロム、クロム合金、及び、不純物を含有するシリコン(ポリシリコンやアモルファスシリコン)から成る群から選択された少なくとも1種類の材料を挙げることができる。スピント型電界放出素子の電子放出部は、真空蒸着法の他、例えばスパッタリング法やCVD法によっても形成することができる。
扁平型電界放出素子にあっては、電子放出部を構成する材料として、カソード電極を構成する材料よりも仕事関数Φの小さい材料から構成することが好ましく、どのような材料を選択するかは、カソード電極を構成する材料の仕事関数、ゲート電極とカソード電極との間の電位差、要求される放出電子電流密度の大きさ等に基づいて決定すればよい。電界放出素子におけるカソード電極を構成する代表的な材料として、タングステン(Φ=4.55eV)、ニオブ(Φ=4.02〜4.87eV)、モリブデン(Φ=4.53〜4.95eV)、アルミニウム(Φ=4.28eV)、銅(Φ=4.6eV)、タンタル(Φ=4.3eV)、クロム(Φ=4.5eV)を例示することができる。電子放出部は、これらの材料よりも小さな仕事関数Φを有していることが好ましく、その値は概ね3eV以下であることが好ましい。係る材料として、炭素(Φ<1eV)、セシウム(Φ=2.14eV)、LaB6(Φ=2.66〜2.76eV)、BaO(Φ=1.6〜2.7eV)、SrO(Φ=1.25〜1.6eV)、Y23(Φ=2.0eV)、CaO(Φ=1.6〜1.86eV)、BaS(Φ=2.05eV)、TiN(Φ=2.92eV)、ZrN(Φ=2.92eV)を例示することができる。仕事関数Φが2eV以下である材料から電子放出部を構成することが、一層好ましい。尚、電子放出部を構成する材料は、必ずしも導電性を備えている必要はない。
あるいは又、扁平型電界放出素子において、電子放出部を構成する材料として、係る材料の2次電子利得δがカソード電極を構成する導電性材料の2次電子利得δよりも大きくなるような材料から適宜選択してもよい。即ち、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、金(Au)、コバルト(Co)、銅(Cu)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、ジルコニウム(Zr)等の金属;ゲルマニウム(Ge)等の半導体;炭素やダイヤモンド等の無機単体;及び酸化アルミニウム(Al23)、酸化バリウム(BaO)、酸化ベリリウム(BeO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化錫(SnO2)、フッ化バリウム(BaF2)、フッ化カルシウム(CaF2)等の化合物の中から、適宜選択することができる。尚、電子放出部を構成する材料は、必ずしも導電性を備えている必要はない。
あるいは又、扁平型電界放出素子にあっては、特に好ましい電子放出部の構成材料として、炭素、より具体的にはアモルファスダイヤモンドやグラファイト、カーボン・ナノチューブ構造体、ZnOウィスカー、MgOウィスカー、SnO2ウィスカー、MnOウィスカー、Y23ウィスカー、NiOウィスカー、ITOウィスカー、In23ウィスカー、Al23ウィスカーを挙げることができる。電子放出部をこれらから構成する場合、5×106V/m以下の電界強度にて、冷陰極電界電子放出表示装置に必要な放出電子電流密度を得ることができる。また、電子放出部を構成する材料が電気抵抗体であれば、各電子放出部から得られる放出電子電流を均一化することができ、よって、冷陰極電界電子放出表示装置に組み込まれた場合の輝度ばらつきの抑制が可能となる。更に、これらの材料は、冷陰極電界電子放出表示装置内の残留ガスのイオンによるスパッタ作用に対して極めて高い耐性を有するので、電界放出素子の長寿命化を図ることができる。
カーボン・ナノチューブ構造体として、具体的には、カーボン・ナノチューブ及び/又はグラファイト・ナノファイバーを挙げることができる。より具体的には、カーボン・ナノチューブから電子放出部を構成してもよいし、グラファイト・ナノファイバーから電子放出部を構成してもよいし、カーボン・ナノチューブとグラファイト・ナノファイバーの混合物から電子放出部を構成してもよい。カーボン・ナノチューブやグラファイト・ナノファイバーは、巨視的には、粉末状であってもよいし、薄膜状であってもよいし、場合によっては、カーボン・ナノチューブ構造体は円錐状の形状を有していてもよい。カーボン・ナノチューブやグラファイト・ナノファイバーは、周知のアーク放電法やレーザアブレーション法といった物理的気相成長法(PVD法)、プラズマCVD法やレーザCVD法、熱CVD法、気相合成法、気相成長法といった各種のCVD法によって製造、形成することができる。
絶縁層や層間絶縁層の構成材料として、SiO2、BPSG、PSG、BSG、AsSG、PbSG、SiON、SOG(スピンオングラス)、低融点ガラス、ガラスペーストといったSiO2系材料;SiN系材料;ポリイミド等の絶縁性樹脂を、単独あるいは適宜組み合わせて使用することができる。絶縁層や層間絶縁層の形成には、CVD法、塗布法、スパッタリング法、スクリーン印刷法等の公知のプロセスが利用できる。
第1開口部(ゲート電極に形成された開口部)あるいは第2開口部(絶縁層に形成された開口部)の平面形状(支持体表面と平行な仮想平面で開口部を切断したときの形状)は、円形、楕円形、矩形、多角形、丸みを帯びた矩形、丸みを帯びた多角形等、任意の形状とすることができる。第1開口部の形成は、例えば、異方性エッチング、等方性エッチング、異方性エッチングと等方性エッチングの組合せによって行うことができ、あるいは又、ゲート電極の形成方法に依っては、第1開口部を直接形成することもできる。第2開口部の形成も、例えば、異方性エッチング、等方性エッチング、異方性エッチングと等方性エッチングの組合せによって行うことができる。
電界放出素子においては、電界放出素子の構造に依存するが、1つの開口部内に1つの電子放出部が存在してもよいし、1つの開口部内に複数の電子放出部が存在してもよいし、ゲート電極に複数の第1開口部を設け、係る第1開口部と連通する1つの第2開口部を絶縁層に設け、絶縁層に設けられた1つの第2開口部内に1又は複数の電子放出部が存在してもよい。
電界放出素子において、カソード電極と電子放出部との間に抵抗体薄膜を形成してもよい。抵抗体薄膜を形成することによって、電界放出素子の動作安定化、電子放出特性の均一化を図ることができる。抵抗体薄膜を構成する材料として、シリコンカーバイド(SiC)やSiCNといったカーボン系抵抗体材料、SiN、アモルファスシリコン等の半導体抵抗体材料、酸化ルテニウム(RuO2)、酸化タンタル、窒化タンタル等の高融点金属酸化物を例示することができる。抵抗体薄膜の形成方法として、スパッタリング法や、CVD法やスクリーン印刷法を例示することができる。1つの電子放出部当たりの電気抵抗値は、概ね1×106〜1×1011Ω、好ましくは数十ギガΩとすればよい。
平面型表示装置において、アノード電極と蛍光体層の構成例として、
(1)基板上に、アノード電極を形成し、アノード電極の上に蛍光体層を形成する構成、
(2)基板上に、蛍光体層を形成し、蛍光体層上にアノード電極を形成する構成、
を挙げることができる。尚、(1)の構成において、蛍光体層の上に、アノード電極と導通した所謂メタルバック膜を形成してもよい。また、(2)の構成において、アノード電極の上にメタルバック膜を形成してもよい。
アノード電極は、全体として1つのアノード電極から構成されていてもよいし、複数のアノード電極ユニットから構成されていてもよい。後者の場合、アノード電極ユニットとアノード電極ユニットとは抵抗体膜によって電気的に接続されている必要がある。抵抗体膜を構成する材料として、カーボン、シリコンカーバイド(SiC)やSiCNといったカーボン系材料;SiN系材料;酸化ルテニウム(RuO2)、酸化タンタル、窒化タンタル、酸化チタン(TiO2)、酸化クロム等の高融点金属酸化物;アモルファスシリコン等の半導体材料;ITOを挙げることができる。また、SiC抵抗膜上に抵抗値の低いカーボン薄膜を積層するといった複数の膜の組み合わせにより、安定した所望のシート抵抗値を有する抵抗体膜を得ることも可能である。抵抗体膜のシート抵抗値として、1×10-1Ω/□乃至1×1010Ω/□、好ましくは1×103Ω/□乃至1×108Ω/□を例示することができる。アノード電極ユニットの数(Q)は2以上であればよく、例えば、直線状に配列された蛍光体層の列の総数をq列としたとき、Q=qとし、あるいは、q=k・Q(kは2以上の整数であり、好ましくは10≦k≦100、一層好ましくは20≦k≦50)としてもよいし、一定の間隔をもって配設されるスペーサの数に1を加えた数とすることができるし、ピクセルの数あるいはサブピクセルの数と一致した数、あるいは、ピクセルの数あるいはサブピクセルの数の整数分の一とすることもできる。また、各アノード電極ユニットの大きさは、アノード電極ユニットの位置に拘わらず同じとしてもよいし、アノード電極ユニットの位置に依存して異ならせてもよい。尚、アノード電極を全体として1つのアノード電極から構成する場合にあっても、また、アノード電極を複数のアノード電極ユニットから構成する場合にあっても、係るアノード電極全体の表面上に抵抗体膜を形成してもよい。
延在部を含むアノード電極(アノード電極ユニットを包含する)は、導電材料層を用いて形成すればよい。導電材料層の形成方法として、例えば、電子ビーム蒸着法や熱フィラメント蒸着法といった蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、レーザアブレーション法といった各種のPVD法;各種のCVD法;スクリーン印刷法;メタルマスク印刷法;リフトオフ法;ゾル−ゲル法等を挙げることができる。即ち、導電材料から成る導電材料層を形成し、リソグラフィ技術及びエッチング技術に基づき、この導電材料層をパターニングしてアノード電極を形成することができる。あるいは又、アノード電極のパターンを有するマスクやスクリーンを介して導電材料をPVD法やスクリーン印刷法に基づき形成することによって、アノード電極を得ることもできる。尚、抵抗体膜も同様の方法で形成することができる。即ち、抵抗体材料から抵抗体膜を形成し、リソグラフィ技術及びエッチング技術に基づきこの抵抗体膜をパターニングしてもよいし、あるいは、抵抗体膜のパターンを有するマスクやスクリーンを介して抵抗体材料のPVD法やスクリーン印刷法に基づく形成により、抵抗体膜を得ることができる。基板上(あるいは基板上方)におけるアノード電極の平均厚さ(後述するように隔壁を設ける場合、隔壁の頂面上におけるアノード電極の平均厚さ)として、5×10-8m(50nm)乃至5×10-7m(500nm)、好ましくは8×10-8m(80nm)乃至3×10-7m(300nm)を例示することができる。
アノード電極の構成材料は、平面型表示装置の構成によって適宜選択すればよい。即ち、平面型表示装置が透過型(アノードパネルが表示面に相当する)であって、且つ、基板上にアノード電極と蛍光体層がこの順に積層されている場合には、基板は元より、アノード電極自身も透明である必要があり、ITO(インジウム錫酸化物)等の透明導電材料を用いる。一方、平面型表示装置が反射型(カソードパネルが表示面に相当する)である場合、及び、透過型であっても基板上に蛍光体層とアノード電極とがこの順に積層されている場合には、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、タングステン(W)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、金(Au)、銀(Ag)、チタン(Ti)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、鉄(Fe)、白金(Pt)、亜鉛(Zn)等の金属;これらの金属元素を含む合金あるいは化合物(例えばTiN等の窒化物や、WSi2、MoSi2、TiSi2、TaSi2等のシリサイド);シリコン(Si)等の半導体;ダイヤモンド等の炭素薄膜;ITO(酸化インジウム−錫)、酸化インジウム、酸化亜鉛等の導電性金属酸化物を例示することができる。尚、抵抗体膜を形成する場合、抵抗体膜の抵抗値を変化させない導電材料からアノード電極を構成することが好ましく、例えば、抵抗体膜をシリコンカーバイド(SiC)から構成した場合、アノード電極をモリブデン(Mo)から構成することが好ましい。
蛍光体層は、単色の蛍光体粒子から構成されていても、3原色の蛍光体粒子から構成されていてもよい。また、蛍光体層の配列様式は、ドット状であっても、帯状であってもよい。尚、ドット状や帯状の配列様式においては、隣り合う蛍光体層の間の隙間がコントラスト向上を目的とした光吸収層(ブラックマトリックス)で埋め込まれていてもよい。
平面型表示装置がカラー表示の場合、蛍光体層の配置、配列として、デルタ配列、ストライプ配列、ダイアゴナル配列、レクタングル配列を挙げることができる。即ち、直線状に配列された蛍光体層の1列は、全てが赤色発光蛍光体層で占められた列、緑色発光蛍光体層で占められた列、及び、青色発光蛍光体層で占められた列から構成されていてもよいし、赤色発光蛍光体層、緑色発光蛍光体層、及び、青色発光蛍光体層が順に配置された列から構成されていてもよい。ここで、蛍光体層とは、アノードパネル上において1つの輝点を生成する蛍光体層であると定義する。また、1画素(1ピクセル)は、1つの赤色発光蛍光体層、1つの緑色発光蛍光体層、及び、1つの青色発光蛍光体層の集合から構成され、1サブピクセルは、1つの蛍光体層(1つの赤色発光蛍光体層、あるいは、1つの緑色発光蛍光体層、あるいは、1つの青色発光蛍光体層)から構成される。更には、アノード電極ユニットにおける1サブピクセルに相当する大きさとは、1つの蛍光体層を囲むアノード電極ユニットの大きさを意味する。
蛍光体層は、発光性結晶粒子(例えば、粒径2〜10nm程度の蛍光体粒子)から調製された発光性結晶粒子組成物を使用し、例えば、赤色の感光性の発光性結晶粒子組成物(赤色蛍光体スラリー)を全面に塗布し、露光、現像して、赤色発光蛍光体層を形成し、次いで、緑色の感光性の発光性結晶粒子組成物(緑色蛍光体スラリー)を全面に塗布し、露光、現像して、緑色発光蛍光体層を形成し、更に、青色の感光性の発光性結晶粒子組成物(青色蛍光体スラリー)を全面に塗布し、露光、現像して、青色発光蛍光体層を形成する方法にて形成することができる。あるいは又、赤色発光蛍光体スラリー、緑色発光蛍光体スラリー、青色発光蛍光体スラリーを順次塗布した後、各蛍光体スラリーを順次露光、現像して、各蛍光体層を形成してもよいし、スクリーン印刷法やインクジェット法、フロート塗布法、沈降塗布法、蛍光体フィルム転写法等により各蛍光体層を形成してもよい。基板上における蛍光体層の平均厚さは、限定するものではないが、3μm乃至20μm、好ましくは5μm乃至10μmであることが望ましい。
発光性結晶粒子を構成する蛍光体材料としては、従来公知の蛍光体材料の中から適宜選択して用いることができる。カラー表示の場合、色純度がNTSCで規定される3原色に近く、3原色を混合した際の白バランスがとれ、残光時間が短く、3原色の残光時間がほぼ等しくなる蛍光体材料を組み合わせることが好ましい。赤色発光蛍光体層を構成する蛍光体材料として、(Y23:Eu)、(Y22S:Eu)、(Y3Al512:Eu)、(Y2SiO5:Eu)、(Zn3(PO42:Mn)を例示することができるが、中でも、(Y23:Eu)、(Y22S:Eu)を用いることが好ましい。また、緑色発光蛍光体層を構成する蛍光体材料として、(ZnSiO2:Mn)、(Sr4Si38Cl4:Eu)、(ZnS:Cu,Al)、(ZnS:Cu,Au,Al)、[(Zn,Cd)S:Cu,Al]、(Y3Al512:Tb)、(Y2SiO5:Tb)、[Y3(Al,Ga)512:Tb]、(ZnBaO4:Mn)、(GbBO3:Tb)、(Sr6SiO3Cl3:Eu)、(BaMgAl1423:Mn)、(ScBO3:Tb)、(Zn2SiO4:Mn)、(ZnO:Zn)、(Gd22S:Tb)、(ZnGa24:Mn)を例示することができるが、中でも、(ZnS:Cu,Al)、(ZnS:Cu,Au,Al)、[(Zn,Cd)S:Cu,Al]、(Y3Al512:Tb)、[Y3(Al,Ga)512:Tb]、(Y2SiO5:Tb)を用いることが好ましい。更には、青色発光蛍光体層を構成する蛍光体材料として、(Y2SiO5:Ce)、(CaWO4:Pb)、CaWO4、YP0.850.154、(BaMgAl1423:Eu)、(Sr227:Eu)、(Sr227:Sn)、(ZnS:Ag,Al)、(ZnS:Ag)、ZnMgO、ZnGaO4を例示することができるが、中でも、(ZnS:Ag)、(ZnS:Ag,Al)を用いることが好ましい。
蛍光体層からの光を吸収する光吸収層が、隣り合う蛍光体層の間、あるいは、隔壁と基板との間に形成されていることが、表示画像のコントラスト向上といった観点から好ましい。ここで、光吸収層は、所謂ブラックマトリックスとして機能する。光吸収層を構成する材料として、蛍光体層からの光を90%以上吸収する材料を選択することが好ましい。このような材料として、カーボン、金属薄膜(例えば、クロム、ニッケル、アルミニウム、モリブデン等、あるいは、これらの合金)、金属酸化物(例えば、酸化クロム)、金属窒化物(例えば、窒化クロム)、耐熱性有機樹脂、ガラスペースト、黒色顔料や銀等の導電性粒子を含有するガラスペースト等の材料を挙げることができ、具体的には、感光性ポリイミド樹脂、酸化クロムや、酸化クロム/クロム積層膜を例示することができる。尚、酸化クロム/クロム積層膜においては、クロム膜が基板と接する。光吸収層は、例えば、真空蒸着法やスパッタリング法とエッチング法との組合せ、真空蒸着法やスパッタリング法、スピンコーティング法とリフトオフ法との組合せに、スクリーン印刷法、リソグラフィ技術等、使用する材料に依存して適宜選択された方法にて形成することができる。
アノードパネルには、更に、蛍光体層から反跳した電子、あるいは、蛍光体層から放出された2次電子が他の蛍光体層に入射し、所謂光学的クロストーク(色濁り)が発生することを防止するための、あるいは又、蛍光体層から反跳した電子、あるいは、蛍光体層から放出された2次電子が隔壁を越えて他の蛍光体層に向かって侵入したとき、これらの電子が他の蛍光体層と衝突することを防止するための、隔壁が、複数、設けられていることが好ましい。
隔壁の平面形状としては、格子形状(井桁形状)、即ち、1サブピクセルに相当する、例えば平面形状が略矩形(ドット状)の蛍光体層の四方を取り囲む形状を挙げることができ、あるいは、略矩形あるいは帯状の蛍光体層の対向する二辺と平行に延びる帯状形状を挙げることができる。隔壁を格子形状とする場合、1つの蛍光体層の領域の四方を連続的に取り囲む形状としてもよいし、不連続に取り囲む形状としてもよい。隔壁を帯状形状とする場合、連続した形状としてもよいし、不連続な形状としてもよい。隔壁を形成した後、隔壁を研磨し、隔壁の頂面の平坦化を図ってもよい。
隔壁の形成方法として、スクリーン印刷法、ドライフィルム法、感光法、キャスティング法、サンドブラスト形成法を例示することができる。ここで、スクリーン印刷法とは、隔壁を形成すべき部分に対応するスクリーンの部分に開口が形成されており、スクリーン上の隔壁形成用材料をスキージを用いて開口を通過させ、基板上に隔壁形成用材料層を形成した後、係る隔壁形成用材料層を焼成する方法である。ドライフィルム法とは、基板上に感光性フィルムをラミネートし、露光及び現像によって隔壁形成予定部位の感光性フィルムを除去し、除去によって生じた開口に隔壁形成用材料を埋め込み、焼成する方法である。感光性フィルムは焼成によって燃焼、除去され、開口に埋め込まれた隔壁形成用材料が残り、隔壁となる。感光法とは、基板上に感光性を有する隔壁形成用材料層を形成し、露光及び現像によってこの隔壁形成用材料層をパターニングした後、焼成(硬化)を行う方法である。キャスティング法(型押し成形法)とは、ペースト状とした有機材料あるいは無機材料から成る隔壁形成用材料層を型(キャスト)から基板上に押し出すことで隔壁形成用材料層を形成した後、係る隔壁形成用材料層を焼成する方法である。サンドブラスト形成法とは、例えば、スクリーン印刷やメタルマスク印刷法、ロールコーター、ドクターブレード、ノズル吐出式コーター等を用いて隔壁形成用材料層を基板上に形成し、乾燥させた後、隔壁を形成すべき隔壁形成用材料層の部分をマスク層で被覆し、次いで、露出した隔壁形成用材料層の部分をサンドブラスト法によって除去する方法である。隔壁を形成した後、隔壁を研磨し、隔壁頂面の平坦化を図ってもよい。
隔壁形成用材料として、例えば、感光性ポリイミド樹脂や、酸化コバルト等の金属酸化物により黒色に着色した鉛ガラス、SiO2、低融点ガラスペーストを例示することができる。隔壁の表面(頂面及び側面)には、隔壁に電子ビームが衝突して隔壁からガスが放出されることを防止するための保護層(例えば、SiO2、SiON、あるいは、AlNから成る)を形成してもよい。
空間は真空となっているので、アノードパネルとカソードパネルとの間にスペーサを配設しておかないと、大気圧によって平面型表示装置が損傷を受けてしまう。
スペーサは、例えばセラミックスやガラスから構成することができる。スペーサをセラミックスから構成する場合、セラミックスとして、ムライトやアルミナ、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、ジルコニア、コーディオライト、硼珪酸塩バリウム、珪酸鉄、ガラスセラミックス材料、これらに、酸化チタンや酸化クロム、酸化鉄、酸化バナジウム、酸化ニッケルを添加したもの等を例示することができる。この場合、所謂グリーンシートを成形して、グリーンシートを焼成し、係るグリーンシート焼成品を切断することによってスペーサを製造することができる。また、スペーサを構成するガラスとして、ソーダライムガラスを挙げることができる。スペーサは、例えば、隔壁と隔壁との間に挟み込んで固定すればよく、あるいは又、例えば、アノードパネルにスペーサ保持部を形成し、スペーサ保持部によって固定すればよい。
スペーサの表面には、帯電防止膜が設けられていてもよい。帯電防止膜を構成する材料は、その2次電子放出係数が1に近いことが好ましく、帯電防止膜を構成する材料として、グラファイト等の半金属、酸化物、ホウ化物、炭化物、硫化物、及び、窒化物等を用いることができる。例えば、グラファイト等の半金属及びMoSe2等の半金属元素を含む化合物、Cr23、Nd23、LaxBa2-xCuO4、LaxBa2-xCuO4、Lax1-xCrO3等の酸化物、AlB2、TiB2等のホウ化物、SiC等の炭化物、MoS2、WS2等の硫化物、及び、BN、TiN、AlN等の窒化物等を挙げることができるし、更には、例えば、特表2004−500688号公報等に記載されている材料等を用いることもできる。帯電防止膜は、単一の種類の材料から成るものであってもよいし、複数の種類の材料から成るものであってもよいし、単層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。帯電防止膜は、スパッタリング法、真空蒸着法、CVD法等、周知の方法に基づき形成することができる。
本発明の第1の態様及び第2の態様に係る平面型表示装置にあっては、外部に第1延在部や延在部が突き出た導電材料部材の本体部が接続部材本体に固定され、あるいは又、埋め込まれており、第1延在部や延在部に高圧線を取り付ければよいので、アノード電極接続部材に優れた機械的強度や長期信頼性、高い気密性、高い安全性を与えることができる。更には、平面型表示装置内部のアノード電極との電気的導通を長期に亙り、確実に、高い信頼性にて行うことができるので、高電圧を安定してアノード電極に供給することができる。また、平面型表示装置の側面から高圧線を取り出すことができるので、デザイン的にもコンパクト化、薄型化を維持できる。しかも、カソードパネルに貫通孔を形成する必要が無く、従って、カソードパネルへの貫通孔形成によって既に形成されたカソード電極等に損傷が生じることがなく、カソードパネルへの貫通孔形成がダストの発生原因となる虞もないし、生産性も向上する。更には、平面型表示装置の側面の何処からでも高圧線を取り出せるので、取出しの自由度が増す。また、平面型表示装置に複数のアノード電極接続部材を配置すれば、アノード電極に印加する高電圧の電圧降下の抑制が可能となるし、アノード電極への高電圧供給の信頼性が向上する。尚、本発明の第1の態様に係る平面型表示装置にあっては、基本的に、導電材料部材の第2延在部がアノード電極の延在部と接触することで高電圧をアノード電極に供給するので、アノード電極の延在部と接続部材本体とを接触させることは必須ではなく、それ故、アノード電極の延在部や接続部材本体を構成する材料の選択肢が広がるといった利点を有する。
以下、図面を参照して、実施例に基づき本発明を説明する。
実施例1は、本発明の第1の態様に係る平面型表示装置、より具体的には、本発明の第1Aの態様に係る平面型表示装置に関する。ここで、平面型表示装置は、より具体的には、冷陰極電界電子放出表示装置(以下、表示装置と略称する)から成る。実施例1の表示装置の模式的な一部断面図を図1の(A)に示し、実施例1の表示装置のアノードパネルを構成する基板、アノード電極等の模式的な配置図を図1の(B)に示す。尚、図1の(B)、あるいは、後述する図2の(B)、図3の(B)、図4の(B)、図5の(B)、図6の(B)、図7の(B)にあっては、アノード電極、枠部材、導電材料部材等を明示するために、これらに斜線を付した。スピント型電界放出素子を有する実施例1あるいは後述する実施例2〜実施例6の表示装置の概念的な一部端面図は、図14に示したと同様であり、カソードパネルCP及びアノードパネルAPを分解したときのカソードパネルCPとアノードパネルAPの一部分の模式的な分解斜視図は、図15に示したと同様であり、扁平型電界放出素子を有する実施例1あるいは後述する実施例2〜実施例6の表示装置の概念的な一部端面図は、図16に示したと同様である。
実施例1あるいは後述する実施例2〜実施例6の表示装置は、支持体10上に形成された複数の電子放出領域EAを備えたカソードパネルCPと、少なくとも蛍光体層22及びアノード電極24が基板20上に形成されたアノードパネルAPとから成り、カソードパネルCPとアノードパネルAPによって挟まれた空間が真空となっている。
ここで、実施例1あるいは後述する実施例2〜実施例6において、電子放出素子は、例えば、スピント型冷陰極電界電子放出素子(以下、電界放出素子と呼ぶ)から構成されている。即ち、スピント型電界放出素子は、図14に示すように、
(a)支持体10に形成されたカソード電極11、
(b)支持体10及びカソード電極11上に形成された絶縁層12、
(c)絶縁層12上に形成されたゲート電極13、
(d)ゲート電極13及び絶縁層12に設けられた開口部14(ゲート電極13に設けられた第1開口部14A、及び、絶縁層12に設けられた第2開口部14B)、並びに、
(e)開口部14の底部に位置するカソード電極11上に形成された円錐形の電子放出部15、
から構成されている。
あるいは又、実施例1あるいは後述する実施例2〜実施例6にあっては、電子放出素子は、例えば扁平型電界放出素子から構成されている。即ち、扁平型電界放出素子は、図16に示すように、
(a)支持体10上に形成されたカソード電極11、
(b)支持体10及びカソード電極11上に形成された絶縁層12、
(c)絶縁層12上に形成されたゲート電極13、
(d)ゲート電極13及び絶縁層12に設けられた開口部14(ゲート電極13に設けられた第1開口部14A、及び、絶縁層12に設けられた第2開口部14B)、並びに、
(e)開口部14の底部に位置するカソード電極11上に形成された電子放出部15A、
から構成されている。ここで、電子放出部15Aは、例えば、マトリックスに一部分が埋め込まれた多数のカーボン・ナノチューブから構成されている。
カソードパネルCPにおいて、カソード電極11は、第1方向(図14あるいは図16のY方向参照)に延びる帯状であり、ゲート電極13は、第1方向とは異なる第2方向(図14あるいは図16のX方向参照)に延びる帯状である。カソード電極11とゲート電極13とは、これらの両電極11,13の射影像が互いに直交する方向に各々帯状に形成されている。1サブピクセルに相当する電子放出領域EAには、複数の電界放出素子が設けられている。
実施例1あるいは後述する実施例2〜実施例6において、アノードパネルAPは、基板20、並びに、この基板20上に形成された蛍光体層22(カラー表示の場合、赤色発光蛍光体層22R、緑色発光蛍光体層22G、青色発光蛍光体層22B)、及び、蛍光体層22を覆うアノード電極24から構成されている。即ち、アノードパネルAPは、より具体的には、基板20、基板20上に形成された隔壁21と隔壁21との間の基板20上に形成され、多数の蛍光体粒子から成る蛍光体層22(赤色発光蛍光体層22R、緑色発光蛍光体層22G、青色発光蛍光体層22B)、及び、蛍光体層22上に形成されたアノード電極24を備えている。アノード電極24は、有効領域を覆う薄い1枚のシート状であり、後述するアノード電極接続部材を介してアノード電極制御回路33に接続されている。アノード電極24は、厚さ約70nmのアルミニウム(Al)から成り、隔壁21及び蛍光体層22を覆う状態で設けられている。蛍光体層22と蛍光体層22との間であって、隔壁21と基板20との間には、表示画像の色濁り、光学的クロストークの発生を防止するために、光吸収層(ブラックマトリックス)23が形成されている。
隔壁21とスペーサ27と蛍光体層22の配置状態の一例を模式的に図17〜図22に示す。尚、図14あるいは図16に示した表示装置における蛍光体層等の配列を、図18あるいは図20に示す構成としている。また、図17〜図22においてはアノード電極の図示を省略している。隔壁21の平面形状としては、格子形状(井桁形状)、即ち、1サブピクセルに相当する、例えば平面形状が略矩形の蛍光体層22の四方を取り囲む形状(図17、図18、図19、図20参照)、あるいは、略矩形の(あるいは帯状の)蛍光体層22の対向する二辺と平行に延びる帯状形状を挙げることができる(図21及び図22参照)。尚、図21に示す蛍光体層22にあっては、蛍光体層22R,22G,22Bを、図21の上下方向に延びる帯状とすることもできる。隔壁21の一部は、スペーサ27を保持するためのスペーサ保持部としても機能する。
実施例1あるいは後述する実施例2〜実施例6の表示装置において、カソード電極11はカソード電極制御回路31に接続され、ゲート電極13はゲート電極制御回路32に接続され、アノード電極24はアノード電極制御回路33に接続されている。これらの制御回路は周知の回路から構成することができる。表示装置の実動作時、アノード電極制御回路33の出力電圧VAは、通常、一定であり、例えば、5キロボルト〜15キロボルトとすることができる。一方、表示装置の実動作時、カソード電極11に印加する電圧VC及びゲート電極13に印加する電圧VGに関しては、
(1)カソード電極11に印加する電圧VCを一定とし、ゲート電極13に印加する電圧VGを変化させる方式
(2)カソード電極11に印加する電圧VCを変化させ、ゲート電極13に印加する電圧VGを一定とする方式
(3)カソード電極11に印加する電圧VCを変化させ、且つ、ゲート電極13に印加する電圧VGも変化させる方式
のいずれを採用してもよい。
表示装置の実動作時、カソード電極11には相対的に負電圧がカソード電極制御回路31から印加され、ゲート電極13には相対的に正電圧がゲート電極制御回路32から印加され、アノード電極24にはゲート電極13よりも更に高い正電圧がアノード電極制御回路33から印加される。係る表示装置において表示を行う場合、例えば、カソード電極11にカソード電極制御回路31から走査信号を入力し、ゲート電極13にゲート電極制御回路32からビデオ信号を入力する。尚、カソード電極11にカソード電極制御回路31からビデオ信号を入力し、ゲート電極13にゲート電極制御回路32から走査信号を入力してもよい。カソード電極11とゲート電極13との間に電圧を印加した際に生ずる電界により、量子トンネル効果に基づき電子放出部15から電子が放出され、この電子がアノード電極24に引き付けられ、アノード電極24を通過して蛍光体層22に衝突する。その結果、蛍光体層22が励起されて発光し、所望の画像を得ることができる。つまり、この表示装置の動作は、基本的に、ゲート電極13に印加される電圧VG、及びカソード電極11に印加される電圧VCによって制御される。
ここで、アノード電極24とアノード電極制御回路33とを電気的に接続するために、実施例1の表示装置には、アノード電極接続部材が備えられている。このアノード電極接続部材は、
(A)接続部材本体40、並びに、
(B)本体部51、本体部51の一端から延びる第1延在部52、及び、本体部51の他端から延びる第2延在部53から構成された導電材料部材50、
から成る。
そして、導電材料部材50の本体部51は、接続部材本体40を貫通した状態で、且つ、気密シール状態で、接続部材本体40に固定されており、導電材料部材50の第1延在部52は表示装置の外部へと延びており、導電材料部材50の第2延在部53は空間内に位置するアノード電極の延在部24Aと接触しており、カソードパネルCP(より具体的には、支持体10)とアノードパネルAP(より具体的には、基板20)とは、それらの周縁部で、枠部材26、及び、接続部材本体40を介して接合されている。ここで、導電材料部材50の第1延在部52はピン状であり、導電材料部材50の第2延在部53は弾性(バネ性)を有する。具体的には、導電材料部材50の第2延在部53は、例えば、「C」字状に曲げられている。
尚、実施例1にあっては、接続部材本体40は、幅(W)5.0mm、長さ(L)10mm、高さ(H)2.0mmの非導電性のセラミックス(具体的には、アルミナあるいはジルコニア)から成り、接続部材本体40の底面はカソードパネルCP(より具体的には、支持体10)と第1の接着層54を介して接合されており、接続部材本体40の頂面はアノードパネル(より具体的には、基板20)と第2の接着層55を介して接合されており、接続部材本体40の対向する2つの側面は、それぞれ、枠部材26の端部と、第3の接着層56を介して接合されている。ここで、第1の接着層54、第2の接着層55及び第3の接着層56は、フリットガラスから成る。尚、第1の接着層54、第2の接着層55として、低融点金属材料を用いることもできる。また、導電材料部材50は、ニッケル(Ni)を42重量%含有した鉄(Fe)合金から成る直径1.0mmのワイヤ(線材)から作製されている。
実施例1におけるアノード電極接続部材は、例えば、先ず、貫通孔41を有する接続部材本体40(図13の(A)参照)を、非導電性のセラミックスを焼成することで作製し、次いで、係る貫通孔41に導電材料部材50の本体部51を挿入し、貫通孔41と導電材料部材50の本体部51との間を、例えば、フリットガラスや銀ロウを用いてハイメチック・シールすることで作製することができる。
以下、実施例1の表示装置の組立方法を説明するが、後述する実施例2〜実施例6における表示装置も実質的に同様の方法で組み立てることができる。
[工程−100]
先ず、スピント型電界放出素子を製造する。このスピント型電界放出素子は、基本的には、円錐形の電子放出部15を金属材料の垂直蒸着により形成する方法によって得ることができる。即ち、ゲート電極13に設けられた第1開口部14Aに対して蒸着粒子は垂直に入射するが、第1開口部14Aの開口端付近に形成されるオーバーハング状の堆積物による遮蔽効果を利用して、第2開口部14Bの底部に到達する蒸着粒子の量を漸減させ、円錐形の堆積物である電子放出部15を自己整合的に形成する。ここでは、不要なオーバーハング状の堆積物の除去を容易とするために、ゲート電極13及び絶縁層12上に剥離層18を予め形成しておく方法について説明する。尚、電界放出素子の製造方法を説明するための図面においては、1つの電子放出部のみを図示した。
[工程−100A]
先ず、例えばガラス基板から成る支持体10の上に、例えばポリシリコンから成るカソード電極用導電材料層をプラズマCVD法にて成膜した後、リソグラフィ技術及びドライエッチング技術に基づきカソード電極用導電材料層をパターニングして、帯状のカソード電極11を形成する。その後、全面にSiO2から成る絶縁層12をCVD法にて形成する。
[工程−100B]
次に、絶縁層12上に、ゲート電極用導電材料層(例えば、クロム層)をスパッタリング法にて成膜し、次いで、ゲート電極用導電材料層をリソグラフィ技術及びドライエッチング技術にてパターニングすることによって、クロム(Cr)から成り、帯状のゲート電極13を得ることができる。帯状のカソード電極11は、図面の紙面左右方向に延び、帯状のゲート電極13は、図面の紙面垂直方向に延びている。
ゲート電極13を、真空蒸着法等のPVD法、CVD法、電気メッキ法や無電解メッキ法といったメッキ法、スクリーン印刷法、レーザアブレーション法、ゾル−ゲル法、リフトオフ法等の公知の薄膜形成と、必要に応じてエッチング技術との組合せによって形成してもよい。スクリーン印刷法やメッキ法によれば、直接、例えば帯状のゲート電極を形成することが可能である。
[工程−100C]
その後、再びレジスト層を形成し、エッチングによってゲート電極13に第1開口部14Aを形成し、更に、絶縁層に第2開口部14Bを形成し、第2開口部14Bの底部にカソード電極11を露出させた後、レジスト層を除去する。こうして、図23の(A)に示す構造を得ることができる。
[工程−100D]
次に、支持体10を回転させながらゲート電極13上を含む絶縁層12上にニッケル(Ni)を斜め真空蒸着することにより、剥離層18を形成する(図23の(B)参照)。このとき、支持体10の法線に対する蒸着粒子の入射角を十分に大きく選択することにより(例えば、入射角65度〜85度)、第2開口部14Bの底部にニッケルを殆ど堆積させることなく、ゲート電極13及び絶縁層12の上に剥離層18を形成することができる。剥離層18は、第1開口部14Aの開口端から庇状に張り出しており、これによって第1開口部14Aが実質的に縮径される。
[工程−100E]
次に、全面に例えば導電材料としてモリブデン(Mo)を垂直蒸着する(入射角3度〜10度)。このとき、図24の(A)に示すように、剥離層18上でオーバーハング形状を有する導電材料層19が成長するに伴い、第1開口部14Aの実質的な直径が次第に縮小されるので、第2開口部14Bの底部において堆積に寄与する蒸着粒子は、次第に第1開口部14Aの中央付近を通過するものに限られるようになる。その結果、第2開口部14Bの底部には円錐形の堆積物が形成され、この円錐形の堆積物が電子放出部15となる。
[工程−100F]
その後、図24の(B)に示すように、リフトオフ法にて剥離層18をゲート電極13及び絶縁層12の表面から剥離し、ゲート電極13及び絶縁層12の上方の導電材料層19を選択的に除去する。次いで、絶縁層12に設けられた第2開口部14Bの側壁面を等方的なエッチングによって後退させることが(図24の(C)参照)、ゲート電極13の開口端部を露出させるといった観点から、好ましい。尚、等方的なエッチングは、ケミカルドライエッチングのようにラジカルを主エッチング種として利用するドライエッチング、あるいはエッチング液を利用するウェットエッチングにより行うことができる。エッチング液としては、例えば49%フッ酸水溶液と純水の1:100(容積比)混合液を用いることができる。こうして、スピント型電界放出素子を得ることができる。
こうして、電子を放出する電子放出源に相当する電界放出素子が支持体10に複数、形成されて成るカソードパネルCPを得ることができる。一方、蛍光体層22、アノード電極24、アノード電極の延在部24A等が基板20に形成されて成るアノードパネルAPを準備する。尚、アノード電極24とアノード電極の延在部24Aとは、一体に形成されている。
[工程−110]
そして、表示装置の組み立てを行う。具体的には、アノードパネルAPの有効領域に設けられたスペーサ保持部にスペーサ27を取り付け、蛍光体層22と電子放出領域EAとが対向するようにアノードパネルAPとカソードパネルCPとを配置し、アノードパネルAPとカソードパネルCP(より具体的には、基板20と支持体10)との間に、セラミックスやガラスから作製された枠体(例えば、断面形状が高さ2mm、幅5.0mmの長方形である枠体)とフリットガラス(例えば、厚さ0.5mm程度)から成る未焼成の枠部材26、及び、厚さ0.5mm程度の未焼成のフリットガラスから成る接着層(第1の接着層54,第2の接着層55,第3の接着層56)を配した(塗布した)接続部材本体40を配置する。尚、枠部材26の端部の間の距離を10mmとする。そして、予備焼成にて枠部材26及び接着層54,55,56を同時に乾燥した後、約450゜Cで10〜30分の本焼成を行う。その後、アノードパネルAPとカソードパネルCPと枠部材26と接続部材本体40とによって囲まれた空間を貫通孔(図示せず)及びチップ管(図示せず)を通じて排気し、空間の圧力が10-5Pa程度に達した時点で、チップ管を加熱溶融により封じ切る。このようにして、アノードパネルAPとカソードパネルCPと枠部材26と接続部材本体40とに囲まれた空間を真空にすることができる。
あるいは又、例えば、枠部材と接続部材本体とアノードパネルAPとカソードパネルCPとの貼り合わせを高真空雰囲気中で行ってもよい。あるいは又、表示装置の構造に依っては、枠体無しで、接続部材本体及び接着層のみによってアノードパネルAPとカソードパネルCPとを貼り合わせてもよい。その後、アノード電極制御回路33から延びる配線をピン状の導電材料部材50の第1延在部52に取り付け、実施例1の表示装置を完成させる。
実施例2は、実施例1の変形であり、本発明の第1Bの態様に係る平面型表示装置に関する。実施例2の表示装置の模式的な一部断面図を図2の(A)に示し、実施例2の表示装置のアノードパネルを構成する基板、アノード電極等の模式的な配置図を図2の(B)に示す。
実施例2において、接続部材本体40Aは、フリットガラス焼成品から成り、接続部材本体40Aの底面はカソードパネルCP(より具体的には、支持体10)と直接接合され、接続部材本体40Aの頂面はアノードパネルAP(より具体的には、基板20)と直接接合され、接続部材本体40Aの対向する2つの側面は、それぞれ、枠部材26の端部と直接接合されている。接続部材本体40Aの幅Wを5.0mmとし、長さLを10mmとし、焼成後の高さHを2.0mmとした。また、枠部材26の端部の間の距離を10mmとした。これらの点を除き、実施例2におけるアノード電極接続部材、カソードパネルCP、アノードパネルAPは、実施例1において説明したアノード電極接続部材、カソードパネルCP、アノードパネルAPと同じ構成、構造を有しているので、詳細な説明は省略する。
実施例2におけるアノード電極接続部材は、例えば、導電材料部材50の本体部51が埋め込まれた未焼成のフリットガラス(接続部材本体40Aを構成する)を準備し、係るフリットガラスを焼成することで得ることができる。より具体的には、カソードパネルCPとアノードパネルAPとの間に、未焼成の枠部材、及び、導電材料部材50の本体部51が埋め込まれた未焼成のフリットガラスから成る接続部材本体40Aを配置し、未焼成の枠部材及び接続部材本体40Aを同時に焼成することで、カソードパネルCPとアノードパネルAPとを、それらの周縁部で、枠部材26、及び、接続部材本体40Aを介して接合することができる。後述する実施例3〜実施例6においても同様とすることができる。
実施例3は、実施例2の変形である。実施例3の表示装置の模式的な一部断面図を図3の(A)に示し、実施例3の表示装置のアノードパネルを構成する基板、アノード電極等の模式的な配置図を図3の(B)に示す。
実施例3にあっては、接続部材本体40Bは、フリットガラス焼成品(より具体的には、導電性付与材として金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)等を含有した導電性のフリットガラス焼成品)から成り、接続部材本体40Bの底面はカソードパネルCP(より具体的には、支持体10)と直接接合され、接続部材本体40Bの頂面はアノードパネルAP(より具体的には、基板20)と直接接合され、接続部材本体40Bの対向する2つの側面は、それぞれ、枠部材26の端部と直接接合されている。接続部材本体40Bの幅Wを5.0mmとし、長さLを10mmとし、焼成後の高さHを2.0mmとした。また、枠部材26の端部の間の距離を10mmとした。接続部材本体40Bの頂面の一部分(例えば、長さL0=3〜4mm程度)が、アノード電極の延在部124Aと接触している。尚、アノード電極24とアノード電極の延在部124Aとは、一体に形成されている。これらの点を除き、実施例3におけるアノード電極接続部材、カソードパネルCP、アノードパネルAPは、実施例1において説明したアノード電極接続部材、カソードパネルCP、アノードパネルAPと同じ構成、構造を有しているので、詳細な説明は省略する。
実施例3にあっては、このような構造を採用することで、アノード電極の延在部124Aとの接触部分の一層の増加を図ることができる。
尚、焼成によって接続部材本体40Bの頂面とアノードパネルAPとを接合(接着)する際に接続部材本体40Bの頂面の一部分と接触するアノード電極の延在部124Aに損傷が発生することを防止するといった観点から、模式的な一部断面図を図4の(A)に示し、アノードパネルを構成する基板、アノード電極等の模式的な配置図を図4の(B)に示すように、接続部材本体40Bの頂面の一部分と、接続部材本体40Bの頂面の一部分と接触するアノード電極の延在部124Aとの間に、より具体的には、アノード電極の延在部124Aの表面に、例えば、金薄膜やカーボン薄膜から成る導電性の保護膜125を形成してもよい。
実施例4は、本発明の第2の態様に係る平面型表示装置に関する。ここで、平面型表示装置は、より具体的には、冷陰極電界電子放出表示装置(表示装置)から成る。実施例4の表示装置の模式的な一部断面図を図5の(A)に示し、実施例4の表示装置のアノードパネルを構成する基板、アノード電極等の模式的な配置図を図5の(B)に示す。
アノード電極24とアノード電極制御回路33とを電気的に接続するために、実施例4の表示装置にも、アノード電極接続部材が備えられている。このアノード電極接続部材は、
(A)導電材料から成る接続部材本体140、並びに、
(B)本体部151、及び、本体部151の一端から延びる延在部152から構成された導電材料部材150、
から成る。
そして、導電材料部材150の本体部151は接続部材本体140に埋め込まれており、導電材料部材150の延在部152は表示装置の外部へと延びており、接続部材本体140の一部分(例えば、長さL0=3〜4mm程度)は空間内に位置するアノード電極の延在部124Aと接触しており、カソードパネルCP(より具体的には、支持体10)とアノードパネルAP(より具体的には、基板20)とは、それらの周縁部で、枠部材26、及び、接続部材本体140を介して接合されている。ここで、導電材料部材150は、ニッケル(Ni)を42重量%含有した鉄(Fe)合金から成る直径1.0mm、長さ15mmのワイヤ(線材)から作製されている。導電材料部材150の延在部152はピン状であり、延在部152の長さは5mmである。実施例4における接続部材本体140は、実施例3と同じ導電性のフリットガラス焼成品から成り、接続部材本体140の底面はカソードパネルCP(より具体的には、支持体10)と直接接合され、接続部材本体140の頂面はアノードパネルAP(より具体的には、基板20)と直接接合され、接続部材本体140の対向する2つの側面は、それぞれ、枠部材26の端部と直接接合されており、接続部材本体140の頂面の一部分が、アノード電極の延在部124Aと接触している。接続部材本体140の幅Wを5.0mmとし、長さLを10mmとし、焼成後の高さHを2.0mmとした。また、枠部材26の端部の間の距離を10mmとした。以下の実施例5及び実施例6においても同様である。
これらの点を除き、実施例4におけるカソードパネルCP、アノードパネルAPは、実施例1において説明したカソードパネルCP、アノードパネルAPと同じ構成、構造を有しているので、詳細な説明は省略する。
尚、焼成によって接続部材本体140の頂面とアノードパネルAPとを接合(接着)する際に接続部材本体140の頂面の一部分と接触するアノード電極の延在部124Aに損傷が発生することを防止するといった観点から、模式的な一部断面図を図6の(A)に示し、アノードパネルを構成する基板、アノード電極等の模式的な配置図を図6の(B)に示すように、接続部材本体140の頂面の一部分と、接続部材本体140の頂面の一部分と接触するアノード電極の延在部124Aとの間に、より具体的には、アノード電極の延在部124Aの表面に、例えば、金薄膜から成る導電性の保護膜125を形成してもよい。尚、このような変形は、後述する実施例5あるいは実施例6にも適用することができる。
実施例5は、実施例4の変形である。実施例4にあっては、導電材料部材150の延在部152をピン状とした。一方、模式的な一部断面図を図7の(A)に示し、アノードパネルを構成する基板、アノード電極等の模式的な配置図を図7の(B)に示すように、実施例5にあっては、導電材料部材250の延在部252はボタン状である。より具体的には、例えば、導電材料部材250は、ニッケル(Ni)を42重量%、クロム(Cr)を6重量%含有した鉄(Fe)合金から作製されており、ボタン状の導電材料部材250の頂部(延在部252)が接続部材本体240から突出し、ボタン状の導電材料部材250の底部(本体部251)は接続部材本体240に埋め込まれた状態にある。実施例5におけるアノード電極接続部材は、例えば、導電材料部材250の本体部251が埋め込まれたフリットガラス(接続部材本体240を構成する)を準備し、係るフリットガラスを焼成することで、作製することができる。
実施例6も実施例4の変形である。模式的な一部断面図を図8に示すように、実施例6にあっては、アノード電極接続部材は、第2本体部161、及び、第2本体部161の一端から延びる第2延在部162から構成された第2導電材料部材160を更に備え、第2導電材料部材160の第2本体部161は、接続部材本体140に埋め込まれており、第2導電材料部材160の第2延在部162は、空間内に位置するアノード電極の延在部124Aと接触している。尚、第2導電材料部材160の第2延在部162は弾性(バネ性)を有する。具体的には、第2導電材料部材160の第2延在部162は、例えば、「C」字状に曲げられている。第2導電材料部材160は、ニッケル(Ni)を42重量%含有した鉄(Fe)合金から成る直径1.0mmのワイヤ(線材)から作製されている。
この点を除き、実施例6におけるアノード電極接続部材は、実施例4において説明したアノード電極接続部材と同じ構成、構造を有しているし、実施例6におけるカソードパネルCP、アノードパネルAPは、実施例1において説明したカソードパネルCP、アノードパネルAPと同じ構成、構造を有しているので、詳細な説明は省略する。
尚、第2本体部161、及び、第2本体部161の一端から延びる第2延在部162から構成された第2導電材料部材160を、実施例5において説明したアノード電極接続部材に適用することもできる。即ち、模式的な一部断面図を図9に示すように、アノード電極接続部材は、第2本体部161、及び、第2本体部161の一端から延びる第2延在部162から構成された第2導電材料部材160を更に備え、第2導電材料部材160の第2本体部161は、接続部材本体140に埋め込まれており、第2導電材料部材160の第2延在部162は、空間内に位置するアノード電極の延在部124Aと接触している。尚、第2導電材料部材160の第2延在部162は弾性(バネ性)を有する。具体的には、第2導電材料部材160の第2延在部162は、例えば、「C」字状に曲げられている。
以上、本発明を好ましい実施例に基づき説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例にて説明したアノード電極接続部材、アノードパネルやカソードパネル、表示装置や電界放出素子の構成、構造は例示であり、適宜変更することができるし、アノード電極接続部材、アノードパネルやカソードパネル、表示装置や電界放出素子の製造方法も例示であり、適宜変更することができる。更には、アノード電極接続部材、アノードパネルやカソードパネルの製造において使用した各種材料も例示であり、適宜変更することができる。表示装置においては、専らカラー表示を例にとり説明したが、単色表示とすることもできる。
実施例1〜実施例3においては、導電材料部材の第1延在部52と導電材料部材の第2延在部53と導電材料部材の本体部51とを、一体に作製したが、代替的に、例えば、導電材料部材の第1延在部52と導電材料部材の本体部51とを一体に、ニッケル(Ni)を42重量%、クロム(Cr)を6重量%含有した鉄(Fe)合金から作製し、例えば、ステンレス鋼SUS304から成る導電材料部材の第2延在部53を別個に作製してもよい。この場合、導電材料部材の本体部51に導電材料部材の第2延在部53を溶接することで、導電材料部材の本体部51に導電材料部材の第2延在部53を固定すればよい。例えば、図1の(A)に示した実施例1の導電材料部材50をこのような構造に変更した例を、図10に示す。尚、導電材料部材50のこのような構造への変更を、実施例2〜実施例3に適用することができる。また、実施例6における第2導電材料部材160の第2本体部161と第2導電材料部材160の第2延在部162とを、同様に、別個に作製してもよい。
また、実施例1〜実施例6においては、アノード電極24とアノード電極の延在部24A,124Aとが一体に形成されている構成としたが、アノード電極の延在部を、アノード電極とは別個に形成してもよい。この場合、例えば、アノード電極24を構成する材料をアルミニウムとし、アノード電極の延在部を構成する材料をカーボンとすればよい。例えば、図3の(A)に示した実施例3のアノード電極の延在部124Aをこのような構造のアノード電極の延在部124Bに変更した例を、図11に示すが、このような変更を他の実施例に適用することもできる。
更には、実施例4あるいは実施例6における導電材料部材150を、中空構造を有する導電材料部材150Aに置き換えてもよい。具体的には、図12に示すように、導電材料部材150Aを構成する本体部151A及び延在部は152Aは中空構造を有し、導電材料部材150Aを構成する本体部151Aの他端151Bは空間に開口しており、導電材料部材150Aの延在部152Aの終端部152Bは気密シールされている。このような構成を採用することで、[工程−110]において、チップ管を通じて空間の排気を行う代わりに、中空構造を有する導電材料部材150Aを介して空間の排気を行うことができる。空間の排気が完了した時点で、空間内を高真空に維持するために、導電材料部材150Aの延在部152Aの終端部152Bを、機械的に圧着し、あるいは又、例えば低融点金属材料やフリットガラス、銀ロウ等を用いて穴埋めすることで、気密シールすればよい。
電界放出素子においては、専ら1つの開口部に1つの電子放出部が対応する形態を説明したが、電界放出素子の構造に依っては、1つの開口部に複数の電子放出部が対応した形態、あるいは、複数の開口部に1つの電子放出部が対応する形態とすることもできる。あるいは又、ゲート電極に複数の第1開口部を設け、絶縁層に係る複数の第1開口部に連通した第2開口部を設け、1又は複数の電子放出部を設ける形態とすることもできる。
電界放出素子において、ゲート電極13及び絶縁層12の上に更に第2の絶縁層72を設け、第2の絶縁層72上に収束電極73を設けてもよい。このような構造を有する電界放出素子の模式的な一部端面図を図25に示す。第2の絶縁層72には、第1開口部14Aに連通した第3開口部74が設けられている。収束電極73の形成は、例えば、[工程−100B]において、絶縁層12上に帯状のゲート電極13を形成した後、第2の絶縁層72を形成し、次いで、第2の絶縁層72上にパターニングされた収束電極73を形成した後、収束電極73、第2の絶縁層72に第3開口部74を設け、更に、ゲート電極13に第1開口部14Aを設ければよい。尚、収束電極のパターニングに依存して、1又は複数の電子放出部、あるいは、1又は複数の画素に対応する収束電極ユニットが集合した形式の収束電極とすることもでき、あるいは又、有効領域を1枚のシート状の導電材料で被覆した形式の収束電極とすることもできる。尚、図25においては、スピント型電界放出素子を図示したが、その他の電界放出素子とすることもできることは云うまでもない。
収束電極は、このような方法にて形成するだけでなく、例えば、厚さ数十μmの42%Ni−Feアロイから成る金属板の両面に、例えばSiO2から成る絶縁膜を形成した後、各画素に対応した領域にパンチングやエッチングすることによって開口部を形成することで収束電極を作製することもできる。そして、カソードパネル、金属板、アノードパネルを積み重ね、両パネルの外周部に枠体を配置し、加熱処理を施すことによって、金属板の一方の面に形成された絶縁膜と絶縁層12とを接着させ、金属板の他方の面に形成された絶縁膜とアノードパネルとを接着し、これらの部材を一体化させ、その後、真空封入することで、表示装置を完成させることもできる。
表面伝導型電子放出素子と通称される電子放出素子から電子放出領域を構成することもできる。この表面伝導型電子放出素子は、例えばガラスから成る支持体上に酸化錫(SnO2)、金(Au)、酸化インジウム(In23)/酸化錫(SnO2)、カーボン、酸化パラジウム(PdO)等の導電材料から成り、微小面積を有し、所定の間隔(ギャップ)を開けて配された一対の対向電極がマトリクス状に形成されて成る。対向電極を跨るように炭素薄膜が形成されている。そして、一対の対向電極の内の一方の対向電極に行方向配線あるいは列方向配線(第1電極)が接続され、一対の対向電極の内の他方の対向電極に列方向配線あるいは行方向配線(第2電極)が接続された構成を有する。第1電極及び第2電極から一対の対向電極に電圧を印加することによって、ギャップを挟んで向かい合った炭素薄膜に電界が加わり、炭素薄膜から電子が放出される。係る電子をアノードパネル上の蛍光体層に衝突させることによって、蛍光体層が励起されて発光し、所望の画像を得ることができる。あるいは又、金属/絶縁膜/金属型素子から電子放出領域を構成することもできる。
図1の(A)は、実施例1の平面型表示装置の模式的な一部断面図であり、図1の(B)は、実施例1の平面型表示装置のアノードパネルを構成する基板、アノード電極等の模式的な配置図である。 図2の(A)は、実施例2の平面型表示装置の模式的な一部断面図であり、図2の(B)は、実施例2の平面型表示装置のアノードパネルを構成する基板、アノード電極等の模式的な配置図である。 図3の(A)は、実施例3の平面型表示装置の模式的な一部断面図であり、図3の(B)は、実施例3の平面型表示装置のアノードパネルを構成する基板、アノード電極等の模式的な配置図である。 図4の(A)は、実施例3の平面型表示装置の変形例の模式的な一部断面図であり、図4の(B)は、実施例3の平面型表示装置の変形例のアノードパネルを構成する基板、アノード電極等の模式的な配置図である。 図5の(A)は、実施例4の平面型表示装置の模式的な一部断面図であり、図5の(B)は、実施例4の平面型表示装置のアノードパネルを構成する基板、アノード電極等の模式的な配置図である。 図6の(A)は、実施例4の平面型表示装置の変形例の模式的な一部断面図であり、図6の(B)は、実施例4の平面型表示装置の変形例のアノードパネルを構成する基板、アノード電極等の模式的な配置図である。 図7の(A)は、実施例5の平面型表示装置の模式的な一部断面図であり、図7の(B)は、実施例5の平面型表示装置のアノードパネルを構成する基板、アノード電極等の模式的な配置図である。 図8は、実施例6の平面型表示装置の模式的な一部断面図である。 図9は、実施例6の平面型表示装置の変形例の模式的な一部断面図である。 図10は、導電材料部材の第1延在部と導電材料部材の本体部とを一体に作製し、導電材料部材の第2延在部を別個に作製した導電材料部材を備えた、平面型表示装置のアノードパネルを構成する基板、アノード電極等の模式的な配置図である。 図11は、アノード電極の延在部を、アノード電極とは別個に形成した、平面型表示装置のアノードパネルを構成する基板、アノード電極等の模式的な配置図である。 図12は、中空構造を有する導電材料部材を備えた、平面型表示装置のアノードパネルを構成する基板、アノード電極等の模式的な配置図である。 図13の(A)は、実施例1の平面型表示装置における接続部材本体の模式的な斜視図であり、図13の(B)は、冷陰極電界電子放出表示装置を構成する従来のアノードパネルAPにおけるアノード電極、枠部材等の模式的な配置図である。 図14は、スピント型冷陰極電界電子放出素子を有する冷陰極電界電子放出表示装置の概念的な一部端面図である。 図15は、冷陰極電界電子放出表示装置を構成するカソードパネル及びアノードパネルを分解したときのカソードパネルとアノードパネルの一部分の模式的な分解斜視図である。 図16は、扁平型冷陰極電界電子放出素子を有する冷陰極電界電子放出表示装置の概念的な一部端面図である。 図17は、冷陰極電界電子放出表示装置を構成するアノードパネルにおける隔壁、スペーサ及び蛍光体層の配置を模式的に示す配置図である。 図18は、冷陰極電界電子放出表示装置を構成するアノードパネルにおける隔壁、スペーサ及び蛍光体層の配置を模式的に示す配置図である。 図19は、冷陰極電界電子放出表示装置を構成するアノードパネルにおける隔壁、スペーサ及び蛍光体層の配置を模式的に示す配置図である。 図20は、冷陰極電界電子放出表示装置を構成するアノードパネルにおける隔壁、スペーサ及び蛍光体層の配置を模式的に示す配置図である。 図21は、冷陰極電界電子放出表示装置を構成するアノードパネルにおける隔壁、スペーサ及び蛍光体層の配置を模式的に示す配置図である。 図22は、冷陰極電界電子放出表示装置を構成するアノードパネルにおける隔壁、スペーサ及び蛍光体層の配置を模式的に示す配置図である。 図23の(A)及び(B)は、スピント型冷陰極電界電子放出素子の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端面図である。 図24の(A)、(B)及び(C)は、図23の(B)に引き続き、スピント型冷陰極電界電子放出素子の製造方法を説明するための支持体等の模式的な一部端面図である。 図25は、収束電極を有するスピント型冷陰極電界電子放出素子の模式的な一部端面図である。
符号の説明
AP・・・アノードパネル、CP・・・カソードパネル、EA・・・電子放出領域、10・・・支持体、11・・・カソード電極、12・・・絶縁層、13・・・ゲート電極、14・・・開口部、14A・・・第1開口部、14B・・・第2開口部、15,15A・・・電子放出部、18・・・剥離層、19・・・導電材料層、20・・・基板、21・・・隔壁、22,22R,22G,22B・・・蛍光体層、23・・・光吸収層(ブラックマトリックス)、24・・・アノード電極、24A,124A,124B・・・アノード電極の延在部、125・・・保護膜、26・・・枠部材、27・・・スペーサ、31・・・カソード電極制御回路、32・・・ゲート電極制御回路、33・・・アノード電極制御回路、40,40A,40B・・・接続部材本体、41・・・貫通孔、50,・・・導電材料部材、51・・・本体部、52・・・第1延在部、53・・・第2延在部、54・・・第1の接着層、55・・・第2の接着層、56・・・第3の接着層、140,240・・・接続部材本体、150,250・・・導電材料部材、151,251・・・本体部、152,252・・・延在部、160・・・第2導電材料部材、161・・・第2本体部、162・・・第2延在部、72・・・第2の絶縁層、73・・・収束電極、74・・・第3開口部

Claims (15)

  1. 支持体上に形成された複数の電子放出領域を備えたカソードパネルと、少なくとも蛍光体層及びアノード電極が基板上に形成されたアノードパネルとから成り、カソードパネルとアノードパネルによって挟まれた空間が真空となっている平面型表示装置であって、
    (A)接続部材本体、並びに、
    (B)本体部、本体部の一端から延びる第1延在部、及び、本体部の他端から延びる第2延在部から構成された導電材料部材、
    から成るアノード電極接続部材を更に備え、
    導電材料部材の本体部は、接続部材本体を貫通した状態で、且つ、気密シール状態で、接続部材本体に固定されており、
    導電材料部材の第1延在部は、平面型表示装置の外部へと延びており、
    導電材料部材の第2延在部は、前記空間内に位置するアノード電極の延在部と接触しており、
    カソードパネルとアノードパネルとは、それらの周縁部で、枠部材、及び、接続部材本体を介して接合されていることを特徴とする平面型表示装置。
  2. 接続部材本体は、非導電性のセラミックス又はガラスから成り、
    接続部材本体の底面は、カソードパネルと、第1の接着層を介して接合されており、
    接続部材本体の頂面は、アノードパネルと、第2の接着層を介して接合されており、
    接続部材本体の対向する2つの側面は、それぞれ、枠部材の端部と、第3の接着層を介して、あるいは、直接、接合されていることを特徴とする請求項1に記載の平面型表示装置。
  3. 接続部材本体は、フリットガラス焼成品から成り、
    接続部材本体の底面はカソードパネルと直接接合され、接続部材本体の頂面はアノードパネルと直接接合され、接続部材本体の対向する2つの側面は、それぞれ、枠部材の端部と直接接合されていることを特徴とする請求項1に記載の平面型表示装置。
  4. 接続部材本体は、導電性のフリットガラス焼成品から成り、
    接続部材本体の頂面の一部分が、アノード電極の延在部と接触していることを特徴とする請求項3に記載の平面型表示装置。
  5. 接続部材本体の頂面の前記一部分と、接続部材本体の頂面の前記一部分と接触するアノード電極の延在部との間には、導電性の保護膜が形成されていることを特徴とする請求項4に記載の平面型表示装置。
  6. 導電材料部材の第1延在部は、ピン状であることを特徴とする請求項1に記載の平面型表示装置。
  7. 導電材料部材の第2延在部は、弾性を有することを特徴とする請求項1に記載の平面型表示装置。
  8. 支持体上に形成された複数の電子放出領域を備えたカソードパネルと、少なくとも蛍光体層及びアノード電極が基板上に形成されたアノードパネルとから成り、カソードパネルとアノードパネルによって挟まれた空間が真空となっている平面型表示装置であって、
    (A)導電材料から成る接続部材本体、並びに、
    (B)本体部、及び、本体部の一端から延びる延在部から構成された導電材料部材、
    から成るアノード電極接続部材を更に備え、
    導電材料部材の本体部は、接続部材本体に埋め込まれており、
    導電材料部材の延在部は、平面型表示装置の外部へと延びており、
    接続部材本体の一部分は、前記空間内に位置するアノード電極の延在部と接触しており、
    カソードパネルとアノードパネルとは、それらの周縁部で、枠部材、及び、接続部材本体を介して接合されていることを特徴とする平面型表示装置。
  9. 接続部材本体は、導電性のフリットガラス焼成品から成り、
    接続部材本体の底面はカソードパネルと直接接合され、接続部材本体の頂面はアノードパネルと直接接合され、接続部材本体の対向する2つの側面は、それぞれ、枠部材の端部と直接接合されており、
    接続部材本体の頂面の一部分が、アノード電極の延在部と接触していることを特徴とする請求項8に記載の平面型表示装置。
  10. 接続部材本体の頂面の前記一部分と、接続部材本体の頂面の前記一部分と接触するアノード電極の延在部との間には、導電性の保護膜が形成されていることを特徴とする請求項9に記載の平面型表示装置。
  11. 導電材料部材の延在部は、ピン状であることを特徴とする請求項8に記載の平面型表示装置。
  12. 導電材料部材の延在部は、ボタン状であることを特徴とする請求項8に記載の平面型表示装置。
  13. アノード電極接続部材は、第2本体部、及び、第2本体部の一端から延びる第2延在部から構成された第2導電材料部材を更に備え、
    第2導電材料部材の第2本体部は、接続部材本体に埋め込まれており、
    第2導電材料部材の第2延在部は、前記空間内に位置するアノード電極の延在部と接触していることを特徴とする請求項8に記載の平面型表示装置。
  14. 第2導電材料部材の第2延在部は、弾性を有することを特徴とする請求項13に記載の平面型表示装置。
  15. 導電材料部材を構成する本体部及び延在部は中空構造を有し、
    導電材料部材を構成する本体部の他端は、前記空間に開口しており、
    導電材料部材の延在部の終端部は、気密シールされていることを特徴とする請求項8に記載の平面型表示装置。
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