JP2007033873A - 光学装置 - Google Patents

光学装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2007033873A
JP2007033873A JP2005217201A JP2005217201A JP2007033873A JP 2007033873 A JP2007033873 A JP 2007033873A JP 2005217201 A JP2005217201 A JP 2005217201A JP 2005217201 A JP2005217201 A JP 2005217201A JP 2007033873 A JP2007033873 A JP 2007033873A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
external gear
gear
optical axis
optical
magnetic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005217201A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasushi Kajiwara
靖 梶原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Enplas Corp
Original Assignee
Enplas Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Enplas Corp filed Critical Enplas Corp
Priority to JP2005217201A priority Critical patent/JP2007033873A/ja
Publication of JP2007033873A publication Critical patent/JP2007033873A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Lens Barrels (AREA)

Abstract

【課題】 消費電力および製造コストを削減することができ、かつ、直線性および耐久性を向上させることができ、さらに、振動を抑制して光学素子を光軸方向に適切に移動させることができる小型化に適した光学装置を提供すること。
【解決手段】 移動機構が、光軸9を中心とした自転を可能とされた内歯車20と、内歯車20の自転運動を光学素子5、6、7の光軸9方向への移動運動に変換する変換機構と、πラジアンの位相角度を有した状態で同一方向に公転することによって内歯車20を自転させる第1外歯車33および第2外歯車34と、両外歯車33、34を公転させる公転機構とを備えたこと。
【選択図】 図2

Description

本発明は、光学装置に係り、特に、携帯電話等のカメラにおけるオートフォーカス機構等に用いられ、光学素子を光軸方向へ移動させるのに好適な光学装置に関する。
従来から、携帯電話のカメラ等の小型の光学装置においては、光学素子としてのレンズを光軸方向に移動させて焦点を最適な位置に調整するオートフォーカス機構が用いられている。
近年、この種の光学装置は、小型化および低コスト化の要請が高まっており、これにともなって、このような光学装置に用いられるオートフォーカス機構についても、今後、さらに小型でかつ安価に生産することが期待されている。
現状において、光学装置に用いられるオートフォーカス機構としては、ボイスコイルモータ方式や、ステッピングモータ方式あるいはピエゾモータ方式等のオートフォーカス機構が知られている。
また、最近においては、いわゆるワブルモータと称される公転および自転を行うロータを備えたモータによってレンズを光軸方向に駆動する技術が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特開平10−304646号公報 特開2002−333565号公報 特開2002−335664号公報
しかしながら、ボイスコイルモータ方式のオートフォーカス機構は、レンズを所定のフォーカス位置に移動させた後も、フォーカス位置を保持するために電力を供給し続ける必要があり、消費電力が大きいといった問題点を有していた。
また、ステッピングモータ方式のオートフォーカス機構は、ステッピングモータおよびこれに係合するウォームギアやギアあるいはカム等を用いてオートフォーカス機構を安価に構成することは可能である。しかし、この場合には、機構部分が大きくなり過ぎるため、従前からの小型化の要請に反する上に、携帯電話等の小型の光学装置内への配置の際における自由度が低下し、デザインを制約する結果となってしまう。
さらに、ピエゾモータは、耐久性に問題があったり、直線性が悪いといった欠点を有している。
さらにまた、特許文献1〜3に示すワブルモータは、ロータの公転および自転の際に生じる振動によって、光学素子を光軸方向に適切に移動させることができない虞があった。
また、ワブルモータ方式のオートフォーカス機構を搭載したカメラを用いて音声付き動画を収録する場合には、ワブルモータの振動にともなって発生した騒音までもが収録されてしまい、高品位な音声付き動画を得ることができない虞があった。
そこで、本発明は、このような点に鑑みなされたものであり、消費電力および製造コストを削減することができ、かつ、直線性および耐久性を向上させることができ、さらに、振動を抑制して光学素子を光軸方向に適切に移動させることができるとともに騒音の発生を防止することができる小型化に適した光学装置を提供することを目的とするものである。
前述した目的を達成するため、本発明の請求項1に係る光学装置の特徴は、光軸方向に移動可能とされた光学素子と、この光学素子を前記光軸方向に移動させるための移動機構とを備えた光学装置であって、前記移動機構が、光軸を中心とした自転運動を可能とされた内歯車と、この内歯車の自転運動を前記光学素子の前記光軸方向への移動運動に変換する変換機構と、前記内歯車の内側に、前記光軸方向に所定の間隔を設けるようにして配設され、前記内歯車における光軸を挟んで互いに対向する部位に噛合して、πラジアンの位相角度を有しつつ同一方向に公転することによって、前記内歯車を自転させる第1外歯車および第2外歯車と、これら第1外歯車および第2外歯車を公転させる公転機構とを備えた点にある。
そして、この請求項1に係る発明によれば、πラジアンの位相角度を有する第1外歯車と第2外歯車とを内歯車に噛合させた状態で、両外歯車を公転させることによって内歯車を自転させることができ、この内歯車の自転運動を、変換機構によって光学素子の光軸方向への移動運動に変換することが可能となる。
ここで、本願における位相角度とは、第1外歯車および第2外歯車のうちの一方の外歯車が、外歯車の公転あるいは内歯車の自転にかかわらず不変とされた光学装置内における特定の基準位置にあると仮定した場合に、他方の外歯車が、当該基準位置まで移動するのに要する公転角度のことをいうものとする。
この位相角度は、換言すれば、図18に示すように、第1外歯車の中心点Oと内歯車の中心点Pとを結ぶ仮想線分Lと、第2外歯車の中心点Oと内歯車の中心点Pとを結ぶ仮想線分Lとのなす平面上の角度αをいうものとする。
また、請求項2に係る光学装置の特徴は、請求項1において、前記公転機構が、前記第1外歯車に配設された第1磁気作用部と、前記第2外歯車に配設された第2磁気作用部と、前記第1磁気作用部および前記第2磁気作用部に磁気力を作用させることによって、前記第1外歯車および前記第2外歯車を、前記内歯車における光軸を挟んで互いに対向する部位に噛合させることが可能とされ、かつ、前記磁気力を変化させることによって、前記第1外歯車および前記第2外歯車を、前記内歯車における光軸を挟んで互いに対向する部位に噛合させつつ公転させることが可能とされた磁気力手段とを備えた点にある。
そして、この請求項2に係る発明によれば、更に、磁気力手段により、第1外歯車の第1磁気作用部と、第2外歯車の第2磁気作用部とに磁気力を作用させるとともに、この磁気力を変化させることによって、第1外歯車と第2外歯車とを、内歯車における光軸を挟んで互いに対向する部位に噛合させつつ公転させることが可能となる。
さらに、請求項3に係る光学装置の特徴は、請求項2において、前記磁気力手段が、前記第1磁気作用部および前記第2磁気作用部に、前記磁気力として、前記内歯車の半径方向の磁気力を作用させて、前記第1外歯車および前記第2外歯車を、前記内歯車の半径方向における互いに逆方向に吸引することによって、前記第1外歯車および前記第2外歯車を、前記内歯車における光軸を挟んで互いに対向する部位に噛合させることが可能とされ、かつ、前記内歯車の半径方向の磁気力を、前記第1外歯車の吸引方向と前記第2外歯車の吸引方向とが、前記光軸を中心とした周方向に互いに一体的に回転するように変化させることによって、前記第1外歯車および前記第2外歯車を、前記内歯車における光軸を挟んで互いに対向する部位に噛合させつつ公転させることが可能とされている点にある。
そして、この請求項3に係る発明によれば、更に、磁気力手段により、第1磁気作用部と第2磁気作用部とに作用する内歯車の半径方向の磁気力を、第1外歯車と第2外歯車との吸引方向が光軸を中心とした周方向に互いに一体的に回転するように変化させることによって、第1外歯車と第2外歯車とを、内歯車における光軸を挟んで互いに対向する部位に噛合させつつ公転させることが可能となる。
さらにまた、請求項4に係る光学装置の特徴は、請求項3において、前記第1磁気作用部が、前記第1外歯車のピッチ面よりも半径方向の内側に、前記第1外歯車のピッチ面に沿うように形成された磁性を有する第1磁気作用面とされ、前記第2磁気作用部が、前記第2外歯車のピッチ面よりも半径方向の内側に、前記第2外歯車のピッチ面に沿うように形成された磁性を有する第2磁気作用面とされ、前記磁気力手段が、前記第1磁気作用面および前記第2磁気作用面に半径方向において対峙するようにして周方向に所定の間隔を設けて配設された複数のヨークと、これら複数のヨークを周方向に順次選択的に励磁する励磁手段とを備えた点にある。
そして、この請求項4に係る発明によれば、更に、複数のヨークを、励磁手段によって周方向に順次選択的に励磁させることにより、簡易な構成によって、第1磁気作用部と第2磁気作用部とに作用する内歯車の半径方向の磁気力を、第1外歯車と第2外歯車との吸引力が光軸を中心とした周方向に一体的に回転するように確実に変化させることが可能となる。
また、請求項5に係る光学装置の特徴は、請求項1〜4のいずれか1項において、前記第1外歯車の自転運動を抑制する第1自転抑制機構と、前記第2外歯車の自転運動を抑制する第2自転抑制機構とを備えた点にある。
そして、この請求項5に係る発明によれば、更に、第1自転抑制機構によって第1外歯車の自転運動を抑制して第1外歯車を適切に公転させることが可能となるとともに、第2自転抑制機構によって第2外歯車の自転運動を抑制して第2外歯車を適切に公転させることが可能となる。
さらに、請求項6に係る光学装置の特徴は、請求項1〜5のいずれか1項において、前記第1外歯車の公転半径を規制する第1公転半径規制機構と、前記第2外歯車の公転半径を規制する第2公転半径規制機構とを備えた点にある。
そして、この請求項6に係る発明によれば、更に、第1外歯車および第2外歯車の公転半径を必要以上に大きくすることがないため、装置のさらなる小型化が可能となり、さらに、第1磁気作用部と磁気力手段との間のギャップおよび第2磁気作用部と磁気力手段との間のギャップを適切に確保しつつ第1外歯車および第2外歯車を公転させることが可能となる。
さらにまた、請求項7の係る光学装置の特徴は、請求項6において、前記第1自転抑制機構と前記第1公転半径規制機構とが、装置本体に保持された光軸方向に長尺なピンと、前記第1歯車に形成され、前記ピンが遊挿された第1貫通孔を有する第1遊挿部とを備えた同一の構造体によって形成されている点にある。
そして、この請求項7に係る発明によれば、更に、ピンおよび第1遊挿部を備えた1つの構造体によって第1自転抑制機構と第1公転半径規制機構との双方を形成することが可能となる。
また、請求項8に係る光学装置の特徴は、請求項6または7において、前記第2自転抑制機構と前記第2公転半径規制機構とが、装置本体に保持された光軸方向に長尺なピンと、前記第2歯車に形成され、前記ピンが遊挿された第2貫通孔を有する第2遊挿部とを備えた同一の構造体によって形成されている点にある。
そして、この請求項8に係る発明によれば、更に、ピンおよび第2遊挿部を備えた1つの構造体によって第2自転抑制機構と第2公転半径規制機構との双方を形成することが可能となる。
さらに、請求項9に係る光学装置の特徴は、請求項8において、前記第1遊挿部の第1貫通孔と、前記第2遊挿部の第2貫通孔とが、互いに同軸上に配置され、これら第1貫通孔および第2貫通孔に、同一のピンが遊挿されている点にある。
そして、この請求項9に係る発明によれば、更に、第1自転抑制機構、第1公転半径規制機構、第2自転抑制機構および第2公転半径規制機構の間で同一のピンを共有させることが可能となる。
さらにまた、請求項10に係る光学装置の特徴は、請求項2〜9のいずれか1項において、前記第1外歯車と前記第2外歯車とが、互いに同一の総質量に形成され、前記第1磁気作用部に作用する磁気力と前記第2磁気作用部に作用する磁気力とが、互いに方向が逆方向であって互いに大きさが等しい磁気力とされている点にある。
そして、この請求項10に係る発明によれば、更に、第1外歯車と第2外歯車とが、内歯車に噛合しつつ公転する際に内歯車から受ける反作用を互いに相殺することが可能となる。
請求項1に係る光学装置によれば、πラジアンの位相角度を有する第1外歯車と第2外歯車とを内歯車に噛合させた状態で、両外歯車を公転させることによって内歯車を自転させることができ、この内歯車の自転運動を、変換機構によって光学素子の光軸方向への移動運動に変換することができる結果、光学素子を移動後の位置に保持するために電力を供給し続けることを要さず、消費電力を削減することができる光学装置を実現することができる。
また、第1外歯車、第2外歯車および内歯車を備えた簡易かつ安価な構成によって、製造コストを削減することができるとともに、小型化に適した光学装置を実現することができる。
さらに、第1外歯車、第2外歯車、内歯車および変換機構による機械的な動作によって光学素子を光軸方向に確実に移動させることができるため、直線性を向上させることができる光学装置を実現することができる。
さらにまた、内歯車の内側に第1外歯車と第2外歯車とを噛合させることができるため、振動を抑制して光学素子を光軸方向に適切に移動させることができるとともに、騒音の発生を防止することができる光学装置を実現することができる。
また、ピエゾモータにおけるロータとステータとの間に生じる摩擦に比べれば、第1外歯車または第2外歯車と内歯車との間に生じる転がり摩擦は極めて小さなものになるため、摩擦による摩耗を軽減することができ、また、長期間使用することによって、駆動のために制御装置から出される単位信号あたりの変位量が、ピエゾモータのように変化することもないので、耐久性を向上させることができる光学装置を実現することができる。
また、請求項2に係る光学装置によれば、更に、磁気力手段により、第1外歯車の第1磁気作用部と、第2外歯車の第2磁気作用部とに磁気力を作用させるとともに、この磁気力を変化させることによって、第1外歯車と第2外歯車とを、内歯車における光軸を挟んで互いに対向する部位に噛合させつつ公転させることができる結果、請求項1に係る光学装置の効果に加えて、さらに、簡易な構成によって第1外歯車と第2外歯車とを適切に公転させることができ、製造コストをさらに削減することができる光学装置を実現することができる。
さらに、請求項3に係る光学装置によれば、更に、磁気力手段により、第1磁気作用部と第2磁気作用部とに作用する内歯車の半径方向の磁気力を、第1外歯車と第2外歯車との吸引方向が光軸を中心とした周方向に互いに一体的に回転するように変化させることによって、第1外歯車と第2外歯車とを、内歯車における光軸を挟んで互いに対向する部位に噛合させつつ公転させることができる結果、請求項2に係る光学装置の効果に加えて、さらに、第1外歯車と第2外歯車とをより適切かつ効率的に公転させることができ、ひいては、光学素子をより適切かつ効率的に移動させることができる光学装置を実現することができる。
さらにまた、請求項4に係る光学装置によれば、更に、複数のヨークを、励磁手段によって周方向に順次選択的に励磁させることにより、簡易な構成によって、第1磁気作用部と第2磁気作用部とに作用する内歯車の半径方向の磁気力を、第1外歯車と第2外歯車との吸引力が光軸を中心とした周方向に一体的に回転するように確実に変化させることができる結果、請求項3に係る光学装置の効果に加えて、さらに、小型化および製造コストの削減により適した光学装置を実現することができる。
さらに、第1外歯車および第2外歯車の内側にヨークが配置されているため、小型な構成を確保しつつも、第1外歯車、第2外歯車および内歯車の直径を十分に大きくすることができ、各歯車のモジュールを十分な大きさに維持しつつ各歯車の歯数を多くすることができる。この結果、第1外歯車および第2外歯車に大きなトルクを作用させて光学素子をさらに効率的に移動させることができるとともに、各歯車の製造および組立を容易化することができる。
また、請求項5に係る光学装置によれば、更に、第1自転抑制機構によって第1外歯車の自転運動を抑制して第1外歯車を適切に公転させることができるとともに、第2自転抑制機構によって第2外歯車の自転運動を抑制して第2外歯車を適切に公転させることができる結果、請求項1〜4のいずれか1項に係る光学装置の効果に加えて、さらに、より高精度に光学素子を移動させることができる光学装置を実現することができる。
さらに、請求項6に係る光学装置によれば、更に、第1外歯車および第2外歯車の公転半径を必要以上に大きくすることがないため、装置のさらなる小型化が可能となり、さらに、第1磁気作用部と磁気力手段との間のギャップおよび第2磁気作用部と磁気力手段との間のギャップを適切に確保しつつ第1外歯車および第2外歯車を公転させることができる結果、請求項1〜5のいずれか1項に係る光学装置の効果に加えて、さらに、小型化および騒音の防止により好適な光学装置を実現することができる。
さらにまた、請求項7に係る光学装置によれば、更に、ピンおよび第1遊挿部を備えた1つの構造体によって第1自転抑制機構と第1公転半径規制機構との双方を形成することができる結果、請求項6に係る光学装置の効果に加えて、さらに、部品点数を削減してより小型で安価な光学装置を実現することができる。
また、請求項8に係る光学装置によれば、更に、ピンおよび第2遊挿部を備えた1つの構造体によって第2自転抑制機構と第2公転半径規制機構との双方を形成することができる結果、請求項6または7に係る光学装置の効果に加えて、さらに、部品点数を削減してより小型で安価な光学装置を実現することができる。
さらに、請求項9に係る光学装置によれば、更に、第1自転抑制機構、第1公転半径規制機構、第2自転抑制機構および第2公転半径規制機構の間で同一のピンを共有させることができる結果、請求項8に係る光学装置の効果に加えて、さらに、部品点数をさらに削減してより小型で安価な光学装置を実現することができる。
さらにまた、請求項10に係る光学装置によれば、更に、第1外歯車と第2外歯車とが、内歯車に噛合しつつ公転する際に内歯車から受ける反作用を互いに相殺することができる結果、請求項2〜9に係る光学装置の効果に加えて、さらに、第1外歯車または第2外歯車と磁気力手段との衝突に起因する騒音の発生を確実に防止することができ、静音性をさらに向上させることができる光学装置を実現することができる。
以下、本発明に係る光学装置の実施形態について、図1乃至図17を参照して説明する。
図1は、本実施形態における光学装置の平面図である。また、図2は、図1の2−2断面図であり、図3は、図2の3−3切断線で光学装置全体を切断した断面図である。
図2に示すように、本実施形態における光学装置1は、光学素子として、物体側から固体撮像素子2のセンサ面側(像面側)に向かって順に、第1レンズ5、第2レンズ6および第3レンズ7の3枚のレンズ5、6、7を有しており、各レンズ5、6、7は、光軸9を互いに一致させるようにして筒状のバレル8内に保持されている。
また、第1レンズ5と第2レンズ6との間には絞り10が、第2レンズ6と第3レンズ7との間にはスペーサ11が、第3レンズ7の像面側にはストッパ12がそれぞれ配設されている。
さらに、バレル8および固体撮像素子2の外側には、装置本体としての平面略円形状のケース14が、バレル8および固体撮像素子2を包囲するように配設されている。
このケース14は、光学装置1の図2における下端部に位置する台座15と、この台座15の上部に配設された上カバー16と、この上カバー16の上部に配設された図4に示す板ばね17とによって構成されている。
そして、本実施形態において、ケース14の内部には、レンズ5、6、7をバレル8とともに光軸9方向に移動させてフォーカシングを行うための移動機構が配設されている。
すなわち、図2、図5および図6に示すように、ケース14内におけるバレル8の外周面と上カバー16の内周面との間には、移動機構の一部を構成する円環状の内歯車20が、バレル8の外周面を包囲するように配設されている。
この内歯車20は、レンズ5、6、7の光軸9を自転軸とした自転運動を可能とされている。
この内歯車20とバレル8との間には、内歯車20の自転運動をレンズ5、6、7の光軸9方向への移動運動(直進運動)に変換するための変換機構が配設されている。
図2、図6および図7に示すように、変換機構は、螺旋カム構造21を有しており、この螺旋カム構造21は、内歯車20のピット面20aから内側(バレル8の外周面側)に向かって水平に延出された円環状の延出部22の内側端部に、光軸9方向に沿って螺旋状に形成されたカム面24を有している。
さらに、図8に示すように、螺旋カム構造21は、カム面24に臨むバレル8の上端縁部8aの下面から、カム面24に接触する位置まで延出された3つのカム接触子25を有している。
また、本実施形態における変換機構は、バレル8の回転を係止する回り止め構造を有している。
図4に示すように、回り止め構造は、板ばね17の内周面に、周方向に等間隔に形成された3つのバレル固定用凸部27を有しており、各バレル固定用凸部27は、板ばね17の内周面から光軸9側に向かって突出するような形状に形成されている。
さらに、図9に示すように、回り止め構造は、バレル8の上端縁部8aの上面に、周方向に等間隔に形成された3つのバレル固定用凹部29を有している。
そして、バレル8に形成された3つのバレル固定用凹部29の上に、板ばね17に形成された3つのバレル固定用凸部27をそれぞれ接着等の手段によって固定することによって、回り止め構造が形成されている。
なお、図8および図9に示すように、3つのバレル固定用凹部29には、光軸9方向における固体撮像素子2側に向かって傾斜する平面円孤形状の傾斜面30が連設されており、各傾斜面30の先には、それぞれ、光軸9側に向かって凹入された凹入部31が形成されている。
この凹入部31は、ケース14にバレル8を組み込む際に、バレル8の上端縁部8aがバレル固定用凸部27に当接することを防止するために形成されている。
すなわち、バレル8をケース14に組み込む際には、板ばね17のバレル固定用凸部27をバレル8の凹入部31が通るようにして、バレル8をケース14の内部に挿入することが可能とされている。
そして、バレル8をケース14の内部に挿入した後に、バレル8を光軸9回りに回転させて、バレル固定用凹部29をバレル固定用凸部27の下に位置させることによって、バレル固定用凹部29をバレル固定用凸部27に固定することが可能とされている。
そして、このような螺旋カム構造21および回り止め構造を有する変換機構によれば、内歯車20と一体的に回転するカム面24にカム接触子25を摺接させることによって、内歯車20の自転運動をバレル8およびバレル8に保持されたレンズ5、6、7の光軸9方向への直進運動に適切に変換することができる。
なお、変換機構は、内歯車20の自転をレンズ5、6、7の光軸9方向への移動に変換することができるものであれば、上記以外の構成であってもよい。
例えば、螺旋カム構造21の代りに、内歯車20とバレル8との間に互いに螺旋するねじ構造を設けるようにしてもよい。この場合であっても、内歯車20の自転にともなってバレル8を光軸9方向に適切に移動させることができる。
図2および図10〜12に示すように、内歯車20の半径方向の内側位置には、移動機構の一部を構成する円環状の第1外歯車33が、内歯車20に包囲されるように配設されている。
また、図2および図13に示すように、内歯車20の半径方向の内側位置であって、第1外歯車33に対して光軸9方向における固体撮像素子2側の位置(図2における下方の位置)には、移動機構の一部を構成する円環状の第2外歯車34が、第1外歯車33に対して光軸9方向に所定の間隔を有した状態で内歯車20に包囲されるように配設されている。
第1外歯車33と第2外歯車34とは、同一の外径寸法に形成されているとともに、内歯車20における光軸9を挟んで互いに対向する部位にそれぞれ噛合して、πラジアンの位相角度を有している。
そして、第1外歯車33および第2外歯車34は、πラジアンの位相角度を有しつつ互いに同一方向に公転することによって、両外歯車33、34に噛合された内歯車20を自転させるようになっている。
さらに、本実施形態において、移動機構は、第1外歯車33と第2外歯車34とを公転させるための公転機構を備えている。
すなわち、本実施形態における公転機構は、第1外歯車33における磁気力が作用する第1磁気作用部としての第1磁気作用面を有している。
具体的には、図10に示すように、第1外歯車33は、ピッチ面33aが形成された第1外歯車本体36と、この第1外歯車本体36の内側に位置された第1外歯車本体36よりも小径の第1環状部37とが、後述する3つの第1遊挿部39を介して連結されていることによって外形が構成されており、このような外形の第1外歯車33全体が、強磁性体等の磁性体によって一体的に形成されている。
そして、このような磁性体によって形成された第1外歯車33のピッチ面33aに沿った第1環状部37の外周面37aが、第1磁気作用面となっている。
また、公転機構は、第2外歯車34における磁気力が作用する第2磁気作用部としての第2磁気作用面を有している。
具体的には、図13に示すように、第2外歯車34は、ピッチ面34aが形成された第2外歯車本体40と、この第2外歯車本体40の内側に位置された第2外歯車本体40よりも小径の第2環状部41とが、後述する3つの第2遊挿部43を介して連結されていることによって外形が構成されており、このような外形の第2外歯車34全体が、強磁性体等の磁性体によって一体的に形成されている。
そして、このような磁性体によって形成された第2外歯車34のピッチ面34aに沿った第2外歯車本体40の内周面40aが、第2磁気作用面となっている。
さらに、公転機構は、第1環状部37の外周面37aと第2外歯車本体40の内周面40aとにそれぞれ磁気力を作用させ、この磁気力を変化させることにより、第1外歯車33と第2外歯車34とを内歯車20における光軸9を挟んで互いに対向する部位に噛合させてπラジアンの位相角度を維持させつつ同一方向に公転させるための磁気力手段を有している。
より具体的には、図3に示すように、磁気力手段は、第1環状部37の外周面37aに対して第1外歯車33の半径方向の外側位置であって、第2外歯車本体40の内周面40aに対して第2外歯車34の半径方向の内側位置に、周方向に等間隔(2/3πラジアン間隔)に配設された第1ヨーク45、第2ヨーク46および第3ヨーク47を有している。
図14および図15に示すように、第1〜第3ヨーク45、46、47は、それぞれ平面円弧形状に形成された円弧部49と、この円弧部49上に、周方向に等間隔に立設された3つの突極部50とを有している。
さらに、図3、図16および図17に示すように、第1〜第3ヨーク45、46、47のそれぞれが有する3つの突極部50のうち、周方向における中央の突極部50には、励磁手段としての第1コイル51、第2コイル52および第3コイル53がそれぞれ巻回されている。
図16および図17に示すように、第1〜第3コイル51、52、53には、各コイル51、52、53とともに励磁手段を構成する通電制御部55が接続されており、この通電制御部55は、各コイル51、52、53に電流を供給することによって、コイル51、52、53を貫く磁界を発生させるようになっている。
そして、このコイル51、52、53を貫く磁界によって、コイル51、52、53が巻回された中央の突極部50が励磁され、同時に、この中央の突極部50を挟む同一円弧部49上の他の2つの突極部50も励磁されることになる。
このとき、励磁によって中央の突極部50に生じる磁極と、他の2つの突極部50に生じる磁極とは、互いに極性が異なっている。
このようにして励磁されたヨーク45、46、47に対して、図2に示すように、内歯車20の半径方向の内側から臨んでいる第1環状部37の外周面37aには、ヨーク45、46、47(図2において第1ヨーク45)により、内歯車20の半径方向の磁気力として、内歯車20の半径方向における外側へ向かう吸引力が作用するようになっている。
この吸引力によって、第1外歯車33は、励磁されたヨーク45、46、47の方向(吸引方向)へ吸引されることになる。
なお、周方向において互いに隣位する任意の2つのコイル51、52、53に同時に電流が供給されていて、その2つのコイル51、52、53に対応する2つのヨーク45、46、47が同時に励磁されている場合には、この2つのヨーク45、46、47からの吸引力の合力が、第1外歯車33の吸引方向となる。
そして、この第1外歯車33の吸引方向への吸引により、第1外歯車33は、その吸引方向の先頭側に位置する歯を内歯車20の歯に噛合させるようになっている。
一方、図2に示すように、励磁されたヨーク45、46、47(図2において第1ヨーク45)に対して、内歯車20の半径方向の外側から臨んでいる第2外歯車本体40の内周面40aには、ヨーク45、46、47により、内歯車20の半径方向の磁気力として、内歯車20の半径方向における内側へ向かう吸引力が作用するようになっている。
この吸引力によって、第2外歯車34は、励磁されたヨーク45、46、47の方向(吸引方向)へ吸引されるようになっている。
このとき、第2外歯車34の吸引方向は、第1外歯車33の吸引方向に対して内歯車20の半径方向における逆方向となる。
なお、第1外歯車33と同様に、周方向において互いに隣位する任意の2つのコイル51、52、53に同時に電流が供給されていて、その2つのコイル51、52、53に対応する2つのヨーク45、46、47が同時に励磁されている場合には、この2つのヨーク45、46、47からの吸引力の合力が、第2外歯車34の吸引方向となる。この場合においても、第2外歯車34の吸引方向は、第1外歯車33の吸引方向に対して内歯車20の半径方向における逆方向となる。
そして、この第2外歯車34の吸引方向への吸引により、第2外歯車34は、その吸引方向の先頭側に位置する歯を内歯車20の歯に噛合させるようになっている。
このようにして、第1外歯車33と第2外歯車34とを、内歯車20における光軸9を挟んで互いに対向する部位に噛合させることができ、両外歯車33、34の間にπラジアンの位相角度を形成することが可能となる。
さらに、通電制御部55は、電流が供給されるコイル51、52、53を、周方向に順次選択的に切換えることによって、第1〜第3ヨーク45、46、47を周方向に順次選択的に励磁するようになっている。
これにより、第1環状部37の外周面37aおよび第2外歯車本体40の内周面40aに作用する内歯車20の半径方向の磁気力(吸引力)を、第1外歯車33の吸引方向と、第2外歯車34の吸引方向とが、内歯車20の半径方向における互いに逆方向の関係を維持しながら光軸9を中心とした周方向に互いに一体的に回転するように確実に変化させることができる。
この結果、第1外歯車33と第2外歯車34とを、内歯車20における光軸9を挟んで互いに対向する部位に噛合させてπラジアンの位相角度を維持させつつ同一方向に公転させることができる。
そして、これら第1外歯車33および第2外歯車34の内歯車20への噛合をともなった公転によって内歯車20を自転させることができ、この内歯車20の自転運動を、螺旋カム構造21および回り止め構造によってレンズ5、6、7の光軸9方向への直進運動に変換させることにより、レンズ5、6、7のフォーカシングを行うことができる。
したがって、本実施形態においては、第1外歯車33、第2外歯車34および内歯車20を備えた簡易かつ安価な構成によって、振動を抑制して騒音の発生を確実に防止しつつ、レンズ5、6、7を光軸9方向に適正に移動させてフォーカシングを高精度に行うことができる。
また、コイル51、52、53への電流の供給が停止された状態においても、第1外歯車33と第2外歯車34とがともに内歯車20への噛合位置まで移動されていることによって内歯車20の自転運動が十分に規制されるため、レンズ5、6、7をフォーカシング後の位置に安定的に保持することができる。
ところで、通電制御部55によって電流が供給されるコイル51、52、53は、第1環状部37の外周面37aおよび第2外歯車本体40の内周面40aに作用する吸引力を、第1外歯車33と第2外歯車34との吸引方向が、光軸9を中心とした周方向に互いに一体的に回転するように変化させる必要上、周方向に順次切換わる必要がある。
しかし、必ずしも、任意の1つのコイル51、52、53に対する電流の供給の終了と、当該任意の1つのコイル51、52、53に周方向において隣位する他のコイル51、52、53(次に電流を供給するコイル)に対する電流の供給の開始とが同時になされる必要はない。
すなわち、表1に示すように、電流が供給されるコイル51、52、53を、例えば、第1コイル51から、この第1コイル51に周方向において隣位する第2コイル52に切換える際に、第1コイル51に対する電流の供給時間と第2コイル52に対する電流の供給時間とが重なることによって、双方のコイル51、52に同時に電流が供給される時間(T)が存在してもよい。
Figure 2007033873
この場合においても、表1の時間Tに示すように、第2コイル52に対する電流の供給時間内に、第1コイル51に対する電流の供給が終了すれば、電流が供給されるコイル51、52、53が周方向に順次切換わるということができる。
このことをヨーク45、46、47の励磁状態としてみれば、まず、第1ヨーク45のみが励磁された状態から、第1ヨーク45と第2ヨーク46との双方が励磁された状態に移行し、続いて、第2ヨーク46のみが励磁された状態に移行することになる。
このような場合であっても、各ヨーク45、46、47が周方向に順次選択的に励磁されていることに他ならない。
なお、表1について詳述すると、表1の時間Tにおいては、第1コイル51のみに電流が供給されていることによって、第1ヨーク45のみが励磁された状態になっている。
これにより、第1環状部37の外周面37aおよび第2外歯車本体40の内周面40aには、内歯車20の半径方向の磁気力として、第1ヨーク45に向かう磁気力がそれぞれ作用し、第1外歯車33および第2外歯車34が、第1ヨーク45の方向(吸引方向)に吸引された状態となる。
次いで、Tに続く時間Tにおいては、第1コイル51に依然として電流が供給され続けているとともに、新たに、第2コイル52に対する電流の供給が開始されることによって、第1ヨーク45および第2ヨーク46の双方が励磁された状態となっている。
これにより、第1環状部37の外周面37aには、内歯車20の半径方向の磁気力として、第1ヨーク45に向かう吸引力と第2ヨーク46に向かう吸引力との双方が作用するようになっている。そして、この双方の吸引力の合力の方向、すなわち、第1ヨーク45と第2ヨーク46との周方向における中間位置に向かう方向が、第1外歯車33の吸引方向となる。
同様に、第2外歯車本体40の内周面40aには、内歯車20の半径方向の磁気力として、第1ヨーク45に向かう吸引力と第2ヨーク46に向かう吸引力との双方が作用するようになっている。そして、この双方の吸引力の合力の方向、すなわち、第1ヨーク45と第2ヨーク46との周方向における中間位置に向かう方向が、第2外歯車34の吸引方向となる。この第2外歯車34の吸引方向は、第1外歯車33の吸引方向に対して内歯車20の半径方向における逆方向となる。
この結果、時間Tにおいては、第1外歯車33および第2外歯車34が、時間Tにおける位置から図3における時計回りにπ/3ラジアン公転して、第1ヨーク45と第2ヨーク46との周方向における中間位置に吸引された状態となる。
次いで、時間Tに続く時間Tにおいては、第1コイル51に対する電流の供給は既に終了され、一方、第2コイル52には依然として電流が供給され続けていることによって、第2ヨーク46のみが励磁された状態となる。
これにより、第1環状部37の外周面37aおよび第2外歯車本体40の内周面40aには、内歯車20の半径方向の磁気力として、第2ヨーク46に向かう吸引力が作用するようになっている。
そして、この吸引力の方向が、そのまま第1外歯車33および第2外歯車34の吸引方向となる。
この結果、時間Tにおいては、第1外歯車33および第2外歯車34が、時間Tにおける位置から図3における時計回りにπ/3ラジアン公転して、第2ヨーク46に吸引された状態となる。
さらに、時間Tに続く時間Tおよびそれ以降の時間においても、時間T〜Tと同様の電流の供給を行うことによって、第1外歯車33と第2外歯車34との吸引方向を図3における時計回りにπ/3ラジアンずつ回転させることができ、この吸引方向の回転にともなって、第1外歯車33と第2外歯車34とを公転させることができる。
このように、電流の供給を、1つのコイル51、52、53から次のコイル51、52、53に切換える際に、双方のコイル51、52、53に対する電流の供給時間の重なり部分が存在する場合には、電流の供給パターンの変化に応じた吸引方向の回転角度を小さくすることができる。
この結果、第1外歯車33と第2外歯車34とを円滑に公転させることができ、騒音の発生をより有効に防止することができる。
さらに、ヨーク45、46、47の個数も少なくて済むため、小型化および製造コストの削減にさらに適した構成にすることができる。
なお、ヨークの個数、各ヨークにおける突極部の個数および各ヨークにおけるコイルの個数ならびに配置については、必要に応じて種々変更することができる。
また、各ヨークを、複数層のヨーク片部を半径方向に重ね合わせた成層構造によって構成すれば、鉄損を有効に低減させることができ、各ヨークを効率よく励磁させることができる。
上記構成に加えて、さらに、本実施形態における光学装置1は、第1外歯車33の自転運動を抑制する第1自転抑制機構と、第2外歯車34の自転運動を抑制する第2自転抑制機構とを備えている。
図2および図10に示すように、第1自転抑制機構は、第1外歯車本体36と第1環状部37との間に、周方向に等間隔に形成された3つの第1遊挿部39を有しており、各第1遊挿部39には、平面円形状の3つの第1貫通孔56がそれぞれ穿設されている。
さらに、第1自転運動抑制機構は、3つの第1貫通孔56にそれぞれ遊挿された光軸9方向に長尺な3つのピン57を有しており、これら3つのピン57は、それぞれ台座15の上面に凹入形成された凹部15aを介して台座15上に固定されて保持されている。
そして、このように構成された第1自転抑制機構によれば、第1外歯車33が自転運動を行おうとしても第1貫通孔56の自転方向への移動が、ピン57によって規制されるため、第1外歯車33の自転運動を確実に抑制することができる。
この結果、第1外歯車33の公転運動のみを取り出すことができ、第1外歯車33を適切に公転させることができる。
一方、第2自転抑制機構は、第2外歯車本体40と第2環状部41との間に、周方向に等間隔に形成された3つの第2遊挿部43を有しており、各第2遊挿部43には、平面円形状の3つの第2貫通孔59がそれぞれ穿設されている。
各第2貫通孔59は、第1自転抑制機構の各第1貫通孔56と、光軸9方向においてそれぞれ互いに対峙する位置関係(同軸上の位置関係)にある。
さらに、第2自転抑制機構は、3つの第2貫通孔59に、第1自転抑制機構の3つのピン57がそれぞれ遊挿されていることによって構成されている。
そして、このように構成された第2自転抑制機構によれば、第2外歯車34が自転運動を行おうとしても、第2貫通孔59の自転方向への移動がピン57によって規制されるため、第2外歯車34の自転運動を確実に抑制することができる。
この結果、第2外歯車34の公転運動のみを取り出すことができ、第2外歯車34を適切に公転させることができる。
さらに、第1自転抑制機構と第2自転抑制機構との間で同一のピン57を共有することができることにより、部品点数を削減することができる。
上記構成に加えて、さらに、本実施形態における光学装置1は、第1外歯車33の公転半径を規制する第1公転半径規制機構と、第2外歯車34の公転半径を規制する第2公転半径規制機構とを備えている。
本実施形態において、第1公転半径規制機構は、前述した第1遊挿部39およびピン57を備えた第1自転抑制機構と同一の構造体によって構成されている。
すなわち、第1外歯車33の公転の際に、第1遊挿部39の第1貫通孔56が、ピン57によって公転方向への過度な移動を規制されることによって、第1外歯車33の公転半径を規制することができるようになっている。
これにより、第1外歯車33の公転半径を必要以上に大きくすることがないため、装置のさらなる小型化を図ることができる。
また、第1外歯車33とヨーク45、46、47との間のギャップを適正に確保しつつ第1外歯車33を公転させることができるため、第1外歯車33とヨーク45、46、47との衝突に起因する騒音の発生を確実に防止することができる。
さらに、第1遊挿部39およびピン57を備えた1つの構造体によって、第1自転抑制機構と第1公転半径規制機構との双方を形成することができるため、部品点数をさらに削減することができる。
一方、第2公転半径規制機構は、前述した第2遊挿部43およびピン57を備えた第2自転抑制機構と同一の構造体によって構成されている。
すなわち、第2外歯車34の公転の際に、第2遊挿部43の第2貫通孔59が、ピン57によって公転方向への過度な移動を規制されることによって、第2外歯車34の公転半径を規制することができる。
また、第2外歯車34とヨーク45、46、47との間のギャップを適正に確保しつつ第2外歯車34を公転させることができるため、第2外歯車34とヨーク45、46、47との衝突に起因する騒音の発生を確実に防止することができる。
さらに、第2遊挿部43およびピン57を備えた1つの構造体によって、第2自転抑制機構と第2公転半径規制機構との双方を形成することができるため、部品点数をさらに削減することができる。
上記構成に加えて、さらに、本実施形態においては、第1外歯車33と第2外歯車34とが、互いに同一の総質量に形成され、かつ、第1環状部37の外周面37aに作用する吸引力(合力の場合も含む)と、第2外歯車本体40の内周面40aに作用する吸引力(合力の場合も含む)とが、互いに方向が逆方向であって互いに大きさが等しい吸引力とされている。
これにより、第1外歯車33と第2外歯車34とが、内歯車20に噛合しつつ公転する際に内歯車20から受ける反作用を互いに相殺することができるため、騒音の発生をさらに有効に抑制することができる。
次に、本実施形態の作用について説明する。
本実施形態において、フォーカシングを行うには、通電制御部55によって、第1〜第3コイル51、52、53に対して周方向に順次選択的に電流を供給する。
この電流の供給にともなって、各コイル51、52、53が巻回されている第1〜第3ヨーク45、46、47が周方向に順次選択的に励磁される。
ここで、例えば、第1コイル51のみに対する電流の供給が行われていて、第1ヨーク45のみが励磁されている状態を瞬間的にとらえてみると、この状態において、第1環状部37の外周面37aおよび第2外歯車本体40の内周面40aには、内歯車20の半径方向の磁気力として、第1ヨーク45に向かう吸引力が作用する。
このとき、第1環状部37の外周面37aに作用する吸引力の方向と、第2外歯車本体40の内周面に作用する吸引力の方向とは、内歯車20の半径方向における互いに逆方向となっている。
この吸引力により、第1外歯車33および第2外歯車34は、内歯車20の半径方向における互いに逆方向に吸引されて内歯車20における光軸9を挟んで互いに対向する部位に噛合することによって、πラジアンの位相角度を形成する。
そして、電流が供給されるコイル51、52、53が、第1コイル51から周方向に順次選択的に切換わることにより、第1環状部37の外周面37aに作用する吸引力と、第2外歯車本体40の内周面に作用する吸引力とが、第1外歯車33の吸引方向と第2外歯車34の吸引方向とが光軸9を中心とした周方向に互いに一体的に回転するように変化する。
これにより、第1外歯車33および第2外歯車34は、内歯車20における光軸9を挟んで互いに対向する部位に噛合して、πラジアンの位相角度を有しつつ、同一方向に公転する。
なお、内歯車20における第1外歯車33が噛合される位置および内歯車20における第2外歯車34が噛合される位置は、歯車の構成上、周方向に変化する。
そして、第1外歯車33および第2外歯車34の公転により、両外歯車33、34に噛合された内歯車20が、光軸9を中心とした自転運動を振動をともなわずに安定的に行うことができる。
次いで、内歯車20の自転運動は、螺旋カム構造21および回り止め構造によって、バレル8の光軸9方向への直進運動に変換される。
これにより、バレル8に保持されたレンズ5、6、7が、バレル8とともに光軸9方向に移動することができ、レンズ5、6、7のフォーカシングを安定的かつ高精度に行うことができる。
以上述べたように、本実施形態における光学装置1によれば、πラジアンの位相角度を有する第1外歯車33と第2外歯車34とを内歯車20に噛合させた状態で、両外歯車33、34を公転させることによって内歯車20を自転させることができ、この内歯車20の自転運動を、螺旋カム構造21および回り止め構造によってレンズ5、6、7の光軸9方向への移動運動に変換することができる。
この結果、消費電力および製造コストを削減することができ、かつ、直線性および耐久性を向上させることができ、さらに、振動を抑制してレンズ5、6、7を光軸9方向に適切に移動させることができる。さらに、騒音の発生を防止することができるとともに小型化を図ることができる。
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
例えば、全てのヨーク45、46、47を円環状の基部の上に一体的に形成するようにしてもよい。
本発明に係る光学装置の実施形態を示す平面図 図1の2−2断面図 図2の3−3切断線で光学装置全体を切断した断面図 本発明に係る光学装置の実施形態において、板ばねを示す平面図 本発明に係る光学装置の実施形態において、内歯車を示す下面図 図5の6−6断面図 本発明に係る光学装置の実施形態において、螺旋カム構造のカム面を示す側面図 本発明に係る光学装置の実施形態において、バレルを示す側面図 図8の平面図 本発明に係る光学装置の実施形態において、第1外歯車を示す平面図 本発明に係る光学装置の実施形態において、第1外歯車と内歯車との噛合状態を示す平面図 図11の12−12断面図 本発明に係る光学装置の実施形態において、第2外歯車を示す平面図 本発明に係る光学装置の実施形態において、ヨークを示す平面図 図14の右側面図 本発明に係る光学装置の実施形態において、ヨークおよびヨークに巻回されたコイルを示す平面図 図16の右側面図 位相角度を模式的に示す説明図
符号の説明
1 光学装置
5 第1レンズ
6 第2レンズ
7 第3レンズ
20 内歯車
21 螺旋カム構造
27 バレル固定用凸部
29 バレル固定用凹部
33 第1外歯車
34 第2外歯車
37a 第1環状部の外周面
39 第1遊挿部
40a 第2歯車本体の内周面
43 第2遊挿部
45 第1ヨーク
46 第2ヨーク
47 第3ヨーク
51 第1コイル
52 第2コイル
53 第3コイル
55 通電制御部
56 第1貫通孔
57 ピン
59 第2貫通孔

Claims (10)

  1. 光軸方向に移動可能とされた光学素子と、
    この光学素子を前記光軸方向に移動させるための移動機構とを備えた光学装置であって、
    前記移動機構が、
    光軸を中心とした自転運動を可能とされた内歯車と、
    この内歯車の自転運動を前記光学素子の前記光軸方向への移動運動に変換する変換機構と、
    前記内歯車の内側に、前記光軸方向に所定の間隔を設けるようにして配設され、前記内歯車における光軸を挟んで互いに対向する部位に噛合して、πラジアンの位相角度を有しつつ同一方向に公転することによって、前記内歯車を自転させる第1外歯車および第2外歯車と、
    これら第1外歯車および第2外歯車を公転させる公転機構と
    を備えたことを特徴とする光学装置。
  2. 前記公転機構が、
    前記第1外歯車に配設された第1磁気作用部と、
    前記第2外歯車に配設された第2磁気作用部と、
    前記第1磁気作用部および前記第2磁気作用部に磁気力を作用させることによって、前記第1外歯車および前記第2外歯車を、前記内歯車における光軸を挟んで互いに対向する部位に噛合させることが可能とされ、かつ、前記磁気力を変化させることによって、前記第1外歯車および前記第2外歯車を、前記内歯車における光軸を挟んで互いに対向する部位に噛合させつつ公転させることが可能とされた磁気力手段と
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
  3. 前記磁気力手段が、
    前記第1磁気作用部および前記第2磁気作用部に、前記磁気力として、前記内歯車の半径方向の磁気力を作用させて、前記第1外歯車および前記第2外歯車を、前記内歯車の半径方向における互いに逆方向に吸引することによって、前記第1外歯車および前記第2外歯車を、前記内歯車における光軸を挟んで互いに対向する部位に噛合させることが可能とされ、
    かつ、
    前記内歯車の半径方向の磁気力を、前記第1外歯車の吸引方向と前記第2外歯車の吸引方向とが、前記光軸を中心とした周方向に互いに一体的に回転するように変化させることによって、前記第1外歯車および前記第2外歯車を、前記内歯車における光軸を挟んで互いに対向する部位に噛合させつつ公転させることが可能とされていること
    を特徴とする請求項2に記載の光学装置。
  4. 前記第1磁気作用部が、前記第1外歯車のピッチ面よりも半径方向の内側に、前記第1外歯車のピッチ面に沿うように形成された磁性を有する第1磁気作用面とされ、
    前記第2磁気作用部が、前記第2外歯車のピッチ面よりも半径方向の内側に、前記第2外歯車のピッチ面に沿うように形成された磁性を有する第2磁気作用面とされ、
    前記磁気力手段が、前記第1磁気作用面および前記第2磁気作用面に半径方向において対峙するようにして周方向に所定の間隔を設けて配設された複数のヨークと、これら複数のヨークを周方向に順次選択的に励磁する励磁手段とを備えたこと
    を特徴とする請求項3に記載の光学装置。
  5. 前記第1外歯車の自転運動を抑制する第1自転抑制機構と、
    前記第2外歯車の自転運動を抑制する第2自転抑制機構と
    を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学装置。
  6. 前記第1外歯車の公転半径を規制する第1公転半径規制機構と、
    前記第2外歯車の公転半径を規制する第2公転半径規制機構と
    を備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学装置。
  7. 前記第1自転抑制機構と前記第1公転半径規制機構とが、
    装置本体に保持された光軸方向に長尺なピンと、
    前記第1外歯車に形成され、前記ピンが遊挿された第1貫通孔を有する第1遊挿部と
    を備えた同一の構造体によって形成されていること
    を特徴とする請求項6に記載の光学装置。
  8. 前記第2自転抑制機構と前記第2公転半径規制機構とが、
    装置本体に保持された光軸方向に長尺なピンと、
    前記第2歯車に形成され、前記ピンが遊挿された第2貫通孔を有する第2遊挿部と
    を備えた同一の構造体によって形成されていること
    を特徴とする請求項6または7に記載の光学装置。
  9. 前記第1遊挿部の第1貫通孔と、前記第2遊挿部の第2貫通孔とが、互いに同軸上に配置され、これら第1貫通孔および第2貫通孔に、同一のピンが遊挿されていることを特徴とする請求項8に記載の光学装置。
  10. 前記第1外歯車と前記第2外歯車とが、互いに同一の総質量に形成され、
    前記第1磁気作用部に作用する磁気力と前記第2磁気作用部に作用する磁気力とが、互いに方向が逆方向であって互いに大きさが等しい磁気力とされていること
    を特徴とする請求項2〜9のいずれか1項に記載の光学装置。
JP2005217201A 2005-07-27 2005-07-27 光学装置 Pending JP2007033873A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005217201A JP2007033873A (ja) 2005-07-27 2005-07-27 光学装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005217201A JP2007033873A (ja) 2005-07-27 2005-07-27 光学装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007033873A true JP2007033873A (ja) 2007-02-08

Family

ID=37793212

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005217201A Pending JP2007033873A (ja) 2005-07-27 2005-07-27 光学装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007033873A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008261937A (ja) * 2007-04-10 2008-10-30 Nidec Sankyo Corp レンズ駆動装置
JP2010002718A (ja) * 2008-06-20 2010-01-07 Sony Corp カメラモジュール
WO2020124339A1 (zh) * 2018-12-17 2020-06-25 Oppo广东移动通信有限公司 摄像头安装模组、摄像头组合件及移动终端

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008261937A (ja) * 2007-04-10 2008-10-30 Nidec Sankyo Corp レンズ駆動装置
JP2010002718A (ja) * 2008-06-20 2010-01-07 Sony Corp カメラモジュール
JP4706935B2 (ja) * 2008-06-20 2011-06-22 ソニー株式会社 カメラモジュール
US8233083B2 (en) 2008-06-20 2012-07-31 Sony Corporation Camera module
WO2020124339A1 (zh) * 2018-12-17 2020-06-25 Oppo广东移动通信有限公司 摄像头安装模组、摄像头组合件及移动终端

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5110809B2 (ja) 電動モータ及び電子機器
JP2007110884A (ja) ステッピングモータ及び電子機器
TW200818667A (en) Stepping motor and electronic apparatus
JP2009258240A (ja) レンズ駆動機構及びそのレンズ駆動機構を用いた撮像装置
JP2007033873A (ja) 光学装置
US8310773B2 (en) Toric motor and lens barrel having the same incorporated therein
JP4461116B2 (ja) レンズ駆動装置
KR100771205B1 (ko) 카메라용 자동초점조절장치
JP2007293213A (ja) 鏡筒駆動装置
JP2004317864A (ja) レンズ駆動装置
JP2006047906A (ja) レンズ駆動装置、および撮像装置
JP2007010719A (ja) 光学装置
JP4393423B2 (ja) 駆動装置
JP2006259093A (ja) 光学装置
JP2004029668A (ja) 磁性レンズおよびレンズ駆動装置
JP2005227738A (ja) レンズ駆動装置、およびレンズ駆動装置の製造方法
KR20040100925A (ko) 렌즈 구동기구 및 전자기기
JP2006227534A (ja) レンズ駆動装置
JP2006011384A (ja) 鏡筒、鏡筒を備える撮像装置
JP2006133311A (ja) 光学装置
JP2006293011A (ja) レンズ駆動装置
JP4623714B2 (ja) カメラモジュール及びこのカメラモジュールを用いた携帯端末
JP2006098587A (ja) カメラモジュール及びこのカメラモジュールを用いた携帯端末
JP2017182046A (ja) レンズ鏡筒およびカメラ装置
JP2004343895A (ja) ステッピングモータ及びレンズ駆動装置