JP2007010719A - 光学装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 消費電力および製造コストを削減し、直線性および耐久性を向上させることができ、振動を抑制して光学素子を光軸方向に適切に移動させることができ、騒音の発生を防止することができる小型化に適した光学装置を提供する。
【解決手段】 第1歯車20が第2歯車21に噛合しつつ、自転を伴わない歳差運動が可能とされ、第2歯車21が第1歯車20の自転を伴わない歳差運動により、自転運動を行うことが可能とされた歯車機構と、第2歯車21の自転運動を光学素子10、11、12の光軸14方向への移動運動に変換する変換機構と、第1歯車20に自転を伴わない歳差運動を行わせる第1歯車駆動機構と、第1歯車20と第2歯車21の噛合状態を保持する噛合保持機構22とを備えている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、光学装置に係り、特に、携帯電話等のカメラにおけるオートフォーカス機構等に用いられ、光学素子を光軸方向へ移動させるのに好適な光学装置に関する。
従来から、携帯電話のカメラ等の小型の光学装置においては、光学素子としてのレンズを光軸方向に移動させて焦点を最適な位置に調整するオートフォーカス機構が用いられている。
近年、この種の光学装置は、小型化および低コスト化の要請が高まっており、これにともなって、このような光学装置に用いられるオートフォーカス機構についても、今後、さらに小型でかつ安価に生産することが期待されている。
現状において、光学装置に用いられるオートフォーカス機構としては、ボイスコイルモータ方式や、ステッピングモータ方式あるいはピエゾモータ方式等のオートフォーカス機構が知られている。
また、最近においては、いわゆるワブルモータと称される公転および自転を行うロータを備えたモータによってレンズを光軸方向に駆動する技術が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特開平10−304646号公報 特開2002−333565号公報 特開2002−335664号公報
しかしながら、ボイスコイルモータ方式のオートフォーカス機構は、レンズを所定のフォーカス位置に移動させた後も、フォーカス位置を保持するために電力を供給し続ける必要があり、消費電力が大きいといった問題点を有していた。
また、ボイスコイルモータ方式のオートフォーカス機構は、駆動パルスごとのレンズの移動量が安定せず、直線性にも問題があった。
また、ステッピングモータ方式のオートフォーカス機構は、ステッピングモータおよびこれに係合するウォームギアやギアあるいはカム等を用いてオートフォーカス機構を安価に構成することは可能である。しかし、この場合には、機構部分が大きくなり過ぎるため、従前からの小型化の要請に反する上に、携帯電話等の小型の光学装置内への配置の際における自由度が低下し、デザインを制約する結果となってしまう。
さらに、ピエゾモータは、耐久性に問題があったり、直線性が悪いといった欠点を有している。
さらにまた、特許文献1〜3に示すワブルモータは、ロータの公転および自転の際に生じる振動によって、光学素子を光軸方向に適切に移動させることができない虞があった。
また、ワブルモータ方式のオートフォーカス機構を搭載したカメラを用いて音声付き動画を収録する場合には、ワブルモータの振動にともなって発生した騒音までもが収録されてしまい、高品位な音声付き動画を得ることができない虞があった。
そこで、本発明は、このような点に鑑みなされたものであり、消費電力および製造コストを削減することができ、かつ、直線性および耐久性を向上させることができ、さらに、振動を抑制して光学素子を光軸方向に適切に移動させることができるとともに騒音の発生を防止することができる小型化に適した光学装置を提供することを目的とするものである。
前述した目的を達成するため、本発明の請求項1に係る光学装置の特徴は、光軸方向に移動可能とされた光学素子を有する光学装置において、互いに対向するように配設され、かつ、それぞれのピッチ面が互いに向かい合うように形成された第1歯車及び第2歯車を有し、前記第1歯車が、前記第2歯車に噛合しつつ自転を伴わない歳差運動を行うことが可能とされ、前記第2歯車が、前記第1歯車の自転を伴わない歳差運動により、自転運動を行うことが可能とされた歯車機構と、前記第2歯車の自転運動を、前記光学素子の前記光軸方向への移動運動に変換する変換機構と、前記第1歯車に前記自転を伴わない歳差運動を行わせる第1歯車駆動機構と、少なくとも前記第1歯車の非駆動時に、前記第1歯車と前記第2歯車との噛合状態を保持する噛合保持機構とを備えた点にある。
そして、この請求項1に係る発明によれば、第1歯車駆動機構によって第1歯車に第2歯車と噛合しつつ自転を伴わない歳差運動を行わせることにより、第2歯車に自転運動を行わせることができ、さらに、この第2歯車の自転運動を、変換機構によって光学素子の光軸方向への移動運動に変換することが可能となる。
また、第1歯車の非駆動時においても、噛合保持機構によって第1歯車と第2歯車との噛合状態を保持することによって、電力供給を要することなく、光学素子を移動後の位置に安定的に保持することが可能となる。
この結果、消費電力および製造コストを削減することができ、かつ、直線性および耐久性を向上させることができ、さらに、振動を抑制して光学素子を光軸方向に適切に移動させることができるとともに騒音の発生を防止することができ、そのうえ、小型化に適した構成とすることができる。さらに、部品点数を少なくすることができ、製造効率および歩留まりを向上させることができる。
ここで、第1歯車の自転を伴わない歳差運動とは、第1歯車の自転をともなわずに、第1歯車の仮想的な中心軸が首を振る運動をいう。
また、請求項2に係る光学装置の特徴は、請求項1において、前記第1歯車駆動機構が、前記第1歯車に配設された磁気作用部と、この磁気作用部に、前記第1歯車を前記自転を伴わない歳差運動の方向に変位させる磁気力を作用させる磁気力手段とを備えた点にある。
そして、この請求項2に係る発明によれば、更に、磁気力手段によって磁気作用部に磁気力を作用させることによって、簡易な構成により、第1歯車に適切に自転を伴わない歳差運動を行わせることができる結果、請求項1に係る光学装置に比べて、光学素子の光軸方向への適切な移動を確保しつつ、より小型で安価な光学装置を実現することができる。
さらに、請求項3に係る光学装置の特徴は、請求項2において、前記磁気作用部が、前記第1歯車のピッチ面に沿って周設された磁性を有する環状部とされ、前記磁気力手段が、前記環状部における周方向において互いに異なる複数の部位に、前記光軸方向における前記第2歯車の方向への磁気力を、周方向に順次選択的に作用させることによって、前記第1歯車に前記自転を伴わない歳差運動を行わせることが可能とされている点にある。
そして、この請求項3に係る発明によれば、更に、磁気力手段によって環状部に磁気力を作用させることにより、簡易な構成によって第1歯車にさらに適切に自転を伴わない歳差運動を行わせることができる結果、請求項2に係る光学装置に比べて、さらに適切に光学素子を光軸方向に移動させることができ、さらなる小型化および製造コストの削減を図ることができる。
さらにまた、請求項4に係る光学装置の特徴は、請求項3において、前記磁気力手段が、前記環状部に対して前記光軸方向における前記第2歯車と同じ側から対向する位置に、前記環状部に沿って周方向に所定の間隔を設けて配設された複数のヨークと、これら複数のヨークを周方向に順次選択的に励磁することによって、各ヨークに前記環状部を吸引する吸引力を周方向に順次選択的に発生させる励磁手段とを備えた点にある。
そして、この請求項4に係る発明によれば、更に、磁気力手段を、複数のヨークと励磁手段とによって簡易に構成することができ、さらに、励磁手段によって複数のヨークを周方向に順次選択的に励磁することによって、各ヨークに、第1歯車に高精度な自転を伴わない歳差運動を行わせることができる吸引力を発生させることができる結果、請求項3に係る光学装置に比べて、光学装置をさらに小型にかつ安価に製造することができ、さらに、光学素子の光軸方向への移動をさらに高精度に制御することができる。
また、請求項5に係る光学装置の特徴は、請求項1〜4のいずれか1項において、前記第1歯車が、ベベルギアとされ、前記第2歯車が、クラウンギアとされている点にある。
そして、この請求項5に係る発明によれば、更に、ベベルギアとされた第1歯車の自転を伴わない歳差運動を、クラウンギアとされた第2歯車の自転運動に効率的に変換することができる結果、請求項1〜4のいずれか1項に係る光学装置に比べて、光学素子をさらに効率的に光軸方向に移動させることができる。
さらに、請求項6に係る光学装置の特徴は、請求項5において、前記第1歯車の歯数が、前記第2歯車の歯数よりも1つ少ない点にある。
そして、この請求項6に係る発明によれば、更に、自転を伴わない歳差運動の際の第1歯車の変位量を小さくすることができる結果、請求項5に係る光学装置に比べて、振動をさらに有効に抑制することができ、静音性をさらに向上させることができる。
さらにまた、請求項7に係る光学装置の特徴は、請求項1〜6のいずれか1項において、前記第1歯車の自転運動を抑制する自転抑制機構を備えた点にある。
そして、この請求項7に係る発明によれば、更に、自転抑制機構によって第1歯車の自転運動を抑制することができる結果、請求項1〜6のいずれか1項に係る光学装置に比べて、さらに高精度に光学素子を光軸方向に移動させることができる。
また、請求項8に係る光学装置の特徴は、請求項1〜7のいずれか1項において、前記噛合保持機構が、前記第1歯車を前記第2歯車の方向に付勢する付勢手段を備えた点にある。
そして、この請求項8に係る発明によれば、更に、付勢手段によって、第1歯車を第2歯車の方向に付勢することによって、第1歯車の非駆動時においても、第1歯車と第2歯車との噛合状態を保持することができる結果、第1歯車の非駆動時に第2歯車が勝手に自転してしまうことを防止することができ、光学素子を移動後の位置に電力供給を要することなく簡便かつ適切に保持することができる。
さらに、請求項9に係る光学装置の特徴は、請求項8において、前記自転抑制機構および前記付勢手段が、前記第1歯車と装置本体における前記第1歯車に臨む部位との間に、周方向に沿って所定の間隔を設けて配設された複数のコイルばねを備えた同一の構造体によって形成されている点にある。
そして、この請求項9に係る発明によれば、更に、複数のコイルばねによって自転抑制機構と付勢手段との双方を構成することができる結果、請求項8に係る光学装置に比べて、部品点数をさらに削減することができ、より小型で安価な光学装置を実現することができる。
本発明に係る光学装置によれば、消費電力および製造コストを削減することができ、かつ、直線性および耐久性を向上させることができ、さらに、振動を抑制して光学素子を光軸方向に適切に移動させることができるとともに騒音の発生を防止することができる小型化に適した光学装置を提供することができる。
以下、本発明に係る光学装置の実施形態について、図1〜図9を参照して説明する。
図1は、本実施形態における光学装置1の平面図を、図2は、図1の2−2断面図を示したものである。
図2に示すように、本実施形態における光学装置1は、台座2と、この台座2の上部に配設された中央に円形の開孔3を有する蓋状の上カバー5と、この上カバー5の上部に配設された環状の板ばね6とによって構成された装置本体としてのケース7を有している。
さらに、光学装置1は、ケース7内に、光学素子として、物体側から固体撮像素子8のセンサ面側に向かって順に、第1レンズ10、第2レンズ11および第3レンズ12の3枚のレンズ10、11、12を有している。
各レンズ10、11、12は、光軸14を互いに一致させるようにして、筒状のバレル15内に保持されている。
また、第1レンズ10と第2レンズ11との間には絞り16が、第2レンズ11と第3レンズ12との間にはスペーサ17が、第3レンズ12の像面側にはストッパ19がそれぞれ配設されている。
さらに、本実施形態において、ケース7内には、レンズ10、11、12をバレル15とともに光軸14方向に移動させてフォーカシングを行うための移動機構が配設されており、この移動機構は、歯車機構を有している。
歯車機構は、バレル15の外周面を包囲するように配設された平面円環状の第1歯車20と、この第1歯車20の図2における下部に、第1歯車20と光軸14方向において互いに対向するようにしてバレル15の外周面を包囲するように配設された平面円環状の第2歯車21とによって構成されている。
図2に示すように、第1歯車20は、後述する3つのコイルばね22を介して上カバー5の図2における上壁部5aの下面に保持されている。また、第2歯車21は、台座2の図2における上面に載置されて保持されている。台座2の上面は、第2歯車21を摺動よく保持するように構成される。
さらに、図2〜図7に示すように、第1歯車20と第2歯車21とは、それぞれのピッチ面が、光軸14方向において互いに向かい合う形状に形成されている。
具体的には図2および図4に示すように、第1歯車20は、そのピッチ面(以下、第1ピッチ面24と称する)が、第1歯車20本体の図2、4における下面に形成されたベベルギアとされており、この第1歯車20の第1ピッチ面24は、光軸14に直交する水平面に対して光軸14方向における第2歯車21側(下方)へ向かってわずかに傾斜された傾斜面とされている。換言すれば、第1歯車20は、第1ピッチ面24のなす頂角が、ほぼ180°に近いベベルギアとされている。
一方、図2および図7に示すように、第2歯車21は、そのピッチ面(以下、第2ピッチ面25と称する)が、第2歯車21本体の図2、7における上面に形成されたクラウンギアとされており、この第2歯車21の第2ピッチ面25は、光軸14に直交する水平面とされている。
本実施形態において、第1歯車20は、第2歯車21の一部に噛合しつつ、自転を伴わない歳差運動を行うことが可能とされている。
そして、第2歯車21は、第1歯車20の自転を伴わない歳差運動により、光軸14を中心とした自転運動を行うことが可能とされている。
さらに、移動機構は、第2歯車21の自転運動を、レンズ10、11、12の光軸14方向への移動運動に変換する変換機構を有している。
図2に示すように、変換機構は、第2歯車21の半径方向における内側(光軸14側)の端部から、バレル15の上端縁部15aの下面側(図2における上方)に向かって延出された筒状の端面カム27を有している。
この端面カム27は、図2における上端面がカム面27aとなっており、このカム面27aは、光軸14方向における高さが周方向に沿って順次変化するように形成されている。カム面27aは、光軸14方向における高さが周方向に沿って山状または谷状あるいは波面上に変化するものであってもよい。
また、変換機構は、バレル15の上端縁部15aの下面に垂設されたカム接触子29を有しており、このカム接触子29の図2における下端部は、カム面27aに接触している。
さらに、変換機構は、バレル15の回転を係止する回り止め構造を有している。
図2に示すように、回り止め構造は、バレル15の上端縁部15aの外周面に、半径方向における外側に向かう凸部15bを突設し、この凸部15bの上端面に、この上端面に臨む板ばね6の下面を、接着等の方法で固定することによって形成されている。
そして、このような構成を有する変換機構によれば、第2歯車21とともに一体的に回転するカム面27aに、カム接触子29を摺接させることによって、第2歯車21の自転運動を、バレル15およびバレル15に保持されたレンズ10、11、12の光軸14方向への直進運動に変換することができる。
さらに、本実施形態において、移動機構は、第1歯車20に前記自転を伴わない歳差運動を行わせる第1歯車駆動機構を備えている。
第1歯車駆動機構は、第1歯車20における第1ピッチ面24の半径方向における外側に、第1ピッチ面24に沿って環状に周設された磁気作用部としての環状部30を有している。
この環状部30は、第1歯車20全体が磁性体によって形成されていることによって磁性を有している。
さらに、第1歯車駆動機構は、環状部30における周方向において互いに異なる複数の部位に、周方向に順次選択的に光軸14方向における第2歯車21の方向への磁気力を作用させる磁気力手段を有している。
図2および図8に示すように、磁気力手段は、環状部30に対して光軸14方向における第2歯車21と同じ側(図2の下側)から対向する位置に、周方向に等間隔(120°間隔)を設けるようにして配設された第1ヨーク32、第2ヨーク33および第3ヨーク34の3つのヨーク32、33、34を有している。図2には、第1ヨーク32のみが示されている。
尚、第1〜第3ヨーク32、33、34は、120°間隔以外にも、例えば72°間隔等、所定の間隔を設けて配設されてもよい。
図8に示すように、第1〜第3ヨーク32、33、34は、それぞれ、平面円弧形状に形成された円弧部36と、この円弧部36の上に、周方向に等間隔に立設された3つの突極部37とを有している。
また、各ヨーク32、33、34は、光軸14と同心環状とされた環状基部39の上に一体的に形成されていることによって、1つのヨークユニット40を構成している。
さらに、図2および図9に示すように、磁気力手段は、第1ヨーク32に巻回された第1コイル41と、第2ヨーク33に巻回された第2コイル42と、第3ヨーク34に巻回された第3コイル43との3つのコイル41、42、43を有している。なお、図9には、便宜上、第1コイル41のみが示されているが、第2コイル42および第3コイル43についても、第1コイル41と全く同一の構成である。
第1〜第3コイル41、42、43は、第1〜第3ヨーク32、33、34の各3つの突極部37のうち、周方向における中央の突極部に巻回されている。
さらに、図9に示すように、第1〜3コイル41、42、43には、各コイル41、42、43とともに励磁手段を構成する通電制御部45がそれぞれ接続されており、この通電制御部45は、各コイル41、42、43に対して電流を供給することによって、コイル41、42、43を貫く磁界を発生させるようになっている。
そして、このコイル41、42、43を貫く磁界によって、コイル41、42、43が巻回された中央の突極部37が励磁され、同時に、この中央の突極部37を挟む同一円弧部36上の他の2つの突極部37も励磁されることになる。
このようにして励磁されたヨーク32、33、34に対して、光軸14方向における図2の上方から臨んでいる環状部30の部位には、光軸14方向における第2歯車21の方向(下方向)へ向かう吸引力が作用することになる。
そして、この吸引力によって、励磁されたヨーク32、33、34の上方に位置する環状部30の部位は、励磁されたヨーク32、33、34の方向へ吸引されることになる。
このことを、第1歯車20全体としてみれば、第1歯車20全体が、励磁されたヨーク32、33、34に近接する方向に傾くことになる。
これにより、励磁されたヨーク32、33、34の方向へ吸引された環状部30の部位の内側(光軸14側)に位置する第1歯車20の歯20aが、これに対向する第2歯車21の歯21aに噛合されることになる(図2参照)。
さらに、通電制御部45は、電流が供給されるコイル41、42、43を、周方向に順次選択的に切換えることによって、第1〜第3ヨーク32、33、34を周方向に順次選択的に励磁するようになっている。
これにより、各ヨーク32、33、34に、環状部30を吸引する吸引力を周方向に順次選択的に発生させることができ、この結果、第1歯車20に、第2歯車21と噛合しつつ自転を伴わない歳差運動を行わせることができる。
なお、図4および図7における仮想線L、L’は、自転を伴わない歳差運動による第1歯車20の変位の範囲を示している。
したがって、本実施形態においては、通電制御部45、第1〜第3コイル41、42、43および第1〜第3ヨーク32、33、34からなる簡易な構成によって発生される磁気力(吸引力)によって、第1歯車20に、第2歯車21と噛合(部分的な噛合)しつつ自転を伴わない歳差運動を適切に行わせることにより、振動を抑制しつつ、第2歯車21に自転運動を適切に行わせることが可能となる。
さらに、本実施形態においては、第2歯車21の自転運動を、カム面27a、カム接触子29および回り止め構造により、レンズ10、11、12の光軸14方向への移動運動(直進運動)に変換することによって、レンズ10、11、12を光軸14方向に適正に移動させることが可能となる。
ところで、通電制御部45によって電流が供給されるコイル41、42、43は、第1歯車20に自転を伴わない歳差運動を行わせる必要上、周方向に順次切換わる必要がある。
しかし、必ずしも、任意の1つのコイル41、42、43に対する電流の供給の終了と、当該1つのコイル41、42、43に周方向において隣位する他のコイル41、42、43に対する電流の供給の開始とが同時になされる必要はない。
すなわち、電流が供給されるコイル41、42、43を、例えば、第1コイル41から、この第1コイル41に周方向において隣位する第2コイル42に切換える際に、第1コイル41に対する電流の供給時間と第2コイル42に対する電流の供給時間とが重なることによって、双方のコイル41、42に同時に電流が供給されている時間が存在していてもよい。
このような場合においても、第2コイル42に対する電流の供給時間内に、第1コイル41に対する電流の供給が終了すれば、電流が供給されるコイル41、42が周方向に順次切換わることに他ならない。
また、これをヨーク32、33、34の励磁状態としてみれば、まず、第1ヨーク32のみが励磁された状態から、第1ヨーク32と第2ヨーク33との双方が励磁された状態に移行し、続いて、第2ヨーク33のみが励磁された状態に移行することになる。このような場合であっても、各ヨーク32、33が、周方向に順次選択的に励磁されていることに他ならない。
このことは、電流が供給されるコイルを、第2コイル42から第3コイル43に切換える場合、また、第3コイル43から第1コイル41に切換える場合においても同様である。
このように、電流の供給を、1つのコイル41、42、43から次のコイル41、42、43に切換える際に、双方のコイル41、42、43に対する電流の供給時間の重なり部分が存在する場合には、第1歯車20の自転を伴わない歳差運動をさらに円滑に行わせることができ、騒音をさらに有効に抑制することができる。
上記構成に加えて、さらに、本実施形態における光学装置は、第1歯車20の自転運動を抑制する自転抑制機構と、噛合保持機構としての第1歯車20を第2歯車21の方向に付勢する付勢手段とを備えている。
本実施形態において、自転抑制機構と付勢手段とは、ともに、環状部30の図2における上面と、上カバー5の上壁部5aの図2における下面との間に、周方向に等間隔(120°間隔)で配設された3つのコイルばね22とされている。
また、本実施形態においては、付勢手段であるコイルばね22は3つとされたが、例えば5つ等、複数のコイルばね22を等間隔で配設してもよい。
より具体的には、3つのコイルばね22は、図2における下方の端部が、環状部30の上面に形成された平面円形の3つの環状部側凹部46(図3参照)にそれぞれ挿入されて固定されており、上方の端部が、上カバー5の上壁部5aの下面における環状部側凹部46に対向する位置に形成された3つの上カバー側凹部47にそれぞれ挿入されて固定されている。
3つのコイルばね22は、第1歯車20が自転を伴わない歳差運動を行う際に、自転抑制機構として作用することによって、第1歯車20の自転運動を抑制するようになっている。
これにより、第1歯車20の自転を伴わない歳差運動をさらに適切に行わせることができ、この結果、レンズ10、11、12をより高精度に光軸14方向に移動させることができる。
また、3つのコイルばね22は、付勢手段として作用することによって、第1歯車20を第2歯車21の方向に弾性力によって付勢するようになっている。
これにより、第1歯車20の非駆動時(換言すれば第1〜第3コイル41、42、43への非通電時)においても、第1歯車20と第2歯車21との噛合状態を保持することができる。
この結果、第1歯車20の非駆動時に第2歯車21が勝手に自転してしまうことを防止することができ、また、電力(電流)供給を要することなく、レンズ10、11、12を移動後の位置に簡便かつ適切に保持することができる。
さらに、同一の構造体としての3つのコイルばね22によって、自転抑制機構と付勢手段との双方を構成することができる結果、部品点数を削減することができ、より小型で安価な構成にすることができる。
本実施形態としては、ベベルギアである第1歯車20の歯数を、クラウンギアである第2歯車21の歯数よりも少なくすることが好ましい。より好ましくは、第1歯車20の歯数を、第2歯車21の歯数より1つだけ少なくする。
そのようにすれば、自転を伴わない歳差運動の際の第1歯車20の変位量を小さくすることができる結果、振動をさらに有効に抑制することができ、静音性をさらに向上させることができる。
また、第2歯車21を保持する台座2の上面は、第2歯車21の自転運動を円滑に行わせる観点から、樹脂の摺動グレード(PTFE等)等の摩擦係数が低い材質からなることが好ましい。
次に、本実施形態の作用について説明する。
まず、初期状態において、第1〜第3コイル41、42、43には電流は供給されておらず、第1歯車20は非駆動状態となっている。
このとき、第1歯車20は、3つのコイルばね22によって第2歯車21の方向に付勢されていることによって、第2歯車21にほぼ全体的に噛合された状態になっている。これによって、レンズ10、11、12の静止状態が安定的に保持されている。
そして、初期状態から、フォーカシングを行うには、通電制御部45によって、第1〜第3コイル41、42、43に対して周方向に順次電流を供給する。
電流が供給されたコイル41、42、43には、コイル41、42、43を貫く磁界が発生し、この磁界によって、ヨーク32、33、34が励磁される。
そして、励磁されたヨーク32、33、34には、このヨーク32、33、34の上方に位置する第1歯車20の環状部30の部位を吸引する吸引力が発生する。
次いで、この吸引力によって、励磁されたヨーク32、33、34の上方に位置する環状部30の部位が、この励磁されたヨーク32、33、34の方向に吸引される。
これにより、図2に示すように、励磁されたヨーク32、33、34の方向に吸引された環状部30の部位の内側に位置する第1歯車20の歯20aが、これに対向する第2歯車21の歯21aに噛合する。
このときの吸引力による第1歯車20の第2歯車21への噛合は、初期状態におけるコイルばね22の付勢力による噛合とは異なり、部分的ないしは局所的な噛合となり、初期状態よりも強い噛合となる。
そして、電流が供給されるコイル41、42、43、すなわち励磁されるヨーク32、33、34が、周方向に順次切換わることによって、環状部30における吸引力が作用する部位も、周方向に順次変化することになる。
これにより、第1歯車20が駆動状態となり、励磁されたヨーク32、33、34による吸引力を駆動力とした自転を伴わない歳差運動を行う。
このとき、3つのコイルばね22によって第1歯車20の自転が抑制されるため、第1歯車20が、自転を伴わない歳差運動を適切に行うことができる。
この第1歯車20の自転を伴わない歳差運動により、第1歯車20と第2歯車21との噛合位置が周方向に変化して、第2歯車21が、第1歯車20から自転方向への駆動力を伝達されて、光軸14を中心とした自転運動を行う。
この第2歯車21の自転運動にともなって、第2歯車21のカム面27aにカム接触子29が摺接することによって、第2歯車21の自転運動が、カム接触子29が設けられているバレル15による光軸14方向への直進運動に変換される。
これにより、バレル15に保持されたレンズ10、11、12を、バレル15とともに光軸14方向に移動させることができ、フォーカシングを行うことができる。
そして、フォーカシングが完了したときには、第1〜第3コイル41、42、43に対する電流の供給を停止して第1歯車20を再び非駆動状態にする。
このとき、第1歯車20には、第1〜第3ヨーク32、33、34による吸引力は既に作用しないが、3つのコイルばね22の付勢力によって、第1歯車20と第2歯車21とを噛合させることができる。
これにより、レンズ10、11、12をフォーカシング後の位置に安定的に保持することができる。
以上述べたように、本実施形態における光学装置1によれば、通電制御部45、第1〜第3コイル41、42、43および第1〜第3ヨーク32、33、34によって、第1歯車20に、第2歯車21と噛合しつつ自転を伴わない歳差運動を行わせることにより、第2歯車21に効率的に自転運動を行わせることができ、さらに、この第2歯車21の自転運動を、カム面27a、カム接触子29および回り止め構造によってレンズ10、11、12の光軸14方向への移動運動に変換することができる。
また、第1歯車20の非駆動時においても、コイルばね22によって第1歯車20と第2歯車21との噛合状態を保持することによって、電力供給を要することなく、レンズ10、11、12をフォーカシング後(移動後)の位置に安定的に保持することができる。
この結果、消費電力および製造コストを削減することができ、かつ、直線性および耐久性を向上させることができ、さらに、振動を抑制して光学素子を光軸方向に適切に移動させることができるとともに騒音の発生を防止することができ、そのうえ、小型化に適した構成とすることができる。
さらに、部品点数を少なくすることができ、製造効率および歩留まりを向上させることができる。
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
例えば、第1歯車がクラウンギアであってもよいし、また、第2歯車がベベルギアであってもよく、第1歯車20と第2歯車21の両方をベベルギアで構成してもよい。
また、第2歯車21が第1歯車20との噛み合わせにおいて光軸14に対して交差する方向(例えば直交方向)にずれることを防止する機構として、第2歯車21の外側であり、かつ、第1歯車20の方向に向かって突出する突出部を第2歯車21に設け、第1歯車20と第2歯車21との噛み合わせと合わせてずれの問題を解消してもよい。
さらに、端面カム27およびカム接触子29に代り、第2歯車21の内周面と、バレル15の外周面とに、互いに螺合するねじ構造を設けることによって変換機構を構成してもよい。
この場合においても、第2歯車21の自転運動にともなって、バレル15を光軸方向に適正に移動させることができる。
本発明に係る光学装置の実施形態を示す平面図 図1の2−2断面図 本発明に係る光学装置の実施形態において、第1歯車を示す平面図 図3の4−4断面図 図3の下面図 本発明に係る光学装置の実施形態において、第2歯車を示す平面図 図6の7−7断面図 本発明に係る光学装置の実施形態において、ヨークユニットを示す斜視図 本発明に係る光学装置の実施形態において、磁気力手段の主要部を示す平面図
符号の説明
1 光学装置
10 第1レンズ
11 第2レンズ
12 第3レンズ
14 光軸
20 第1歯車
21 第2歯車
22 コイルばね
24 第1ピッチ面
25 第2ピッチ面
27 カム面
29 カム接触子
30 環状部
32 第1ヨーク
33 第2ヨーク
34 第3ヨーク
41 第1コイル
42 第2コイル
43 第3コイル
45 通電制御部

Claims (9)

  1. 光軸方向に移動可能とされた光学素子
    を有する光学装置において、
    互いに対向するように配設され、かつ、それぞれのピッチ面が互いに向かい合うように形成された第1歯車及び第2歯車を有し、前記第1歯車が、前記第2歯車に噛合しつつ自転を伴わない歳差運動を行うことが可能とされ、前記第2歯車が、前記第1歯車の自転を伴わない歳差運動により、自転運動を行うことが可能とされた歯車機構と、
    前記第2歯車の自転運動を、前記光学素子の前記光軸方向への移動運動に変換する変換機構と、
    前記第1歯車に前記自転を伴わない歳差運動を行わせる第1歯車駆動機構と、
    少なくとも前記第1歯車の非駆動時に、前記第1歯車と前記第2歯車との噛合状態を保持する噛合保持機構と
    を備えたことを特徴とする光学装置。
  2. 前記第1歯車駆動機構が、
    前記第1歯車に配設された磁気作用部と、
    この磁気作用部に、前記第1歯車を前記自転を伴わない歳差運動の方向に変位させる磁気力を作用させる磁気力手段と
    を備えたことを特徴とする請求項1記載の光学装置。
  3. 前記磁気作用部が、前記第1歯車のピッチ面に沿って周設された磁性を有する環状部とされ、
    前記磁気力手段が、前記環状部における周方向において互いに異なる複数の部位に、前記光軸方向における前記第2歯車の方向への磁気力を、周方向に順次選択的に作用させることによって、前記第1歯車に前記自転を伴わない歳差運動を行わせることが可能とされていること
    を特徴とする請求項2記載の光学装置。
  4. 前記磁気力手段が、
    前記環状部に対して前記光軸方向における前記第2歯車と同じ側から対向する位置に、前記環状部に沿って周方向に所定の間隔を設けて配設された複数のヨークと、
    これら複数のヨークを周方向に順次選択的に励磁することによって、各ヨークに前記環状部を吸引する吸引力を周方向に順次選択的に発生させる励磁手段と
    を備えたことを特徴とする請求項3記載の光学装置。
  5. 前記第1歯車が、ベベルギアとされ、
    前記第2歯車が、クラウンギアとされていること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の光学装置。
  6. 前記第1歯車の歯数が、前記第2歯車の歯数よりも1つ少ないこと
    を特徴とする請求項5記載の光学装置。
  7. 前記第1歯車の自転運動を抑制する自転抑制機構を備えたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の光学装置。
  8. 前記噛合保持機構が、
    前記第1歯車を前記第2歯車の方向に付勢する付勢手段を備えたこと
    を特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の光学装置。
  9. 前記自転抑制機構および前記付勢手段が、前記第1歯車と装置本体における前記第1歯車に臨む部位との間に、周方向に沿って所定の間隔を設けて配設された複数のコイルばねを備えた同一の構造体によって形成されていること
    を特徴とする請求項8記載の光学装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104459928A (zh) * 2013-09-24 2015-03-25 三菱电机株式会社 光模块及其制造方法

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