JP2004029668A - 磁性レンズおよびレンズ駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】一眼レフレックスカメラのオートフォーカス用レンズなどを駆動するレンズ駆動装置を小型でコンパクトに構成すること。
【解決手段】オートフォーカス用レンズ1は磁性ガラスあるいは磁性プラスチックからなる磁性レンズであり、この外周を取り囲む状態に駆動コイル3が配置されている。通電制御回路4によって駆動コイル3の通電方向を切り替え制御すると、磁性レンズ1と駆動コイル3の間に発生する磁力によって、磁性レンズ1をレンズ光軸1aの方向に直線移動させ、フォーカシング動作を行うことができる。モータおよびモータ回転力の伝達機構を備えたレンズ駆動装置に比べて、装置の小型化、コンパクト化を達成できる。
【選択図】 図1
【解決手段】オートフォーカス用レンズ1は磁性ガラスあるいは磁性プラスチックからなる磁性レンズであり、この外周を取り囲む状態に駆動コイル3が配置されている。通電制御回路4によって駆動コイル3の通電方向を切り替え制御すると、磁性レンズ1と駆動コイル3の間に発生する磁力によって、磁性レンズ1をレンズ光軸1aの方向に直線移動させ、フォーカシング動作を行うことができる。モータおよびモータ回転力の伝達機構を備えたレンズ駆動装置に比べて、装置の小型化、コンパクト化を達成できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カメラのオートフォーカス用レンズ、CDなどの光記録媒体の再生などに用いる光ピックアップの対物レンズなどとして用いるのに適したレンズに関するものである。また、本発明は、小型でコンパクトに構成可能な磁気駆動式のレンズ駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一眼レフレックスカメラなどのオートフォーカス機構は、レンズを保持しているレンズ保持部材と、このレンズ保持部材をレンズ光軸方向に往復移動させるレンズ駆動装置とを備えた構成とされている。レンズ駆動装置は、モータと、モータの回転出力をレンズ光軸方向の直線往復移動に変換する動力伝達機構などから構成されており、モータを駆動制御することにより、レンズを目標とする光軸上の位置に移動させることによりフォーカス状態を形成できるようになっている。
【0003】
また、CDなどの再生に用いられる光ピックアップにおいても、レーザ光のスポットを目標とする記録面上の位置に形成するために、その対物レンズをトラッキング方向およびフォーカシング方向に移動させるためのレンズ駆動装置が取り付けられている。このレンズ駆動装置としては磁気駆動式のものが一般的であり、レンズを保持しているレンズ保持部材と、定位置に配置されている固定側部材との間に磁気回路を構成して、レンズ保持部材を磁気的に移動させるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、近年においては、レンズ駆動装置が搭載されているカメラ、光ピックアップなどの小型化、コンパクト化の要求が高い。かかる要求を満たすためには、レンズ駆動装置の小型化、コンパクト化が不可欠である。
【0005】
しかしながら、従来のカメラ用オートフォーカス機構に組み込まれているレンズ駆動装置は、レンズをレンズ保持部材によって保持し、このレンズ保持部材を動力伝達機構を介してモータによって移動する必要がある。これらレンズ保持部材、モータおよび動力伝達機構の設置スペースの縮小化には限度があるので、レンズ駆動装置の小型化、コンパクト化を図ることが困難である。
【0006】
また、例えば、一眼レフレックスカメラにおいて、レンズ側にレンズ駆動装置のモータを組み込む代わりに、カメラ本体側にモータを組み込むことにより、レンズ側を小型でコンパクトに構成することが考えられる。しかし、この場合においても、カメラ本体側のモータの回転力をレンズ側のレンズ保持部材に伝達するためのカプラー・ギアなどの部材を追加する必要があるので、やはり、レンズ駆動装置の小型化、コンパクト化には限度がある。
【0007】
一方、CD、MD、DVDなどの光記録媒体の再生装置に組み込まれている光ピックアップにおける対物レンズの駆動装置においては、上記のように駆動源として磁力を利用しているので、モータを設置する必要がなく、装置を小型でコンパクトに構成できる。しかしながら、光ピックアップの設置スペースの制限は非常に厳しく、従って、そこに搭載されているレンズ駆動装置に対する小型化、コンパクト化の要求は非常に強い。
【0008】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、カメラのオートフォーカス機構のレンズ駆動装置、光ピックアップのレンズ駆動装置などの小型化、コンパクト化を実現するのに適したレンズを提案することにある。
【0009】
また、本発明の課題は、小型化、コンパクト化を実現可能なレンズ駆動装置を提案することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明では、磁性ガラスあるいは磁性プラスチックに着目し、レンズに、少なくとも一部が磁性ガラスまたは磁性プラスチックからなる磁性部分を形成したことを特徴としている。この磁性部分を分極着磁して永久磁石部分とすることもできる。
【0011】
本発明による磁性レンズは、一眼レフレックスカメラ用のレンズとして用いることができる。
【0012】
また、デジタルカメラ、または、光記録媒体に対する記録若しくは再生を行うための光ピックアップに用いる対物レンズとして用いることができる。
【0013】
次に、本発明のレンズ駆動装置は、磁性レンズと、このレンズを所定方向に移動させる磁気駆動手段とを有していることを特徴としている。
【0014】
本発明のレンズ駆動装置においては、レンズ自体が磁性を帯びているので、レンズを直接に磁気駆動手段によって移動させることができる。よって、モータを必要とすることなく、また、レンズ保持部材に磁性体などを貼り付けて磁気駆動回路を構成する必要がないので、レンズ駆動装置を小型でコンパクトに構成できる。
【0015】
ここで、前記磁気駆動手段は、前記レンズをそのレンズ光軸の方向に移動させる直線駆動機構として構成することができる。また、前記レンズをそのレンズ光軸を中心に回転させる回転駆動機構として構成することができる。さらには、前記レンズをそのレンズ光軸に直交する方向に移動させる移動機構として構成することもできる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0017】
(実施例1)
図1は、例えば一眼レフレックスカメラのオートフォーカス装置に組み込み可能なレンズ駆動装置の概念図である。本例のオートフォーカス用レンズ1は磁性レンズであり、磁性ガラスから形成されたものである。磁性ガラスは高濃度の酸化テルビウムを含み、強磁性体と同様な磁性体であり、例えば株式会社住田光学ガラスから入手可能である。
【0018】
本例のレンズ駆動装置2は、この磁性ガラスからなるオートフォーカス用レンズ1と、この外周を同心状態で取り囲んでいるボイスコイルなどの駆動コイル3と、駆動コイル3の通電電流および通電方向を切り替え制御する通電制御回路4とを備えており、レンズ駆動装置2の駆動は一眼レフレックスカメラに内蔵されているオートフォーカス装置5によって制御されるようになっている。
【0019】
通電制御回路4によって駆動コイル3に通電すると、オートフォーカス用レンズ1と駆動コイル3の間に磁気回路が形成される。駆動コイル3の通電方向を切り替えることにより、オートフォーカス用レンズ1を、そのレンズ光軸1aの方向に直線往復移動させることができる。通電電流値を増減することによりレンズ移動用の駆動力を増減することができる。
【0020】
本例のレンズ駆動装置2では、従来のようなモータおよび動力伝達機構が不要となり、さらにレンズ1を保持するためのレンズ保持部材も簡単な構成とすることができる。よって、小型でコンパクトな直線駆動式のレンズ駆動装置2を実現できる。
【0021】
(実施例2)
図2(図2(b)は図2(a)のI−I断面図である。)は、本発明を適用した回転駆動式のレンズ駆動装置の例を示す概念図である。図示のレンズ21も磁性レンズであり、このレンズの外周面部分は二極に分極着磁されている。レンズ21をレンズ本体部分211とその外周を取り囲む円環状のフランジ21bから構成し、フランジ212のみを磁性ガラスあるいは磁性プラスチックから形成し、レンズ本体211を通常のガラス素材あるいはプラスチック素材から形成してもよい。
【0022】
レンズ駆動装置22は、このレンズ21と、その外周を同心状態で取り囲むステータリング23と、ステータリング23の内周面に形成した4つの突極24(1)〜24(4)に巻き付けた駆動コイル25(1)〜25(4)と、駆動コイル25(1)〜25(4)の通電を制御する通電制御回路26と、電源27とを有している。通電制御回路26によって各駆動コイル25(1)〜25(4)への通電時期を制御することにより、回転磁界を発生させ、レンズ21をそのレ ンズ光軸21aを中心として回転させることができる。
【0023】
なお、レンズ21は、例えば、そのフランジ21bの一方の端面に形成した環状溝21cにガイド筒28をスライド自在の状態で差し込み、当該ガイド筒28によりレンズ21を保持すればよい。
【0024】
(実施例3)
図3(図3(b)は図3(a)のII矢視図である。)は、CDなどの光記録媒体の再生などに用いられる光ピックアップの対物レンズ駆動装置の主要部分を示す概念図である。本例の対物レンズ31は磁性ガラスあるいは磁性プラスチックから形成されており、レンズ本体311とその外周を取り囲む状態に一体形成されている円環状のフランジ312とを備えている。レンズ本体311の外周面とフランジ312の内周面との間は、レンズ光軸31aの方向の一方が開口している円筒状凹部313となっている。また、フランジ312における直径方向の両端部分には、円周方向に分極着磁された永久磁石部分314、315が形成されている。
【0025】
この構成の対物レンズ31の円筒状凹部313には、円筒状の巻かれたフォーカシング用コイル33が同心状に配置されている。対物レンズ31の外周には、その永久磁石部分314、315に対峙する部位に、ヨーク34、35の内周面に取り付けられた空心コイルなどからなるトラッキング用コイル36、37が配置されている。
【0026】
フォーカシング用コイル33と磁性体である対物レンズ31の間に発生する磁力によって対物レンズ31をレンズ光軸31aの方向に移動させることにより、フォーカシング動作を行うことができる。また、トラッキング用コイル36、37と対物レンズ31に形成した一対の永久磁石部分314、315との間に発生する磁力によって対物レンズ31をそのレンズ光軸31aの回りを所定の角度範囲内で回転させることにより、トラッキング動作を行うことができる。
【0027】
(その他の例)
図4(a)に示すように、磁性ガラスあるいは磁性プラスチックからなるレンズ41の外周を取り囲む状態で、同心円上に90度の角度間隔で4個の電磁石42(1)〜42(4)を配置し、これらを切り替え駆動することにより、レンズ光軸41aに直交する方向にレンズ41を移動させることのできるレンズ駆動装置を実現できる。
【0028】
また、図4(b)に示すように、磁性ガラスあるいは磁性プラスチックからなるレンズ43の外周面に放射状に突出した突極431、432を形成し、これらに駆動コイル433、434を巻き付け、駆動コイルへの通電を制御することによっても、レンズ43をレンズ光軸に直交する方向に移動可能なレンズ駆動装置を実現できる。
【0029】
なお、上記の各例においては一枚のレンズを移動するためのレンズ駆動装置に関するものであるが、複数枚のレンズ群を共通のレンズホルダによって保持し、レンズ群のうちの一枚あるいは複数枚のレンズを磁性レンズとし、レンズ群を全体として移動可能なレンズ駆動装置を構成することもできる。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明においては、磁性ガラス、磁性プラスチックに着目し、これを用いてカメラの対物レンズや光ピックアップの対物レンズなどの一部に磁性部分を形成している。
【0031】
この構成の磁性レンズを用いれば、当該磁性レンズをレンズ光軸方向、それに直交する方向に移動させる磁気駆動式のレンズ駆動装置、または、レンズ光軸を中心として回転させる磁気駆動式のレンズ駆動装置を簡単な構成により実現できる。
【0032】
よって、本発明によれば、従来のようなモータ駆動式のレンズ駆動装置に比べてレンズ駆動装置を小型でコンパクトにできるので、一眼レフレックスカメラ用のオートフォーカスレンズや光ピックアップの対物レンズの駆動機構として用いるのに適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した直線駆動式のレンズ駆動装置の一例を示す概念図である。
【図2】本発明を適用した回転駆動式のレンズ駆動装置の一例を示す概略構成図である。
【図3】本発明を適用した光ピックアップの対物レンズ駆動用のレンズ駆動装置の主要部分を示す概略構成図である。
【図4】本発明を適用したレンズ駆動装置の例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 オートフォーカス用レンズ(磁性レンズ)
1a 光軸
2 レンズ駆動装置
3 駆動コイル
4 通電制御回路
5 オートフォーカス装置
21 レンズ
21a レンズ光軸
211 レンズ本体
212 フランジ
22 レンズ駆動装置
23 ステータリング
24(1)〜24(4) 突極
25(1)〜25(4) 駆動コイル
26 通電制御回路
27 電源
28 ガイド筒
31 対物レンズ
31a 光軸
311 レンズ本体
312 フランジ
313 凹部
33 フォーカシング用コイル
36、37 トラッキング用コイル
41、43 レンズ
42(1)〜42(4) 電磁石
431、432 突極
433、434 駆動コイル
【発明の属する技術分野】
本発明は、カメラのオートフォーカス用レンズ、CDなどの光記録媒体の再生などに用いる光ピックアップの対物レンズなどとして用いるのに適したレンズに関するものである。また、本発明は、小型でコンパクトに構成可能な磁気駆動式のレンズ駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一眼レフレックスカメラなどのオートフォーカス機構は、レンズを保持しているレンズ保持部材と、このレンズ保持部材をレンズ光軸方向に往復移動させるレンズ駆動装置とを備えた構成とされている。レンズ駆動装置は、モータと、モータの回転出力をレンズ光軸方向の直線往復移動に変換する動力伝達機構などから構成されており、モータを駆動制御することにより、レンズを目標とする光軸上の位置に移動させることによりフォーカス状態を形成できるようになっている。
【0003】
また、CDなどの再生に用いられる光ピックアップにおいても、レーザ光のスポットを目標とする記録面上の位置に形成するために、その対物レンズをトラッキング方向およびフォーカシング方向に移動させるためのレンズ駆動装置が取り付けられている。このレンズ駆動装置としては磁気駆動式のものが一般的であり、レンズを保持しているレンズ保持部材と、定位置に配置されている固定側部材との間に磁気回路を構成して、レンズ保持部材を磁気的に移動させるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、近年においては、レンズ駆動装置が搭載されているカメラ、光ピックアップなどの小型化、コンパクト化の要求が高い。かかる要求を満たすためには、レンズ駆動装置の小型化、コンパクト化が不可欠である。
【0005】
しかしながら、従来のカメラ用オートフォーカス機構に組み込まれているレンズ駆動装置は、レンズをレンズ保持部材によって保持し、このレンズ保持部材を動力伝達機構を介してモータによって移動する必要がある。これらレンズ保持部材、モータおよび動力伝達機構の設置スペースの縮小化には限度があるので、レンズ駆動装置の小型化、コンパクト化を図ることが困難である。
【0006】
また、例えば、一眼レフレックスカメラにおいて、レンズ側にレンズ駆動装置のモータを組み込む代わりに、カメラ本体側にモータを組み込むことにより、レンズ側を小型でコンパクトに構成することが考えられる。しかし、この場合においても、カメラ本体側のモータの回転力をレンズ側のレンズ保持部材に伝達するためのカプラー・ギアなどの部材を追加する必要があるので、やはり、レンズ駆動装置の小型化、コンパクト化には限度がある。
【0007】
一方、CD、MD、DVDなどの光記録媒体の再生装置に組み込まれている光ピックアップにおける対物レンズの駆動装置においては、上記のように駆動源として磁力を利用しているので、モータを設置する必要がなく、装置を小型でコンパクトに構成できる。しかしながら、光ピックアップの設置スペースの制限は非常に厳しく、従って、そこに搭載されているレンズ駆動装置に対する小型化、コンパクト化の要求は非常に強い。
【0008】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、カメラのオートフォーカス機構のレンズ駆動装置、光ピックアップのレンズ駆動装置などの小型化、コンパクト化を実現するのに適したレンズを提案することにある。
【0009】
また、本発明の課題は、小型化、コンパクト化を実現可能なレンズ駆動装置を提案することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明では、磁性ガラスあるいは磁性プラスチックに着目し、レンズに、少なくとも一部が磁性ガラスまたは磁性プラスチックからなる磁性部分を形成したことを特徴としている。この磁性部分を分極着磁して永久磁石部分とすることもできる。
【0011】
本発明による磁性レンズは、一眼レフレックスカメラ用のレンズとして用いることができる。
【0012】
また、デジタルカメラ、または、光記録媒体に対する記録若しくは再生を行うための光ピックアップに用いる対物レンズとして用いることができる。
【0013】
次に、本発明のレンズ駆動装置は、磁性レンズと、このレンズを所定方向に移動させる磁気駆動手段とを有していることを特徴としている。
【0014】
本発明のレンズ駆動装置においては、レンズ自体が磁性を帯びているので、レンズを直接に磁気駆動手段によって移動させることができる。よって、モータを必要とすることなく、また、レンズ保持部材に磁性体などを貼り付けて磁気駆動回路を構成する必要がないので、レンズ駆動装置を小型でコンパクトに構成できる。
【0015】
ここで、前記磁気駆動手段は、前記レンズをそのレンズ光軸の方向に移動させる直線駆動機構として構成することができる。また、前記レンズをそのレンズ光軸を中心に回転させる回転駆動機構として構成することができる。さらには、前記レンズをそのレンズ光軸に直交する方向に移動させる移動機構として構成することもできる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0017】
(実施例1)
図1は、例えば一眼レフレックスカメラのオートフォーカス装置に組み込み可能なレンズ駆動装置の概念図である。本例のオートフォーカス用レンズ1は磁性レンズであり、磁性ガラスから形成されたものである。磁性ガラスは高濃度の酸化テルビウムを含み、強磁性体と同様な磁性体であり、例えば株式会社住田光学ガラスから入手可能である。
【0018】
本例のレンズ駆動装置2は、この磁性ガラスからなるオートフォーカス用レンズ1と、この外周を同心状態で取り囲んでいるボイスコイルなどの駆動コイル3と、駆動コイル3の通電電流および通電方向を切り替え制御する通電制御回路4とを備えており、レンズ駆動装置2の駆動は一眼レフレックスカメラに内蔵されているオートフォーカス装置5によって制御されるようになっている。
【0019】
通電制御回路4によって駆動コイル3に通電すると、オートフォーカス用レンズ1と駆動コイル3の間に磁気回路が形成される。駆動コイル3の通電方向を切り替えることにより、オートフォーカス用レンズ1を、そのレンズ光軸1aの方向に直線往復移動させることができる。通電電流値を増減することによりレンズ移動用の駆動力を増減することができる。
【0020】
本例のレンズ駆動装置2では、従来のようなモータおよび動力伝達機構が不要となり、さらにレンズ1を保持するためのレンズ保持部材も簡単な構成とすることができる。よって、小型でコンパクトな直線駆動式のレンズ駆動装置2を実現できる。
【0021】
(実施例2)
図2(図2(b)は図2(a)のI−I断面図である。)は、本発明を適用した回転駆動式のレンズ駆動装置の例を示す概念図である。図示のレンズ21も磁性レンズであり、このレンズの外周面部分は二極に分極着磁されている。レンズ21をレンズ本体部分211とその外周を取り囲む円環状のフランジ21bから構成し、フランジ212のみを磁性ガラスあるいは磁性プラスチックから形成し、レンズ本体211を通常のガラス素材あるいはプラスチック素材から形成してもよい。
【0022】
レンズ駆動装置22は、このレンズ21と、その外周を同心状態で取り囲むステータリング23と、ステータリング23の内周面に形成した4つの突極24(1)〜24(4)に巻き付けた駆動コイル25(1)〜25(4)と、駆動コイル25(1)〜25(4)の通電を制御する通電制御回路26と、電源27とを有している。通電制御回路26によって各駆動コイル25(1)〜25(4)への通電時期を制御することにより、回転磁界を発生させ、レンズ21をそのレ ンズ光軸21aを中心として回転させることができる。
【0023】
なお、レンズ21は、例えば、そのフランジ21bの一方の端面に形成した環状溝21cにガイド筒28をスライド自在の状態で差し込み、当該ガイド筒28によりレンズ21を保持すればよい。
【0024】
(実施例3)
図3(図3(b)は図3(a)のII矢視図である。)は、CDなどの光記録媒体の再生などに用いられる光ピックアップの対物レンズ駆動装置の主要部分を示す概念図である。本例の対物レンズ31は磁性ガラスあるいは磁性プラスチックから形成されており、レンズ本体311とその外周を取り囲む状態に一体形成されている円環状のフランジ312とを備えている。レンズ本体311の外周面とフランジ312の内周面との間は、レンズ光軸31aの方向の一方が開口している円筒状凹部313となっている。また、フランジ312における直径方向の両端部分には、円周方向に分極着磁された永久磁石部分314、315が形成されている。
【0025】
この構成の対物レンズ31の円筒状凹部313には、円筒状の巻かれたフォーカシング用コイル33が同心状に配置されている。対物レンズ31の外周には、その永久磁石部分314、315に対峙する部位に、ヨーク34、35の内周面に取り付けられた空心コイルなどからなるトラッキング用コイル36、37が配置されている。
【0026】
フォーカシング用コイル33と磁性体である対物レンズ31の間に発生する磁力によって対物レンズ31をレンズ光軸31aの方向に移動させることにより、フォーカシング動作を行うことができる。また、トラッキング用コイル36、37と対物レンズ31に形成した一対の永久磁石部分314、315との間に発生する磁力によって対物レンズ31をそのレンズ光軸31aの回りを所定の角度範囲内で回転させることにより、トラッキング動作を行うことができる。
【0027】
(その他の例)
図4(a)に示すように、磁性ガラスあるいは磁性プラスチックからなるレンズ41の外周を取り囲む状態で、同心円上に90度の角度間隔で4個の電磁石42(1)〜42(4)を配置し、これらを切り替え駆動することにより、レンズ光軸41aに直交する方向にレンズ41を移動させることのできるレンズ駆動装置を実現できる。
【0028】
また、図4(b)に示すように、磁性ガラスあるいは磁性プラスチックからなるレンズ43の外周面に放射状に突出した突極431、432を形成し、これらに駆動コイル433、434を巻き付け、駆動コイルへの通電を制御することによっても、レンズ43をレンズ光軸に直交する方向に移動可能なレンズ駆動装置を実現できる。
【0029】
なお、上記の各例においては一枚のレンズを移動するためのレンズ駆動装置に関するものであるが、複数枚のレンズ群を共通のレンズホルダによって保持し、レンズ群のうちの一枚あるいは複数枚のレンズを磁性レンズとし、レンズ群を全体として移動可能なレンズ駆動装置を構成することもできる。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明においては、磁性ガラス、磁性プラスチックに着目し、これを用いてカメラの対物レンズや光ピックアップの対物レンズなどの一部に磁性部分を形成している。
【0031】
この構成の磁性レンズを用いれば、当該磁性レンズをレンズ光軸方向、それに直交する方向に移動させる磁気駆動式のレンズ駆動装置、または、レンズ光軸を中心として回転させる磁気駆動式のレンズ駆動装置を簡単な構成により実現できる。
【0032】
よって、本発明によれば、従来のようなモータ駆動式のレンズ駆動装置に比べてレンズ駆動装置を小型でコンパクトにできるので、一眼レフレックスカメラ用のオートフォーカスレンズや光ピックアップの対物レンズの駆動機構として用いるのに適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した直線駆動式のレンズ駆動装置の一例を示す概念図である。
【図2】本発明を適用した回転駆動式のレンズ駆動装置の一例を示す概略構成図である。
【図3】本発明を適用した光ピックアップの対物レンズ駆動用のレンズ駆動装置の主要部分を示す概略構成図である。
【図4】本発明を適用したレンズ駆動装置の例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 オートフォーカス用レンズ(磁性レンズ)
1a 光軸
2 レンズ駆動装置
3 駆動コイル
4 通電制御回路
5 オートフォーカス装置
21 レンズ
21a レンズ光軸
211 レンズ本体
212 フランジ
22 レンズ駆動装置
23 ステータリング
24(1)〜24(4) 突極
25(1)〜25(4) 駆動コイル
26 通電制御回路
27 電源
28 ガイド筒
31 対物レンズ
31a 光軸
311 レンズ本体
312 フランジ
313 凹部
33 フォーカシング用コイル
36、37 トラッキング用コイル
41、43 レンズ
42(1)〜42(4) 電磁石
431、432 突極
433、434 駆動コイル
Claims (8)
- 少なくとも一部が磁性ガラスまたは磁性プラスチックから形成された磁性部分を備えていることを特徴とする磁性レンズ。
- 請求項1において、
前記磁性部分は分極着磁されていることを特徴とする磁性レンズ。 - 少なくとも1枚のレンズが請求項1または2に記載の磁性レンズであることを特徴とする一眼レフレックスカメラ用レンズ。
- デジタルカメラ、または、光記録媒体に対する記録若しくは再生を行うための光ピックアップに用いる対物レンズであって、請求項1または2に記載の磁性レンズからなることを特徴とする対物レンズ。
- 請求項1ないし4のうちのいずれかの項に記載の磁性レンズと、
このレンズを所定方向に移動させる磁気駆動手段とを有しているレンズ駆動装置。 - 請求項5において、
前記磁気駆動手段は、前記レンズをそのレンズ光軸の方向に移動させる直線駆動機構であることを特徴とするレンズ駆動装置。 - 請求項5または6において、
前記磁気駆動手段は、前記レンズをそのレンズ光軸を中心に回転させる回転駆動機構であることを特徴とするレンズ駆動装置。 - 請求項5、6または7において、
前記磁気駆動手段は、前記レンズをそのレンズ光軸に直交する方向に移動させる移動機構であることを特徴とするレンズ駆動装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002189857A JP2004029668A (ja) | 2002-06-28 | 2002-06-28 | 磁性レンズおよびレンズ駆動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002189857A JP2004029668A (ja) | 2002-06-28 | 2002-06-28 | 磁性レンズおよびレンズ駆動装置 |
Publications (1)
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2002
- 2002-06-28 JP JP2002189857A patent/JP2004029668A/ja active Pending
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