以下、図面を参照しながらこの発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態という)について説明する。
第1の実施の形態について図1ないし図13を用いて説明する。
本実施の形態に係るレンズ駆動装置10は、例えばデジタルカメラ(図示せず)などのカメラに配設され、オートフォーカス機能およびズーム機能を有するものである。図1に示すように、レンズ駆動装置10は、ベース部(本体部材)12と、このベース部12に固定された基板14と、ベース部12に配設された鏡枠16とを備えている。基板14には、撮像素子18が実装されている。撮像素子18は例えばフォトトランジスタなど光を電気信号に変換する半導体素子が結像面(受光面)に多数並べられたCCD(Charge−coupled device)である。
ベース部12は、第1および第2のベース部22,24と、保持部材26と、シャフト位置決め板28と、シャフト押エ板30とを備えている。
第1および第2のベース部22,24は、それぞれ円筒状に形成されている。保持部材26、シャフト位置決め板28、シャフト押エ板30は、中心部に貫通孔を有する円盤状に形成されている。
第1のベース部22の一端には、基板14がネジ32により固定されている。この第1のベース部22の開口部の中心軸上には、基板14に実装された撮像素子18が配置されている。
第1のベース部22の他端には、保持部材26がネジ34により固定されている。この保持部材26には、第2のベース部24の一端がネジ36により固定されている。第2のベース部24の他端には、シャフト位置決め板28およびシャフト押エ板30が配設されている。
シャフト位置決め板28の縁部には、1つまたは複数の切欠部40aが形成されている。シャフト押エ板30の縁部には、シャフト位置決め板28の切欠部40aに係合可能な突起部40bが形成されている。このため、これらシャフト位置決め板28およびシャフト押エ板30は、互いに対する位置が決められた状態で重ねられている。これらシャフト押エ板30およびシャフト位置決め板28は、ネジ38により第2のベース部24の他端に固定されている。
これら第2のベース部24、保持部材26、シャフト位置決め板28、シャフト押エ板30は、第1のベース部22の中心軸と同心状に配置されている。
図2に示すように、鏡枠16は、第1および第2のガイドシャフト(ガイド部材)42,44と、第1および第2のネジシャフト(第2の動力伝達部材、ガイド部材)46,48と、第1および第2のレンズ枠(可動枠)50,52とを備えている。第1および第2のガイドシャフト42,44と、第1および第2のネジシャフト46,48とは、例えばステンレス鋼などにより細長いロッド状に形成されている。これら第1および第2のガイドシャフト42,44と、第1および第2のネジシャフト46,48は、互いに対して平行に配設されている。
図1に示すように、第1および第2のガイドシャフト42,44、第1および第2のネジシャフト46,48の一端部は第1のベース部22に支持されている。一方、第1および第2のガイドシャフト42,44、第1および第2のネジシャフト46,48の他端部は、シャフト押エ板30に支持されている。また、第1および第2のガイドシャフト42,44、第1および第2のネジシャフト46,48の他端部は、シャフト押エ板30に重ねられた状態で配設されたシャフト位置決め板28によって各シャフト42,44,46,48の横方向の滑りが防止されている。
図3に示すように、シャフト位置決め板28には、第1および第2のガイドシャフト42,44、第1および第2のネジシャフト46,48が挿通される貫通孔28a,28b,28c,28dが形成されている。これら貫通孔28a,28b,28c,28dには、周方向の移動(回転)を許容し、軸方向の移動を防止する、Oリング(図示せず)などが配設されていることも好適である。このため、第1および第2のガイドシャフト42,44、第1および第2のネジシャフト46,48は、これら貫通孔28a,28b,28c,28dによって、互いの平行状態を保持したまま、軸方向に対してずれる方向の移動が防止されている。
シャフト押エ板30には、第1および第2のガイドシャフト42,44、第1および第2のネジシャフト46,48の他端部が配設される凹部30a,30b,30c,30dが形成されている。これら凹部30a,30b,30c,30dには、皿バネやゴム材など、第1および第2のガイドシャフト42,44、第1および第2のネジシャフト46,48の先端部を第1のベース部22(基端部)に向かって付勢する押圧部材(弾性部材)56a,56b,56c,56dが配設されている。
なお、図1に示すように、第1のベース部22にも同様に凹部22a,22b,22c,22dが形成されている。これら凹部22a,22b,22c,22dにはそれぞれ押圧部材(図示せず)が配設されている。このため、第1および第2のガイドシャフト42,44、第1および第2のネジシャフト46,48の先端部をシャフト押エ板30(先端部)に向かって付勢することができる。したがって、第1および第2のガイドシャフト42,44、第1および第2のネジシャフト46,48は、それぞれその位置で軸方向や軸方向から外れる方向への移動が防止された状態で、回転可能に支持されている。
図1に示す第1のガイドシャフト42および第1のネジシャフト46は、焦点を合わせるフォーカシング調整用(オートフォーカス用)に設けられている。このため、第1のレンズ枠50には、複数のレンズを有するフォーカシング調整用の投影レンズ群50aが配設されている。第2のガイドシャフト44および第2のネジシャフト48は、ズーミング調整用に設けられている。このため、第2のレンズ枠52には、像の大きさを所定の範囲内で変更する、複数のレンズを有するズーミング調整用の投影レンズ群52aが配設されている。
図1および図2に示すように、第1のネジシャフト46の一部には、雄ネジ部62が形成されている。第1のレンズ枠50には、第1のネジシャフト46の雄ネジ部62に螺合された雌ネジ部64が形成されている。なお、これら雄ネジ部62および雌ネジ部64のピッチは例えば0.25mmである。
第1のレンズ枠50には、第1のガイドシャフト42が挿通され、第1のレンズ枠50を第1のガイドシャフト42に沿って移動させるためのガイド部66が形成されている。第1のガイドシャフト42と第1のネジシャフト46とは、第1のレンズ枠50の投影レンズ群50aの中心軸(光軸)を挟んで対向する位置に配置されている。すなわち、第1のレンズ枠50の雌ネジ部64とガイド部66とは、投影レンズ群50aの中心軸を挟んで対向する位置に形成されている(図3(A)参照)。なお、第1のレンズ枠50の可動範囲は、例えば0.5mmである。
なお、第1のレンズ枠50の初期位置を検出するため、雌ネジ部64の近傍には、第1の遮光板68が固定されている。第1のフォトインタラプタ70は、第1の遮光板68が第1のフォトインタラプタ70の光学スロットに入って検出光量を減光させることによって制御信号を出力する。例えば、検出光量がどの程度減光したときに制御信号を出力するのか(しきい値)は適宜に設定可能であるが、応答時間等を考慮して、ここでは例えば検出光量が半分程度になった時点で制御信号を出力する。この第1のフォトインタラプタ70は、シャフト位置決め板28に固定されている。
さらに、第1のネジシャフト46の一部には、第1のピニオンギヤ(第2の動力伝達部材)74が固定されている。この第1のピニオンギヤ74は、後述する第1のロータ106の第1の内歯132に螺合されている。第1のピニオンギヤ74と、第1の内歯132とのギヤ比は、例えば1対10である。
第2のネジシャフト48の一部には、雄ネジ部82が形成されている。第2のレンズ枠52には、第2のネジシャフト48の雄ネジ部82に螺合された雌ネジ部84が形成されている。なお、これら雄ネジ部82および雌ネジ部84のピッチは例えば1mmである。
第2のレンズ枠52には、第2のガイドシャフト44が挿通され、第2のレンズ枠52を第2のガイドシャフト44に沿って移動させるためのガイド部86が形成されている。第2のガイドシャフト44と第2のネジシャフト48とは、第2のレンズ枠52の投影レンズ群52aの中心軸(光軸)を挟んで対向する位置に配置されている。すなわち、第2のレンズ枠52の雌ネジ部84とガイド部86とは、投影レンズ群52aの中心軸を挟んで対向する位置に形成されている。なお、第2のレンズ枠52の可動範囲は、例えば4mmである。
ところで、第1のレンズ枠50の投影レンズ群50aと第2のレンズ枠52の投影レンズ群52aとは、それぞれの光軸が同一線上に揃う共軸光学系を構成している。これら投影レンズ群50a,52aの光軸は、上述した撮像素子18の中心軸と同一直線上に揃う位置にある。すなわち、第1のレンズ枠50と第2のレンズ枠52とは、それぞれの投影レンズ群50a,52aの光軸、並びに撮像素子18の中心軸が常に同一直線上に揃うように配置されている。
なお、第2のレンズ枠52の初期位置を検出するため、雌ネジ部84の近傍には、第2の遮光板88が固定されている。第2のフォトインタラプタ90は、第2の遮光板88が第2のフォトインタラプタ90の光学スロットに入って検出光量を減光させることによって制御信号を出力する。例えば、検出光量がどの程度減光したときに制御信号を出力するのか(しきい値)は適宜に設定可能であるが、応答時間等を考慮して、第1のフォトインタラプタ70と同様に、ここでは例えば検出光量が半分程度になった時点で制御信号を出力する。この第2のフォトインタラプタ90は、後述する第1のベアリング保持板116に固定されている。
さらに、第2のネジシャフト48の一部には、第2のピニオンギヤ(第2の動力伝達部材)94が固定されている。この第2のピニオンギヤ94は、後述する第2のロータ108の第2の内歯134に螺合されている。第2のピニオンギヤ94と、第2の内歯134とのギヤ比は、例えば、1対10である。
鏡枠16の第1および第2のレンズ枠50,52は、ステッピングモータ(パルスモータ)の原理を応用して移動させる。通常のステッピングモータでは、ステータ(固定子)に電磁石を用い、ステータ内のロータ(回転子)に永久磁石を用いることが一般的であるが、この実施の形態では、これらを逆にしている。すなわち、この実施の形態では、ステータに永久磁石を用い、ロータに電磁石を用いている。
図2に示すように、鏡枠16は、ステータ102と、このステータ102の内側に配設されたロータ104とを備えている。ステータ102は、略環状に形成されている。言い換えると、このステータ102は、ロータ104が配設されるため、軸方向に適当な長さの略管状に形成されている。このステータ102は、光軸方向に同極となるように永久磁石により磁化(着磁)されている。すなわち、ステータ102は、多数のS極とN極とが周方向に隣接した状態に磁化されている。ステータ102のS極およびN極を合わせた数は、後述する第1および第2のロータ106,108のA相鉄心部a11,a12,・・・,a1nおよびB相鉄心部b11,b12,・・・,b1nの数とそれぞれ同数である。
図4(A)および図4(B)に示すように、ロータ104は、第1および第2のロータ106,108と、第1ないし第3のベアリング110,112,114と、第1および第2のベアリング保持板116,118とを同心状に備えている。これら第1および第2のロータ106,108、第1ないし第3のベアリング110,112,114は、それぞれ環状に形成されている。第1および第2のベアリング保持板116,118は、中心部に貫通孔を有する円盤状に形成されている。
なお、第1および第2のロータ106,108は、同一の外径に形成されていることが好ましい。また、第1ないし第3のベアリング110,112,114も互いに同一の外径に形成されていることが好ましい。さらに、第1および第2のベアリング保持板116,118も同様に同一の外径に形成されていることが好ましい。
第1および第2のベアリング保持板116,118は、それぞれネジ152,154(図1参照)により、第1および第2のロータ106,108と、第1ないし第3のベアリング110,112,114とを挟持した状態でステータ102に固定されている。また、第2のベアリング保持板118およびステータ102は、図示しないネジや接着等により第1のベース部22に固定されている。
すなわち、第1および第2のロータ106,108の一側面および他側面には、それぞれベアリング110,112,114が配設される円環溝106a,106b,108a,108bが形成されている。第1および第2のベアリング保持板116,118の一側面には、それぞれベアリング110,114が配設される円環溝116a,118aが形成されている。
第1のベアリング110は、第1のベアリング保持板116の円環溝116aと、第1のロータ106の一側面の円環溝106aとの間に配設されている。第2のベアリング112は、第1のロータ106の他側面の円環溝106bと、第2のロータ108の一側面の円環溝108aとの間に配設されている。第3のベアリング114は、第2のロータ108の他側面の円環溝108bと、第2のベアリング保持板118の円環溝118aとの間に配設されている。これら第1ないし第3のベアリング110,112,114により、第1および第2のベアリング保持板116,118に挟持された状態で、第1のロータ106および第2のロータ108をそれぞれ別々に回動させることができる。
図4(A)に示すように、第1のロータ106の内周には、第1の内歯(第1の動力伝達部材)132が形成されている。この第1の内歯132は、例えば300度程度にわたって形成されている。すなわち、第1のロータ106の内周には、第1の内歯132が形成されていない第1の凹部132aを備えている。
第1のベアリング保持板116には、第1の凹部132aに挿入され、第1の内歯132の端部に当接される第1のストッパ116bが形成されている。このため、第1のロータ106は、固定された第1のベアリング保持板116に対して所定の範囲内で回動可能である。
同様に、第2のロータ108の内周には、第2の内歯(第1の動力伝達部材)134が形成されている。この第2の内歯134は、例えば300度程度にわたって形成されている。すなわち、第2のロータ108の内周には、第2の内歯134が形成されていない第2の凹部134aを備えている。
第2のベアリング保持板118には、第2の凹部134aに挿入され、第2の内歯134の端部に当接される第2のストッパ118bが形成されている。このため、第2のロータ108は、固定された第2のベアリング保持板118に対して所定の範囲内で回動可能である。
なお、第1および第2のロータ106,108は、それぞれ電磁石として機能させるため、例えば金属材により形成されている。
第1のロータ106の外周には、第1のA相142および第1のB相144の2つの相が形成されている。第1のA相142および第1のB相144は、光軸方向に並設されている。また、第2のロータ108の外周には、第2のA相146および第2のB相148の2つの相が形成されている。第2のA相146および第2のB相148は、光軸方向に並設されている。
なお、ここでは、第1および第2のA相142,146は同一の構成であり、第1および第2のB相144,148は同一の構成である。すなわち、第1のロータ106および第2のロータ108は、第1および第2の内歯132,134を除いて互いに同一の構成である。このため、ここでは、第1のA相142および第1のB相144について代表して説明する。
図5に示すように、第1のA相142は、A相鉄心部a11,a12,・・・,a1nとA相巻線部a21,a22,・・・,a2nとを備えている。A相鉄心部a11,a12,・・・,a1nは、第1のロータ106の外周に円周状に一体的に形成されている。A相巻線部a21,a22,・・・,a2nは、A相鉄心部a11,a12,・・・,a1nに電気的導線(銅、アルミニウム、銅合金、または、アルミニウム合金)等が所定の間隔に巻かれて形成されている。これらA相巻線部a21,a22,・・・,a2nは、隣接するA相巻線部a22,a23,・・・,a2n,a21に対して電気的に接続されている。そして、A相巻線部a21,a22,・・・,a2nの例えば1つからは、1対の第1のA相リード線142aが延出されている。
なお、A相巻線部に第1のA相リード線142aの代わりに摺動切片を用いることも好適である。しかし、第1のロータ106は所定の範囲内で回動するのみで、回転することがない。このため、第1のA相リード線142aを用いることも好適である。ここでは、第1のA相リード線142aを用いて説明する。同様に、ここでは、後述する第1のB相リード線144a、第2のA相リード線146a、第2のB相リード線148aを用いて説明するが、これらにもリード線の代わりに摺動切片を用いることもできる。
第1のB相144は、B相鉄心部b11,b12,・・・,b1nとB相巻線部b21,b22,・・・,b2nとを備えている。B相鉄心部b11,b12,・・・,b1nは、第1のロータ106の外周に円周状に一体的に形成されている。B相巻線部b21,b22,・・・,b2nは、B相鉄心部b11,b12,・・・,b1nに電気的導線(銅、アルミニウム、銅合金、または、アルミニウム合金)等が所定の間隔に巻かれて形成されている。これらB相巻線部b21,b22,・・・,b2nは、隣接するB相巻線部b22,b23,・・・,b2n,b21に対して電気的に接続されている。そして、B相巻線部b21,b22,・・・,b2nの1つからは、例えば1対の第1のB相リード線144aが延出されている。
すなわち、図4(A)に示すように、第1のロータ106からは、第1のA相リード線142aおよび第1のB相リード線144aが延出されている。これらA相リード線142aおよびB相リード線144aは後述するレンズ駆動回路206(図6参照)を通してシステムコントローラ(制御回路)202に接続されている。
ここで、図5に示すように、第1のA相142のA相鉄心部a11,a12,・・・,a1nおよび第1のB相144のB相鉄心部b11,b12,・・・,b1nはそれぞれ等間隔に同じ数(n)だけ形成されている。また、A相巻線部a21,a22,・・・,a2nと、B相巻線部b21,b22,・・・,b2nとは、それぞれ等間隔に同数巻回されている。このため、同じ振幅の電流を流したときにA相142およびB相144に生じる磁力は互いに同程度となるように調整されている。
さらに、A相巻線部a21,a22,・・・,a2nは、B相鉄心部b11,b12,・・・,b1nに対向する位置に配置され、B相巻線部b21,b22,・・・,b2nは、A相鉄心部a12,a13,・・・a1n,a11に対向する位置に配置されている。すなわち、A相巻線部a21,a22,・・・,a2nおよびB相巻線部b21,b22,・・・,b2nは、互いにずれた状態で配設されている。同様に、A相鉄心部a11,a12,・・・,a1nおよびB相鉄心部b11,b12,・・・,b1nは、互いにずれた状態で配設されている。
なお、図4(A)に示すように、第2のロータ108からは、第2のA相リード線146aおよび第2のB相リード線148aが延出されている。これらA相リード線146aおよびB相リード線148aは、第1のロータ106の第1のA相リード線142aおよび第1のB相リード線144aと同様に、レンズ駆動回路206を通してシステムコントローラ202に接続されている。
図6に示すように、レンズ駆動装置10を搭載するカメラは、上述した基板14に、システムコントローラ202、撮像素子IF(インターフェース)回路204、レンズ駆動回路206、第1および第2のフォトインタラプタ(PI)駆動回路208,210、操作スイッチ212、メディアIF回路214、メモリカード216、画像表示部(図示せず)が接続されている。メモリカード216は、記録媒体の一例であり、この他に磁気記録装置を備えていても良い。
システムコントローラ202は、制御手段の一例である。このコントローラ202には、撮像素子IF回路204、レンズ駆動回路206、第1および第2のPI駆動回路208,210、操作スイッチ212、メディアIF回路214が接続されている。撮像素子IF回路204は、撮像素子18とシステムコントローラ202との間に設けられている。レンズ駆動回路206には、上述したように、第1のA相リード線142a、第1のB相リード線144a、第2のA相リード線146a、第2のB相リード線148aが接続されている。レンズ駆動回路206は、これらリード線142a,144a,146a,148aにパルス電流(図7参照)を供給する。第1のPI駆動回路208には、第1のフォトインタラプタ70が接続されている。第2のPI駆動回路210には、第2のフォトインタラプタ90が接続されている。第1のPI駆動回路208は、第1のフォトインタラプタ70に対して挿入される第1の遮光板68(図1参照)による遮光状態に基づいてコントローラ202に制御信号を出力する。第2のPI駆動回路210は、第2のフォトインタラプタ90に対して挿入される第2の遮光板88による遮光状態に基づいてコントローラ202に制御信号を出力する。
操作スイッチ212は、各種設定ボタンなどを含む操作部の一つとしてカメラの外部に露出された状態で配設されている。操作スイッチ212は、マニュアル操作されることによって、ズーミング動作を行なうための制御信号を出力する。メディアIF回路214は、システムコントローラ202とメモリカード216との間に設けられ、システムコントローラ202から出力される画像データをメモリカード216に記録する。また、メディアIF回路214は、例えばLCD等の画像表示部(図示せず)と接続されている。このため、このメディアIF回路214は、撮像素子18、撮像素子IF回路204を通してシステムコントローラ202から出力される画像データ、または、メモリカード216に記録されていた画像データを画像表示部に表示させる。
次に、この実施の形態に係るレンズ駆動装置10の作用について説明する。
第1および第2のロータ106,108は、ステータ102に対して同様の作用を奏するので、第1のロータ106について代表して説明する。すなわち、ここでは、パンフォーカスの合焦点位置を自動的に検索する第1のレンズ枠50を光軸方向に動作させる作用について主に説明する。
第1のロータ106の第1のA相142のリード線142aおよび第1のB相144のリード線144aに対して、それぞれ例えば図7(A)および図7(B)に示すようにレンズ駆動回路206からパルス電流を供給する。
初期状態(時間t0)において、図7(A)に示すように、第1のA相142のリード線142aにパルス電流を流す。すなわち、A相巻線部a21,a22,・・・,a2nに電流を流す。すると、図8(A)に示すように、A相鉄心部a11,a13,・・・,a1(n−1)がS極に着磁され、A相鉄心部a12,a14,・・・,a1nがN極に着磁される。すなわち、図8(A)に示すように、A相142が着磁される。
一方、図7(B)に示すように、第1のB相144のリード線144aには、初期状態(時間t0)において、電流が流されていない。したがって、この時点でB相巻線部b21,b22,・・・,b2nに電流が流されず、B相鉄心部b11,b12,・・・,b1nは着磁されない。
したがって、A相鉄心部a11(S),a13(S),・・・,a1(n−1)(S)がステータ102のS極に反発し、N極に近接する方向に力を受けるとともに、A相鉄心部a12(N),a14(N),・・・,a1n(N)がステータ102のN極に反発し、S極に近接する方向に力を受ける。したがって、第1のロータ106は、図8(A)中の矢印αの方向に移動する。すなわち、各A相鉄心部a11,a12,・・・,a1nがそれぞれその外周面の領域の半分だけステータ102に対して移動する。
次に、図7(A)および図7(B)に示すように、時間t1において、A相リード線142aへの電流の供給を停止させるとともに、B相リード線144aに電流を流す。したがって、この時点でA相巻線部a21,a22,・・・,a2nに電流が流されず、A相鉄心部a11,a12,・・・,a1nは着磁された状態が解除される。すなわち、A相鉄心部a11,a12,・・・,a1nは着磁されていない。
一方、B相巻線部b21,b22,・・・,b2nには電流が流される。すると、図8(B)に示すように、B相鉄心部b11,b13,・・・,b1(n−1)がS極に着磁され、B相鉄心部b12,b14,・・・,b1nがN極に着磁される。すなわち、図8(B)に示すように、B相144が着磁される。
したがって、B相鉄心部b11(S),b13(S),・・・,b1(n−1)(S)がステータ102のS極に反発し、N極に近接する方向に力を受けるとともに、B相鉄心部b12(N),b14(N),・・・,b1n(N)がステータ102のN極に反発し、S極に近接する方向に力を受ける。したがって、第1のロータ106は、図8(B)中の矢印αの方向に移動する。すなわち、各B相鉄心部b11,b12,・・・,b1nがそれぞれその外周面の領域の半分だけステータ102に対して移動する。
次に、図7(A)および図7(B)に示すように、時間t2において、B相リード線144aへの電流の供給を停止させるとともに、A相リード線142aに電流を流す。したがって、この時点でB相巻線部b21,b22,・・・,b2nに電流が流されず、B相鉄心部b11,b12,・・・,b1nは着磁された状態が解除される。すなわち、B相鉄心部b11,b12,・・・,b1nは着磁されていない。
一方、A相巻線部a21,a22,・・・,a2nには時間t0のときとは反対の方向に電流が流される。すると、図8(C)に示すように、A相鉄心部a11,a13,・・・,a1(n−1)が先ほどとは逆にN極に着磁され、A相鉄心部a12,a14,・・・,a1nが先ほどとは逆にS極に着磁される。すなわち、図8(C)に示すように、A相142が着磁される。
したがって、A相鉄心部a11(N),a13(N),・・・,a1(n−1)(N)がステータ102のN極に反発し、S極に近接する方向に力を受けるとともに、A相鉄心部a12(S),a14(S),・・・,a1n(S)がステータ102のS極に反発し、N極に近接する方向に力を受ける。したがって、第1のロータ106は、図8(C)中の矢印αの方向に移動する。すなわち、各A相鉄心部a11,a12,・・・,a1nがそれぞれその外周面の領域の半分だけステータ102に対して移動する。
次に、図7(A)および図7(B)に示すように、時間t3において、A相リード線142aへの電流の供給を停止させるとともに、B相リード線144aに電流を流す。したがって、この時点でA相巻線部a21,a22,・・・,a2nに電流が流されず、A相鉄心部a11,a12,・・・,a1nは着磁された状態が解除される。すなわち、A相鉄心部a11,a12,・・・,a1nは着磁されていない。
一方、B相巻線部b21,b22,・・・,b2nには時間t1のときとは反対の方向に電流が流される。すると、図8(D)に示すように、B相鉄心部b11,b13,・・・,b1(n−1)が先ほどとは逆にN極に着磁され、B相鉄心部b12,b14,・・・,b1nが先ほどとは逆にS極に着磁される。すなわち、図8(D)に示すように、B相144が着磁される。
したがって、B相鉄心部b11(N),b13(N),・・・,b1(n−1)(N)がステータ102のN極に反発し、S極に近接する方向に力を受けるとともに、B相鉄心部b12(S),b14(S),・・・,b1n(S)がステータ102のS極に反発し、N極に近接する方向に力を受ける。したがって、第1のロータ106は、図8(D)中の矢印αの方向に移動する。すなわち、各B相鉄心部b11,b12,・・・,b1nがそれぞれその外周面の領域の半分だけステータ102に対して移動する。
このようにして、第1のロータ106をステータ102に対して順次ステップ状に回動させていく。
ところで、ここでは、図8(A)ないし図8(D)中の矢印α方向に第1のロータ106を回動させることについて説明したが、矢印α方向と反対の方向に第1のロータ106を回動させることもできる。この場合、図7(A)および図7(B)に示す時間tnごとのパルス電流の極を逆にする。そうすると、A相鉄心部a11,a12,・・・,a1n、および、B相鉄心部b11,b12,・・・,b1nは、各時間tnにおいて、上述した極とそれぞれ逆の極に着磁される。このため、図8(A)ないし図8(D)中の矢印αと逆方向にステップ状に回動される。
このように、時間(tn−t(n−1))間の1つのパルス電流(図7(A)および図7(B)参照)を第1のロータ106のA相リード線142aおよびB相リード線144aに順次加えることによって、各A相鉄心部a11,a12,・・・,a1n、または、各B相鉄心部b11,b12,・・・,b1nの外周面側の領域の半分ずつ、ステータ102に対してステップ状に第1のロータ106が順次所望の方向に回動される。
したがって、第1の内歯132に噛み合わせられた第1のネジシャフト46の第1のピニオンギヤ74が回転し、すなわち、第1のネジシャフト46が回転する。そうすると、第1のネジシャフト46の雄ネジ部62が回転する。第1のネジシャフト46自体は、押圧部材56cによって軸方向への移動が防止され、かつ、シャフト位置決め板28によって軸方向から外れる方向の移動が防止されているので、雄ネジ部62に螺合された第1のレンズ枠50の雌ネジ部64によって、第1のレンズ枠50を第1のガイドシャフト42および第1のネジシャフト46に沿って移動させる。すなわち、第1のレンズ枠50が光軸方向に移動する。このため、第1のレンズ枠50に配設された投影レンズ群50aが光軸方向に移動してフォーカシング調整が行なわれる。
ここで、フォーカシング調整は自動で行なわれる。そこで、初期状態(時間t0)において、第1のレンズ枠50がシャフト押エ板30に最も離隔した基端部側の位置に配置されているものとする。
上述したように、第1の内歯132と第1のピニオンギヤ74とのギヤ比が1対10であり、第1のレンズ枠50の可動範囲は0.5mmに設定されている。また、第1のネジシャフト46の雄ネジ部62、および、第1のレンズ枠50の雌ネジ部64のピッチは0.25mmである。このため、第1のレンズ枠50を0.5mm移動させる場合、第1のネジシャフト46を2回転させる必要がある。すなわち、第1のピニオンギヤ74を2回転させる範囲内にステータ102に対する第1のロータ106の回動量を制御する。
この場合、第1の内歯132と第1のピニオンギヤ74とのギヤ比が1対10であるから、第1のピニオンギヤ74を2回転させる場合、第1のロータ106を2/10回転、すなわち、ステータ102に対して72度だけ所定の方向に回転させる。すると、第1のレンズ枠50は第1のガイドシャフト42および第1のネジシャフト46に沿って0.5mm移動する。すなわち、第1のレンズ枠50は、第1のガイドシャフト42および第1のネジシャフト46に沿ってシャフト押エ板30に近接する側に移動する。
そして、第1のフォトインタラプタ70が第1の遮光板68により光が半分遮光された時点で、第1のPI駆動回路208はコントローラ202に対して制御信号を出力する。コントローラ202は、レンズ駆動回路206に対して、第1のA相リード線142aおよび第1のB相リード線144aにパルス電流の供給を止めるように、制御信号を出力する。このため、第1のA相リード線142aおよび第1のB相リード線144aへのパルス電流の供給が停止される。すなわち、ステータ102に対する第1のロータ106の回動が停止する。この位置を、第1のロータ106の初期位置とする。
したがって、フォーカシング調整用の第1のレンズ枠50がベース部12の先端まで移動して一旦停止する。この後、第1のレンズ枠50をベース部12の基端側に移動させてフォーカシング調整を行なう。
このとき、第1のロータ106を同一方向に回動させるための、レンズ駆動回路206から第1のA相リード線142aおよび第1のB相リード線144aに供給するパルスの数(tn)は、規定されている。フォーカシング調整を行なう際の制御方法については後述する。
このようなフォーカシング調整動作と同時に、必要な場合にはズーミング調整動作も行なわれることがある。第2のロータ108は第1のロータ106とは別に制御されるが、ステータ102に対する第2のロータ108の回動動作は第1のロータ106の回動動作と同じようにして行なわれる。このため、第2のロータ108の回動動作のここでの説明を省略する。なお、ズーミング調整は、操作スイッチ212を操作するなど、手動で行なわれる。
第2の内歯134と第2のピニオンギヤ94とのギヤ比が1対10であり、第2のレンズ枠52の可動範囲は4mmに設定されている。また、第2のネジシャフト48の雄ネジ部82、および、第2のレンズ枠52の雌ネジ部84のピッチは1mmである。このため、第2のレンズ枠52を4mm移動させる場合、第2のネジシャフト48を4回転させる必要がある。すなわち、第2のピニオンギヤ94を4回転させる範囲内にステータ102に対する第2のロータ108の回動量を制御する。
この場合、第2の内歯134と第2のピニオンギヤ94とのギヤ比が1対10であるから、第2のピニオンギヤ94を4回転させる場合、第2のロータ108を4/10回転、すなわち、ステータ102に対して144度だけ回転させる。すると、第2のレンズ枠52は第2のガイドシャフト44および第2のネジシャフト48に沿って4mm移動する。すなわち、第2のレンズ枠52は、操作スイッチ212の操作によって、第2のロータ108を所望の方向に回動させることができる。したがって、第2のレンズ枠52は、第2のガイドシャフト44および第2のネジシャフト48に沿ってシャフト押エ板30に対して接離可能である。
第2のガイドシャフト44および第2のネジシャフト48に沿ってシャフト押エ板30に対して離隔した場合、第2のフォトインタラプタ90が第2の遮光板88により光が半分遮光された時点で、第2のPI駆動回路210はコントローラ202に対して制御信号を出力する。この制御信号は、第2のレンズ枠52をシャフト押エ板30に離隔させるように操作スイッチ212が操作され続けている状態であっても出力される。コントローラ202は、レンズ駆動回路206に対して、第2のA相リード線146aおよび第2のB相リード線148aにパルス電流の供給を止めるように、制御信号を出力する。このため、第2のA相リード線146aおよび第2のB相リード線148aへのパルス電流の供給が停止される。すなわち、ステータ102に対する第2のロータ108の回動が停止する。
したがって、ズーミング調整用の第2のレンズ枠52がベース部12の基端側まで移動して一旦停止する。この後、第2のレンズ枠52を反対方向に移動させるズーミング調整を行なう場合、操作スイッチ212を操作する。すると、操作スイッチ212からの制御信号がコントローラ202を介してレンズ駆動回路206に出力される。このため、レンズ駆動回路206は、操作スイッチ212の動作に基づいて、第2のA相リード線146aおよび第2のB相リード線148aに電流を供給する。そして、第2のレンズ枠52をシャフト押エ板30に近接させるように移動させる、所定の範囲内でのズーミング調整を行なう。
なお、第1のA相リード線142a、第1のB相リード線144a、第2のA相リード線146aおよび第2のB相リード線148aに供給するパルス電流を流す時間を制御することによって、ステータ102に対する第1のロータ106の回転速度を変化させることができる。すなわち、第1および第2のレンズ枠50,52の移動速度を変化させることができる。
次に、第1のレンズ枠50内の投影レンズ群50aによる像のフォーカシング調整を行なう場合の制御方法について説明する。
図9に示すように、フォーカス位置の決定は、第1のレンズ枠50の位置を初期位置からシャフト押エ板30に対して離隔する方向にステップ状に変化(移動)させ、例えば各位置で得られる画像のコントラストが最も強くなる位置を求めることによって行われる。
このため、まず、第1のレンズ枠50を第1のガイドシャフト42および第1のネジシャフト46に沿ってシャフト押エ板30に対して近接する方向に移動させる。第1のレンズ枠50に固定された第1の遮光板68で第1のフォトインタラプタ70による検出光量の半分を遮光した時点で第1のPI駆動回路208からコントローラ202に制御信号を出力する。コントローラ202は、レンズ駆動回路206に制御信号を出力し、第1のロータ106へのパルス電流の供給を停止する。そして、第1のレンズ枠50の移動が停止された位置を初期位置として規定する。
この初期位置からフォーカシング調整を開始する。コントローラ202は、停止された状態での撮像素子18および撮像素子IF回路204からコントラストCiを得るために画像データを読み出し、i=1回目のコントラストC1を演算する(ST1)。次に、コントローラ202は、レンズ駆動回路206から第1のA相リード線142aおよび第1のB相リード線144aにパルス電流を加える(ST2)。このため、第1のレンズ枠50が1つのパルス電流によりシャフト押エ板30から離隔する方向にギヤ比に応じて移動される。この位置で、画像データを読み出し、i=2回目のコントラストC2を演算する(ST3)。i=2回目のコントラストC2とi=1回目のコントラストC1とを比較し(ST4)、C2≧C1の場合、同じ方向へ第1のレンズ枠50をさらに移動させる。すなわち、第1のレンズ枠50をシャフト押エ板30から離隔する方向に1つずつのパルス電流によりギヤ比に応じて移動させる。
そして、3回目,4回目,・・・,i回目,(i+1)回目と順次コントラストC(i+1)を演算し(ST3)、コントラストC(i+1)とその1つ前のコントラストCiとを比較する(ST4)。このST2〜ST4の動作を繰り返してC(i+1)<Ciとなった場合、1つ前のコントラストCiを得る状態にレンズ駆動回路206から第1のA相リード線142aおよび第1のB相リード線144aに制御信号を出力する。すなわち、第1のレンズ枠50をシャフト押エ板30に近接するように1つのパルス電流を出力する(ST5)。コントラストC(i+2)≒Ciを読み出し(ST6)、このコントラストC(i+2)と前回のコントラストC(i+1)とを比較し(ST7)、C(i+2)≒Ci≧C(i+1)となったところをパンフォーカスの合焦点とする。
すなわち、図10に示すように、コントラストが大きくなるように第1のレンズ枠50を合焦点に向けて、漸近させて行き最大値を求める、いわゆる「山登り制御」によって、焦点を求める。図10においては、ST2〜ST4(図9参照)の動作を7回繰り返して、通り過ぎた合焦点に戻った過程を示している。
i>1の場合(ST8)、少なくとも一度は、合焦点に向かって第1のレンズ枠50が移動したことになる。このため、これをもって合焦点を決定する(ST9)。すなわち、i=i+2での第1のA相142または第1のB相144の着磁状態を維持する。
一旦、フォーカシング調整が行なわれた後、操作スイッチ212を操作するズーミング調整が行なわれた場合やシャッターボタン(図示せず)が半押しされた場合、さらには、接写や望遠などの撮影モードが選択された場合等、フォーカシングの再調整を行なうことが必要な場合がある。ここでは、これらの操作前に上述したフォーカシング調整が行なわれた位置を初期位置として再規定するものとする。
この場合も、上述したように山登り制御によってフォーカシング調整を行なう(ST1〜ST9)。一方、1回目のコントラストC1に対して2回目のコントラストC2が、C2<C1となった場合、合焦点から離れる方向に第1のレンズ枠50が動いている可能性がある。この場合、ST205によって第1のレンズ枠50の位置を元の位置に戻すとコントラストC(i+2)が少なくとも前回のコントラストCiと略一致し、したがって、合焦点が求まったかのようになってしまう。この誤った認定を防止するため、計測回数iがi>1であるか判定する(ST8)。
i>1の場合、少なくとも一度は、合焦点に向かって第1のレンズ枠50が移動したことになる。このため、これをもって合焦点を決定する(ST9)。一方、i>1ではない、つまり、合焦点に向かって第1のレンズ枠50を一度も移動させていない場合、第1のレンズ枠50をシャフト押エ板30に近接する側に移動するようにパルス電流を流す(ST10)。この結果、第1のレンズ枠50が合焦点に向かって移動する。
移動した位置のコントラストC(i+1)を演算し(ST11)、前回のコントラストCiとなる初回に図ったコントラストC1と比較する(ST12)。C(i+1)≧Ciである場合、ST2〜ST4を繰り返したのと同様に、ST10〜ST12を繰り返す。途中で、C(i+1)<Ciとなった場合、第1のレンズ枠50をシャフト押エ板30に離隔する側に移動するようにパルス電流を流す(ST13)。そして、その位置におけるコントラストC(i+2)≒Ciを再度演算する(ST14)。C(i+2)とC(i+1)とを比較し(ST15)、C(i+2)≧C(i+1)となったところを合焦点とする。すなわち、i=i+2での第1のA相142または第1のB相144の着磁状態を維持する(ST9)。
以上説明したように、この実施の形態によれば、以下の効果が得られる。
この実施の形態に係るステータ102を通常のステッピングモータとは逆に永久磁石とし、第1および第2のロータ106,108を電磁石として構成した。1つのステータ102の内側に、フォーカシング調整を行なうための第1のロータ106とズーミング調整を行なうための第2のロータ108とを配置した。このため、第1のロータ106と第2のロータ108とを別々に同時または1つずつ回動可能である。したがって、フォーカシング調整を行なうと同時にズーミング調整を行なうことができる。
また、これら第1および第2のロータ106,108をステータ102の内側に、ギヤとして作用させるように配置されている。したがって、ステータ102の内側にギヤが配設され、ステータ102の外側にギヤが配設されることがないので、レンズ駆動装置10の小型化を図ることができる。
なお、この実施の形態では、それぞれギヤとして作用する第1および第2のロータ106,108を配設するなど、2つのロータをステータ102の内側に配置することについて説明したが、ロータの数は2つに限ることはなく、3つなどであっても良い。もちろん、1つであっても良い。
また、この実施の形態では、リード線142a,144a,146a,148aを用いた例について説明した。このようなリード線142a,144a,146a,148aは、非常に安価であり、コスト面を考慮すると、摺動切片を用いるよりも有利であると言える。
また、この実施の形態では、ロータ106,108の内歯132,134や、ネジシャフト46,48のピニオンギヤ74,94など、歯車を用いることについて説明したが、プーリ(図示せず)などを用いることも好適である。
なお、次に、第1のロータ106を上述した方式(単相駆動方式)と異なる方式(2相駆動方式)で動作させる作用について説明する。ここでは、ステータ102に対して、上述した矢印αの方向と異なるβの方向(図13(A)ないし図13(H)参照)に第1のロータ106を回動させる場合について説明する。
図11(A)に示すように、初期状態(時間t0)において、パルス電流を第1のA相142のリード線142aを通してA相巻線部a21,a22,・・・,a2nに流す。また、図11(B)に示すように、パルス電流を第1のB相144のリード線144aを通してB相巻線部b21,b22,・・・,b2nに流す。すると、図12(A)に示すように、A相142およびB相144の両者が着磁される。すなわち、A相鉄心部a11,a13,・・・,a1nがN極に着磁され、それぞれ隣接するA相鉄心部a12,a14,・・・,a1nがS極に着磁される。また、B相鉄心部b11,b13,b15,・・・,b1(n−1)がS極に着磁され、それぞれ隣接するB相鉄心部b12,b14,b16,・・・,b1nがN極に着磁される。
ここで、時間t0の直後(t0+)において、A相鉄心部a11,a12,・・・,a1nがステータ102のS極とN極との間にあるものとする。すなわち、B相鉄心部b11,b13,b15,・・・,b1(n−1)がステータ102のN極に対向し、B相鉄心部b12,b14,b16,・・・,b1nがステータ102のS極に対向した状態にあるものとする。
そうすると、A相142のN極(A相鉄心部a11,a13,・・・,a1n)はステータ102のN極に反発し、S極に近接するように力を受ける。同様に、A相142のS極(A相鉄心部a12,a14,・・・,a1n)はステータ102のS極に反発し、N極に近接するように力を受ける。したがって、第1のロータ106は図12(A)中の力Faの方向に付勢される。すなわち、力Faの方向に向かって第1のロータ106をステータ102に対して回動させ、力Faの方向に慣性力を生じさせる。
なお、図11(A)および図11(B)中では、パルス電流の振幅の絶対値を時間t0とそれ以降とにおいて同じとしているが、時間t1において大きな付勢力を得るため、時間t0のときの振幅の絶対値をそれ以降の絶対値よりも大きくするように制御することも好適である。
以後、図12(A)に示す力Faの方向に力を受け続けるようにA相142、B相144を順次着磁させてステータ102に対して第1のロータ106を回動させていく。
ここで、時間t0の直後、すなわち、時間t1の直前(t0+=t1−)において、A相鉄心部a11,a12,・・・,a1nは図13(A)に示す状態にあり、B相鉄心部b11,b12,・・・,b1nは図13(B)に示す状態にあるものとする。
時間t1の直後(t1+=t2−)において、図11(A)および図11(B)に示すように、A相巻線部a21,a22,・・・,a2nには、時間t1の直前(t1−)とは反対方向のパルス電流が流される。このため、A相鉄心部a11,a12,・・・,a1nは時間t0〜t1までとは逆に着磁される。B相巻線部b21,b22,・・・,b2nには、時間t1の直前および直後で同じ方向のパルス電流が流される。このため、B相鉄心部b11,b12,・・・,b1nは同一の着磁状態を維持する。したがって、A相142は、図13(A)に示す状態から図13(C)に示す状態に移動する。また、B相144は、図13(B)に示す状態から図13(D)に示す状態に移動する。すなわち、第1のロータ106がステータ102に対して矢印βの方向に向かって移動する。このとき、各A相鉄心部a11,a12,・・・,a1nはそれぞれその外周面の領域の半分だけステータ102に対して移動する。同様に、第1のロータ106としてA相142と一体の各B相鉄心部b11,b12,・・・,b1nもそれぞれその外周面の領域の半分だけステータ102に対して移動する。
時間t2の直後(t2+=t3−)において、図11(A)および図11(B)に示すように、B相巻線部b21,b22,・・・,b2nには、時間t2の直前(t2−)とは反対方向のパルス電流が流される。このため、B相鉄心部b11,b12,・・・,b1nは時間t1〜t2までとは逆に着磁される。A相巻線部a21,a22,・・・,a2nには、時間t2の直前および直後で同じ方向のパルス電流が流される。このため、A相鉄心部a11,a12,・・・,a1nは同一の着磁状態を維持する。したがって、A相142は、図13(C)に示す状態から図13(E)に示す状態に移動し、B相144は、図13(D)に示す状態から図13(F)に示す状態に移動する。すなわち、第1のロータ106がステータ102に対して矢印βの方向に向かって移動する。このとき、各B相鉄心部b11,b12,・・・,b1nはそれぞれその外周面の領域の半分だけステータ102に対して移動する。同様に、第1のロータ106としてA相142と一体の各A相鉄心部a11,a12,・・・,a1nもそれぞれその外周面の領域の半分だけステータ102に対して移動する。
時間t3の直後(t3+=t4−)において、図11(A)および図11(B)に示すように、A相巻線部a21,a22,・・・,a2nには、時間t3の直前(t3−)とは反対方向のパルス電流が流される。このため、A相鉄心部a11,a12,・・・,a1nは時間t2〜t3までとは逆に着磁される。B相鉄心部b11,b12,・・・,b1nには時間t3の直前および直後で同じ方向のパルス電流が流される。このため、B相鉄心部b11,b12,・・・,b1nは同一の着磁状態を維持する。したがって、A相142は、図13(E)に示す状態から図13(G)に示す状態に移動し、B相144は、図13(F)に示す状態から図13(H)に示す状態に移動する。すなわち、第1のロータ106がステータ102に対して矢印βの方向に向かって移動する。
したがって、各A相鉄心部a11,a12,・・・,a1nはそれぞれその外周面の領域の半分だけステータ102に対して移動する。同様に、第1のロータ106としてA相142と一体の各B相鉄心部b11,b12,・・・,b1nもそれぞれその外周面の領域の半分だけステータ102に対して移動する。
このようにして、第1のロータ106をステータ102に対して順次ステップ状に回動させていく。このように、時間(tn−t(n−1))間の1つのパルス電流(図11(A)および図11(B)参照)を第1のロータ106のA相142およびB相144に順次加えることによって、1つのA相鉄心部a11またはB相鉄心部b11の外周面側の領域の半分ずつ、ステータ102に対してステップ状に第1のロータ106が順次回動される。
なお、この作用において、初期状態(時間t0)のときに着磁させる向きは図12(A)に示す状態に限らず、図12(B)ないし図12(D)に示す状態としても良い。図12(B)に示す状態の場合、図12(A)に示す状態と逆方向の力Fbが加えられる。
図12(C)および図12(D)に示す状態は、A相鉄心部a11,a13,・・・,a1(n−1)とステータ102の磁極S極とが対向し、A相鉄心部a12,a14,・・・,a1nとステータ102の磁極N極とが対向した状態である。図12(C)に示す状態の場合、図12(A)に示す状態と同じ方向の力Fcが加えられる。図12(D)に示す状態の場合、図12(A)に示す状態と逆方向の力Fdが加えられる。
図12(B)ないし図12(D)に示す状態(時間t0)から時間(t1,t2,…)の経過とともにパルス電流を流す向きを規定することによって、ステータ102に対して第1のロータ106を所望の方向に回動させることができる。
次に、第2の実施の形態について、図14を用いて説明する。この実施の形態は、第1の実施の形態の変形例であって、第1の実施の形態で説明した部材と同一の作用を有する部材には同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
この実施の形態では、第1の実施の形態で説明したステッピングモータの代わりに、超音波モータを用いる。
ここで、図14(A)に示すように、ステータ102は例えば円環状または円筒状の弾性振動体として形成されている。ロータ104はこの弾性振動体のステータ102に対して押圧された摩擦体として形成されている。ロータ104は、後述する振動体312に対して押し付けられた状態で配設されている。
図14(A)および図14(B)に示すように、ステータ102は、リング状や管状の振動体312と、この振動体312の一側面に配設された圧電素子(圧電セラミックスなど)314とを備えている。圧電素子314には、図示しないリード線が延出されている。このため、この振動体312は、レンズ駆動回路206(図6参照)からリード線を通して振動体312に適当な印加電圧が加えられると、例えば図14(B)に示すような振動を生じる。すなわち、図14(B)中の符号Pで示す位置は、楕円運動を行なう。そうすると、弾性振動は波として図14(B)中の右方向に進行するのに対し、符号Pで示す点では縦波wと横波uが反時計方向の回転運動をするため、接触点Pでは図14(B)中の左方向の推力を受けてロータ104が左方向に移動する。
このため、パルス状の印加電圧を加えることによって、図14(B)中の左方向に摩擦体を移動させることができる。すなわち、図14(A)に示すロータ104をステータ102に対して回動させることができる。なお、ここでは、図14(B)中の左方向にロータ104を移動させることについて説明したが、同様に、右方向にも移動させることができる。
ところで、ロータ104の内周面には、第1の実施の形態で説明した内歯132,134が形成されている。このため、第1の実施の形態で説明した鏡枠16を第1の実施の形態で説明したようにベース部12に対して配設することによって、第1の実施の形態で説明したレンズ駆動装置10と同様に用いることができる。
すなわち、ステータ102および内歯を備えたロータ104を有する超音波モータを2つ並設させることによって、第1の実施の形態で説明したように、フォーカシング調整とズーミング調整との両者を同時に行なうことができ、かつ、レンズ駆動装置10の小型化を図ることができる。
これまで、いくつかの実施の形態について図面を参照しながら具体的に説明したが、この発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で行なわれるすべての実施を含む。
10…レンズ駆動装置、12…ベース部、14…基板、16…鏡枠、18…撮像素子、22…第1のベース部、22a,22b,22c,22d…凹部、24…第2のベース部、26…保持部材、28…シャフト位置決め板、28a,28b,28c,28d…貫通孔、30…シャフト押エ板、30a,30b,30c,30d…凹部、32…ネジ、34,36,38…ネジ、42…第1のガイドシャフト、44…第2のガイドシャフト、46…第1のネジシャフト、48…第2のネジシャフト、50…第1のレンズ枠、50a…投影レンズ群、52…第2のレンズ枠、52a…投影レンズ群、62…雄ネジ部、64…雌ネジ部、66…ガイド部、68…第1の遮光板、70…第1のフォトインタラプタ、74…第1のピニオンギヤ、82…雄ネジ部、84…雌ネジ部、86…ガイド部、88…第2の遮光板、90…第2のフォトインタラプタ、94…第2のピニオンギヤ、102…ステータ、104…ロータ、106…第1のロータ、108…第2のロータ、116…第1のベアリング保持板、118…第2のベアリング保持板、132…第1の内歯、134…第2の内歯、152,154…ネジ