JP2006293011A - レンズ駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 外径寸法の小型化を図ることのでき、さらに動作音の低減を図ることのできるレンズ駆動装置を提供すること。
【解決手段】 レンズ駆動装置1において、第2の可動部材62に対する駆動を停止した状態で、第1の電磁機構51によって第1の可動部材61を時計周りCWに駆動すると、スプリングクラッチ90が巻き締まって時計周りCWの駆動力が移動レンズ体10に伝達されるので、移動レンズ体10が時計周りCWに回転し、光軸Lに沿って駆動される。第1の可動部材61を反時計周りCCWに駆動すると、スプリングクラッチ90が巻き弛むだけであるため、移動レンズ体10への駆動力の伝達が遮断される。従って、第1の電磁機構51のボイスコイル518に交番電流を通電すると、移動レンズ体10を光軸L方向に小刻みに移動させることができ、フォーカシング動作を行うことができる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、カメラ付き携帯電話機やデジタルカメラなどに用いられるレンズ駆動装置に関するものである。
カメラ付き携帯電話機やデジタルカメラなどの携帯機器に搭載される薄型カメラとしては、例えば、レンズを保持する移動レンズ体と、この移動レンズ体の外周側に取り付けられた環状のマグネットと、マグネットの外周面に対向する環状のステータとを有するPM型のステッピングモータ構造を利用したレンズ駆動装置が案出され、このレンズ駆動装置では、ステータの駆動コイルへの通電を制御することにより、レンズを光軸方向に駆動する(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−347890号公報
しかしながら、特許文献1に記載のレンズ駆動装置のように、移動レンズ体の周りにPM型のステッピングモータ機構を配置した場合には、移動レンズ体の外周側において環状のマグネットや環状のステータが大きなスペースを占めるため、レンズ駆動装置の外径寸法をこれ以上、小さくすることが困難であるという問題点がある。
また、レンズ駆動装置としては、特許文献1に開示のものの他に、種々のものが提案されているが、従来のレンズ駆動装置はいずれも、動作音が大きいため、動画撮影時に音声を録音しようとしたとき、動作音も録音してしまうという問題点がある。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、外径寸法の小型化を図ることのできるレンズ駆動装置を提供することにある。
また、本発明の課題は、動作音を低減することのできるレンズ駆動装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明では、レンズを備えた移動レンズ体と、該移動レンズ体を前記レンズの光軸に沿って移動させるための駆動機構と、該駆動機構および前記移動レンズ体が搭載された固定体とを有するレンズ駆動装置において、前記駆動機構は、前記移動レンズ体を駆動するための駆動力を発生させる電磁機構と、該電磁機構による双方向の駆動力のうち、一方側の駆動力のみを前記移動レンズ体に伝達するクラッチ機構とを有していることを特徴とする。
本発明において、前記駆動機構によって移動レンズ体をレンズの光軸に沿って往復移動させてもよい。この場合、前記駆動機構は、例えば、前記電磁機構として第1の電磁機構と第2の電磁機構とを備えるとともに、前記第1の電磁機構による第1の方向への駆動力を伝達して前記移動レンズ体を光軸方向の一方側に移動させるための第1の可動部材と、前記第2の電磁機構による第2の方向への駆動力を伝達して前記移動レンズ体を光軸方向の他方側に移動させるための第2の可動部材とを有し、前記クラッチ機構は、前記第1の電磁機構が前記第1の可動部材を第1の方向およびその逆方向に交互に駆動した際、当該第1の方向への駆動力を前記第1の可動部材から前記移動レンズ体に伝達する一方、当該逆方向への駆動力の伝達を遮断し、かつ、前記第2の電磁機構が前記第2の可動部材を第2の方向およびその逆方向に交互に駆動した際、当該第2の方向への駆動力を前記第2の可動部材から前記移動レンズ体に伝達する一方、当該逆方向への駆動力の伝達を遮断する。
本発明では、第1電磁機構によって第1の可動部材を第1の方向およびその反対方向に繰り返し駆動すると、第1の可動部材が第1の方向に駆動された時の変位は、クラッチ機構を介して移動レンズ体に伝達され、移動レンズ体を光軸方向の一方側に移動させる。これに対して、第1の可動部材を第1の方向とは反対方向に駆動すると、第1の可動部材の変位の伝達がクラッチ機構によって遮断され、移動レンズ体は停止したままである。従って、第1の可動部材を第1の方向およびその逆方向に交互に駆動すると、移動レンズ体を光軸方向の一方側に小刻みに間欠的に移動させることができる。これに対して、第2の電磁機構によって第2の可動部材を第2の方向およびその反対方向に繰り返し駆動すると、上記の動作とは反対に、移動レンズ体を光軸方向の他方側に小刻みに間欠的に移動させることができる。それ故、PM型のステッピングモータ構造を採用しなくても、移動レンズ体を所定位置に精度よく移動させることができる。また、PM型のステッピングモータ構造を利用しなくてもよいので、移動レンズ体の周りには、第1の可動部材、第2の可動部材、クラッチ機構、および電磁機構を配置すればよい。しかも、電磁機構は、第1の可動部材および第2の可動部材を往復駆動させればよいので、移動レンズ体の周りを囲む必要がない。それ故、駆動機構が移動レンズ体の周りで占めるスペースが小さいので、レンズ駆動装置の外径寸法を小型化できる。
本発明において、前記第1の電磁機構は、前記第1の可動部材を前記第1の方向として光軸周りの一方側に回転させる一方、前記第2の電磁機構は、前記第2の可動部材を前記第2の方向として光軸周りの他方側に回転させ、前記駆動機構は、前記第1の可動部材および前記第2の可動部材の回転動作を前記移動レンズ体が光軸方向に直線移動する動作に変換する回転−直動変換機構を備えていることが好ましい。電磁機構が第1の可動部材および第2の可動部材を往復回転駆動する構成であれば、移動レンズ体の周りの小さなスペース内に電磁機構を配置できるので、レンズ駆動装置の外径寸法を小型化できる。
本発明において、前記クラッチ機構は、前記移動レンズ体の周りに巻回されたコイルバネからなるスプリングクラッチであり、当該スプリングクラッチの一方端側は前記第1の可動部材に連結され、他方端側は前記第2の可動部材に連結されていることが好ましい。このように構成すると、第2の可動部材に対する駆動を停止した状態で、第1の可動部材を第1の方向に駆動すると、移動レンズ体の周りでスプリングクラッチが巻き締まり、第1の可動部材から移動レンズ体に向けて駆動力が伝達される一方、第1の可動部材を第1の方向とは反対側に駆動すると、移動レンズ体の周りでスプリングクラッチが巻き弛み、第1の可動部材から移動レンズ体への駆動力の伝達が遮断される。一方、第1の可動部材に対する駆動を停止した状態で、第2の可動部材を第2の方向に駆動すると、移動レンズ体の周りでスプリングクラッチが巻き締まり、第2の可動部材から移動レンズ体に向けて駆動力が伝達される一方、第2の可動部材を第2の方向とは反対側に駆動すると、移動レンズ体の周りでスプリングクラッチが巻き弛み、第2の可動部材から移動レンズ体への駆動力の伝達が遮断される。このような構成のクラッチ機構であれば、移動レンズ体の外周側では、半径方向において極めて狭いスペースにクラッチ機構を配置できるので、レンズ駆動装置の外径寸法を小型化できる。しかも、スプリングクラッチの巻き締まりと巻き弛みを利用するので、動作音が極めて小さいという利点がある。
本発明において、前記クラッチ機構は、前記移動レンズ体の周りに巻回されて一方端側が前記第1の可動部材に連結された第1のコイルバネからなる第1のスプリングクラッチと、前記移動レンズ体の周りに巻回されて一方端側が前記第2の可動部材に連結された第2のコイルバネからなる第2のスプリングクラッチとを備えている構成を採用してもよい。この場合も、スプリングクラッチの巻き締まりと巻き弛みを利用できるので、レンズ駆動装置の外径寸法を小型化でき、かつ、動作音が極めて小さいという利点がある。
本発明において、前記クラッチ機構は、前記移動レンズ体の周りに形成された螺旋溝内に装着されたコイルバネからなるスプリングクラッチであってもよい。この場合も、スプリングクラッチの巻き締まりと巻き弛みを利用できるので、レンズ駆動装置の外径寸法を小型化でき、かつ、動作音が極めて小さいという利点がある。また、螺旋溝とスプリングクラッチとによって回転−直動変換機構を構成することもできる。
本発明において、前記駆動機構は、移動レンズ体の外周を囲むように配置されて前記クラッチ機構を介して前記第1の可動部材および前記第2の可動部材の回転動作が伝達される回転体を備え、当該回転体と前記移動レンズ体との間には前記回転−直動変換機構が構成され、前記移動レンズ体に対しては、前記回転体との供回りを阻止する供回り阻止機構が構成されていることが好ましい。このように構成すると、移動レンズ体は光軸周りに回転することなく、光軸方向に駆動される。従って、レンズの光軸位置がずれないという利点がある。
本発明において、前記回転−直動変換機構としては、ネジ機構、面カムや溝カムなどのカム機構、ヘリコイド機構、あるいは前記移動レンズ体の外周面に形成された螺旋溝内に線状体が外接するガイド機構を利用することができる。
本発明において、前記第1の可動部材は、前記第1の電磁機構の第1のコイルにより駆動される第1の永久磁石であり、前記第2の可動部材は、前記第2の電磁機構の第2のコイルにより駆動される第2の永久磁石であることが好ましい。このように構成すると、部品点数を削減することができ、レンズ駆動装置の小型化および低コスト化を図ることができる。
本発明を適用したレンズ駆動装置では、第1の可動部材を第1の方向およびその逆方向に交互に駆動すると、移動レンズ体を光軸方向の一方側に小刻みに移動させることができ、第2の可動部材を第2の方向およびその反対方向に繰り返し駆動すると、移動レンズ体を光軸方向の他方側に小刻みに移動させることができるので、ステッピングモータ構造を採用しなくても、移動レンズ体を所定位置に精度よく移動させることができる。また、ステッピングモータ構造を利用しなくてもよいので、移動レンズ体の周りには、第1の可動部材、第2の可動部材、クラッチ機構、および電磁機構を配置すればよく、しかも、電磁機構は、第1の可動部材および第2の可動部材を往復駆動させればよいので、移動レンズ体の周りを囲む必要がない。それ故、移動レンズ体の周りに必要なスペースが小さくてよいので、レンズ駆動装置の外径寸法を小型化できる。
以下に、図面を参照して、本発明を適用したレンズ駆動装置を説明する。なお、以下に参照する図面において、移動レンズ体が光軸方向の一方側および他方側に移動した様子を点線で示してある。
[実施の形態1]
(全体構成)
図1および図2はそれぞれ、本発明の実施の形態1に係るレンズ駆動装置の要部の平面図および断面図である。図3は、このレンズ駆動装置の要部の分解斜視図である。
図1、図2および図3において、本形態のレンズ駆動装置1は、カメラ付き携帯電話などに搭載されている薄型カメラにおいて、移動レンズ体10を光軸Lに沿って被写体(物体側)に近づくA方向、および被写体とは反対側の撮像素子側(像側)に向かうB方向に往復移動させるためのものであり、移動レンズ体10は、レンズや絞り(図示せず)を略円筒状のレンズホルダ11の内側に保持している。また、レンズ駆動装置1は、移動レンズ体10を光軸Lに沿って移動させる駆動機構5と、駆動機構5および移動レンズ体10が搭載された固定体2とを有している。固定体2は、像側で撮像装置(図示せず)を保持するベース21と、物体側に位置するカバー22とから構成され、固定体2には、後述する電磁機構50を収納する空間20を移動レンズ体10の側方に備えている。このため、固定体2は、小判形の平面形状を備え、かつ、その中心から一方に偏った位置に移動レンズ体10を有している。なお、移動レンズ体10は、後述する回転−直動変換機構8のネジ機構により、光軸L回りに回転可能、かつ、光軸Lに沿って移動可能に支持されている。
本形態において、駆動機構5は、移動レンズ体10を駆動するための駆動力を発生させる第1の電磁機構51および第2の電磁機構52からなる電磁機構50と、第1の電磁機構51による第1の方向(矢印M11の方向)への駆動力を伝達して移動レンズ体10を光軸L方向の一方側(矢印Aで示す方向)に移動させる円筒状の第1の可動部材61と、第2の電磁機構52による第2の方向(矢印M21の方向)への駆動力を伝達して移動レンズ体10を光軸L方向の他方側(矢印Bで示す方向)に移動させる円筒状の第2の可動部材62と、第1の可動部材61および第2の可動部材62から移動レンズ体10への駆動力伝達経路に構成されたクラッチ機構9とを有している。ここで、第1の可動部材61と第2の可動部材62とは、光軸L方向に重ねて配置され、固定体2によって光軸L方向における移動が規制されている。
本形態において、第1の電磁機構51は、E型の第1の永久磁石511と、この永久磁石511の中央の突起部分513を所定の間隔を隔てて囲む第1のボイスコイル518とを備え、第1の可動部材61と第1の永久磁石511とは、第1の可動部材61から外周側に突出した連結部611で連結されている。ここで、第1の永久磁石511は、中央の突起部分513と、その両側の2つの突起部分とは異なる磁極に着磁されている。また、第1のボイスコイル518は、固定体2に固定されている。このため、第1のボイスコイル518に対する通電方向を切り換えることにより、第1の永久磁石511を矢印M11、M12で示す方向に交互に駆動することができ、このような動作に連動して、第1の可動部材61は、光軸L周りの時計周りCWと反時計周りCCWに交互に回転する。
第2の電磁機構52も、第1の電磁機構51と同様、E型の第2の永久磁石521と、この永久磁石521の中央の突起部分523を所定の間隔を隔てて囲む第2のボイスコイル528とを備え、第2の可動部材62と第2の永久磁石521とは、第2の可動部材62から外周側に突出した連結部621で連結されている。ここで、第2の永久磁石521は、中央の突起部分523と、その両側の2つの突起部分とは異なる磁極に着磁されている。また、第2のボイスコイル528は、固定体2に固定されている。このため、ボイスコイル528に対する通電方向を切り換えることにより、第2の永久磁石を矢印M21、M22で示す方向に交互に駆動することができ、このような動作に連動して、第2の可動部材62は、光軸L周りの反時計周りCCWと時計周りCWに交互に回転する。
本形態において、クラッチ機構9は、移動レンズ体10のレンズホルダ11の周りに巻回されたコイルバネからなるスプリングクラッチ90であり、このスプリングクラッチ90の一方端側901は第1の可動部材61のスリット612に保持され、他方端側902は第2の可動部材62のスリット622に保持されている。このため、第2の可動部材62を停止させた状態で、第1の可動部材61を時計周りCWに駆動すると、移動レンズ体10のレンズホルダ11の周りでスプリングクラッチ90が巻き締まり、第1の可動部材61から移動レンズ体10に向けて時計周りCWの駆動力が伝達される。これに対して、第1の可動部材61を反時計周りCCWに駆動すると、移動レンズ体10の周りでスプリングクラッチ90が巻き弛むので、第1の可動部材61から移動レンズ体10への反時計周りCCWの駆動力の伝達は遮断される。
一方、第1の可動部材61を停止させた状態で、第2の可動部材62を反時計周りCCWに駆動すると、移動レンズ体10の周りでスプリングクラッチ90が巻き締まり、第2の可動部材62から移動レンズ体10に向けて反時計周りCCWの駆動力が伝達される。これに対して、第2の可動部材62を時計周りCWに駆動すると、移動レンズ体10の周りでスプリングクラッチ90が巻き弛むので、第2の可動部材62から移動レンズ体10への時計周りCWの駆動力の伝達は遮断される。
また、駆動機構5では、レンズホルダ11の端部の外周面に形成された雄ネジ81と、ベース21において光軸L方向に突出してレンズホルダ11を外周側で囲む円筒部25の内周面に形成された雌ネジ82とによってネジ機構からなる回転−直動変換機構8が構成されており、この回転−直動変換機構8は、第1の可動部材61および第2の可動部材62の回転動作を移動レンズ体10が光軸L方向に直線的に移動する動作に変換する。
(動作)
このように構成したレンズ駆動装置1において、まず、第2の電磁機構52による第2の可動部材62に対する駆動を停止した状態で、第1の電磁機構51によって第1の可動部材61を時計周りCWに駆動すると、第2の可動部材62は固定体2との摩擦力などによる制動トルクが作用しているので移動しないため、レンズホルダ11の周りでスプリングクラッチ90が巻き締まり、第1の可動部材61から移動レンズ体10に向けて時計周りCWの駆動力が伝達される。その結果、移動レンズ体10が時計周りCWに回転する。その際、移動レンズ体10が時計周りCWに回転する動作は、回転−直動変換機構8によって、移動レンズ体10を光軸L方向の一方側に移動させる推進力に変換される。一方、第1の可動部材61を反時計周りCCWに駆動すると、移動レンズ体10には、回転−直動変換機構8での摩擦力などによって制動トルクが作用しているので、移動レンズ体10の周りでスプリングクラッチ90が巻き弛むだけであるため、第1の可動部材61から移動レンズ体10への駆動力の伝達が遮断される。従って、第1の電磁機構51のボイスコイル518に交番電流を通電すると、移動レンズ体10を光軸L方向の一方側(矢印Aで示す方向)に小刻みに移動させることができ、フォーカシング動作を行うことができる。そして、所定位置で停止した移動レンズ体10は、空転トルクより制動トルクの方が大きいので、制動トルクで位置が保持される。
また、第1の電磁機構51による第1の可動部材61に対する駆動を停止した状態で、第2の電磁機構52によって第2の可動部材62を反時計周りCCWに駆動すると、第1の可動部材61は、固定体2との摩擦力などにより制動トルクが作用しているので移動しないため、移動レンズ体10のレンズホルダ11の周りでスプリングクラッチ90が巻き締まり、第2の可動部材62から移動レンズ体10に向けて反時計周りCCWの駆動力が伝達される。その結果、移動レンズ体10が反時計周りCCWに回転する。その際、移動レンズ体10が反時計周りCCWに回転する動作は、回転−直動変換機構8によって、移動レンズ体10を光軸L方向の他方側に移動させる推進力に変換される。一方、第2の可動部材62を時計周りの方向CWに駆動すると、移動レンズ体10には、回転−直動変換機構8での摩擦力などによって制動トルクが作用しているので、移動レンズ体10の周りでスプリングクラッチ90が巻き弛むだけであるため、第2の可動部材62から移動レンズ体10への駆動力の伝達が遮断される。従って、第2の電磁機構52のボイスコイル528に交番電流を通電すると、移動レンズ体10を光軸L方向の他方側(矢印Bで示す方向)に小刻みに移動させることができる。そして、所定位置で停止した移動レンズ体10は、空転トルクより制動トルクの方が大きいので、制動トルクで位置が保持される。
(本形態の主な効果)
このように、本形態のレンズ駆動装置1では、PM型のステッピングモータ構造を採用しなくても、移動レンズ体10を光軸L方向における所定位置に精度よく移動させることができる。また、本形態では、PM型のステッピングモータ構造を利用しなくてもよいので、移動レンズ体10の周りには、第1の可動部材61、第2の可動部材62、クラッチ機構9、および電磁機構5など、少ない部品を配置すればよく、かつ、電磁機構5は、第1の可動部材61および第2の可動部材62を所定の角度範囲で往復駆動させればよいので、移動レンズ体10の周りを囲む必要がない。しかも、電磁機構5は、第1の可動部材61および第2の可動部材62を往復回転駆動するだけであるため、電磁機構5として小型のものを用いればよいので、電磁機構5を配置するのに必要なスペースが狭い。それ故、本形態によれば、移動レンズ体10の周りに必要なスペースが小さくてよいので、レンズ駆動装置1の外径寸法を小型化できる。また、電磁機構5が第1の可動部材61および第2の可動部材62を往復回転駆動する際の角度範囲が狭いので、小型の磁気回路で十分なトルクを得ることができる分、低消費電力化を図ることができる。
また、クラッチ機構9は、移動レンズ体10の周りに巻回されたスプリングクラッチ90であるため、移動レンズ体10の外周側では、半径方向において極めて狭いスペースにクラッチ機構9を配置できる。それ故、レンズ駆動装置1の外径寸法を小型化できる。しかも、スプリングクラッチ90の巻き締まりと巻き弛みを利用するので、動作音が極めて小さいという利点がある。
さらに、所定位置で停止した移動レンズ体10は、制動トルクで位置が保持されるので、消費電力を削減できる。また、PM型のステッピングモータ構造と比較して、制御回路での消費電力が少ない。それ故、本形態のレンズ駆動装置1は、電池駆動される携帯機器への使用に適している。なお、電磁機構51、52のボイスコイル518、528に通電する交番電流の波形(周期)を移動レンズ体10に対する駆動機構の固有振動数に対応させれば、さらに消費電力を低減することができる。
[実施の形態2]
実施の形態1では電磁石を利用したが、以下に説明するように、フレミングの法則により発生する電磁力を利用してもよい。
図4は、本発明の実施の形態2に係るレンズ駆動装置の要部の断面図である。図4において、本形態のレンズ駆動装置1も、実施の形態1と同様、移動レンズ体10を光軸Lに沿って被写体(物体側)に近づくA方向、および被写体とは反対側の撮像素子側(像側)に向かうB方向に往復移動させるためのものであり、移動レンズ体10は、レンズや絞り(図示せず)を略円筒状のレンズホルダ11の内側に保持している。また、レンズ駆動装置1は、移動レンズ体10を光軸Lに沿って移動させる駆動機構5と、駆動機構5および移動レンズ体10が搭載された固定体2とを有している。固定体2は、像側で撮像装置(図示せず)を保持するベース21と、物体側に位置するカバー22とから構成されている。
本形態において、駆動機構5は、移動レンズ体10を駆動するための駆動力を発生させる第1の電磁機構53および第2の電磁機構(図示せず)からなる電磁機構50と、第1の電磁機構53による第1の方向(矢印M11の方向)への駆動力を伝達して移動レンズ体10を光軸L方向の一方側(矢印Aで示す方向)に移動させる円筒状の第1の可動部材61と、第2の電磁機構による第2の方向(矢印M21の方向)への駆動力を伝達して移動レンズ体10を光軸L方向の他方側(矢印Bで示す方向)に移動させる円筒状の第2の可動部材62と、第1の可動部材61および第2の可動部材62から移動レンズ体10への駆動力伝達経路に構成されたクラッチ機構9とを有している。ここで、第1の可動部材61と第2の可動部材62とは、光軸L方向に重ねて配置され、固定体2によって光軸L方向における移動が規制されている。
本形態において、第1の電磁機構53は、環状の第1の永久磁石531と、この永久磁石531の一部分を所定の間隔を隔てて囲む第1のボイスコイル538とを備え、第1の可動部材61と第1の永久磁石531とは、第1の可動部材61から外周側に突出した連結部611で連結されている。ここで、第1の永久磁石531は、周方向に異なる磁極に着磁されている。また、第1のボイスコイル538は、固定体2に固定されている。このため、第1のボイスコイル538に対する通電方向を切り換えることにより、第1の永久磁石511を矢印M21、M22で示す方向に駆動することができ、このような動作に連動して、第1の可動部材61は、図1を参照して説明したように、光軸L周りの時計周りCWと反時計周りCCWに交互に回転する。第2の電磁機構は、図示を省略するが、第1の電磁機構51と同様、環状の第2の永久磁石と、この永久磁石の一部分を所定の間隔を隔てて囲む第2のボイスコイルとを備え、第2の可動部材62と第2の永久磁石とは、第2の可動部材62から外周側に突出した連結部(図示せず)で連結されている。ここで、第2の永久磁石も、周方向に異なる磁極に着磁されている。また、第2のボイスコイルは、固定体2に固定されている。このため、第2のボイスコイルに対する通電方向を切り換えることにより、第2の永久磁石を駆動することができ、このような動作に連動して、第2の可動部材62は、図1を参照して説明したように、光軸L周りの時計周りCWと反時計周りCCWに交互に回転する。
本形態において、クラッチ機構9は、移動レンズ体10のレンズホルダ11の周りに巻回された第1のコイルバネからなる第1のスプリングクラッチ91と、この第1のスプリングクラッチ91と光軸方向でずれた位置で移動レンズ体10のレンズホルダ11の周りに巻回された第2のコイルバネからなる第2のスプリングクラッチ92とから構成されている。ここで、第1のスプリングクラッチ91の一方端側911は第1の可動部材61のスリット612に保持され、他方端側(図示せず)は固定体2に係合されている。また、第2のスプリングクラッチ92の一方端側921は第2の可動部材62のスリット622に保持され、他方端側(図示せず)は固定体2に係合されている。
また、駆動機構5では、レンズホルダ11の端部の外周面に形成された雄ネジ81と、ベース21において光軸L方向に突出してレンズホルダ11を外周側で囲む円筒部25の内周面に形成された雌ネジ82とによってネジ機構からなる回転−直動変換機構8が構成されており、この回転−直動変換機構8は、第1の可動部材61および第2の可動部材62の回転動作を移動レンズ体10が光軸L方向に直線的に移動する動作に変換する。
このように構成したレンズ駆動装置1においても、実施の形態1と同様、第2の電磁機構による第2の可動部材62に対する駆動を停止した状態で、第1の電磁機構51によって第1の可動部材61を時計周りCWに駆動すると、移動レンズ体10のレンズホルダ11の周りで第1のスプリングクラッチ91が巻き締まり、第1の可動部材61から移動レンズ体10に向けて時計周りCWの駆動力が伝達される結果、移動レンズ体10は光軸L方向の一方側に移動する。一方、第1の可動部材61を反時計周りCCWに駆動すると、移動レンズ体10の周りで第1のスプリングクラッチ91が巻き弛むだけであるため、第1の可動部材61から移動レンズ体10への駆動力の伝達が遮断される。従って、第1の電磁機構51のボイスコイル518に交番電流を通電すると、移動レンズ体10を光軸L方向の一方側(矢印Aで示す方向)に小刻みに移動させることができ、フォーカシング動作を行うことができる。同様に、第2の電磁機構のボイスコイルに交番電流を通電すると、移動レンズ体10を光軸L方向の他方側(矢印Bで示す方向)に小刻みに移動させることができる。
[実施の形態3]
図5は、本発明の実施の形態3に係るレンズ駆動装置の要部の断面図である。図5において、本形態のレンズ駆動装置1も、実施の形態1、2と同様、移動レンズ体10を光軸Lに沿って被写体(物体側)に近づくA方向、および被写体とは反対側の撮像素子側(像側)に向かうB方向に往復移動させるためのものであり、移動レンズ体10は、レンズや絞り(図示せず)を略円筒状のレンズホルダ11の内側に保持している。また、レンズ駆動装置1は、移動レンズ体10を光軸Lに沿って移動させる駆動機構5と、駆動機構5および移動レンズ体10が搭載された固定体2とを有している。固定体2は、像側で撮像装置(図示せず)を保持するベース21と、物体側に位置するカバー22とから構成されている。なお、移動レンズ体10は、後述する回転−直動変換機構8のスリーブ4のネジ機構により支持されている。
本形態において、駆動機構5は、移動レンズ体10を駆動するための駆動力を発生させる第1の電磁機構53および第2の電磁機構(図示せず)からなる電磁機構50と、第1の電磁機構53による第1の方向(矢印M11の方向)への駆動力を伝達して移動レンズ体10を光軸L方向の一方側(矢印Aで示す方向)に移動させる円筒状の第1の可動部材61と、第2の電磁機構による第2の方向(矢印M21の方向)への駆動力を伝達して移動レンズ体10を光軸L方向の他方側(矢印Bで示す方向)に移動させる円筒状の第2の可動部材62と、第1の可動部材61および第2の可動部材62から移動レンズ体10への駆動力伝達経路に構成されたクラッチ機構9とを有している。ここで、第1の可動部材61と第2の可動部材62とは、光軸L方向に重ねて配置され、固定体2によって光軸L方向における矢印Aの方向への移動が規制されている。
本形態において、第1の電磁機構53は、実施の形態2と同様、環状の第1の永久磁石531と、この永久磁石531の一部分を所定の間隔を隔てて囲む第1のボイスコイル538とを備え、第1の可動部材61と第1の永久磁石531とは、第1の可動部材61から外周側に突出した連結部611で連結されている。このため、第1の可動部材61と第2の可動部材62とは、光軸L方向における矢印Bの方向への移動が規制されている。
本形態において、駆動機構5の回転−直動変換機構8には、レンズホルダ11と第1の可動部材61および第2の可動部材62との間に円筒状のスリーブ4(回転体)が同軸状に配置されている。このスリーブ4は、固定体2によって光軸L周りに回転可能に支持されているが、光軸L方向への移動は規制されている。また、回転−直動変換機構8では、レンズホルダ11の端部の外周面に形成された雄ネジ81と、スリーブ4の内周面に形成された雌ネジ83とによってネジ機構からなる回転−直動変換機構8が構成されている。さらに、レンズホルダ11に形成された溝111内には、ケース22から軸線方向に延びた突起221が嵌っており、突起221と溝111とによって、移動レンズ体10に対しては、スリーブ4との供回りを阻止する供回り阻止機構40が構成されている。
本形態において、クラッチ機構9は、移動レンズ体10の周りのうち、スリーブ4の周りに巻回された第1のコイルバネからなる第1のスプリングクラッチ91と、この第1のスプリングクラッチ91と光軸方向でずれた位置でスリーブ4の周りに巻回された第2のコイルバネからなる第2のスプリングクラッチ92とから構成されている。ここで、第1のスプリングクラッチ91の一方端側911は第1の可動部材61のスリット612に保持され、他方端側(図示せず)は固定体2に固定されている。また、第2のスプリングクラッチ92の一方端側921は第2の可動部材62のスリット622に保持され、他方端側(図示せず)は固定体2に固定されている。
このように構成したレンズ駆動装置1において、第2の可動部材62を停止させた状態で、第1の可動部材61を時計周りCWに駆動すると、スリーブ4の周りで第1のスプリングクラッチ91が巻き締まり、第1の可動部材61からスリーブ4に回転駆動力が伝達され、この回転駆動力は、移動レンズ体10に対し、回転−直動変換機構8の雄ネジ81および雌ネジ83によって光軸Lに沿った直線的な駆動力として伝達される。その際、移動レンズ体10のスリーブ4との供回りは、突起221と溝111とによって構成された供回り阻止機構40によって阻止される。これに対して、第1の可動部材61を反時計周りCCWに駆動すると、スリーブ4の周りで第1のスプリングクラッチ91が巻き弛むので、第1の可動部材61からスリーブ4への反時計周りCCWの駆動力の伝達は遮断される。従って、第1の電磁機構53のボイスコイル538に交番電流を通電すると、移動レンズ体10を光軸L方向の一方側(矢印Aで示す方向)に小刻みに移動させることができ、フォーカシング動作を行うことができる。
一方、第1の可動部材61を停止させた状態で、第2の可動部材62を反時計周りCCWに駆動すると、スリーブ4の周りで第2のスプリングクラッチ92が巻き締まり、第2の可動部材62からスリーブ4に向けて反時計周りCCWの回転駆動力が伝達される。この回転駆動力は、移動レンズ体10に対し、回転−直動変換機構8の雄ネジ81および雌ネジ83によって光軸Lに沿った直線的な駆動力として伝達される。その際、移動レンズ体10のスリーブ4との供回りは、突起221と溝111とによって構成された供回り阻止機構40によって阻止される。これに対して、第2の可動部材62を時計周りCWに駆動すると、スリーブ4の周りで第2のスプリングクラッチ92が巻き弛むので、第1の可動部材61からスリーブ4への時計周りCWの駆動力の伝達は遮断される。従って、第2の電磁機構のボイスコイルに交番電流を通電すると、移動レンズ体10を光軸L方向の他方側(矢印Bで示す方向)に小刻みに移動させることができ、フォーカシング動作を行うことができる。
また、本形態では、移動レンズ体10は光軸L周りに回転することなく、光軸L方向に駆動され、レンズの光軸L位置がずれないという利点がある。
[実施の形態4]
実施の形態1では電磁石を利用したが、以下に説明するように、ステッピングモータと同様な磁気吸引および磁気的反発力を使用してもよい。
図6は、本発明の実施の形態4に係るレンズ駆動装置の要部の断面図である。図6において、本形態のレンズ駆動装置1も、実施の形態1と同様、移動レンズ体10を光軸Lに沿って被写体(物体側)に近づくA方向、および被写体とは反対側の撮像素子側(像側)に向かうB方向に往復移動させるためのものであり、移動レンズ体10は、レンズや絞り(図示せず)を略円筒状のレンズホルダ11の内側に保持している。また、レンズ駆動装置1は、移動レンズ体10を光軸Lに沿って移動させる駆動機構5と、駆動機構5および移動レンズ体10が搭載された固定体2とを有している。固定体2は、像側で撮像装置(図示せず)を保持するベース21と、物体側に位置するカバー22とから構成されている。なお、移動レンズ体10は、後述する回転−直動変換機構8のネジ機構により、光軸L回りに回転可能、かつ、光軸Lに沿って移動可能に支持されている。
本形態において、駆動機構5は、移動レンズ体10を駆動するための駆動力を発生させる第1の電磁機構56および第2の電磁機構57からなる電磁機構50と、第1の電磁機構56による第1の方向(矢印M11の方向)への駆動力を伝達して移動レンズ体10を光軸L方向の一方側(矢印Aで示す方向)に移動させる円筒状の第1の可動部材66と、第2の電磁機構57による第2の方向(矢印M21の方向)への駆動力を伝達して移動レンズ体10を光軸L方向の他方側(矢印Bで示す方向)に移動させる円筒状の第2の可動部材67と、第1の可動部材66および第2の可動部材67から移動レンズ体10への駆動力伝達経路に構成されたクラッチ機構9とを有している。ここで、第1の可動部材66と第2の可動部材67とは、光軸L方向に重ねて配置され、固定体2によって光軸L方向における移動が規制されている。
本形態において、第1の可動部材66は環状の第1の永久磁石であり、その外周面の所定領域には、周方向においてS極とN極が交互に形成されている。また、第1の電磁機構56は、第1の可動部材66(第1の永久磁石)の外周面の所定位置に1対の突極561が各々、対向する馬蹄形のコア562と、このコア562に巻回された第1のコイル568とを有している。このため、第1のコイル568に対する通電方向を切り換えることにより、第1の可動部材66を光軸L周りの時計周りCWと反時計周りCCWに交互に往復回転させることができる。
また、第2の可動部材67も、第1の可動部材66と同様、環状の第2の永久磁石であり、その外周面の所定領域には、周方向においてS極とN極が交互に形成されている。また、図示を省略するが、第2の電磁機構57も、第1の電磁機構56と同様、第1の可動部材66(第2の永久磁石)の外周面の所定位置に1対の突極が各々、対向する馬蹄形のコアと、このコアに巻回された第2のコイルとを有している。このため、第2のコイルに対する通電方向を切り換えることにより、第2の可動部材67を光軸L周りの反時計周りCCWと時計周りCWに交互に往復回転させることができる。なお、第2の電磁機構は、実施の形態2と同様であるため、説明を省略するが、第1の可動部材66と第2の可動部材67との間で磁気的な相互作用が発生しないように構成されている。
本形態において、クラッチ機構9は、移動レンズ体10のレンズホルダ11の周りに巻回された第1のコイルバネからなる第1のスプリングクラッチ91と、この第1のスプリングクラッチ91と光軸方向でずれた位置で移動レンズ体10のレンズホルダ11の周りに巻回された第2のコイルバネからなる第2のスプリングクラッチ92とから構成されている。ここで、第1のスプリングクラッチ91の一方端側911は第1の可動部材66のスリット662に保持され、他方端側(図示せず)は固定体2に係合されている。また、第2のスプリングクラッチ92の一方端側921は第2の可動部材67のスリット672に保持され、他方端側(図示せず)は固定体2に係合されている。
また、駆動機構5では、レンズホルダ11の端部の外周面に形成された雄ネジ81と、ベース21において光軸L方向に突出してレンズホルダ11を外周側で囲む円筒部25の内周面に形成された雌ネジ82とによってネジ機構からなる回転−直動変換機構8が構成されており、この回転−直動変換機構8は、第1の可動部材66および第2の可動部材67の回転動作を移動レンズ体10が光軸L方向に直線的に移動する動作に変換する。
このように構成したレンズ駆動装置1においても、実施の形態2と同様、第1の電磁機構56の第1のコイル568に交番電流を通電すると、移動レンズ体10を光軸L方向の一方側(矢印Aで示す方向)に小刻みに移動させることができ、フォーカシング動作を行うことができる。また、第2の電磁機構57の第2のコイルに交番電流を通電すると、移動レンズ体10を光軸L方向の他方側(矢印Bで示す方向)に小刻みに移動させることができる。従って、実施の形態2と同様な効果を奏する。
また、本形態において、第1の可動部材66は、第1の電磁機構56の第1の永久磁石であり、第2の可動部材67は、第2の電磁機構57の第2の永久磁石である。このため、部品点数を削減することができ、レンズ駆動装置1の小型化および低コスト化を図ることができる。
[実施の形態5]
実施の形態4では2本のスプリングクラッチを用いたが、以下に説明するように、1本のスプリングクラッチでクラッチ機構を構成してもよい。
図7は、本発明の実施の形態5に係るレンズ駆動装置の要部の断面図である。なお、本形態のレンズ駆動装置は、基本的な構成が実施の形態4と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。図7において、本形態のレンズ駆動装置1も、実施の形態1と同様、移動レンズ体10を光軸Lに沿って被写体(物体側)に近づくA方向、および被写体とは反対側の撮像素子側(像側)に向かうB方向に往復移動させるためのものであり、移動レンズ体10は、レンズや絞り(図示せず)を略円筒状のレンズホルダ11の内側に保持している。また、レンズ駆動装置1は、移動レンズ体10を光軸Lに沿って移動させる駆動機構5と、駆動機構5および移動レンズ体10が搭載された固定体2とを有している。固定体2は、像側で撮像装置(図示せず)を保持するベース21と、物体側に位置するカバー22とから構成されている。
本形態において、駆動機構5では、実施の形態4と同様、第1の可動部材66は環状の第1の永久磁石であり、その外周面の所定領域には、周方向においてS極とN極が交互に形成されている。また、第1の電磁機構56は、第1の可動部材66(第1の永久磁石)の外周面の所定位置に1対の突極561が各々、対向する馬蹄形のコア562と、このコア562に巻回された第1のコイル568とを有している。このため、第1のコイル568に対する通電方向を切り換えることにより、第1の可動部材66を光軸L周りの時計周りCWと反時計周りCCWに交互に往復回転させることができる。また、第2の可動部材67も、第1の可動部材66と同様、環状の第2の永久磁石であり、その外周面の所定領域には、周方向においてS極とN極が交互に形成されている。また、図示を省略するが、第2の電磁機構57も、第1の電磁機構56と同様、第2の可動部材67(第2の永久磁石)の外周面の所定位置に1対の突極が各々、対向する馬蹄形のコアと、このコアに巻回された第2のコイルとを有している。このため、第2のコイルに対する通電方向を切り換えることにより、第2の可動部材67を光軸L周りの反時計周りCCWと時計周りCWに交互に往復回転させることができる。なお、第1の可動部材66と第2の可動部材67との間で磁気的な相互作用が発生しないように構成されている。
本形態において、クラッチ機構9は、移動レンズ体10のレンズホルダ11の周りに形成された溝115の内部に、溝115に沿ってコイルバネからなるスプリングクラッチ94が装着されており、このスプリングクラッチ94は、レンズホルダ11と第1の可動部材66との間、およびレンズホルダ11と第2の可動部材67との間に保持され、光軸L方向への移動が規制されている。ここで、螺旋溝115とスプリングクラッチ94とは、第1の可動部材66および第2の可動部材67の回転動作を移動レンズ体10が光軸方向に直線移動する動作に変換する回転−直動変換機構8を構成している。
このように構成したレンズ駆動装置1において、第2の可動部材67を停止させた状態で、第1の可動部材66を時計周りCWに駆動すると、移動レンズ体10のレンズホルダ11の周りで第1のスプリングクラッチ91が巻き締まり、第1の可動部材66から移動レンズ体10に向けて時計周りCWの駆動力が伝達されるとともに、移動レンズ体10は光軸L方向の一方側に移動する。これに対して、第1の可動部材66を反時計周りCCWに駆動すると、移動レンズ体10の周りで第1のスプリングクラッチ91が巻き弛むので、第1の可動部材66から移動レンズ体10への反時計周りCCWの駆動力の伝達は遮断される。
一方、第1の可動部材66を停止させた状態で、第2の可動部材67を反時計周りCCWに駆動すると、移動レンズ体10の周りでスプリングクラッチ92が巻き締まり、第2の可動部材67から移動レンズ体10に向けて反時計周りCCWの駆動力が伝達されるとともに、移動レンズ体10は光軸L方向の他方側に移動する。これに対して、第2の可動部材67を時計周りCWに駆動すると、移動レンズ体10の周りでスプリングクラッチ92が巻き弛むので、第2の可動部材67から移動レンズ体10への時計周りCWの駆動力の伝達は遮断される。
このように構成したレンズ駆動装置1でも、第1の電磁機構56の第1のコイル568に交番電流を通電すると、移動レンズ体10を光軸L方向の一方側(矢印Aで示す方向)に小刻みに移動させることができ、フォーカシング動作を行うことができる。また、第2の電磁機構57の第2のコイルに交番電流を通電すると、移動レンズ体10を光軸L方向の他方側(矢印Bで示す方向)に小刻みに移動させることができる。
このように、本形態のレンズ駆動装置1でも、実施の形態1と同様、PM型のステッピングモータ構造を採用しなくても、移動レンズ体10を光軸L方向における所定位置に精度よく移動させることができる。また、本形態では、PM型のステッピングモータ構造を利用しなくてもよいので、移動レンズ体10の周りには、第1の可動部材66、第2の可動部材67、クラッチ機構9、および電磁機構5を配置すればよく、かつ、電磁機構5は、第1の可動部材66および第2の可動部材67を所定の角度範囲で往復駆動させればよいので、移動レンズ体10の周りを囲む必要がない。しかも、電磁機構5は、第1の可動部材66および第2の可動部材67を往復回転駆動するだけであるため、電磁機構5を配置するのに必要なスペースが狭い。それ故、本形態によれば、移動レンズ体10の周りに必要なスペースが小さくてよいので、レンズ駆動装置1の外径寸法を小型化できる。
また、クラッチ機構9は、移動レンズ体10の周りに巻回されたスプリングクラッチ94であるため、移動レンズ体10の外周側では、半径方向において極めて狭いスペースにクラッチ機構9を配置できる。それ故、レンズ駆動装置1の外径寸法を小型化できる。しかも、スプリングクラッチ94の巻き締まりと巻き弛みを利用するので、動作音が極めて小さいという利点がある。しかも、移動レンズ体10に形成された螺旋溝115とスプリングクラッチ94とによって回転−直動変換機構8を構成できるので、固定体2に対する雌ネジの形成などを省略することができる。
[その他の実施の形態]
上記実施の形態1〜4では、回転−直動変換機構8として、ネジ機構を採用したが、面カムや溝カムなどのカム機構、あるいはヘリコイド機構を利用してもよい。
また、図8(a)、(b)に示すように、移動レンズ体10においてレンズホルダ11の外周面に形成された螺旋溝118内に、固定体2などに保持された3本の金属ワイヤーなどの線状体89が外接するガイド機構によって回転−直動変換機構8を構成してもよい。このように構成すると、ネジ機構と違って、バックラッシュが発生しないので、移動レンズ体10の光軸L方向における位置精度を高めることができる。
なお、上記形態では、移動レンズ体10に対して直接、スプリングクラッチを配置したが、内輪を配置してもよい。また、移動レンズ体10の制動トルクについては、それ自身に加えてもよいし、移動レンズ体10を支持する部分の摩擦力を利用してもよい。また、ネジ機構に対してバックラッシュ防止用のバネを配置した場合には、そのバネ力を利用して、移動レンズ体10の制動トルクを確保してもよい。さらに、スプリングクラッチについては平面形状が円形のものの他、楕円形、矩形など各種のものを用いてもよい。さらに、電磁機構としては小型モータを用い、その出力をカムやクランクで伝達するように構成してもよい。
本発明の実施の形態1に係るレンズ駆動装置の要部の平面図である。 図1に示すレンズ駆動装置の要部の断面図である。 図1に示すレンズ駆動装置の要部の分解斜視図である。 本発明の実施の形態2に係るレンズ駆動装置の要部の断面図である。 本発明の実施の形態3に係るレンズ駆動装置の要部の断面図である。 本発明の実施の形態4に係るレンズ駆動装置の要部の断面図である。 本発明の実施の形態5に係るレンズ駆動装置の要部の断面図である (a)、(b)はそれぞれ、本発明のその他の実施の形態に係るレンズ駆動装置で採用したガイド機構(回転−直動変換機構)の平面図および側面図である。
符号の説明
1 レンズ駆動装置
2 固定体
4 スリーブ(回転体)
5 駆動機構
8 回転−直動変換機構
9 クラッチ機構
10 移動レンズ体
11 レンズホルダ
40 供回り阻止機構
50 電磁機構
51、53、56 第1の電磁機構
52、57 第2の電磁機構
61、66 第1の可動部材
62、67 第2の可動部材
90 91、92、94 スプリングクラッチ

Claims (9)

  1. レンズを備えた移動レンズ体と、該移動レンズ体を前記レンズの光軸に沿って移動させるための駆動機構と、該駆動機構および前記移動レンズ体が搭載された固定体とを有するレンズ駆動装置において、
    前記駆動機構は、前記移動レンズ体を駆動するための駆動力を発生させる電磁機構と、該電磁機構による双方向の駆動力のうち、一方側の駆動力のみを前記移動レンズ体に伝達するクラッチ機構とを有していることを特徴とするレンズ駆動装置。
  2. 請求項1において、前記駆動機構は、前記電磁機構として第1の電磁機構と第2の電磁機構とを備えるとともに、前記第1の電磁機構による第1の方向への駆動力を伝達して前記移動レンズ体を光軸方向の一方側に移動させるための第1の可動部材と、前記第2の電磁機構による第2の方向への駆動力を伝達して前記移動レンズ体を光軸方向の他方側に移動させるための第2の可動部材とを有し、
    前記クラッチ機構は、前記第1の電磁機構が前記第1の可動部材を第1の方向およびその逆方向に交互に駆動した際、当該第1の方向への駆動力を前記第1の可動部材から前記移動レンズ体に伝達する一方、当該逆方向への駆動力の伝達を遮断し、かつ、前記第2の電磁機構が前記第2の可動部材を第2の方向およびその逆方向に交互に駆動した際、当該第2の方向への駆動力を前記第2の可動部材から前記移動レンズ体に伝達する一方、当該逆方向への駆動力の伝達を遮断することを特徴とするレンズ駆動装置。
  3. 請求項2において、前記第1の電磁機構は、前記第1の可動部材を前記第1の方向として光軸周りの一方側に回転させる一方、前記第2の電磁機構は、前記第2の可動部材を前記第2の方向として光軸周りの他方側に回転させ、
    前記駆動機構は、前記第1の可動部材および前記第2の可動部材の回転動作を前記移動レンズ体が光軸方向に直線移動する動作に変換する回転−直動変換機構を備えていることを特徴とするレンズ駆動装置。
  4. 請求項3において、前記クラッチ機構は、前記移動レンズ体の周りに巻回されたコイルバネからなるスプリングクラッチを備え、
    当該スプリングクラッチの一方端側は前記第1の可動部材に連結され、他方端側は前記第2の可動部材に連結されていることを特徴とするレンズ駆動装置。
  5. 請求項3において、前記クラッチ機構は、前記移動レンズ体の周りに巻回されて一方端側が前記第1の可動部材に連結された第1のコイルバネからなる第1のスプリングクラッチと、前記移動レンズ体の周りに巻回されて一方端側が前記第2の可動部材に連結された第2のコイルバネからなる第2のスプリングクラッチとを備えていることを特徴とするレンズ駆動装置。
  6. 請求項3において、前記クラッチ機構は、前記移動レンズ体の周りに形成された螺旋溝内に装着されたコイルバネからなるスプリングクラッチを備えていることを特徴とするレンズ駆動装置。
  7. 請求項3ないし6のいずれかにおいて、前記駆動機構は、移動レンズ体の外周を囲むように配置されて前記クラッチ機構を介して前記第1の可動部材および前記第2の可動部材の回転動作が伝達される回転体を備え、
    当該回転体と前記移動レンズ体との間には前記回転−直動変換機構が構成され、
    前記移動レンズ体に対しては、前記回転体との供回りを阻止する供回り阻止機構が構成されていることを特徴とするレンズ駆動装置。
  8. 請求項3ないし7のいずれかにおいて、前記回転−直動変換機構は、ネジ機構、カム機構、ヘリコイド機構、および前記移動レンズ体の外周面に形成された螺旋溝内に線状体が外接するガイド機構のうちのいずれかであることを特徴とするレンズ駆動装置。
  9. 請求項2ないし8のいずれかにおいて、前記第1の可動部材は、前記第1の電磁機構の第1のコイルにより駆動される第1の永久磁石であり、前記第2の可動部材は、前記第2の電磁機構の第2のコイルにより駆動される第2の永久磁石であることを特徴とするレンズ駆動装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010125723A1 (ja) * 2009-05-01 2010-11-04 パナソニック株式会社 カメラ装置
JP2011009414A (ja) * 2009-06-25 2011-01-13 Nidec Sankyo Corp 磁石の製造方法およびレンズ駆動装置

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