JP2006195179A - レンズ駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 モータ機構を増やさず、かつ、大型のカム機構を搭載しなくても、焦点調整機能およびズーム機能の双方を搭載可能なレンズ駆動装置1を提供すること。
【解決手段】 レンズ駆動装置1では、駆動機構5によってレンズ保持体10を光軸L方向に移動させ、合焦動作を行う。また、ズーム動作を行う際には、レンズ保持体10を焦点調整範囲を超えて光軸L方向に移動させると、第1のストッパ81あるいは第2のストッパ82で第2のレンズ体12がレンズ保持体10上で移動して、望遠位置あるいは広角位置に移動する。そして、レンズ位置保持用マグネット85と、望遠位置保持用磁性体86あるいは広角位置保持用磁性体87との磁気的吸引力でレンズ位置が保持される。
【選択図】 図2
【解決手段】 レンズ駆動装置1では、駆動機構5によってレンズ保持体10を光軸L方向に移動させ、合焦動作を行う。また、ズーム動作を行う際には、レンズ保持体10を焦点調整範囲を超えて光軸L方向に移動させると、第1のストッパ81あるいは第2のストッパ82で第2のレンズ体12がレンズ保持体10上で移動して、望遠位置あるいは広角位置に移動する。そして、レンズ位置保持用マグネット85と、望遠位置保持用磁性体86あるいは広角位置保持用磁性体87との磁気的吸引力でレンズ位置が保持される。
【選択図】 図2
Description
本発明は、デジタルカメラなどに用いられるレンズ駆動装置に関するものである。
カメラ付き携帯電話機やデジタルカメラなどに搭載される薄型カメラは、撮影時における焦点調整動作を行う際のレンズ移動距離が通常のカメラに比較して短いので、レンズを直接、磁気駆動するレンズ駆動装置が用いられている。
このような磁気駆動タイプのレンズ駆動装置としては、例えば、レンズを保持するレンズホルダと、このレンズホルダの外周に取り付けられたリング状のマグネットと、マグネットに対向する駆動コイルとを有し、駆動コイルへの通電を制御することにより、レンズを光軸方向に直動させるものが案出されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−150759号公報
しかしながら、この種のレンズ駆動装置においては、焦点調整機能に加えて、ズーム機能を有するものが求められているが、ズーム機能を追加するためにモータ機構を追加するとレンズ駆動装置が大型化してしまい、デジルタルカメラ付き携帯電話機やデジタルカメラなどに搭載できなくなってしまうという問題点がある。かといって、共通のモータ機構によって、共通のカム軸を回転させ、その回転を各カム機構を介して伝達してレンズの焦点調整動作およびズーム動作を行うと、モータ機構が1つで済むが、カム機構等が複雑で大型化してしまう。その結果、組立に多大な手間がかかり、かつ、デジルタルカメラ付き携帯電話機やデジタルカメラなどに搭載するにはサイズおよび重量面で好ましくないという問題点がある。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、モータ機構を増やさず、かつ、大型のカム機構等を搭載しなくても、焦点調整機能およびズーム機能の双方を搭載可能なレンズ駆動装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明では、第1のレンズ体および第2のレンズ体を光軸方向に所定の間隔を隔てて保持するレンズ保持体と、該レンズ保持体が光軸方向に沿って移動可能に塔載された固定体と、前記レンズ保持体を光軸方向に沿って直線移動させる駆動手段を備えた焦点位置調整機構とを有するレンズ駆動装置において、前記第2のレンズ体は、前記第1のレンズ体に対して光軸方向に相対移動可能な状態で前記レンズ保持体に保持されているとともに、前記第2のレンズ体に対しては、当該第2のレンズ体を前記第1のレンズ体に対して光軸方向に相対移動させるズーム機構が構成され、当該ズーム機構は、前記駆動手段によって前記レンズ保持体が焦点調整範囲を超えて光軸方向の一方側に直線移動してきたとき、前記第2のレンズ体を前記レンズ保持体上で光軸方向の他方側に移動させて前記第1のレンズ体から離間した望遠位置に移動させる第1の送り機構と、前記駆動手段によって前記レンズ保持体が焦点調整範囲を超えて光軸方向の他方側に直線移動してきたとき、前記第2のレンズ体を前記レンズ保持体上で光軸方向の一方側に移動させて前記第1のレンズ体に近接した広角位置に移動させる第2の送り機構とを備えていることを特徴とする。
本発明では、レンズ保持体が焦点調整範囲を超えて光軸方向の一方側に直線移動してきたとき、第2のレンズ体は、第1の送り機構によってレンズ保持体上で光軸方向の他方側に移動して望遠位置に移動し、レンズ保持体が焦点調整範囲を超えて光軸方向の他方側に直線移動してきたとき、第2のレンズ体は、第2の送り機構によってレンズ保持体上で光軸方向の一方側に移動して広角位置に移動する。従って、焦点調整動作と同様な動作をそのまま利用してズーム動作を行うことができるため、モータ機構を増やさず、かつ、大型のカム機構等を搭載しなくても、焦点調整機能およびズーム機能の双方を行うことができる。それ故、焦点調整機能およびズーム機能を有するレンズ駆動装置の小型化、軽量化、低コスト化、省電力化などを図ることができる。また、焦点調整動作およびズーム動作のいずれを行う際もレンズが回転しないので、画像の揺れや歪みなどが発生しないので、撮像した画像の品質が高い。
本発明において、前記第1の送り機構は、前記駆動手段によって前記レンズ保持体が焦点調整範囲を超えて光軸方向の一方側に直線移動してきたとき、前記第2のレンズ体に当接して当該第2のレンズ体を前記望遠位置に向けて送り出す第1のストッパによって構成し、前記第2の送り機構は、前記駆動手段によって前記レンズ保持体が焦点調整範囲を超えて光軸方向の他方側に直線移動してきたとき、前記第2のレンズ体に当接して当該第2のレンズ体を前記広角位置に向けて送り出す第2のストッパによって構成することが好ましい。このように構成すると、ズーム機構の構成を簡素化できる。
本発明において、光軸方向における他方側で前記第2のレンズ体を前記望遠位置に保持するとともに、光軸方向における一方側で前記第2のレンズ体を前記広角位置に保持するレンズ位置保持機構を備えていることが好ましい。
本発明において、前記レンズ位置保持機構は、前記第2のレンズ体側に保持されたレンズ位置保持用マグネットと、前記レンズ保持体の光軸方向における他方側で前記レンズ位置規定用マグネットとの間で磁気的吸引力を発生させて前記第2のレンズ体を前記望遠位置に保持する望遠位置保持用磁性体と、前記レンズ保持体の光軸方向における一方側で前記レンズ位置固定用マグネットとの間で磁気的吸引力を発生させて前記第2のレンズ体を前記広角位置に保持する広角位置保持用磁性体とを備えていることが好ましい。このような構成によれば、レンズ駆動装置の小型化、軽量化、低コスト化などを妨げることなく、レンズの位置保持を行うことができる。
本発明において、前記駆動手段は、前記レンズ保持体の外周側で回転駆動される回転部材と、該回転部材の外周面に保持されたロータマグネットと、前記固定体側に配置されたステータと、前記回転部材の回転を前記レンズ保持体の光軸方向における直線運動に変換する変換機構とを備えていることが好ましい。
本発明に係るレンズ駆動装置では、レンズ保持体が焦点調整範囲を超えて光軸方向の一方側に直線移動してきたとき、かかる直線移動を利用して第2のレンズ体を望遠位置に移動させ、レンズ保持体が焦点調整範囲を超えて光軸方向の他方側に直線移動してきたとき、かかる直線移動を利用して、第2のレンズ体を広角位置に移動させる。従って、焦点調整動作と同様な動作をそのまま利用してズーム動作を行うことができるため、モータ機構を増やさず、かつ、大型のカム機構を搭載しなくても、焦点調整機能およびズーム機能の双方を行うことができる。それ故、焦点調整機能およびズーム機能を有するレンズ駆動装置の小型化、軽量化、低コスト化、省電力化などを図ることができる。また、焦点調整動作およびズーム動作のいずれを行う際もレンズが回転しないので、画像の揺れや歪みなどが発生しないので、撮像した画像の品質が高い。
以下に、図面を参照して、本発明を適用したレンズ駆動装置を説明する。
(全体構成、および焦点位置調整機構の構成)
図1(a)、(b)はそれぞれ、本発明を適用したレンズ駆動装置において、レンズ保持体上でレンズが広角位置にある状態でレンズ保持体を無限遠位置(被写体側/物体側)に移動させた状態の半断面図、およびレンズ保持体上でレンズが広角位置にある状態でレンズ保持体を至近距離位置(撮像素子側/像側)に移動させた状態の半断面図である。なお、本発明を適用したレンズ駆動装置は、その要部が光軸を中心に左右対称な構造を備えている。
図1(a)、(b)はそれぞれ、本発明を適用したレンズ駆動装置において、レンズ保持体上でレンズが広角位置にある状態でレンズ保持体を無限遠位置(被写体側/物体側)に移動させた状態の半断面図、およびレンズ保持体上でレンズが広角位置にある状態でレンズ保持体を至近距離位置(撮像素子側/像側)に移動させた状態の半断面図である。なお、本発明を適用したレンズ駆動装置は、その要部が光軸を中心に左右対称な構造を備えている。
図1(a)に示す本形態のレンズ駆動装置1は、カメラ付き携帯電話などに搭載されている薄型カメラにおいて、第1のレンズ体11および第2のレンズ体12を光軸Lに沿って被写体(物体側)に近づくA方向、および被写体とは反対側(像側)に近づくB方向の双方向に移動させる焦点位置調整機構6を有しており、概ね、第1のレンズ体11および第2のレンズ体12を保持した円筒状のレンズ保持体10と、このレンズ保持体10を光軸Lに沿って移動させる駆動機構5と、駆動機構5およびレンズ保持体10が搭載された固定体3とを有している。本形態において、固定体3は、像側で撮像素子など(図示せず)を保持するベース31と、物体側に位置するカバー32と、カバー32に装着されるキャップ33とから構成されている。ここで、ベース31とカバー32はネジなどによって固定され、かつ、接着固定されている。
本形態では、詳しくは後述するが、駆動機構5をベース31に搭載した後、レンズ保持体10を塔載する前の状態で被写体側に向けて開口する凹部が形成されるようになっており、駆動機構5をベース31に搭載した後、この凹部にレンズ保持体10を挿入した後、キャップ33を被せてレンズ駆動装置1を組み立てる。
(駆動機構5の構成)
駆動機構5は、円筒状のステータ50と回転体7とを備えたPM型のステッピングモータ構造を備えている。ステータ50は、環状の駆動コイル51を2つ備えており、2つの駆動コイル51は各々、2枚の環状のヨーク52の間に挟まれた状態にある。この状態で、ステータ50の下段側および上段側のいずれにおいても、2枚のヨーク52の極歯が周方向に交互に配置される。
駆動機構5は、円筒状のステータ50と回転体7とを備えたPM型のステッピングモータ構造を備えている。ステータ50は、環状の駆動コイル51を2つ備えており、2つの駆動コイル51は各々、2枚の環状のヨーク52の間に挟まれた状態にある。この状態で、ステータ50の下段側および上段側のいずれにおいても、2枚のヨーク52の極歯が周方向に交互に配置される。
本形態のレンズ駆動装置1の駆動機構5では、円筒状のステータ50の内側には、レンズ保持体10との間に円筒状の回転体7が同軸状に配置され、この回転体7は、円筒状の樹脂製のスリーブ56と、このスリーブ56の外周面に固着された円筒状のロータマグネット55とを有している。ロータマグネット55の外周面には、S極とN極が周方向に交互に配列され、その内周面がスリーブ56に接着固定されている。
スリーブ56は、カバー32とベース31との間に、光軸L方向への移動が阻止された状態で配置されている。また、スリーブ56は、ベース31の内端面(上面)に形成された段部の内側、およびカバー32の段部の内側で軸線周り(光軸L)に回転可能な状態にある。従って、2つの駆動コイル51に給電すると、ロータマグネット55とスリーブ56を備えた回転体7は、光軸L周りに回転することになる。ここで、スリーブ56の内周面には、雌ネジ57が形成されている。なお、スリーブ56は、POM(ポリ オキサイド メチレン)、PC(ポリカーボネイト)、PA(ポリアミド)、AS(アクリルニトリル−スチレン)、ABS(アクリロブタジエンスチロール)、PE(ポリエチレン)などの樹脂で構成されている。
(レンズ保持体10の構成)
本形態のレンズ駆動装置1では、スリーブ56の内側には、第1のレンズ体11、第2のレンズ体12、および絞り13を保持した円筒状のレンズ保持体10が同軸状に配置されている。レンズ保持体10は、POM(ポリ オキサイド メチレン)、PC(ポリカーボネイト)、PA(ポリアミド)、AS(アクリルニトリル−スチレン)、ABS(アクリロブタジエンスチロール)、PE(ポリエチレン)などの樹脂で構成されている。
本形態のレンズ駆動装置1では、スリーブ56の内側には、第1のレンズ体11、第2のレンズ体12、および絞り13を保持した円筒状のレンズ保持体10が同軸状に配置されている。レンズ保持体10は、POM(ポリ オキサイド メチレン)、PC(ポリカーボネイト)、PA(ポリアミド)、AS(アクリルニトリル−スチレン)、ABS(アクリロブタジエンスチロール)、PE(ポリエチレン)などの樹脂で構成されている。
レンズ保持体10の胴部の外周面には雄ネジ17が形成されており、レンズ保持体10は、雄ネジ17がスリーブ56の雌ネジ57に係合することにより、スリーブ56に対して、光軸L周りに回転可能、かつ、光軸Lに沿って移動可能に支持されている。また、スリーブ56の雌ネジ57とレンズ保持体10の雄ネジ17とは、ロータマグネット55の回転によってレンズ保持体10を光軸Lに沿って移動させるための伝達機構を構成している。また、本形態では、レンズ保持体10には外側に向けて突出する複数本の突起(図示せず)を光軸L方向に延びるように構成する一方、固定体3の側、例えば、キャップ33には突起が嵌る凹部を形成しておき、これらの突起および凹部によって、レンズ保持体10に雄ネジ17および雌ネジ57を介してスリーブ56の回転力が伝達されたときにレンズ保持体10の供回りを阻止する供回り阻止機構が構成されている。なお、供回り阻止機構を構成するにあたっては、レンズ保持体10に溝を形成し、固定体3の方に突起を形成してもよい。また、レンズ保持体10とキャップ33との間には、雄ネジ17および雌ネジ57との間のバックラッシュを防止するためのバネ59が配置されている。
このようにして、回転体7の回転をレンズ保持体10に伝達してレンズ保持体10を光軸Lに沿って移動させる変換機構60を備えた焦点位置調整機構6が構成されている。すなわち、図1(a)には、第1のレンズ体11と第2のレンズ体12を保持したレンズ保持体10が像側の無限遠位置にあるが、この状態で駆動コイル51に通電して、回転体7を回転させると、この回転が雌ネジ57および雄ネジ17を介してレンズ保持体10に伝達され、レンズ保持体10は、図1(b)に示すように、被写体側の至近距離位置に移動する。このようにして、レンズ保持体10の光軸L方向の位置を至近距離位置と無限遠位置との間で調整して焦点位置調整が行われる。
なお、回転体7とレンズ保持体10との間での動力の伝達には、雌ネジ57および雄ネジ17に代えて、カム溝と突起などを用いてもよい。
(ズーム機構の構成)
このように構成したレンズ駆動装置1において、第1のレンズ体11は、レンズ保持体10における被写体側に固定されている。これに対して、第2のレンズ体12は、レンズ保持体10上で光軸L方向に相対移動可能な状態にあり、本形態では、かかる第2のレンズ体12をレンズ保持体10上で光軸L方向に相対移動させて、第2のレンズ体12を第1のレンズ体11から離間した望遠位置に移動させるとともに、第2のレンズ体12を第1のレンズ体11に近接させた広角位置に移動させるズーム機構8が構成されている。
このように構成したレンズ駆動装置1において、第1のレンズ体11は、レンズ保持体10における被写体側に固定されている。これに対して、第2のレンズ体12は、レンズ保持体10上で光軸L方向に相対移動可能な状態にあり、本形態では、かかる第2のレンズ体12をレンズ保持体10上で光軸L方向に相対移動させて、第2のレンズ体12を第1のレンズ体11から離間した望遠位置に移動させるとともに、第2のレンズ体12を第1のレンズ体11に近接させた広角位置に移動させるズーム機構8が構成されている。
このようなズーム機構8を構成するにあたって、本形態では、第2のレンズ体12の外周縁には、リング状のレンズ位置保持用マグネット85が固着されており、このレンズ位置保持用マグネット85の外周面は、レンズ保持体10の内周面に摺動可能である。
また、ズーム機構8では、光軸L方向の一方側(被写体側)においてキャップ33には、光軸L方向の他方側(撮像素子側)に向けて延びた突起からなる第1のストッパ81(第1の送り機構)が形成されており、この第1のストッパ81は、レンズ保持体10の溝や孔内に位置し、その下端部はレンズ位置保持用マグネット85の一方側端面と対峙している。また、レンズ保持体10の内周面のうち、光軸L方向における他方側には、リング状の望遠位置保持用磁性体86が固着されている。
これに対して、光軸L方向の他方側(撮像素子側)において、ベース31には、光軸L方向の一方側に向けて延びた突起からなる第2のストッパ82(第1の送り機構)が形成されており、その上端部はレンズ位置保持用マグネット85の他方側端面と対峙している。また、レンズ保持体10の内周面のうち、光軸L方向における一方側には、リング状の広角位置保持用磁性体87が固着されている。
(ズーム動作)
このように構成したズーム機構8の動作を図2(a)、(b)を参照して説明する。図2(a)、(b)はそれぞれ、本発明を適用したレンズ駆動装置1において、至近距離位置(被写体側/物体側)で第2のレンズ体12を広角位置から望遠位置に移動させた直後の様子を示す半断面図、および無限遠位置(撮像素子側/像側)で第2のレンズ体12を望遠位置から広角位置に移動させる直前の様子を示す半断面図である。
このように構成したズーム機構8の動作を図2(a)、(b)を参照して説明する。図2(a)、(b)はそれぞれ、本発明を適用したレンズ駆動装置1において、至近距離位置(被写体側/物体側)で第2のレンズ体12を広角位置から望遠位置に移動させた直後の様子を示す半断面図、および無限遠位置(撮像素子側/像側)で第2のレンズ体12を望遠位置から広角位置に移動させる直前の様子を示す半断面図である。
本形態のレンズ駆動装置1において、ズーム機構8によって、例えば、図1(b)に示すように、レンズが広角位置にある状態(第1のレンズ体11に第2のレンズ体12が近接している状態)から、図2(a)、(b)に示すように、レンズが望遠位置にある状態(第1のレンズ体11から第2のレンズ体12が離間している状態)に移行させるには、駆動コイル51に通電して、図2(a)に示すように、レンズ保持体10を焦点調整範囲を超えて光軸L方向の一方側(至近距離位置/被写体側/物体側)に移動させる。その結果、第1のストッパ81は、第2のレンズ体12側(レンズ位置保持用マグネット85の一方側端面)に当接し、それまでリング状の広角位置保持用磁性体87とレンズ位置保持用マグネット85の磁気的吸引力によって広角位置に保持されていた第2のレンズ体12を第1のストッパ81が第1のレンズ体11から離間する方向に送り出す。その結果、第2のレンズ体12は、リング状の望遠位置保持用磁性体86とレンズ位置保持用マグネット85の磁気的吸引力によって、第1のレンズ体11から離間した望遠位置に保持されることになる。しかる後には、レンズ保持体10上でレンズが望遠位置にある状態でレンズ保持体10を無限遠位置と至近距離位置との間で移動させ、焦点位置調整を行う。
これに対して、ズーム機構8によって、例えば、図2(a)に示すように、レンズが望遠位置にある状態(第1のレンズ体11から第2のレンズ体12が離間している状態)から、図1(a)、(b)に示すように、レンズが広角位置にある状態(第1のレンズ体11に第2のレンズ体12が近接している状態)に移行させるには、図2(b)に示すように、駆動コイル51に通電して、レンズ保持体10を焦点調整範囲を超えて光軸L方向の他方側(無限遠位置/撮像素子側/像側)に移動させる。その結果、第2のストッパ82は、第2のレンズ体12側(レンズ位置保持用マグネット85の他方側端面)に当接し、それまでリング状の望遠位置保持用磁性体86とレンズ位置保持用マグネット85の磁気的吸引力によって望遠位置に保持されていた第2のレンズ体12を第2のストッパ82が第1のレンズ体11に接近する方向に送り出す。その結果、第2のレンズ体12は、リング状の広角位置保持用磁性体87とレンズ位置保持用マグネット85の磁気的吸引力によって、第1のレンズ体11に接近した広角位置に保持されることになる。しかる後には、レンズ保持体10上でレンズが広角位置にある状態でレンズ保持体10を無限遠位置と至近距離位置との間で移動させ、焦点位置調整を行う。
なお、レンズ駆動装置1では、それを搭載したカメラにおいて、ズームの指定を行ったとき、即座にズーム動作を行い、被写体の構図を決めている間に焦点位置調整を行う、そして、撮影開始のシャッタボタンを押したときに焦点位置を決定し、完了後に画像の取り込みを行う。但し、構図を決めているときにズームの切り替えが行われた場合には、ズーム動作の後、焦点位置調整のシーケンスに入る。なお、ズーム動作を行う際は、光学的な切り替えに加えて、電子的な補正を行えば、円滑な動作に見えることになる。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、レンズ保持体10が焦点調整範囲を超えて光軸L方向の一方側に直線移動してきたとき、第2のレンズ体12は、第1のストッパ81によってレンズ保持体10上で光軸L方向の他方側に移動して望遠位置に移動し、レンズ保持体10が焦点調整範囲を超えて光軸L方向の他方側に直線移動してきたとき、第2のレンズ体12は、第2のストッパ82によってレンズ保持体10上で光軸L方向の一方側に移動して広角位置に移動する。すなわち、レンズ保持体10が焦点調整範囲を超えて光軸L方向の一方側に直線移動してきたとき、かかる直線移動を利用して第2のレンズ体12を望遠位置に移動させ、レンズ保持体10が焦点調整範囲を超えて光軸L方向の他方側に直線移動してきたとき、かかる直線移動を利用して、第2のレンズ体12を広角位置に移動させる。従って、焦点調整動作と同様な動作をそのまま利用してズーム動作を行うことができるため、モータ機構を増やさず、かつ、大型のカム機構を搭載しなくても、焦点調整機能およびズーム機能の双方を行うことができる。それ故、焦点調整機能およびズーム機能を有するレンズ駆動装置1の小型化、軽量化、低コスト化、省電力化などを図ることができる。また、焦点調整動作およびズーム動作のいずれを行う際もレンズが回転しないので、画像の揺れや歪みなどが発生しないので、撮像した画像の品質が高い。
以上説明したように、本形態では、レンズ保持体10が焦点調整範囲を超えて光軸L方向の一方側に直線移動してきたとき、第2のレンズ体12は、第1のストッパ81によってレンズ保持体10上で光軸L方向の他方側に移動して望遠位置に移動し、レンズ保持体10が焦点調整範囲を超えて光軸L方向の他方側に直線移動してきたとき、第2のレンズ体12は、第2のストッパ82によってレンズ保持体10上で光軸L方向の一方側に移動して広角位置に移動する。すなわち、レンズ保持体10が焦点調整範囲を超えて光軸L方向の一方側に直線移動してきたとき、かかる直線移動を利用して第2のレンズ体12を望遠位置に移動させ、レンズ保持体10が焦点調整範囲を超えて光軸L方向の他方側に直線移動してきたとき、かかる直線移動を利用して、第2のレンズ体12を広角位置に移動させる。従って、焦点調整動作と同様な動作をそのまま利用してズーム動作を行うことができるため、モータ機構を増やさず、かつ、大型のカム機構を搭載しなくても、焦点調整機能およびズーム機能の双方を行うことができる。それ故、焦点調整機能およびズーム機能を有するレンズ駆動装置1の小型化、軽量化、低コスト化、省電力化などを図ることができる。また、焦点調整動作およびズーム動作のいずれを行う際もレンズが回転しないので、画像の揺れや歪みなどが発生しないので、撮像した画像の品質が高い。
(その他の実施の形態)
上記形態では、供回り阻止機構を構成するにあたって、レンズ保持体10には外側に向けて突出する複数本の突起(図示せず)を光軸L方向に延びるように構成する一方、キャップ33には突起が嵌る凹部を形成したが、供回り阻止機構を構成するにあたっては、レンズ保持体10に溝を形成し、キャップ33の方に突起を形成してもよいので、供回り阻止機構の突起と第1のストッパ81とを兼用してもよい。
上記形態では、供回り阻止機構を構成するにあたって、レンズ保持体10には外側に向けて突出する複数本の突起(図示せず)を光軸L方向に延びるように構成する一方、キャップ33には突起が嵌る凹部を形成したが、供回り阻止機構を構成するにあたっては、レンズ保持体10に溝を形成し、キャップ33の方に突起を形成してもよいので、供回り阻止機構の突起と第1のストッパ81とを兼用してもよい。
上記形態では、レンズ保持体10が焦点調整範囲を超えて光軸L方向に直線移動してきたとき、第2のレンズ体12を光軸L方向に移動させる第1の送り機構と第2の送り機構として第1のストッパ81および第2のストッパ82を用いたが、レンズ保持体10が焦点調整範囲を超えて光軸L方向に直線移動してきたとき、レバー機構を備えた第1の送り機構および第2の送り機構で第2のレンズ体12を光軸L方向に移動させてもよい。このように構成すると、第2のレンズ体12のストロークを任意に設定できるという利点がある。
上記形態では、至近距離位置で広角から望遠に切り替え、無限遠側で望遠から広角に切り替えたが、レンズ位置を変更して、至近距離位置で望遠から広角に切り替え、無限遠側で広角から望遠に切り替えるように構成してもよい。
上記形態では、キャップ33に第1のストッパ81を形成し、ベース31に第2のストッパ82を構成したが、1つの部材に第1のストッパ81および第2のストッパ82の双方を形成してもよい。
上記形態では、レンズ位置の保持にリング状の磁性体を用いたが、その形状についてはリング状に限定されるものではない。また、レンズ位置保持用マグネット85や位置保持用磁性体の位置についても、レンズ保持体10の内側に限らず、外側に配置してもよく、レンズ保持体10自身に埋め込んでもよい。なお、レンズ位置保持には、磁気的吸引力に限らず、磁気的反発力を利用してもよく、この場合、位置保持用磁性体の間に相当する位置にマグネットを配置すればよい。望遠位置保持用磁性体86、広角位置保持用磁性体87は、必ずしもマグネットである必要は磁性材料ならばいずれでも良い。レンズ位置保持用マグネット85をマグネットでない磁性材料とし、望遠位置保持用磁性体86、広角位置保持用磁性体87をマグネットとしても良い。
また、摺動部に対してベアリングボールなどを配置して摺動性を高めてもよい。なお、駆動コイル51は、ボビンに巻回したものを用いることにより、その生産性を高めてもよく、駆動コイル51の数やロータマグネット55の数などについては、その数を増やすことにより、駆動効率を向上させてもよい。
1 レンズ駆動装置
3 固定体
5 駆動機構
6 焦点位置調整機構
7 回転体
8 ズーム機構
10 レンズ保持体
11 第1のレンズ体
12 第2のレンズ体
50 ステータ
51 駆動コイル
56 スリーブ
55 ロータマグネット
60 変換機構
81 第1のストッパ(第1の送り機構)
82 第2の送り機構
85 レンズ位置保持用マグネット
86 望遠位置保持用磁性体
87 広角位置保持用磁性体
3 固定体
5 駆動機構
6 焦点位置調整機構
7 回転体
8 ズーム機構
10 レンズ保持体
11 第1のレンズ体
12 第2のレンズ体
50 ステータ
51 駆動コイル
56 スリーブ
55 ロータマグネット
60 変換機構
81 第1のストッパ(第1の送り機構)
82 第2の送り機構
85 レンズ位置保持用マグネット
86 望遠位置保持用磁性体
87 広角位置保持用磁性体
Claims (5)
- 第1のレンズ体および第2のレンズ体を光軸方向に所定の間隔を隔てて保持するレンズ保持体と、該レンズ保持体が光軸方向に沿って移動可能に塔載された固定体と、前記レンズ保持体を光軸方向に沿って直線移動させる駆動手段を備えた焦点位置調整機構とを有するレンズ駆動装置において、
前記第2のレンズ体は、前記第1のレンズ体に対して光軸方向に相対移動可能な状態で前記レンズ保持体に保持されているとともに、前記第2のレンズ体に対しては、当該第2のレンズ体を前記第1のレンズ体に対して光軸方向に相対移動させるズーム機構が構成され、
当該ズーム機構は、前記駆動手段によって前記レンズ保持体が焦点調整範囲を超えて光軸方向の一方側に直線移動してきたとき、前記第2のレンズ体を前記レンズ保持体上で光軸方向の他方側に移動させて前記第1のレンズ体から離間した望遠位置に移動させる第1の送り機構と、前記駆動手段によって前記レンズ保持体が焦点調整範囲を超えて光軸方向の他方側に直線移動してきたとき、前記第2のレンズ体を前記レンズ保持体上で光軸方向の一方側に移動させて前記第1のレンズ体に近接した広角位置に移動させる第2の送り機構とを備えていることを特徴とするレンズ駆動装置。 - 請求項1において、前記第1の送り機構は、前記駆動手段によって前記レンズ保持体が焦点調整範囲を超えて光軸方向の一方側に直線移動してきたとき、前記第2のレンズ体に当接して当該第2のレンズ体を前記望遠位置に向けて送り出す第1のストッパであり、
前記第2の送り機構は、前記駆動手段によって前記レンズ保持体が焦点調整範囲を超えて光軸方向の他方側に直線移動してきたとき、前記第2のレンズ体に当接して当該第2のレンズ体を前記広角位置に向けて送り出す第2のストッパであることを特徴とするレンズ駆動装置。 - 請求項1または2において、光軸方向における他方側で前記第2のレンズ体を前記望遠位置に保持するとともに、光軸方向における一方側で前記第2のレンズ体を前記広角位置に保持するレンズ位置保持機構を備えていることを特徴とするレンズ駆動装置。
- 請求項3において、前記レンズ位置保持機構は、前記第2のレンズ体側に保持されたレンズ位置保持用マグネットと、前記レンズ保持体の光軸方向における他方側で前記レンズ位置規定用マグネットとの間で磁気的吸引力を発生させて前記第2のレンズ体を前記望遠位置に保持する望遠位置保持用磁性体と、前記レンズ保持体の光軸方向における一方側で前記レンズ位置固定用マグネットとの間で磁気的吸引力を発生させて前記第2のレンズ体を前記広角位置に保持する広角位置保持用磁性体とを備えていることを特徴とするレンズ駆動装置。
- 請求項1ないし4のいずれかにおいて、前記駆動手段は、前記レンズ保持体の外周側で回転駆動される回転部材と、該回転部材の外周面に保持されたロータマグネットと、前記固定体側に配置されたステータと、前記回転部材の回転を前記レンズ保持体の光軸方向における直線運動に変換する変換機構とを備えていることを特徴とするレンズ駆動装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2005006655A JP2006195179A (ja) | 2005-01-13 | 2005-01-13 | レンズ駆動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2005006655A JP2006195179A (ja) | 2005-01-13 | 2005-01-13 | レンズ駆動装置 |
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ID=36801307
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2020110220A (ja) * | 2019-01-08 | 2020-07-27 | セイコーインスツル株式会社 | 送り装置及び携帯型注出装置 |
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2005
- 2005-01-13 JP JP2005006655A patent/JP2006195179A/ja active Pending
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JP7210290B2 (ja) | 2019-01-08 | 2023-01-23 | セイコーインスツル株式会社 | 送り装置及び携帯型注出装置 |
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