JP2006259093A - 光学装置 - Google Patents

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靖 梶原
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Abstract

【課題】 消費電力および製造コストを削減することができ、かつ、直線性および耐久性を向上させることができ、さらに、振動を抑制して光学素子を光軸方向に適切に移動させることができる小型化に適した光学装置を提供すること。
【解決手段】 移動機構が、光軸7を中心とした自転を可能とされた外歯車20と、外歯車20の自転運動を光学素子3、4、5の光軸7方向への移動運動に変換する変換機構21と、πラジアンの位相角度を有した状態で同一方向に公転することにより、外歯車20を自転させる一対の内歯車23、24と、内歯車23、24を公転させる公転機構とを備えたこと。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光学装置に係り、特に、携帯電話等のカメラにおけるオートフォーカス機構等に用いられ、光学素子を光軸方向へ移動させるのに好適な光学装置に関する。
従来から、携帯電話のカメラ等の小型の光学装置においては、光学素子としてのレンズを光軸方向に移動させて焦点を最適な位置に調整するオートフォーカス機構が用いられている。
近年、この種の光学装置は、小型化および低コスト化の要請が高まっており、これにともなって、このような光学装置に用いられるオートフォーカス機構についても、今後、さらに小型でかつ安価に生産することが期待されている。
現状において、光学装置に用いられるオートフォーカス機構としては、ボイスコイルモータ方式や、ステッピングモータ方式あるいはピエゾモータ方式等のオートフォーカス機構が知られている。
また、最近においては、いわゆるワブルモータと称される公転および自転を行うロータを備えたモータによってレンズを光軸方向に駆動する技術が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特開平10−304646号公報 特開2002−333565号公報 特開2002−335664号公報
しかしながら、ボイスコイルモータ方式のオートフォーカス機構は、レンズを所定のフォーカス位置に移動させた後も、フォーカス位置を保持するために電力を供給し続ける必要があり、消費電力が大きうといった問題点を有していた。
また、ボイスコイルモータ方式のオートフォーカス機構は、駆動パルスごとのレンズの移動量が安定せず、直線性にも問題があった。
また、ステッピングモータ方式のオートフォーカス機構は、ステッピングモータおよびこれに係合するウォームギアやギアあるいはカム等を用いてオートフォーカス機構を安価に構成することは可能である。しかし、この場合には、機構部分が大きくなり過ぎるため、従前からの小型化の要請に反する上に、携帯電話等の小型の光学装置内への配置の際における自由度が低下し、デザインを制約する結果となってしまう。
さらに、ピエゾモータは、耐久性に問題があったり、直線性が悪いといった欠点を有している。
さらにまた、特許文献1〜3に示すワブルモータは、ロータの公転および自転の際に生じる振動によって、光学素子を光軸方向に適切に移動させることができない虞があった。
また、ワブルモータ方式のオートフォーカス機構を搭載したカメラを用いて音声付き動画を収録する場合には、ワブルモータの振動にともなって発生した騒音までもが収録されてしまい、高品位な音声付き動画を得ることができない虞があった。
そこで、本発明は、このような点に鑑みなされたものであり、消費電力および製造コストを削減することができ、かつ、直線性および耐久性を向上させることができ、さらに、振動を抑制して光学素子を光軸方向に適切に移動させることができるとともに騒音の発生を防止することができる小型化に適した光学装置を提供することを目的とするものである。
前述した目的を達成するため、本発明の請求項1に係る光学装置の特徴は、光軸方向に移動可能とされた光学素子と、この光学素子を前記光軸方向に移動させるための移動機構とを備えた光学装置において、前記移動機構が、光軸を中心とした自転運動を可能とされた外歯車と、この外歯車の自転運動を前記光学素子の前記光軸方向への移動運動に変換する変換機構と、前記外歯車の外側に、前記光軸方向に所定の間隔を設けて一対配設され、前記外歯車における光軸を挟んで互いに対向する部位に噛合して、πラジアンの位相角度を有しつつ同一方向に公転することによって、前記外歯車を自転させる一対の内歯車と、これら一対の内歯車を公転させる公転機構とを備えた点にある。
そして、この請求項1に係る発明によれば、πラジアンの位相角度を有する一対の内歯車の間に外歯車を挟んだ状態で、両内歯車の公転にともなって外歯車を自転させることができ、この外歯車の自転運動を、変換機構によって光学素子の光軸方向への移動運動に変換することが可能となる。
ここで、請求項1における位相角度(一対の内歯車について適用される位相角度)とは、一対の内歯車のうちの一方の内歯車が、内歯車の公転あるいは外歯車の自転にかかわらず不変とされた光学装置内における特定の基準位置にあると仮定した場合に、他方の内歯車が、当該基準位置まで移動するのに要する公転角度のことをいうものとする。
この位相角度は、換言すれば、図55に示すように、一対の内歯車のうちの一方の内歯車の中心点Oと外歯車の中心点Pとを結ぶ仮想線分Lと、他方の内歯車の中心点Oと外歯車の中心点Pとを結ぶ仮想線分Lとのなす平面上の角度αをいうものとする。
また、請求項2に係る光学装置の特徴は、請求項1において、前記公転機構が、前記一対の内歯車のそれぞれに対して互いに位相がπラジアン異なる状態で接触しつつ互いに同一の回転軸を中心とした回転動作を行うことによって、前記一対の内歯車をそれぞれ公転させる一対の偏心カムと、これら一対の偏心カムを回転させる偏心カム回転機構とを備えた点にある。
そして、この請求項2に係る発明によれば、更に、一対の偏心カムによって、一対の内歯車を簡易かつ適切に公転させることが可能となる。
ここで、請求項2における位相(一対の偏心カムについて適用される位相)とは、図56に示すように、互いに同一の回転軸を中心とした回転動作を行う一対の偏心カムのうちの一方の偏心カムの中心点Oと回転軸上の点Pとを結ぶ仮想線分Lと、他方の偏心カムの中心点Oと回転軸上の点Pとを結ぶ仮想線分Lとのなす平面上の角度βをいうものとする。
さらに、請求項3に係る光学装置の特徴は、請求項2において、前記偏心カム回転機構が、前記一対の偏心カムを同軸上に固定することによって、前記一対の偏心カムを同一の回転軸上に保持する前記光軸方向に長尺なシャフトと、このシャフトを回転駆動する回転駆動機構とを備えた点にある。
そして、この請求項3に係る発明によれば、更に、回転駆動機構によって一対の偏心カムを一体的に同軸回転させることが可能となる。
さらにまた、請求項4に係る光学装置の特徴は、請求項3において、前記回転駆動機構が、前記シャフト上に固設され、前記シャフトの周方向に沿って少なくとも2極着磁された少なくとも1つの磁石と、この磁石に磁気力を作用させることによって、前記磁石に前記シャフトを回転させるための回転力を発生させる磁気力手段とを備えた点にある。
そして、この請求項4に係る発明によれば、更に、一対の偏心カムを、磁石および磁気力手段を備えた簡易な構成によって適切に回転させることが可能となる。
また、請求項5に係る光学装置の特徴は、請求項4において、前記一対の偏心カムと、前記シャフトと、前記磁石との組を複数組備えた点にある。
そして、この請求項5に係る発明によれば、更に、一対の偏心カムの複数の組によって、一対の内歯車をより適切に公転させることが可能となる。
さらに、請求項6に係る光学装置の特徴は、請求項1〜5のいずれか1項において、前記一対の内歯車が間欠部を有する間欠歯車とされ、かつ、前記一対の内歯車の歯が、互いに相手側の内歯車の方向に延出して相手側の内歯車の間欠部に位置する形状に形成されていることによって、前記一対の内歯車が、互いに前記光軸方向における同一の位置において前記外歯車に噛合している点にある。
そして、この請求項6に係る発明によれば、更に、一対の内歯車の間に外歯車を安定的に挟むことができ、外歯車をより効率的に自転させることが可能となる。
さらにまた、請求項7に係る光学装置の特徴は、光軸方向に移動可能とされた光学素子と、この光学素子を前記光軸方向に移動させるための移動機構とを備えた光学装置において、前記移動機構が、光軸を中心とした自転運動を可能とされた外歯車と、この外歯車の自転運動を前記光学素子の前記光軸方向への移動運動に変換する変換機構と、前記外歯車の外側に、前記光軸方向に所定の間隔を設けてn個配設され、前記外歯車に対して互いに周方向に2π/nラジアンずつ間隔を有した状態で噛合して、2π/nラジアンの位相角度を有しつつ同一方向に公転することによって、前記外歯車を自転させるn個の内歯車と、これらn個の内歯車を公転させる公転機構とを備えた点にある。
そして、この請求項7に係る発明によれば、2π/nラジアンの位相角度を有するn個の内歯車の間に外歯車を挟んだ状態で、各内歯車の公転にともなって外歯車を自転させることができ、この外歯車の自転運動を、変換機構によって光学素子の光軸方向への移動運動に変換することが可能となる。
ここで、請求項7における位相角度(n個の内歯車について適用される位相角度)とは、n個の内歯車のうちの任意の1個の内歯車が、内歯車の公転あるいは外歯車の自転にかかわらず不変とされた光学装置におかる特定の基準位置にあると仮定した場合に、この1個の内歯車に対して公転方向の逆方向において最も近くに位置する他の内歯車が、当該基準位置まで移動するのに要する公転角度のことをいい、換言すれば、当該1個の内歯車の中心点と外歯車の中心点とを結ぶ仮想線分と、当該他の内歯車の中心点と外歯車の中心点とを結ぶ仮想線分とのなす平面上の角度(図示せず)をいうものとする。
また、請求項8に係る光学装置の特徴は、請求項7において、前記公転機構が、前記n個の内歯車のそれぞれに対して互いに位相が2π/nラジアン異なる状態で接触し、互いに同一の回転軸を中心とした回転動作を行うことによって、前記n個の内歯車をそれぞれ公転させるn個の偏心カムと、これらn個の偏心カムを回転させる偏心カム回転機構とを備えた点にある。
そして、この請求項8に係る発明によれば、更に、n個の偏心カムによって、n個の内歯車を簡易かつ適切に公転させることが可能となる。
ここで、請求項8における位相(n個の偏心カムについて適用される位相)とは、互いに同一の回転軸を中心とした回転動作を行うn個の偏心カムのうちの任意の1個の偏心カムの中心点と回転軸上の点とを結ぶ仮想線分と、この1個の偏心カムに対して回転方向において最も近くに位置する他の偏心カムの中心点と回転軸上の点とを結ぶ仮想線分とのなす平面上の角度(図示せず)をいうものとする。
さらに、請求項9に係る光学装置の特徴は、請求項8において、前記偏心カム回転機構が、前記n個の偏心カムを同軸上に固定することによって、前記n個の偏心カムを同一の回転軸上に保持する前記光軸方向に長尺なシャフトと、このシャフトを回転駆動する回転駆動機構とを備えた点にある。
そして、この請求項9に係る発明によれば、更に、回転駆動機構によってn個の偏心カムを一体的に同軸回転させることが可能となる。
さらにまた、請求項10に係る光学装置の特徴は、請求項9において、前記回転駆動機構が、前記シャフト上に固設され、前記シャフトの周方向に沿って少なくとも2極着磁された少なくとも1つの磁石と、この磁石に磁気力を作用させることによって、前記磁石に前記シャフトを回転させるための回転力を発生させる磁気力手段とを備えた点にある。
そして、この請求項10に係る発明によれば、更に、n個の偏心カムを、磁石および磁気力手段を備えた簡易な構成によって適切に回転させることが可能となる。
また、請求項11に係る光学装置の特徴は、請求項10において、前記n個の偏心カムと、前記シャフトと、前記磁石との組を複数組備えた点にある。
そして、この請求項11に係る発明によれば、更に、n個の偏心カムの複数の組によって、n個の内歯車をより適切に公転させることが可能となる。
さらに、請求項12に係る光学装置の特徴は、請求項7〜11のいずれか1項において、前記n個の内歯車のうち、光軸方向において互いに隣位する少なくとも一対の内歯車同士が、間欠部を有する間欠歯車とされ、かつ、これらの間欠歯車とされた互いに隣位する内歯車同士の歯が、互いに相手側の内歯車の方向に延出して相手側の内歯車の間欠部に位置する形状に形成されていることによって、前記間欠歯車とされた互いに隣位する内歯車同士が、前記光軸方向における同一の位置において前記外歯車に噛合している点にある。
そして、この請求項12に係る発明によれば、更に、n個の内歯車の間に外歯車を安定的に挟むことができ、外歯車をより効率的に自転させることが可能となる。
さらにまた、請求項13に係る光学装置の特徴は、請求項1〜12のいずれか1項において、前記光学素子がバレル内に保持されるとともに、前記外歯車が、前記バレルの外周面を包囲する形状に形成され、前記変換機構が、前記バレルの外側および前記外歯車の内側に形成されたねじ構造と、前記バレルの回転を防止する回り止め構造とを備えた点にある。
そして、この請求項13に係る発明によれば、ねじ構造および回り止め構造を備えた簡易な構成によって、外歯車の自転運動を光学素子の移動運動に適切に変換することが可能となる。
また、請求項14に係る光学装置の特徴は、光軸方向に移動可能とされた光学素子と、この光学素子を前記光軸方向に移動させるための移動機構とを備えた光学装置において、前記移動機構が、光軸を中心とした自転運動を可能とされた外歯車と、この外歯車の自転運動を前記光学素子の前記光軸方向への移動運動に変換する変換機構と、前記外歯車の半径方向の外側位置に、前記光軸方向に所定の間隔を設けるようにして配設され、前記外歯車における光軸を挟んで互いに対向する部位に噛合して、πラジアンの位相角度を有しつつ同一方向に公転することによって、前記外歯車を自転させることが可能とされた第1内歯車および第2内歯車と、これら両内歯車を公転させる公転機構とを備え、前記公転機構が、前記第1内歯車に配設された第1磁気作用部と、前記第2内歯車に配設された第2磁気作用部と、前記第1磁気作用部および前記第2磁気作用部に磁気力を作用させることによって、前記両内歯車を前記外歯車における前記光軸を挟んで互いに対向する部位に噛合させることが可能とされ、かつ、前記磁気力の少なくとも作用する方向を変化させることによって、前記両内歯車を前記外歯車における前記光軸を挟んで互いに対向する部位に噛合させつつ公転させることが可能とされた磁気力手段とを備えた点にある。
そして、この請求項14に係る発明によれば、πラジアンの位相角度を有する第1内歯車と第2内歯車との間に外歯車を挟んだ状態で、両内歯車を公転させることにともなって外歯車を自転させることができ、この外歯車の自転運動を、変換機構によって光学素子の光軸方向への移動運動に変換することが可能となる。
また、磁気力手段により、第1内歯車の第1磁気作用部と、第2内歯車の第2磁気作用部とに磁気力を作用させるとともに、この磁気力を変化させることによって、第1内歯車と第2内歯車とを、外歯車における光軸を挟んで互いに対向する部位に噛合させつつ公転させることが可能となる。
さらに、請求項15に係る光学装置の特徴は、請求項14において、前記磁気力手段が、前記第1磁気作用部および前記第2磁気作用部に、前記磁気力として、前記外歯車の半径方向の磁気力を作用させて、前記第1内歯車と前記第2内歯車とを前記外歯車の半径方向における互いに逆方向に吸引することによって、両内歯車を前記外歯車における前記光軸を挟んで互いに対向する部位に噛合させることが可能とされ、かつ、前記外歯車の半径方向の磁気力を、前記第1内歯車の吸引方向と、前記第2内歯車の吸引方向とが、前記光軸を中心とした周方向に互いに一体的に回転するように変化させることによって、両内歯車を前記外歯車における前記光軸を挟んで互いに対向する部位に噛合させつつ公転させることが可能とされている点にある。
そして、この請求項15に係る発明によれば、磁気力手段により、第1磁気作用部と第2磁気作用部とに作用する外歯車の半径方向の磁気力を、第1内歯車と第2内歯車との吸引方向が光軸を中心とした周方向に互いに一体的に回転するように変化させることによって、第1内歯車と第2内歯車とを、外歯車における光軸を挟んで互いに対向する部位に噛合させつつ公転させることが可能となる。
さらにまた、請求項16に係る光学装置の特徴は、請求項15において、前記第1内歯車の外周面の少なくとも一部が磁性体によって形成され、この磁性体によって形成された前記第1内歯車の外周面の少なくとも一部が、前記第1磁気作用部とされ、前記第2内歯車の半径方向の外側位置に、前記第1内歯車の外周面よりも前記第1内歯車の半径方向の外側に位置するような環状部が、前記第2内歯車と一体的に配設されるとともに、前記環状部の内周面の少なくとも一部が磁性体によって形成され、この磁性体によって形成された前記環状部の内周面の少なくとも一部が、前記第2磁気作用部とされ、前記磁気力手段が、前記第1磁気作用部に対して前記第1内歯車の半径方向の外側位置であって、前記第2磁気作用部に対して前記第2内歯車の半径方向の内側位置に、周方向に所定の間隔を設けて配設された複数のヨークと、これら複数のヨークを周方向に順次選択的に励磁する励磁手段とを備えた点にある。
そして、この請求項16に係る発明によれば、複数のヨークを、励磁手段によって周方向に順次選択的に励磁させることにより、簡易な構成によって、第1磁気作用部と第2磁気作用部とに作用する外歯車の半径方向の磁気力を、第1内歯車と第2内歯車との吸引方向が光軸を中心とした周方向に互いに一体的に回転するように確実に変化させることが可能となる。
また、請求項17に係る光学装置の特徴は、請求項14〜16のいずれか1項において、前記第1内歯車の自転運動を抑制する第1自転抑制機構と、前記第2内歯車の自転運動を抑制する第2自転抑制機構とを備えた点にある。
そして、この請求項17に係る発明によれば、第1自転抑制機構によって第1内歯車の自転運動を抑制して第1内歯車を適切に公転させることが可能となるとともに、第2自転抑制機構によって第2内歯車の自転運動を抑制して第2内歯車を適切に公転させることが可能となる。
さらに、請求項18に係る光学装置の特徴は、請求項14〜17のいずれか1項において、前記第1内歯車の公転半径を規制する第1公転半径規制機構と、前記第2内歯車の公転半径を規制する第2公転半径規制機構とを備えた点にある。
そして、この請求項18に係る発明によれば、第1内歯車および第2内歯車の公転半径を必要以上に大きくすることがないため、装置のさらなる小型化が可能となり、さらに、第1磁気作用部と磁気力手段との間のギャップおよび第2磁気作用部と磁気力手段との間のギャップを適正に確保しつつ第1内歯車および第2内歯車を公転させることが可能となる。
さらにまた、請求項19に係る光学装置の特徴は、請求項18において、前記第1自転抑制機構と前記第1公転半径規制機構とが、前記第1内歯車の外周縁部から前記第1内歯車の半径方向の外側に突出された突縁部と、この突縁部に穿設された第1貫通孔と、この第1貫通孔に遊挿された状態で装置本体に保持された前記光軸方向に長尺なピンとを備えた1つの構造体によって形成され、前記第2自転抑制機構と前記第2公転半径規制機構とが、前記第2内歯車と前記環状部との間に跨設された跨設部と、この跨設部に穿設された第2貫通孔と、この第2貫通孔に遊挿された状態で装置本体に保持された前記光軸方向に長尺なピンとを備えた1つの構造体によって形成されている点にある。
そして、この請求項19に係る発明によれば、突縁部、第1貫通孔およびピンを備えた1つの構造体によって、第1自転抑制機構と第1公転半径規制機構との双方を形成することが可能となるとともに、跨設部、第2貫通孔およびピンを備えた1つの構造体によって、第2自転抑制機構と第2公転半径規制機構との双方を形成することが可能となる。
また、請求項20に係る光学装置の特徴は、請求項19において、前記第1貫通孔と前記第2貫通孔とが互いに同軸上に配置され、これら第1貫通孔および第2貫通孔に、同一のピンが遊挿されている点にある。
そして、この請求項20に係る発明によれば、第1自転抑制機構、第1公転半径規制機構、第2自転抑制機構および第2公転半径規制機構の間で同一のピンを共有させることが可能となる。
さらに、請求項21に係る光学装置の特徴は、請求項14〜20のいずれか1項において、前記第1内歯車と前記第2内歯車とが、互いに同一の総質量に形成され、前記第1磁気作用部に作用する磁気力と前記第2磁気作用部に作用する磁気力とが、互いに方向が逆方向であって互いに大きさが等しい磁気力とされている点にある。
そして、この請求項21に係る発明によれば、第1内歯車と第2内歯車との総質量を互いに同一にするとともに、第1磁気作用部に作用する磁気力と第2磁気作用部に作用する磁気力とを、互いに方向が逆方向であって互いに大きさが等しい磁気力とすることによって、第1内歯車と第2内歯車とが、外歯車に噛合しつつ公転する際に外歯車から受ける反作用を互いに相殺することが可能となる。
請求項1に係る光学装置によれば、πラジアンの位相角度を有する一対の内歯車の間に外歯車を挟んだ状態で、両内歯車の公転にともなって外歯車を自転させることができ、この外歯車の自転運動を、変換機構によって光学素子の光軸方向への移動運動に変換することができる結果、光学素子を移動後の位置に保持するために電力を供給し続けることを要しないため、消費電力を削減することができる光学装置を実現することができる。
また、内歯車および外歯車を備えた簡易かつ安価な構成によって、製造コストを削減することができるとともに、小型化に適した光学装置を実現することができる。
さらに、内歯車、外歯車および変換機構による機械的な動作によって光学素子を光軸方向に確実に移動させることができるため、直線性を向上させることができる光学装置を実現することができる。
さらにまた、一対の内歯車の間に外歯車を挟むことができるため、振動を抑制して光学素子を光軸方向に適切に移動させることができるとともに、騒音の発生を防止することができる光学装置を実現することができる。
また、ピエゾモータにおけるロータとステータとの間に生じる摩擦に比べれば、内歯車と外歯車との間に生じる転がり摩擦は極めて小さなものになるため、摩擦による摩耗を軽減することができ、また、長期間使用することによって、駆動のために制御装置から出される単位信号あたりの変位量が、ピエゾモータのように変化することもないので、耐久性を向上させることができる光学装置を実現することができる。
また、請求項2に係る光学装置によれば、更に、一対の偏心カムによって、一対の内歯車を簡易かつ適切に公転させることができる結果、請求項1に係る光学装置の効果に加えて、さらに、光学素子の適切な移動を確保しつつ、より小型で安価な光学装置を実現することができる。
さらに、請求項3に係る光学装置によれば、更に、回転駆動機構によって一対の偏心カムを一体的に同軸回転させることができる結果、請求項2に係る光学装置の効果に加えて、さらに、より小型で安価な光学装置を実現することができる。
さらにまた、請求項4に係る光学装置によれば、更に、一対の偏心カムを、磁石および磁気力手段を備えた簡易な構成によって適切に回転させることができる結果、請求項3に係る光学装置の効果に加えて、さらに、光学素子の適切な移動を確保しつつ、より小型で安価な光学装置を実現することができる。
また、請求項5に係る光学装置によれば、更に、一対の偏心カムの複数の組によって、一対の内歯車をより適切に公転させることができる結果、請求項4に係る光学装置の効果に加えて、さらに、光学素子を光軸方向により適切に移動させることができる光学装置を実現することができる。
さらに、請求項6に係る光学装置によれば、更に、一対の内歯車の間に外歯車を安定的に挟むことができ、外歯車をより効率的に自転させることができる結果、請求項1〜5のいずれか1項に係る光学装置の効果に加えて、さらに、光学素子を光軸方向により効率的に移動させることができる光学装置を実現することができる。
さらにまた、請求項7に係る光学装置によれば、互いに2π/nラジアンの位相角度を有するn個の内歯車の間に外歯車を挟んだ状態で、各内歯車の公転にともなって外歯車を自転させることができ、この外歯車の自転運動を、変換機構によって光学素子の光軸方向への移動運動に変換することができる結果、光学素子を移動後の位置に保持するために電力を供給し続けることを要しないため、消費電力を削減することができる光学装置を実現することができる。
また、内歯車および外歯車を備えた簡易かつ安価な構成によって、製造コストを削減することができるとともに、小型化に適した光学装置を実現することができる。
さらに、内歯車、外歯車および変換機構による機械的な動作によって光学素子を確実に移動させることができるため、直線性を向上させることができる光学装置を実現することができる。
さらにまた、n個の内歯車の間に外歯車を挟むことができるため、振動を抑制して光学素子を光軸方向に適切に移動させることができるとともに、騒音の発生を防止することができる光学装置を実現することができる。
また、ピエゾモータにおけるロータとステータとの間に生じる摩擦に比べれば、内歯車と外歯車との間に生じる転がり摩擦は極めて小さなものになるため、摩擦による摩耗を軽減することができ、また、長期間使用することによって、駆動のために制御装置から出される単位信号あたりの変位量が、ピエゾモータのように変化することもないので、耐久性を向上させることができる光学装置を実現することができる。
特に、nを3以上とした場合、外歯車をさらに円滑に自転させることができ、光学素子の移動をさらに高精度に行うことができる。
また、請求項8に係る光学装置によれば、更に、n個の偏心カムによって、n個の内歯車を簡易かつ適切に公転させることができる結果、請求項7に係る光学装置の効果に加えて、さらに、光学素子の適切な移動を確保しつつ、より小型で安価な光学装置を実現することができる。
さらに、請求項9に係る光学装置によれば、更に、回転駆動機構によってn個の偏心カムを一体的に同軸回転させることができる結果、請求項8に係る光学装置の効果に加えて、さらに、より小型で安価な光学装置を実現することができる。
さらにまた、請求項10に係る光学装置によれば、更に、n個の偏心カムを、磁石および磁気力手段を備えた簡易な構成によって適切に回転させることができる結果、請求項9に係る光学装置の効果に加えて、さらに、光学素子の適切な移動を確保しつつ、より小型で安価な光学装置を実現することができる。
また、請求項11に係る光学装置によれば、更に、n個の偏心カムの複数の組によって、n個の内歯車をより適切に公転させることができる結果、請求項10に係る光学装置の効果に加えて、光学素子を光軸方向にさらに適切に移動させることができる光学装置を実現することができる。
さらに、請求項12に係る光学装置によれば、更に、n個の内歯車の間に外歯車を安定的に挟むことができ、外歯車をより効率的に自転させることができる結果、請求項7〜11のいずれか1項に係る光学装置の効果に加えて、さらに、光学素子を光軸方向により効率的に移動させることができる光学装置を実現することができる。
さらにまた、請求項13に係る光学装置によれば、更に、ねじ構造および回り止め構造を備えた簡易な構成によって、外歯車の自転運動を光学素子の移動運動に適切に変換することができる結果、請求項1〜12のいずれか1項に係る光学装置の効果に加えて、さらに、光学素子を光軸方向により適切に移動させることができ、製造コストをさらに削減することができる光学装置を実現することができる。
また、この請求項14に係る発明によれば、πラジアンの位相角度を有する第1内歯車と第2内歯車との間に外歯車を挟んだ状態で、両内歯車を公転させることにともなって外歯車を自転させることができ、この外歯車の自転運動を、変換機構によって光学素子の光軸方向への移動運動に変換することができる結果、光学素子を移動後の位置に保持するために電力を供給し続けることを要しないため、消費電力を削減することができる光学装置を実現することができる。
また、内歯車および外歯車を備えた簡易かつ安価な構成によって、製造コストを削減することができるとともに、小型化に適した光学装置を実現することができる。
さらに、内歯車、外歯車および変換機構による機械的な動作によって光学素子を光軸方向に確実に移動させることができるため、直線性を向上させることができる光学装置を実現することができる。
さらにまた、第1内歯車と第2内歯車との間に外歯車を挟むことができるため、振動を抑制して光学素子を光軸方向に適切に移動させることができるとともに、騒音の発生を防止することができる光学装置を実現することができる。
また、ピエゾモータにおけるロータとステータとの間に生じる摩擦に比べれば、内歯車と外歯車との間に生じる転がり摩擦は極めて小さなものになるため、摩擦による摩耗を軽減することができ、また、長期間使用することによって、駆動のために制御装置から出される単位信号あたりの変位量が、ピエゾモータのように変化することもないので、耐久性を向上させることができる光学装置を実現することができる。
さらに、請求項14に係る発明によれば、磁気力手段により、第1内歯車の第1磁気作用部と、第2内歯車の第2磁気作用部とに磁気力を作用させるとともに、この磁気力を変化させることによって、第1内歯車と第2内歯車とを、外歯車における光軸を挟んで互いに対向する部位に噛合させつつ公転させることができる結果、多極着磁された高価な磁石(永久磁石)を要しないため、製造コストをさらに削減することができる光学装置を実現することができる。
さらにまた、組立工程において、磁石に磁性体の屑(鉄屑等)が付着しないように管理する必要がないため、組立工程の管理に要する労力をさらに削減することができる光学装置を実現することができる。
さらに、請求項15に係る発明によれば、磁気力手段により、第1磁気作用部と第2磁気作用部とに作用する外歯車の半径方向の磁気力を、第1内歯車と第2内歯車との吸引方向が光軸を中心とした周方向に互いに一体的に回転するように変化させることによって、第1内歯車と第2内歯車とを、外歯車における光軸を挟んで互いに対向する部位に噛合させつつ公転させることができる結果、請求項14に係る光学装置の効果に加えて、さらに、第1内歯車と第2内歯車とをより適切かつ効率的に公転させることができ、ひいては、光学素子をより適切かつ効率的に移動させることができる光学装置を実現することができる。
さらにまた、請求項16に係る発明によれば、複数のヨークを、励磁手段によって周方向に順次選択的に励磁させることにより、簡易な構成によって、第1磁気作用部と第2磁気作用部とに作用する外歯車の半径方向の磁気力を、第1内歯車と第2内歯車との吸引方向が光軸を中心とした周方向に互いに一体的に回転するように確実に変化させることができる結果、請求項15に係る光学装置の効果に加えて、さらに、小型化および製造コストの削減により適した光学装置を実現することができる。
また、請求項17に係る発明によれば、第1自転抑制機構によって第1内歯車の自転運動を抑制して第1内歯車を適切に公転させることができるとともに、第2自転抑制機構によって第2内歯車の自転運動を抑制して第2内歯車を適切に公転させることができる結果、請求項14〜16に係る光学装置の効果に加えて、さらに高精度に光学素子を移動させることができる光学装置を実現することができる。
さらに、請求項18に係る発明によれば、第1内歯車および第2内歯車の公転半径を必要以上に大きくすることがないため、装置のさらなる小型化が可能となり、さらに、第1磁気作用部と磁気力手段との間のギャップおよび第2磁気作用部と磁気力手段との間のギャップを適正に確保しつつ第1内歯車および第2内歯車を公転させることができる結果、請求項14〜17のいずれか1項に係る光学装置の効果に加えて、さらに、小型化および騒音の防止により好適な光学装置を実現することができる。
さらにまた、請求項19に係る発明によれば、突縁部、第1貫通孔およびピンを備えた1つの構造体によって、第1自転抑制機構と第1公転半径規制機構との双方を形成することができるとともに、跨設部、第2貫通孔およびピンを備えた1つの構造体によって、第2自転抑制機構と第2公転半径規制機構との双方を形成することができる結果、請求項18に係る光学装置の効果に加えて、さらに、部品点数を削減してより小型で安価な光学装置を実現することができる。
また、請求項20に係る発明によれば、第1自転抑制機構、第1公転半径規制機構、第2自転抑制機構および第2公転半径規制機構の間で、同一のピンを共有させることができる結果、請求項19に係る光学装置の効果に加えて、さらに、部品点数をさらに削減してより小型で安価な光学装置を実現することができる。
さらに、請求項21に係る発明によれば、第1内歯車と第2内歯車との総質量を互いに同一にするとともに、第1磁気作用部に作用する磁気力と第2磁気作用部に作用する磁気力とを、互いに方向が逆方向であって互いに大きさが等しい磁気力とすることによって、第1内歯車と第2内歯車とが、外歯車に噛合しつつ公転する際に外歯車から受ける反作用を互いに相殺することができる結果、請求項14〜20のいずれか1項に係る光学装置の効果に加えて、さらに、内歯車と磁気力手段との衝突に起因する騒音の発生を確実に防止することができ、静音性をさらに向上させることができる光学装置を実現することができる。
以下、本発明に係る光学装置の第1実施形態について、図1乃至図14を参照して説明する。
図1は、本実施形態における光学装置の平面図であり、図2は、図1の2−2断面図である。
図2に示すように、本実施形態における光学装置1は、光学素子として、物体側から固体撮像素子2のセンサ面側(像面側)に向かって順に、第1レンズ3、第2レンズ4および第3レンズ5の3枚のレンズ3、4、5を有しており、各レンズ3、4、5は、光軸7を互いに一致させるようにして筒状のバレル8内に保持されている。
さらに、バレル8は、円筒状の筒状部材6の内側に固定されている。
また、第1レンズ3と第2レンズ4との間には絞り9が、第2レンズ4と第3レンズ5との間にはスペーサ10が、第3レンズ5の像面側にはストッパ11がそれぞれ配設されている。
さらに、バレル8、筒状部材6および固体撮像素子2の外側には、装置本体としての4つの角隅部を有する平面略正方形状のケース12が、バレル8、筒状部材6および固体撮像素子2を包囲するように配設されている。
このケース12は、光学装置の図2における下端部に位置するベース14と、このベース14の上部に配設された図3、図4に示す下カバー15と、この下カバー15の上部に配設された図5乃至図7に示すスペーサ16と、このスペーサ16の上部に配設された図8、図9に示す上カバー17と、この上カバー17の上部に配設された図1に示す板ばね19とによって構成されている。
そして、本実施形態において、ケース12内には、レンズ3、4、5をバレル8および筒状部材6とともに光軸7方向に移動させてフォーカシングを行うための移動機構が配設されている。
すなわち、図2に示すように、ケース12内における筒状部材6の外周面に臨む位置には、移動機構の一部を構成する円環状の外歯車20が、筒状部材6の外周面を包囲するように配設されており、この外歯車20は、レンズ3、4、5の光軸7を自転軸とした自転運動を可能とされている。
この外歯車20と、筒状部材6との間には、外歯車20の自転運動をレンズ3、4、5の光軸7方向への直進運動に変換するための変換機構が配設されている。
本実施形態において、変換機構は、外歯車20の内周面と筒状部材6の外周面とに形成された互いに螺合するねじ構造21を有している。
さらに、変換機構は、バレル8の光軸7方向への移動を許容しつつ、バレル8の回転方向への回転を係止する回り止め構造を有している。
回り止め構造は、バレル8が固定されている筒状部材6の図2における上端面6aが、この上端面6aに臨む板ばね19の下面に接着等の方法で固定されていることによって構成されている。
そして、このようなねじ構造21および回り止め構造を有する変換機構により、外歯車20の自転運動にともなって、筒状部材6と、バレル8と、レンズ3、4、5とを、光軸7方向へ一体的に直進移動させることが可能となる。
なお、変換機構は、外歯車20の自転をレンズ3、4、5の光軸7方向への移動に変換することができるものであれば、上記の構成以外の構成であってもよい。
例えば、外歯車20の図2における下端部に、カム面が光軸7方向に沿って螺旋状に形成された螺旋状カムを、そのカム面が筒状部材6の下端部を下方から保持するように形成し、ケース12の上端部に、バレル8の上端部を下方に付勢する板ばね等の付勢手段を配設することによって変換機構を構成してもよい。
この場合には、外歯車20の自転にともなって外歯車20に形成された螺旋状カムに筒状部材6の下端部を摺接させることによって、筒状部材6を、バレル8およびレンズ3、4、5とともに付勢手段の付勢力に抗して光軸7方向における上方に移動させることができる。
図2、図10に示すように、外歯車20の半径方向の外側位置には、移動機構の一部を構成する円環状の第1内歯車23が、外歯車20を包囲するように配設されている。
また、外歯車20の半径方向の外側位置であって、第1内歯車23に対して光軸7方向における固体撮像素子2側の位置(図2における下方の位置)には、移動機構の一部を構成する円環状の第2内歯車24が、第1内歯車23に対して光軸7方向に所定の間隔を有した状態で、外歯車20を包囲するように配設されている。
第1内歯車23と第2内歯車24とは、同一の外径寸法に形成されているとともに、外歯車20における光軸7を挟んで互いに対向する部位にそれぞれ噛合して、πラジアンの位相角度を有している。
なお、ここでいう位相角度とは、前述した一対の内歯車について適用される位相角度のことをいう。
そして、第1内歯車23および第2内歯車24は、πラジアンの位相角度を有しつつ互いに同一方向に公転することによって、両内歯車23、24に噛合された外歯車20を自転させるようになっている。
したがって、第1内歯車23と第2内歯車24との間に外歯車20を挟んだ状態で、両内歯車23、24の公転にともなって外歯車20を自転させることができるようになっている。
さらに、本実施形態において、移動機構は、第1内歯車23と第2内歯車24とを公転させるための公転機構を備えている。
すなわち、図10に示すように、第1内歯車23の外周面における外径方向において互いに対向する2箇所の位置には、光軸7側に向かう円弧状の2つの第1カム接触面25が形成されており、これら第1カム接触面25は、公転機構の一部を構成している。
第1カム接触面25の図10における左右の両端部には、この第1カム接触面25に接触する後述する第1偏心カム30を保持するための突起状の一対の保持部25aが、第1内歯車23の外径方向における外側に向かって突出形成されている。
第2内歯車24の外周面における外径方向において互いに対向する2箇所の位置にも、第1内歯車23と同様に、公転機構の一部を構成する円弧状の2つの第2カム接触面27が形成されている。
第2カム接触面27の図10における左右の両端部には、この第2カム接触面27に接触する後述する第2偏心カム32を保持するための突起状の一対の保持部27aが、第2内歯車24の外径方向における外側に向かって突出形成されている。
本実施形態において、第1カム接触面25と、第2カム接触面27とは、光軸7方向において互いに対峙する位置関係にある。
さらに、図2、図11に示すように、第1内歯車23および第2内歯車24の外径方向における外側位置であって、互いに対峙する一方の第1カム接触面25および一方の第2カム接触面27に対応する位置と、互いに対峙する他方の第1カム接触面25および他方の第2カム接触面27に対応する位置には、公転機構の一部を構成する2つの偏心カムユニット28がそれぞれ配設されている。
各偏心カムユニット28には、貫通孔28aを通して光軸7方向に長尺なシャフト29がそれぞれ貫通しており、これらのシャフト29上に各偏心カムユニット28がそれぞれ固定されている。
そして、各偏心カムユニット28は、各シャフト29を回転軸としてシャフト29と一体的に回転可能とされている。
各偏心カムユニット28における第1カム接触面25に対応する位置には、第1カム接触面25に接触する第1偏心カム30がそれぞれ形成されている。
第1偏心カム30は、外周が円形状に形成されているとともに、円の中心が、回転軸すなわちシャフト29から半径方向に偏心されている。
一方、各偏心カムユニット28における第2カム接触面27に対応する位置には、第2カム接触面27に接触する第2偏心カム32がそれぞれ形成されている。
第2偏心カム32も、第1偏心カム30と同様に外周が円形状に形成されているとともに、円の中心が、回転軸すなわちシャフト29から半径方向に偏心されている。
さらに、同一の偏心カムユニット28に形成された第1偏心カム30と第2偏心カム32とは、互いに位相がπラジアン異なるような互いに同一の外径寸法に形成されており、それぞれ、第1内歯車23の第1カム接触面25および第2内歯車24の第2カム接触面27に、互いに位相がπラジアン異なる状態で接触している。
なお、ここでいう位相とは、前述した一対の偏心カムについて適用される位相のことをいう。
したがって、偏心カムユニット28の回転にともなって、この偏心カムユニット28に形成された第1偏心カム30と第2偏心カム32とが、それぞれ第1カム接触面25、第2カム接触面27に対して互いに位相がπラジアン異なる状態で接触しつつ、シャフト29を回転軸として互いに一体的に同軸回転することができる。
また、第1偏心カム30が、回転軸であるシャフト29に対して偏心された形状に形成されていることによって、第1偏心カム30の回転にともなって第1内歯車23を公転させることができる。
さらに、第2偏心カム32が、回転軸であるシャフト29に対して偏心された形状に形成され、かつ、第1偏心カム30と同一の外径寸法であって位相がπラジアン異なるような形状に形成されていることにより、第2偏心カム32の回転にともなって、第1内歯車23と同一の外径寸法の第2内歯車24を、第1内歯車23との間にπラジアンの位相角度を維持させつつ公転させることができる。
本実施形態において、公転機構は、2つの偏心カムユニット28をそれぞれ回転させるための2組の偏心カム回転機構を有している。
各偏心カム回転機構は、第1偏心カム30と第2偏心カム32とを同軸上に固定することによって、第1偏心カム30と第2偏心カム32とを同一の回転軸上に保持する前述したシャフト29と、このシャフト29を回転駆動する回転駆動機構とによって簡易に構成されている。
なお、本実施形態において、第1偏心カム30と第2偏心カム32とは、ともに、シャフト29に固定された偏心カムユニット28に一体的に形成されていることによって、互いに同軸上に固定された状態になっているが、第1偏心カムと第2偏心カムとは、同軸上に固定されているものであれば別体のものであってもよい。
図2に示すように、シャフト29の図2における上端部は、上カバー17に形成された貫通孔17aに挿入されて回転自在に保持され、シャフト29の図2における下端部は、下カバー15に形成された貫通孔15aに挿入されて回転自在に保持されている。
図11乃至図13に示すように、各偏心カム回転機構の回転駆動機構は、円形の第1磁石35と第2磁石36とを有しており、これら第1磁石35および第2磁石36の中央には、シャフト29を貫通させる貫通孔34が形成されている。
そして、第1磁石35と第2磁石36とは、貫通孔34にシャフト29を貫通させることによって、互いに光軸7方向に所定の間隔を有した状態でシャフト29上に固設されている。
さらに、図12、図13に示すように、本実施形態において、同一のシャフト29上に固設された第1磁石35と第2磁石36とは、シャフト29の周方向に沿って2極着磁されている。
なお、図12に示す第1磁石35における網掛けが施された半円状の部位35aと、この部位35aにシャフト29を挟んで対向する網掛けが施されていない半円状の部位35bとが、互いに異なる極性を有する2つの磁極35a、35bとなっている。
また、図13に示す第2磁石36における網掛けが施された半円状の部位36aと、この部位36aにシャフト29を挟んで対向する網掛けが施されていない半円状の部位36bとが、互いに異なる極性を有する2つの磁極36a、36bとなっている。
図12、図13に示すように、第1磁石35と第2磁石36とは、第1磁石35における2つの磁極35a、35bの境界線L35と、第2磁石36における2つの磁極36a、36bの境界線L36とが互いに直交するような位置関係にある。
さらに、回転駆動機構は、第1磁石35に磁気力を作用させる第1磁気力手段と、第2磁石36に磁気力を作用させる第2磁気力手段とを有している。
図12に示すように、第1磁気力手段は、2つの第1磁石35と光軸7方向において同一の位置であって、光軸7を挟んで互いに対向する2箇所の位置に、巻線方向が光軸7に直交する方向(図12における左右方向)とされ、かつ、それぞれ互いに異なる第1磁石35の方向を向くように配置された2つの第1コイル39を有している。
各第1コイル39は、図示しない外部電源から通電が行われることによって、コイル39を貫く磁界を発生させるようになっている。
さらに、図12に示すように、第1磁気力手段は、2つの第1コイル35のそれぞれを貫通し、かつ、光軸7を挟んで互いに対向するように配置されたL字状の2つの第1ヨーク40を有している。
各第1ヨーク40は、その両端部のうちの一方の端部が一方の第1磁石35の近傍位置まで延出され、他方の端部が、他方の第1磁石35の近傍位置まで延出されている。
これによって、第1磁石35の外周面におけるシャフト29を挟んで互いに対向する2箇所の部位には、各第1ヨーク40の一端部が臨んだ状態になっている。
したがって、第1コイル39への通電によって第1コイル39に磁界が発生すると、第1コイル39を貫通する第1ヨーク40の両端部が電磁石の互いに異なる極性の磁極として作用することによって、2つの第1磁石35に磁気力を作用させることになる。
このように、第1ヨーク40を通じて第1磁石35に磁気力を作用させると、この磁気力によって、第1磁石35にシャフト29を回転させるための回転力(トルク)が発生する。
このようにして第1磁石35に発生した回転力により、第1磁石35とともに、第1磁石35が固設されたシャフト29と、シャフト29に固設された第2磁石36と、シャフト29に固定された偏心カムユニット28とが、シャフト29を中心として一体的に同軸回転を行うことができるようになっている。
一方、図13に示すように、第2磁気力手段は、2つの第2磁石36と光軸7方向において同一の位置であって、光軸7を挟んで互いに対向する2箇所の位置に、巻線方向が光軸7に直交する方向(図13における上下方向)とされ、かつ、それぞれ互いに異なる第2磁石36の方向を向くように配置された2つの第2コイル41を有している。
各第2コイル41は、図示しない外部電源から通電が行われることによって、コイル41を貫く磁界を発生させるようになっている。
さらに、図13に示すように、第2磁気力手段は、2つの第2コイル41のそれぞれを貫通し、かつ、光軸7を挟んで互いに対向するように配置されたL字状の2つの第2ヨーク42を有している。
各第2ヨーク42は、その両端部のうちの一方の端部が一方の第2磁石36の近傍位置まで延出され、他方の端部が、他方の第2磁石36の近傍位置まで延出されている。
これによって、第2磁石36の外周面におけるシャフト29を挟んで互いに対向する2箇所の部位には、各第2ヨーク42の一端部が臨んだ状態になっている。
したがって、第2コイル41への通電によって第2コイル41に磁界が発生すると、第2コイル41を貫通する第2ヨーク42の両端部が電磁石の互いに異なる極性の磁極として作用することによって、2つの第2磁石36に磁気力を作用させることになる。
このように、第2ヨーク42を通じて第2磁石36に磁気力を作用させると、この磁気力によって、第2磁石36に、シャフト29を回転させるための回転力(トルク)が発生する。
このようにして第2磁石36に発生した回転力により、第2磁石36とともに、第2磁石36が固設されたシャフト29と、シャフトに固設された第1磁石35と、シャフト29に固定された偏心カムユニット28とが、シャフト29を中心として一体的に同軸回転を行うことができるようになっている。
なお、第1磁石35に発生する回転力の方向と、第2磁石36に発生する回転力の方向とは、互いに同一の方向とされている。
ここで、図12に示す状態において、第1磁石35は、2つの磁極35a、35bの境界部の位置が、2つの第1ヨーク40に最も近接した位置となっており、この位置において、第1磁石35に作用する磁気力は最大となり、第1磁石35がシャフト29を回転させるための回転力も最大となる。
一方、図12の状態のときに、第2磁石36は、図13に示すように、2つの磁極36a、36bの境界部の位置が、2つの第2ヨーク42から最も離れた位置となっており、この位置において、第2磁石36に作用する磁気力は最小となり、第2磁石36がシャフト29を回転させるための回転力も最小となる。
次に、図12、図13の状態から第1磁石35および第2磁石36が回転力によってπ/2ラジアン回転すると、今度は、第2磁石36が、図12と同様の状態となって作用する磁気力および磁気力によって発生する回転力が最大となり、また、第1磁石35が、図13と同様の状態となって作用する磁気力および磁気力によって発生する回転力が最小となる。
つまり、π/2ラジアンの回転ごとに、第1磁石35または第2磁石36のいずれか一方に作用する磁気力および磁気力によって発生する回転力が最大となる。
このように、作用する磁気力および磁気力によって発生する回転力が交互に最大となることにより、シャフト29を簡易な構成によって適切に回転させ続けることができるようになっている。
さらに、本実施形態においては、このようなシャフト29の回転をさらに簡便かつ適切に行うために、第1コイル39および第2コイル41に対して、図14に示すような互いに異なるタイミングの通電すなわち電圧の印加を行うようになっている。
具体的には、各コイル39、41には、プラス側およびマイナス側の電圧値を交互にとる交流電圧が印加されるようになっている。
印加される電圧の波形は方形波であるが、プラス側およびマイナス側の双方において、それぞれ2段階の電圧値(例えば、図14における(a)と(b)との2段階)をとることによって、正弦波に近づいた波形となっている。
そして、図14に示すように、第1コイル39に印加される電圧と、第2コイル41に印加される電圧とは、タイミングが異なる同一波形の電圧となっている。
さらに、第1コイル39に印加される電圧の波形と、第2コイル41に印加される電圧の波形とは、プラス側とマイナス側とが完全に逆転しているもの(1/2周期ずれているもの)ではなく、プラス側での重なり部分(図14における(e))と、マイナス側での重なり部分(図14における(a))とを有している。
このような互いにタイミングが異なる電圧を第1コイル39および第2コイル41にそれぞれ印加することにより、第1コイル39および第2コイル41には、印加電圧に応じて互いに異なるタイミングで磁界が発生する。
これにより、第1磁石35および第2磁石36には、第1コイル39および第2コイル41に発生する磁界に応じて互いに異なるタイミングで磁気力が作用する。
このようにして、第1コイル39への通電によって第1磁石35に磁気力を作用させて回転力を発生させ、第2コイル41への通電によって第2磁石36に磁気力を作用させて回転力を発生させることによって、図14の中段に示すように、第1磁石35に発生する回転力と、第2磁石36に発生する回転力との合力を常に均一にすることができる。
したがって、簡便な通電制御によってシャフト29をさらに適切に回転させることができ、フォーカシングを高精度に行うことができる。
なお、第1コイル39、第2コイル41への無通電状態においては、第1磁石35および第2磁石36は、それぞれ、第1ヨーク40または第2ヨーク42との間に作用する吸引力によって静止状態に保持されるため、レンズ3、4、5をフォーカシング後の位置に確実に保持することができる。
また、本実施形態においては、偏心カムユニット28、シャフト29、第1磁石35および第2磁石36が、ケース12の角隅部(図1参照)に配設されていることによって、小型化に適した部品配置が可能となっている。
さらに、このような偏心カムユニット28、シャフト29、第1磁石35および第2磁石36の組が、前述のように2組配設されていることによって、第1内歯車23と第2内歯車24とを適切に公転させることができ、フォーカシングをさらに高精度に行うことができるようになっている。
しかし、このような構成に限る必要はなく、偏心カムユニット28、シャフト29、第1磁石35および第2磁石36の組を、3組以上配設し、磁気力手段についても、3組以上の第1磁石35および第2磁石36に磁界を適宜作用させ得る構成にしてもよい。
この場合であっても、各構成部28、29、35、36の組をケース12の角隅部に配設すれば、小型化に適した部品配置を確保することができる上に、第1内歯車23と第2内歯車24とをさらに適切に公転させることができ、フォーカシングをより高精度に行うことができる。
逆に、偏心カムユニット28、シャフト29、第1磁石35および第2磁石36の組を、1組だけ配設して、さらに小型化に適した構成にしてもよい。
上記構成の他にも、図8、図9に示すように、上カバー17の図9における下面には、第1磁気力手段の2つの第1ヨーク40に沿う形状を有する第1溝部43が形成されている。
2つの第1ヨーク40は、この第1溝部43に嵌合されることによって上カバー17に保持されるようになっている。
また、上カバー17には、第1溝部43を遮断するように2つの第1切り欠き部45が形成されており、これらの第1切り欠き部45には、第1磁気力手段の2つの第1コイル39がそれぞれ位置されるようになっている。
一方、図3、図4に示すように、下カバー15の図4における上面には、第2磁気力手段の2つの第2ヨーク42に沿う形状を有する第2溝部46が形成されている。
2つの第2ヨーク42は、この第2溝部46に嵌合されることによって下カバー15に保持されるようになっている。
また、下カバー15には、第2溝部46を遮断するように2つの切り欠き部47が形成されており、これらの第2切り欠き部47には、第2磁気力手段の2つの第2コイル41がそれぞれ位置されるようになっている。
さらに、図5乃至図7に示すように、スペーサ10の図6における上面であって、上カバー17の第1切り欠き部45に対向する2箇所の位置には、2つの第1凹部48が形成されており、これらの第1凹部48には、2つの第1コイル39が、それぞれ一部を挿入されて保持されるようになっている。
一方、スペーサ10の図6における下面であって、下カバー15の第2切り欠き部47に対向する2箇所の位置には、2つの第2凹部49が形成されており、これらの第2凹部49には、2つの第2コイル41が、それぞれ一部を挿入されて保持されるようになっている。
次に、第1実施形態の作用について説明する。
本実施形態において、フォーカシングを行うには、まず、図示しない外部電源によって、第1コイル39および第2コイル41に対して図14に示したような通電タイミングで電圧を印加する。
この電圧の印加によって、第1コイル39および第2コイル41には、それぞれ異なるタイミングで磁界が発生する。
第1コイル39に磁界が発生すると、第1ヨーク40を通じて第1磁石35に磁気力が作用し、この磁気力によって、第1磁石35にシャフト29を回転させる回転力が発生する。
また、第2コイル41に磁界が発生すると、第2ヨーク42を通じて第2磁石36に磁気力が作用し、この磁気力によって、第2磁石36にシャフト29を回転させる回転力が発生する。
このようにして第1磁石35、第2磁石36に発生した回転力によって、第1磁石35および第2磁石36が、シャフト29およびシャフト29に固定された偏心カムユニット28とともに一体的に同軸回転する。
このとき、第1磁石35に発生する回転力と、第2磁石36に発生する回転力とがπ/2ラジアンの回転ごとに交互に最大となり、両磁石35、36の回転力の合力を常に均一にしながらシャフト29を適切に回転させることができる。
次いで、シャフト29の回転にともなって、偏心カムユニット28がシャフト29と一体的に同軸回転すると、偏心カムユニット28に一体的に形成されている第1偏心カム30および第2偏心カム32も、シャフト29と一体的に同軸回転する。
そして、第1偏心カム30の回転にともなって、第1偏心カム30に第1カム接触面25を介して接触している第1内歯車23は、外歯車20に噛合しながら公転する。
また、第2偏心カム32の回転にともなって、第2偏心カム32に第2カム接触面27を介して接触している第2内歯車24は、外歯車20に噛合しながら第1内歯車23と同一の方向に公転する。
このとき、第1内歯車23と、第2内歯車24とは、第1偏心カム30と第2偏心カム32との位相が互いにπラジアン異なることにより、外歯車20における光軸7を挟んで互いに対向する部位にそれぞれ噛合して、πラジアンの位相角度を有しつつ公転する。
そして、第1内歯車23および第2内歯車24の公転にともなって、両内歯車23、24に噛合されている外歯車20は、光軸7を自転軸として自転する。
このとき、外歯車20は、第1内歯車23と第2内歯車24とがπラジアンの位相角度を有していることによって、第1内歯車23と第2内歯車24との間に挟まれた状態を維持しながら自転する。
これにより、外歯車20は、従来のように振動をともなう虞はなく、安定的に自転することができる。
また、自転の抵抗となるラジアル方向の応力を低減することができ、外歯車20が円滑に自転することができる。
次いで、外歯車20の自転は、ねじ構造21および回り止め構造によって、筒状部材6の光軸7方向への直進運動に変換される。
これによって、筒状部材6に固定されたバレル8およびこのバレル8に保持されたレンズ3、4、5が、光軸7方向に移動することができ、レンズ3、4、5のフォーカシングを安定的かつ高精度に行うことができる。
次に、本発明に係る光学装置の第2実施形態について、図15乃至図19を参照して説明する。
なお、第1実施形態と基本的構成が同一もしくはこれに類する箇所については、同一の符号を用いて説明する。
第2実施形態における光学装置は、第1内歯車と第2内歯車との構成のみが第1実施形態と異なり、他の構成は、第1実施形態と同一の構成となっている。
図15、図16に示すように、第2実施形態において、第1内歯車51は、周方向において互いに隣位する歯51aと歯51aの間に間欠部51bが形成された間欠歯車とされている。
また、図15、図18に示すように、第2内歯車52も、第1内歯車51と同様に、周方向において互いに隣位する歯52aと歯52aの間に間欠部52bが形成された間欠歯車とされている。
ただし、図16、図18に示すように、第1内歯車51と第2内歯車52では、歯51a、52aの形成位置、換言すれば、間欠部51b、52bの形成位置が周方向に若干ずれている。
すなわち、第1内歯車51の歯51aは、平面上において第2内歯車52の間欠部52bに重なり、第2内歯車52の歯52aは、平面上において第1内歯車51の間欠部51bに重なっている。
さらに、図15、図17に示すように、第1内歯車51の歯51aは、光軸7方向における第2内歯車52の方向(図17における下方向)に延出して、第2内歯車52の間欠部52bに位置する形状に形成されている。
また、図15、図19に示すように、第2内歯車52の歯52aは、光軸7方向における第1内歯車51の方向(図19における上方向)に延出して、第1内歯車51の間欠部51bに位置する形状に形成されている。
そして、このような形状に形成された第1内歯車51の歯51aと第2内歯車52の歯52aとは、光軸7方向における同一の位置において外歯車20に噛合している。
したがって、第2実施形態によれば、第1実施形態に比べて第1内歯車51と第2内歯車52との間に外歯車20をさらに安定的に挟むことができる。
この結果、第1磁石35および第2磁石36の回転を外歯車20にさらに効率的に伝達させることができ、フォーカシングをさらに効率的に行うことができる。
次に、本発明に係る光学装置の第3実施形態について、図20乃至図32を参照して説明する。
なお、第1実施形態と基本的構成が同一もしくはこれに類する箇所については、同一の符号を用いて説明する。
図20乃至図23に示すように、第3実施形態の光学装置54においては、第1実施形態とは異なり、ケース55の4つの角隅部に対応する位置に、偏心カムユニット28、シャフト29、第1磁石35および第2磁石36の組が4組配設されている。なお、図22、図23において、図示はしないが、4組の偏心カムユニット28は、4つのシャフト29上にそれぞれ固定されている。
このように、偏心カムユニット28が4組配設されていることにともなって、本実施形態における第1内歯車56には、図24に示すように、第1実施形態とは異なり、4組の偏心カムユニット28の第1偏心カム30にそれぞれ対応する4つの第1カム接触面25が形成されている。
同様に、図25に示すように、本実施形態における第2内歯車57には、4組の偏心カムユニット28の第2偏心カム32にそれぞれ対応する4つの第2カム接触面27が形成されている。
さらに、本実施形態において、4つの第1磁石35の外側には、図26に示す枠状のドラム59が、4つの第1磁石35を包囲するように配設されており、このドラム59の外周には、磁気力手段の一部を構成する1個の第1コイル60が巻回されている。
第1コイル60は、図示しない外部電源から通電が行われることによって、コイル60を貫く磁界を発生させるようになっている。
さらに、4つの第1磁石35および第1コイル60の図20、図21における上部には、磁気力手段の一部を構成する第1コイル側第1ヨーク61が、これら4つの第1磁石35および第1コイル60を上方から覆うように固設されている。
すなわち、図27に示すように、第1コイル側第1ヨーク61は、第1コイル60に沿った枠状部61aと、この枠状部61aの4つの角部から光軸7側に膨出された半円形状の4つの膨出部61bとを有している。
そして、枠状部61aによって、第1コイル60と、4つの第1磁石35における光軸7と相対する側の半分の部位(以下、半部と称する)とが覆われ、4つの膨出部61bによって、4つの第1磁石35における光軸7側の半部がそれぞれ覆われている(図21参照)。
枠状部61aと膨出部61bとの境界位置であって、4つのシャフト29に対応する位置には、貫通孔62が形成されており、この貫通孔62には、シャフト29の図20、図21における上端部が挿入されて回転自在に保持されている。
図20、図21に示すように、各膨出部61bの外周縁部には、図20、図21における下方に向かって延出する延出部63がそれぞれ形成されており、各延出部63は、それぞれ、第1磁石35における光軸7側の半部に臨んでいる。
第1コイル60の図20、図21における下部には、磁気力手段の一部を構成する図28に示す枠状の第1コイル側第2ヨーク65が固設されている。
図28に示すように、第1コイル側第2ヨーク65は、4つの角部に対応する位置に、光軸7と相対する側に向かって凹入された円弧状の4つの凹入部65aを有しており、これら4つの凹入部65aは、4つの第1磁石35における光軸7と相対する側の半部に臨んでいる。
そして、第1コイル60への通電によって第1コイル60に磁界が発生すると、第1コイル側第1ヨーク61の延出部63と、第1コイル側第2ヨーク65の凹入部65aとが、電磁石の互いに異なる極性の磁極として作用することによって、第1磁石35に磁気力を作用させることになる。
そして、この磁気力によって、第1磁石35にシャフト29を回転させるための回転力が発生するようになっている。
具体的な例を挙げると、例えば、第1コイル60の図20、図21における上端部がN極、下端部がS極となるような磁界が発生すると仮定する。
このとき、第1コイル60の上端部に接続された第1コイル側第1ヨーク61を通じて、この第1コイル側第1ヨーク61の延出部63の極性がN極となり、第1コイル60の下端部に接続された第1コイル側第2ヨーク65を通じて、この第1コイル側第2ヨーク65の凹入部65aの極性がS極となる。
さて、第1磁石35は、第1実施形態と同様に2極着磁されているところ、第1磁石35における延出部63が臨んでいる光軸7側の半部の極性がN極、凹入部65aが臨んでいる光軸7と相対する側の半部の極性がS極であれば、第1磁石35には、磁気力として反発力が作用する。
そして、この反発力によって、前述のように、第1磁石35にシャフト29を回転させるための回転力が発生することになる。
なお、この反発力は、図22に示すように、第1コイル側第2ヨーク65の凹入部65aに臨む位置に、第1磁石35における光軸7と相対する側の半部として、磁極35aが位置される場合であって、シャフト29の中心から光軸7に下ろした垂線Lが、当該シャフト29に固設された第1磁石35の2つの磁極35a、35bの境界線L35と直交する場合に最小となる。
逆に、第1コイル側第2ヨーク65の凹入部65aに臨む位置に、第1磁石35における光軸7と相対する側の半部として、2つの磁極35a、35bが均等に位置される場合、換言すれば、2つの磁極35a、35bの境界部が位置される場合であって、シャフト29の中心から光軸7に下ろした垂線Lが、2つの磁極35a、35bの境界線L35と平行になる場合には、反発力は最大となる。
一方、4つの第2磁石36の外側には、図26に示したものと同様の枠状のドラム59が、4つの第2磁石36を包囲するように配設されており、このドラム59の外周には、磁気力手段の一部を構成する第2コイル67が巻回されている。
さらに、4つの第2磁石36および第2コイルの図20、図21における下部には、第1コイル側第1ヨーク65と鏡面対称形状とされた第2コイル側第1ヨーク69が、4つの第2磁石36および第2コイル67を下方から覆うようにして固設されており、この第2コイル側第1ヨーク69は、磁気力手段の一部を構成している。
この第2コイル側第1ヨーク69も、第1コイル側第1ヨーク61と同様に、枠状部69aと4つの膨出部69bとを有している。
枠状部69aと膨出部69bとの境界位置であって、4つのシャフト29に対応する位置には、貫通孔70が形成されており、この貫通孔70には、シャフト29の図20、図21における下端部が挿入されて回転自在に保持されている。
各膨出部69bの外周縁部には、図20、図21における上方に向かって延出する延出部73がそれぞれ形成されており、各延出部73は、それぞれ、第2磁石36における光軸7側の半部に臨んでいる。
第2コイル67の図20、図21における上部には、第1コイル側第2ヨーク65と鏡面対称形状とされた第2コイル側第2ヨーク75が固設されており、この第2コイル側第2ヨーク75は、磁気力手段の一部を構成している。
第2コイル側第2ヨーク75も、第1コイル側第2ヨーク65と同様に、4つの凹入部75aを有しており、これらの凹入部75aは、第2磁石36における光軸7と相対する側の半部に臨んでいる。
そして、第2コイル67に通電を行うと、第1コイル60の場合と同様に、第2磁石36にシャフト29を回転させるための回転力が発生するようになっている。
なお、第3実施形態においても、第1実施形態と同様に、第1磁石35における2つの磁極35a、35bの境界線35Lと、第2磁石36における2つの磁極36a、36bの境界線36Lとが互いに直交しているため、第1磁石35に発生する回転力が最大となるときには、第2磁石36に発生する回転力は最小となる。
また、第1コイル側第2ヨーク65と、第2コイル側第2ヨーク75との間には、図29に示すような枠状のスペーサ76が介在されている。
このように構成された第3実施形態の光学装置54においても、第1実施形態と同様に、第1磁石35および第2磁石36に発生した回転力によって、シャフト29とともにシャフト29に固定された偏心カムユニット28を回転させることができる。
そして、偏心カムユニット28の回転にともなう第1偏心カム30および第2偏心カム32、32の回転によって、第1内歯車56と第2内歯車57とを、両者の間に外歯車20を挟んだ状態で公転させることができ、この公転にともなって外歯車20を自転させることができる。
さらに、外歯車20の自転運動をねじ構造21および回り止め構造によってレンズ3、4、5の光軸7方向への移動運動に変換することができ、フォーカシングを安定的かつ高精度に行うことができる。
特に、第3実施形態においては、第1コイル60および第2コイル67の数がそれぞれ1つだけであるため、部品点数をさらに削減することができる。また、各コイル60、67をケース55に容易に着脱することができ、光学装置54の組み立て時あるいは部品交換時における取り扱い性をさらに向上させることができる。
以上述べたように、第1〜第3実施形態の光学装置1、54によれば、πラジアンの位相角度を有する第1内歯車23、51、56と第2内歯車24、52、57との間に外歯車20を挟んだ状態で、両内歯車の公転にともなって外歯車20を自転させることができる。
そして、この外歯車20の自転運動を、ねじ構造21および回り止め構造によってレンズ3、4、5の光軸7方向への移動運動に変換することができる。
この結果、振動を抑制してレンズ3、4、5を光軸7方向に適切に移動させることができ、フォーカシングを高精度に行うことができるとともに、騒音の発生を防止することができる。
また、第1内歯車23、51、56、第2内歯車24、52、57および外歯車20を備えた簡易かつ安価な構成によってフォーカシングを行うことができ、製造コストを削減することができる。
さらに、レンズ3、4,5をフォーカシング後における位置に保持するために電力を供給し続ける必要がないため、消費電力を削減することができる。
さらにまた、ステッピングモータ方式のオートフォーカス機構とは異なり機構部が大きくなり過ぎることはなく、また、前述のように、小型化に適した部品配置にすることができるため、小型化を図ることができる。
また、ボイスコイルモータやピエゾモータのような直線性や耐久性の問題はなく、優れた直線性および耐久性を発揮することができる。
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
例えば、前述した各実施形態においては、内歯車の数が2つであったが、これに限る必要はなく、3つ以上の内歯車を、互いに光軸方向に所定の間隔を設けて配設するようにしてもよい。
その場合、内歯車の数をn(nは3以上の自然数)とすると、各内歯車は、外歯車に対して互いに周方向に2π/nラジアンずつ間隔を有した状態で噛合することになる。そして、各内歯車は、互いに2π/nラジアンの位相角度を有した状態で同一方向に公転することによって、外歯車を自転させることになる。
なお、ここでいう位相角度とは、前述したn個の内歯車について適用される位相角度をいう。
そのようにすれば、互いに2π/nラジアンの位相角度を有するn個の内歯車の間に外歯車を挟んだ状態で、各内歯車の公転にともなって外歯車を自転させることができ、この外歯車の自転運動を、変換機構によって光学素子の光軸方向への移動運動に変換することができる。
この結果、前述した各実施形態と同様に、消費電力を抑えることができ、かつ、小型化および製造コストの削減を図ることができる。
さらに、前述した各実施形態よりも外歯車をさらに円滑に自転させることができ、フォーカシングをさらに高精度に行うことができる。
なお、このように、n個の内歯車を配設する場合には、内歯車の個数に対応して、偏心カムをn個配設する必要がある。
この場合、n個の偏心カムを、n個の内歯車のそれぞれに対して互いに位相が2π/nラジアン異なるようにして接触させ、各偏心カムを一体的に同軸回転させることによって、各内歯車が2π/nラジアンの位相角度を有しつつ同一方向に公転することができるように構成すればよい。
なお、ここでいう位相とは、前述したn個の偏心カムについて適用される位相をいう。
さらに、各内歯車のうち、光軸方向において互いに隣位する少なくとも一対の内歯車を、第2実施形態と同様の間欠歯車に形成することによって、外歯車を効率的に自転させるように構成してもよい。
この他にも、図30乃至図32に示すように、第1内歯車79の歯79aおよび第2内歯車80の歯80aをそれぞれ間引くことによって、内歯車79、80をさらに簡便かつ安価に形成するようにしてもよい。
また、磁石については、前述のような2極着磁のものに限る必要はなく、例えば、シャフト29の周方向に沿って4極着磁された磁石等の、2極を超える着磁がなされた磁石を用いるようにしてもよい。
そのようにすれば、部品点数をさらに削減することができ、小型化および低コスト化にさらに適した構成にすることができる。
さらに、磁気力手段としては、コイルに発生した磁界をヨークを介さず磁石に直接作用させることによって、磁石に磁気力を作用させるようにしてもよい。そのようにすれば、部品点数をさらに削減することが可能となる。
さらにまた、本発明は、光軸方向への移動調整を要する光学素子であれば、レンズ以外の光学素子に用いる場合においても前述した各実施形態と同様の優れた効果を奏することができるものである。
次に、本発明に係る光学装置の第4実施形態について、図33乃至図54を参照して説明する。
なお、第1実施形態と基本的構成が同一もしくはこれに類する箇所については、同一の符号を用いて説明する。
図33は、本実施形態における光学装置の平面図であり、図34は、図33の34−34断面図である。
図34に示すように、本実施形態における光学装置81は、台座82と、この台座82の上部に配設された上カバー83と、この上カバー83の上部に配設された環状の板ばね84とによって構成された装置本体としてのケース85を有している。
ケース85の内部には、第1実施形態と同様に、固体撮像素子2およびバレル93に保持されたレンズ3、4、5が配設されている。
さらに、ケース85の内部には、外歯車86と、この外歯車86における光軸7を挟んで互いに対向する部位に噛合された第1内歯車87および第2内歯車89とが配設されている。
第1内歯車87と第2内歯車89とは、第1実施形態と同様に、公転機構によってπラジアンの位相角度を有しつつ同一方向に公転させられるようになっている。また、両内歯車87、89の公転にともなう外歯車86の自転運動は、第1実施形態と同様に、変換機構によってバレル93およびレンズ3、4、5の光軸7方向への直進運動に変換されるようになっている。
ただし、本実施形態においては、変換機構および公転機構の具体的な構成が、第1実施形態とは異なっている。
すなわち、まず、本実施形態における変換機構は、第1実施形態のねじ構造21の代わりに、螺旋カム構造90を有している。
図34乃至図37に示すように、螺旋カム構造90は、外歯車86の図34における上端面に、光軸7方向に沿って螺旋状に形成されたカム面91を有している。
さらに、図38乃至図40に示すように、螺旋カム構造90は、カム面91に臨むバレル93の上端縁部93aの下面から、カム面91に接触する位置まで延出された3つのカム接触子94を有している。
また、本実施形態における変換機構は、第1実施形態と同様に、バレル93の回転を係止する回り止め構造を有している。
回り止め構造は、図33、図41に示すように、板ばね84の内周面に、周方向に等間隔を設けて配設され、かつ、当該内周面から光軸7側に向かって突出するような形状に形成された3つのバレル固定用凸部97を有している。
また、回り止め構造は、バレル93の図40における上端縁部93aの上面に、周方向に等間隔に形成された3つのバレル固定用凹部98を有している。
そして、バレル93に形成された3つのバレル固定用凹部98の上に、板ばね84に形成された3つのバレル固定用凸部97をそれぞれ接着等の手段によって固定することによって、回り止め構造が構成されている。
なお、図38、図40に示すように、3つのバレル固定用凹部98には、それぞれ、光軸7方向における固体撮像素子2側に向かう平面円孤形状の傾斜面99が連設されており、各傾斜面99の先には、それぞれ、光軸7側に向かって凹入された凹入部100が形成されている。
この凹入部100は、ケース85にバレル93を組み込む際に、バレル93の上端縁部93aがバレル固定用凸部97に当接することを防止するために形成されている。すなわち、バレル93をケース85に組み込む際には、板ばね84のバレル固定用凸部97をバレル93の凹入部100が通るようにして、バレル93をケース85の内部に挿入することが可能とされている。そして、バレル93をケース85の内部に挿入した後、バレル93を光軸7を中心に回転させて、バレル固定用凹部98をバレル固定用凸部97の下に位置させることによって、バレル固定用凹部98をバレル固定用凸部97に固定することが可能とされている。
そして、このような螺旋カム構造90および回り止め構造を有する変換機構によれば、外歯車86とともに一体的に回転するカム面91に、カム接触子94を摺接させることによって、外歯車86の自転運動をバレル93およびバレル93に保持されたレンズ3、4、5の光軸7方向への直進運動に適切に変換することができる。
さらに、本実施形態における公転機構は、第1実施形態とは構成が大きく異なり、第1磁石35、第2磁石36のような2極着磁された永久磁石や、それ以上の多極着磁がなされた永久磁石を必要としない構成となっている。
すなわち、本実施形態における公転機構は、第1内歯車87における磁気力の作用部としての第1磁気作用部を有している。
具体的には、図42に示す第1内歯車87全体が強磁性体等の磁性体によって形成されおり、この磁性体によって形成された第1内歯車87の外周面87aが、第1磁気作用部となっている。
また、公転機構は、第2内歯車89における磁気力の作用部としての第2磁気作用部を有している。
具体的には、図43に示すように、第2内歯車89の半径方向の外側位置には、第1内歯車87の外周面87aよりも第1内歯車87の半径方向の外側に位置する環状部102が、3つの跨設部103を介して第2内歯車89と一体的に配設されている。
そして、環状部102は、強磁性体等の磁性体によって形成されており、この磁性体によって形成された環状部102の内周面102aが、第2磁気作用部となっている。
さらに、公転機構は、第1内歯車87の外周面87aと環状部102の内周面102aとに、それぞれ磁気力を作用させ、この磁気力を変化させることによって、第1内歯車87と第2内歯車89とを、外歯車86における光軸7を挟んで互いに対向する部位に噛合させてπラジアンの位相角度を維持させつつ同一方向に公転させるための磁気力手段を有している。
より具体的には、図34、図44(a)〜(c)に示すように、磁気力手段は、第1内歯車87の外周面87aに対して第1内歯車87の半径方向の外側位置であって、環状部102の内周面102aに対して第2内歯車89の半径方向の内側位置に、周方向に互いに2π/3ラジアンの間隔を設けて配設された第1ヨーク105、第2ヨーク106および第3ヨーク107を有している。
図45に示すように、第1〜第3ヨーク105、106、107は、それぞれ、平面円弧形状に形成された円弧部109と、この円弧部109上に、周方向に等間隔に立設された3つの突極部110とを有している。
また、各ヨーク105、106、107は、光軸7と同心環状とされた環状基部111の上に一体的に形成されていることによって、1つのヨークユニット112を構成している。
さらに詳述すると、図46乃至図48に示すように、ヨークユニット112は、円孤部109の内側片部109aと、3つの突極部110のそれぞれの内側片部110aとからなる内側ヨーク114が、環状基部111の内側片部111aの上に等間隔に3つ形成されてなる内側ヨークユニット115を有している。
さらに、図49乃至図51に示すように、ヨークユニット112は、円孤部109の外側片部109bと、3つの突極部110のそれぞれの外側片部110bとからなる外側ヨーク116が、環状基部111の外側片部111bの上に等間隔に3つ形成されてなる外側ヨークユニット117を有している。
そして、図45に示すように、内側ヨークユニット115の外側に、外側ヨークユニット117が、内側ヨーク114と外側ヨーク116とを重ね合わせるように固設されていることによって、前述したヨークユニット112が構成されている。
ここで、第1〜第3ヨーク105、106、107は、それぞれ、内側ヨーク114と外側ヨーク116とが半径方向において重なり合った成層構造を有しているため、鉄損(渦電流損)を低減させることができ、磁気力を効率的に発生させることができるようになっている。
さらに、本実施形態においては、図44(a)、図52、図53に示すように、第1〜第3ヨーク105、106、107のそれぞれが有する3つの突極部110のうち、周方向における中央の突極部110には、励磁手段としての第1〜第3コイル119、120、121がそれぞれ巻回されている。
なお、図44(b)、(c)では、コイル119、120、121は省略されている。
図44(a)、図52、図53に示すように、第1〜第3コイル119、120、121には、励磁手段としての通電制御部123が接続されており、この通電制御部123は、各コイル119、120、121に電流を供給することによって、コイル119、120、121を貫く磁界を発生させるようになっている。
そして、このコイル119、120、121を貫く磁界によって、コイル119、120、121が巻回された中央の突極部110が励磁され、同時に、この中央の突極部110を挟む同一円孤部109上の他の2つの突極部110も励磁されるようになっている。
このとき、励磁によって中央の突極部110に生じる磁極と、他の2つの突極部110に生じる磁極とは、互いに極性が異なっている。
このようにして励磁されたヨーク105、106、107に対して、図44(a)に示すように、外歯車86の半径方向の内側から臨んでいる第1内歯車87の外周面87aには、ヨーク105、106、107によって、外歯車86の半径方向の磁気力として、外歯車86の半径方向における外側へ向かう吸引力が作用するようになっている。
この吸引力によって、第1内歯車87は、励磁されたヨーク105、106、107の方向(吸引方向)へ吸引されるようになっている。
なお、周方向において互いに隣位する任意の2つのコイル119、120、121に同時に電流が供給されていて、各コイルに対応する2つのヨーク105、106、107が同時に励磁されている場合には、この2つのヨーク105、106、107からの吸引力の合力の方向が、第1内歯車87の吸引方向となる(図44(b)参照)。
そして、この第1内歯車87の吸引にともなって、第1内歯車87は、その吸引方向の後端側に位置する歯を外歯車86の歯に噛合させるようになっている。
一方、励磁されたヨーク105、106、107に対して、外歯車86の半径方向の外側から臨んでいる環状部102の内周面102aには、ヨーク105、106、107によって、外歯車86の半径方向の磁気力として、第1内歯車87の外周面87aに作用する吸引力とは逆方向、すなわち、外歯車86の半径方向における内側へ向かう吸引力が作用するようになっている。
この吸引力によって、第2内歯車89は、励磁されたヨーク105、106、107の方向(吸引方向)へ吸引されるようになっている。このとき、第2内歯車89の吸引方向は、第1内歯車87の吸引方向とは逆方向となる。
なお、第1内歯車87と同様に、周方向において互いに隣位する任意の2つのコイル119、120、121に同時に電流が供給されていて、各コイルに対応する2つのヨーク105、106、107が同時に励磁されている場合には、この2つのヨーク105、106、107からの吸引力の合力の方向が、第2内歯車89の吸引方向となる(図44(b)参照)。
そして、この第2内歯車89の吸引にともなって、第2内歯車89は、その吸引方向の後端側に位置する歯を外歯車86の歯に噛合させるようになっている。
したがって、コイル119、120、121に電流を供給してヨーク105、106、107を励磁することによって、第1内歯車87と第2内歯車89とを、外歯車86における光軸7を挟んで互いに対向する部位に噛合させることができ、両内歯車87、89の間にπラジアンの位相角度を形成することができるようになっている。
さらに、通電制御部123は、電流が供給されるコイル119、120、121を、周方向に順次選択的に切換えることによって、第1〜第3ヨーク105、106、107を周方向に順次選択的に励磁するようになっている。
これにより、第1内歯車87の外周面87aおよび環状部102の内周面102aに作用する外歯車86の半径方向の磁気力(吸引力)を、第1内歯車87の吸引方向と、第2内歯車89の吸引方向とが、光軸7を中心とした周方向に互いに一体的に回転するように確実に変化させることができる。
この結果、第1内歯車87と第2内歯車89とを、外歯車86における光軸7を挟んで互いに対向する部位に噛合させてπラジアンの位相角度を維持させつつ同一方向に公転させることができる。
そして、この第1内歯車87および第2内歯車89の公転にともなって外歯車86を自転させることができ、この外歯車86の自転運動を、螺旋カム構造90および回り止め構造によってレンズ3、4、5の光軸7方向への直進運動に変換させることにより、レンズ3、4、5のフォーカシングを行うことができる。
したがって、本実施形態においては、第1実施形態と同様に、第1内歯車87、第2内歯車89および外歯車86を備えた簡易かつ安価な構成によって、振動を抑制して騒音の発生を確実に防止しつつ、レンズ3、4、5を光軸7方向に適正に移動させてフォーカシングを高精度に行うことができる。
また、コイル119、120、121への電流の供給が停止された状態においても、第1内歯車87と第2内歯車89との間に外歯車86が位置されていることによって外歯車86の自転運動が十分に規制されるため、レンズ3、4、5をフォーカシング後の位置に安定的に保持することができる。
ところで、通電制御部123によって電流が供給されるコイル119、120、121は、第1内歯車87の外周面87aおよび環状部102の内周面102aに作用する吸引力を、第1内歯車87と第2内歯車89との吸引方向が、光軸7を中心とした周方向に互いに一体的に回転するように変化させる必要上、周方向に順次切換わる必要がある。
しかし、必ずしも、任意の1つのコイル119、120、121に対する電流の供給の終了と、当該1つのコイル119、120、121に周方向において隣位する他のコイル119、120、121(次に電流を供給するコイル)に対する電流の供給の開始とが同時になされる必要はない。
すなわち、電流が供給されるコイル119、120、121を、例えば、第1コイル119から、この第1コイル119に周方向において隣位する第2コイル120に切換える際に、第1コイル119に対する電流の供給時間と第2コイル120に対する電流の供給時間とが重なることによって、双方のコイル119、120に同時に電流が供給されている時間が存在していてもよい。
この場合においても、第2コイル120に対する電流の供給時間内に、第1コイル119に対する電流の供給が終了すれば、電流が供給されるコイルが周方向に順次切換わるということができる。
このことを、ヨーク105、106、107の励磁状態としてみれば、まず、第1ヨーク105のみが励磁された状態から、第1ヨーク105と第2ヨーク106との双方が励磁された状態に移行し、続いて、第2ヨーク106のみが励磁された状態に移行することになる。このような場合であっても、各ヨーク105、106、107が周方向に順次選択的に励磁されていることに他ならない。
ここで、以下の表1は、第1〜第3コイル119、120、121に供給される電流パターンの一例として、T〜Tの各時間における第1〜第3コイル119、120、121に対する電流の供給の有無(ONまたはOFF)を示したものである。
表1においては、任意の1つのコイル119、120、121から、当該1つのコイル119、120、121に周方向において隣位する他のコイル119、120、121に電流の供給を切換える際に、双方のコイル119、120、121に対する電流の供給時間の重なり部分を設けている。
より具体的には、まず、時間Tにおいては、第1コイル119のみに電流が供給されていることによって、第1ヨーク105のみが励磁された状態となっている。
これにより、第1内歯車87の外周面87aおよび環状部102の内周面102aには、外歯車86の半径方向の磁気力として、第1ヨーク105に向かう吸引力がそれぞれ作用し、第1内歯車87および第2内歯車89が図44(a)に示すように第1ヨーク105の方向(吸引方向)に吸引された状態となる。
次いで、時間Tに続く時間Tにおいては、第1コイル119に依然として電流が供給され続けているとともに、新たに、第2コイル120に対する電流の供給が開始されることによって、第1ヨーク105および第2ヨーク106の双方が励磁された状態となっている。
すなわち、時間Tにおいては、第1コイル119に対する電流の供給時間と、第2コイル120に対する電流の供給時間との重なり部分が生じている。
これにより、第1内歯車87の外周面87aおよび環状部102の内周面102aには、外歯車86の半径方向の磁気力として、第1ヨーク105に向かう吸引力と、第2ヨーク106に向かう吸引力とがそれぞれ作用するようになっている。
そして、この吸引力の合力の方向、すなわち、図44(b)に示すように、第1ヨーク105と第2ヨーク106との周方向における中間位置に向かう方向が、第1内歯車87および第2内歯車89の吸引方向となる。
このとき、第1内歯車87の吸引方向と、第2内歯車89の吸引方向とは、ともに、図44(a)における吸引方向に対して時計回りにπ/3ラジアンの角度を有している。
つまり、図44(b)においては、第1内歯車87の吸引方向と、第2内歯車89の吸引方向とが、図44(a)の状態から、ともに(互いに一体的に)時計回りにπ/3ラジアン回転した状態となっている。
そして、この結果、第1内歯車87および第2内歯車89が、図44(a)の位置から時計回りに公転して、図44(b)に示すように、第1ヨーク105と第2ヨーク106との周方向における中間位置に吸引された状態となる。
次いで、時間Tに続く時間Tにおいては、第1コイル119に対する電流の供給は既に終了され、一方、第2コイル120には依然として電流が供給され続けていることによって、第2ヨーク120のみが励磁された状態となる。
これにより、第1内歯車87の外周面87aおよび環状部102の内周面102aには、外歯車86の半径方向の磁気力として、図44(c)に示すように、第2ヨーク106に向かう吸引力が作用するようになっている。
そして、この吸引力の方向が、そのまま第1内歯車87および第2内歯車89の吸引方向となる。
このとき、第1内歯車87の吸引方向と、第2内歯車89の吸引方向とは、ともに、図44(b)における吸引方向に対して時計回りにπ/3ラジアンの角度を有している。
つまり、図44(c)においては、第1内歯車87の吸引方向と、第2内歯車89の吸引方向とが、図44(b)の状態から、ともに(互いに一体的に)時計回りにπ/3ラジアン回転した状態となっている。
そして、この結果、第1内歯車87および第2内歯車89が、図44(b)の位置から時計回りに公転して、図44(c)に示すように、第2ヨーク106に吸引された状態となる。
さらに、時間Tに続く時間Tおよびそれ以降の時間においても、T〜Tと同様の電流の供給を行うことによって、第1内歯車87と第2内歯車89との吸引方向を時計回りにπ/3ラジアンずつ回転させることができ、この吸引方向の回転にともなって、第1内歯車87と第2内歯車89とを時計回りに公転させることができる。
このように、電流の供給を、1つのコイルから次のコイルに切換える際に、双方のコイルに対する電流の供給時間の重なり部分が存在する場合には、電流の供給パターンの変化に応じた吸引方向の回転角度を小さくすることができる。
この結果、第1内歯車87と第2内歯車89とを円滑に公転させることができ、騒音の発生をより有効に防止することができる。
さらに、ヨーク105、106、107の個数も少なくて済むため、小型化および製造コストの削減にさらに適した構成にすることができる。
なお、ヨークの個数、各ヨークにおける突極部の個数および各ヨークにおけるコイルの個数ならびに配置については、必要に応じて種々変更することができる。
また、図54に示すように、内側ヨーク114と外側ヨーク115との間に、非磁性シート124を介在させることによって、鉄損をさらに低減させるように構成してもよい。
上記構成に加えて、さらに、本実施形態における光学装置81は、第1内歯車87の自転運動を抑制する第1自転抑制機構と、第2内歯車89の自転運動を抑制する第2自転抑制機構とを備えている。
図34、図42に示すように、第1自転抑制機構は、第1内歯車87の外周縁部から第1内歯車87の半径方向の外側に向かって放射状に突出された3つの突縁部126を有しており、これら3つの突縁部126は、周方向に互いに等間隔を有している。
また、第1自転抑制機構は、各突縁部126にそれぞれ穿設された3つの第1貫通孔127を有している。
さらに、第1自転抑制機構は、3つの第1貫通孔127にそれぞれ遊挿されるとともに、台座82の上面にそれぞれ固定されて保持された光軸7方向に長尺な3つのピン128を有している。
そして、このような構成からなる第1自転抑制機構によれば、第1内歯車87が自転運動を行おうとしても、第1貫通孔127の自転方向への移動がピン128によって規制されるため、第1内歯車87の自転運動を確実に抑制することができる。
この結果、第1内歯車87の公転運動のみを取り出すことができ、第1内歯車87を適切に公転させることができる。
一方、図43に示すように、第2自転抑制機構は、第2内歯車89と環状部102との間に跨設された前述した3つの跨設部103を有しており、これら3つの跨設部103は、第1自転抑制機構の3つの突縁部126と、光軸7方向において互いに対峙する位置関係にある。
また、第2自転抑制機構は、3つの跨設部103にそれぞれ穿設された3つの第2貫通孔130を有しており、これら3つの第2貫通孔130は、第1自転抑制機構の3つの第1貫通孔127と、光軸7方向において互いに対峙する位置関係にある。
さらに、第2自転抑制機構は、3つの第2貫通孔130に、前述した第1自転抑制機構の3つのピン128がそれぞれ遊挿されていることによって構成されている。
そして、このような構成からなる第2自転抑制機構によれば、第2内歯車89が自転運動を行おうとしても、第2貫通孔130の自転方向への移動がピン128によって規制されるため、第2内歯車89の自転運動を確実に抑制することができる。
この結果、第2内歯車89の公転運動のみを取り出すことができ、第2内歯車89を適切に公転させることができる。
さらに、第1自転抑制機構と第2自転抑制機構との間で同一のピン128を共有させることによって、部品点数を削減することができる。
上記構成に加えて、さらに、本実施形態における光学装置81は、第1内歯車87の公転半径を規制する第1公転半径規制機構と、第2内歯車89の公転半径を規制する第2公転半径規制機構とを備えている。
本実施形態において、第1公転半径規制機構は、前述した突縁部126、第1貫通孔127およびピン128からなる第1自転抑制機構と同一の構造体によって構成されている。
すなわち、第1内歯車87の公転の際に、第1内歯車87の第1貫通孔127が、ピン128によって公転方向への過度な移動を規制されることによって、第1内歯車87の公転半径を規制することができるようになっている。
これにより、第1内歯車87の公転半径を必要以上に大きくすることがないため、装置のさらなる小型化を図ることができる。
また、第1内歯車87とヨーク105、106、107との間のギャップを適正に確保しつつ第1内歯車87を公転させることができるため、第1内歯車87とヨーク105、106、107との衝突に起因する騒音の発生を確実に防止することができる。
さらに、突縁部126、第1貫通孔127およびピン128からなる1つの構造体によって、第1自転抑制機構と第1公転半径規制機構との双方を形成することができるため、部品点数をさらに削減することができる。
一方、第2公転半径規制機構は、前述した跨設部103、第2貫通孔130およびピン128からなる第2自転抑制機構と同一の構造体によって構成されている。
すなわち、第2内歯車89の公転の際に、第2内歯車89の第2貫通孔130が、ピン128によって公転方向への過度な移動を規制されることによって、第2内歯車89の公転半径を規制することができるようになっている。
これにより、第2内歯車89の公転半径を必要以上に大きくすることがないため、装置のさらなる小型化を図ることができる。
また、第2内歯車89とヨーク105、106、107との間のギャップを適正に確保しつつ第2内歯車89を公転させることができるため、第2内歯車89とヨーク105、106、107との衝突に起因する騒音の発生を確実に防止することができる。
さらに、跨設部103、第2貫通孔130およびピン128からなる1つの構造体によって、第2自転抑制機構と第2公転半径規制機構との双方を形成することができるため、部品点数をさらに削減することができる。
上記構成に加えて、さらに、本実施形態においては、第1内歯車87と第2内歯車89とが、互いに同一の総質量に形成され、かつ、第1内歯車87の外周面87aに作用する吸引力と、この外周面87aに外歯車86の半径方向において対向する環状部102の内周面102aに作用する吸引力とが、互いに方向が逆方向であって互いに大きさが等しい吸引力とされている。
なお、本実施形態において、第1内歯車87の総質量は、3つの突縁部126を含めた第1内歯車87の質量であり、第2内歯車89の総質量は、3つの跨設部103および環状部102を含めた第2内歯車89の質量である。
これにより、第1内歯車87と第2内歯車89とが、外歯車86に噛合しつつ公転する際に外歯車86から受ける反作用を互いに相殺することができるため、騒音の発生をさらに有効に防止することができる。
以上述べたように、第4実施形態の光学装置によれば、πラジアンの位相角度を有する第1内歯車87と第2内歯車89との間に外歯車86を挟んだ状態で、両内歯車87、89を公転させることにともなって外歯車86を自転させ、この外歯車86の自転運動を、螺旋カム構造90および回り止め構造によってレンズ3、4、5の光軸7方向への移動運動に変換することができる。
この結果、第1〜第3実施形態と同様に、小型化を図ることができ、かつ、消費電力および製造コストを削減することができ、さらに、直線性および耐久性を向上させることができ、さらにまた、振動を抑制して光学素子を光軸方向に適切に移動させることができるとともに騒音の発生を防止することができるといった優れた効果を奏することができる。
さらに、このような優れた効果を奏することができる上に、第4実施形態においては、多極着磁された高価な磁石を要しないため、製造コストをさらに削減することができるといった新たな効果をも奏することができる。
また、このように磁石を必要としないことにともなって、組立工程において、磁石に磁性体の屑(鉄屑等)が付着しないように管理する必要がないため、組立工程の管理に要する労力をさらに削減することができるといった効果を奏することもできる。
本発明に係る光学装置の第1実施形態を示す平面図 図1の2−2断面図 本発明に係る光学装置の第1実施形態において、下カバーを示す平面図 図3の4−4断面図 本発明に係る光学装置の第1実施形態において、スペーサを示す平面図 図5の6−6断面図 図6の下面図 本発明に係る光学装置の第1実施形態において、上カバーを示す下面図 本発明に係る光学装置の第1実施形態において、上カバーを示す横断面図 本発明に係る光学装置の第1実施形態において、第1内歯車、第2内歯車および外歯車を示す平面図 本発明に係る光学装置の第1実施形態において、磁石に発生した回転力を外歯車に伝達させるための各構成部を示す横断面図 本発明に係る光学装置の第1実施形態において、第1磁気力手段の構成を第1磁石および上カバーとともに示す平面透視図 本発明に係る光学装置の第1実施形態において、第2磁気力手段の構成を第2磁石および下カバーとともに示す平面図 本発明に係る光学装置の第1実施形態において、第1磁気力手段の第1コイルおよび第2磁気力手段の第2コイルに印加する電圧の駆動波形を示すタイムチャート 本発明に係る光学装置の第2実施形態において、第1内歯車、第2内歯車および外歯車を示す平面図 本発明に係る光学装置の第2実施形態において、第1内歯車を示す平面図 図16の17−17断面図 本発明に係る光学装置の第2実施形態において、第2内歯車を示す平面図 図18の19−19断面図 本発明に係る光学装置の第3実施形態を示す横断面図 本発明に係る光学装置の第3実施形態において、偏心カム回転機構の具体的構成を示す横断面図 図21の22−22矢視図 図21の23−23矢視図 本発明に係る光学装置の第3実施形態において、第1内歯車を示す平面図 本発明に係る光学装置の第3実施形態において、第2内歯車を示す平面図 本発明に係る光学装置の第3実施形態において、ドラムを示す平面図 本発明に係る光学装置の第3実施形態において、第1コイル側第1ヨークを示す平面図 本発明に係る光学装置の第3実施形態において、第1コイル側第2ヨークを示す平面図 本発明に係る光学装置の第3実施形態において、スペーサを示す平面図 本発明に係る光学装置の実施形態において、図10、図15と異なる第1内歯車、第2内歯車および外歯車の一形態を示す平面図 本発明に係る光学装置の実施形態において、図30の第1内歯車を示す平面図 本発明に係る光学装置の実施形態において、図30の第2内歯車を示す平面図 本発明に係る光学装置の第4実施形態を示す平面図 図33の34−34断面図 本発明に係る光学装置の第4実施形態において、外歯車を示す平面図 図35の正面図 図35の右側面図 本発明に係る光学装置の第4実施形態において、バレルを示す平面図 図38の正面図 図38の右側面図 本発明に係る光学装置の第4実施形態において、板ばねおよび板ばねに形成されたバレル固定用凸部を示す平面図 本発明に係る光学装置の第4実施形態において、第1内歯車を示す平面図 本発明に係る光学装置の第4実施形態において、第2内歯車を示す平面図 本発明に係る光学装置の第4実施形態において、ヨークの励磁状態の変化にともなう第1内歯車および第2内歯車の公転運動を段階的に示す説明図 本発明に係る光学装置の第4実施形態において、ヨークユニットを示す斜視図 本発明に係る光学装置の第4実施形態において、内側ヨークを示す平面図 図46の右側面図 本発明に係る光学装置の第4実施形態において、内側ヨークユニットを示す斜視図 本発明に係る光学装置の第4実施形態において、外側ヨークを示す平面図 図49の右側面図 本発明に係る光学装置の第4実施形態において、外側ヨークユニットを示す斜視図 本発明に係る光学装置の第4実施形態において、中央の突極部にコイルが巻回された状態のヨークを示す平面図 図52の左側面図 ヨークの図52と異なる他の構成の一例を示す平面図 本発明に係る光学装置における一対の内歯車に適用される位相角度を模式的に示す説明図 本発明に係る光学装置における一対の偏心カムに適用される位相を模式的に示す説明図
符号の説明
1 光学装置
3 第1レンズ
4 第2レンズ
5 第3レンズ
7 光軸
20 外歯車
21 ねじ構造
23 第1内歯車
24 第2内歯車
28 偏心カムユニット
29 シャフト
30 第1偏心カム
32 第2偏心カム
35 第1磁石
36 第2磁石
39 第1コイル
40 第1ヨーク
41 第2コイル
42 第2ヨーク
51 第1内歯車
51a 歯
52 第2内歯車
52a 歯
54 光学装置
56 第1内歯車
57 第2内歯車
60 第1コイル
61 第1コイル側第1ヨーク
65 第1コイル側第2ヨーク
67 第2コイル
69 第2コイル側第1ヨーク
75 第2コイル側第2ヨーク
79 第1内歯車
79a 歯
80 第2内歯車
80a 歯
81 光学装置
86 外歯車
87 第1内歯車
87a 外周面
89 第2内歯車
90 螺旋カム構造
91 カム面
94 カム接触子
97 バレル固定用凸部
98 バレル固定用凹部
102 環状部
102a 内周面
105 第1ヨーク
106 第2ヨーク
107 第3ヨーク
119 第1コイル
120 第2コイル
121 第3コイル
123 通電制御部

Claims (21)

  1. 光軸方向に移動可能とされた光学素子と、
    この光学素子を前記光軸方向に移動させるための移動機構とを備えた光学装置において、
    前記移動機構が、
    光軸を中心とした自転運動を可能とされた外歯車と、
    この外歯車の自転運動を前記光学素子の前記光軸方向への移動運動に変換する変換機構と、
    前記外歯車の外側に、前記光軸方向に所定の間隔を設けて一対配設され、前記外歯車における光軸を挟んで互いに対向する部位に噛合して、πラジアンの位相角度を有しつつ同一方向に公転することによって、前記外歯車を自転させる一対の内歯車と、
    これら一対の内歯車を公転させる公転機構と
    を備えたことを特徴とする光学装置。
  2. 前記公転機構が、前記一対の内歯車のそれぞれに対して互いに位相がπラジアン異なる状態で接触しつつ互いに同一の回転軸を中心とした回転動作を行うことによって、前記一対の内歯車をそれぞれ公転させる一対の偏心カムと、
    これら一対の偏心カムを回転させる偏心カム回転機構と
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
  3. 前記偏心カム回転機構が、
    前記一対の偏心カムを同軸上に固定することによって、前記一対の偏心カムを同一の回転軸上に保持する前記光軸方向に長尺なシャフトと、
    このシャフトを回転駆動する回転駆動機構と
    を備えたことを特徴とする請求項2に記載の光学装置。
  4. 前記回転駆動機構が、
    前記シャフト上に固設され、前記シャフトの周方向に沿って少なくとも2極着磁された少なくとも1つの磁石と、
    この磁石に磁気力を作用させることによって、前記磁石に前記シャフトを回転させるための回転力を発生させる磁気力手段と
    を備えたことを特徴とする請求項3に記載の光学装置。
  5. 前記一対の偏心カムと、前記シャフトと、前記磁石との組を複数組備えたことを特徴とする請求項4に記載の光学装置。
  6. 前記一対の内歯車が間欠部を有する間欠歯車とされ、かつ、前記一対の内歯車の歯が、互いに相手側の内歯車の方向に延出して相手側の内歯車の間欠部に位置する形状に形成されていることによって、前記一対の内歯車が、互いに前記光軸方向における同一の位置において前記外歯車に噛合していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学装置。
  7. 光軸方向に移動可能とされた光学素子と、
    この光学素子を前記光軸方向に移動させるための移動機構とを備えた光学装置において、
    前記移動機構が、
    光軸を中心とした自転運動を可能とされた外歯車と、
    この外歯車の自転運動を前記光学素子の前記光軸方向への移動運動に変換する変換機構と、
    前記外歯車の外側に、前記光軸方向に所定の間隔を設けてn個(nは3以上の自然数、以下同様)配設され、前記外歯車に対して互いに周方向に2π/nラジアンずつ間隔を有した状態で噛合して、2π/nラジアンの位相角度を有しつつ同一方向に公転することによって、前記外歯車を自転させるn個の内歯車と、
    これらn個の内歯車を公転させる公転機構と
    を備えたことを特徴とする光学装置。
  8. 前記公転機構が、
    前記n個の内歯車のそれぞれに対して互いに位相が2π/nラジアン異なる状態で接触し、互いに同一の回転軸を中心とした回転動作を行うことによって、前記n個の内歯車をそれぞれ公転させるn個の偏心カムと、
    これらn個の偏心カムを回転させる偏心カム回転機構と
    を備えたことを特徴とする請求項7に記載の光学装置。
  9. 前記偏心カム回転機構が、
    前記n個の偏心カムを同軸上に固定することによって、前記n個の偏心カムを同一の回転軸上に保持する前記光軸方向に長尺なシャフトと、
    このシャフトを回転駆動する回転駆動機構と
    を備えたことを特徴とする請求項8に記載の光学装置。
  10. 前記回転駆動機構が、
    前記シャフト上に固設され、前記シャフトの周方向に沿って少なくとも2極着磁された少なくとも1つの磁石と、
    この磁石に磁気力を作用させることによって、前記磁石に前記シャフトを回転させるための回転力を発生させる磁気力手段と
    を備えたことを特徴とする請求項9に記載の光学装置。
  11. 前記n個の偏心カムと、前記シャフトと、前記磁石との組を複数組備えたことを特徴とする請求項10に記載の光学装置。
  12. 前記n個の内歯車のうち、光軸方向において互いに隣位する少なくとも一対の内歯車同士が、間欠部を有する間欠歯車とされ、かつ、これらの間欠歯車とされた互いに隣位する内歯車同士の歯が、互いに相手側の内歯車の方向に延出して相手側の内歯車の間欠部に位置する形状に形成されていることによって、前記間欠歯車とされた互いに隣位する内歯車同士が、前記光軸方向における同一の位置において前記外歯車に噛合していることを特徴とする請求項7〜11のいずれか1項に記載の光学装置。
  13. 前記光学素子がバレル内に保持されるとともに、前記外歯車が、前記バレルの外周面を包囲する形状に形成され、
    前記変換機構が、
    前記バレルの外側および前記外歯車の内側に形成されたねじ構造と、
    前記バレルの回転を防止する回り止め構造と
    を備えたことを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の光学装置。
  14. 光軸方向に移動可能とされた光学素子と、
    この光学素子を前記光軸方向に移動させるための移動機構とを備えた光学装置において、
    前記移動機構が、
    光軸を中心とした自転運動を可能とされた外歯車と、
    この外歯車の自転運動を前記光学素子の前記光軸方向への移動運動に変換する変換機構と、
    前記外歯車の半径方向の外側位置に、前記光軸方向に所定の間隔を設けるようにして配設され、前記外歯車における光軸を挟んで互いに対向する部位に噛合して、πラジアンの位相角度を有しつつ同一方向に公転することによって、前記外歯車を自転させることが可能とされた第1内歯車および第2内歯車と、
    これら両内歯車を公転させる公転機構と
    を備え、
    前記公転機構が、
    前記第1内歯車に配設された第1磁気作用部と、
    前記第2内歯車に配設された第2磁気作用部と、
    前記第1磁気作用部および前記第2磁気作用部に磁気力を作用させることによって、前記両内歯車を前記外歯車における前記光軸を挟んで互いに対向する部位に噛合させることが可能とされ、かつ、前記磁気力を変化させることによって、前記両内歯車を前記外歯車における前記光軸を挟んで互いに対向する部位に噛合させつつ公転させることが可能とされた磁気力手段と
    を備えたことを特徴とする光学装置。
  15. 前記磁気力手段が、
    前記第1磁気作用部および前記第2磁気作用部に、前記磁気力として、前記外歯車の半径方向の磁気力を作用させて、前記第1内歯車と前記第2内歯車とを前記外歯車の半径方向における互いに逆方向に吸引することによって、両内歯車を前記外歯車における前記光軸を挟んで互いに対向する部位に噛合させることが可能とされ、
    かつ、
    前記外歯車の半径方向の磁気力を、前記第1内歯車の吸引方向と、前記第2内歯車の吸引方向とが、前記光軸を中心とした周方向に互いに一体的に回転するように変化させることによって、両内歯車を前記外歯車における前記光軸を挟んで互いに対向する部位に噛合させつつ公転させることが可能とされていること
    を特徴とする請求項14に記載の光学装置。
  16. 前記第1内歯車の外周面の少なくとも一部が磁性体によって形成され、この磁性体によって形成された前記第1内歯車の外周面の少なくとも一部が、前記第1磁気作用部とされ、
    前記第2内歯車の半径方向の外側位置に、前記第1内歯車の外周面よりも前記第1内歯車の半径方向の外側に位置するような環状部が、前記第2内歯車と一体的に配設されるとともに、前記環状部の内周面の少なくとも一部が磁性体によって形成され、この磁性体によって形成された前記環状部の内周面の少なくとも一部が、前記第2磁気作用部とされ、
    前記磁気力手段が、前記第1磁気作用部に対して前記第1内歯車の半径方向の外側位置であって、前記第2磁気作用部に対して前記第2内歯車の半径方向の内側位置に、周方向に所定の間隔を設けて配設された複数のヨークと、これら複数のヨークを周方向に順次選択的に励磁する励磁手段とを備えた
    ことを特徴とする請求項15に記載の光学装置。
  17. 前記第1内歯車の自転運動を抑制する第1自転抑制機構と、
    前記第2内歯車の自転運動を抑制する第2自転抑制機構と
    を備えたことを特徴とする請求項14〜16のいずれか1項に記載の光学装置。
  18. 前記第1内歯車の公転半径を規制する第1公転半径規制機構と、
    前記第2内歯車の公転半径を規制する第2公転半径規制機構と
    を備えたことを特徴とする請求項14〜17のいずれか1項に記載の光学装置。
  19. 前記第1自転抑制機構と前記第1公転半径規制機構とが、
    前記第1内歯車の外周縁部から前記第1内歯車の半径方向の外側に突出された突縁部と、
    この突縁部に穿設された第1貫通孔と、
    この第1貫通孔に遊挿された状態で装置本体に保持された前記光軸方向に長尺なピンと
    を備えた1つの構造体によって形成され、
    前記第2自転抑制機構と前記第2公転半径規制機構とが、
    前記第2内歯車と前記環状部との間に跨設された跨設部と、
    この跨設部に穿設された第2貫通孔と、
    この第2貫通孔に遊挿された状態で装置本体に保持された前記光軸方向に長尺なピンと
    を備えた1つの構造体によって形成されていることを特徴とする請求項18に記載の光学装置。
  20. 前記第1貫通孔と前記第2貫通孔とが互いに同軸上に配置され、これら第1貫通孔および第2貫通孔に、同一のピンが遊挿されていることを特徴とする請求項19に記載の光学装置。
  21. 前記第1内歯車と前記第2内歯車とが、互いに同一の総質量に形成され、
    前記第1磁気作用部に作用する磁気力と前記第2磁気作用部に作用する磁気力とが、互いに方向が逆方向であって互いに大きさが等しい磁気力とされていること
    を特徴とする請求項14〜20のいずれか1項に記載の光学装置。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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