JP2007032741A - ピストンリング - Google Patents

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JP2007032741A
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ring
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Hiroto Fukutome
弘人 福留
Naoyoshi Umeda
直善 梅田
Seiroku Hoshino
清六 星野
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Teikoku Piston Ring Co Ltd
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Teikoku Piston Ring Co Ltd
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Abstract

【課題】ブローバイ性能を改善したピストンリングを提供する。
【解決手段】ピストンリング3をピストン2外周のリング溝4に挿入し、シリンダ1内径に等しい径に閉じた時に、ピストンリング上面5がシリンダ1軸方向に対して直角な平面で、ピストンリング下面6が外周に向かって上面側に上昇する傾斜面をなし、ピストンリング下面6がリング溝下面7に接した時に、ピストンリング上面5とリング溝上面8との間に隙間を有する。前記ピストンリング下面6の傾斜角度θが5′〜60′である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ブローバイ性能を改善した内燃機関用ピストンリングに関する。
内燃機関の高速域でのブローバイを低減するために、インターナルベベル形状のピストンリングが効果があることは広く知られており、数多く生産されている。また、特許文献1では、オイルアップとブローバイを効果的に低減するために、ピストンリングの下面をリング中心側の幅の狭い環状平坦面と、その外側にあって外周側に行くにつれて燃焼室側へ上昇する幅の広いテーパ面で形成し、ガス圧力が作用し、平坦面とテーパ面の間の環状境界線を支点としてリング外周部が下降するように反り返り、テーパ面がリング溝下面に衝突する以前に、リング上面の内周縁がリング溝上面に圧接するようにしたピストンリングが提案されている。
実公昭58−8926号公報
インターナルベベル形状のピストンリングは、シリンダ内径に等しい径に閉じた時に、上反角を持っているために、ピストンのリング溝幅(リング溝の軸方向寸法をいう。)と、ピストンリング幅(ピストンリングの軸方向寸法をいう。)との差(サイドクリアランス)を広めに取る必要があり、その結果として、高速高負荷でのブローバイは低減できるが、高速低負荷のブローバイを悪化させる場合がある。
特許文献1のピストンリングでは、リング上面の内周縁とリング溝上面が圧接することから、スティックが起きることがあり、また、リング背面(内周側)へのガスの流入が抑えられ、ガス圧(背圧)による外周側への張り出しが抑制されることにより、特に高速高負荷域でのシリンダボアへの追従性が悪くなり、ブローバイガス量が増加してしまう場合がある。
本発明の課題は、ブローバイ性能を改善したピストンリングを提供することである。
上記課題を解決するために本発明は次の解決手段を採る。すなわち、
本発明のピストンリングは、ピストンリングをピストン外周のリング溝に挿入し、シリンダ内径に等しい径に閉じた時に、ピストンリング上面がシリンダ軸方向に対して直角な平面で、ピストンリング下面が外周に向かって上面側に上昇する傾斜面をなし、ピストンリング下面がリング溝下面に接した時に、ピストンリング上面とリング溝上面との間に隙間を有することを特徴とする。
前記ピストンリング下面の傾斜角度が5′〜60′であることが好ましい。より好ましくは15′〜45′である。
本発明のピストンリングは、上記の構成を備えることにより、広い運転条件で良好なブローバイ性能を実現できる。
ピストンリングをシリンダ内径に等しい径に閉じた時に、ピストンリング下面が外周に向かって上面側に上昇する傾斜面をなすことで、低速高負荷と高速高負荷でのブローバイガス量を安定的に低くできる。ピストンリングをシリンダ内径に等しい径に閉じた時に、ピストンリング上面がシリンダ軸方向に対して直角な平面のため、インターナルベベル形状のピストンリングにおいて必要不可欠とされるサイドクリアランスの過大な設定が必要ないことから、低負荷条件でのブローバイガス量を安定的に低くできる。ピストンリング下面がリング溝下面に接した時に、ピストンリング上面とリング溝上面との間に隙間を有することから、ピストンリングのスティックを防止でき、また、燃焼ガスがピストンリング背面へ回り込み、ピストンリングは背圧を受けてシリンダボアへの追従性が良好になる。その結果、高速高負荷でのブローバイガス量を安定的に低くできる。
前記ピストンリング下面の傾斜角度が5′未満では、高速高負荷でのブローバイガス量が増加し、60′を越えると高速の低負荷、高負荷ともブローバイガス量が増加する。
以下、本発明の好ましい一実施形態を図面に基いて説明する。
図1(a)において、1はシリンダ、2はピストン、3はピストン2の外周に形成されているリング溝4に装着されたピストンリングである。ピストンリング3は略矩形の断面形状を有しており、ピストン2のリング溝4に挿入され、シリンダ1内径に等しい径に閉じられた時、ピストンリング上面5がシリンダ1の軸方向に対して直角な平面で、ピストンリング下面6が外周に向かって上面側に上昇する傾斜面をなす。このときのピストンリング下面6のリング溝下面7に対する傾斜角度θは、5′〜60′の範囲内の値を有する。また、図1(b)に示されているように、ピストンリング下面6がリング溝下面7に接した時に、ピストンリング上面5とリング溝上面8との間に隙間を有する。前記隙間は、ピストンリング3がリング溝上面8に対してスティックしない範囲で最小に設定されている。
以下、本発明のピストンリングと比較例のピストンリングを、φ86mm、直列4気筒、2.0lのガソリンエンジンを用いて性能比較した試験結果を表1に示す。
Figure 2007032741
(注)比較例5 平坦面長さ :1.0mm
テーパ面長さ:2.0mm
比較例6 平坦面長さ :0.6mm
テーパ面長さ:2.4mm
比較例7 平坦面長さ :1.0mm
テーパ面長さ:2.0mm
比較例8 平坦面長さ :0.6mm
テーパ面長さ:2.4mm
WOT:スロットル全開
−300mmHg:大気圧より300mmHg低い。
表1に示す試験結果によれば、次のことが明らかである。
(1)比較例1及び比較例2(本発明のピストンリング下面の傾斜角度範囲より大きいピストンリング)は、高速の低負荷、高負荷ともブローバイガス量が増加する。
(2)比較例3及び比較例4(本発明のピストンリング下面の傾斜角度範囲より小さいピストンリング)は、高速高負荷のブローバイガス量が増加する。
(3)比較例5〜比較例8(特許文献1のピストンリング)は、低速低負荷でのブローバイガス量は安定的に低いが、低速高負荷及び高速低負荷でブローバイガス量が増加し、特に高速高負荷でのブローバイガス量が多い。
(4)比較例9〜比較例14(インターナルベベル形状のピストンリング)は、低速条件及び高速高負荷でのブローバイガス量は安定的に低いが、高速低負荷でのブローバイガス量が増加することから、実際の使用条件に近い領域で性能が不充分である。
(5)比較例に対し、本発明品の実施例は、低速低負荷、低速高負荷、高速低負荷、高速高負荷のいずれの条件でもブローバイガス量は安定的に低い。
本発明の一実施形態を示す断面図で、(a)はピストンリング上面がシリンダ軸方向に対して直角な平面となる状態、(b)はピストンリング下面がリング溝下面に接した時の状態を示している。
符号の説明
1・・シリンダ、2・・ピストン、3・・ピストンリング、4・・リング溝、5・・ピストンリング上面、6・・ピストンリング下面、7・・リング溝下面、8・・リング溝上面。

Claims (2)

  1. ピストンリングをピストン外周のリング溝に挿入し、シリンダ内径に等しい径に閉じた時に、ピストンリング上面がシリンダ軸方向に対して直角な平面で、ピストンリング下面が外周に向かって上面側に上昇する傾斜面をなし、ピストンリング下面がリング溝下面に接した時に、ピストンリング上面とリング溝上面との間に隙間を有することを特徴とするピストンリング。
  2. 前記ピストンリング下面の傾斜角度が5′〜60′であることを特徴とする請求項1記載のピストンリング。
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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5943260A (ja) * 1982-09-04 1984-03-10 Yanmar Diesel Engine Co Ltd ピストンリング
JPH09257130A (ja) * 1996-03-22 1997-09-30 Nissan Motor Co Ltd 内燃機関のピストンリング

Patent Citations (2)

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